JP5323042B2 - シリコンインゴット用水性切削液 - Google Patents

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Description

本発明は、固定砥粒ワイヤーを用いてシリコンインゴットを切削するときに使用する水性切削液に関する。さらに詳しくは、一定量の水を含有しているがシリコンとの反応を抑制することができ、かつ耐腐食性に優れた水性切削液に関する。
従来よりシリコンのワイヤーによる切断は遊離砥粒を用いて行われてきた。しかし、近年遊離砥粒の回収が困難であることや、シリコン切粉のリサイクルのニーズから、電着や樹脂による接着でワイヤーに砥粒を固定した固定砥粒ワイヤーが開発された(例えば特許文献1)。
近年、固定砥粒ワイヤー用に使用される切削液として、作業性や環境負荷などの観点から、水溶性の切削液が開発されている(例えば特許文献2)。しかし、これらの水溶性切削液は、加工装置等に使用されている金属が腐食するという問題があった。その対策として、アミン系の化合物を含有することで腐食を抑制した水溶性の切削液が開発されているが、耐腐食性に対して十分な効果が得られていない。(例えば特許文献3)。
さらに、加工中や加工後に水とシリコンの反応により水素が発生するという問題があった。
特開2001−54850号公報 特開2003−82334号公報 特開2005−15617号公報
そこで、本発明は固定砥粒ワイヤーによるシリコンインゴットの切削工程において、従来品より、加工装置等に使用されている金属に対する腐食を抑制することができ、かつシリコンと水との反応による水素の発生を抑制することができる水性切削液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水混和性溶媒(A)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7又は1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5であるアミン(B)クエン酸(C)、および水(W)を必須成分として含有し、該アミン(B)を0.01〜5重量%と水(W)を10〜50重量%含有し、pHが5.0〜9.0であることを特徴とするシリコンインゴット用水性切削液である。
本発明の水性切削液はシリコンインゴットの切削工程において、シリコンとの反応性が抑えられているため、加工時や加工後の廃液の保存において水素ガスによる爆発事故に対する安全性を向上させることができ、かつ加工装置等に使用されている金属に対する腐食による加工効率の低下といった問題を抑制できるという利点がある。
本発明の水性切削液は、水混和性溶媒(A)、特定の化学構造を有するアミン(B)、カルボン酸(C)、および水(W)を必須成分として含有する。
さらに、アミン(B)の含有量が0.01〜5重量%かつ水(W)の含有量が10〜50重量%であり、水性切削液のpHが5.0〜9.0である必要がある。
本発明の水性切削液の必須成分である水混和性溶媒(A)は、任意の割合で水に溶解する溶媒であれば特に差しつかえなく、例えばメタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、グリセリン、ポリオキシアルキレン付加物(A1)などが挙げられ、粘度(Si粉の分散性)の観点からポリオキシアルキレン付加物(A1)が好ましい。
また、水混和性溶媒(A)は1種類でもよく2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の水混和性溶媒(A)として好ましいポリオキシアルキレン付加物(A1)は、水分相溶性の観点からHLBは10〜45が好ましく、より好ましくは14〜45であり、この範囲であれば水分相溶性の観点で優れている。
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
本発明の水混和性溶媒(A)として好ましいポリオキシアルキレン付加物(A1)は、下記一般式(3)で表される。
O−(AO)n−R (3)
[式中、RとRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基;AOは、1種または2種以上の炭素数が2〜4のオキシアルキル基を表す。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。]
式中、RとRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。
アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
とRとして好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基である。
式中のAOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられ、これらの2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。水溶性の点でオキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましく、オキシエチレン基単独、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の併用がさらに好ましい。
nはAOの平均付加モル数を表し、通常1〜10の数である。好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。10を超えると粘度が高くなり過ぎ、使用時に泡立ちが起こる。
(AO)は1種のアルキレンオキサイドまたは2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、異種の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)の具体例として、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール等の水溶性グリコール;これらのアルキルエーテル等の水溶性エーテル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち、アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち、ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールなど)、ポリ1,2−プロピレングリコール(ジ1,2−プロピレングリコールなど)、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリ1,3−ブチレングリコール、ポリ1,4−ブチレングリコールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち、アルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル及び1,2−プロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち、ポリアルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテルとしては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル[ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノメチルエーテルなど]、ポリエチレングリコールジメチルエーテル[ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテルなど]及びポリ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル[ジ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルなど]などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち好ましいのは、粘度(金属シリコンの切粉の分散性)の観点から、アルキレングリコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルである。
さらに好ましくは、オキシアルキレン基の炭素数が2〜3であるアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールおよびこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテルである。
特に好ましくは、1,2−プロピレングリコール(HLB40.0)、ジエチレングリコール(HLB27.5)、1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル(HLB14.3)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(HLB14.0)である。
使用時の水性切削液中の本発明の水混和性溶媒(A)の含有量は、通常50〜85重量%、好ましくは65〜80重量%である。
本発明の水性切削液の第2の必須成分であるアミン(B)は、分子内に下記一般式(1)で表される化学構造(a)および/または下記一般式(2)で表される化学構造(b)を有する。なお、化学構造(a)はアミジン骨格と呼ばれるものである。
Figure 0005323042
Figure 0005323042
本発明のアミン(B)としては、化学構造(a)を含むアミン(B1)、化学構造(b)を含むアミン(B2)、化学構造(a)と化学構造(b)の両方を含むアミン(B3)が挙げられる。
アミン(B)のうち、化学構造(a)を含むアミン(B1)としては、イミダゾール、ピリミジン、プリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、キナゾリン、シアヌル酸、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
アミン(B)のうち、化学構造(b)を含むアミン(B2)としては、1,2,3−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
アミン(B)のうち、(a)と(b)を含むアミン(B3)としては、ロサルタン、カンデサルタン、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
これらのアミン(B)のうち、耐腐食性の観点からDBU、DBN、1,2,3−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾールが好ましい。さらに好ましくはDBU、DBN、1,2,3−ベンゾトリアゾールである。
また、アミン(B)は1種類でもよく2種類以上の混合物であってもよい。
本発明のアミン(B)は耐腐食性をさらに向上させる目的で含有させる。
従って、アミン(B)の含有量は、使用時の切削液の重量に基づいて、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%以下である。0.01重量%未満では耐腐食性が不十分であり、5重量%を超えると水とシリコンとが反応して、水素発生量が多くなる。
本発明の水性切削液の第3の必須成分であるカルボン酸(C)は、その価数については特に限定されず、1価、2価あるいは3価以上で差しつかえない。
また、脂肪族、脂環式、芳香族のいずれのカルボン酸でもよいし、(メタ)アクリル酸などの(共)重合物などのポリカルボン酸重合体でもよい。また、官能基、例えば水酸基を含有したオキシカルボン酸でもよく、切削液のpHが5.0〜9.0を満足すれば特に限定されない。
カルボン酸(C)のうち、1価のカルボン酸(C1)としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、ブレーニチル酸、イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、クム酸、アトロバ酸、ヒドロアトロバ酸、ケイ皮酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、アニス酸、クレソチン酸、バニリン酸、アミノ安息香酸などなどが挙げられる。
カルボン酸(C)のうち、2価のカルボン酸(C2)としては、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸などが挙げられる。
カルボン酸(C)のうち、3価以上のカルボン酸(C3)としては、クエン酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、アクリル酸の(共)重合物(官能基数2〜8)などが挙げられる。
水素発生を抑制する効果およびコストの点からクエン酸、リンゴ酸、フタル酸が好ましく、さらに好ましくはクエン酸である。
カルボン酸(C)の含有量は、使用時の切削液の重量に基づいて、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
アミン(B)とカルボン酸(C)の重量比(B)/(C)は通常20/80〜80/20、好ましくは33/67〜67/33である。
本発明の水性切削液中では、本発明のカルボン酸(C)のカルボキシル基がアミン(B)と反応してカルボキシル基の塩の形で存在してもシリコンと水との反応による水素発生を抑制する効果を有する。なお、必要に応じて、水素発生を抑制する目的で、アミン(B)とカルボン酸(C)以外にpH調整剤を適当量加えてもよい。
本発明の水性切削液の必須成分である水(W)の含有量は、シリコンと水との水素発生反応の抑制の観点と粘度の観点から、使用時の切削液の重量に基づいて、通常10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
10重量%未満では、アミン(B)とカルボン酸(C)の溶解性が悪化し、50重量%を超えるとシリコンと水との水素発生反応が起こりやすくなる。
本発明の水性切削液のpHは、シリコンと水との反応抑制の観点から通常5.0〜9.0であり、好ましくは5.0〜8.0である。
本発明の水性切削液の粘度は、加工性(Si粉の分散性)の観点から通常5〜50mPa・sであり、好ましくは5〜40mPa・sである。粘度が5mPa・s未満であるとSi粉の分散性が不十分となる。
本発明の水性切削液は、さらに、水素発生を抑制する目的およびpHを5.0〜9.0に調整する目的で、アミン(B)とカルボン酸(C)以外にpH調整剤を適当量加えてもよい。
このようなpH調整剤としては、金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)などの塩基性化合物;無機酸(例えば塩酸、硝酸、硫酸など)などの酸性化合物等が挙げられる。
本発明の水性切削液は、さらに、潤滑剤、分散剤を含有してもよい。
潤滑剤としては、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物[例えばオクチルアルコールのエチレンオキサイド(2モル)付加物、ラウリルアルコールのプロピレンオキサイド(6モル)付加物、セチルアルコールのエチレンオキサイド(4モル)付加物、ノニルフェノールのプロピレンオキサイド(10モル)付加物];
脂肪族カルボン酸またはその塩[例えばブチル酸、バレリアン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ソルビン酸、オブツシル酸、カプロレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シトラコン酸、メサコン酸、メチレンコハク酸、アリルマロン酸、イソプロリデンコハク酸、2,4−ヘキサンジエン二酸、またはこれらの塩];
高級アルコールのリン酸エステルまたはその塩[例えばオクチルアルコールリン酸エステル、ラウリルアルコールリン酸エステル、ステアリルアルコールリン酸エステル、またはこれらの塩];
高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物のリン酸エステルまたはその塩[例えばノニルフェノールのプロピレンオキサイド(2モル)付加物のリン酸エステル、セチルアルコールのエチレンオキサイド(6モル)付加物のリン酸エステル、ラウリルアルコールのプロピレンオキサイド(4モル)付加物のリン酸エステル、オクチルアルコールのエチレンオキサイド(10モル)付加物のリン酸エステル、またはこれらの];
高級アルコールの硫酸エステルまたはその塩[例えばオクチルアルコール硫酸エステル、ラウリルアルコール硫酸エステル、ステアリルアルコール硫酸エステル、またはこれらの塩];
高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステルまたはその塩[例えばノニルフェノールのエチレンオキサイド(2モル)付加物の硫酸エステル、セチルアルコールのプロピレンオキサイド(6モル)付加物の硫酸エステル、ラウリルアルコールのプロピレンオキサイド(4モル)付加物の硫酸エステル、オクチルアルコールのエチレンオキサイド(10モル)付加物の硫酸エステル、またはこれらの塩]などが挙げられる。
なお、これらの塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアなどの無機アルカリとの塩;アミン、第4級アンモニウムなどの有機塩が挙げられる。
潤滑剤の含有量は、使用時の切削液に対して、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%、さらに好ましくは0.001〜0.5重量%である。0.001重量%未満では潤滑性が不十分であり、10重量%を超えると抑泡性が不十分である。
分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩、ポリカルボン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、ポリアルキレングリコール硫酸エステル塩、ポリビニルアルコールリン酸エステル塩、メラミンスルホン酸塩およびリグニンスルホン酸塩などが挙げられる。
分散剤の含有量は、使用時の切削液に対して、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。0.01重量%以上であれば分散効果がさらに発揮されやすく、5重量%以下であれば切粉が凝集しにくい傾向にある。
本発明の水性切削液は、ワイヤーソーによりシリコンインゴットをスライス加工する際に好適に使用できる。
また、本発明の水性切削液は、加工中または加工後のpHの変化を抑える事ができるため、シリコンと水との反応による水素の発生を長時間にわたって抑えることができる。
シリコンインゴットをスライス加工する方法として、遊離砥粒及び固定砥粒ワイヤーを用いる方法が挙げられる。本発明の水溶性切削液はどちらの方法でも使用できるが、固定砥粒ワイヤーを用いたシリコンインゴットのスライジング加工に特に適している。
本発明の水性切削液を用いてシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハを用いて製造される電子材料としては、例えばメモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、CCD 、太陽電池、IC、LSI等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜7及び比較例1〜5
表1記載の配合比(重量部)で各成分を配合し、実施例1〜7及び比較例1〜5の水性切削液を調製した。
Figure 0005323042
なお、表中の水はイオン交換水を用いた。
また、表中の記号のPGはプロピレングリコール、DEGはジエチレングリコール、DBUは1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、BTAは1,2,3−ベンゾトリアゾールを表す。
得られた水溶性切削液について、pHの測定、耐腐食性、水素発生量の評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、pHメーターは堀場製作所製F−12を使用した。
耐腐食性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)被めっき物の調製
Feのテストピース(商品名:SPCC,SD、テストピース社製、厚さ0.6mm)を、縦2.0cm×横0.8cmに切断し、金属表面を紙やすり(商品名:Wetordry Tri−M−ite Paper #1000、3M社製)及び平均粒径1μmのアルミナ砥粒(商品名:A−32、日本軽金属社製)で研磨した後、38kHzの超音波洗浄機(イオン交換水、25℃、5分間)および、200kHzの超音波洗浄機(イオン交換水、25℃、5分間)で浸漬洗浄を行った後、窒素気流で乾燥させて、被めっき物を作成した。
(2)金属めっきの作成
硫酸ニッケル六水和物18重量部、塩化ニッケル六水和物3.5重量部、ホウ酸2重量部及びイオン交換水76.5重量部の配合部数で作成した金属めっき液50gを50mlのビーカーに秤量し、被めっき物を浸漬させ、陰極電流密度0.44A/dm×10分間の条件で、電解めっきを行うことにより、金属めっき物を作成した。
(3)めっき後の耐腐食性の評価
金属めっき物を恒温恒湿機を用い、50℃の条件下で各水性切削液50gに48時間浸漬させた試験片の耐腐食性を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察、目視にて評価した。めっき表面の変化が全くないものを○、一部に変化が確認されるものを△、全面が変化したものを×と判定した。
水素発生量の評価は以下に示す方法で行った。
(1)各水性切削液100gにシリコン粉末(高純度化学研究所製、純度99%、平均粒径1μm)を10g加えホモミキサー(特殊機化工業製TK−ROBOMICS)を用いて5000rpmで1時間撹拌してスラリーを得た。
(2)得られたスラリーをサンプル瓶に移し、ガラス管を通したゴム栓をして60度の恒温高温槽に72時間静置し、その間発生する水素を水上置換法にてメスシリンダーに回収して水素発生量を測定した。
水素ガス発生量の評価は以下の基準に従って行った。
○:水素ガス発生量が50ml未満
△:水素ガス発生量が50〜100ml
×:水素ガス発生量が100ml以上
表1から明らかなように、実施例1〜7の本発明の水性切削液はいずれも、耐腐食性に優れ、かつ水素発生量が低く抑えられている。
一方、アミンとしてトリエタノールアミンを用いた比較例1は耐腐食性が劣る。アミンの配合量の多い比較例2、酸として無機酸の塩酸を用いた比較例3は水素発生量が多い。KOHの配合量が多いためpHの高い比較例4、水分量が多い比較例5は水素発生量が多く、耐腐食性が劣る。
本発明の水性切削液は、シリコンとの反応による水素の発生を抑制する能力が優れており、かつ加工装置等に使用されている金属に対する腐食を抑制することができるため、シリコンインゴットを切削するときに使用する水性切削液として有用である。
また、本発明の水性切削液は、pHによって腐食や溶解の可能性がある金属、ガラス等の切削にも有用である。
本発明の水性切削液を用いてシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハを用いて製造される電子材料としては、例えばメモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、CCD 、太陽電池、IC、LSI等が挙げられ、例えば太陽光発電装置、ディスプレイ、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー等に使用する事ができる。
また、本発明の水性切削液は、水晶、炭化ケイ素、サファイヤ、ガーネットなどの硬質な被加工物を切削する際に使用する切削液としても有用である。

Claims (5)

  1. 水混和性溶媒(A)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7又は1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5であるアミン(B)クエン酸(C)、および水(W)を必須成分として含有し、該アミン(B)を0.01〜5重量%と水(W)を10〜50重量%含有し、pHが5.0〜9.0であることを特徴とするシリコンインゴット用水性切削液。
  2. 固定砥粒ワイヤーを用いてシリコンインゴットを切断する請求項1記載の水性切削液。
  3. 該アミン(B)とクエン酸(C)の重量比(B)/(C)が20/80〜80/20である請求項1又は2に記載の水性切削液。
  4. 該水混和性溶媒(A)が、HLBが10〜45のポリオキシアルキレン付加物(A1)である請求項1〜いずれか記載の水性切削液。
  5. 該ポリオキシアルキレン付加物(A1)が下記一般式(3)で表される請求項記載の水性切削液。
    O−(AO)n−R (3)
    [式中、RとRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基;AOは、1種または2種以上の炭素数が2〜4のオキシアルキル基を表す。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。]
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