JP2742901B2 - 二次電池の評価方法 - Google Patents
二次電池の評価方法Info
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- JP2742901B2 JP2742901B2 JP7349756A JP34975695A JP2742901B2 JP 2742901 B2 JP2742901 B2 JP 2742901B2 JP 7349756 A JP7349756 A JP 7349756A JP 34975695 A JP34975695 A JP 34975695A JP 2742901 B2 JP2742901 B2 JP 2742901B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負電極を水素吸蔵
合金で形成された二次電池の評価方法に関し、特に二次
電池の各種特性の各々について詳細に評価できる二次電
池の評価方法に関する。
合金で形成された二次電池の評価方法に関し、特に二次
電池の各種特性の各々について詳細に評価できる二次電
池の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の二次電池の評価方法とし
て図9に示すものがあった。この図9は従来の二次電池
の評価方法に用いられるニッケル−水素電池の概略構成
図を示す。同図において従来の二次電池の評価方法に用
いられるニッケル−水素電池は、ケーシング100内に
電解溶液3を貯留し、この電解溶液3内に所定間隔だけ
離反させて水素吸蔵合金で形成される負電極1と水酸化
ニッケルで形成される正電極2とを対向させて配設され
る構成である。
て図9に示すものがあった。この図9は従来の二次電池
の評価方法に用いられるニッケル−水素電池の概略構成
図を示す。同図において従来の二次電池の評価方法に用
いられるニッケル−水素電池は、ケーシング100内に
電解溶液3を貯留し、この電解溶液3内に所定間隔だけ
離反させて水素吸蔵合金で形成される負電極1と水酸化
ニッケルで形成される正電極2とを対向させて配設され
る構成である。
【0003】このニッケル−水素電池における二次電池
の評価方法は、電源部51から充電電流を充放電制御部
50により前記正電極2及び負電極1の間に供給し、こ
の供給により充電された充電量を充放電制御部50によ
り放電させて充放電サイクルを検出し、この充放電サイ
クルの偏差から負電極1の水素吸蔵合金に関する放電容
量を評価演算部80が演算するように行われていた。こ
の充放電サイクルは、充放電制御部50の制御により所
定条件の下に一定電流で所定時間(例えば、7〜8時
間)充電し、この充電後に任意の時間(例えば、1時
間)だけ静置して放電を開始するように行なう。この放
電電流は一定の電流値で放電終止電圧まで放電し、放電
持続時間と放電電流を評価演算部80が乗じて容量を求
めることができる。
の評価方法は、電源部51から充電電流を充放電制御部
50により前記正電極2及び負電極1の間に供給し、こ
の供給により充電された充電量を充放電制御部50によ
り放電させて充放電サイクルを検出し、この充放電サイ
クルの偏差から負電極1の水素吸蔵合金に関する放電容
量を評価演算部80が演算するように行われていた。こ
の充放電サイクルは、充放電制御部50の制御により所
定条件の下に一定電流で所定時間(例えば、7〜8時
間)充電し、この充電後に任意の時間(例えば、1時
間)だけ静置して放電を開始するように行なう。この放
電電流は一定の電流値で放電終止電圧まで放電し、放電
持続時間と放電電流を評価演算部80が乗じて容量を求
めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の二次電池の評価
方法は以上のように行っていたことから、二次電池に対
する充電時間及び放電時間の合計時間だけ放電容量を試
験するために必要となり、迅速な容量試験ができないと
いう課題を有していた。特に、このような充放電サイク
ルによる二次電池の評価方法では負電極1の水素吸蔵合
金における評価を前記放電容量に基づいてのみ類推でき
るに止まっていた。
方法は以上のように行っていたことから、二次電池に対
する充電時間及び放電時間の合計時間だけ放電容量を試
験するために必要となり、迅速な容量試験ができないと
いう課題を有していた。特に、このような充放電サイク
ルによる二次電池の評価方法では負電極1の水素吸蔵合
金における評価を前記放電容量に基づいてのみ類推でき
るに止まっていた。
【0005】即ち、前記電極を同一の材料を用いて形成
したとしても、放電容量がその電極の構成組成条件等に
より相違することがあることから、この放電容量に基づ
いて二次電池に使用される水素吸蔵合金の構造・組成条
件等を判断することができないという課題を有してい
た。さらに、前記充放電サイクル試験の場合には、仮に
充電電流の電流密度を低下させて充電を行ったとしても
放電容量が一定値を示さず、電極の構成によってあたか
も水素吸蔵合金の性質が変化(劣化)した場合と同様の
検出結果となり、水素吸蔵合金で形成される電極の良否
の評価を行なうことができないという課題を有してい
た。
したとしても、放電容量がその電極の構成組成条件等に
より相違することがあることから、この放電容量に基づ
いて二次電池に使用される水素吸蔵合金の構造・組成条
件等を判断することができないという課題を有してい
た。さらに、前記充放電サイクル試験の場合には、仮に
充電電流の電流密度を低下させて充電を行ったとしても
放電容量が一定値を示さず、電極の構成によってあたか
も水素吸蔵合金の性質が変化(劣化)した場合と同様の
検出結果となり、水素吸蔵合金で形成される電極の良否
の評価を行なうことができないという課題を有してい
た。
【0006】また、二次電池の電極を水素吸蔵合金で形
成し、この水素吸蔵合金の電極の面積が大きい場合に
は、一部のみの検出では電極全体における水素吸蔵合金
の構造及び組成等の良否判断ができず、二次電池の評価
としては十分なものではなかった。本発明は前記課題を
解消するためになされたもので、二次電池についての各
種評価を個別具体的に試験及び評価できる二次電池の評
価方法を提供することを目的とする。
成し、この水素吸蔵合金の電極の面積が大きい場合に
は、一部のみの検出では電極全体における水素吸蔵合金
の構造及び組成等の良否判断ができず、二次電池の評価
としては十分なものではなかった。本発明は前記課題を
解消するためになされたもので、二次電池についての各
種評価を個別具体的に試験及び評価できる二次電池の評
価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二次電池の
評価方法は、正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電極
との間に電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当該
各電極間に所定電流値の充電電流を供給して充電される
二次電池の評価方法において、前記水素吸蔵合金への水
素の吸蔵が飽和状態となる以前に、当該充電を停止して
前記負の電極の反応が平衡状態となった場合における少
なくとも1つの平衡電極電位を検出し、当該検出した平
衡電極電位と予め設定された基準電極電位との偏差電位
を演算し、当該偏差電位から二次電池の評価を行なうこ
ものである。このように本発明においては、水素吸蔵合
金が飽和状態に至る前段において充電動作を停止して水
素吸蔵合金で形成される負電極の反応が平衡状態となっ
た場合の平衡電極電位を予め設定された基準電極電位と
比較して偏差電位を演算し、この偏差電位から二次電池
の評価を行うようにしているので、二次電池が飽和状態
になる前に充電を停止し、この停止した時点における平
衡電極電位に基づいて二次電池の評価ができることか
ら、二次電池の評価を迅速且つ確実に実行できる。
評価方法は、正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電極
との間に電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当該
各電極間に所定電流値の充電電流を供給して充電される
二次電池の評価方法において、前記水素吸蔵合金への水
素の吸蔵が飽和状態となる以前に、当該充電を停止して
前記負の電極の反応が平衡状態となった場合における少
なくとも1つの平衡電極電位を検出し、当該検出した平
衡電極電位と予め設定された基準電極電位との偏差電位
を演算し、当該偏差電位から二次電池の評価を行なうこ
ものである。このように本発明においては、水素吸蔵合
金が飽和状態に至る前段において充電動作を停止して水
素吸蔵合金で形成される負電極の反応が平衡状態となっ
た場合の平衡電極電位を予め設定された基準電極電位と
比較して偏差電位を演算し、この偏差電位から二次電池
の評価を行うようにしているので、二次電池が飽和状態
になる前に充電を停止し、この停止した時点における平
衡電極電位に基づいて二次電池の評価ができることか
ら、二次電池の評価を迅速且つ確実に実行できる。
【0008】また、本発明に係る二次電池の評価方法は
必要に応じて、所定の電流値の充電電流は負電極の水素
吸蔵合金が吸蔵反応以外の反応を生じない電流密度で供
給されるものである。このように本発明においては、充
電電流を所定の電流密度に低下させて各電極間に供給し
ているので、吸蔵反応以外の反応による雑音を極力制御
できることとなり、より確実な電極構造等の電極の良否
評価が可能となる。
必要に応じて、所定の電流値の充電電流は負電極の水素
吸蔵合金が吸蔵反応以外の反応を生じない電流密度で供
給されるものである。このように本発明においては、充
電電流を所定の電流密度に低下させて各電極間に供給し
ているので、吸蔵反応以外の反応による雑音を極力制御
できることとなり、より確実な電極構造等の電極の良否
評価が可能となる。
【0009】また、本発明に係る二次電池の評価方法は
必要に応じて、平衡電極電位及び当該平衡電極電位を検
出する際における電解溶液等の各種のデータに基づいて
ネルンストの式により前記水素吸蔵合金からなる負の電
極に吸蔵される水素量の平衡水素ガス分圧に換算し、当
該換算した平衡水素ガス分圧と予め設定された基準水素
ガス分圧との偏差ガス分圧を演算し、当該偏差ガス分圧
から二次電池の評価を行なうものである。このように本
発明においては、平衡電極電位、その他の各種データに
基づいてネルンストの式により負の電極を形成する水素
吸蔵合金の平衡水素ガス分圧を換算し、この平衡水素ガ
ス分圧と基準水素ガス分圧との偏差ガス分圧から二次電
池の評価を行うようにしているので、二次電池の各種条
件を考慮して判断できることとなり、より詳細な試験・
評価が可能となる。
必要に応じて、平衡電極電位及び当該平衡電極電位を検
出する際における電解溶液等の各種のデータに基づいて
ネルンストの式により前記水素吸蔵合金からなる負の電
極に吸蔵される水素量の平衡水素ガス分圧に換算し、当
該換算した平衡水素ガス分圧と予め設定された基準水素
ガス分圧との偏差ガス分圧を演算し、当該偏差ガス分圧
から二次電池の評価を行なうものである。このように本
発明においては、平衡電極電位、その他の各種データに
基づいてネルンストの式により負の電極を形成する水素
吸蔵合金の平衡水素ガス分圧を換算し、この平衡水素ガ
ス分圧と基準水素ガス分圧との偏差ガス分圧から二次電
池の評価を行うようにしているので、二次電池の各種条
件を考慮して判断できることとなり、より詳細な試験・
評価が可能となる。
【0010】また、本発明に係る二次電池の評価方法は
必要に応じて、二次電池の充電が飽和状態となるまでの
複数時点で平衡電極電位を検出し、当該検出された複数
の平衡電極電位との各々偏差電位を演算し、当該複数の
偏差電位から二次電池の評価を行なうものである。この
ように本発明においては、二次電池が飽和状態に至るま
での複数時点において平衡電極電位を検出し、この複数
平衡電極電位とこれに対応する複数の基準電極電位との
各偏差電位から二次電池の評価を行うようにしているの
で、水素吸蔵合金で形成される負電極の充電効率をより
詳細に試験・評価できる。
必要に応じて、二次電池の充電が飽和状態となるまでの
複数時点で平衡電極電位を検出し、当該検出された複数
の平衡電極電位との各々偏差電位を演算し、当該複数の
偏差電位から二次電池の評価を行なうものである。この
ように本発明においては、二次電池が飽和状態に至るま
での複数時点において平衡電極電位を検出し、この複数
平衡電極電位とこれに対応する複数の基準電極電位との
各偏差電位から二次電池の評価を行うようにしているの
で、水素吸蔵合金で形成される負電極の充電効率をより
詳細に試験・評価できる。
【0011】また、本発明に係る二次電池の評価方法
は、正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電極との間に
電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当該各電極間
に所定電流値の充電電流を供給して充電される二次電池
の評価方法において、前記負の電極の所定領域毎に複数
の検出部を対向して配設し、当該複数の検出部を参照電
極に接続して前記負の電極の所定領域毎に評価を行なう
ものである。このように本発明においては、検出部を水
素吸蔵合金で形成される負の電極の所定領域毎に各々対
向配設して各領域毎の評価を行なうことにより、水素吸
蔵合金の製造不良及び品質劣化等を負電極の全領域に亘
って検出できることとなり、二次電池の評価方法を詳細
且つ緻密に実行できる。
は、正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電極との間に
電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当該各電極間
に所定電流値の充電電流を供給して充電される二次電池
の評価方法において、前記負の電極の所定領域毎に複数
の検出部を対向して配設し、当該複数の検出部を参照電
極に接続して前記負の電極の所定領域毎に評価を行なう
ものである。このように本発明においては、検出部を水
素吸蔵合金で形成される負の電極の所定領域毎に各々対
向配設して各領域毎の評価を行なうことにより、水素吸
蔵合金の製造不良及び品質劣化等を負電極の全領域に亘
って検出できることとなり、二次電池の評価方法を詳細
且つ緻密に実行できる。
【0012】また、本実施形態に係る二次電池の評価方
法は必要に応じて、負の電極の所定領域毎の評価を水素
吸蔵合金の水素の吸蔵が飽和状態となる以前に充電動作
を停止して負の電極の反応が平衡状態となった場合にお
ける少なくとも1つの平衡電極電位を検出して二次電池
の評価を行なうものである。
法は必要に応じて、負の電極の所定領域毎の評価を水素
吸蔵合金の水素の吸蔵が飽和状態となる以前に充電動作
を停止して負の電極の反応が平衡状態となった場合にお
ける少なくとも1つの平衡電極電位を検出して二次電池
の評価を行なうものである。
【0013】
【発明の実施の形態】 (本発明の第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実
施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。この図1
は本実施形態に係る二次電池の評価方法に使用するニッ
ケル−水素電池の概略構成図、図2は図1に記載のニッ
ケル−水素電池を評価する際の評価方法の動作特性図を
示す。前記各図において本実施形態に係る二次電池の評
価方法は、前記図6に記載の従来方法と同様に水酸化ニ
ッケルの正電極2と水素吸蔵合金からなる負電極1とを
電解溶液3内に対向状態で配設して形成されるニッケル
−水素電池を対象とし、さらにこのニッケル−水素電池
の電解溶液3内に参照電極4を追加して配設して構成
し、この参照電極4から所定条件の下に検出される平衡
電極電位を平衡水素分圧に変換し、この変換された平衡
水素分圧と予め設定された基準水素ガス分圧との偏差ガ
ス分圧に基づいて前記ニッケル−水素電池の各種評価を
行なう構成である。
施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。この図1
は本実施形態に係る二次電池の評価方法に使用するニッ
ケル−水素電池の概略構成図、図2は図1に記載のニッ
ケル−水素電池を評価する際の評価方法の動作特性図を
示す。前記各図において本実施形態に係る二次電池の評
価方法は、前記図6に記載の従来方法と同様に水酸化ニ
ッケルの正電極2と水素吸蔵合金からなる負電極1とを
電解溶液3内に対向状態で配設して形成されるニッケル
−水素電池を対象とし、さらにこのニッケル−水素電池
の電解溶液3内に参照電極4を追加して配設して構成
し、この参照電極4から所定条件の下に検出される平衡
電極電位を平衡水素分圧に変換し、この変換された平衡
水素分圧と予め設定された基準水素ガス分圧との偏差ガ
ス分圧に基づいて前記ニッケル−水素電池の各種評価を
行なう構成である。
【0014】前記構成に基づく二次電池の評価方法を実
行するための二次電池の評価装置は、前記ニッケル−水
素電池の正電極2及び負電極1の間に電源部51の電流
を所定値の充電電流に制御して供給する充電電流制御部
5と、この充電電流制御部5により充電電流の供給が休
止された状態において前記負電極1と参照電極4との電
位差を平衡電極電位として検出する平衡電極電位検出部
6と、この検出された平衡電極電位及び前記電解溶液3
の電解濃度等をネルンストの式に代入して平衡水素分圧
に変換する演算を行なうネルンスト式演算部7と、負電
極1に水素吸蔵合金を使用したニッケル−水素電池の目
標特性として予め設定された基準水素ガス分圧を記憶す
る基準水素ガス分圧記憶部9と、この基準水素ガス分圧
と変換された平衡水素分圧とを比較してニッケル−水素
電池の各種評価を演算する評価制御部8とを備える構成
である。
行するための二次電池の評価装置は、前記ニッケル−水
素電池の正電極2及び負電極1の間に電源部51の電流
を所定値の充電電流に制御して供給する充電電流制御部
5と、この充電電流制御部5により充電電流の供給が休
止された状態において前記負電極1と参照電極4との電
位差を平衡電極電位として検出する平衡電極電位検出部
6と、この検出された平衡電極電位及び前記電解溶液3
の電解濃度等をネルンストの式に代入して平衡水素分圧
に変換する演算を行なうネルンスト式演算部7と、負電
極1に水素吸蔵合金を使用したニッケル−水素電池の目
標特性として予め設定された基準水素ガス分圧を記憶す
る基準水素ガス分圧記憶部9と、この基準水素ガス分圧
と変換された平衡水素分圧とを比較してニッケル−水素
電池の各種評価を演算する評価制御部8とを備える構成
である。
【0015】次に、前記構成に基づく二次電池の評価方
法について説明する。まず、充電電流制御部5が負電極
1の水素吸蔵合金が吸蔵反応以外の反応を生じない電流
密度に制御して電源部51からの電流を正電極2及び負
電極1間に供給する。この充電電流の供給されている二
次電池の充電が飽和状態になる以前における時刻T0か
らT1まで実行し、時刻T1から時刻T2までの間を充電
を休止する。この休止した状態で負電極1の反応が平衡
状態となった場合における平衡電極電位を平衡電極電位
検出部6が検出する。
法について説明する。まず、充電電流制御部5が負電極
1の水素吸蔵合金が吸蔵反応以外の反応を生じない電流
密度に制御して電源部51からの電流を正電極2及び負
電極1間に供給する。この充電電流の供給されている二
次電池の充電が飽和状態になる以前における時刻T0か
らT1まで実行し、時刻T1から時刻T2までの間を充電
を休止する。この休止した状態で負電極1の反応が平衡
状態となった場合における平衡電極電位を平衡電極電位
検出部6が検出する。
【0016】この検出された平衡電極電位がネルンスト
式演算部7に出力され、ネルンスト式演算部7は対象と
なるニッケル−水素電池の電解溶液3の電解濃度をネル
ンストの式に代入して平衡電極電位を平衡水素分圧へ換
算する。この換算された平衡水素分圧が評価演算部8に
入力され、この評価演算部8は平衡水素分圧と基準水素
ガス分圧記憶部9に記憶される基準水素ガス分圧とが比
較されて偏差ガス分圧を演算し、この偏差ガス分圧から
ニッケル−水素電池の各種評価を行う。
式演算部7に出力され、ネルンスト式演算部7は対象と
なるニッケル−水素電池の電解溶液3の電解濃度をネル
ンストの式に代入して平衡電極電位を平衡水素分圧へ換
算する。この換算された平衡水素分圧が評価演算部8に
入力され、この評価演算部8は平衡水素分圧と基準水素
ガス分圧記憶部9に記憶される基準水素ガス分圧とが比
較されて偏差ガス分圧を演算し、この偏差ガス分圧から
ニッケル−水素電池の各種評価を行う。
【0017】この各種評価には、ニッケル−水素電池の
自体の良否を評価できると共に、各電極、特に水素吸蔵
合金で形成される負電極1の構造の適否及びこれらの電
極と電解溶液3との適合条件等の個別具体的な内容を判
断できる。なお、前記実施形態に於いては前記二次電池
の充電が飽和状態となるまでの複数時点T2、T2、…で
平衡電極電位を検出する構成としたが、二次電池の充電
が飽和状態となるまでのいずれかの一つの時点で平衡電
極電位を検出する構成とすることもできる。このように
充電が飽和状態となる以前に、さらに単に一つの時点で
のみ平衡電極電位を検出し、この一つの平衡電極電位と
これに対応する基準水素ガス分圧とから偏差ガス分圧を
求めることから、ニッケル−水素電池の各種評価をより
迅速且つ確実に行なえることとなる。
自体の良否を評価できると共に、各電極、特に水素吸蔵
合金で形成される負電極1の構造の適否及びこれらの電
極と電解溶液3との適合条件等の個別具体的な内容を判
断できる。なお、前記実施形態に於いては前記二次電池
の充電が飽和状態となるまでの複数時点T2、T2、…で
平衡電極電位を検出する構成としたが、二次電池の充電
が飽和状態となるまでのいずれかの一つの時点で平衡電
極電位を検出する構成とすることもできる。このように
充電が飽和状態となる以前に、さらに単に一つの時点で
のみ平衡電極電位を検出し、この一つの平衡電極電位と
これに対応する基準水素ガス分圧とから偏差ガス分圧を
求めることから、ニッケル−水素電池の各種評価をより
迅速且つ確実に行なえることとなる。
【0018】(本発明の第2の実施の形態)本発明の第
2の実施の形態を図3ないし図5に基づいて説明する。
この図3は本実施の形態に係る二次電池の評価方法に使
用するニッケル−水素電池概略構成斜視図、図4は図3
に記載のニッケル−水素電池のルギン管取付状態説明
図、図5は図3に記載のニッケル−水素電池の参照電極
接続状態説明図である。前記各図において本実施の形態
に係る評価方法が対象とするニッケル−水素電池は、負
電極1の背面側(正電極2に対向する面の裏側)に対峙
した状態でホルダ40が配設され、このホルダ40を1
6等分割した各領域に16個のルギン管(Luggin
Capillary)41が固着され、この16個の
ルギン管41から引出管路42を介して参照電極4に接
続されるように構成される。前記ホルダ40は、板状体
に取付孔が穿設され、この取付孔にルギン管41を挿通
して固定する構成である。なお、このホルダ40は前記
板状体の他の網目状又は格子状の枠体で形成し、この枠
体の網目状又は格子状の任意の箇所に複数のルギン管4
1を固着係止する構成とすることもできる。
2の実施の形態を図3ないし図5に基づいて説明する。
この図3は本実施の形態に係る二次電池の評価方法に使
用するニッケル−水素電池概略構成斜視図、図4は図3
に記載のニッケル−水素電池のルギン管取付状態説明
図、図5は図3に記載のニッケル−水素電池の参照電極
接続状態説明図である。前記各図において本実施の形態
に係る評価方法が対象とするニッケル−水素電池は、負
電極1の背面側(正電極2に対向する面の裏側)に対峙
した状態でホルダ40が配設され、このホルダ40を1
6等分割した各領域に16個のルギン管(Luggin
Capillary)41が固着され、この16個の
ルギン管41から引出管路42を介して参照電極4に接
続されるように構成される。前記ホルダ40は、板状体
に取付孔が穿設され、この取付孔にルギン管41を挿通
して固定する構成である。なお、このホルダ40は前記
板状体の他の網目状又は格子状の枠体で形成し、この枠
体の網目状又は格子状の任意の箇所に複数のルギン管4
1を固着係止する構成とすることもできる。
【0019】前記ルギン管41は、前記ホルダ40の取
付孔に挿通されると共に、固定部40aにより固定係止
され、先端の毛管を負電極1の所定領域における表面に
所定間隔を隔てて接近配設される構成である。このルギ
ン管41は、引出管路42を介して対応する16個の参
照電極4に接続される構成である。なお、この各ルギン
管41を接続する複数の引出管路42は、接続切換部4
4を介して単一の参照電極4に接続する構成とすること
もできる。この接続切換部44は、切換操作を行うこと
により16個のルギン管41を順次単一の参照電極4に
接続することとなる。
付孔に挿通されると共に、固定部40aにより固定係止
され、先端の毛管を負電極1の所定領域における表面に
所定間隔を隔てて接近配設される構成である。このルギ
ン管41は、引出管路42を介して対応する16個の参
照電極4に接続される構成である。なお、この各ルギン
管41を接続する複数の引出管路42は、接続切換部4
4を介して単一の参照電極4に接続する構成とすること
もできる。この接続切換部44は、切換操作を行うこと
により16個のルギン管41を順次単一の参照電極4に
接続することとなる。
【0020】このように水素吸蔵合金で形成される負電
極1の複数領域における平衡水素分圧を検出し、各平衡
水素分圧に基づいて負電極1のほぼ全領域に亘って水素
吸蔵合金の製造不良及び品質劣化等を詳細に検出できる
こととなる。この水素吸蔵合金の製造不良及び品質劣化
等の詳細な検出に基づいて、二次電池の評価方法を詳細
且つ緻密に実行できることとなる。なお、前記実施態様
においてはホルダ40を16等分割した各領域に16個
のルギン管41が固着する構成としたが、ホルダ40を
任意の複数に分割した各領域に複数ルギン管41を固着
する構成とすることもできる。このようにルギン管41
の配設個数により検出精度を任意に調整することができ
る。
極1の複数領域における平衡水素分圧を検出し、各平衡
水素分圧に基づいて負電極1のほぼ全領域に亘って水素
吸蔵合金の製造不良及び品質劣化等を詳細に検出できる
こととなる。この水素吸蔵合金の製造不良及び品質劣化
等の詳細な検出に基づいて、二次電池の評価方法を詳細
且つ緻密に実行できることとなる。なお、前記実施態様
においてはホルダ40を16等分割した各領域に16個
のルギン管41が固着する構成としたが、ホルダ40を
任意の複数に分割した各領域に複数ルギン管41を固着
する構成とすることもできる。このようにルギン管41
の配設個数により検出精度を任意に調整することができ
る。
【0021】
【実施例】前記実施例に係る二次電池の評価方法の第1
の実施例について説明する。本実施例に用いられるニッ
ケル−水素電池は、前記と同様にケーシング100内に
高濃度アルカリ水溶液の電解溶液3を貯留し、この電解
溶液3内に水酸化ニッケルで形成される正電極2と水素
吸蔵合金で形成される負電極2とを対向配設する。この
負電極2は、希土類系の水素吸蔵合金に20wt%の銅
の湿式化学鍍金を施し、この銅の湿式化学鍍金を施した
水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の分散液で固着し、この固着した水素吸蔵合金をニ
ッケルマイクロメッシュで挾持した状態で圧力(250
kgf/cm2)の冷間プレスにより形成する構成であ
る。
の実施例について説明する。本実施例に用いられるニッ
ケル−水素電池は、前記と同様にケーシング100内に
高濃度アルカリ水溶液の電解溶液3を貯留し、この電解
溶液3内に水酸化ニッケルで形成される正電極2と水素
吸蔵合金で形成される負電極2とを対向配設する。この
負電極2は、希土類系の水素吸蔵合金に20wt%の銅
の湿式化学鍍金を施し、この銅の湿式化学鍍金を施した
水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の分散液で固着し、この固着した水素吸蔵合金をニ
ッケルマイクロメッシュで挾持した状態で圧力(250
kgf/cm2)の冷間プレスにより形成する構成であ
る。
【0022】また、前記ニッケル−水素電池は、ケーシ
ング100内の電解溶液3に酸化水銀極で形成される参
照電極4が配設される構成である。前記構成に基づくニ
ッケル−水素電池を対象とする評価を次のような方法に
より実行する。まず、水素吸蔵合金の電極規制として
0.10C率程度で充放電サイクルにより活性化を行
い、この活性化の後に0.05C(14.5mA/g)
率の充電電流量においてこの充電電流量で10分間充電
すると共にこの10分間充電の後に1時間休止とする動
作を5回繰り返す。さらに、前記充電電流量で1時間充
電すると共にこの1時間充電の後に1時間休止とする動
作を4回繰り返す。さらに、前記充電電流量で1時間3
0分充電すると共にこの1時間30分充電の後に1時間
休止とする動作を14回繰り返す。このような充電動作
により複数平衡電極電位を平衡電極電位検出部6が求
め、この複数の平衡電極電位をネルンスト式演算部7が
前記電解溶液3の電解濃度等を考慮して平衡水素分圧に
変換し、この変換された複数の平衡水素分圧に基づいて
評価演算部8がニッケル−水素電池に関する各種の評価
を行なう。前記ネルンスト式演算部7はネルンストの式
として例えば、Eeg(H2O/H)−Eeg(H2O/
Hg)=−0.9324−0.0291logPH2の
ように演算を行なう。この(H2O/H)及び(H2O/
Hg)におけるH2Oは電解溶液3の水溶液を示し、こ
の水溶液と水素との平衡条件及びこの水溶液と水銀(参
照電極4側)との平衡条件を各々示している。
ング100内の電解溶液3に酸化水銀極で形成される参
照電極4が配設される構成である。前記構成に基づくニ
ッケル−水素電池を対象とする評価を次のような方法に
より実行する。まず、水素吸蔵合金の電極規制として
0.10C率程度で充放電サイクルにより活性化を行
い、この活性化の後に0.05C(14.5mA/g)
率の充電電流量においてこの充電電流量で10分間充電
すると共にこの10分間充電の後に1時間休止とする動
作を5回繰り返す。さらに、前記充電電流量で1時間充
電すると共にこの1時間充電の後に1時間休止とする動
作を4回繰り返す。さらに、前記充電電流量で1時間3
0分充電すると共にこの1時間30分充電の後に1時間
休止とする動作を14回繰り返す。このような充電動作
により複数平衡電極電位を平衡電極電位検出部6が求
め、この複数の平衡電極電位をネルンスト式演算部7が
前記電解溶液3の電解濃度等を考慮して平衡水素分圧に
変換し、この変換された複数の平衡水素分圧に基づいて
評価演算部8がニッケル−水素電池に関する各種の評価
を行なう。前記ネルンスト式演算部7はネルンストの式
として例えば、Eeg(H2O/H)−Eeg(H2O/
Hg)=−0.9324−0.0291logPH2の
ように演算を行なう。この(H2O/H)及び(H2O/
Hg)におけるH2Oは電解溶液3の水溶液を示し、こ
の水溶液と水素との平衡条件及びこの水溶液と水銀(参
照電極4側)との平衡条件を各々示している。
【0023】前記変換された複数の平衡水素分圧と充電
電流量との特性図を図6に示し、同図において基準水素
ガス分圧記憶部9において記憶された予め設定された複
数の基準水素ガス分圧(図中において白丸として示
す。)と比較した場合に、前記変換された複数の平衡水
素分圧(図中に×印、△印として各々示す。)のいづれ
もほぼ一致した特性を有することから、水素吸蔵合金で
形成される負電極1の構造等も良好であり、ニッケル−
水素電池としても良好と評価することができる。
電流量との特性図を図6に示し、同図において基準水素
ガス分圧記憶部9において記憶された予め設定された複
数の基準水素ガス分圧(図中において白丸として示
す。)と比較した場合に、前記変換された複数の平衡水
素分圧(図中に×印、△印として各々示す。)のいづれ
もほぼ一致した特性を有することから、水素吸蔵合金で
形成される負電極1の構造等も良好であり、ニッケル−
水素電池としても良好と評価することができる。
【0024】また、前記実施の形態に係る二次電池の評
価方法の第2の実施例について説明する。本実施例に用
いられるニッケル−水素電池は、前記第1の実施例と同
様に電解溶液3内に正電極2と負電極1とを対向配設す
ると共に参照電極4を配設する構成とし、この負電極1
の構造を異にする構成である。本実施形態に係る負電極
1は希土類系の水素吸蔵合金に1wt%のポリビニール
アルコール(PVA)溶液をバインダとして適量加え、
このバインダが加えられた水素吸蔵合金を繊維状のニッ
ケルに充填し、この水素吸蔵合金を繊維状のニッケル内
に充填した状態で高圧力(2500kgf/cm2)の
冷間プレスにより形成する構成である。このように構成
されたニッケル−水素電池を対象とする評価を次のよう
な方法により実行する。まず、充電動作を前記第1の実
施例と同様な順序で実行して複数の平衡電極電位を平衡
電極電位検出部6が検出する。
価方法の第2の実施例について説明する。本実施例に用
いられるニッケル−水素電池は、前記第1の実施例と同
様に電解溶液3内に正電極2と負電極1とを対向配設す
ると共に参照電極4を配設する構成とし、この負電極1
の構造を異にする構成である。本実施形態に係る負電極
1は希土類系の水素吸蔵合金に1wt%のポリビニール
アルコール(PVA)溶液をバインダとして適量加え、
このバインダが加えられた水素吸蔵合金を繊維状のニッ
ケルに充填し、この水素吸蔵合金を繊維状のニッケル内
に充填した状態で高圧力(2500kgf/cm2)の
冷間プレスにより形成する構成である。このように構成
されたニッケル−水素電池を対象とする評価を次のよう
な方法により実行する。まず、充電動作を前記第1の実
施例と同様な順序で実行して複数の平衡電極電位を平衡
電極電位検出部6が検出する。
【0025】前記ネルンスト式演算部7は、前記電解溶
液3の電解濃度等をネルンスト式に代入することにより
前記検出された複数の平衡電極電位を対応する複数のこ
の変換された複数の平衡水素分圧に基づいて評価演算部
8がニッケル−水素電池に関する各種の評価を行なう。
液3の電解濃度等をネルンスト式に代入することにより
前記検出された複数の平衡電極電位を対応する複数のこ
の変換された複数の平衡水素分圧に基づいて評価演算部
8がニッケル−水素電池に関する各種の評価を行なう。
【0026】前記変換された複数の平衡水素分圧と充電
電流量との特性図を図7に示す。同図において充電電流
量が約100[mAh/g]から300[mAh/g]
に亘って前記基準水素ガス分圧(図中において白丸とし
て示す。)と相違し、前記変換された複数の平衡水素分
圧(図中において黒丸、×印、△印として各々示す。)
の特性が乱れている。この特性の乱れから、繊維状のニ
ッケルに水素吸蔵合金を充填する際の充填が不均一にな
されたか、または高圧冷間プレスの圧力不足か等により
水素吸蔵合金で形成される負電極1の構造が不良である
と評価することができる。即ち、前記負電極1の構造が
不良であるため複数の平衡水素分圧の各特性毎に導電率
に差異が生じていることに起因すると類推することがで
きる。
電流量との特性図を図7に示す。同図において充電電流
量が約100[mAh/g]から300[mAh/g]
に亘って前記基準水素ガス分圧(図中において白丸とし
て示す。)と相違し、前記変換された複数の平衡水素分
圧(図中において黒丸、×印、△印として各々示す。)
の特性が乱れている。この特性の乱れから、繊維状のニ
ッケルに水素吸蔵合金を充填する際の充填が不均一にな
されたか、または高圧冷間プレスの圧力不足か等により
水素吸蔵合金で形成される負電極1の構造が不良である
と評価することができる。即ち、前記負電極1の構造が
不良であるため複数の平衡水素分圧の各特性毎に導電率
に差異が生じていることに起因すると類推することがで
きる。
【0027】さらに、前記実施の形態に係る二次電池の
評価方法の第3の実施例について説明する。本実施例に
用いられるニッケル−水素電池は、前記第1の実施例と
同様に電解溶液3内に正電極2と負電極1とを対向配設
すると共に参照電極4を配設する構成とし、この負電極
1の構造を異にする構成である。本実施形態に係る負電
極1は希土類系の水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の分散液で固着し、この固着した水
素吸蔵合金を繊維状のニッケルに充填し、この水素吸蔵
合金をニッケルマイクロメッシュで挾持した状態で圧力
(250kgf/cm2)の冷間プレスにより形成する
構成である。このように構成されたニッケル−水素電池
を対象とする評価を次のような方法により実行する。ま
ず、充電動作を前記第1の実施例と同様な順序で実行し
て複数の平衡電極電位を平衡電極電位検出部6が検出す
る。
評価方法の第3の実施例について説明する。本実施例に
用いられるニッケル−水素電池は、前記第1の実施例と
同様に電解溶液3内に正電極2と負電極1とを対向配設
すると共に参照電極4を配設する構成とし、この負電極
1の構造を異にする構成である。本実施形態に係る負電
極1は希土類系の水素吸蔵合金をポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の分散液で固着し、この固着した水
素吸蔵合金を繊維状のニッケルに充填し、この水素吸蔵
合金をニッケルマイクロメッシュで挾持した状態で圧力
(250kgf/cm2)の冷間プレスにより形成する
構成である。このように構成されたニッケル−水素電池
を対象とする評価を次のような方法により実行する。ま
ず、充電動作を前記第1の実施例と同様な順序で実行し
て複数の平衡電極電位を平衡電極電位検出部6が検出す
る。
【0028】前記ネルンスト式演算部7は、前記電解溶
液3の電解濃度等をネルンスト式に代入することにより
前記検出された複数の平衡電極電位を対応する複数のこ
の変換された複数の平衡水素分圧に基づいて評価演算部
8がニッケル−水素電池に関する各種の評価を行なう。
液3の電解濃度等をネルンスト式に代入することにより
前記検出された複数の平衡電極電位を対応する複数のこ
の変換された複数の平衡水素分圧に基づいて評価演算部
8がニッケル−水素電池に関する各種の評価を行なう。
【0029】前記変換された複数の平衡水素分圧と充電
電流量との特性図を図8に示す。同図において充電電流
量が0[mAh/g]から300[mAh/g]に亘っ
て前記基準水素ガス分圧(図中に×印として示す。)に
対して変換された複数の平衡水素分圧(図中に黒丸とし
て示す。)が大きく相違している。この大きな相違か
ら、繊維状のニッケルに水素吸蔵合金を充填する際の充
填が不均一になされたか、または高圧冷間プレスの圧力
不足か等により水素吸蔵合金で形成される負電極1の構
造が不良であると評価することができる。即ち、前記負
電極1の構造が不良であるため複数の平衡水素分圧の各
特性毎に導電率に大きな差異が生じていることに起因す
ると類推することができる。
電流量との特性図を図8に示す。同図において充電電流
量が0[mAh/g]から300[mAh/g]に亘っ
て前記基準水素ガス分圧(図中に×印として示す。)に
対して変換された複数の平衡水素分圧(図中に黒丸とし
て示す。)が大きく相違している。この大きな相違か
ら、繊維状のニッケルに水素吸蔵合金を充填する際の充
填が不均一になされたか、または高圧冷間プレスの圧力
不足か等により水素吸蔵合金で形成される負電極1の構
造が不良であると評価することができる。即ち、前記負
電極1の構造が不良であるため複数の平衡水素分圧の各
特性毎に導電率に大きな差異が生じていることに起因す
ると類推することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明においては、二次電
池が飽和状態に至る前段において充電動作を停止して水
素吸蔵合金で形成される負電極の反応が平衡状態となっ
た場合の平衡電極電極位を予め設定された基準電極電位
と比較して偏差電位を演算し、この偏差電位から二次電
池の評価を行うようにしているので、二次電池が飽和状
態になる前に充電を停止し、この停止した時点における
平衡電極電位に基づいて二次電池の評価ができることか
ら、二次電池の評価を迅速且つ確実に実行できるという
効果を奏する。また、本発明においては、充電電流を所
定の電流密度に低下させてかく電極間に供給しているの
で、吸蔵反応以外の反応による雑音を極力制御できるこ
ととなり、より確実な電極構造等の電極の良否評価が可
能となるという効果を有する。また、本発明において
は、平衡電極電位、その他の各種データに基づいてネル
ンストの式により負電極を形成する水素吸蔵合金の水素
ガス分圧を換算し、この平衡水素ガス分圧と基準水素ガ
ス分圧との偏差ガス分圧から二次電池の評価を行うよう
にしているので、二次電池の各種条件を考慮して判断で
きることとなり、より詳細な試験・評価が可能となると
いう効果を有する。また、本発明においては、二次電池
が飽和状態に至るまでの複数時点において平衡電極電位
を検出し、この複数平衡電極電位とこれに対応する複数
の基準電極電位との各偏差電位から二次電池の評価を行
うようにしているので、水素吸蔵合金で形成される負電
極の充電効率を評価できるという効果を有する。また、
本発明においては、検出部を水素吸蔵合金で形成される
負の電極の所定領域毎に各々対向配設して各領域毎の評
価を行なうことにより、水素吸蔵合金の製造不良及び品
質劣化等を負電極の全領域に亘って検出できることとな
り、二次電池の評価を詳細且つ緻密に実行できるという
効果を有する。
池が飽和状態に至る前段において充電動作を停止して水
素吸蔵合金で形成される負電極の反応が平衡状態となっ
た場合の平衡電極電極位を予め設定された基準電極電位
と比較して偏差電位を演算し、この偏差電位から二次電
池の評価を行うようにしているので、二次電池が飽和状
態になる前に充電を停止し、この停止した時点における
平衡電極電位に基づいて二次電池の評価ができることか
ら、二次電池の評価を迅速且つ確実に実行できるという
効果を奏する。また、本発明においては、充電電流を所
定の電流密度に低下させてかく電極間に供給しているの
で、吸蔵反応以外の反応による雑音を極力制御できるこ
ととなり、より確実な電極構造等の電極の良否評価が可
能となるという効果を有する。また、本発明において
は、平衡電極電位、その他の各種データに基づいてネル
ンストの式により負電極を形成する水素吸蔵合金の水素
ガス分圧を換算し、この平衡水素ガス分圧と基準水素ガ
ス分圧との偏差ガス分圧から二次電池の評価を行うよう
にしているので、二次電池の各種条件を考慮して判断で
きることとなり、より詳細な試験・評価が可能となると
いう効果を有する。また、本発明においては、二次電池
が飽和状態に至るまでの複数時点において平衡電極電位
を検出し、この複数平衡電極電位とこれに対応する複数
の基準電極電位との各偏差電位から二次電池の評価を行
うようにしているので、水素吸蔵合金で形成される負電
極の充電効率を評価できるという効果を有する。また、
本発明においては、検出部を水素吸蔵合金で形成される
負の電極の所定領域毎に各々対向配設して各領域毎の評
価を行なうことにより、水素吸蔵合金の製造不良及び品
質劣化等を負電極の全領域に亘って検出できることとな
り、二次電池の評価を詳細且つ緻密に実行できるという
効果を有する。
【図1】本発明の一実施形態に係る二次電池の評価方法
に使用するニッケル−水素電池の概略構成図である。
に使用するニッケル−水素電池の概略構成図である。
【図2】図1に記載のニッケル−水素電池を評価する際
の評価方法の動作特性図である。
の評価方法の動作特性図である。
【図3】本発明の本実施の形態に係る二次電池の評価方
法に使用するニッケル−水素電池概略構成斜視図であ
る。
法に使用するニッケル−水素電池概略構成斜視図であ
る。
【図4】図3に記載のニッケル−水素電池のルギン管取
付状態説明図である。
付状態説明図である。
【図5】図3に記載のニッケル−水素電池の参照電極接
続状態説明図である。
続状態説明図である。
【図6】本発明に係る第1の実施例に於いて検出された
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
【図7】本発明に係る第2の実施例に於いて検出された
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
【図8】本発明に係る第3の実施例に於いて検出された
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
複数の平衡水素分圧と充電電流量との特性図である。
【図9】従来の二次電池の評価方法に用いられるニッケ
ル−水素電池の概略構成図である。
ル−水素電池の概略構成図である。
1 負電極 2 正電極 3 電解溶液 4 参照電極 5 充電電流制御部 6 平衡電極電位検出部 7 ネルンスト式演算部 8 評価演算部 9 基準水素ガス分圧記憶部 11 負電極端子 21 正電極端子 40 ホルダ 41 ルギン管 42 引出管路 100 ケーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 敬一朗 福岡県久留米市南町660 大電株式会社 内 (72)発明者 境 哲男 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 審査官 酒井 美知子
Claims (6)
- 【請求項1】 正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電
極との間に電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当
該各電極間に所定電流値の充電電流を供給して充電され
る二次電池の評価方法において、 前記水素吸蔵合金への水素の吸蔵が飽和状態となる以前
に、当該充電を停止して前記負の電極の反応が平衡状態
となった場合における少なくとも1つの平衡電極電位を
検出し、当該検出した平衡電極電位と予め設定された基
準電極電位との偏差電位を演算し、当該偏差電位から二
次電池の評価を行なうことを特徴とする二次電池の評価
方法。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載の二次電池の評価方
法において、 前記所定の電流値の充電電流は負電極の水素吸蔵合金が
吸蔵反応以外の反応を生じない電流密度で供給されるこ
とを特徴とする二次電池の評価方法。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の二次電池の
評価方法において、 前記平衡電極電位及び当該平衡電極電位を検出する際に
おける電解溶液等の各種のデータに基づいてネルンスト
の式により前記水素吸蔵合金からなる負の電極に吸蔵さ
れる水素量の平衡水素ガス分圧に換算し、当該換算した
平衡水素ガス分圧と予め設定された基準水素ガス分圧と
の偏差ガス分圧を演算し、当該偏差ガス分圧から二次電
池の評価を行なうこと特徴とする二次電池の評価方法。 - 【請求項4】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載
の二次電池の評価方法において、 前記二次電池の充電が飽和状態となるまでの複数時点で
平衡電極電位を検出し、当該検出された複数の平衡電極
電位との各々偏差電位を演算し、当該複数の偏差電位か
ら二次電池の評価を行なうことを特徴とする二次電池の
評価方法。 - 【請求項5】 正の電極と水素吸蔵合金からなる負の電
極との間に電解溶液を介在させて二次電池を形成し、当
該各電極間に所定電流値の充電電流を供給して充電され
る二次電池の評価方法において、 前記負の電極の所定領域毎に複数の検出部を対向して配
設し、当該複数の検出部を参照電極に接続して前記負の
電極の所定領域毎に評価を行なうことを特徴とするとす
る二次電池の評価方法。 - 【請求項6】 前記請求項5に記載の二次電池の評価方
法において、 前記負の電極の所定領域毎の評価を前記請求項1ないし
3のいづれかの方法で実行することを特徴とする二次電
池の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349756A JP2742901B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 二次電池の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349756A JP2742901B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 二次電池の評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09171833A JPH09171833A (ja) | 1997-06-30 |
JP2742901B2 true JP2742901B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=18405895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7349756A Expired - Lifetime JP2742901B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 二次電池の評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2742901B2 (ja) |
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1995
- 1995-12-20 JP JP7349756A patent/JP2742901B2/ja not_active Expired - Lifetime
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