<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠153からなる扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。
扉部材156の下方には、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154(後述の払出制御部550に対応)に導くためのタンクレールとを配設している。
払出装置154は、筒状の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させると共に、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。なお、この払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置154の図中左側には、後述する主制御部300を構成する主基板161、後述する第1副制御部400を構成するサブ基板164、および第2副制御部500を構成するサブ基板164aとを配設している。
2つのサブ基板164、164aは、前方(図2の奥側)に配設した後述する表示ユニットカバー801の背面に塔載している。また、この表示ユニットカバー801内部に装飾図柄表示装置110を含む表示ユニット(901)が配置される。サブ基板164と、表示ユニット(901)はフレキシブルケーブル802によって接続される。フレキシブルケーブル802の実装構造については後でより詳しく説明する。
また、これら主基板161やサブ基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインターフェース部163とを配設している。
図3は、図1のパチンコ機100の遊技盤102の構成例を示している。図3は遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
図3に示すように、遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、本実施例では装飾図柄表示装置110として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置550(154)を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置550を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置550を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置550を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、図3のパチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、装飾図柄表示装置110および前面ステージ234の間に配設する。左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置110の表示の全てを視認可能である。また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図4および図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、図4は主制御部、払出制御部、発射制御部、および電源管理部の回路ブロック図を示したものであり、図5は主に演出制御を行う副制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単にコマンドと呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源をパチンコ機100に搭載した電気部品に送電するための所定の電力を生成する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、CPUの遊技制御内容を記述した制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ312と、CPU304の動作を監視して、基本回路302が出力する制御信号を所定時間(本実施例では32.8ms)受信しなかった場合に制御回路302に初期化信号を送信するためのウォッチドッグタイマ(WDT)313と、を搭載している。
主制御部300のCPU304の各部、特に基本回路302と周辺デバイス、あるいは後述の払出制御部550、副制御部400などとの間の接続には、システムバス(アドレスバス/データバス)と接続した出力ドライバIC・コネクタなどが用いられる。
なお、上記のROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400や払出制御部550についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、主制御部300には、水晶発信器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用するカウンタ回路316(この回路には、第1、第2の特図始動口への入賞をそれぞれ後述のように処理するための2つのカウンタ回路を内蔵しているものとする)と、ガラス枠151の開放/閉鎖を検出するガラス枠開放センサ、前枠の開放/閉鎖を検出する前枠開放センサ、下皿150が球で一杯になったことを検出する下皿満タンセンサ、各種入賞口の入賞球の通過を検知する球検知手段などを含む各種センサ318が出力する所定信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118など)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特別始動口128や可変入賞口130などを開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を設けている。
なお、上記各種センサ318の各種入賞口の入賞球の通過を検知する球検知手段には、普図始動口124の入賞球の通過を検知する入賞球検知センサ、第1特図始動口126の入賞球の通過を検知する第1特図始動口入賞球検知センサ、第2特図始動口128の入賞球の通過を検知する第2特図始動口入賞球検知センサ、可変入賞口130への入賞球の通過を検知する可変入賞口入賞球検知センサ、および一般入賞口122への入賞球の通過を検知する一般入賞口入賞球検知センサ、などが含まれる。主制御部300は、入賞球センサの検知情報を含む所定信号を受信したこと基づいて、所定の入賞口を遊技者に有利な状態にするか否かを決定する。
さらに、主制御部300には、情報出力回路334を設けており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)などが備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部リセット割り込み処理を開始する)。ここでは起動信号送信回路338に供給される電力の電圧値が所定の値を超えた場合に、基本回路302に起動信号を出力するようにしている。基本回路302など電気部品・電気回路が充分に動作できるだけの電力が該基本回路302に供給されている場合に、起動信号送信回路338に供給される電力の電圧値が所定の値を超えるように主制御部300の回路を構成している。
また、主制御部300には、後述の副制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェイスと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インターフェイスをそれぞれ設けており、副制御部400には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェイスを設け、払出制御部550には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェイスを設けている。この構成により、主制御部300と、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンドなどの信号を送信できるが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンドなどの信号を送信できないように構成している。
主制御部300と副制御部400の間の一方向の通信はI/O310から副制御部400のI/O410(後述)に信号を送信することにより行うことができる。主制御部300と払出制御部550の間の一方向の通信はI/O310から払出制御部550のI/O710に信号を送信することにより行うことができる。
<払出制御部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550について説明する。
払出制御部550は、払出制御部550の全体を制御する基本回路702を備えており、この基本回路702には、CPU704と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM706と、一時的にデータを記憶するためのRAM708と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O710と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ712を搭載している。この基本回路702のCPU704は、水晶発信器714が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路702には、払出装置154に設けた払出センサ158などを含む各種センサ728が出力する信号を受信するためのセンサ回路720と、各種ランプ730の表示制御を行うための表示回路722と、払出装置154に設けたスプロケットを回転駆動するためのモータ制御回路724と、を接続している。
さらに、払出制御部550には、CRインターフェース部556を接続しており、払出制御部550は、このCRインターフェイス部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行うと共に、球貸し操作部407から入力する操作信号を検出する。
また、払出制御部550には、電源管理部650から払出制御部550に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路726を設けており、この電圧監視回路726は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路702に出力する。
また、払出制御部550には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する、図示しない起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けており、CPU704は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、払出制御を開始する。
<発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の発射制御部600、電源管理部650について説明する。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、払出制御部550などの各制御部や払出装置154などの各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308など)に所定の期間(例えば10日間)電力を供給するための蓄電装置(例えばコンデンサ)と、この蓄電装置よりも静電容量が小さく、所定の部品(例えば主制御部300の基本回路302全体)に供給している電力が、静電気ノイズ、人的なミス、遊技台に供給される電力の低下などが原因で変動し、低下している場合に、ある程度の電力を補うための蓄電装置(例えばコンデンサ)をさらに備えている。この蓄電装置により、所定の部品(例えば主制御部300)に供給される電力が電断時、復電時などに不安定になっても、ある程度安定してその所定の部品は動作できるように構成している。
<副制御部>
次に、図5を用いて、図2のサブ基板164、164aにそれぞれ実装されるパチンコ機100の第1副制御部400および第2副制御部500について説明する。第1副制御部400は、主に装飾図柄表示装置110の表示制御を介して遊技台の演出制御を行うもの、第2副制御部500は、主に演出用駆動装置やランプ類の制御を行うものである。第1副制御部400と第2副制御部500は、第1副制御部400の行う演出制御に応じてI/O410およびI/O510を介して相互に通信を行う。
第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンドなどに応じて、P−ROM406に格納された制御プログラムや各種データに基づき第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部400から送信された各種制御データを入力I/O410を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて各種演算処理を行い装飾図柄表示装置110の表示を制御する。CPU404には、さらに、不図示のバスを介して、P−ROM406、RAM408、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)431、VRAM433が接続されている。P−ROM406は、第1副制御部400全体を制御するためのプログラムや演出用のデータ等を記憶する記憶手段の1つである。RAM408は、CPU404で処理されるプログラムのワークエリアを有し、演出用のデータ等を一時的に記憶する記憶手段の1つである。VDP431は、装飾図柄表示装置110に表示する画像を生成するプロセッサ(GPU、ビデオチップ等とも言う)である。VRAM433は、装飾図柄表示装置110に出力する画像を生成するためのワークエリアが設定された記憶手段の1つである。
VDP431には、VRAM433が接続されると共に、不図示のスケーラおよびトランスミッタを介して、装飾図柄表示装置110が接続される。スケーラは、VDP431が生成した画像を装飾図柄表示装置110の画素数に合わせて拡大するものであり、トランスミッタは、デジタル画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して装飾図柄表示装置110に出力するものである。なお、装飾図柄表示装置110には、CPU404によって装飾図柄表示装置110の表示画面の輝度調整を可能とするための輝度調整信号が入力されている。
VRAM433は2つのフレームバッファを含む複数の記憶領域から構成され、このうち一方のフレームバッファの内容を装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110で表示させている間に他方のフレームバッファに対してVDP431が描画を行う。
1フレームの表示期間はT1=1/30秒(約33.3ms)であるものとし、VDP431はその半分の1/60秒ごとに第1副制御部400のCPU404に対してVsync割り込み信号を送信する。この表示同期制御はVDP431の内蔵タイマーによって制御される。
また、第1副制御部400は、装飾図柄表示装置110の表示領域の一部、ないし全部を遮蔽したり、露出させたりする演出用の各種役物を駆動するステッピングモータやソレノイドなどのシャッタデバイス424を駆動するモータ制御回路426を有する。シャッタデバイス424のシャッタの現在位置などの情報はセンサ出力検出回路430を介して検出する。
また、基本回路402は、スピーカ416(および不図示のアンプ)の制御を行うための音源IC418と接続されるとともに、チャンスボタン146の操作を検出し、演出制御中、チャンスボタン146の操作に応じてチャンスボタン用ランプ146aの点灯/消灯(あるいは点滅など)を制御するとともに、必要であれば装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示を変更する制御も行う。
また、第1副制御部400には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する、図示しない起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けており、CPU404は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、演出制御を開始する。
第2副制御部500は、P−ROM506に格納された制御プログラムや各種データに基づき第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502には、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。この基本回路502のCPU504は、水晶発信器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、第2副制御部500は、演出用の各種役物を駆動するステッピングモータやソレノイドなどの各種演出用駆動装置524を駆動する演出用駆動装置制御回路526を有する。
さらに、第2副制御部500には、シリアル通信制御回路530を設けており、このシリアル通信制御回路530は、それぞれシリアル通信駆動回路541、571を内蔵する遊技盤用ランプ基板540、および遊技台枠用ランプ基板570と通信し、これにより、主に遊技台枠側に設けられる各種ランプ561、主に遊技盤側に設けられる各種ランプ562の点灯/消灯(点滅)を制御することができる。
第1副制御部400および第2副制御部500の動作に必要な電源電圧は電源管理部650を介して供給される。
<装飾図柄表示装置廻りの回路実装>
次に、図6〜図13を参照して上記のパチンコ機100の装飾図柄表示装置110周辺の回路実装構造、特に、装飾図柄表示装置110の表示制御を行う副制御部(第1副制御部400)と装飾図柄表示装置110を含む表示ユニットを接続するフレキシブルケーブル802の実装構造について詳細に説明する。
図6(a)は主基板を塔載した表示ユニットカバー801の背面図、図6(b)は図6(a)のB−B線に沿った断面矢視図、図6(c)は主基板164(400)を取り外した状態における表示ユニットカバー801の斜視図である。
表示ユニットカバー801は、樹脂などの例えば一体成型により図6(a)、(b)、(c)に示すような箱型に構成され、背面に第1副制御部400を実装した主基板164と、第2副制御部500を実装したサブ基板164aを塔載する。
図6(a)〜(c)では、サブ基板164aは取り外されており、また、図6(c)では主基板164も取り外されている。主基板164、およびサブ基板164aは、例えば表示ユニットカバー801に設けた爪などで係止され、表示ユニットカバー801に固定される(もちろんネジ止めなどの手法で固定されていてもよい)。なお、本実施例では、主基板164は樹脂などから成るケース803に収容された上、ケース803を介して表示ユニットカバー801に固定される(サブ基板164aも同様)。
表示ユニットカバー801内部には、図6(b)に示すように表示ユニット901(図7および図8)を収容する。表示ユニット901は装飾図柄表示装置110と、その駆動に必要な駆動回路(例えば上記のスケーラおよびトランスミッタなど)を含む。
サブ基板164(400)と、表示ユニット901の基板(902:後述)のコネクタ(904:後述)はフレキシブルケーブル802によって接続する。
フレキシブルケーブル802は、図6(b)に示すように主基板164(400)のケース803から露出したコネクタ804と接続され、そこから図中左方(図6(a)や図2の下方)に向かい、表示ユニット901のカバー部材806に一体形成されたフレキシブルケーブル方向設定部807の間を抜け、さらにほぼ90度折り疊まれて方向を変えられ、さらにカバー部材806に一体形成された後述の挿抜補助部(8060)の開口部(8062)を介して表示ユニット901のカバー部材806内部に入り、表示ユニット901の基板(902)のコネクタ(904)と接続される。
フレキシブルケーブル方向設定部807は、図6(b)、(c)に示すように逆V字型のクリップ状で上部および下部に開口部807a(図6(b))を有し、図6(b)に示すように図中下方へのフレキシブルケーブル802の敷設方向を決定するものである。
図7および図8は、表示ユニットカバー801の内部に収容された表示ユニット901の構成を示している。図7(a)および図8(a)は表示ユニット901の背面図、図7(b)および図8(b)は表示ユニット901背面の斜視図で、これらのうち図7(a)、(b)は表示ユニット901のカバー部材806を装着した状態を、図8(a)、(b)は表示ユニット901のカバー部材806を取り外した状態をそれぞれ示している。
図8に示すように、表示ユニット901は、遊技の進行に応じて動作する遊技装置として装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110、その周囲に組み付けたシャッタデバイス905(図5のシャッタデバイス424に相当)、さらに装飾図柄表示装置110の駆動に必要な駆動回路(例えば上記のスケーラおよびトランスミッタなど)を実装した基板902などを含み、本実施例の表示ユニット901では、これら前記遊技装置としての装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110、シャッタデバイス905、基板902などの少なくとも一部が図7に示すようにカバー部材806で覆われる。このカバー部材806にはフレキシブルケーブル802の挿抜を補助する後述の挿抜補助部8060が一体形成(あるいは別部材を接着する構成としても可)される。
後述の挿抜補助部8060をカバー部材806一部として構成することにより、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110やシャッタデバイス905などの遊技装置を保護したままフレキシブルケーブル802を挿抜することができる。
シャッタデバイス905の左右上部には扉(図3の左右扉250a、250bに相当)を開閉駆動するための駆動用モータ906、907が配設されている。
装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の背面には装飾図柄表示装置110の駆動に必要な駆動回路(例えば上記のスケーラおよびトランスミッタなど)を実装した基板902を配設し、この基板902のコネクタ904に上述のフレキシブルケーブル802が接続される。コネクタ904は、フレキシブルケーブル802の電極部分を挿抜可能なケーブル挿入部を有し、この挿入部を介してフレキシブルケーブル802の電極部分と基板902の回路が電気的に接続される。
フレキシブルケーブル802の敷設経路は、図7に示すように表示ユニット901の背面側を覆うよう装着されたカバー部材806によってガイドされ、また、パチンコ機100の組み立て時やメンテナンス時にはカバー部材806に設けた挿抜補助部8060によって、作業者のフレキシブルケーブル802の挿抜操作が補助される。
図8は、表示ユニット901からカバー部材806を取り外した状態を示しているが、この図ではフレキシブルケーブル802の姿勢は、カバー部材806によってガイドされた姿勢をそのまま示している。
本実施例では、実際には、図8のようにカバー部材806を装着する前に表示ユニット901の基板902にフレキシブルケーブル802を接続する必要はなく、図7のようにカバー部材806を装着してから表示ユニット901の基板902への接続を行えるようカバー部材806を構成してある。
ここで、図9、および図10を参照してカバー部材806の構造をより詳細に説明する。
図9(a)、(b)はカバー部材806の外側(図7(a)、(b)で見えている側)の正面図、および斜視図である。図10(a)、(b)はカバー部材806の内側の正面図、および斜視図である。カバー部材806は樹脂などの一体形成により構成され、たとえば爪などの嵌合構造を介して表示ユニット901(あるいはシャッタデバイス905)のフレーム部分と結合される。
図示の例では、カバー部材806には図9左方(図10右方)に装飾図柄表示装置110背面の突起部を収容するための他の背面部分より突出した収容部806aが設けられるとともに、上部にはシャッタデバイス905のプーリやベルトを収容する収容部806bが設けられる他、内側に適宜、補強用のリブなどを一体形成した箱型の外形である。
カバー部材806の背面側から見て、図9左側(図10右側)の収容部806aの近傍には上述のフレキシブルケーブル方向設定部807が立設されている。フレキシブルケーブル方向設定部807が上記のように逆V字型で裾広がりの形状で、さらに、上方から見た場合には図9(a)に示すように右方(配置によっては左方も可)が開いたU字型断面を有するようカバー部材806に一体形成されており、これにより、たとえば主基板に接続するために必要な長さをフレキシブルケーブル方向設定部807の外側に残し、フレキシブルケーブル802を右側から差し込み、フレキシブルケーブル方向設定部807に挟持させることができる。
なお、フレキシブルケーブル方向設定部807は、後述の図12、図13でより詳細に説明する挿抜補助部8060の他端部80602の近傍に設けられ、フレキシブルケーブル802の延設(敷設)方向を表示ユニット901の基板902と垂直な方向に設定するものであって、このようなフレキシブルケーブル方向設定部807を設けることによりフレキシブルケーブル902を基板902のコネクタ904に挿抜する操作が容易となる。すなわち、フレキシブルケーブル方向設定部807により、フレキシブルケーブル802の延設方向を、挿抜補助部8060の他端部80602へと向かうよう、表示ユニット901の基板902と垂直な方向に設定することにより、挿抜補助部8060を用いたフレキシブルケーブル802の作業者の挿抜操作がより容易になる。
図7、図8に示すように、フレキシブルケーブル方向設定部807下部の開口部分から出ているフレキシブルケーブル802は、まず下方に90度折り曲げられ、続いて90度および45度の組合せで折り疊むことにより右方へと方向が変えられる。この作業は、フレキシブルケーブル方向設定部807にフレキシブルケーブル802を装着する前に行っておいてもよいが、下記の挿抜補助部8060を経由して表示ユニット901の基板902のコネクタ904への装着を行うから、フレキシブルケーブル方向設定部807にフレキシブルケーブル802を装着してから、実際の挿抜補助部8060の位置に合せて折り疊みなどの作業を行うこともできる。
その挿抜補助部8060は、カバー部材806のフレキシブルケーブル方向設定部807に一体形成する。挿抜補助部8060は、図9(b)、図10(b)、あるいは図7(b)に示されるように、カバー部材806の外側から内側に向かって傾斜して降りていく斜面8061と、その側方の側壁部8063、および斜面8061の底部に設けられた開口部8062(カバー部材806の開口部として形成される)から成る。
挿抜補助部8060の形成位置は、後述するように基板902のコネクタ904が挿抜補助部8060の開口部8062から露出し、かつ、斜面8061に沿ってフレキシブルケーブル802の先端部を送り込むと、該先端部が斜面8061両側の側壁部8063にガイドされてコネクタ904の位置に到達できるような位置としてある。
特に、図11(a)は図7(a)のA−A線に沿った断面矢視図、図11(b)は図11(a)の要部を拡大した断面図であるが、図11に示すように挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までが上記の斜面8061となっており、他端部80602はカバー部材806と連続的、一体的に形成され、フレキシブルケーブル802を延設(敷設)するカバー部材806の延設部80601と連続している。そして、挿抜補助部8060の一端部80603は、コネクタ902のケーブル挿入部がほぼ等しい面上に位置するよう一端部80603から他端部80602までの間の斜面8061の形状を決定してある。
また、図11に示すように、カバー部材806にはフレキシブルケーブル802を通すための挿抜補助部8060の開口部8062が穿孔されており、挿抜補助部8060の一端部80603はこの開口部8062に面して設けられることになる。つまり、挿抜補助部8060の挿抜補助機能を果す一端部80603が遊技装置、特に基板902を覆うカバー部材806の透孔として設けられる開口部8062に面しているので、フレキシブルケーブル802と接続するコネクタ904が遊技装置の内側にあってもフレキシブルケーブル802を案内することができる。
さらに、基板902のコネクタ904はフレキシブルケーブル802を挿入するためのケーブル挿入部を有し、コネクタ904(ないし少なくともこのケーブル挿入部)を前記開口部8062からカバー部材806の外部に露出させるようにする。これにより、フレキシブルケーブル802の挿抜がし易くなり、メンテナンス性が向上する。
特に、後述の図12〜図14で説明するようなケーブル挟持部904aをコネクタ904に設ける場合は、少なくともこのコネクタ904のケーブル挟持部904aカバー部材806の外部に露出させることにより、フレキシブルケーブル802の挿抜がし易くなり、メンテナンス性が向上する。ケーブル挟持部904aは、ケーブルの装着、開放のために例えばコネクタ904本体に対して開閉したり着脱したりすることにより、フレキシブルケーブル802を挟む位置と挟まない位置とに変化可能な公知の部材である。
また、挿抜補助部8060とコネクタ904とは僅かに離間するように挿抜補助部8060を構成しておく。特に、挿抜補助部8060の開口部8062に面した一端部80603と、コネクタ904とがわずかに離間するよう構成しておくことにより、例えば挿抜補助部8060が成型上の誤差で変形しているような場合でも、カバー部材806を組み付ける際などにコネクタ904を挿抜補助部によって破損することがない。
また、挿抜補助部8060は、図7、図9、および図10に示したように、左右方向(側方)にフレキシブルケーブル802の配設方向を規制する側壁部8063を有する。この側壁部8063は、挿抜補助部8060は、その一端部80603とと他端部80602までのを結ぶ線(図11における斜面8061にほぼ一致)と、ほぼ直交する側方へのフレキシブルケーブル802の動きを規制するものである。
このような側壁部8063を設けておくことにより、フレキシブルケーブル802の挿抜操作時にフレキシブルケーブル802の横ずれを防止することができ、フレキシブルケーブル802の組み付け性やメンテナンス性がさらに向上する。さらに2つの側壁部8063の間の幅をフレキシブルケーブル802の幅よりわずかに広い程度の大きさとしておけば、2つの側壁部8063に沿ってフレキシブルケーブル802を押し込んだ時に、より正確にフレキシブルケーブル802端部の電極がコネクタ904の挿入部に到達できるよう案内することができる。
また、本実施例においては、コネクタ904は、そのケーブル挿入部に対するフレキシブルケーブル802の挿入方向(上記挿抜補助部8060によって案内される挿入方向)が基板902とほぼ平行となるよう基板902に設けられている。このため、フレキシブルケーブル802をコネクタ904に挿入する様子を視認し易く、組み付け性が向上する利点がある。
以上のように構成されたカバー部材806は、表示ユニット901の基板902、装飾図柄表示装置110、およびシャッタデバイス905廻りの配線や実装などが終了した後、表示ユニット901に対して図7のように装着する。
この後、図2に示したようにさらに外側に表示ユニット801が被せられ、表示ユニット801の外側に塔載したサブ基板164と接続するためにフレキシブルケーブル802と、フレキシブルケーブル802を図7および図8に示すような姿勢で敷設し、表示ユニット901の基板902のコネクタ904を接続しておかなければならない。
このためには、まず、カバー部材806を表示ユニット901に対して図7のように装着する前にフレキシブルケーブル方向設定部807にフレキシブルケーブル802を装着するか、あるいは表示ユニット901に対して図7のように装着する後、フレキシブルケーブル方向設定部807にフレキシブルケーブル802を装着する。このとき、図8に示すような姿勢でフレキシブルケーブル802を折り曲げてあってもよいし、また、フレキシブルケーブル方向設定部807にフレキシブルケーブル802を装着した後、各部の形状をガイドとして現物合せによってフレキシブルケーブル802の折り曲げを行ってもよい。
この後、フレキシブルケーブル方向設定部807の下部から露出したフレキシブルケーブル802の先端を表示ユニット901の基板902のコネクタ904と接続するが、本実施例では挿抜補助部8060を設けてあるために、極めて容易かつ確実にフレキシブルケーブル802を基板902のコネクタ904と接続することができる。
図11(a)は図7(a)のA−A線に沿った断面矢視図、図11(b)は図11(a)の要部を拡大した断面図であるが、図示のようにフレキシブルケーブル方向設定部807の下部から露出したフレキシブルケーブル802の先端を斜面8061に沿って送り込むと、該先端部は斜面8061両側の側壁部8063にガイドされてコネクタ904の位置に到達し、容易にフレキシブルケーブル802の先端の電極と基板902のコネクタ904を接続することができる。
また、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿って移動できるため案内し易く、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。フレキシブルケーブル802を挿抜する際には、フレキシブルケーブル802を上方から指で抑えて、挿抜補助部8060に沿ってコネクタ904の方向に近づくように、あるいは離れる方向に押したり引いたりすることで、フレキシブルケーブル802を破損させたりすることなく安全かつ確実にフレキシブルケーブル802を挿抜することができる。
以上で説明した挿抜補助部8060の特徴は、上下方向および左右方向(側方)にフレキシブルケーブル802の配設方向を規制する斜面8061、側壁部8063および表示ユニット901の基板902のコネクタ904と接続するための開口部であるが、特に、挿抜補助部8060の、以上に斜面8061として形成した部位の形状は図12、および図13に示すように種々の任意の形状とすることができる。
図12(a)〜(d)に模式断面図と示した構成例は、いずれも表示ユニット901の基板902のコネクタ904のケーブル挿抜方向が基板902とほぼ平行になるようにコネクタ904が基板902に装着されている場合の構成例を示している。
なお、図12、図13あるいはさらに後述の実施例2の図14に示したコネクタ904はコネクタ挟持部904aを有している。コネクタ挟持部904aは、たとえば爪による嵌合構造を介してコネクタ904の本体部分と結合し、これによってフレキシブルケーブル802の電極部を挟持してコネクタ904およびフレキシブルケーブル802の電極同士の導通を図るものである。
図12(a)はカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までが略直線な例を示している。挿抜補助部8060の他端部80602は、カバー部材806の実質部分である延設部80601と連続的に一体形成されている。
図12(a)の構成は、挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までの斜面が直線状であるという点で図6〜図11に示した構成とほぼ同様であるが、図12(a)では挿抜補助部8060の一端部80603の部分をコネクタ904の方向に向かって滑らかに円弧状に屈曲した形状に形成し、また、挿抜補助部8060の他端部80602の部分を延設部80601と滑らかに連続するよう円弧状に屈曲した形状に形成してある点に特徴がある。
このように、カバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603および他端部80602の部分を円弧状に滑らかに屈曲した形状に形成することにより、すなわち、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ線の一部が円弧状となるような形状とすることによって、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿って移動でき、挿抜補助部8060の変曲点である一端部80603と他端部80602における抵抗が小さく、フレキシブルケーブル802の移動がスムーズになり、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
図12(b)はカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までが基板側に略円弧状な構成、特に、挿抜補助部8060の他端部80602は、基板902のコネクタ904が設けられた面よりも上方に位置し、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線(図中の破線)よりも下側である構成例を示している。
すなわち、図12(b)では挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線よりも下側を通るように、大きく円弧状に屈曲させてある。
このようにカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を大きく円弧状に屈曲させる構造によれば、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、フレキシブルケーブル802を正確かつ確実に案内でき、挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
また、挿抜補助部8060を円弧状とする構成としては図12(c)のような構成も考えられる。図12(c)はカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までが基板と反対側に略円弧状である構成、特に、挿抜補助部8060の他端部80602は、基板902のコネクタ904が設けられた面よりも上方に位置し、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線よりも上側である構成例を示している。
すなわち、図12(c)では挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線(図中の破線)よりも上側を通るように、大きく円弧状に屈曲させてある。
このようにカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を大きく円弧状に屈曲させる構造によれば、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
図12(d)は、カバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603の延長方向にコネクタ904を配した構成例を示している。すなわち、図12(d)では、挿抜補助部8060の他端部80602の構成は図12(a)とほぼ同等であるが、挿抜補助部8060の他端部80602から一端部80603にかけての案内面が直線状で、一端部80603の延長方向がコネクタ904の方向を向いている構成となっている。
このようにカバー部材806の挿抜補助部8060の他端部80602から一端部80603にかけての案内面が直線状で、一端部80603の延長方向がコネクタ904の方向を向いている構成においても、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、挿抜補助部8060の一端部80603の延長方向がコネクタ904の方向を向いているため、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
図13(a)および(b)に模式断面図として示した構成例は、表示ユニット901の基板902のコネクタ904のケーブル挿抜方向が基板902とほぼ直交するようにコネクタ904が基板902に装着されている場合の構成例である。
図13(a)は、カバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603の延長方向にコネクタを配し、フレキシブルケーブル802の挿抜方向が基板と直交する例を示している。図13(a)の構成は図12(d)と同様に、挿抜補助部8060の他端部80602から一端部80603にかけての案内面が直線状で、一端部80603の延長方向がコネクタ904の方向を向いている構成である。
図13(a)は、図12(d)とコネクタ904の挿抜方向が異なるだけで、このような構成においてもフレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、挿抜補助部8060の一端部80603の延長方向がコネクタ904の方向を向いているため、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
図13(b)は表示ユニットの挿抜補助部の一端から他端までが基板と反対側に略円弧状でありそのコネクタの挿抜方向が基板と直交する例を示している。図13(b)の構成は図12(c)と同様に、挿抜補助部8060の他端部80602は、基板902のコネクタ904が設けられた面よりも上方に位置し、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線よりも上側となるよう構成してある。
図13(b)の構成は、図12(c)とコネクタ904の挿抜方向が異なるだけで、このようにカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を大きく円弧状に屈曲させる構造によれば、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。
図13(c)に模式断面図として示した構成例は、カバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603から他端部80602までが基板902と反対側に略円弧状である異なる例を示している。図13(b)と図13(c)の違いは、表示ユニット901の基板902のコネクタ904のケーブル挿抜方向が基板902とほぼ平行になるようにコネクタ904が基板902に装着されており、したがって、挿抜補助部8060の一端部80603は基板902のコネクタ904とほぼ同等の高さにあり、他端部80602は基板902(コネクタ904)よりも低い位置にある。すなわち、図13(c)では、挿抜補助部8060の他端部80602は、基板902のコネクタ904が設けられた面とほぼ同じ高さ位置し、挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の面が挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602を結ぶ直線よりも上側となるよう構成してある。
図13(c)の構成は、図13(b)とコネクタ904の挿抜方向が異なるだけで、このようにカバー部材806の挿抜補助部8060の一端部80603と他端部80602の間の部分を大きく円弧状に屈曲させる構造によれば、フレキシブルケーブル802を挿抜する際、フレキシブルケーブル802を挿抜補助部8060に沿ってスムーズに移動でき、フレキシブルケーブル802の挿抜操作を極めて容易に行うことができる。