JP5323375B2 - 蓄電デバイスの電圧分布評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイスの設計に有効な評価方法及び評価治具であり、特に高出力向け中大型蓄電デバイスに関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラに代表される携帯機器用小型二次電池の分野では、小型化及び高容量化のニーズに応えるべく、90年代初頭より、ニッケルカドミウム電池に続き、新型電池としてニッケル水素電池、リチウム二次電池の開発が進展し、200Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特にリチウムイオン電池は、350Wh/l、形状によっては500Wh/lを超える体積エネルギー密度を有するタイプも上市し、その市場を飛躍的に延ばしてきた。
一方、中大型蓄電デバイスの分野では、省資源を目指したエネルギーの有効利用及び地球環境問題の観点から、深夜電力貯蔵及び太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車向けの蓄電システム等が注目を集めている。上記の蓄電システムでは、多数の二次電池や電気二重層キャパシタを直列及びあるいは並列に接続し、組電池として用いるのが常であり、要求される寿命は、小型携帯機器用の5年程度に比べ10年以上と長い場合が多い。
その中でも、最近では、原油価格上昇に伴いガソリン価格が高騰する中、低燃費であり、環境に優しい車としてハイブリッド車の開発が加速され、ハイブリッド車用として、安全且つ高出力、高エネルギー密度、長寿命を有する中大型蓄電デバイスが希求されている。
前記ハイブリッド車に代表されるエネルギー回生を含む蓄電用途においては、蓄電デバイスに充放電時短時間で大きな電力を出し入れする必要があり、蓄電デバイス内部での電気化学的反応を均一に保持することが重要となる。もし蓄電デバイス内部における反応が均一に保てないと電流分布が不均一となり、その結果一部に電流が集中するとその部分の電極活物質への負担が増加し劣化が進み、その部分がやがては過放電、過充電、更にはガス発生状態を誘発し、耐久性、安全性に問題が生じる。又、上記劣化部分の発生は、10年以上と長い寿命を要求される中大型蓄電デバイスにおいては致命傷にもなりうる。
蓄電デバイス内部での反応が均一に行われているか、電流が均一に分布されているかを測定することは難しく、例えば実際に電池を組み立て、大きな電力で繰り返し充放電した後に解体して各部分の電極活物質等を分析することで、上記反応均一性を解析する等の手間がかかる方法で実施されている。この手法は電極の設計、構成や充放電条件毎に実施する必要がある等多くの工数を要する点が課題であった。又、化学分析によって反応均一性を評価することは、マクロな電極層内分布からミクロな活物質粒子内分布の存在により解析が大変困難であるという点に課題があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、上記の背景技術から明らかな様に、家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車等の用途向け中大型蓄電デバイスの分野において、エネルギー密度が高く、高い安全性、10年以上の長寿命特性が希求されている蓄電デバイスの設計を検討する際に、従来技術では難しかった蓄電デバイス内部の反応均一性を評価する方法、及びその評価を簡便かつ高精度で実現する為に必要となる電圧分布の評価治具を提供することにある。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ、研究を進めた結果、蓄電デバイスの設計において、正極電極層と負極電極層の間に電子伝導性層を介した電子伝導モデルを用いる電圧分布の測定方法、及びその測定に必要となる評価治具を見出し、本発明に至った。
請求項1に記載の方法は、正極集電体と正極電極層から構成される正極、負極集電体と負極電極層から構成される負極、及び電解質を具備した蓄電デバイスの設計において、正極集電体の厚さと形状と電子伝導度、負極集電体の厚さと形状と電子伝導度、正極電極層の厚さと電子伝導度、及び負極電極層の厚さと電子伝導度が電池内部における反応均一性に与える影響を検討する場合において、正極電極層と負極電極層の間に電子伝導性層を介した電子伝導モデルを用い、前記正極あるいは及び負極の電圧分布を測定することを特徴とする電圧分布の評価方法である。
本発明の評価方法は、蓄電デバイスの設計において、正極及び負極電極が反応分布に与える影響を検討する場合に、正極負極電極層の間に電子伝導性層を介し作製が容易な電子伝導モデルを用いた電圧分布の評価方法であり、少ない工数で様々な条件における反応分布を予測することが可能となる。又、上記電子伝導モデルを用いて電圧分布を測定する場合に、電子伝導性層とは反対側の正極表面あるいは及び負極表面へ、複数本の電圧測定プローブを均等な圧力で同時に接触させて電圧を測定する評価治具を用いることにより、簡便でかつより精度の高い電圧分布を測定することが可能となり、蓄電デバイスの設計に要する工数を大幅に削減できる大変有効な手段であると考える。
本発明の評価方法は、蓄電デバイスの設計において、正極集電体の厚さと形状と電子伝導度、負極集電体の厚さと形状と電子伝導度、正極電極層厚さと電子伝導度、及び負極電極層の厚さと電子伝導度が反応分布に与える影響を検討する場合に、正極電極層と負極電極層の間に電子伝導性層を介した電子伝導モデルを用い、前記正極表面あるいは及び負極表面の電圧を測定することを特徴とする電圧分布の評価方法である。実際の電池の内部で電極の電圧分布を測定することは大変困難であることを考えると、本評価方法は電子伝導性部分に限ってはいるが、集電体と電極層より構成される電極の設計が及ぼす電圧分布への影響を簡便に測定することが可能である。何故なら、実際の電池における反応は、一般的に電子伝導性以上に抵抗の高いイオン伝導抵抗、イオン拡散抵抗、反応抵抗等の多くが電極の断面方向に更に加わることとなり、電圧分布へは、より抵抗の低い正極集電体、正極電極層、負極集電体、及び負極電極層における電子伝導性に関する設計が支配的になると推測される為である。例えば電極層の断面方向の抵抗に対して、集電体が伝導性の高い金属でかつ十分厚く抵抗の低い場合には、集電体表面の各箇所へ集電タブより流れる電流は均一となり電圧分布も均一となる。又、本発明の評価方法は、モデル測定ではあるが前記電子伝導モデルを作製することは容易であり、種々の設計仕様で正極電極及び負極電極さえ用意すれば少ない工数で様々な条件(集電体電子伝導性、集電体厚さ、集電体金属、電極層厚さ、電極層電子伝導性、集電タブ形状及び位置、充放電条件)における反応分布を予測することが可能となる。
又、上記電子伝導モデルを用いて電圧分布を測定する場合に、正極集電体の一部(正極タブ)より負極集電体の一部(負極タブ)へ電流を印加した状態で、電子伝導モデルの正極及び負極において、正極電極層と負極電極層の間に介在させた電子伝導性層とは反対側の正極表面あるいは及び負極表面へ、複数本の電圧測定プローブを均等な圧力で同時に接触させて電圧を測定する評価治具を用いることにより、簡便でかつより精度の高い電圧分布を測定することが可能となる。複数本の電圧測定プローブを全て均等な圧力で接触させることは、一般的に電極層は電解質が入り込むための空隙を所持している為弾性があり、測定プローブの圧力が不均一であると電極層の圧縮度合が均一でなくなり、その結果として電極層の電子伝導性にバラつきが生じ測定データの精度が低下することを抑制させるためである。又、複数本の電圧測定プローブを同時に接触させることは、一本のプローブを移動させて測定する方法では微小ではあるが電圧を測定する電流の影響が出ることと一本のプローブが接触している部分のみ電極層が圧縮されるためである。以上の評価方法、及び評価治具を用いることにより、高安全性、長寿命特性が要求され反応分布の不均一性が懸念される高出力タイプの蓄電デバイスの設計開発段階で電圧分布の傾向を予測することができ、設計に要する工数を大幅に削減できると考える。
以下、本発明の一実施形態について、具体的に図面を用いて説明する。尚、対象となる蓄電デバイスとしては、上記リチウムイオン電池を始め、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどが挙げられる。
図1〜3は、リチウムイオン電池を例とした集電体及び電極層から構成される片面正負極電極による電子伝導モデルの一例を示す。図1は、片面正極電極1、片面負極電極2、及び電子伝導性層3から構成される電子伝導モデルを示す図であり、図1(a)は金属箔である正極集電体側から見た平面図、図1(b)は金属箔である負極集電体側から見た平面図、図1(c)は断面図である。図2は上記構成部品の内片面正極電極の形状を示す図であり、図2(a)は正極集電体側から見た平面図、図2(b)は正極電極層側から見た平面図、図2(c)は断面図である。図2において、正極電極は未塗布部分である正極集電体4の一部に正極タブ5を設けて正極電極層6が配置されている。図2同様に、図3は上記構成部品の負極電極の形状を示す図であり、図3(a)は負極集電体側から見た平面図、図3(b)は負極電極層側から見た平面図、図3(c)は断面図である。図3において、負極電極は負極集電体7の一部に負極タブ8を設けて負極電極層9が配置されている。
前記図1から3において、正極電極、負極電極、及び電子伝導性層は矩形形状であるが、特に限定されるものでなく、正極タブ、負極タブの形状や位置についても特に限定されるもではなく、任意に設計形状に合わせ適宜決定されるものである。電極については、片面電極を向かい合わせた構造で説明しているが、両面電極の片面同志を電子伝導性層と重ね合わせ、その反対側である外側の電極表面で電圧を測定してもよい。電極の作製方法としては、集電体の表面に塗布されている場合が多いが、予め成形した電極を集電体に接着させる方式等特に限定されない。集電体については、金属箔に限定されず、導電性のあるシート材料を始め、穴あき材料や、グリッド状、繊維状の材料でもよい。
電子伝導性層3は、いずれかの電極表面へ塗布方式で形成させる方式や予めシート成形されたものを正極電極層と負極電極層の間に介在させる方式などが考えられるが特に限定されない。電子伝導性層3の電子伝導性は、集電体及び電極層の設計が電圧分布に対する影響を調べる上で、悪影響を及ぼさない様に電極層の電子伝導性より100倍以上高いことが望ましい。例えばリチウムイオン電池における電極層の電子伝導度は通常10−3S/cmから10S/cmであることを考えると、電子伝導層の電子伝導性は10S/cm以上でかつ電極層と同等以下の厚さであることが望ましい。具体的には、銀等の電子伝導性が高い金属粒子や炭素系材料を含んだ塗料や成形シートが考えられる。電子伝導性層3の形状は、正極集電体あるいは正極電極層と負極電極集電体あるは負極集電層との周辺端部における接触を避けるため、正極電極層あるは及び負極電極層より少し大きく周囲方向にはみ出していることが望ましい。より望ましくは正極電極層あるは及び負極電極層より周囲へはみ出した部分の長さが0.5mmから1.0mm程度であることが更に望ましい。なぜなら0.5mm以下では実験上の位置合わせが全方向に対して必ずはみ出している様にする作業が困難であり、1.0mm以上であると現実に電池反応が進む部分以外の影響を受ける可能性があるからである。
本発明による電圧分布評価方法は、図1から3で例示した電子伝導モデルの正極タブ5及び負極タブ8の間に電流を流し、電圧測定器の一方の極を正極タブあるいは負極タブに接続し、もう一方の極を正極あるいは負極の表面の様々な位置に接触させることにより、電圧分布を測定する方法である。
具体的には、図4に一例として示す様に、図1の電子伝導モデルを用いて、電源10のプラス極11を正極タブ5へマイナス極12を負極タブ8へ接続させて電流を流し、電圧測定器13のマイナス極15を負極タブ8に接続し、プラス極14を正極集電体表面4の様々な位置16へ順次移動させて接触させ各位置における電圧を測定する。流す電流としては、例えば設計している電池に対して想定している最大電流に基づき、電極あたりの最大電流を計算した電流値が考えられるが特に限定されるものではない。この際、通常非常に小さな電圧差を評価する為、電圧測定器の最小解像度は0.1mVより小さいことが望ましい。
上記の電圧測定値を用いて電圧分布図を作成することが可能となり、電池の設計段階で反応均一性を評価することができる。実際の電池の内部で集電体表面の電圧分布を測定することは大変困難であることを考えると、電極の設計による電圧分布への影響を簡便に測定することが可能である。
次に、前記電子伝導モデルを用いた電圧測定時、より信頼性の高い値を測定する必要があり、それを実現する評価治具が必要となる。本発明における電圧分布測定用の評価治具の一例を、図5に示す。図5(a)が底板17、側板18、プローブ固定板19、複数のプローブ20から構成される電圧分布評価治具の斜視図であり、図5(b)は上記評価治具の断面の一部を拡大した図である。底板17及びプローブ固定板19は絶縁体である必要がある。プローブの本数は、図上5×5の25本で示しているが、複数本であれば特に限定されない。3×3の9本や4×4の16本でも電圧分布図は得られる。しかしプローブの大きさと電池の大きさとの関係に考慮した上で、プローブの本数が多い方が電圧分布の等高線図はより解像度の高いグラフとなるので5×5の25本以上であることが望ましい。プローブの配置位置は、例えば図5上5×5の25本の場合、プローブを接触させる集電体表面を均等長方形で5×5の25ブロックに分割し、それぞれの中心に位置させることが望ましい。プローブ先端21の表面形状は、フラット面である方が電極あるいは集電体の表面を変形させにくく好ましい。プローブが電子伝導モデルと接触する面は、接触抵抗を低減しかつ酸化による劣化を防止する目的より金や白金等で被覆されていることが望ましい。又電池の設計にもよるが、プローブ先端21により加わる圧力については、0.01MPaから0.3MPa程度が現実の電池内部で電極の垂直方向に加わる圧力と考えられる為好ましい。そして全てのプローブ先端21より同時に均等な圧力が加わる方が、電極の圧縮度合いの差や電圧を測定する電流の影響が少なく、良好な電圧分布データを取得することが可能となる。均等な圧力とは、各プローブによる圧力に差が無いことが好ましいが、実質的には全てのプローブによる圧力が各々平均値±20%以下であれば測定の精度に与える影響が少なく、好ましくは平均値±10%以下である。
図6は、前記図1の電子伝導モデルについて、上記電圧分布の評価治具を用いた電圧分布の測定例を示す図である。電源10のプラス極11を正極タブ5へマイナス極12を負極タブ8へ接続させて電流を流し、電圧測定器13のマイナス極15を負極タブ8に接続し、正極集電体表面4に接触している25本のプローブをプラス極14のマルチチャンネル入力端子に接続して計25位置の電圧を同時に計測している。前記図4で示した順次プローブを移動させて測定する方法と比べると、電極の各位置に同時に均等な圧力が加わった状態での測定であり、より精度の高い測定が期待できる。又、本一例では正極集電体表面4にプローブを接触させているが、プローブ全てが同時に均等な圧力を加える条件を満たしていれば、負極集電体表面からも更に25本のプローブを接触させて同時に正極及び負極の両方の表面における電圧分布を測定することも可能である。
以下、リチウムイオン電池系を一例とし、本発明の実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載により限定されるものではなく、その他の電池系やキャパシタ等にも適用可能である。
(1)正極活物質としてコバルト系酸化物LiCoO89.5重量部、導電材のアセチレンブラック4.5重量部、バインダーのポリフッ化ビニリデン(PVDF)6重量部を、希釈剤であるN−メチルピロリドン(NMP)と混合し正極合材スラリーを得た。該スラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布、乾燥した後、プレスを行い、電極層の厚さが83μmの正極を得た。該正極を、図2に示す通り電極の塗布面6を縦80mm、横50mmに、又左端上の未塗布部分の縦16mm、横10mmを正極タブ5として裁断加工し評価用正極電極を作製した。
(2)負極活物質として黒鉛化メソカーボンマイクロビーズMCMB93重量部、導電材のアセチレンブラック2重量部、バインダーのポリフッ化ビニリデン(PVDF)5重量部を、希釈剤であるN−メチルピロリドン(NMP)と混合し負極合材スラリーを得た。該スラリーを集電体となる厚さ14μmの銅箔の片面に塗布、乾燥した後、プレスを行い、電極層の厚さが85μmの負極を得た。該負極を、図3に示す通り電極の塗布面9を縦80mm、横50mmに、又左端上の未塗布部分の縦16mm、横10mmを負極タブ8として裁断加工し評価用負極電極を作製した。
(3)図1に示す通り、上記評価用負極電極2の電極層表面に、寸法が縦82mm、横52mmで銀含有導電性ペーストを塗布することにより得られた厚さが50μmの電子伝導性層3、及び評価用正極電極1を重ね合わせて電子伝導モデルを作製した。
(4)図4に示す通り、上記電子伝導モデルを用い、電源10のプラス極11を正極タブ5へマイナス極12を負極タブ8へ接続させて電流2Aを流し、電圧測定器13のマイナス極15を負極タブ8に接続した。次に、電圧測定器のプラス極14を、正極集電体表面4を縦横5分割で25分割したエリアの中心に順次移動させて接触させ各エリアの電圧値を測定し、図8(a)に示す電圧分布を表す等高線グラフを得た。およそ正極タブから遠ざかるにつれて電圧が少しずつ低くなる電圧分布の傾向が見られた。これまで電池内部の電圧分布を測定することは大変難しかったが、本発明による電子伝導モデルを用いることにより電圧分布の傾向を知ることが可能となった。
(5)次に、図6に示す通り、上記電子伝導モデルを用い、図5の評価用治具を用いて、電源10のプラス極11を正極タブ5へマイナス極12を負極タブ8へ接続させて電流を流し、電圧測定器13のマイナス極15を負極タブ8に接続し、正極集電体表面4に接触している25本のプローブを電圧測定器のプラス極14のマルチチャンネル入力端子に接続して25位置の電圧を同時に計測した。プローブの接触面は、直径6mmの円形フラット形状で金メッキされたタイプを使用し、プローブ先端21により底板17に加わる圧力については、1プローブあたり0.1MPaに設定した。上記電圧実測値より、図8(b)に示す様な電圧分布を表す等高線グラフを得た。この治具を使用せずに順次プローブを移動させる方法で測定した電圧分布図である図8(a)と比較すると、より精度の高い電圧分布の等高線グラフを得ることが可能となった。
(1)実施例1で作製した正極及び負極を用い、図7に示す通り、正極、負極ともタブ部の裁断形状を中央の未塗布部分の縦16mm、横10mmとして、中央上を正極タブに、中央下に負極タブがくる形で実施例1とはタブ位置のみ異なる電子伝導モデルを作製した。
(2)上記電子伝導モデルを用い、図4に示す方法で縦横5分割に25分割したエリアの中心に順次移動させて測定した電圧分布を表す等高線グラフを図9(a)に示す。図9(b)には、上記電子伝導モデルを用い、図5の評価用治具を用いて、図6に示す方法で測定した実測値により作成した電圧分布を表す等高線グラフを示す。実施例1同様に、およそ正極のタブ近傍より遠ざかるにつれて電圧が少しずつ低くなる電圧分布の傾向が見られ、しかも実施例1と実施例2において異なる集電タブ位置による電圧分布への影響を確認できた。又実施例1同様に、図9(a)に対し、図9(b)でより精度の高い電圧分布データが得られた。以上の実施例1、2より、本発明による電子伝導モデルを用いた評価方法、及び同じ圧力で各位置の電圧を同時に測定可能な電圧評価治具は、電池の設計段階で反応均一性を検討する際に簡便でかつ精度の高い非常に有効な方法であると考える。
本発明の評価方法を用いることにより、正極集電体、負極集電体、正極電極層、及び負極電極層が反応分布に与える影響を検討する場合に、工数がかからず作製可能な正極電極層と負極電極層の間に電子伝導性層を介した電子伝導モデルを用いて電圧分布の傾向を測定することが可能となり、又上記電子伝導モデルを用いて電圧分布を測定する場合に、本発明による複数本の電圧測定プローブを均等な圧力で同時に接触させる電圧評価治具を用いることにより、より精度の高い電圧分布を測定することが可能となり、高安全性、長寿命特性が要求され反応分布の不均一性が懸念される高出力タイプの蓄電デバイスの設計において、電圧分布の傾向(反応の均一性)を予測することができ、設計に要する工数を大幅に削減できると考える。
本実施形態の一例である片面正極電極1、片面負極電極2、及び導電性シート3から構成される電子伝導モデルを示す図である。(a)電子伝導モデルを金属箔である正極集電体側から見た平面図である。(b)電子伝導モデルを金属箔である負極集電体側から見た平面図である。(c)電子伝導モデルの断面図である。 片面正極電極の形状を示す図である。(a)片面正極電極を正極集電体側から見た平面図である。(b)片面正極電極を正極電極層側から見た平面図である。(c)片面正極電極の断面図である。 片面正極電極の形状を示す図である。(a)片面負極電極を負極集電体側から見た平面図である。(b)片面負極電極を負極電極層側から見た平面図である。(c)片面負極電極の断面図である。 本実施形態の一例として、電子伝導モデルを用いて、正極集電体表面の様々な位置における電圧測定を説明する図である。 本実施形態の一例として、底板、側板、プローブ固定板、及び複数のプローブから構成される電圧分布の評価治具を示す図である。(a)電圧分布評価治具の斜視図である。(b)電圧分布評価治具の断面の一部を拡大した図である。 本実施形態の一例として、電子伝導モデルについて、電圧分布評価治具を用いた電圧分布の測定を説明する図である。 本実施形態の他の一例である片面正極電極1、片面負極電極2、及び導電性シート3から構成される電子伝導モデルを示す図である。(a)電子伝導モデルを金属箔である正極集電体側から見た平面図である。(b)電子伝導モデルを金属箔である負極集電体側から見た平面図である。(c)電子伝導モデルの断面図である。 実施例1における電圧分布図である。(a)図4に示す方法で実測した電圧分布図である。(b)図6に示す方法で実測した電圧分布図である。 実施例2における電圧分布図である。(a)図4に示す方法で実測した電圧分布図である。(b)図6に示す方法で実測した電圧分布図である。
符号の説明
1 片面正極電極
2 片面負極電極
3 電子伝導性層
4 正極集電体
5 正極タブ
6 正極電極層
7 負極集電体
8 負極タブ
9 負極電極層
10 電源
11 電源のプラス極
12 電源のマイナス極
13 電圧測定器
14 電圧測定器のプラス極
15 電圧測定器のマイナス極
16 正極集電体表面の様々な位置
17 底板
18 側板
19 プローブ固定板
20 複数のプローブ
21 プローブ先端

Claims (1)

  1. 正極集電体と正極電極層から構成される正極、負極集電体と負極電極層から構成される負極、及び電解質を具備した蓄電デバイスの設計において、正極集電体の厚さと形状と電子伝導度、負極集電体の厚さと形状と電子伝導度、正極電極層の厚さと電子伝導度、及び負極電極層の厚さと電子伝導度が電池内部における反応均一性に与える影響を検討する場合において、正極電極層と負極電極層の間に電子伝導性層を介した電子伝導モデルを用い、前記正極あるいは及び負極の電圧分布を測定することを特徴とする電圧分布の評価方法。
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