JP2021048034A - 全固体リチウムイオン二次電池システム、および全固体リチウムイオン二次電池用soc推定装置 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池システム、および全固体リチウムイオン二次電池用soc推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池において、電池電圧(OCV)に基づかずにSOCを推定する新規な技術を提供する。
【解決手段】
全固体リチウムイオン二次電池システムは、正極活物質を含有する正極活物質層を含む正極と、金属リチウムまたはリチウム含有合金を含む負極活物質を含有する負極活物質層を含む負極と、前記正極活物質層および前記負極活物質層との間に介在する固体電解質層とを有する発電要素を備えた全固体リチウムイオン二次電池を備える。また、当該システムは、前記負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池システム、および全固体リチウムイオン二次電池用SOC推定装置に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池などの非水電解質二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギーを有することが求められている。したがって、現実的な全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
ここで、現在一般に普及しているリチウムイオン二次電池は、電解質に可燃性の有機電解液を用いている。このような液系リチウムイオン二次電池では、液漏れ、短絡、過充電などに対する対策が他の電池よりも厳しく求められる。
そこで近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池(以下、「全固体電池」とも称する)に関する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能なイオン伝導体を主体として構成される材料である。このため、全固体リチウムイオン二次電池においては、従来の液系リチウムイオン二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する各種問題が原理的に発生しない。また一般に、高電位・大容量の正極材料、大容量の負極材料を用いると電池の出力密度およびエネルギー密度の大幅な向上が図れる。正極活物質として硫化物系材料を用い、負極活物質として金属リチウムやリチウム含有合金を用いた全固体電池は、その有望な候補である。
ところで、リチウムイオン二次電池を安全かつ長期的に使用するためには、当該電池の充電率(充電状態)(SOC;State of Charge)を正確に推定する必要がある。従来、リチウムイオン二次電池のSOCを推定する技術として、使用する電池のOCV(Open Circuit Voltage=開回路電圧、開放電圧)とSOCとの関係を測定したOCV−SOC特性を作成しておき、OCV−SOC特性を参照してSOCを判別する方法が知られている。特許文献1には、このような方法により推定したSOCと、充電電流の積算値から推定したSOCとの差分から、電池の内部における劣化(イオンパス切れ)を検知する技術が開示されている。
特開2016−154104号公報
ここで、例えばLiFePOやLiMnPO等のオリビン型結晶構造を有するリン酸リチウム化合物は、理論容量が高く、低コストで充電時の熱安定性に優れていることから、有望な正極活物質として注目されている。また、負極活物質としては、黒鉛系カーボンが広く用いられており、その他にもリチウム含有チタン酸化物が用いられる例もある。
しかしながら,上記オリビン型リン酸化合物を正極に用いたリチウムイオン電池は、広い範囲で電圧が安定しており、SOC変化による電圧変動がほとんどない。このため、電圧からSOCを推定することが難しいという問題がある。同様に、黒鉛系材料やリチウム含有チタン酸化物を用いたリチウムイオン電池もまた、SOC変化による電圧変化が小さい。このため、これらの活物質を用いたリチウムイオン二次電池においては、電池電圧(OCV)からSOCを推定することが難しいという問題がある。さらに、将来的な大容量電池における活物質として有望なケイ素(Si)含有負極活物質や硫黄(S)含有正極活物質は、充電カーブと放電カーブとが乖離する、いわゆる「充放電ヒステリシス」が大きく、このような活物質を用いた電池においてもやはり、電池電圧(OCV)からSOCを推定することが難しい。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池において、電池電圧(OCV)に基づかずにSOCを推定する新規な技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の負極活物質として金属リチウムまたはリチウム含有合金を含むものを用いると、SOC変化に対する負極活物質層の厚み変化が比較的大きくかつ線形に推移することを見出した。そして、この知見に基づき、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の負極活物質として金属リチウムまたはリチウム含有合金を含むものを用い、当該負極活物質を含有する負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)を推定することにより、上記課題が解決されうることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明の一形態に係る全固体リチウムイオン二次電池システムは、まず、正極活物質を含有する正極活物質層を含む正極と、金属リチウムまたはリチウム含有合金を含む負極活物質を含有する負極活物質層を含む負極と、前記正極活物質層および前記負極活物質層との間に介在する固体電解質層とを有する発電要素を備えた全固体リチウムイオン二次電池を備える。また、当該システムは、前記負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部とを備える。
本発明の他の形態に係る全固体リチウムイオン二次電池用SOC推定装置は、金属リチウムまたはリチウム含有合金を含む負極活物質を含有する負極活物質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池のSOCを推定するためのSOC推定装置であって、前記負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部とを備える。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池において、電池電圧(OCV)に基づかずにSOCを推定する新規な技術が提供されうる。
本発明の一実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池システムの構成を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態である積層型(内部並列接続タイプ)の全固体リチウムイオン二次電池(積層型二次電池)の全体構造を模式的に表した断面図である。 本発明の一実施形態に係る双極型(バイポーラ型)の全固体リチウムイオン二次電池(双極型二次電池)を模式的に表した断面図である。 正極活物質として硫黄単体(S)を用い、負極活物質として金属リチウム(Li)箔およびインジウム(In)箔の積層体を用いた全固体電池についての充放電カーブである。 積層型二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 二次電池システムにおける充電処理の手順を示すフローチャートである。 インピーダンス測定部によって測定された交流インピーダンスの実軸成分値(Z’)および虚軸成分値(Z”)を、実軸および虚軸が直交してなる複素平面座標上にプロットして得られた、円弧軌跡を含む複素インピーダンスプロット(ナイキストプロット;コール・コールプロット)のグラフである。 全固体電池の負極活物質層と固体電解質層との接触状態が変化することにより、負極活物質層の厚みの変化に対してプロットした推定SOCのグラフが変化する様子を説明するための説明図である。 温度センサーによる二次電池の測定温度Tから電池温度Tを算出する方法の一例を説明するためのグラフ(縦軸は温度;横軸は算出したい電池温度Tとなる電池内部の位置(温度推定位置)からの距離)である。 図6のステップS113のサブルーチンフローチャートである。 図10に示すステップS202における判定の様子を説明するための説明図である。 図10に示すステップS203における判定の様子を説明するための説明図である。
以下、図面を参照しながら、上述した本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[二次電池システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池システムの構成を説明するためのブロック図である。
図1を参照して、この全固体リチウムイオン二次電池システム(以下、「二次電池システム1」とも称する)は、全固体リチウムイオン二次電池(以下、「二次電池10」とも称する)を備える。そして、二次電池10のセル電圧(端子間電圧)を測定する電圧センサー2、二次電池10の外表面温度(環境温度)を測定する温度センサー3、二次電池10の厚みを測定する厚みセンサー4、二次電池10の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定部5、二次電池10へ充電電力を供給する電圧電流調整部6、二次電池10の充放電電流を測定する電流センサー7、二次電池10の充放電を制御する制御部8を備える。また、電圧電流調整部6は外部電源9に接続されていて充電時には電力の供給を受ける一方、放電時には電圧電流調整部6を介して外部電源9側へ放電する(詳細は後述する)。
ここではまず、本実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池システムを構成する全固体リチウムイオン二次電池(二次電池10)について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である積層型(内部並列接続タイプ)の全固体リチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型二次電池」とも称する)の全体構造を模式的に表した断面図である。図2に示す積層型二次電池10aは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装体であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、本形態の積層型二次電池10aの発電要素21は、正極集電体11’の両面に正極活物質層13が配置された正極と、固体電解質層17と、負極集電体11’’の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、固体電解質層17を介して対向するようにして、正極、固体電解質層および負極がこの順に積層されている。これにより、隣接する正極、固体電解質層、および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図2に示す積層型二次電池10aは、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層の正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図2とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層の負極集電体が位置するようにし、該最外層の負極集電体の片面又は両面に負極活物質層が配置されるようにしてもよい。
正極集電体11’および負極集電体11’’には、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板25および負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートフィルム29の端部に挟まれるようにしてラミネートフィルム29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25および負極集電板27は、それぞれ必要に応じて正極端子リードおよび負極端子リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11’および負極集電体11’’に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
さらに、本実施形態において、外装体であるラミネートフィルム29の外側においては、図2に示すように、発電要素21の中央部に加えて、図2に示す断面の右端部および左端部のそれぞれに、一対の厚みセンサー4が配置されている。このように対になるように配置された厚みセンサー4は、外装体であるラミネートフィルム29を含めた電池の見掛け厚みを測定する。本実施形態では、後述する図5に示すように、外装体であるラミネートフィルム29の外部に、9対の厚みセンサー4が配置されている。
なお、上記の説明では、積層型(内部並列接続タイプ)の全固体リチウムイオン二次電池を例に挙げて本発明の一形態に係る全固体電池の一実施形態を説明した。しかしながら、本発明が適用可能な全固体電池の種類は特に制限されず、集電体の一方の面に電気的に結合した正極活物質層と、集電体の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層とを有する双極型電極を含む、双極型(バイポーラ型)の全固体電池にも適用可能である。
図3は、本発明の一実施形態に係る双極型(バイポーラ型)の全固体リチウムイオン二次電池(以下、単に「双極型二次電池」とも称する)を模式的に表した断面図である。図3に示す双極型二次電池10bは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装体であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図3に示すように、本形態の双極型二次電池10bの発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、固体電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、固体電解質層17は、固体電解質が層状に成形されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが固体電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および固体電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に固体電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、固体電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10bは、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図3に示す双極型二次電池10bでは、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板(正極タブ)25が配置され、これが延長されて電池外装体であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板(負極タブ)27が配置され、同様にこれが延長されてラミネートフィルム29から導出している。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10bでは、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10bでも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装体であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。
さらに、本実施形態において、外装体であるラミネートフィルム29の外側においては、図3に示すように、発電要素21の中央部に加えて、図3に示す断面の右端部および左端部のそれぞれに、一対の厚みセンサー4が配置されている。このように対になるように配置された厚みセンサー4は、外装体であるラミネートフィルム29を含めた電池の見掛け厚みを測定する。
以下、上述した積層型二次電池10aの主な構成要素について説明する。
[集電体]
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はない。集電体の構成材料としては、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材などが用いられてもよい。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位、集電体へのスパッタリングによる負極活物質の密着性等の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
また、後者の導電性を有する樹脂としては、非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、集電体の全質量100質量%に対して5〜80質量%である。
なお、集電体は、単独の材料からなる単層構造であってもよいし、あるいは、これらの材料からなる層を適宜組み合わせた積層構造であっても構わない。集電体の軽量化の観点からは、少なくとも導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を含むことが好ましい。また、単電池層間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、集電体の一部に金属層を設けてもよい。
[負極活物質層]
負極活物質層は、負極活物質を含む。本発明において、負極活物質は、金属リチウム単体(Li)またはリチウム含有合金を必須に含む。これらの負極活物質の種類としては、特に制限されないが、Li含有合金としては、例えば、Liと、In、Al、SiおよびSnの少なくとも1種との合金が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、金属リチウムまたはリチウム含有合金を必須に含むのであれば、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質の形状は、例えば、粒子状(球状、繊維状)、薄膜状等が挙げられるが、薄膜状であることが好ましい。なお、負極活物質が粒子形状である場合、その平均粒径(D50)は、例えば、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10nm〜50μmの範囲内であり、さらに好ましくは100nm〜20μmの範囲内であり、特に好ましくは1〜20μmの範囲内である。なお、本明細書において、活物質の平均粒径(D50)の値は、レーザー回折散乱法によって測定することができる。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、90〜100質量%の範囲内であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
負極活物質層は、固体電解質をさらに含んでもよい。負極活物質層が固体電解質を含むことにより、負極活物質層のイオン伝導性を向上させることができる。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質が挙げられるが、一般的に結晶粒界の影響を受けにくいことから実質的な破壊靱性値が大きく(すなわち、デンドライトに起因する亀裂が進展しにくく)、しかもイオン伝導度が高いという観点からは、硫化物固体電解質を含むことが好ましい。
硫化物固体電解質としては、例えば、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P、LiI−LiPS、LiI−LiBr−LiPS4、LiPS4、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数であり、Zは、Ge、Zn、Gaのいずれかである)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数であり、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかである)等が挙げられる。なお、「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
硫化物固体電解質は、例えば、LiPS骨格を有していてもよく、Li骨格を有していてもよく、Li骨格を有していてもよい。LiPS骨格を有する硫化物固体電解質としては、例えば、LiI−LiPS、LiI−LiBr−LiPS4、LiPSが挙げられる。また、Li骨格を有する硫化物固体電解質としては、例えば、LPSと称されるLi−P−S系固体電解質(例えば、Li11)が挙げられる。また、硫化物固体電解質として、例えば、Li(4−x)Ge(1−x)(xは、0<x<1を満たす)で表されるLGPS等を用いてもよい。なかでも、硫化物固体電解質は、P元素を含む硫化物固体電解質であることが好ましく、硫化物固体電解質は、LiS−Pを主成分とする材料であることがより好ましい。さらに、硫化物固体電解質は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)を含有していてもよい。
また、硫化物固体電解質がLiS−P系である場合、LiSおよびPの割合は、モル比で、LiS:P=50:50〜100:0の範囲内であることが好ましく、なかでもLiS:P=70:30〜80:20であることが好ましい。
また、硫化物固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラスであってもよく、固相法により得られる結晶質材料であってもよい。なお、硫化物ガラスは、例えば原料組成物に対してメカニカルミリング(ボールミル等)を行うことにより得ることができる。また、結晶化硫化物ガラスは、例えば硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で熱処理を行うことにより得ることができる。また、硫化物固体電解質の常温(25℃)におけるイオン伝導度(例えば、Liイオン伝導度)は、例えば、1×10−5S/cm以上であることが好ましく、1×10−4S/cm以上であることがより好ましい。なお、固体電解質のイオン伝導度の値は、交流インピーダンス法により測定することができる。
酸化物固体電解質としては、例えば、NASICON型構造を有する化合物等が挙げられる。NASICON型構造を有する化合物の一例としては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物(LAGP)、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物(LATP)等が挙げられる。また、酸化物固体電解質の他の例としては、LiLaTiO(例えば、Li0.34La0.51TiO)、LiPON(例えば、Li2.9PO3.30.46)、LiLaZrO(例えば、LiLaZr12)等が挙げられる。
固体電解質の形状としては、例えば、真球状、楕円球状等の粒子形状、薄膜形状等が挙げられる。固体電解質が粒子形状である場合、その平均粒径(D50)は、特に限定されないが、40μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。一方、平均粒径(D50)は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。
負極活物質層における固体電解質の含有量は、例えば、1〜60質量%の範囲内であることが好ましく、10〜50質量%の範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、上述した負極活物質および固体電解質に加えて、導電助剤およびバインダの少なくとも1つをさらに含有していてもよい。
導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;炭素繊維(具体的には、気相成長炭素繊維(VGCF)、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、活性炭素繊維等)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
導電助剤の形状は、粒子状または繊維状であることが好ましい。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。
導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましい。なお、本明細書中において、「導電助剤の粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「導電助剤の平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
負極活物質層が導電助剤を含む場合、当該負極活物質層における導電助剤の含有量は特に制限されないが、負極活物質層の合計質量に対して、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%であり、さらに好ましくは4〜7質量%である。このような範囲であれば、負極活物質層においてより強固な電子伝導パスを形成することが可能となり、電池特性の向上に有効に寄与することが可能である。
一方、バインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(水素原子が他のハロゲン元素にて置換された化合物を含む)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエーテルニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。
負極活物質層の厚さは、目的とする全固体電池の構成によっても異なるが、例えば、0.1〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
[正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質の種類としては、特に制限されないが、硫黄単体(S)またはリチウムを含有する硫黄の還元生成物(Li〜LiSの各化合物のいずれか)が好ましく用いられる。ここで例えば、硫黄単体(S)は、1670mAh/g程度と極めて大きい理論容量を有し、低コストで資源が豊富であるという利点を備えている。この場合、全固体リチウムイオン二次電池が充電状態で提供される場合には、正極活物質として硫黄単体(S)を含む。また、全固体リチウムイオン二次電池が放電状態で提供される場合には、正極活物質としてリチウムを含有する硫黄の還元生成物(上述したLi〜LiSの各化合物のいずれか)を含有する。上述したような硫黄単体(S)またはリチウムを含有する硫黄の還元生成物(Li〜LiSの各化合物のいずれか)を正極活物質として用いると、いわゆる充放電ヒステリシスが発生しやすい。図4は、正極活物質として硫黄単体(S)を用い、負極活物質として金属リチウム(Li)箔およびインジウム(In)箔の積層体を用いた全固体電池についての充放電カーブである。図4に示すように、このような全固体電池においては、充電カーブと放電カーブとが大きく乖離している。このため、このような全固体電池においては、OCV−SOC特性を参照して、電圧センサーの測定値から得られるOCVに基づきSOCを正確に推定することは困難である。これに対し、本形態に係る二次電池システムによれば、図4に示すような充放電ヒステリシスを示す活物質の組み合わせを備えた二次電池においても、SOCを正確に推定することが可能であるという利点がある。このことから、本形態に係る二次電池システムにおいて用いられる全固体電池における正極活物質と負極活物質との組み合わせは、全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)と開回路電圧(OCV)との関係がヒステリシスを示すものであることが好ましい。
なお、正極活物質層は、上述した硫黄単体(S)またはリチウムを含有する硫黄の還元生成物(上述したLi〜LiSの各化合物のいずれか)以外の正極活物質を含んでもよい。ただし、正極活物質層に含まれる正極活物質に占める硫黄単体またはリチウムを含有する硫黄の還元生成物の割合は、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%であり、いっそう好ましくは95〜100質量%であり、特に好ましくは98〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
硫黄単体またはリチウムを含有する硫黄の還元生成物以外の正極活物質としては、例えば、ジスルフィド化合物、国際公開第2010/044437号パンフレットに記載の化合物に代表される硫黄変性ポリアクリロニトリル、硫黄変性ポリイソプレン、ルベアン酸(ジチオオキサミド)、ポリ硫化カーボン等が挙げられる。また、S−カーボンコンポジット、TiS、TiS、TiS、NiS、NiS、CuS、FeS、MoS、MoS等の無機硫黄化合物も用いられうる。さらに、硫黄を含まない正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、Li(Ni−Mn−Co)O等の層状岩塩型活物質、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO等のオリビン型活物質、LiFeSiO、LiMnSiO等のSi含有活物質等が挙げられる。また上記以外の酸化物活物質としては、例えば、LiTi12が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
正極活物質の形状は、例えば、粒子状(球状、繊維状)、薄膜状等が挙げられる。正極活物質が粒子形状である場合、その平均粒径(D50)は、例えば、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10nm〜50μmの範囲内であり、さらに好ましくは100nm〜20μmの範囲内であり、特に好ましくは1〜20μmの範囲内である。なお、本明細書において、活物質の平均粒径(D50)の値は、レーザー回折散乱法によって測定することができる。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、40〜99質量%の範囲内であることが好ましく、50〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。なお、正極活物質層もまた、上述した負極活物質層と同様に、必要に応じて、固体電解質、導電助剤、バインダの少なくとも1つをさらに含有していてもよい。これらの材料の具体的な形態については上述したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
[固体電解質層]
固体電解質層は、固体電解質を主成分として含有し、上述した正極活物質層と負極活物質層との間に介在する層である。固体電解質層に含有される固体電解質の具体的な形態については上述したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
固体電解質層における固体電解質の含有量は、例えば、10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、50〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、90〜100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
固体電解質層は、上述した固体電解質に加えて、バインダをさらに含有していてもよい。固体電解質層に含有されうるバインダの具体的な形態については上述したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
固体電解質層の厚さは、目的とする二次電池の構成によっても異なるが、例えば、0.1〜1000μmの範囲内であることが好ましく、0.1〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板25と負極集電板27とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[電池外装体]
電池外装体としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図2および図3に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができることから、外装体はアルミニウムを含むラミネートフィルムがより好ましい。
図5は、積層型二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図5に示すように、扁平な積層型二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、積層型二次電池50の電池外装体(ラミネートフィルム52)によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図2に示す積層型二次電池10aの発電要素21に相当するものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装体に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図5に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図5に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
[組電池]
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池が複数、直列にまたは並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成することもできる。そして、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することもできる。何個の電池を接続して組電池を作製するか、また、何段の小型組電池を積層して大容量の組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
組電池に対して本実施形態に係る充電処理を実施する際には、例えば組電池を構成する個々の電池(単セル)のそれぞれのSOCを推定しながら充電処理を実行することができる。このような構成とすることで、個々の電池(単セル)のそれぞれにおける劣化の発生(またはその可能性)を別々にモニタリングしながら充電処理を行うことができる。
[車両]
本形態に係る二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記非水電解質二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
具体的には、電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
続いて、図1に示す二次電池10以外の各部の詳細を説明する。
電圧センサー2は、例えば電圧計でよく、二次電池10の正極と負極との間のセル電圧(端子間電圧)を測定する。二次電池10に通電していないときに測定されるセル電圧(端子間電圧)は二次電池10の開回路電圧(OCV)である。一方、二次電池10の充放電時に測定されるセル電圧(端子間電圧)は、二次電池10の内部抵抗(R)に起因する電圧降下(ΔV=ΔI×R)のぶんだけこの開回路電圧(OCV)から変化した値となる。すなわち、電圧センサー2は、OCV検出部として機能しうる。電圧センサー2の取り付け位置は特に制限されず、二次電池10に接続される回路内において正極と負極との間のセル電圧を測定することができる位置であればよい。電圧センサー2によって測定された二次電池10の電圧の測定結果は、電圧センサー2の出力として制御部8に送られる。
温度センサー3は、二次電池10の外表面温度(環境温度)を測定する。温度センサー3は、例えば、二次電池10のケース(外装体、筐体)の表面などに取り付けられる。本実施形態では、温度センサー3によって測定された二次電池10の外表面温度から、後述する制御部8が二次電池10の内部における温度を推定することにより、二次電池10の温度を取得する。すなわち、温度センサー3および制御部8は、二次電池10の温度を測定する温度測定部として機能する。温度センサー3によって測定された二次電池10の温度の測定結果は、温度センサー3の出力として制御部8に送られる。
厚みセンサー4は、二次電池10における負極活物質層の厚みを測定する。すなわち、厚みセンサー4は、二次電池10を構成する負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部として機能する。この厚みセンサー4としては、従来公知の厚みセンサーが適宜用いられる。本実施形態においては、上述したように、電池の外装体であるラミネートフィルム29の外部に、厚みセンサー4が対となるように設けられている。この場合、厚みセンサー4が測定する厚みの値は外装体(ラミネートフィルム29)を含めた電池の見掛け厚みである。このため、後述する制御部8は、厚みセンサー4の測定値から負極活物質層の厚みを推定する。厚みセンサー4の配置形態はこのような形態に制限されず、最終的に負極活物質層の厚みを取得できるのであれば、任意の形態が採用されうる。例えば、外装体(ラミネートフィルム29)の内部に厚みセンサー4を設置して発電要素21の厚みを測定し、その測定値から負極活物質層の厚みを推定するようにしてもよい。また、外装体(ラミネートフィルム29)の内部に厚みセンサー4を設置して負極活物質層の厚みを直接的に測定するようにしてもよい。ただし、図5に示すように外装体の外側に厚みセンサーを配置して見掛け厚みを測定するか、外装体の内部であっても発電要素の厚みを測定するようにすることで、厚みセンサーの数を減らすことができ、また、電池全体における平均的な負極活物質層の厚みの変化をモニタリングすることが可能であるという利点がある。さらには、図5に示すように外装体の外側に厚みセンサーを配置して見掛け厚みを測定することで、厚みセンサーの取付け形態(場所、数など)を自由に変更することができるという利点もある。本実施形態において、厚みセンサー4によって測定された二次電池10の見掛け厚みの測定結果は、厚みセンサー4の出力として制御部8に送られる。
インピーダンス測定部5は、単一の周波数成分からなる交流摂動電流を入力信号として二次電池10へ印加し、当該交流摂動電流に応じた応答電圧を取得することにより二次電池10の交流インピーダンス(複素インピーダンス)を測定するものとして構成されている。
このようなインピーダンス測定部5は、一般的な交流インピーダンス測定装置として常套的に使用されているものから任意に選択されうる。例えば、インピーダンス測定部5は、交流インピーダンス法により、交流摂動電流の周波数を経時的に変化させて二次電池の交流インピーダンスを測定するものでありうる。また、周波数の異なる複数の交流摂動電流を同時に印加可能なものであってもよい。交流インピーダンス法における交流インピーダンスの測定方法としては特に限定されない。例えば、デジタル・フーリエ積分法、ノイズ印加による高速フーリエ変換法などのデジタル方式が適宜採用されうる。好ましい実施形態においては、周波数の異なる複数の交流摂動電流が二次電池10に印加されて交流インピーダンスが測定される。ここで、複数の周波数は、例えば、インピーダンス測定部5によって測定される交流インピーダンスZを構成する実部成分Z’および虚部成分Z”を複素平面座標上にプロットしたグラフ(ナイキストプロット;コール・コールプロット)から、二次電池の電解質抵抗および反応抵抗を算出できる範囲であればよい。一例として、複数の周波数は典型的には1MHz〜0.1Hz程度であり、好ましくは1kHz〜0.1Hz程度とすることができる。これにより、交流インピーダンスの測定結果から二次電池の電解質抵抗および反応抵抗を高精度に算出できる。すなわち、インピーダンス測定部5は、二次電池10の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部として機能する。電池に印加する交流摂動電流の波形(例えば、正弦波)の振幅などについては特に制限はなく、適宜設定されうる。インピーダンス測定部5によって測定された交流インピーダンスの測定結果は、インピーダンス測定部5の出力として制御部8に送られる。
電圧電流調整部6は、二次電池10の充電時には、制御部8からの指令に基づいて外部電源9からの電力の電圧および電流を調整し、前記電力を二次電池10へ供給する。また、二次電池10の放電時には、電圧電流調整部6は、二次電池10から放電された電気を外部電源9側へ放出する。このようにして、電圧電流調整部6、外部電源9および後述する制御部8は、二次電池10を充電する充電器として機能する。
ここで、外部電源9は、電気自動車等の充電に使用される、いわゆる電源グリッドなどと称される電気自動車用の電源であり、直流が出力されている。このような電気自動車用の電源は、商用電力(交流)を二次電池10の充電のために必要な電圧および電流の直流に変換して提供している。また、外部電源9には電力回生機能が備えられており、二次電池10からの放電があった場合は、直流を交流に変換して商用電源へ回生することができる。なお、このような外部電源9を構成する装置としては、電力回生機能の付いた周知の電源を使用すればよいため、ここでは詳細な説明は省略する(電力回生機能の付いた電源としては、例えば、特開平7−222369号公報、特開平10−080067号公報などに開示されているものがある)。
外部電源9が商用電源などの外部電源装置に接続されていない場合、例えば外部に設置された他の二次電池などを電源として二次電池10を充電するときには、二次電池10から放電した電力を他の二次電池へ蓄電させることが好ましい。これによりエネルギーの無駄を少なくすることができる。
電流センサー7は、例えば電流計である。電流センサー7は、二次電池10の充電時には電圧電流調整部6から二次電池10へ供給される電力の電流値を測定し、放電時には二次電池10から電圧電流調整部6へ供給される電力の電流値を測定する。電流センサー7の取り付け位置は特に制限されず、電圧電流調整部6から二次電池10に電力を供給する回路内に配置されて、充放電時の電流値を測定することができる位置であればよい。
制御部8は、例えば、CPU81や記憶部82などを含んでいる、いわゆるコンピューターである。本実施形態において、制御部8は、後述する手順に従って、二次電池10のSOCを推定する。また、制御部8は、二次電池10に対して充電処理を施す際には、推定されたSOCに基づいて、二次電池10における劣化の発生またはその可能性の有無を推定する。さらに、二次電池10において劣化が発生したと判定したときには、充電器を制御して、充電処理の条件などを調節する。このような制御部8としては、電気自動車においては、例えばECU(Electronic Control Unit)などを用いるようにしてもよい。なお、二次電池10が車載される場合、当該二次電池10および制御部8は車両に搭載され、充電器は当該車両の外部に設置されている構成でありうる。また、充電器は車両の外部に設置され、制御部8もまた当該充電器に搭載されている形態であってもよい。
ここで、記憶部82は、CPU81がワーキングエリアとして使用するRAMのほかに、不揮発性メモリーを搭載している。不揮発性メモリーには、本実施形態におけるSOCの推定や、電池における劣化の発生の有無の推定、充電器の制御(充電処理の条件の調節)などを行うためのプログラムを記憶している。
また、記憶部82は、本実施形態におけるSOCの推定を行う際に参照される、負極活物質層の厚みと二次電池10のSOCとの関係を示すマップ(以下、「第1マップ」とも称する)を記憶している。さらに、記憶部82は、本実施形態におけるSOCの推定値の補正を行う際に参照される、インピーダンス測定部5が測定した二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗の大きさと、上記第1マップに示される負極活物質層の厚みと二次電池10のSOCとの関係に生じる誤差との関係を示すマップ(以下、「第2マップ」とも称する)を記憶している。ここで、二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗は二次電池10の温度に対して依存性を有しており、二次電池10の温度が高くなるほど電解質抵抗は小さくなる。本実施形態において、記憶部82は、制御部8が上述したSOCの推定値の補正を行う際にさらに参照する、二次電池10の温度と二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗との関係を示すマップ(以下、「第3マップ」とも称する)をも記憶している。
[SOCの推定処理(二次電池の充電処理)]
このように構成された二次電池システム1における、二次電池10のSOCの推定処理の手順を説明する。ここでは、二次電池10のSOCを推定しながら二次電池10に対して充電処理を施し、かつ、SOCの推定値に基づいて、二次電池10における劣化の発生またはその可能性の有無を推定する。そして、二次電池10において劣化が発生したと判定された場合には、充電を停止し、または、二次電池10において劣化が発生する可能性があると判定された場合には、当該可能性を低減させるように充電処理の条件を変更する制御を行う。なお、特に断りのない限り、これらの制御は制御部8によって行われる。
なお、上述した充電処理は、二次電池システム1が外部電源9に接続されて、二次電池10に対して充電電力が供給可能な状態において行われる。また、本実施形態における充電処理の制御は、二次電池10の電圧が所定電圧となるまでは定電流充電方式で行い、二次電池10の電圧が所定電圧となった後には定電圧充電方式で行う、定電流・定電圧(CC−CV)充電方式を用いている。
以下、図6を参照してこの充電処理の手順を説明する。図6は、二次電池システム1における充電処理の手順を示すフローチャートである。
まず、制御部8は、二次電池10の充電処理として、定電流(CC)充電を開始する(S101)。
続いて、制御部8は、温度センサー3による電池の温度の計測、電流センサー7による充電電流の計測、および、電圧センサー2による電池の電圧の計測を開始する(S102)。これらの計測値は、時間の経過に沿って記憶部82に記憶される。
その後、制御部8は、厚みセンサー4が測定した二次電池10の厚みを取得する。そして、測定された厚みから、負極活物質層の厚みを算出する(S103)。二次電池10の厚みから負極活物質層の厚みを算出する際には、例えば、二次電池10の初期の厚みを予め求めておき、この初期の厚みからの電池の厚みの変化量を算出し、この変化量を負極活物質層の厚みの変化とみなして、二次電池10を構成する負極活物質層の数でこの変化量を除することにより、個々の負極活物質層の厚みの変化量を算出することができる。そして、このようにして算出された負極活物質層の厚みの変化量を負極活物質層の初期の厚みに加算することで個々の負極活物質層の厚みを算出することができる。
制御部8は、記憶部82に記憶された、負極活物質層の厚みと二次電池10のSOCとの関係を示す第1マップを参照し、このようにして算出された負極活物質層の厚みに基づき、二次電池10の充電率(SOC)の推定値(第1の推定SOC)を算出する(S104)。
続いて、制御部8は、インピーダンス測定部5によって測定された交流インピーダンスの測定結果を、インピーダンス測定部5の出力として取得する。この際、制御部8は、低域通過フィルタ(ローパスフィルタ;LPF)などを用いることで、インピーダンス測定部5からの出力における高周波成分に起因するノイズを除去することが好ましい。次いで、制御部8は、インピーダンス測定部5からの出力をもとに、二次電池10の電解質抵抗を算出する(S105)。なお、二次電池10の電解質抵抗については、インピーダンス測定部5によって測定された交流インピーダンスから算出されるものであれば具体的な演算の手法は特に制限されない。一例として、二次電池10に所定の周波数帯内の多数の周波数値の交流摂動信号を印加して、各前記周波数値ごとに交流インピーダンスの実軸成分値(Z’)および虚軸成分値(Z”)を測定し、実軸および虚軸が直交してなる複素平面座標上に、前記実軸成分値を前記実軸成分とするとともに前記虚軸成分値を前記虚軸成分としてプロットすると、図7に示すような円弧軌跡を含む複素インピーダンスプロット(ナイキストプロット;コール・コールプロット)が得られる。ここで、上記円弧軌跡の実軸との交点と前記複素平面座標の原点との距離を求めることにより前記電解質抵抗を求めることができる。また、上記円弧軌跡の円成分の直径は反応抵抗に相当する。このような構成とすることで、簡便な手法により交流インピーダンスから電解質抵抗を算出することができる。
次いで、制御部8は、ステップS105において算出した二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗に基づいて、ステップS104において算出したSOCの推定値(第1の推定SOC)を補正して、当該第1の推定SOCの補正値を算出する(ステップS106〜S107)。ここで、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の固体電解質層と金属リチウムを含有する負極活物質層とが理想的な接触状態を維持したまま充電処理が行われれば、負極活物質層の厚みと充電率(SOC)とは線形に推移する。しかしながら、本発明者らの検討によれば、充電の進行に伴って固体電解質層と負極活物質層との接触が局所的に不均一化することが判明した。このように固体電解質層と負極活物質層との接触が局所的に不均一化すると、図8に示すように、負極活物質層の厚みの変化量ほどは充電率(SOC)が上昇せず、第1マップに示される負極活物質層の厚みと充電率(SOC)との関係からの誤差が生じることも判明した。ステップS106〜S107における補正は、上述したような現象の発生によって第1の推定SOCに生じた誤差を補正するためのものである。
ここで、上述したような固体電解質層と負極活物質層との接触が局所的に不均一化すると、これらの層間における接触面積が低下し、それによって二次電池10の交流インピーダンスから算出される電解質抵抗が増大する。このことから、当該電解質抵抗の値を、上記層間における接触の不均一化に起因して第1の推定SOCに生じる誤差の指標とすることが可能である。
また、本発明者らの検討によれば、二次電池10の交流インピーダンスから算出される電解質抵抗の値は、電池の温度に対して依存性を有することも判明した。具体的には、二次電池10の温度が高くなるほど電解質抵抗は小さくなることが判明したのである。したがって、本実施形態において、上述したように電解質抵抗に基づいて第1の推定SOCの誤差を補正する際には、二次電池10の温度に基づいて電解質抵抗の基準値を算出し、当該基準値を基準として、交流インピーダンスから算出される電解質抵抗の値がどの程度の第1の推定SOCの誤差に相当するのかを算出する。
具体的に、制御部8は、まず、温度センサー3から測定温度Tを取得する。そして、制御部8は、温度センサー3から取得した測定温度Tから二次電池10の内部の温度(電池温度T)を算出してこれを取得する。この際、制御部8は、温度センサー3による温度の検出位置と二次電池10の発電要素との間の熱抵抗値(熱伝導度)に基づいて、温度センサー3が検出した二次電池の温度Tを補正する。ここで、図9は、温度センサー3による二次電池10の測定温度Tから電池温度Tを算出する方法の一例を説明するためのグラフ(縦軸は温度;横軸は算出したい電池温度Tとなる電池内部の位置(温度推定位置)からの距離)である。図9に示すように、温度推定位置から電池表面までの距離をΔxとし、電池表面から温度センサー3による測定位置(例えば、電池ケースの表面)までの距離をΔxとし、電池表面の両側の温度をそれぞれTs1およびTs2(Ts1>Ts2)とする。そうすると、いずれも既知のパラメータである電池表面および電池ケースの表面におけるそれぞれの熱伝達率hおよびh、電池における熱伝導度λ、電池から測定位置までの熱伝導度λ、並びに測定温度Tおよび外気温度Tを用いて、この系における熱流束Jは、
J=λ(T−Ts1)/Δx
J=h(Ts1−Ts2
J=λ(Ts−T)/Δx
J=h(T−T
のように表される。これらをTについて解くことで、電池温度Tを算出することができる。このように補正された電池温度Tを用いて以下の制御を行うことで、より精密な制御が可能となる。
続いて、制御部8は、記憶部82に記憶された、二次電池10の温度と二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗との関係を示す第3マップを参照して、上記で取得した電池温度Tに基づき、電解質抵抗の基準値を算出する(S106)。
次いで、制御部8は、記憶部82に記憶された、二次電池10の交流インピーダンスの電解質抵抗の大きさと、上記第1マップに示される負極活物質層の厚みと二次電池10のSOCとの関係に生じる誤差との関係を示す第2マップを参照し、ステップS106において算出された電解質抵抗の基準値を基準として、ステップS105において二次電池10の交流インピーダンスから算出された電解質抵抗の値がどの程度の第1の推定SOCの誤差に相当するのかを算出する。そして、制御部8は、この算出結果に基づき、ステップS104において算出された第1の推定SOCを補正して、第1の推定SOCの補正値(補正SOC)を算出する(S107)。本発明によれば、このようにして、電池電圧(OCV)に基づくことなく、二次電池10のSOCを推定することが可能であり、しかも電池の内部抵抗(ここでは交流インピーダンスの電解質抵抗)に基づいてSOCの推定値を補正することで、より正確なSOCの推定が可能となる。なお、可能であれば、交流インピーダンスの電解質抵抗以外の電池の内部抵抗の値に基づき補正SOCを算出してもよい。
上述したように、本実施形態における充電処理の制御は、定電流・定電圧(CC−CV)充電方式を用いている。したがって、制御部8は、ステップS107において算出された第1の推定SOCの補正値(補正SOC)が、定電流(CC)充電から定電圧(CV)充電への切り替えのタイミングを示す指標として予め決定された所定SOC(しきいSOC)以上であるか否かを判断する(ステップS108)。制御部8は、ステップS108において補正SOCが所定SOC以上でなければ(S108:NO)、定電流(CC)充電方式にて充電を継続する。この場合に、制御部8は、後述する電池の劣化を判定する制御を実施する。
一方、ステップS108において、補正SOCが所定SOC以上の場合(S108:YES)、制御部8は、定電圧(CV)充電方式による充電を開始する(S109)。この場合に、制御部8は、電流センサー7から取得した充電電流が、定電圧(CV)充電の終了のタイミングを示す指標として予め決定された所定の電流(終止電流)以下であるか否かを判断する(S110)。ここで充電電流が終止電流以下の場合(S110:YES)、制御部8は、充電処理を停止して(S111)、本制御も終了する。
一方、ステップS110において、充電電流が終止電流よりも大きい場合(S110:NO)には、制御部8は、充電電流が終止電流以下となるまでステップS110の判定を繰り返し実施する。
ステップS108において補正SOCが所定SOC以上ではないと判定された場合(S108:NO)、制御部8は、ステップS102において開始した電流センサー7による充電電流の計測によって記憶部82に記憶された、計測時間に対する充電電流の計測値のグラフから、充電電流の積算値(積算電流値)を算出する。そして、この積算電流値から算出される二次電池10の充電率(SOC)の推定値として、第2の推定SOCを算出する(S112)。積算電流値に基づく第2の推定SOCの算出は、従来公知の手法を用いて適宜実施することが可能である。
続いて、制御部8は、ステップS107において算出された第1の推定SOCの補正値(補正SOC)と、ステップS112において算出された第2の推定SOCとを比較して、二次電池10における劣化の有無を判定する(ステップS113)。
図10は、図6のステップS113のサブルーチンフローチャートである。
図10に示すサブルーチンにおいて、制御部8は、まず、ステップS107において算出された第1の推定SOCの補正値(補正SOC)と、ステップS112において算出された第2の推定SOCとの差分を算出する(S201)。ここで、図8を参照しつつ上述したように、一般的には、充電処理の進行に伴って、負極活物質層の厚みの変化量から想定されるほどには実際のSOCの値は増大しなくなってくる。このため、負極活物質層の厚みから推定される第1の推定SOCの補正値(補正SOC)は、積算電流値に基づく第2の推定SOCよりも大きくなる。したがって、通常は、第1の推定SOCから第2の推定SOCの補正値(補正SOC)を減算することにより、上記差分を算出することができる。
次いで、制御部8は、ステップS201において算出された差分(推定SOC差分)が、二次電池10における劣化の発生の指標として予め定められたしきい値(第1しきい値)以上であるか否かを判断する(S202)。ここで、推定SOC差分が第1しきい値以上である場合(ステップS202:YES)、制御部8は、二次電池10において劣化が発生したと判定して、本サブルーチンを終了する。なお、二次電池10において生じる劣化の具体的な形態については特に制限はなく、固体電解質層と活物質層との間のイオンパス切れや、固体電解質層における金属リチウムのデンドライトの発生(電析)などが挙げられる。
また、第1しきい値の大きさは、許容できる劣化のレベルを考慮して適宜設定可能であるが、一例として、電流センサー7による充電電流の測定値について想定される誤差範囲を設定し、充電電流の測定値がこの誤差範囲内に収まっている場合に想定される誤差の最大値を第1しきい値として設定することが考えられる。図11は本ステップにおける判定の様子を説明するための説明図である。図11に示すように、充電処理が進行するにつれて、第1の推定SOC(またはその補正値)には、第2の推定SOCよりも大きくなる方向に誤差が蓄積される。ステップS202では、このようにして蓄積された誤差が電流センサー7の測定誤差の蓄積よりも大きくなったときに、二次電池10において劣化が発生したと判定するものである。なお、図11から明らかなように、このようにして設定される第1しきい値は充電時間に比例して大きくなる。したがって、図11に示すような制御を実施するのであれば、充電時間と第1しきい値との関係を示すマップを記憶部82に記憶しておき、制御部8は当該マップを参照しつつ本制御を実施することになる。
一方、推定SOC差分が第1しきい値よりも小さい場合(ステップS202:NO)、制御部8は続いて、ステップS201において算出された差分(推定SOC差分)が、二次電池10における劣化の発生の可能性の指標として予め定められたしきい値(第2しきい値)以上であるか否かを判断する(S203)。ここで、推定SOC差分が第2しきい値以上である場合(ステップS203:YES)、制御部8は、二次電池10において劣化が発生する可能性があると判定して、本サブルーチンを終了する。なお、第2しきい値の大きさについても、許容できる劣化のレベルを考慮して適宜設定可能であるが、ここでも電流センサー7による充電電流の測定値について想定される誤差範囲を設定し、充電電流の測定値がこの誤差範囲内に収まっている場合に想定される誤差の最大値に対して所定の(0より大きく1未満の)係数を乗算して得られる値を第2しきい値として設定することが考えられる。図12は本ステップにおける判定の様子を説明するための説明図である。図12を参照して、上述したように、充電処理が進行するにつれて、第1の推定SOC(またはその補正値)には、第2の推定SOCよりも大きくなる方向に誤差が蓄積される。ステップS203では、このようにして蓄積された誤差が電流センサー7の測定誤差の蓄積に対して所定の割合よりも大きくなったときに、二次電池10において劣化が発生する可能性があると判定するものである。なお、図12から明らかなように、このようにして設定される第2しきい値もまた、充電時間に比例して大きくなる。したがって、図12に示すような制御を実施するのであれば、充電時間と第2しきい値との関係を示すマップを記憶部82に記憶しておき、制御部8は当該マップを参照しつつ本制御を実施することになる。
一方、推定SOC差分が第2しきい値よりも小さい場合(ステップS203:NO)、制御部8は、現時点では二次電池10において劣化が発生する可能性がないと判定して、本サブルーチンを終了する。
ここで再び図6を参照して、本実施形態に係る制御の説明を再開する。ステップS113において、現時点では二次電池10において劣化が発生する可能性がないと判定された場合、制御部8は、ステップS103からの制御を繰り返し実施する。
一方、ステップS113において、二次電池10において劣化が発生したと判定された場合、制御部8は、充電処理を停止して(S111)、本制御も終了する。これにより、二次電池10において劣化が発生した後にも同様の条件での充電処理を継続することに起因する内部短絡の発生や電池の劣化を防止することができる。この際、必要に応じて、充電が停止したことをユーザーに通知してもよい。
また、ステップS113において、二次電池10において劣化が発生する可能性があると判定された場合、制御部8は、充電電流を低減させる処理を実施する(S114)。その後、制御部は、ステップS103からの制御を繰り返し実施する。これにより、二次電池10において劣化が発生する可能性があることを予め検知することができ、かつ、劣化が発生する前に充電処理の条件を変更することで、充電処理を停止することなくより高いSOCまで二次電池10を充電することができ、電池を効率的に利用することができるという利点がある。なお、充電処理を低減させる処理を実施した際には、制御部8は、充電電流を低減させたことにより、予定よりも充電時間が延長されることになる旨をユーザーに通知してもよい。
以上、本発明に係る制御について詳細に説明したが、図面を参照しつつ説明した実施形態はあくまでも一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内において適宜改変して本発明を実施してもよい。
なお、本発明の他の形態によれば、上述した二次電池10のSOCを推定するための、全固体リチウムイオン二次電池用SOC推定装置もまた、提供される。全固体リチウムイオン二次電池用SOC推定装置は、全固体リチウムイオン二次電池を構成する負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部とを備えるものである。
1 全固体リチウムイオン二次電池システム、
2 電圧センサー、
3 温度センサー、
4 厚みセンサー、
5 インピーダンス測定部、
6 電圧電流調整部、
7 電流センサー、
8 制御部、
9 外部電源、
10 全固体リチウムイオン二次電池、
10a、50 積層型二次電池、
10b 双極型二次電池、
11 集電体、
11’ 正極集電体、
11’’ 負極集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29、52 ラミネートフィルム、
58 正極タブ、
59 負極タブ、
81 CPU、
82 記憶部。

Claims (11)

  1. 正極活物質を含有する正極活物質層を含む正極と、
    金属リチウムまたはリチウム含有合金を含む負極活物質を含有する負極活物質層を含む負極と、
    前記正極活物質層および前記負極活物質層との間に介在する固体電解質層と、
    を有する発電要素を備えた全固体リチウムイオン二次電池と、
    前記負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、
    前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部と、
    を備える、全固体リチウムイオン二次電池システム。
  2. 前記全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記内部抵抗測定部が測定した内部抵抗値に基づいて前記第1の推定SOCを補正することにより補正SOCを算出する、請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  3. 前記内部抵抗測定部は、前記全固体リチウムイオン二次電池の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定部を含み、
    前記制御部は、前記交流インピーダンスの電解質抵抗に基づいて前記第1の推定SOCを補正することにより前記補正SOCを算出する、請求項2に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  4. 前記全固体リチウムイオン二次電池の温度を測定する温度測定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記温度測定部が測定した前記温度に基づいて、前記第1の推定SOCの補正値を算出する際の前記電解質抵抗を補正する、請求項3に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  5. 前記正極活物質と前記負極活物質との組み合わせは、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)と開回路電圧(OCV)との関係がヒステリシスを示すものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  6. 前記負極厚み測定部は、前記発電要素またはこれを収容する外装体の外側に配置され、前記発電要素の厚みまたは前記外装体を含めた電池の見掛け厚みを測定し、
    制御部は、前記負極厚み測定部が測定した前記発電要素の厚みまたは前記外装体の見掛け厚みに基づいて前記負極活物質層の厚みを算出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  7. 前記全固体リチウムイオン二次電池を充電する充電器をさらに備え、
    前記制御部は、前記充電器が前記全固体リチウムイオン二次電池に対して充電処理を施す際に前記第1の推定SOCを算出し、前記充電処理における充電電流の積算値に基づいて第2の推定SOCを算出し、前記第1の推定SOCと前記第2の推定SOCとの差分が予め定められた第1しきい値以上となったときに、前記全固体リチウムイオン二次電池において劣化が発生したと判定する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  8. 前記制御部は、前記全固体リチウムイオン二次電池において劣化が発生したと判定したときに、前記充電を停止する、請求項7に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  9. 前記制御部は、前記充電器が前記全固体リチウムイオン二次電池に対して充電処理を施す際に前記第1の推定SOCを算出し、前記充電処理における充電電流の積算値に基づいて第2の推定SOCを算出し、前記第1の推定SOCと前記第2の推定SOCとの差分が予め定められた第2しきい値以上となったときに、前記全固体リチウムイオン二次電池において劣化が発生する可能性があると判定する、請求項7または8に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  10. 前記制御部は、前記全固体リチウムイオン二次電池において劣化が発生する可能性があると判定したときに、前記可能性を低減させるように前記充電処理の条件を変更する、請求項9に記載の全固体リチウムイオン二次電池システム。
  11. 金属リチウムまたはリチウム含有合金を含む負極活物質を含有する負極活物質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池のSOCを推定するためのSOC推定装置であって、
    前記負極活物質層の厚みを測定する負極厚み測定部と、
    前記負極厚み測定部が測定した前記負極活物質層の厚みに基づいて、前記全固体リチウムイオン二次電池の充電率(SOC)の推定値である第1の推定SOCを算出する制御部と、
    を備える、全固体リチウムイオン二次電池用SOC推定装置。
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