JP5323602B2 - 車両の伝達部材配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドルからヘッドパイプの前方または側方を下方に延びる可撓性を有する伝達部材を備えた車両の伝達部材配索構造に関する。
自動二輪車においては、ハンドルから下方に延びるブレーキホース等の各種ホース・ケーブル類をヘッドパイプの前方に通した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の車両が、乗員の足前方を覆うレッグシールドを備えるスクータ型車両の場合には、ヘッドパイプの前方を通るホース・ケーブル類が、ヘッドパイプの前後を覆うように取り付けられたレッグシールドとフロントカバーとによって囲まれる空間内に収容される。
国際公開第2004/078575号パンフレット
しかしながら、従来の構成では、ホース・ケーブル類がハンドルパイプとステムパイプが結合する位置でクランプされているものの、ヘッドパイプの高さの範囲では支持されておらず、そのため、ハンドルの回動やフロントフォークの上下動に伴ってホース・ケーブル類が大きく揺動し、ホース・ケーブル類と、車体側に支持されて動かない部品類との間の距離を大きくとらなければならない。
近年の自動二輪車等の軽車両においては、ヘッドパイプ周辺にバッテリー等の部品を配置することが多く、ヘッドパイプ周辺の隙間にホース・ケーブル類を通すことが難しくなっている。特にフロントカバーとレッグシールドとを備える車両の場合には、ヘッドパイプ周辺の隙間が狭く、ホース・ケーブル類のレイアウトが難しい。一方、ヘッドパイプ周辺の隙間を広くするためにフロントカバー等を大型化するのは好ましくない。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、ホース・ケーブル等の可撓性を有する伝達部材をコンパクトに配置できる車両の伝達部材配索構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、車体フレーム(2)の前部に配置され、操舵系を回動可能に支持するヘッドパイプ(3)と、ヘッドパイプ(3)の上方位置で回動自在に支持されるハンドル(7)と、ハンドル(7)からヘッドパイプ(3)の前方または側方を下方に延びる可撓性を有する伝達部材(71、72、74、77)とを備える車両の伝達部材配索構造において、前記ヘッドパイプ(3)に、側方に開放する断面略U字状の板状のガイドであって、U字状の内部に前記伝達部材(71、72、74、77)移動自在に収容するガイド部材(120)を固定支持し、前記ガイド部材(120)の一対の壁部を構成する前壁部(121)および後壁部(122)が、下方に行くに従って前後に拡がる形状を有することを特徴とする。
この構成によれば、ヘッドパイプに、断面略U字状の板状のガイドであって、U字状の内部に伝達部材を収容するガイド部材を固定支持したので、ガイド部材により伝達部材の移動範囲を規制して必要以上に動き回るのを回避でき、伝達部材をコンパクトに配置できる。また、ガイド部材が、断面略U字状の板状のガイドに形成されるので、伝達部材をその長手方向に長い範囲でガイドすることができる。また、ガイド部材の成形が容易であり、かつ、伝達部材のガイド部材への収容作業も容易であり、組み付け性が向上する。
また、伝達部材の前方と後方への移動範囲を規制でき、ヘッドパイプ周辺の前後長を抑えることができる。
また、上記構成において、前記ガイド部材(120)は、前記ヘッドパイプ(3)に対してU字の開放側にオフセットして配置されるようにしてもよい。この構成によれば、ヘッドパイプに沿って車幅方向中央を通る伝達部材を、ヘッドパイプ側に位置するU字の閉じ側の近くを通すことができ、伝達部材を確実にガイドすることができる。
また、上記構成において、前記ガイド部材(120)の前方に隣接してバッテリー(55)を配置してもよい。この構成によれば、ガイド部材で伝達部材をバッテリーから離間させつつバッテリーをヘッドパイプに近づけて配置することができる。
また、上記構成において、前記ガイド部材(120)のU字を形成する一対の壁部(121、122)および一対の壁部(121、122)を連結する連結壁部(123)のうち、前記一対の壁部(121、122)のいずれかには、U字の内側に向けて膨出する膨出部(122C)を備え、前記膨出部(122C)と前記ガイド部材(120)の連結壁部(123)との間に形成される凹部(122D)に、前記伝達部材(71、72、74、77)が配置されるようにしてもよい。この構成によれば、伝達部材の位置決めがし易くなる。
また、上記構成において、前記ハンドル(7)に備わる操作子(65L)からケーブル(73)を介して伝達される操作力を油圧ブレーキ操作力に変換する回動レバー(141A〜141C)を備えるレバー機構(141)と、前記油圧ブレーキ操作力をブレーキホース(74)を介して油圧ブレーキに伝達するマスターシリンダー(142)とを備えるマスターシリンダーユニット(80)を備え、前記ガイド部材(120)は、前記マスターシリンダーユニット(142)から延びる前記ブレーキホース(74)を収容し、前記ガイド部材(120)の前記膨出部(122C)の裏側は、前記レバー機構(141)の回動軸部(80A)を収容する空間にしてもよい。この構成によれば、ガイド部材とマスターシリンダーユニットとを近づけて配置でき、ヘッドパイプ周辺にコンパクトに配置することができる。
本発明では、ヘッドパイプに、断面略U字状の板状のガイドであって、U字状の内部に伝達部材を収容するガイド部材を固定支持したので、伝達部材をコンパクトに配置できる。また、ガイド部材が、断面略U字状の板状のガイドに形成されるので、伝達部材をその長手方向に長い範囲でガイドすることができ、また、ガイド部材の成形が容易であり、かつ、伝達部材のガイド部材への収容作業も容易であり、組み付け性が向上する。
また、ガイド部材は、U字の開放側が車両側方に開口するように配置されるので、伝達部材の前方と後方への移動範囲を規制でき、ヘッドパイプ周辺の前後長を抑えることができる。
また、ガイド部材は、ヘッドパイプに対してU字の開放側にオフセットして配置されるので、ヘッドパイプに沿って車幅方向中央を通る伝達部材を確実にガイドすることができる。
また、ガイド部材の前方に隣接してバッテリーを配置したので、バッテリーをヘッドパイプに近づけて配置することができる。
また、ガイド部材のU字を形成する一対の壁部および一対の壁部を連結する連結壁部のうち、一対の壁部のいずれかには、U字の内側に向けて膨出する膨出部を備え、膨出部とガイド部材の連結壁部との間に形成される凹部に、伝達部材が配置されるようにしたので、伝達部材の位置決めがし易くなる。
また、ハンドルに備わる操作子からケーブルを介して伝達される操作力を油圧ブレーキ操作力に変換する回動レバーを備えるレバー機構と、油圧ブレーキ操作力をブレーキホースを介して油圧ブレーキに伝達するマスターシリンダーとを備えるマスターシリンダーユニットを備え、ガイド部材は、マスターシリンダーユニットから延びるブレーキホースを収容し、ガイド部材の膨出部の裏側は、レバー機構の回動軸部を収容する空間にしたので、ガイド部材とマスターシリンダーユニットとを近づけて配置でき、ヘッドパイプ周辺にコンパクトに配置することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明中、前後左右および上下といった方向は、車両の乗員から見た方向に従う。また、図中矢印Fは車体前方を、矢印Lは車体左方を、矢印Uは車体上方をそれぞれ示している。
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。
この自動二輪車1は、車体フレーム2に上下に揺動自在にパワーユニット9が支持されたスクータ型の軽車両であり、かつ、シート12の前方に略U字状に窪んだ空間(U字空間)、つまり、乗員(運転者)が乗降する際に足をまたぐ足またぎ空間を有する鞍乗り型車両である。
詳述すると、この自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ3に回動自在に支持されて操舵系の一部を構成するステアリングステム4と、このステアリングステム4の下端に設けられたボトムブリッジ5に取り付けられた左右一対のフロントフォーク6と、ステアリングステム4の上端に連結された操舵用のハンドル7と、フロントフォーク6に回転自在に支持された前輪8と、車体フレーム2の後部に上下に揺動自在に支持されたパワーユニット9と、パワーユニット9の後端部に回転自在に支持された後輪10と、パワーユニット9と車体フレーム2との間に配設されたリヤクッション11と、車体フレーム2の略中央上部に支持されたシート12とを備えている。
車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から車体後下方へ延びる単一のメインフレーム21と、メインフレーム21から左右に延びて車体後方へ延びる左右一対のサイドフレーム22とを備える。左右一対のサイドフレーム22の前部間には、燃料タンク15が配置され、サイドフレーム22の燃料タンク15後方には、剛性を有するユニット支持プレート23が接合され、このユニット支持プレート23に湾曲フレーム24を介してパワーユニット9が上下に揺動自在に支持される。
左右一対のサイドフレーム22の中間部から後部間には、前後に長い収納ボックス16が設けられる。この収納ボックス16の前部は、サイドフレーム22間に配設された前側クロスパイプ25にプレート部材26を介して取り付けられ、収納ボックス16の後部は、門形フレーム27を介してサイドフレーム22の後部に取り付けられる。
シート12は、運転者と搭乗者とが前後に間隔を空けて着座可能な前後に長い一体型シートであり、図示せぬヒンジ機構を介して収納ボックス16の上方開口を開閉自在に車体フレーム2に取り付けられる。ここで、収納ボックス16内には、例えば、2個のヘルメット16A、16Bが収納される。
サイドフレーム22の後部には、後部ステー28を介してグラブレール29が支持され、このグラブレール29は、シート12の左右を後方に延びてその後部にリヤキャリア30が一体に形成され、このリヤキャリア30にリヤ収納ボックス31が取り付けられる。なお、前側クロスパイプ25、プレート部材26、門形フレーム27および後部ステー28は、車体フレーム2を構成する部材である。
パワーユニット9は、エンジン32と、このエンジン32の出力を後輪10に伝達する動力伝達機構33とで構成される。このパワーユニット9は、エンジン32がエンジンハンガーリンク24を介して後輪10の回転軸線と平行な軸線まわりの揺動を可能に支承され、動力伝達機構33の後部に設けられたステー34を介してリヤクッション11の下端が連結され、このリヤクッション11の上端がサイドフレーム22に連結される。つまり、このパワーユニット9は、後輪10を上下に揺動自在に支持するスイングアームとしても機能する。
エンジン32の上方には、キャブレター(気化器とも言う)35を介してエアクリーナユニット36が接続され、エンジン32の下方には、車両後方に延びる排気管37が接続され、この排気管37は後輪10の右方に延出し、その後端にマフラー38が接続される。
この自動二輪車1は、車体を覆う合成樹脂または鋼板からなる車体カバー40を備えている。車体カバー40は、大別すると、車体前部(ヘッドパイプ3等)を覆うフロントカバー41と、フロントカバー41の背面にヘッドパイプ3を挟むように連結されて運転者の足前方を覆うレッグシールド(フロントインナーカバーとも言う)42と、車体下部(燃料タンク15等の上方)に位置して運転者が足を載せるステップフロア43と、車体下部(燃料タンク15等)の側方および下方を覆うアンダーカバー44と、車体後部の両側を覆うリヤカバー45とを備えている。
また、ハンドル7には、ハンドル7周辺の部品を覆うと共にヘッドライト46が取り付けられたハンドルカバー47が取り付けられる。また、フロントフォーク6には、前輪8を覆うフロントフェンダ48が取り付けられ、リヤカバー45には、後輪10を覆うリヤフェンダ49が取り付けられる。
ここで、自動二輪車1のハンドル7は、ヘッドパイプ3の上方位置で回動自在に支持され、ヘッドパイプ3に回動可能に支持されたステアリングステム4およびフロントフォーク6からなる操舵系を操作するための操舵部材として機能するだけでなく、スロットル操作およびブレーキ操作等の車速調整を行う操作部材としても機能する。このため、ハンドル7からはスロットルケーブル71やブレーキホース72等の可撓性を有するホース・ケーブル類(伝達部材)が延び、これらホース・ケーブル類を車体前部にレイアウトする必要がある。
図2は、ハンドル7周辺のホース・ケーブル類を周辺構成と共に前方から見た図であり、図3は左側から見た図であり、図4は後方から見た図である。なお、図2中、符号51は、ハンドル7の左右に設けられるバックミラーであり、符号52は、ハンドル7の略中央に設けられるメーターユニットである。
図2に示すように、ハンドル7の両端には、運転者が把持する左右一対のグリップ61R、61Lが設けられる。右側のグリップ61Rは、スロットル操作を行うためのスロットルグリップであり、このスロットルグリップ61Rには、ワイヤー式ケーブルで構成されたスロットルケーブル71の一端部が連結される。
このスロットルケーブル71は、ヘッドパイプ3の前方を下方に延びた後に車体後方へ引き回されて車体後下部のキャブレター35(図1参照)に連結される。ここで、スロットルケーブル71は、インナーケーブルの周囲をアウターケーブルで覆ったケーブル構造のワイヤー式ケーブルであり、以降に説明する他のワイヤー式ケーブルについても同構造である。
ハンドル7のスロットルグリップ61R近傍には、ハンドル7をクランプする右クランプ部63Rを介して、運転者の右手によるブレーキ操作に応じて前輪ブレーキBFを作動させる前輪用ブレーキレバー(前輪用ブレーキ操作子)65Rが回動自在に設けられる。
前輪用ブレーキレバー65Rには、油圧ホースで形成された単一のブレーキホース(第1ブレーキホース)72の一端部が、右クランプ部63Rに設けられたマスターシリンダー66を介して連結され、このマスターシリンダー66によりブレーキレバー65Rの操作力が油圧ブレーキ操作力としてブレーキホース72に伝達される。このブレーキホース72は、ヘッドパイプ3の略前方を下方に延びて前輪8の左側に配設された前輪ブレーキBF(図1参照)に連結され、該油圧ブレーキ操作力で前輪ブレーキBFを作動させる。なお、このマスターシリンダー66は、ブレーキオイルを貯留するリザーブタンク66Aが一体式である。
ハンドル7の左側グリップ61L近傍には、ハンドル7をクランプする左クランプ部63Lを介して、運転者の左手によるブレーキ操作に応じて前輪ブレーキBFおよび後輪ブレーキBR(図1参照)を連動して作動させる連動ブレーキレバー(連動ブレーキ操作子)65Lが回動自在に設けられる。
この連動ブレーキレバー65Lには、ワイヤー式ケーブルで構成された連動ブレーキケーブル73の一端部が連結され、この連動ブレーキケーブル73は、ヘッドパイプ3の略前方を下方に延び、ヘッドパイプ3側方(前輪ブレーキBF側である左側)に支持された前後連動用のマスターシリンダーユニット(図3参照)80に連結される。
マスターシリンダーユニット80は、連動ブレーキレバー65Lから連動ブレーキケーブル73を介して伝達される操作力を、前輪ブレーキ操作力と後輪ブレーキ操作力とに配分すると共に、前輪ブレーキ操作力については、油圧ブレーキ操作力に変換して油圧ホースである連動用ブレーキホース(第2ブレーキホース)74(図3参照)を介して前輪ブレーキBFに伝達し、後輪ブレーキ操作力については、ワイヤー式ケーブルである後輪ブレーキケーブル75(図3、図4参照)を介して後輪ブレーキBRに伝達する装置である。
前輪ブレーキBFは、前輪8と一体に回転するブレーキディスクBF1と、ブレーキディスクBF1を制動するブレーキキャリパBF2とを備え、本車両では、ブレーキディスクBF1およびブレーキキャリパBF2が前輪6の左側に配設され、ブレーキキャリパBF2に、上記ブレーキホース72、74が連結される。
すなわち、本車両1では、前輪ブレーキBFには、油圧で作動する油圧ブレーキであるディスクブレーキ装置が使用され、後輪ブレーキBRには、ケーブルの牽引力で作動する機械式ブレーキであるドラムブレーキ装置が使用されるため、前輪用ブレーキレバー65Rが操作された場合には、レバー操作で油圧ブレーキ操作力を発生させ、マスターシリンダーユニット80を経由せずに、該油圧ブレーキ操作力で前輪ブレーキBFを作動させる。
一方、連動ブレーキレバー65Lが操作された場合には、マスターシリンダーユニット80によりレバー操作力を油圧ブレーキ操作力と機械式ブレーキ操作力とに変換し、油圧ブレーキ操作力で前輪ブレーキBFを作動させると共に、機械式ブレーキ操作力で後輪ブレーキBRを作動させる。
メーターユニット52は、速度メータ等の各種メータ類を収容するユニットであり、このメーターユニット52からは車速検出用のメーターケーブル78やハーネス79が下方に延びる。メーターケーブル78は、前輪8の軸部右側に配設された不図示の車速検知部へつながり、ハーネス79は、不図示のコントロールユニットや後述するバッテリー55等につながる。
このため、本車両1のハンドル7からは、図2に示すように、スロットルケーブル71、ブレーキホース(第1ブレーキホース)72、連動ブレーキケーブル73、メーターケーブル78およびハーネス79が下方に延びる。これらホース・ケーブル類は、ステアリングステム4に設けられた線材製の第1クランパーC1(図2参照)によってステアリングステム4前方にまとめられると共に、ヘッドパイプ3上部に設けられた線材製の第2クランパーC2(図2参照)によってヘッドパイプ3前方にまとめられる。
なお、連動ブレーキケーブル73とハーネス79については、第2クランパーC2にはクランプされていない。連動ブレーキケーブル73は、第1クランパーC1の箇所からマスターシリンダーユニット80に向かって延びて該ユニット80に接続され、ハーネス79は、第1クランパーC1よりも下方では他のクランパー(図2中、符号Cで示すクリップクランパー等)にクランプされてヘッドパイプ3に沿って下方に延在する。
次に、マスターシリンダーユニット80のレイアウトおよびその周辺のホース・ケーブル類について説明する。
マスターシリンダーユニット80は、図3および図4に示すように、車幅方向の寸法が短く前後および上下に延びる縦長の箱形状を有し、ヘッドパイプ3にステー81(図4参照)を介して支持される。なお、このステー81は、ヘッドパイプ3に上下一対のボルト82で固定される。
この場合、マスターシリンダーユニット80は、ヘッドパイプ3の上部位置(より具体的にはメインフレーム21が連結される部分よりも上方位置)であって、ヘッドパイプ3に対して車幅方向で前輪ブレーキBFと同じ側(本構成では左側)に支持される。このため、図3に示すように、マスターシリンダーユニット80は側面視でヘッドパイプ3に重なるように配置されてヘッドパイプ3の前後に張り出さず、フロントカバー41とレッグシールド42との間のスペースに容易にレイアウトし易くなっている。
連動ブレーキレバー65Lから延びる連動ブレーキケーブル73は、図2に示すように、ステアリングステム4に設けられた第1クランパーC1でクランプされた後に、左下方に配置されたマスターシリンダーユニット80に向かって延び、マスターシリンダーユニット80の上部に連結される。
図3および図4に示すように、マスターシリンダーユニット80の上部には、連動ブレーキケーブル73が接続される位置よりも車幅方向内側(ヘッドパイプ3側)に、前輪側ブレーキホース連結部85が設けられている。
この前輪側ブレーキホース連結部85には、油圧ホースである連動用ブレーキホース74の一端部が連結され、この連動用ブレーキホース74は、図3に示すように、マスターシリンダーユニット80とヘッドパイプ3との間の隙間を通って下方に延び、その下端が前輪8の左側に配設された前輪ブレーキBF(図1参照)に連結される。
ここで、前輪ブレーキBFにつながる2本のブレーキホース(ブレーキホース72、連動用ブレーキホース74)は、図3に示すように、ボトムブリッジ55に取り付けられた樹脂製の第3クランパー(ホースクランパ)C3にクランプされる。この第3クランパーC3は、2本のブレーキホース72、74を各々独立してクランプすることによって、2本のブレーキホース72、74をボトムブリッジ55の後面に左右に並べて支持する。この場合、ブレーキホース72は車幅方向内側にクランプされ、連動用ブレーキホース74は車体方向外側にクランプされる。
マスターシリンダーユニット80の前下部からは、ワイヤー式ケーブルである後輪ブレーキケーブル75が下方に延びている。この後輪ブレーキケーブル75は、ヘッドパイプ3側方(左方)を下方に延びた後に車体後方へ引き回されて車体後部に配置された後輪ブレーキBRに連結される。
また、このマスターシリンダーユニット80は、ブレーキオイルを貯留するリザーブタンク86が別体式である。図4に示すように、リザーブタンク86は、ヘッドパイプ3に固定支持されたステー81から車両左上方向に延出する延出部材83の先端に支持され、これにより、マスターシリンダーユニット80の上方に配置される。また、このリザーブタンク86とマスターシリンダーユニット80との間は、油圧ホースであるブレーキホース76で連結される。
図4に示すように、リザーブタンク86の近傍、より具体的には、マスターシリンダーユニット80上方におけるリザーブタンク86とヘッドパイプ3との間のスペースには、チョークノブ87が配設される。チョークノブ87は、ワイヤー式ケーブルであるチョークケーブル77を介してキャブレター35にワイヤー接続され、キャブレター35の吸入空気量を制限して燃料を多く吸い出すようにする始動装置の操作子として機能する。
ヘッドパイプ3近傍にリザーブタンク86やチョークノブ87を配置した構成では、これらを含むヘッドパイプ3周辺の部品の背面側がレッグシールド42(図4参照)で覆われることになる。
本車両1のレッグシールド42には、リザーブタンク86の残量を確認するための窓部42A(図4参照)が設けられると共に、このレッグシールド42からチョークノブ87が背面側(足またぎ空間側)に突出して設けられる。このため、レッグシールド42が邪魔になることなく、リザーブタンク86の残量確認やチョークノブ87の操作が可能になっている。なお、リザーブタンク86は少なくともタンク部86Aが透明樹脂で形成されて残量が外部から視認可能に形成される。また、窓部42Aは、レッグシールド42の一部を切り欠いただけの開口部、或いは、この開口部を透明部材で塞いだ構成とされる。
また、この車両1のフロントカバー41とレッグシールド42との間のスペースには、車両1の各部に電力を供給する車載バッテリー(以下、バッテリーという)55や、車体前側の電装部品(フロントウインカ(灯火類)56やホーン57)が配置される。
ここで、図5は、ヘッドパイプ3周辺を上方から見た図であり、図6は、図5からバッテリー55、電装部品およびホース・ケーブル類等を除いた図であり、図7は、図6を車体右側から見た図である。
バッテリー55は、図5に示すように、ヘッドパイプ3前方で車幅方向中央位置に配置される。すなわち、バッテリー55は、金属製のバッテリートレー94(図6、図7参照)を介してヘッドパイプ3に支持されており、このバッテリートレー94は、ヘッドパイプ3に設けられた上下一対のトレー支持用ステー91、92(図7参照)に複数本(本例では3本)のボルト93で固定されている。
図8(A)(B)(C)は、バッテリートレー94の上面図、前面図および左側面図を各々示している。バッテリートレー94は、上述したトレー支持用ステー91、92を介してヘッドパイプ3に支持される鋼板製の第1プレート95と、この第1プレート95に接合されてバッテリー55の前後左右壁を囲う枠板を形成する鋼板製の第2プレート96と、バッテリー55が載置される底板を形成するように第1および第2プレート95、96に接合される鋼板製の第3プレート97と、第2プレート96の左右を前後に延びる左右一対の鋼管製のパイプ部材98とを備える。
第1プレート95は、上側のトレー支持用ステー91に中央一カ所でボルト止めするための貫通孔95Aと、下側のトレー支持用ステー92に左右2カ所でボルト止めするための左右一対の貫通孔95Bとを備え、また、後述するガイド部材を取り付けるためのガイド部材取付部95Cを備えている。なお、このガイド部材取付部95Cは、ガイド部材をボルト止めするための雌ねじ孔を有している。
第2プレート96は、第3プレート97(底板)上に配置されたバッテリー55の前後左右を囲う枠形状を有し、バッテリー55の前後左右を位置決めする。この第2プレート96の前部には、その上端が車体前側に屈曲した第4プレート99が連結され、この第4プレート99には、図7に示すように、バッテリー55の上面を押さえる押さえ部材100がボルト101で取り付けられる。これによって、バッテリー55がバッテリートレー94に固定される。
左右一対のパイプ部材98は、後端が第1プレート95に接合され、この第1プレート95から第2プレート96の左右を前方に延びてその前側が車幅方向内側に屈曲し、この屈曲部分に左右一対の第1ステー105が取り付けられると共に、前端間に第2ステー106が取り付けられる。これら第1ステー105および第2ステー106には、フロントカバー41をボルト止めするための雌ねじ孔107が各々形成される。つまり、このバッテリートレー94は、フロントカバー41が取り付けられるフロントカバー被取付部材としても機能する。
なお、このバッテリートレー94には、ホーン57を支持するためのステー108やメーターケーブル78をクランプするクランパー109等も設けられている。
このように、この自動二輪車1の前部(ヘッドパイプ3周辺)には、多数のホース・ケーブル類だけでなく、バッテリー55や電装部品(フロントウインカ56やホーン57)が配置されるため、自動二輪車1の限られた前部スペース(フロントカバー41とレッグシールド42間)に効率よくこれら部品を配置することが必要になる。
本構成では、上述したように、上記第1〜第3クランパーC1〜C3等によってホース・ケーブル類がステアリングステム4、ヘッドパイプ3およびボトムブリッジ5にクランプされている。しかしながら、このように複数箇所でクランプをしても、ハンドル7の操舵(回動)やフロントフォーク6の上下動に伴ってヘッドパイプ3近傍でホース・ケーブル類が動いてしまうため、ホース・ケーブル同士を確実に離間させると共に、ホース・ケーブル類と車体側に固定されて動かない部品類(バッテリー55、フロントウインカ56、ホーン57等)とを確実に離間させることが望まれる。
そこで、本実施の形態では、図3に示すように、ヘッドパイプ3に、断面略U字状の板状のガイドであるガイド部材120を固定支持し、このガイド部材120のU字状の内部にホース・ケーブル類を収容するようにしている。
図9(A)(B)(C)は、ガイド部材120の上面図、左側面図および前面図を各々示している。また、図10は、ガイド部材120を周辺構成と共に右側から見た図であり、図11は後側から見た図であり、図12は上側から見た図である。
ガイド部材120は、前後に間隔を空けて対向配置される一対の壁部を構成する前壁部121および後壁部122と、前壁部121および後壁部122の側縁を連結する連結壁部を構成する側壁部123とを備え、これらを合成樹脂で一体成形して形成されている。
このガイド部材120は、前壁部121から前方に突出する第1締結部121Aと、側壁部123から側方(車体右側)に突出する第2締結部123Aとを備え、第1締結部121Aは、バッテリートレー94に設けられたガイド部材取付部95C(図8(A)参照)にボルト131(図6参照)により固定され、第2締結部123Aは、図7に示すように、ヘッドパイプ3に設けられたトレー支持用ステー91に、バッテリートレー94と共にボルト93で共締めされる。
すなわち、図6に示すように、ガイド部材120は、側壁部123をヘッドパイプ3側に近接させ、U字状の開放側を車幅方向外側(左側)に向けた姿勢で車体側に固定支持され、上面視でヘッドパイプ3側方側(左側)であって、バッテリートレー94後方、かつ、マスターシリンダーユニット80(図5参照)前方に形成されたスペースに収まるように配置される。
この配置によれば、ヘッドパイプ3、バッテリートレー94、かつ、マスターシリンダーユニット80によって前後および右側が囲まれた狭い空間内に、前後および右側が前壁部121、後壁部122および側壁部123によって各々区画された空間Sが上下に延在して形成される。
この空間Sには、前輪ブレーキBFにつながる2本のブレーキホース72、74が左右に間隔を空けて収容される(図5参照)。このため、ハンドル7の操舵(前輪8の転舵)やフロントフォーク6の上下動に伴って2本のブレーキホース72、74が動いても、その動く範囲は空間S内に限定され、ブレーキホース72、74を、ヘッドパイプ3、バッテリートレー94およびマスターシリンダーユニット80等から離してガイドすることができる。
より具体的には、ブレーキホース72、74の前側の移動は、前壁部121で規制され、車幅方向内側(ヘッドパイプ3側)への移動は、側壁部123で規制され、後側への移動は、後壁部122で規制される。
一方、ブレーキホース72、74の車幅方向外側への移動は、空間Sが該方向に広く形成されるので、許容される。このU字状のガイド部材120の開放側には、その近くに周辺部品が存在しないので、ブレーキホース72、74がある程度、開放側に動いても周辺部品との距離は確保できる。また、ブレーキホース72、74を収容するガイド部材120の一側が開放するので、ブレーキホース72、74の取り付けや取り外しの作業が容易である。
図9(B)に示すように、前壁部121の下部は、前下方に傾斜する傾斜壁部121Bに形成され、後壁部122の下部は、後下方に傾斜する傾斜壁部122Bに形成されている。これによって、ガイド部材120内の空間Sの前後長が下部ほど広く形成される。
図3に示すように、前壁部121は、このガイド部材120を車体側に取り付けた状態で、バッテリートレー94との連結部である第1締結部121A近傍部分から下方が傾斜壁部121Bに形成されており、この傾斜壁部121Bは、その傾斜角度が下方に行くに従って水平角度に近づく湾曲壁形状を有し、その下端121B1が、側面視で第3クランパーC3の上方位置、若しくは第3クランパーC3の上方で第3クランパーC3よりも前側に位置する。
また、後壁部122は、マスターシリンダーユニット80よりも下方が傾斜壁部122Bに形成されており、この傾斜壁部122Bは、その傾斜角度が下方に行くに従って水平角度に近づく湾曲壁形状を有し、その下端122B1が、側面視で第3クランパーC3よりも後方であって、メインフレーム21に重なり、かつ、メインフレーム21の後面21A(図3参照)近傍に位置する。
ここで、2本のブレーキホース72、74は、ハンドル7の操舵(前輪8の転舵)の際、前輪8と一体に移動するボトムブリッジ5のクランプ位置(第3クランパーC3の位置)を基準にして、該クランプ位置上方のホース部分が前後に揺動する。このため、クランプ位置(C3位置)に近いほどブレーキホース72、74の前後の揺動量が大きくなる。
本構成では、上述したように、ガイド部材120の前壁部121および後壁部122を下方に行くに従って前後に拡がる末広がり形状(ラッパ状)に形成したので(図3参照)、ガイド部材120の剛性が向上すると共に、ブレーキホース72、74のクランプ位置に近いほどガイド部材120内の空間Sが広くなり、該ブレーキホース72、74の揺動スペースを十分に確保することができる。
従って、ヘッドパイプ3、バッテリートレー94、かつ、マスターシリンダーユニット80に囲まれる狭いスペース内に、前輪ブレーキBFにつながるブレーキホース72、74を、その揺動スペースを確保しつつコンパクトに配索することができる。
また、このガイド部材120には、チョークケーブル77およびスロットルケーブル71も収容される。
チョークケーブル77は、ガイド部材120の前壁部121に収容され、より具体的には、図9(A)〜(C)に示すように、前壁部121の開放側の側端部には、上下一対の屈曲板部121C、121Dが一体に形成されており、上側の屈曲板部121Cが、チョークケーブル77を車幅方向外側および前後から押さえる押さえ部として機能し、下側の屈曲板部121Dが、チョークケーブル77を車幅方向内側および前方から上下方向に渡って広く押さえる縦板状の押さえ部として機能する。
すなわち、図3、図10および図11に示すように、ガイド部材120は、上下方向に延びる一対の屈曲板部121C、121Dによって、前壁部121の開口側の側端部に沿ってチョークケーブル77を支持する。
このように、チョークケーブル77を上下に渡って広く支持するので、チョークケーブル77がヘッドパイプ3周辺で揺動するのを回避でき、ヘッドパイプ3周辺の部品との距離を確保できる。
また、図3に示すように、チョークケーブル77をガイド部材120の前壁部121の側端部に沿わせて支持するので、チョークノブ87からガイド部材120の支持位置までの距離を長く確保でき、チョークケーブル77の曲率半径を大きくすることができると共に、ブレーキホース72、74と車幅方向に間隔を空けて効率的に配置できる。
なお、ガイド部材120の前壁部121の上端部121Eは、前側に屈曲した屈曲形状に形成される。前壁部121の上端部121Eを屈曲することにより前壁部121上部の強度を向上することができ、ガイド部材120の剛性向上に寄与する。また、前壁部121の側端部に設けられる屈曲板部121C、121Dも、ガイド部材120の剛性向上に寄与する。
また、スロットルケーブル71は、ガイド部材120における空間S内に収容される。具体的には、後壁部122には、図9(A)に示すように、空間S内に向けて膨出する膨出部122Cが一体に設けられ、この膨出部122Cと側壁部123との間に形成された凹部122Dにスロットルケーブル71が配置される。このため、図10〜図12に示すように、スロットルケーブル71が、ガイド部材120における膨出部122Cと側壁部123との間に位置決めされて後壁部122に沿って下方に延出し、側面視でチョークケーブル77と前後方向に間隔を空けて配置される。
また、側壁部123には、膨出部122Cの側方に膨出部122Cを成形するための型抜き用の開口部123Bが設けられ、スロットルケーブル71が配索された様子を外部から容易に確認することができる。
ここで、ガイド部材120には、ブレーキホース72、74およびチョークケーブル77もガイドするが、膨出部122Cによって、膨出部122Cと側壁部123との間のスペース、つまり、スロットルケーブル71のレイアウトスペースとブレーキホース72、74のレイアウトスペースとを分けることができる。また、チョークケーブル77は、一対の屈曲板部121C、121Dで上下に渡って位置決めされているので、ブレーキホース72、74、チョークケーブル77およびスロットルケーブル71を車幅方向や前後方向に離すことができる。
この場合、図3に示すように、スロットルケーブル71は、ガイド部材120の後壁部122(傾斜壁部122Bを含む)に沿って配置されるので、後下方に延びるメインフレーム21に沿わせて配置しやすくなる。
図11に示すように、ガイド部材120の膨出部122Cの裏側は、マスターシリンダーユニット80から車幅方向内側に向けて突出する回動軸部80Aを収容する空間を形成する。この場合、図12に示すように、上面視(ガイド部材120の上下方向視)で、膨出部122Cと回動軸部80Aとが重なるように配置される。このように、ガイド部材120の膨出部122Cの裏側を利用して回動軸部80Aを配置するので、スペースの有効利用ができると共に、膨出部122Cによって、回動軸部80Aの締結部(後述するナット80A2)を覆うことができる。また、膨出部122Cと、前壁部121および後壁部122を連結する側壁部(連結壁部)123との間にスロットルケーブル71を通すので、スロットルケーブル71の位置を決めやすい。
図13(A)(B)(C)は、マスターシリンダーユニット80の内部構造を示す三面図である。マスターシリンダーユニット80は、連動ブレーキケーブル73を介して伝達される操作力を油圧ブレーキ操作力に変換する複数の回動レバー141A〜141Cを備えるレバー機構141と、油圧ブレーキ操作力を連動用ブレーキホース74を介して前輪ブレーキBFに伝達するマスターシリンダー142とを備える。
連動ブレーキケーブル73は、レバー機構141の一部を構成するイコライザー(イコライザーレバーとも言う)141Aの中央部に連結されており、連動ブレーキケーブル73が牽引されると、イコライザー141Aが一端部141A1を基準に回動し、この回動によりイコライザー141Aの他端部141A2が、この他端部141A2に連結された後輪ブレーキケーブル75を牽引し、このケーブル75の牽引力により後輪ブレーキBRが作動する。なお、図中、符号143は、イコライザー141Aを連動ブレーキケーブル73の牽引方向の逆方向に付勢する弾性部材である。
イコライザー141Aが一端部141A1を基準に回動すると、このイコライザー141Aに連動する連動レバー141Bを介してノッカー141Cが回動し、このノッカー141Cが、マスターシリンダー142のピストンを押下して油圧ブレーキ操作力が発生し、この油圧ブレーキ操作力が連動用ブレーキホース74を介して前輪ブレーキBFに伝達されて前輪ブレーキBFが作動する。
このため、マスターシリンダーユニット80は、回動レバー141A〜141Cを支持する回動軸部が必ず存在し、本構成では、連動レバー141Bとノッカー141Cを回動自在に支持する回動軸部80Aを構成する段付きボルト80A1が、ユニット80から車幅方向内側に向けて突出する。なお、符号80A2は、段付きボルト80A1をユニット80に固定するためのナットである。
本構成では、ガイド部材120に、マスターシリンダーユニット80から突出する回動軸部80Aを収容する膨出部122Cを設けたので、ガイド部材120をマスターシリンダーユニット80に近づけて配置でき、ガイド部材120をヘッドパイプ3周辺にコンパクトに配置できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヘッドパイプ3に、断面略U字状の板状のガイドであって、U字状の内部に、ブレーキホース72、連動用ブレーキホース74、チョークケーブル77およびスロットルケーブル71を収容するガイド部材120を固定支持したので、上記ホース・ケーブル類の移動範囲を規制して必要以上に動き回るのを回避でき、ホース・ケーブル類をコンパクトに配置トできる。このため、ヘッドパイプ3周辺にマスターシリンダーユニット80やバッテリー55等の比較的大型の部品を配置し、かつ、フロントウインカ56やホーン57を含む多数の部品を配置した構成でも、ヘッドパイプ3周辺にコンパクトに配置することができ、フロントカバー41やレッグシールド42等のカバー部品の大型化も回避することができる。
この場合、ガイド部材120が、断面略U字状の板状のガイドに形成されるので、ホース・ケーブル類をその長手方向に長い範囲でガイドすることができる。また、ガイド部材120の成形が容易であり、かつ、ホース・ケーブル類のガイド部材120への収容作業も容易であり、組み付け性が向上する。
さらに、ガイド部材120の一対の壁部を構成する前壁部121および後壁部122が、下方に行くに従って前後に拡がる形状を有するので、ガイド部材120の下方ほどホース・ケーブル類の前後移動範囲を広くできる。このため、前輪8側に連結されるホース・ケーブル類(ブレーキホース72、連動用ブレーキホース74)の揺動スペースを十分に確保することができる。
また、ガイド部材120は、U字の開放側が車両側方に開口するように配置されるので、ホース・ケーブル類の前方と後方への移動範囲を適切に規制でき、ヘッドパイプ3周辺の前後長を抑えることができる。この場合、フロントカバー41とレッグシールド42との間に必要な前後長を抑えることができ、カバー部品の前後方向への大型化を回避できる。
また、ガイド部材120は、ヘッドパイプ3に対してU字の開放側にオフセットして配置されるので、ヘッドパイプ3に沿って車幅方向中央を通るホース・ケーブル類を、ヘッドパイプ3側に位置するU字の閉じ側の近くを通すことができ、ホース・ケーブル類を確実にガイドできる。
また、本構成では、ガイド部材120の前方に隣接してバッテリー55を配置したので、ガイド部材120でホース・ケーブル類をバッテリー55から離間させつつバッテリー55をヘッドパイプ3に近づけて配置することができる。
また、ガイド部材120の一部を構成する後壁部122が、U字の内部空間Sに向けて膨出する膨出部122C(図11参照)を備え、この膨出部122Cと側壁部123との間に形成される凹部122D(図9(A)、図12参照)に、ホース・ケーブル類の一つであるスロットルケーブル71を配置するので、スロットルケーブル71の位置決めがし易く、ガイド部材120に収容される他のホース・ケーブル類と離間させて配置できる。
また、ハンドル7に備わる連動ブレーキレバー65Lから連動ブレーキケーブル73を介して伝達される操作力を油圧ブレーキ操作力に変換する回動レバー141A〜141Cを有するレバー機構141と、油圧ブレーキ操作力を連動用ブレーキホース74を介して油圧ブレーキに伝達するマスターシリンダー142とを備えるマスターシリンダーユニット80を備え、ガイド部材120は、マスターシリンダーユニット80から延びる連動用ブレーキホース74を収容し、ガイド部材120の膨出部122Cの裏側を、レバー機構141の回動軸部80Aを収容する空間としたので(図11、図12参照)、ガイド部材120とマスターシリンダーユニット80とを近づけて配置でき、ヘッドパイプ3周辺にコンパクトに配置することができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、種々の設計変形を行うことができる。例えば、上記実施形態においては、ガイド部材120のU字の開放側を車体左側に向けて配置する場合を説明したが、これに限らず、ガイド部材120に収容させるホース・ケーブル類のレイアウトによっては、U字の開放側を車体右側に向けて配置してもよいし、車体前方向き或いは後方向きに配置してもよい。
例えば、前輪ブレーキBFが前輪8の右側に配設された場合は、ガイド部材120を、U字の開放側を車体右側に向けてヘッドパイプ3に固定支持し、このガイド部材120によって前輪ブレーキBFにつながるブレーキホース72、74をガイドすることが好ましい。
また、上記実施形態では、ガイド部材120の後壁部122に、内側に膨出する膨出部122C(図11参照)を設け、この膨出部122Cの裏側を、マスターシリンダーユニット80の回動軸部80Aを収容する空間とする場合を説明したが、これに限らない。例えば、ガイド部材120の前側にマスターシリンダーユニット80の回動軸部80Aが存在する場合は、ガイド部材120の前壁部121に、内側に膨出する膨出部122C(図11参照)を設け、この膨出部122Cの裏側を、マスターシリンダーユニット80の回動軸部80Aを収容する空間にしてもよい。この場合も、ガイド部材120とマスターシリンダーユニット80とを近づけて配置でき、ヘッドパイプ3周辺にコンパクトに配置することができる。
また、上記実施形態では、ガイド部材120にホース(ブレーキホース72、連動用ブレーキホース74)とケーブル(チョークケーブル77、スロットルケーブル71)を配置する場合を説明したが、これに限らず、ハンドルからヘッドパイプの前方または側方を下方に延びる可撓性を有する伝達部材を配置することができ、上記以外のホースやケーブル(例えば、クラッチケーブル)の他、ハーネス79等を収容させてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示したスクータ型車両に本発明の伝達部材配索構造を適用する場合について説明したが、これに限らず、それ以外の車両、例えば、スクータ型車両以外の自動二輪車、フロントカバーやレッグシールドを備えない自動二輪車等の車両に本発明を適用してもよい。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 ハンドル周辺のホース・ケーブル類を周辺構成と共に前方から見た図である。 ハンドル周辺のホース・ケーブル類を周辺構成と共に左側から見た図である。 ハンドル周辺のホース・ケーブル類を周辺構成と共に後方から見た図である。 ヘッドパイプ周辺を上方から見た図である。 図5からバッテリー、電装部品およびホース・ケーブル類等を除いた図である。 図6を車体右側から見た図である。 (A)はバッテリートレーの上面図、(B)は前面図、(C)は左側面図である。 (A)はガイド部材の上面図、(B)は左側面図、(C)は前面図である。 ガイド部材を周辺構成と共に右側から見た図である。 ガイド部材を周辺構成と共に後側から見た図である。 ガイド部材を周辺構成と共に上側から見た図である。 (A)はマスターシリンダーユニットを略右側から見た図、(B)は略前側から見た図、(C)は略左側から見た図である。
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
7 ハンドル
9 パワーユニット
40 車体カバー
55 バッテリー
65R 前輪用ブレーキレバー(前輪用ブレーキ操作子)
65L 連動ブレーキレバー(連動ブレーキ操作子)
71 スロットルケーブル(伝達部材)
72 ブレーキホース(伝達部材)
74 連動用ブレーキホース(伝達部材)
77 チョークケーブル(伝達部材)
80 マスターシリンダーユニット
80A 回動軸部
120 ガイド部材
121 前壁部
122 後壁部
122C 膨出部
122D 凹部
123 側壁部(連結壁部)
141 レバー機構
142 マスターシリンダー
BF 前輪ブレーキ
BR 後輪ブレーキ

Claims (5)

  1. 車体フレーム(2)の前部に配置され、操舵系を回動可能に支持するヘッドパイプ(3)と、ヘッドパイプ(3)の上方位置で回動自在に支持されるハンドル(7)と、ハンドル(7)からヘッドパイプ(3)の前方または側方を下方に延びる可撓性を有する伝達部材(71、72、74、77)とを備える車両の伝達部材配索構造において、
    前記ヘッドパイプ(3)に、側方に開放する断面略U字状の板状のガイドであって、U字状の内部に前記伝達部材(71、72、74、77)移動自在に収容するガイド部材(120)を固定支持し
    前記ガイド部材(120)の一対の壁部を構成する前壁部(121)および後壁部(122)が、下方に行くに従って前後に拡がる形状を有することを特徴とする車両の伝達部材配索構造。
  2. 前記ガイド部材(120)は、前記ヘッドパイプ(3)に対してU字の開放側にオフセットして配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両の伝達部材配索構造。
  3. 前記ガイド部材(120)の前方に隣接してバッテリー(55)を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の伝達部材配索構造。
  4. 前記ガイド部材(120)のU字を形成する一対の壁部(121、122)および一対の壁部(121、122)を連結する連結壁部(123)のうち、前記一対の壁部(121、122)のいずれかには、U字の内側に向けて膨出する膨出部(122C)を備え、前記膨出部(122C)と前記ガイド部材(120)の連結壁部(123)との間に形成される凹部(122D)に、前記伝達部材(71、72、74、77)が配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の伝達部材配索構造。
  5. 前記ハンドル(7)に備わる操作子(65L)からケーブル(73)を介して伝達される操作力を油圧ブレーキ操作力に変換する回動レバー(141A〜141C)を備えるレバー機構(141)と、前記油圧ブレーキ操作力をブレーキホース(74)を介して油圧ブレーキに伝達するマスターシリンダー(142)とを備えるマスターシリンダーユニット(80)を備え、
    前記ガイド部材(120)は、前記マスターシリンダーユニット(142)から延びる前記ブレーキホース(74)を収容し、前記ガイド部材(120)の前記膨出部(122C)の裏側は、前記レバー機構(141)の回動軸部(80A)を収容する空間であることを特徴とする請求項4に記載の車両の伝達部材配索構造。
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