JP2012116922A - シリコンインゴットスライス用水溶性切削液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水を含んでいるが、加工装置のワイヤーの金属部分に対する耐腐食性が良好かつ、水とシリコンとの反応による水素発生が抑制できる、シリコンインゴットスライス用水溶性切削液を提供する。
【解決手段】 水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が−0.60V〜1.40Vである酸化剤(B)、および水(W)を必須成分とするシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が−0.60V〜1.40Vである酸化剤(B)、および水(W)を必須成分とするシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、シリコンインゴットを切削するときに使用する含水の水溶性切削液に関する。さらに詳しくは、たとえ一定量以上の水を含有していても、水とシリコンとの反応を抑制することができる水溶性切削液に関する。
従来より、シリコンのワイヤーによる切断加工は、鉱物油などを溶媒に用いた非水溶性の切削液を用いて行われてきた(例えば特許文献1)。
しかし、比熱の高い水を混和した水溶性の切削液は切断時に生じる摩擦熱の冷却性に優れ、かつ有機溶剤による引火の危険性も低くなるため、近年は、水溶性の切削液が開発されている(例えば特許文献2や特許文献3)。
しかしその反面、水の含有量が高い場合には、切断加工中や切断加工後に水とシリコン(ウエハ表面や切粉)が反応して水素ガスが発生し、引火爆発の問題があるために、水の含有量が制限されてしまう。
しかし、比熱の高い水を混和した水溶性の切削液は切断時に生じる摩擦熱の冷却性に優れ、かつ有機溶剤による引火の危険性も低くなるため、近年は、水溶性の切削液が開発されている(例えば特許文献2や特許文献3)。
しかしその反面、水の含有量が高い場合には、切断加工中や切断加工後に水とシリコン(ウエハ表面や切粉)が反応して水素ガスが発生し、引火爆発の問題があるために、水の含有量が制限されてしまう。
一方で、水とシリコンの反応により発生する水素ガスを抑制する目的で、切削時に発生するシリコン微粉末を酸化するために、酸化剤として過酸化水素水を配合した水溶性の切削液が開発されている(例えば特許文献4)。
しかし、水とシリコンの反応性は抑えられるものの、過酸化水素が加工装置やワイヤーを腐食するという問題があった。
しかし、水とシリコンの反応性は抑えられるものの、過酸化水素が加工装置やワイヤーを腐食するという問題があった。
本発明は、水を含んでいるが、加工装置のワイヤーの金属部分に対する耐腐食性が良好で、かつ水とシリコンとの反応による水素発生が抑制可能なシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が特定の範囲にある酸化剤(B)、および水(W)を必須成分として含有することを特徴とするシリコンインゴットスライス用水溶性切削液;このシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いて固定砥粒ワイヤーによりシリコンインゴットを切断する工程を含むシリコンインゴットをスライスする製造方法:シリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いてシリコンインゴットを切断して製造されたシリコンウエハ;並びにこのシリコンウエハを用いて製造された電子材料である。
すなわち、本発明は、水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が特定の範囲にある酸化剤(B)、および水(W)を必須成分として含有することを特徴とするシリコンインゴットスライス用水溶性切削液;このシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いて固定砥粒ワイヤーによりシリコンインゴットを切断する工程を含むシリコンインゴットをスライスする製造方法:シリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いてシリコンインゴットを切断して製造されたシリコンウエハ;並びにこのシリコンウエハを用いて製造された電子材料である。
本発明の水を含む水溶性切削液は、シリコンインゴットの切削工程において、加工装置やワイヤーに対する耐腐食性に優れる。さらに、水とシリコンとの反応による水素発生が抑制されるため、火災の心配がないという効果を奏する。
本発明の水溶性切削液は、水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が特定の範囲にある酸化剤(B)、および水(W)を必須成分として含有する。
本発明の水溶性切削液の水溶性とは、水と任意の割合で混和して分離しないことを意味する。
そして、本発明の水溶性切削液は、使用前にさらに、水、あるいは水と任意の割合で混和しえる水混和性有機溶媒で希釈して使用してもよい。
そして、本発明の水溶性切削液は、使用前にさらに、水、あるいは水と任意の割合で混和しえる水混和性有機溶媒で希釈して使用してもよい。
本発明の水溶性切削液の必須成分である水混和性溶媒(A)は、任意の割合で水に溶解する溶媒であれば差しつかえなく、例えばメタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、グリセリン、ポリオキシアルキレン付加物(A1)などが挙げられ、不揮発性の観点からポリオキシアルキレン付加物(A1)が好ましい。
また、水混和性溶媒(A)は1種類でもよく2種類以上の混合物であってもよい。
また、水混和性溶媒(A)は1種類でもよく2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の水混和性溶媒(A)として好ましいポリオキシアルキレン付加物(A1)は、下記化学式(1)で表される。
R1O−(AO)n−R2 (1)
[式(1)中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基;AOは、1種または2種以上の炭素数が2〜4のオキシアルキル基を表す。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。(AO)nは1種または2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜10の数である。]
[式(1)中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基;AOは、1種または2種以上の炭素数が2〜4のオキシアルキル基を表す。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。(AO)nは1種または2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜10の数である。]
式(1)中のR1とR2は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。
アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
R1とR2として好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基である。R1とR2共に水素原子も好ましい。
アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
R1とR2として好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基である。R1とR2共に水素原子も好ましい。
式(1)中のAOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられ、これらの2種以上を併用してもよく、ブロック付加でもランダム付加でもよい。
水溶性の点でオキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましく、オキシエチレン基単独、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の併用がさらに好ましい。
水溶性の点でオキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましく、オキシエチレン基単独、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の併用がさらに好ましい。
nはAOの平均付加モル数を表し、通常1〜10の数である。好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。10を超えると粘度が高くなり過ぎ、使用時に泡立ちが起こる。
(AO)nは1種のアルキレンオキサイドまたは2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種以上の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
(AO)nは1種のアルキレンオキサイドまたは2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種以上の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)の具体例として、アルキレングリコール(A11)、ポリアルキレングリコール(A12)等の水溶性グリコール;これらのアルキルエーテル等の水溶性エーテル等が挙げられる。
アルキレングリコール(A11)としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール(A12)としては、ポリエチレングリコール(ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールなど)、ポリ1,2−プロピレングリコール(ジ1,2−プロピレングリコールなど)、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリ1,3−ブチレングリコール、ポリ1,4−ブチレングリコールなどが挙げられる。
アルキレングリコール(A11)のモノもしくはジアルキルエーテル(A13)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル及び1,2−プロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール(A12)のモノもしくはジアルキルエーテル(A14)としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル[ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノメチルエーテルなど]、ポリエチレングリコールジメチルエーテル[ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテルなど]及びポリ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル[ジ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルなど]などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物(A1)のうち好ましいのは、スラリー粘度の観点から、アルキレングリコール(A11)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(A13)、およびポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(A14)である。
さらに好ましくは、オキシアルキレン基の炭素数が2〜3であるアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテルである。
さらに好ましくは、オキシアルキレン基の炭素数が2〜3であるアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテルである。
本発明における水溶性切削液の第2の必須成分である酸化剤(B)は、標準酸化還元電位が特定の範囲にある酸化剤である。
すなわち、本発明の酸化剤(B)は、標準酸化還元電位が−0.60〜1.40である。
すなわち、本発明の酸化剤(B)は、標準酸化還元電位が−0.60〜1.40である。
酸化剤(B)の標準酸化還元電位は通常−0.60〜1.40、好ましくは−0.30〜1.20である。
下限未満では水とシリコンの反応による水素発生の抑制が不十分であり、上限を超えると金属に対する耐腐食性が低下する。ここで言う酸化剤とは、シリコンの標準酸化還元電位である−0.857Vよりも高い標準酸化還元電位を有する化合物である。
下限未満では水とシリコンの反応による水素発生の抑制が不十分であり、上限を超えると金属に対する耐腐食性が低下する。ここで言う酸化剤とは、シリコンの標準酸化還元電位である−0.857Vよりも高い標準酸化還元電位を有する化合物である。
酸化剤(B)の具体例として、クロム酸カリウム(標準酸化還元電位(以下E゜と示す)=1.33V)、二酸化マンガン(E゜=1.23)、過ヨウ素酸(E゜=1.16V)、過塩素酸(E゜=1.20)臭素酸カリウム(E゜=0.60V)、ヨウ素(E゜=0.54V)、塩化銅(E゜=0.14V)、ヨウ化銅(E゜=−0.19V)、水酸化鉄(E゜=−0.56V)などが上げられる。
これらのうち、過ヨウ素酸、臭素酸カリウム、過塩素酸、クロム酸カリウムが好ましい。
これらのうち、過ヨウ素酸、臭素酸カリウム、過塩素酸、クロム酸カリウムが好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜2および 比較例1〜2
表1記載の配合比(重量部)で各成分を配合し、実施例1〜2および比較例1〜2の水溶性切削液を調製した。
表1記載の配合比(重量部)で各成分を配合し、実施例1〜2および比較例1〜2の水溶性切削液を調製した。
得られた水溶性切削液について、反応抑制性と耐腐食性の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
<反応抑制性>
水とシリコンの反応による水素発生の抑制性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)ガラスサンプル瓶に水溶性切削液18gとシリコン粉末(高純度化学研究所製、純度99%、平均粒径1μm)を2g加え、38kHzの超音波洗浄機を用いて超音波を2分間照射して、シリコン粉末を分散してスラリーを得た。
(2)上記のスラリーが入ったガラスサンプル瓶の口に、ガラス管を通したゴム栓でそのサンプル瓶の封をし、水を満たして逆さに水槽に伏せたメスシリンダーにそのガラス管の他端を導入し、発生した水素ガスをメスシリンダー内部の水と置換させるようにセットした。
(3)これらの水槽、メスシリンダー、ガラス菅およびスラリーの入ったサンプル瓶の一連のセットを、60℃の恒温高温槽に2時間静置し、その間に発生する水素を水上置換法にてメスシリンダーに回収して水素発生量を測定した。
水とシリコンの反応による水素発生の抑制性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)ガラスサンプル瓶に水溶性切削液18gとシリコン粉末(高純度化学研究所製、純度99%、平均粒径1μm)を2g加え、38kHzの超音波洗浄機を用いて超音波を2分間照射して、シリコン粉末を分散してスラリーを得た。
(2)上記のスラリーが入ったガラスサンプル瓶の口に、ガラス管を通したゴム栓でそのサンプル瓶の封をし、水を満たして逆さに水槽に伏せたメスシリンダーにそのガラス管の他端を導入し、発生した水素ガスをメスシリンダー内部の水と置換させるようにセットした。
(3)これらの水槽、メスシリンダー、ガラス菅およびスラリーの入ったサンプル瓶の一連のセットを、60℃の恒温高温槽に2時間静置し、その間に発生する水素を水上置換法にてメスシリンダーに回収して水素発生量を測定した。
反応抑制性の評価は以下の判断基準に従って行った。
○:水素ガス発生量が10ml未満
×:水素ガス発生量が10ml以上
○:水素ガス発生量が10ml未満
×:水素ガス発生量が10ml以上
<耐腐食性>
耐腐食性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)被めっき物の調製
縦2.0cm×横0.8cm×厚さ0.6mmのSUS316板に、平均粒径1μmのアルミナ砥粒(商品名:A−32、日本軽金属社製)をまぶし、それを#1000のサンドペーパーを用いて研磨した後、イオン交換水中で38kHzの超音波洗浄機で5分間、引き続いて200kHzの超音波洗浄機で5分間浸漬洗浄を行った後、窒素気流で乾燥させて、被めっき物を作成した。
耐腐食性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)被めっき物の調製
縦2.0cm×横0.8cm×厚さ0.6mmのSUS316板に、平均粒径1μmのアルミナ砥粒(商品名:A−32、日本軽金属社製)をまぶし、それを#1000のサンドペーパーを用いて研磨した後、イオン交換水中で38kHzの超音波洗浄機で5分間、引き続いて200kHzの超音波洗浄機で5分間浸漬洗浄を行った後、窒素気流で乾燥させて、被めっき物を作成した。
(2)金属めっきの作成
硫酸ニッケル六水和物18部、塩化ニッケル六水和物3.5部、ホウ酸2部およびイオン交換水76.5部の配合部数で作成した金属めっき液50gを50mlのビーカーに秤量し、上記の被めっき物を浸漬させ、陰極電流密度0.44A/dm3×10分間の条件で、電解めっきを行うことにより、テストピース用の金属めっき物を作成した。
硫酸ニッケル六水和物18部、塩化ニッケル六水和物3.5部、ホウ酸2部およびイオン交換水76.5部の配合部数で作成した金属めっき液50gを50mlのビーカーに秤量し、上記の被めっき物を浸漬させ、陰極電流密度0.44A/dm3×10分間の条件で、電解めっきを行うことにより、テストピース用の金属めっき物を作成した。
(3)めっき後の耐腐食性の評価
金属めっき物を恒温恒湿機を用い、50℃の条件下で各水溶性切削液50gに48時間浸漬させた試験片の耐腐食性を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察し、目視で評価し、下記の判断基準で判定した。
金属めっき物を恒温恒湿機を用い、50℃の条件下で各水溶性切削液50gに48時間浸漬させた試験片の耐腐食性を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察し、目視で評価し、下記の判断基準で判定した。
○:めっき表面の変化が全く認められない
△:表面の一部が変化したと認められる
×:全面が変化したと認められる
△:表面の一部が変化したと認められる
×:全面が変化したと認められる
表1の結果から明らかなように、酸化剤として標準酸化還元電位本発明の範囲内である過ヨウ素酸(E゜=1.16V)を使用した実施例1と臭素酸カリウム(0.60V)を使用した実施例2の水溶性切削液はいずれも、反応抑制性、耐腐食性ともに優れている。
一方、酸化剤の標準酸化還元電位が本発明の範囲の上限を超える過酸化水素(1.77V)を配合した比較例1では、ニッケルメッキ部分が完全に溶出し、耐腐食性が極めて低い。
一方、同じく酸化剤の標準酸化還元電位が本発明の範囲の下限を下回る塩化亜鉛(−0.76V)を配合した比較例2では、シリコンと水との反応抑制性が不十分である。
一方、酸化剤の標準酸化還元電位が本発明の範囲の上限を超える過酸化水素(1.77V)を配合した比較例1では、ニッケルメッキ部分が完全に溶出し、耐腐食性が極めて低い。
一方、同じく酸化剤の標準酸化還元電位が本発明の範囲の下限を下回る塩化亜鉛(−0.76V)を配合した比較例2では、シリコンと水との反応抑制性が不十分である。
本発明の本発明の水溶性切削液は、水とシリコンとの反応抑制性および加工装置やワイヤーに対する耐腐食性を兼ね備えているため、シリコンインゴットを切断するときに使用する水溶性切削液して有用である。
本発明の水溶性切削液を用いてシリコンインゴットを切削加工して製造されたシリコンウエハは、例えばメモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、太陽電池、LSIの電子材料として利用でき、これらの電子材料は、パソコン、携帯電話、ディスプレー、オーディオ等に使用することができる。
また、本発明の水溶性切削液は、水晶、炭化ケイ素、サファイヤ等の硬質な材料を切削するときに使用する切削液としても有用である。
本発明の水溶性切削液を用いてシリコンインゴットを切削加工して製造されたシリコンウエハは、例えばメモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、太陽電池、LSIの電子材料として利用でき、これらの電子材料は、パソコン、携帯電話、ディスプレー、オーディオ等に使用することができる。
また、本発明の水溶性切削液は、水晶、炭化ケイ素、サファイヤ等の硬質な材料を切削するときに使用する切削液としても有用である。
Claims (6)
- 水混和性溶媒(A)、標準酸化還元電位が−0.60V〜1.40Vの酸化剤(B)、および水(W)を必須成分とすることを特徴とするシリコンインゴットスライス用水溶性切削液。
- 該酸化剤(B)が、過ヨウ素酸、臭素酸カリウム、過塩素酸、およびクロム酸カリウムから選ばれる1種以上である請求項1記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
- 該酸化剤(B)の使用時の含有量が、水混和性溶媒(A)と水(W)の合計量に対して0.01〜10重量%である請求項1または2記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
- 請求項1〜3いずれか記載のシリコンインゴットスライス用水溶性切削液を用いて固定砥粒によりシリコンインゴットを切断する工程を含むシリコンインゴットスライスの製造方法。
- 請求項1〜3いずれか記載の水溶性切削液を用いてシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハ。
- 請求項5に記載のシリコンウエハを用いて製造された電子材料。
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