以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。
なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域23a内の構成を省略している。また、図1〜図3を含めて各図面においては、基本的に電気機器間を接続する電気配線を省略する。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、中間ユニット13と、その中間ユニット13の前方に配置される前扉枠14と、中間ユニット13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち中間ユニット13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として中間ユニット13が前方へ回動可能とされている。
外枠11において遊技機本体12を軸支するための下側軸金具11aには、当該下側軸金具11aの外枠11への固定を良好に行わせる形状としながら、遊技機本体12を下方から良好に受ける形状とするために、図示しない切り込みが形成されている。この切り込みは、下側軸金具11aを縦方向に貫通しているが、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした際に遊技機本体12の底面と重なる。これにより、パチンコ機10の下方から見た場合に上記切り込みは遊技機本体12の底面により閉塞された状態となり、切り込みを介してパチンコ機10外部から不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなる。
中間ユニット13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、中間ユニット13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を中間ユニット13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すようにパチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して、解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
中間ユニット13の背面側には、シリンダ錠17と係合するとともに、シリンダ錠17への解錠操作に応じて遊技機本体12と外枠11との施錠状態を解除するための連動部材が設けられているが、図3に示すように、シリンダ錠17の背面側及び上記連動部材は、透明カバー18により中間ユニット13の後方から覆われている。また、当該透明カバー18は、シリンダ錠17の背面側の位置から中間ユニット13の下縁寄りの位置に亘って設けられている。このように透明カバー18が設けられていることにより、シリンダ錠17や上記連動部材に対する中間ユニット13の背面側からの不正アクセスを行いづらくすることが可能となる。また、このように不正アクセスを抑制しながらも、透明カバー18はその外部からシリンダ錠17の背面側や上記連動部材を目視確認可能な程度の透明性を有するようなカバー体として設けられているため、メンテナンスなどに際しての目視確認は容易に行うことが可能である。
次に、遊技機本体12の前面側及び背面側の構成についてそれぞれ詳細に説明する。先ず、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。以下の前面側の構成については、図1及び図2に加え、図4を参照しながら説明する。図4は、中間ユニット13の正面図である。なお、図4では便宜上、遊技領域23a内の構成を省略している。
中間ユニット13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には、図4に示すように、略楕円形状の窓孔22が形成されている。この窓孔22は、樹脂ベース21に対して着脱可能に取り付けられている遊技盤23に形成された遊技領域23aを中間ユニット13の前面側に露出させている。
遊技領域23aは、遊技盤23の前面において誘導レールにより区画されるようにして形成されている。誘導レールは、内レール部24と外レール部25とからなり、前扉枠14において回動先端側であって下縁寄りの位置に設けられた発射操作装置31(図1参照)が遊技者により手動操作された場合に、中間ユニット13において窓孔22の下方に設けられた遊技球発射機構41(図4参照)から発射された遊技球を遊技領域23aの上部に導くためのものである。
ちなみに、遊技盤23の前面において遊技領域23aの外側となる右上部分及び右下部分には、それぞれ機種名やメーカー名などの各種情報が印字された証紙26a,26bが貼り付けられており、これら証紙26a,26bは中間ユニット13において窓孔22に隣接させて形成された各開口部27a,27bを介して、中間ユニット13の前面側にて露出している。但し、これら証紙26a,26bのうち一方である右上側の証紙26aは前扉枠14を介してパチンコ機10前方から視認しようとしても視認できない位置に配置されており、他方である右下側の証紙26bは前扉枠14を介してパチンコ機10前方から視認可能な位置に配置されている。なお、両方の証紙26a,26bが遊技盤23に貼り付けられる使用方法に限定されることはなく、所定の証紙をパチンコ機10前方から視認可能としたい遊技ホールではその証紙を右下に貼り付け、パチンコ機10前方からは視認不可としたい遊技ホールではその証紙を右上に貼り付けるようしてもよい。
遊技領域23aに遊技球を発射すべく操作される上記発射操作装置31は、図1に示すように、操作ベース32に対して、環状の操作ハンドル33が回転可能に軸支されてなり、遊技球の発射操作に際して操作ハンドル33が遊技者により回転操作されるものである。この場合、操作ハンドル33の回転操作量は、操作ベース32に内蔵された操作量検出手段としての可変抵抗器34により検出される。また、操作ベース32には、操作ハンドル33を遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサ35が設けられているとともに、操作ハンドル33を回転操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される発射止めスイッチ36が設けられている。
遊技球発射機構41は、図4に示すように、発射駆動部として設けられた電磁式のソレノイド42と、発射レール43と、球送り装置44とを備えている。球送り装置44は、後述する上皿83aに貯留された遊技球を発射レール43上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球はソレノイド42において打出し部として設けられたプランジャ45の突出経路上に配置される。そして、ソレノイド42への電気的な信号の入力により、プランジャ45が発射レール43上の遊技球に向けて移動し、当該遊技球は遊技領域23aに向けて打出される。なお、遊技球発射機構41の電動アクチュエータは、ソレノイド42に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
遊技球発射機構41の動作に基づき遊技球が発射されることとなる遊技領域23aの構成を、図5に基づいて説明する。図5は遊技盤23の正面図である。
遊技盤23には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口51,可変入賞装置52,上作動口53,下作動口54,スルーゲート55、可変表示ユニット56、メイン表示部57及び役物用表示部58等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口51、可変入賞装置52、上作動口53及び下作動口54への入球が発生すると、それが遊技盤23の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口53への入球が発生した場合及び下作動口54への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口51への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置52への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口53に係る賞球個数よりも下作動口54に係る賞球個数が多いといったように、両作動口53,54の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置52に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口51に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤23の最下部にはアウト口59が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口59を通って遊技領域23aから排出される。また、遊技盤23には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘61が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口59への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口51、可変入賞装置52、上作動口53、下作動口54又はスルーゲート55への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口53及び下作動口54は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤23に設置されている。上作動口53及び下作動口54は共に上向きに開放されている。また、上作動口53が上方となるようにして両作動口53,54は鉛直方向に並んでいる。下作動口54には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物54aが設けられている。
電動役物54aは遊技盤23の背面側に搭載された電動役物駆動部54bに連結されており、当該電動役物駆動部54bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物54aの閉鎖状態では遊技球が下作動口54に入賞できず、電動役物54aが開放状態となることで下作動口54への入賞が可能となる。
可変入賞装置52は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置52の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置52が繰り返し開放される。
メイン表示部57では、上作動口53又は下作動口54への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口53又は下作動口54への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口53への入賞と下作動口54への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口53又は下作動口54への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部57にて明示される。そして、上作動口53又は下作動口54への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部57にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部57は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部57にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部58では、スルーゲート55への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート55への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート55への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部58にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口54に設けられた電動役物54aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット56には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置62が設けられているとともに、図柄表示装置62を囲むようにしてセンターフレーム63が配設されている。図柄表示装置62は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置62は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置62では、上作動口53又は下作動口54への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部57において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置62において変動表示が行われる。例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。
なお、いずれかの作動口53,54への入賞に基づいて、メイン表示部57及び図柄表示装置62にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム63の前面側における左上部分には、メイン表示部57及び図柄表示装置62に対応した第1保留ランプ部64が設けられている。遊技球が上作動口53又は下作動口54に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部64の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム63の右上部分には、役物用表示部58に対応した第2保留ランプ部65が設けられている。遊技球がスルーゲート55を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部65の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
遊技領域23a内の様子は、図2に示すように、前扉枠14に設けられた窓パネルユニット71を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。窓パネルユニット71は、図4に示すように、前後一対の透明ガラス72a,72bが前後方向に対向配置された状態で、周縁部にて固定枠73により一体化された構成である。つまり、窓パネルユニット71として複層ガラスが利用されている。窓パネルユニット71は図2に示すように、前扉枠14に形成された窓部74を後方から覆うように取り付けられており、固定枠73が窓部74の周縁部に対して後方から当接された状態で前扉枠14に固定されている。
なお、窓パネルユニット71は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネルユニット71を通じて遊技領域23aを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
ここで、窓パネルユニット71は、上記のとおり前扉枠14に対して、その背面側から固定されているが、窓部74の周縁部と窓パネルユニット71の周縁部との間には若干の隙間が生じ得る。そうすると、当該隙間を通じて、パチンコ機10前方から不正用治具を遊技領域23aに導入しようとする不正行為が想定される。これに対して、図4に示すように、中間ユニット13の樹脂ベース21において窓パネルユニット71の周縁部に対して後方にて対向する領域には、パチンコ機10後方へと凹んだ溝部75が形成されている。当該溝部75は、窓パネルユニット71の周縁部に沿うようにして正面視で湾曲状に形成されており、さらに所定の隙間を置いて、複数形成されている。上記のように溝部75が形成されていることにより、図4において部分拡大の縦断面図に示すように、パチンコ機10前方から上記隙間に挿入された不正用治具は溝部75に入り込み、遊技領域23a側への入り込みが規制される。
ちなみに、樹脂ベース21の上縁寄りに形成された溝部75内には一対のリブ76が形成されている。当該一対のリブ76間には、前扉枠14を中間ユニット13に対して閉鎖した際に窓パネルユニット71の一部が入り込むこととなる。これにより、窓パネルユニット71の周縁部と溝部75との位置合わせが良好に行われる。
前扉枠14の説明に戻り、当該前扉枠14において窓部74の周囲には、図1に示すように、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部81が窓部74の上方に設けられている。また、表示ランプ部81の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部82が設けられている。
前扉枠14における窓部74の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部83と下側膨出部84とが上下に並設されている。上側膨出部83内側には上方に開口した上皿83aが設けられており、下側膨出部84内側には同じく上方に開口した下皿84aが設けられている。上皿83aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構41側へ導くための機能を有する。また、下皿84aは、上皿83a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。なお、下皿84aの右方においてパチンコ機10前方に突出させるようにして、上記発射操作装置31が設けられている。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。以下の背面側の構成については、図3に加え、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、パチンコ機10の背面図である。また、図7(a)は裏パックユニット15の後方から見た斜視図であり、図7(b)は裏パックユニット15の前方から見た斜視図である。
図3に示すように、中間ユニット13(具体的には、遊技盤23)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、図柄表示装置62の表示制御を司る表示制御装置92と、音声やランプ表示の制御及び表示制御装置92の制御を司る音声発光制御装置93と、が搭載されている。
なお、主制御装置91の基板ボックス91aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス91aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス91aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置91の少なくとも一部や音声発光制御装置93を含めて中間ユニット13の背面側を覆うようにして、図6に示すように、裏パックユニット15が設置されている。
裏パックユニット15は、図7(a)及び図7(b)に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック101を備えている。裏パック101は、当該裏パック101の周縁部を構成する裏ベース部102と、当該裏ベース部102から後方へ張り出すようにして形成された保護カバー部103と、が一体形成されてなる。保護カバー部103は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、保護カバー部103と、裏ベース部102の下部領域102aとの間には前後方向に貫通した開口部104が形成されている。
裏パックユニット15は、既に説明したとおり、中間ユニット13の背面に対して回動可能に軸支されているが、当該裏パックユニット15を中間ユニット13に対して背面側から重ね合わせた状態では、図6に示すように、保護カバー部103により音声発光制御装置93の全体が覆われている。また、主制御装置91については、その大半が開口部104を介して背面側に露出しているが、主制御装置91の上縁及び左右両縁は保護カバー部103により覆われている。また、裏ベース部102には、複数のロック部材105〜108が設けられており、これらロック部材105〜108を手動操作してロック状態とすることで、上記のように音声発光制御装置93や主制御装置91を覆った状態で裏パックユニット15が回動不能とされている。
複数のロック部材105〜108について詳細には、これらロック部材105〜108は、ロック状態と解除状態との間での手動操作がパチンコ機10背面側から行われるものと、中間ユニット13の前面側から行われるものとに大別される。前者のものとしては、図6に示すように、裏ベース部102の上部領域102bの後面における回動基端寄りの位置(ロック部材105)と、裏ベース部102の下部領域102aの後面における回動先端寄りの位置(ロック部材106)とに、それぞれ1個ずつ設けられている。後者のものとしては、図7(b)に示すように、裏ベース部102の上部領域102bの前面における回動先端寄りの位置(ロック部材107)と、裏ベース部102の下部領域102aの前面における中央寄りの位置(ロック部材108)とに、それぞれ1個ずつ設けられている。
中間ユニット13の前面側から手動操作されるロック部材107,108について詳細には、これらロック部材107,108は前後方向を回動軸として裏ベース部102に回動可能に軸支されており、さらに各操作部107a,108aは中間ユニット13側に突出している。樹脂ベース21には、これらロック部材107,108に対応させて、前後方向に貫通する貫通孔109a,109bが形成されており(図4参照)、裏パックユニット15を中間ユニット13に重ね合わせた状態において各ロック部材107,108の操作部107a,108aは中間ユニット13の前面側に露出するとともに、中間ユニット13の前面側からロック部材107,108の回動操作が可能となっている。但し、これらロック部材107,108は、前扉枠14を中間ユニット13に対して閉鎖した状態において前扉枠14により覆われ、前扉枠14を開放状態としない限り、操作不能となっている。
このように中間ユニット13の前面側からの手動操作を要するロック部材107,108が設けられていることにより、遊技機本体12の背面を露出させたとしても前扉枠14を開いた状態としない限り、中間ユニット13に対する裏パックユニット15のロック状態を解除することができない。よって、主制御装置91などを不正に取り外そうとする行為が行いづらくなる。
なお、図7(b)に示すように、裏パック101におけるパチンコ機10前方へと開放された開口の周縁部において、中間ユニット13に回動支持させるための上側軸金具111の上方位置には、中間ユニット13と裏パック101との隙間を狭くする又は閉塞するための閉塞カバー112が設けられている。これにより、当該上方位置から中間ユニット13の背面に不正用治具を挿入しようとしても、その行為が行いづらくなっている。ちなみに、裏パックユニット15には図示しないアース線が設けられているが、上記閉塞カバー112と裏ベース部102との間には当該アース線の一部を収容するための収容空間が形成されている。
裏パックユニット15は、図7(a)に示すように、上記裏パック101の他に、保護カバー部103を迂回するようにして裏ベース部102に取り付けられている払出ユニット113と、裏ベース部102の上部領域102bであって回動基端側の隅部に設けられた外部端子板114と、裏ベース部102の下部領域102aに取り付けられた各種基板装置116〜118と、を備えている。これらのうち、払出ユニット113は、上皿83aや下皿84aに向けた遊技球の払い出しを行うためのものであるが、詳細な構成は後に説明する。
外部端子板114は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。外部端子板114には、図6に示すように、各出力端子115として、開閉実行モード中に信号出力するための出力端子、下作動口54の電動役物54aが高頻度で開放状態となる高頻度サポートモード中に信号出力するための出力端子、払出ユニット113において遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、中間ユニット13の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子などが設けられている。
出力信号の種類に対応した各出力端子115は、主制御装置91などといったパチンコ機10側の制御装置からの信号線が接続される端子と、遊技ホールの管理コンピュータへと続く信号線が接続される端子とを上下一対として備えており、各出力端子115は横方向に並設されている。この場合に、各出力端子115には、対応する信号線を外部端子板114に接続させるために操作される操作部が設けられているが、それら操作部は、横方向に隣り合う出力端子115間で、外部端子板114の基板面に対するパチンコ機10後方への突出量が相違している。具体的には、それぞれ1個の出力端子115を挟んで隣り合う各出力端子115は、それら出力端子115間に設けられた各出力端子115に比べて操作部はパチンコ機10後方へ突出している。これにより、横方向に並設された出力端子115間の距離を狭めたとしても、各出力端子115に信号線を接続するための操作性が低下してしまうことが抑制される。
各種基板装置として、払出ユニット113を通じた遊技球の払い出しを制御するための払出制御装置116と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力される電源装置117と、パチンコ機10の側方に並設されることとなる図示しない球貸装置と電気的な接続を行うための球貸用接続端子板118と、が設けられている。これらのうち、払出制御装置116と電源装置117とは、払出制御装置116がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。また、球貸用接続端子板118は、払出制御装置116及び電源装置117の一体物に対して、裏パックユニット15の回動基端側の位置に設けられている。
払出制御装置116において基板を収容するために設けられた透明性を有する基板ボックス116aには、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段としてカシメ部が設けられている。この場合に、当該カシメ部は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に払出制御装置116の基板ボックス116aは一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。また、電源装置117には、電源スイッチ機能が付与されており、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ117aの切換操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
払出制御装置116、電源装置117及び球貸用接続端子板118の搭載領域を構成する裏ベース部102の下部領域102aは、遊技領域23aを流下していずれかの開口を介して遊技盤23の背面へと導かれた遊技球を遊技ホールの島設備に排出するための機能も有している。具体的には、図7(b)に示すように、下部領域102aにおいて中間ユニット13の背面側と対向する領域に、板部119が一体形成されており、当該板部119により排出通路119aが形成されている。
なお、当該板部119では遊技盤23側から落下してきた遊技球を下方から受けられることとなるが、その落下球を受ける際の強度を高めるために板部119にはその下面から下方へと突出する図示しないリブが一体形成されている。この場合、当該リブは、当該板部119に対して垂直に延びるように形成されている。
<発射制御装置121>
次に、上記下部領域102aのパチンコ機10前方に配置される発射制御装置121について、図7に加えて図8〜図11を参照しながら説明する。
図8は遊技盤23を取り外した状態における中間ユニット13の背面図である。また、図9(a)は発射制御装置121の正面図であり、図9(b)は発射制御装置121の縦断面図である。また、図10(a),(b)は中間ユニット13の背面において発射制御装置121が取り付けられる周辺を拡大して示す斜視図であり、図10(a)は発射制御装置121が取り付けられている状態を示し、図10(b)は発射制御装置121が取り外された状態を示している。また、図11は発射制御装置121が設けられた領域及びその周辺の縦断面図である。なお、図11では前扉枠14を省略している。
図8に示すように、発射制御装置121は樹脂ベース21の背面に固定されている。発射制御装置121は、図9(b)に示すように、発射操作装置31の操作に基づき遊技球発射機構41を駆動制御するための発射制御基板122が発射用基板ボックス123に収容されてなる。発射制御基板122には、発射制御を行うための発射用IC124a、及び遊技球発射機構41に駆動信号を出力するためのコンデンサ124bといった各種素子や、外部の機器と電気的な接続を行うためのコネクタ125a〜125eが搭載されている。これら各種素子やコネクタ125a〜125eは全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、発射制御基板122は、一方の板面が素子搭載面122aとなっており、その逆側の板面が半田面122bとなっている。なお、半田面122bとは、素子搭載面122aに搭載される各種素子の半田付け部分が存在する面であるが、当該半田面122bに対して回路パターンが形成されていてもよい。
発射用基板ボックス123は、複数のケース体として、表ケース体(ボックスカバー)131と、裏ケース体(ボックスベース)132とを備えている。これら表ケース体131及び裏ケース体132は、発射用基板ボックス123内に収容された発射制御基板122の素子搭載面122a及び半田面122bを発射用基板ボックス123外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表ケース体131及び裏ケース体132が組み合わされることにより、発射用基板ボックス123は箱状に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表ケース体131は、図9(a)及び図9(b)に示すように、表側周縁部133と、当該表側周縁部133から一方に膨出するようにして形成された膨出部134とが一体形成されている。これら表側周縁部133と膨出部134とにより、表ケース体131は膨出部134の膨出側とは反対側に開放された形状をなしている。
表ケース体131において背面側へと開放された領域を閉塞するようにして、且つ素子搭載面122aに搭載された各種素子のうち、背の高い素子が膨出部134内に入り込むようにして発射制御基板122が配置されており、さらに当該発射制御基板122の周縁部を表ケース体131とともに挟持するようにして裏ケース体132が取り付けられている。そして、その状態で表ケース体131の周縁部に形成された係止受け部に対して、裏ケース体132の周縁部に形成された係止部を引掛けて両者が係合されていることにより、両ケース体131,132の分離が規制されている。
当該係合は、係合解除用の工具を利用することなく上記係止部を指などで撓み変形させることで解除可能となっており、当該解除に際して表ケース体131や裏ケース体132の破壊を要しない構成となっている。但し、これに限定されることはなく、両ケース体131,132がネジ固定されている構成としてもよく、発射用基板ボックス123の内部空間の開放に際して所定の部位の破壊を要する構成としてもよく、発射用基板ボックス123の内部空間の開放に際してその痕跡が残る構成としてもよい。
発射制御基板122のコネクタ125a〜125eは、既に説明したとおり、全て素子搭載面122aに設けられているが、これら各コネクタ125a〜125eは、図9(a)に示すように、表ケース体131において各コネクタ125a〜125eに1対1で対応させて形成された貫通孔135a〜135eを介して発射用基板ボックス123の外部に露出している。
発射制御装置121は、図10(a)及び図10(b)に示すように、裏ケース体132の表面を中間ユニット13の樹脂ベース21における下枠領域141の背面に対向させた状態で、当該下枠領域141に固定されている。この固定に関して具体的には、図9(a)に示すように、表ケース体131の左右の側面にはそれぞれ側方へと突出させて係止部としての引掛け部136a,136bが一体形成されている。また、これら引掛け部136a,136bに対応させて下枠領域141の背面には係止受け部としての引掛け受け部142a,142bが一体形成されている。そして、発射制御装置121を下枠領域141に固定する際には、一方の引掛け部136aを対応する引掛け受け部142aに引掛けた状態で、裏ケース体132を下枠領域141の背面に重ね合わせるように発射制御装置121を配置することで、他方の引掛け部136bが対応する引掛け受け部142bに引掛けられた状態となる。また、他方の引掛け部136bは発射制御装置121の設置状態であっても外力を加えることで撓み変形可能となっており、当該引掛け部136bを撓み変形させた状態で発射制御装置121を下枠領域141から分離方向に移動させることで、所定の工具や所定の部位の破壊を要することなく発射制御装置121を取り外すことが可能である。
ちなみに、図9(b)に示すように、裏ケース体132には樹脂ベース21側に突出するようにして変位規制突起137が一体形成されており、当該変位規制突起137に対応させて樹脂ベース21の下枠領域141には変位規制穴143が形成されている。そして、発射制御装置121が下枠領域141に固定された状態において、発射制御装置121を下枠領域141に沿って変位させようとしても、それが変位規制突起137と変位規制穴143との当接により規制される。なお、変位規制突起137を樹脂ベース21に形成するとともに、変位規制穴143を裏ケース体132に形成してもよい。
発射制御装置121が搭載された位置は、図10(a)及び図10(b)に示すように、中間ユニット13の回動先端側であって、樹脂ベース21の下枠領域141において遊技球発射機構41が設けられた領域の背面側の領域となっている。つまり、発射制御装置121は遊技球発射機構41に対して樹脂ベース21を挟んで前後に並んでいる。
また、発射制御装置121が設けられた位置は、樹脂ベース21において遊技盤23を下方から支えるための段差板部144に対して、発射制御装置121の上面123aがその下方にて隣接する位置となっている。より詳細には、樹脂ベース21の背面において段差板部144の下方には、段差板部144にて遊技盤23の重量を受けている状態での下枠領域141の強度を向上させるために、金属プレート145が横方向に延在するようにして配置されているが、発射制御装置121はその上側部分が金属プレート145における横方向の一部の領域に対してパチンコ機10後方から重なるように配置されている。そして、発射制御装置121は下枠領域141から後方に突出しており、段差板部144よりも後方であって若干下方の位置に発射制御装置121の上面123aが存在している状態となっている。
ここで、遊技盤23の装着は、樹脂ベース21の後方から段差板部144上に遊技盤23の底面を載せた状態で、樹脂ベース21に設けられた固定具146を固定位置に配置することで行われている。この場合に、遊技盤23の装着作業や取り外し作業に際して、遊技盤23が発射制御装置121の上面123aに載ることが想定される。これに対して、発射制御装置121の上面123aには、補強手段又は補強構造として、上方に突出させて補強リブ138が一体形成されており、当該補強リブ138は横方向に複数設けられている。これにより、遊技盤23が発射制御装置121に対してその上方から載ったとしても、発射用基板ボックス123が破損してしまうことが抑制されている。
発射制御装置121が下枠領域141に搭載された状態では、表ケース体131の表面131aがパチンコ機10後方を向くこととなる。この表面131aには、中間ユニット13に対して裏パックユニット15を閉鎖している状態において、当該裏パックユニット15の裏パック101における下部領域102aがパチンコ機10後方から重なり合うこととなる。
具体的には、図7(b)に示すように、裏パック101の下部領域102aにおいて発射制御装置121と対向する領域は、下部領域102aの周囲の領域に比べてパチンコ機10後方へと凹んでおり、この凹んだ領域が発射制御装置121との重ね合わせ領域151となっている。そして、裏パックユニット15が中間ユニット13に対して閉鎖状態となっている場合には、図11に示すように、発射制御装置121が重ね合わせ領域151内に入り込み、重ね合わせ領域151の凹み先の面と発射制御装置121の表面131aとは隣接した位置にて前後に対向することとなる。これにより、裏パックユニット15を中間ユニット13に対して開放状態としない限り、発射制御装置121を樹脂ベース21から取り外すことが困難なものとなっている。
発射制御装置121が樹脂ベース21の下枠領域141と裏パック101の下部領域102aとにより前後に挟み込まれる構成において、発射制御装置121は樹脂ベース21よりもパチンコ機10前方に設けられた機器に対して電気的に接続されているとともに、裏パック101よりもパチンコ機10後方に設けられた機器に対して電気的に接続されている。以下、この電気的な接続に係る構成について説明する。
既に説明したとおり、発射制御基板122の素子搭載面122aには複数のコネクタ125a〜125eが設けられているとともに、これら各コネクタ125a〜125eは貫通孔135a〜135eを介して発射用基板ボックス123の外部に露出している。これら各コネクタ125a〜125eは全て、図9(a)に示すように、表ケース体131においてパチンコ機10後方を向く表面131aであって当該表面131aの外縁寄りの位置に配置されている。但し、当該表面131aの一辺に対して全てのコネクタ125a〜125eが沿わせて配置されているのではなく、一部のコネクタ125a〜125dは所定の一辺に沿わせて配置されており、残りのコネクタ125eは他の一辺側に設けられている。
先ず、前者のコネクタ125a〜125d及びそれに接続される電気配線152a〜152eについて説明する。なお、以下の説明において、電気配線は、接続先コネクタからの離脱を手動操作により可能とするコネクタが複数の配線の両端においてそれら配線を集約するようにして設けられたコネクタユニットを含む。
発射操作装置31に設けられたタッチセンサ35、発射止めスイッチ36及び可変抵抗器34のそれぞれからの信号を送信するための電気配線152b,152cが接続されているコネクタ125b,125cと、遊技球発射機構41を構成するソレノイド42及び球送り装置44のそれぞれへと駆動信号を送信するための電気配線152a,152dが接続されているコネクタ125a,125dとは、表ケース体131の表面131aにおける上辺寄りの位置において当該上辺に沿わせて横方向に並設されている。これら上辺寄りの位置のコネクタ125a〜125dに接続される電気配線152a〜152dは、表ケース体131において膨出部134の側面を利用して形成された集約部153により束ねられた状態で簡易的に拘束されながら、発射制御装置121の下端部へと導かれる。そして、下端部から樹脂ベース21の前方へと導かれる。
この場合、樹脂ベース21の下枠領域141には、図4及び図10(b)に示すように、前後方向に貫通する挿通孔154,155が複数形成されている。これら挿通孔154,155のうち一方の挿通孔154は、図10(b)に示すように、遊技球発射機構41のソレノイド42に対してパチンコ機10後方にて対向する領域に形成されており、ソレノイド42へと通じる電気配線152a及び球送り装置44へと通じる電気配線152dは当該挿通孔154を通じて樹脂ベース21の前方へと導かれ、それぞれ対応する側に接続されている。なお、図11においては、ソレノイド42へと通じる電気配線152aが挿通孔154を介してソレノイド42に接続されている様子を示す。
他方の挿通孔155は、図4に示すように、樹脂ベース21の下枠領域141においてソレノイド42よりも下方の位置に形成されており、この位置は下枠領域141の底部141aに隣接した位置となっている。また、当該底部141aには挿通孔155の横方の位置に、横方向に延びるとともに前方に開放された集約溝部156が形成されている。タッチセンサ35、発射止めスイッチ36及び可変抵抗器34のそれぞれからの信号を送信するための電気配線152b,152cは、挿通孔155を通じて樹脂ベース21の前方へと導かれ、さらに集約溝部156に集約された状態で中間ユニット13の回動基端側へと導かれる。そして、下枠領域141の回動基端側に設けられた中継基板157に接続されている。この中継基板157にはタッチセンサ35、発射止めスイッチ36及び可変抵抗器34のそれぞれから延びる図示しない電気配線が接続されているため、中継基板157を介して発射制御装置121がタッチセンサ35、発射止めスイッチ36及び可変抵抗器34と電気的に接続されている。なお、図11においては、タッチセンサ35側へと延びる電気配線152bが挿通孔155を介して樹脂ベース21の前方へと導かれている様子を示す。
以上のように樹脂ベース21よりも前方に設けられた機器との間で発射制御装置121を電気的に接続するための電気配線152a〜152dを、樹脂ベース21の側部を回り込むようにして引き回すのではなく、各挿通孔154,155を介して樹脂ベース21の前方に導くことで、中間ユニット13の回動操作に際して当該電気配線152a〜152dが中間ユニット13と外枠11との間に噛み込まれてしまうことを防止できる。
各電器配線152a〜152dを樹脂ベース21の前方に導くための挿通孔154,155が形成された位置は、図11に示すように、発射制御装置121の裏ケース体132と対向する領域となっている。つまり、挿通孔154,155は樹脂ベース21の背面にて露出していない。これにより、挿通孔154,155を介して、樹脂ベース21の前方から樹脂ベース21の後方へ不正用治具を挿入しようとする行為や、樹脂ベース21の後方から樹脂ベース21の前方へ不正用治具を挿入しようとする行為が行いづらくなっている。また、かかる挿入作業の困難性は、挿通孔154,155のそれぞれを電気配線152a〜152dが複数挿通されていることからも奏される。さらにまた、一方の挿通孔154はソレノイド42に対してその後方にて対向する領域に形成されているため、当該挿通孔154を通じた不正用治具の挿入作業はより行いづらくなっている。
次に、発射制御装置121に設けられた各コネクタ125a〜125eのうち残りのコネクタ125e及びそれに接続される電気配線152eについて説明する。
残りのコネクタ125eは、図9(a)に示すように、表ケース体131の表面131aにおいて下辺寄りの位置に配置されている。このコネクタ125eには、特定基板として裏パックユニット15に設けられた電源装置117との間で通信を行うための特定配線として、電気配線152eが接続されている。
ここで、発射制御装置121は、タッチセンサ35及び発射止めスイッチ36から入力している信号が遊技者による発射操作が行われている状態であることに対応した信号であって、他の要因による発射停止状況ではないことを条件として、条件成立信号を出力する。この条件成立信号は最終的に主制御装置91にて受信され、主制御装置91では当該条件成立信号を受信している場合、遊技球の発射を停止すべき異常がパチンコ機10にて発生していないことを条件として発射許可信号を出力する。そして、発射制御装置121では、発射許可信号を受信していることを条件として、遊技球の発射用の駆動信号を遊技球発射機構41に対して出力する。
上記のように信号の通信が行われる構成において、発射制御装置121は、同じく中間ユニット13に設けられた主制御装置91に対して電気的な接続が直接行われているのではなく、上記条件成立信号の送信及び上記発射許可信号の受信は、裏パックユニット15に設けられた電源装置117を介して行われている。これにより、主制御装置91において他の機器から信号を受信するためのコネクタの数を減らすことが可能となる。
つまり、電源装置117は、既に説明したとおり、主制御装置91を含めて各種制御装置が動作するために必要な動作電力を供給する機能を有しているため、主制御装置91との間で電気的な接続が行われることが必須である。この場合に、発射制御装置121において条件成立信号の送信及び発射許可信号の受信を行うための電気配線152eは、先ず電源装置117に接続することで、条件成立信号及び発射許可信号を伝送させるための電気配線は上記動作電力の供給を行うための電気配線とともに主制御装置91に接続することが可能となる。具体的には、図6に示すように、電源装置117に設けられたコネクタ117aと、主制御装置91に設けられたコネクタ91bとを電気的に接続するコネクタユニット175に、条件成立信号を伝送させるための電気配線、発射許可信号を伝送させるための電気配線、及び動作電力の供給を行うための電気配線が含まれている。ちなみに、コネクタユニット175は、複数の電気配線の一端にそれら電気配線が接続される単一のコネクタと、複数の電気配線の他端にそれら電気配線が接続される単一のコネクタと、を有するものである。以上のように電気的な接続を行うことにより、主制御装置91において他の機器からの信号を受信するためのコネクタの数を減らすことが可能となる。よって、メンテナンスに際して主制御装置91を取り外す場合や、遊技盤23の交換を行う際に、取り外し操作が必要となるコネクタの数が抑えられ、当該作業の作業性を向上させることが可能となる。
電源装置117との間で通信を行うための電気配線152eが接続されるコネクタ125eの位置について詳細に説明する。
既に説明したとおり、発射制御装置121の表ケース体131の表面131aには裏パック101の重ね合わせ領域151がパチンコ機10後方から重なり合うこととなるが、図11に示すように、発射制御装置121の下端部の高さ位置は、下部領域102aの下端部の高さ位置よりも下方となっており、発射制御装置121の表面131aの下端寄りの領域は下部領域102aにより覆われていない。この覆われていない下端寄りの領域に対して上記コネクタ125e(以下、下側コネクタ125eともいう)が配置されている。また、当該下側コネクタ125eから延びる電気配線152eは、電源装置117に設けられたコネクタ158(以下、上側コネクタ158ともいう)に接続されるが、当該コネクタ158は下側コネクタ125eよりも上方の位置においてパチンコ機10背面に露出している。
これら上側コネクタ158及び下側コネクタ125eを電気的に接続するようにして電気配線152eが接続されている。この場合、当該電気配線152eは裏パック101の底部を下方から回り込むようにして引き回されている。また、当該電気配線152eの長さ寸法は、上側コネクタ158及び下側コネクタ125eに接続した状態で、最も下方へと撓んだ箇所の高さ位置が、中間ユニット13の底部よりも上方の位置となるように設定されている。これにより、遊技機本体12を外枠11に対して回動させる場合に、遊技機本体12と外枠11との間に電気配線152eが噛み込まれてしまうことが防止されている。
さらにまた、電気配線152eの長さ寸法は、上側コネクタ158及び下側コネクタ125eに接続した状態で、裏パックユニット15を中間ユニット13に対して回動させることが不可となるように設定されている。これにより、裏パックユニット15を開放させようとする場合には、電気配線152eの一方のコネクタ125e,158からの取り外し操作や、電気配線152eの切断操作を行う必要が生じる。よって、裏パックユニット15を不正に開放させようとする行為が行いづらくなっている。
特に、裏パックユニット15の下端部のみを中間ユニット13に対して後方に変位させて、主制御装置91に向けた不正用治具の挿入を行い易くしようとする行為が想定される。これに対して、上記のように電気配線152eが裏パックユニット15の下端部を回り込むようにして設けられていることにより、裏パックユニット15の下端部のみを後方に変位させようとしてもそれを行いづらくすることが可能となる。
次に、中間ユニット13と裏パックユニット15との隙間を介してパチンコ機10下方から不正用治具を挿入しようとする行為を抑制可能な構成について説明する。
裏パック101の下部領域102aにおいて中間ユニット13を向く側には、図7(b)に示すように、中間ユニット13側に起立させて複数の後側リブ161が一体形成されている。これにより、パチンコ機10下方から不正用治具を挿入しようとしても、当該不正用治具がいずれかの後側リブ161と当接することで、又は当該不正用治具が複数の後側リブ161により区画された空間内に入り込むことで、それ以上の侵入が規制されることが期待される。
上記後側リブ161は、下部領域102aの横方向において、発射制御装置121に対する重ね合わせ領域151以外の領域に対しては略全体に亘って設けられているが、重ね合わせ領域151に対しては設けられていない。但し、当該重ね合わせ領域151を区画するとともに下方を向くように形成された上側区画面162は、図11に示すように、発射制御装置121の上面123aに対してその上方にて対向している。これにより、発射制御装置121と重ね合わせ領域151との間から不正用治具を上方へと侵入させようとしても、当該不正用治具が上側区画面162に当接することで、それ以上の侵入が規制されることが期待される。また、図7(b)に示すように、重ね合わせ領域151を区画するとともに横方向の中央側から発射制御装置121の側面を向くようにして横側区画面163が形成されている。これにより、発射制御装置121と重ね合わせ領域151との間に不正用治具を挿入するとともに、横方向の中央側から不正用治具をさらに先へと進めようとしても、当該不正用治具が横側区画面163に当接することで、それ以上の侵入が規制されることが期待される。
不正用治具の侵入は、樹脂ベース21と発射制御装置121との間から行われることも想定される。これに対して、図10(b)に示すように、樹脂ベース21の下枠領域141において発射制御装置121と対向する領域には、発射制御装置121側に起立させて複数の前側リブ164が一体形成されている。これにより、パチンコ機10下方から不正用治具を挿入しようとしても、当該不正用治具がいずれかの前側リブ164と当接することで、又は当該不正用治具が複数の前側リブ164により区画された空間内に入り込むことで、それ以上の侵入が規制されることが期待される。
上記のような不正用治具の侵入を抑制する構造は、樹脂ベース21の段差板部144と発射制御装置121との位置関係によっても生じている。つまり、発射制御装置121の裏ケース体132において下枠領域141と対向することとなる面には、図9(b)に示すように、その上方寄りの位置に、パチンコ機10後方への発射制御側の段差部165が一体形成されており、当該対向面は、当該段差部165によって、上方寄りの領域がそれよりも下方の領域に比べてパチンコ機10後方へ凹んだ形状となっている。この発射制御側の段差部165は上記対向面の横方向の略全体に亘って形成されており、さらに図11に示すように、樹脂ベース21の段差板部144に対してその下方にて縦方向に対向している。これにより、発射制御装置121と樹脂ベース21との間から不正用治具を上方へと侵入させようとしても当該不正用治具が段差板部144に当接し易くなり、当該段差板部144に当接することで、それ以上の侵入が規制される。
ちなみに、中間ユニット13と裏パックユニット15との隙間を介した不正用治具の挿入は遊技機本体12の回動基端側からも想定されるが、図8に示すように、中間ユニット13において回動基端側の端部には金属プレート171が縦方向の略全体に亘って設けられており、上記挿入作業が行いづらくなっている。この場合に、金属プレート171と樹脂ベース21との間には、図8の部分拡大図に示すように、パチンコ機10前方側に凹ませて溝部172が形成されており、中間ユニット13の縦方向の略全体に亘って形成された当該溝部172には中間ユニット13の下端部から上端部に向けて延びるアース線173が挿通されている。これにより、上記金属プレート171を利用しながら、アース線173の収容領域を形成することが可能となる。
なお、上記溝部172への収容対象はアース線173に限定されることはなく、例えば外枠11の下枠部分といったように下部にスピーカ装置が設けられた構成においては、当該スピーカ装置から繋がる電気配線を中間ユニット13の上端へと導くために溝部172内に収容するようにしてもよい。この場合、前扉枠14の上部に設けられたスピーカ装置からの電気配線と下部のスピーカ装置からの電気配線とを中間ユニット13の上端部分で中継基板などを利用して集約し、その集約後のハーネスを音声発光制御装置93に接続するようにしてもよい。
<払出ユニット113>
次に、裏パック101に設けられた払出ユニット113について詳細に説明する。図12は払出ユニット113の斜視図であり、図13は払出ユニット113の主要な構成部品181〜185を分解して示す分解斜視図である。
払出ユニット113は、図12に示すように、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク181と、当該タンク181に貯留された遊技球を遊技機本体12の回動基端側へと導くための横通路ユニット182と、横通路ユニット182により誘導された遊技球を下方へと導くための上流側縦通路ユニット183と、当該上流側縦通路ユニット183により誘導された遊技球の下流側への流出を阻止又は許容する払出装置184と、払出装置184により誘導された遊技球を樹脂ベース21側へと導くための下流側縦通路ユニット185と、を備えている。
タンク181は、上方に開放されており、裏パック101の最上部に配置されている。また、タンク181の横方向の端部は、遊技機本体12の回動先端寄りの位置に配置されている。島設備から供給されてタンク181に貯留されている多数の遊技球は、横通路ユニット182、上流側縦通路ユニット183及び払出装置184に形成された待機通路へと流入することとなる。当該待機通路について詳細には、図13に示すように、待機通路のうち上流通路領域191が横通路ユニット182に形成されている。
上流通路領域191は、遊技機本体12の回動先端側の位置から遊技機本体12の回動基端側に向けて緩やかに下る傾斜状となっており、横方向に延びている。そして、当該上流通路領域191の最上流部はタンク181の出口に連通されており、タンク181に貯留された遊技球は先ず上流通路領域191に流入する。この場合に、上流通路領域191はタンク181に対して上下に並んでおらず、タンク181の上面開口部に対してパチンコ機10後方にずれた位置に配置されている。これにより、裏パック101の内部空間をタンク181の真下位置まで拡張することが可能となる。
横通路ユニット182の通路形成部192には、図13に示すように、その底面から上方に起立するようにして仕切壁193が一体形成されており、当該仕切壁193は、通路方向の途中位置から上流通路領域191の最下流部に亘って形成されている。これにより、上流通路領域191は、その途中位置から複数、具体的には2条の通路に分岐しており、それら分岐通路は横通路ユニット182においては仕切壁193を挟んで前後に並んでいる。以下、一方の上流通路領域191を第1上流通路領域191aと称するとともに、他方の上流通路領域191を第2上流通路領域191bと称する。また、第1上流通路領域191aを含む待機通路を第1待機通路と称するとともに、第2上流通路領域191bを含む待機通路を第2待機通路と称する。
なお、横通路ユニット182の底部には上流通路領域191a,191b内に異物が留まらないようにするための開口部194が形成されているが、当該開口部194を通じた異物の排出を良好に行えるようにするために、図6に示すように、保護カバー部103の上面に対して横通路ユニット182の底面は上方に離間されている。
横通路ユニット182において通路形成部192は、上流通路領域191a,191bを上方に開放するようにして溝状に形成されているが、横通路ユニット182には、図13に示すように、タンク181の出口に連通された箇所から通路方向の途中位置まで、具体的にはタンク181と前後に並ぶ領域に、上流通路領域191a,191bを上方へ開放させないようにするための天井カバー195が設けられている。これにより、上流通路領域191a,191bがタンク181に対してパチンコ機10後方にずらした位置に形成された構成において、上流通路領域191a,191b内に島設備側の補給機のレバーが入り込んでしまうことが防止されている。なお、天井カバー195は、横通路ユニット182の上方から上流通路領域191a,191b内を視認可能とするように無色透明の合成樹脂により形成されている。
前後に並設された上流通路領域191a,191bにおいて天井カバー195が設けられた位置よりも下流側には、上流通路領域191a,191b内において積層される遊技球の数を最大で2個とするための積層規制部材196が設けられている。積層規制部材196は横通路ユニット182において縦方向に起立した一対の通路壁部に対して前後方向を回動軸として回動可能に支持されている。上流通路領域191a,191bにて待機する遊技球は、積層規制部材196の位置を通過する場合に積層数が最大で2個となるように規制される。
積層規制部材196が設けられた位置よりも下流側であって上流通路領域191a,191bの最下流部を構成する領域には、上流通路領域191a,191bから下流側へと誘導される遊技球が各待機通路において一列となるように規制する、すなわち上方への遊技球の積層を完全に規制するための整流カバー197が設けられている。この整流カバー197の詳細な内容については後に説明する。
上流通路領域191a,191bを通過した遊技球は、上流側縦通路ユニット183に形成された中間通路領域201a,201bに流入する。この中間通路領域201a,201bについて、図14及び図15を参照しながら詳細に説明する。図14(a)は上流側縦通路ユニット183の正面図であり、図14(b)は上流側縦通路ユニット183の側面図であり、図15は上流側縦通路ユニット183の分解斜視図である。
中間通路領域201a,201bは上流通路領域191a,191bと同様に、複数並設されている。具体的には、第1待機通路を構成するとともに第1上流通路領域191aに対して下流側にて連続する第1中間通路領域201aと、第2待機通路を構成するとともに第2上流通路領域191bに対して下流側にて連続する第2中間通路領域201bとが上流側縦通路ユニット183のハウジング202に形成されている。これら第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bは、図15に示すように、相互に対向する側に向けて通路壁が起立させて一体形成された表側ハウジング部材203及び裏側ハウジング部材204が、中間板部205を間に挟むようにして前後に重ね合わされてネジ固定されていることで形成されている。また、第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bの入口部分は、表側ハウジング部材203及び裏側ハウジング部材204が組み合わされてなるハウジングの上端部分において横向きに形成されており、さらには前後に並設されている。
第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bはいずれも、遊技球を一列に並べた状態で下流側へと誘導するように通路断面の面積が設定されている。また、第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bは、図14(a)に示すように、その通路方向の途中位置までは、上流通路領域191a,191bと同様に前後に並設されている。各中間通路領域201a,201bにおいて前後に並設された部分には複数の曲がり部が形成されており、その曲がり部を構成する通路壁と遊技球との当接により、中間通路領域201a,201b内において待機する遊技球の減圧が行われている。
中間通路領域201a,201bにおいて前後に並設された部分には、各待機通路内の遊技球を島設備側に排出するための排出通路206が分岐させて形成されており、さらに当該排出通路206への遊技球の流入を阻止又は許容する切換部材207が設けられている。切換部材207は、図15に示すように、両中間通路領域201a,201bの状態をまとめて切り換え可能に形成されており、さらに当該切換部材207の位置は表側ハウジング部材203からパチンコ機10後方へ突出させて形成された球抜きレバー208が手動されることで切り換えられる。
これら切換部材207及び球抜きレバー208が設けられた位置は、中間通路領域201a,201bにおいて前後に並設された部分であるため、回動軸207a,208aは前後方向に設定されている。また、球抜きレバー208の回動軸208aから放射方向に突出させて形成された手動操作部208bは、回動軸208aにおいて表側ハウジング部材203からパチンコ機10後方に突出した部分から延びており、パチンコ機10背面から手動操作部208bを操作し易くなっている。そして、排出通路206を通じて遊技球の排出を行うべく手動操作部208bを操作した場合には、球抜きレバー208の押圧部208cによる切換部材207の押圧が解除されて、切換部材207が排出阻止位置から排出許容位置へ切換配置される。
中間通路領域201a,201bにおいて前後に並設された部分であって切換部材207よりも上流側に球無センサ209が設けられている。球無センサ209は、図15に示すように、本体部201cの一端側に、第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bのそれぞれに対応させて縦方向に貫通する通過部209a,209bが形成されており、各待機通路が球無状態であるか否かが個別に検知される。
通過部209a,209bは、中間通路領域201a,201bにおいて前後に並設された部分に対応させて前後に並設されており、本体部201cにおいて図示しないセンサ基板が設けられる領域は、それら通過部209a,209bに対して横方向、具体的には遊技機本体12の回動基端側となる方向に並設されている。そして、各通過部209a,209bとは反対側の端部には払出制御装置116側に向けて検知結果を送信するための電気配線が接続されるコネクタ209dが設けられている。上記のように球無センサ209が設けられていることにより、本体部209cにおいて相対的に寸法が大きい方向が横方向となり、前後方向の寸法を抑えることが可能となる。
ちなみに、球無センサ209は、表側ハウジング部材203と裏側ハウジング部材204とにより挟まされた空間内に収容されているため、例えば中間通路領域201a,201b内にて球詰まりが発生した際に球無センサ209を強引に引っ張ってその球詰まり状態を解消しようとしても、その引っ張る行為ができなくなっている。
第1中間通路領域201aと第2中間通路領域201bとは、図14(a)に示すように、その途中位置から前後方向に並ばなくなる。具体的には、第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bはいずれも、U字状の曲がり部201cを有しているが、その下流側において第1中間通路領域201aに比べて第2中間通路領域201bの方がパチンコ機10における横方向の中央側に入り込んでいる。つまり、第2中間通路領域201bには、第1中間通路領域201aに対して通路長を長くするための延長領域201dが形成されている。この場合、第1中間通路領域201aと第2中間通路領域201bとは通路の幅方向の寸法分(遊技球1個分(遊技球の直径分)よりも若干大きい幅分)、横方向に離間されている。
中間通路領域201a,201bが横方向に離間され出した部分では、これら第1中間通路領域201aと第2中間通路領域201bとは前後方向であって横方向に離間された状態となっているが、これら中間通路領域201a,201bの最下流部では横方向に並設された状態となる。具体的には、図14(b)に示すように、相対的にパチンコ機10後方に位置している第1中間通路領域201aは、パチンコ機10前方に向けて下る傾斜部211aを通じて最下流部が前方へと変位しているとともに、相対的にパチンコ機10前方に位置している第2中間通路領域201bは、パチンコ機10後方に向けて下る傾斜部211bを通じて最下流部が後方へと変位している。この場合、第1中間通路領域201a側の傾斜部211aの方が、第2中間通路領域201b側の傾斜部211bよりも傾斜が緩やかであって傾斜している領域の通路長が長く形成されている。また、各傾斜部211a,211bにより、第1待機通路及び第2待機通路の両方について、遊技球の重量負荷が減圧される。
上記のように中間通路領域201a,201bが形成されていることにより、第1待機通路及び第2待機通路は前後方向に並設されていた状態から横方向に並設されている状態へと並設方向が変更されることとなる(遷移することとなる)。これら横方向に並設された中間通路領域201a,201bの最下流部を通過した遊技球は、払出装置184に形成された下流通路領域224a,224bに流入する。払出装置184の構成について、図13に加え図16を参照しながら詳細に説明する。図16(a)は払出装置184において下流通路領域224a,224bが形成された部分の横断面図であり、図16(b)は図16(a)においてA―A線部分で示す位置にて切断した払出装置184の縦断面図である。
図13に示すように、払出装置184は、複数の払出ケース221a〜221cが組み合わされてなる払出ハウジング221を備えている。払出ハウジング221には、図16(a)に示すように、中間通路領域201a,201bから供給された遊技球を下流側縦通路ユニット185へと導くための通路が形成された通路形成部222と、当該通路形成部222内の遊技球の通過を阻止又は許容する球止め手段を駆動する駆動手段の本体部を収容するための駆動収容部223とが形成されており、これら通路形成部222及び駆動収容部223は横方向に並設されている。
通路形成部222について詳細には、当該通路形成部222には、図16(a)及び図16(b)に示すように、第1待機通路を構成するとともに第1中間通路領域201aに対して下流側に連続する第1下流通路領域224aと、第2待機通路を構成するとともに第2中間通路領域201bに対して下流側に連続する第2下流通路領域224bとが、仕切部225を間に挟むようにして左右に並設されている。つまり、第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bは、その入口部分が払出ハウジング221の上面にて上方に開放されており、その入口部分は、図16(a)に示すように、第1中間通路領域201a及び第2中間通路領域201bがその最下流部において横方向に並設されていることに対応させて横方向に並設されている。この場合、各下流通路領域224a,224bの入口部分の面積は、対応する中間通路領域201a,201bの出口部分の面積と同程度となっており、縦方向、具体的には鉛直方向に重なり合っている。
第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bは、図16(b)に示すように、入口部分から縦方向、具体的には鉛直方向に延びており、いずれも遊技球を一列に並べた状態で下流側へと誘導するように通路断面の面積が設定されている。第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bは、通路形成部222の縦方向の中間部分に形成された集合領域226に連通されている。
集合領域226は、その横方向の寸法が、第1下流通路領域224aを鉛直方向に延長させた範囲、及び第2下流通路領域224bを鉛直方向に延長させた範囲の全てを含むようにして設定されており、さらに前後方向の寸法が各下流通路領域224a,224bの前後方向の寸法よりも大きく設定されている。集合領域226には、球止め手段を構成する回転体231が設けられている。
回転体231は、図16(a)に示すように、横方向に延びるとともに集合領域226の横方向の略全体に亘って配置された回転軸部232と、当該回転軸部232から放射方向に延びるように一体形成された一対の球止め部233,234と、を備えている。一対の球止め部233,234は、所定の間隔を置いて横方向に並設されている。一方の球止め部233は第1下流通路領域224aの鉛直方向の先側に配置されており、当該第1下流通路領域224aを含めて第1待機通路において一列に並んだ状態で待機する遊技球の重量を下方から受けて、下流側への遊技球の流出を阻止可能に形成されている。また、他方の球止め部234は第2下流通路領域224bの鉛直方向の先側に配置されており、当該第2下流通路領域224bを含めて第2待機通路において一列に並んだ状態で待機する遊技球の重量を下方から受けて、下流側への遊技球の流出を阻止可能に形成されている。
一対の球止め部233,234が一体形成された回転軸部232には、球止め手段を駆動するための駆動手段として設けられた電動アクチュエータである払出モータ235の出力軸235aが、回転軸部232と同一軸線上に配置されるようにして内挿されて固定されている。これにより、払出モータ235の本体部235bに駆動信号が供給されて出力軸235aが軸周りに回転した場合には一対の球止め部233,234が軸周りに回転することとなる。
払出モータ235の本体部235bは、第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bが形成された通路形成部222に対して、これら下流通路領域224a,224bの並設方向と同一方向に並設された駆動収容部223に収容されている。具体的には、駆動収容部223は、通路形成部222に対して遊技機本体12の回動基端側に配置されており、この駆動収容部223に本体部235bが収容されている。
ここで、払出モータ235は、複数の待機通路のそれぞれから遊技球の重量負荷を受けている状態で、一対の球止め部233,234を同時に回転させる駆動力を生じさせる必要があるため、払出モータ235の本体部235bは比較的大型となり、軸方向の寸法はそれに対して直交する方向よりも大きくなる。さらにまた、本体部235bは、通路形成部222に対して、第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bの並設方向に並設する必要がある。そうすると、払出装置184は上記並設方向の寸法が、当該並設方向及び高さ方向に直交する方向の寸法に比べて大きくなる。これに対して、第1待機通路及び第2待機通路の途中位置においてこれら待機通路の並設方向を前後方向から横方向に変更したことで、払出装置184において第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bが横方向に並設されているとともに、通路形成部222に対して駆動収容部223は横方向に並設されている。これにより、パチンコ機10背面において後方に向けて払出装置184が張り出してしまうことを抑えながら、払出装置184を配置することが可能となる。
払出装置184の通路形成部222において集合領域226の下方には、図16(b)に示すように、各球止め部233,234により下流側へと誘導された遊技球を、下流側縦通路ユニット185に形成された通路へと導くための払出通路236が形成されている。払出通路236は、複数の遊技球を前後方向及び横方向に並べた状態で同時に通過させることを不可とするように、その通路断面の面積が設定されている。
また、払出通路236には、同時に2個の遊技球が導入されない構成となっている。つまり、各球止め部233,234のそれぞれは、外周部から軸側へと凹ませるようにして所定数、具体的には2個の凹部233a,233b,234a,234bを備えており、凹部233a,233b,234a,234bに入り込んだ遊技球のみを自身の回転に伴って払出通路236へと誘導する構成となっている。この場合に、一方の球止め部233に形成された凹部233a,233bの回転方向の位置と、他方の球止め部234に形成された凹部234a,234bの回転方向の位置とが異なるように設定されている。具体的には、各球止め部233,234において一対の凹部233a,233b,234a,234bは180度間隔で形成されているとともに、各球止め部233,234間においては各凹部233a,233b,234a,234bが90度間隔で存在するように形成されている。これにより、払出通路236には、回転体231の回転に伴って遊技球が1個ずつ導出されることとなる。
払出通路236には、当該払出通路236を通過する遊技球を1個ずつ検知するための払出検知センサ237の検知領域237aが存在している。当該検知領域237aは払出検知センサ237における箱状の本体部237bの一端に設けられており、当該本体部237bの他端側には、図16(a)に示すように、コネクタ237cが設けられている。この本体部237bにおいてコネクタ237cが設けられた側は、駆動収容部223内に入り込んでおり、当該駆動収容部223内に収容されている。
ちなみに、駆動収容部223には払出検知センサ237における検知結果を払出制御装置116に送信するための信号経路を構成する中継基板239が収容されている。この中継基板239は、払出モータ235への駆動信号を払出制御装置116から送信するための信号経路も構成している。
ここで、図13に示すように、駆動収容部223を構成する払出ケース221cは、通路形成部222を構成する払出ケース221bに対して、挿通孔221dを介して、遊技機本体12の回動基端側からネジ止めされている。また、このネジ止めは、螺着後においてネジ穴が形成された箇所の分離を可能として、螺着に際して利用した工具による固定解除操作を不可とするワンウェイネジ221eにより行われている。つまり、駆動収容部223内の開放を不可又は開放しづらい構成となっている。
払出検知センサ237にて検知された遊技球は、入口部分が上方に向けて開放されているとともに払出通路236に連通するようにして形成された下流側縦通路ユニット185の誘導通路238に導入される。そして、当該誘導通路238を通過することで、最終的に上皿83a又は下皿84aに排出される。
次に、払出装置184の設置に関する構成について、図13を参照しながら説明する。
払出ユニット113の各構成部品181〜185のうち、図13に示すように、タンク181、横通路ユニット182、上流側縦通路ユニット183及び下流側縦通路ユニット185は、裏パック101に対して個別に固定されているが、払出装置184は個別に裏パック101に固定されているのではなく、上流側縦通路ユニット183に固定されている。
詳細には、上流側縦通路ユニット183の裏側ハウジング部材204は、表側ハウジング部材203よりも下方に延長させて延長板部241が形成されている。延長板部241は、裏側ハウジング部材204においてパチンコ機10前方を向く面から連続する背板部242と、裏側ハウジング部材204においてパチンコ機10の中央側を向く面から連続する側板部243と、これら背板部242及び側板部243の下端から連続するとともに上方を向く面を有する底板部244とが一体形成されてなる。この延長板部241により、パチンコ機10後方に向けて開放されているとともに、裏パックユニット15の回動基端側、すなわち遊技機本体12の回動基端側に向けて開放された払出装置184の設置領域245が形成されている。
表側ハウジング部材203においてパチンコ機10後方を向く面であって、設置領域245に対して上方にて隣接する箇所には、パチンコ機10後方に向けて起立させて、払出固定手段の一部を構成する固定用ボス246が一体形成されている。当該固定用ボス246には、軸線方向が横方向となり且つ遊技機本体12の回動基端側に向けて開放されたネジ孔246aが形成されている。固定用ボス246に対応させて払出装置184の払出ハウジング221には、その上面から上方に起立させて、上記払出固定手段の一部を構成する固定用フランジ247が一体形成されている。固定用フランジ247には軸線方向が横方向となるように貫通孔247aが形成されている。
固定用フランジ247は、固定用ボス246に対して回動基端側から当接している。また、固定用ボス246のネジ孔246aと固定用フランジ247の貫通孔247aとが同一軸線上に配置されている。この状態において、上記払出固定手段の一部を構成する固定具としてのネジ248が、回動基端側から螺着されていることにより、払出装置184が設置領域245に固定されている。
次に、払出装置184の設置作業及び取り外し作業について説明する。
払出装置184の設置作業に際しては、先ず、遊技機本体12を外枠11に対して回動させた状態で、設置領域245に対面する位置から、当該設置領域245においてパチンコ機10後方に開放された後方開放部を介して払出装置184を設置領域245に配置する。この場合、延長板部241には上記のとおり背板部242、側板部243及び底板部244が形成されているため、払出装置184を設置領域245内に配置した状態で払出装置184から手を離しても、払出装置184が設置領域245に配置された状態が保持される。
この場合、背板部242及び側板部243が払出装置184の位置決め部として機能し、払出ハウジング221の所定の面をそれぞれ背板部242及び側板部243に当接させることで、固定用ボス246に固定用フランジ247が回動基端側から当接し、固定用ボス246のネジ孔246aと固定用フランジ247の貫通孔247aとが同一軸線上に配置された状態となる。この状態において、貫通孔247aを介してネジ孔246aに対して、ネジ248を回動基端側から螺着することで、払出装置184が設置領域245に固定され、当該払出装置184の設置作業が完了する。
上記のように払出装置184の設置に際しては、背板部242、側板部243及び底板部244が仮保持部として機能するため、払出装置184の固定に際して回動基端側からのネジ248の固定操作を行う必要があるとしても、設置作業の作業性を向上させることが可能となる。また、背板部242、側板部243及び底板部244は位置決め部としても機能するため、この点からも、払出装置184の固定に際して回動基端側からのネジ248の固定操作を行う必要があるとしても、設置作業の作業性を向上させることが可能となる。さらにまた、設置領域245はパチンコ機10後方に向けて開放されており、その開放された部位から設置領域245内に払出装置184を設置することが可能となっている。この点からも、払出装置184の固定に際して回動基端側からのネジ248の固定操作を行う必要があるとしても、設置作業の作業性を向上させることが可能となる。
一方、メンテナンス時といったように払出装置184を取り外す必要がある場合には、先ず遊技機本体12を外枠11に対して回動させる。この際、払出装置184は遊技機本体12の回動基端側に設けられているとともに当該払出装置184を固定するためのネジ248の頭部は回動基端側を向いているため、ネジ248の頭部へのアクセスを可能とするためには遊技機本体12を大きく回動させる必要がある。
その後、ネジ248の固定を解除するための工具をネジ248に対して回動基端側から近付け、ネジ248の固定解除操作を行う。これにより、払出装置184を設置領域245から取り外すことが可能となる。この場合に、上記のとおり延長板部241の背板部242、側板部243及び底板部244が仮保持部として機能するため、払出装置184を手で抑えておく必要がない。そして、払出装置184に対して裏パックユニット15の正面側から対峙する位置から払出装置184を引き抜くことで、当該払出装置184の取り外し作業が完了する。
上記のように払出装置184の取り外しに際しては、回動基端側から固定解除操作を行う必要があるため、払出装置184を不正に取り外そうとしても、その行為が行いづらくなっている。特に、回動基端側に払出装置184が設けられた構成において回動基端側から固定解除操作を行う必要がある構成としたことにより、払出装置184を不正に取り外そうとしても、外枠11に対して遊技機本体12を大きく回動させる必要が生じるため、当該不正行為の途中において遊技ホールの管理者がそれを発見し易くなる。
ちなみに、払出装置184を上流側縦通路ユニット183に設置する構成としたことにより、払出装置184と上流側縦通路ユニット183とを個別に裏パック101に固定する構成に比べて、位置合わせ精度の向上が図られる。
次に、横通路ユニット182に設けられた整流カバー197について、図17を参照しながら詳細に説明する。
図17は、払出ユニット113の待機通路において遊技球が待機している状態を示す払出ユニット113の縦断面図である。なお、図17では、第1待機通路及び第2待機通路のうち第1待機通路内の構成を示しているとともに、説明の便宜上、払出装置184の切断面は横通路ユニット182及び上流側縦通路ユニット183の切断面に対して直交する方向の切断面となっている。
払出装置184に設けられた回転体231の回転が停止されている状況では、第1球止め部233に対して上方から接している遊技球を先頭にした遊技球列が、第1下流通路領域224a、第1中間通路領域201a及び第1上流通路領域191aから構成される第1待機通路251内に形成される。当該遊技球列は、タンク181から続く第1上流通路領域191aにおいて一列に整列される。つまり、既に説明したように、第1上流通路領域191aに対しては、横通路ユニット182に対して回動可能に支持された積層規制部材196が設けられているとともに、当該積層規制部材196の下流側に整流カバー197が設けられている。
積層規制部材196では、それよりも上流側において例えば3個以上の遊技球が積層された状態を、積層個数が最大で2個となるように遊技球の整流が行われる。具体的には、積層規制部材196は、上端部分を軸支されており、外力が加えられていない自然状態においては、縦断面が円形で曲面上の周面を有する規制部196aが回動軸196bに対して真下の位置に配置される。この場合、規制部196aと第1上流通路領域191aの底面252との間の距離は、遊技球2個分よりも小さい距離であって遊技球1個分(遊技球の直径分)よりも若干大きい程度となっている。これにより、積層規制部材196よりも上流側において第1待機通路251内の遊技球列に3個分以上の遊技球が積層されていたとしても、規制部196aの重みによる規制力により、積層個数が最大で2個となる。また、規制部196aは2段目の遊技球に下流側から当接し、当該遊技球に対して上流側であって下方に向けた力を付与する。但し、この力は、2段目の遊技球を、1段目の遊技球列において通路方向に連続する遊技球の当接を解除させるほど入り込ませることがない程度となっている。これにより、2段目の遊技球は、1段目において連続する2個の遊技球の両方に対して斜め上方から当接した位置に配置される。
なお、第2上流通路領域191bは第1上流通路領域191aと同一の通路形状をなしており、さらに積層規制部材196は第1上流通路領域191a及び第2上流通路領域191bの両方に亘って形成されている。そして、第1上流通路領域191aの遊技球列に生じるとして説明した積層規制部材196の作用は第2上流通路領域191bの遊技球列に対しても生じる。
整流カバー197は、第1上流通路領域191aの最下流部から連続している遊技球を整流カバー197の上方から視認可能とする程度の透明性を有するように、具体的には無色透明となるようにポリカーボネートなどの合成樹脂により形成されている。整流カバー197は、第1上流通路領域191aの途中位置、詳細には積層規制部材196が設けられた位置よりも下流側から、第1中間通路領域201aとの連通箇所に亘って存在するように設けられている。
整流カバー197の底面253は、整流カバー197の最上流部から通路方向の途中位置に亘って、第1上流通路領域191aの底面252よりも傾斜が大きい下り傾斜となる天井傾斜面として形成された傾斜面253aを備えている。また、整流カバー197の底面253は、傾斜面253aに対して下流側にて連続するとともに第1上流通路領域191aの底面252に対して平行又は略平行となるように形成された連続面253bと、を備えている。
連続面253bと第1上流通路領域191aの底面252との間の距離は、遊技球1個分よりも若干大きい程度となっている。その一方、傾斜面253aと第1上流通路領域191aの底面252との間の距離は、整流カバー197の最上流部において、遊技球2個までの積層は可能とする距離、具体的には、遊技球2個分と同一又はそれよりも若干大きい程度となっている。そして、傾斜面253aは連続面253bに向けて、当該傾斜面253aと第1上流通路領域191aの底面252との間の距離を連続的に減少させるように傾斜させて形成されており、傾斜面253aの最下流部は連続面253bに連続している。
上記のように整流カバー197が形成されていることにより、第1待機通路251内に形成された遊技球列が積層規制部材196の下流側において2個の遊技球が積層されていたとしても、その上側に位置する遊技球は遊技球列の下流側への移動に伴って整流カバー197の傾斜面253aに上流側から当接する。これにより、当該上側の遊技球の高さ位置が除々に第1上流通路領域191aの底面側へと変位され、最終的に当該上側の遊技球は第1上流通路領域191aの底面252上に載ることとなる。よって、第1待機通路251内に形成されている遊技球列は、整流カバー197の傾斜面253aよりも下流側においては一列に整列された状態となる。
なお、整流カバー197は第1上流通路領域191a及び第2上流通路領域191bの両方に亘って形成されており、第1上流通路領域191aの底面252に対する傾斜面253a及び連続面253bの位置関係は、第2上流通路領域191bの底面に対する傾斜面253a及び連続面253bの位置関係と同一となっている。これにより、第1上流通路領域191aの遊技球列に生じるとして説明した整流カバー197の作用は、第2上流通路領域191bの遊技球列に対しても生じる。
次に、整流カバー197内における球詰まりを生じづらくするための構成について、図17に加えて、図18(a),(b)を参照しながら説明する。
図18(a)は、回転体231が停止している状況において第1待機通路251内の遊技球列における先頭の遊技球B1(図17参照)が最も下方に位置する状態(以下、第1の状態という)である。この場合、第1待機通路251において傾斜面253aの最上流部よりも下流側の通路長及び当該傾斜面253aの傾きは、第1上流通路領域191aの底面252上において通路方向に連続するように一列に整列された遊技球列に積層された2段目であって最も先頭に位置している遊技球B2が傾斜面253aに対して上流側から接しないように設定されている。
ちなみに、第1上流通路領域191a、第1中間通路領域201a及び第1下流通路領域224aは、上記第1の状態において基本的に1列に整列された遊技球列の各遊技球の位置が概ね同一の位置となるように形成されている。但し、若干の位置ずれが生じ得るが、その位置ずれを加味したとしても、第1の状態では、2段目の遊技球であって最も先頭に位置している遊技球B2が傾斜面253aに対して上流側から接しないように、上記通路長及び傾斜面253aの傾きが設定されている。また、既に説明したとおり、積層規制部材196の作用により、2段目の遊技球は1段目において連続する2個の遊技球の両方に対して斜め上方から当接した位置に配置されるため、1段目の遊技球列を構成する各遊技球の位置が上記のように概ね定まれば、2段目の遊技球の位置も概ね定まる。
一方、図18(b)は、回転体231が停止している状況において第1待機通路251内の遊技球列における先頭の遊技球B1が最も上方に位置する状態(以下、第2の状態という)である。当該第2の状態では、図17に示すように、先頭の遊技球B1の位置は、第1の状態と比べて、遊技球1個分よりも短い分、具体的には、遊技球の半径分、上方の位置となる。そうすると、図18(b)に示すように、2段目であって最も先頭に位置している遊技球B2と、傾斜面253aとの間の距離は第1の状態に比べて広くなる。
但し、このように両者の距離が広くなった構成であっても、2段目であって最も先頭に位置している遊技球B2と、傾斜面253aとの間の距離は、両者の間に遊技球の入り込みを不可とする距離に設定されている。よって、第2の状態では、図18(b)に示す状態となる。
ここで、回転体231は、遊技球の払出を実行すべき状態となった際に所定方向の回転(正回転)が開始されて、予め定められた数の遊技球が払い出されたことが払出検知センサ237にて検知されたことに基づき停止される。この場合に、回転体231を停止させる際には、2段目であって最も先頭に位置している遊技球B2が傾斜面253aに当接していない回転位置となるように払出制御装置116により停止制御される。この停止させる際の回転位置は、パチンコ機10の設計段階において実験などを通じて定められている。そして、払出モータ235がステッピングモータであり、払出制御装置116が、出力軸235aの回転位置、すなわち回転体231の回転位置をステップ数で制御する構成では、予め定められた回転位置であって、払い出すべき個数を超えた遊技球の払い出しが実行されない範囲で回転体231が停止するように、払出制御装置116においてステップ数を制御する。
ちなみに、回転体231が1周する度に、それを払出制御装置116にて把握できるようにして、その基準回転位置との関係で停止させる際のステップ数が定められている構成としてもよい。この場合、回転体231の回転位置が基準回転位置となっていることを払出制御装置116にて特定するための検知手段を払出装置184に設けることが好ましく、例えば、フォトセンサ及びカット板の一方を回転体231に設けるととともに、他方を払出ハウジング221において回転体231と一体的に回転しない側に設ける構成が考えられる。また、上記予め定められた回転位置は、上記第1の状態となる位置又は上記第2の状態となる位置として定められていてもよく、上記第2の状態となる位置から上記第1の状態となる位置までの間の位置として定められていてもよい。
次に、回転体231の回転が開始された場合における上記2段目の遊技球B2の動きについて、図19(a)〜図19(c)を参照しながら説明する。図19(a)〜(c)は2段目の遊技球B2の動きを説明するための説明図であって、図19(a)→図19(b)→図19(c)の順に遊技球列の状態が遷移していくこととなる。
上記第1の状態で回転体231の回転が開始された場合には、図19(a)の状態から遊技球列の下流側に向けた移動が開始される。また、上記第2の状態で回転体231の回転が開始された場合には、遊技球列の下流側に向けた移動の過程で、図19(a)の状態となる。
図19(a)の状態から遊技球列の下流側に向けた移動が継続されることで、図19(b)に示すように、2段目であって最も先頭の遊技球B2が傾斜面253aに対して下流側から当接する。この際、当該遊技球B2に対して傾斜面253aからの下方に向けた押圧力の付与が開始されることとなる。
その後、図19(c)に示すように、2段目であって最も先頭に配置されていた遊技球B2は、1段目の遊技球列において当該遊技球B2が当初接していた連続する遊技球B3,B4のうち、前側の遊技球B3と後側の遊技球B4との間に入り込む。これにより、整流カバー197において球詰まりを生じさせることなく、1列の遊技球列が形成される。
例えば、回転体231が停止している状況で、1段目の遊技球列において接した状態で連続する遊技球B3,B4の両方に上方から接している遊技球B2が傾斜面253aに対して上流側から接している構成を想定すると、回転体231が開始された際に、1段目において後側の遊技球B4と、傾斜面253aとの間に、上記2段目の遊技球B2が嵌り込んだ状態となり、球詰まりが発生してしまうことが懸念される。これに対して、本パチンコ機10のように、回転体231が停止している状況では、上記2段目の遊技球B2が傾斜面253aに接していないようにすることで、当該2段目の遊技球が傾斜面253aに接した際の摩擦力が動摩擦力となり、上記例示した場合の静摩擦力に比べて摩擦力が小さくなる。よって、図19(a)〜図19(c)にて示したように、球詰まりが生じづらくなっている。
なお、当該球詰まりの発生をより積極的に抑える上では、整流カバー197を低摩擦材料により形成する、又は傾斜面253aに低摩擦化用のコーティングを施すといったように、低摩擦用の構造を付与するとよい。この場合であっても、回転体231が停止している状況における2段目の遊技球B2と、傾斜面253aとの関係を図18(a)及び図18(b)のように設定することで、低摩擦用の構造が付与されている構成において、球詰まりの発生をより確実に抑えることが可能となる。
ここで、上記のように説明した球詰まり発生の抑制効果は、第1待機通路251に対してだけでなく、第2待機通路に対しても奏される。この場合に、第1待機通路251と第2待機通路とは、上流側では前後に並設されているが、下流側では横方向に並設された状態となる。このため両者の通路形状は相違しているが、第2待機通路の通路長は、第1待機通路251における通路の状態が第1の状態では、第2待機通路における通路の状態が第2の状態となり、第1待機通路251における通路の状態が第2の状態では、第2待機通路における通路の状態が第1の状態となるように設定されている。つまり、第2待機通路においても、回転体231が停止している状況では2段目の遊技球が整流カバー197の傾斜面253aに接していない状態となるように構成されている。そして、この第2待機通路の通路長の設定は、第2中間通路領域201bの延長領域201dを利用して行われている。
<電気的構成>
主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板301と、電源を監視する停電監視基板302と、を具備している。主制御基板301には、MPU303が搭載されている。MPU303には、ROM304及びRWM305が内蔵されている。
ROM304は、MPU303により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM305は、ROM304内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU303又は主制御基板301には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
MPU303には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU303の入力側及び出力側には、各種制御装置が接続されているとともに、各種センサ、各種駆動部及び各種表示部が接続されている。先ず各種センサ、各種駆動部及び各種表示部との接続に係る構成について説明する。
MPU303の入力側には、遊技領域の一般入賞口51、可変入賞装置52、上作動口53、下作動口54及びスルーゲート55に対して設けられた各入賞用検知センサ306a〜306eが電気配線を介して電気的に接続されている。MPU303では、各入賞用検知センサ306a〜306eから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。この場合、一般入賞口51、可変入賞装置52、上作動口53又は下作動口54への入賞を特定した場合には、各入賞対象に対応した遊技球の払い出しが実行されるようにするための処理を実行する。また、上作動口53又は下作動口54への入賞を特定した場合には、所定の更新タイミングとなる度に数値情報の更新が行われる各種カウンタから数値情報を取得して保留情報として記憶するとともに、保留情報が記憶されている場合には、可変入賞装置52が複数回に亘って開閉される開閉実行モードに移行させるか否かの当否判定や当該開閉実行モード後の遊技状態を決定するための振分判定を行う。そして、それら当否判定や振分判定の結果に基づいて、遊技を進行させる。
MPU303の出力側には、可変入賞装置52を開閉動作させる可変入賞駆動部52aと、下作動口54の電動役物54aを開閉動作させる電動役物駆動部54bと、が電気配線を介して電気的に接続されている。また、MPU303の出力側には、メイン表示部57と、役物用表示部58と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板301には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU303は各種駆動部52a,54bの駆動制御を実行するとともに各種表示部57,58の表示制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置52が開閉されるように、MPU303において可変入賞駆動部52aの駆動制御が実行される。また、電動役物54aの開放状態当選となった場合には、電動役物54aが開閉されるようにMPU303において電動役物駆動部54bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU303においてメイン表示部57の表示制御が実行される。また、電動役物54aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU303において役物用表示部58の表示制御が実行される。
払出制御装置116は、払出装置184を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板311を具備している。払出制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、ROM313及びRWM314が内蔵されている。なお、以下の説明では、主制御装置91に設けられたMPU303、ROM304及びRWM305と区別するために、主制御装置91に設けられたMPU303、ROM304及びRWM305を主側MPU303、主側ROM304及び主側RWM305と称し、払出制御装置116に設けられたMPU312、ROM313及びRWM314を払出側MPU312、払出側ROM313及び払出側RWM314と称する。
払出側ROM313は、払出側MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。払出側RWM314は、払出側ROM313内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出側MPU312又は払出制御基板311には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
払出側MPU312は払出装置184と電気的に接続されている。具体的には、払出側MPU312の出力側には払出モータ235が電気配線を介して電気的に接続されているとともに、払出側MPU312の入力側には払出検知センサ237が電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU312では、払出制御基板311に設けられたドライバ回路を通じて払出モータ235に駆動信号を供給することで遊技球の払出を実行させるとともに、払出検知センサ237の検知結果に基づいて払出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU312は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板118と電気配線を通じて電気的に接続されているとともに、当該球貸用接続端子板118が電気配線を通じて球貸装置Yと電気的に接続されている。
球貸装置Yは所謂CRユニットであり、図示による説明は省略するが外枠11の側方に設けられており、球貸装置Yの前面側にはカード挿入口が設けられている。そのカード挿入口へのカードの挿入を行うとともに、パチンコ機10に設けられた貸球操作装置(図示略)を適宜手動操作することによりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。払出側MPU312は、球貸装置Yとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
なお、払出側MPU312には上記払出装置184や球貸装置Y以外にも、下皿84aといった球受け皿が遊技球の満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサが電気的に接続されているとともに、タンク181が球無状態となっているかを検知する球無センサ209が電気的に接続されている。
払出側MPU312は、主側MPU303との間で通信を行うことに基づき、遊技球の払出を制御する。具体的には、主側MPU303では入賞用検知センサ306a〜306eの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU312に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信する。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報及び賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。当該賞球コマンドを受信することで、払出側MPU312は、その賞球コマンドにより指示された個数の遊技球が払い出されるように払出モータ235を駆動制御する。そして、払出検知センサ237の検知結果に基づいて、上記指示に係る個数の遊技球の払い出しが完了したと判断した際には、払出モータ235の駆動制御を停止する。この際、払出モータ235に接続されている回転体231の回転位置は既に説明した位置となるように制御される。
電源装置117は、電入時用電源部321と、電断時用電源部322とが設けられている。電入時用電源部113は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置91や払出制御装置116等の各々に必要な動作電圧を生成するとともに、その生成した動作電圧を主制御装置91や払出制御装置116等に対して供給する。
電入時用電源部321と主側MPU303との電力供給経路の途中位置には停電監視基板302が設けられている。停電監視基板302は、電入時用電源部321から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主側MPU303に対する停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。
電断時用電源部322はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部321から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部322から放電され主側RWM305や払出側RWM314に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部322から記憶保持用電力が供給されている間は主側RWM305及び払出側RWM314に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
発射制御装置121には、発射制御基板122が設けられている。発射制御基板122には、条件成立の送信回路331と、発射許可の受信回路332と、発射用IC124aと、が設けられている。
条件成立の送信回路331は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU303に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御基板122は、発射操作装置31の操作ハンドル33が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ35と、操作ハンドル33を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される発射止めスイッチ36と、が電気的に接続されている。また、発射制御基板122は、払出制御基板311と電気的に接続されており、球貸装置Yが球貸用接続端子板118に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路331は、タッチセンサ35から操作ハンドル33が遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止めスイッチ36から遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU312から球貸装置Yが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU303に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU303に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、かかる構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路332は、条件成立の送信回路331から主側MPU303に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU303から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信するとともに、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC124aに継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU303は、条件成立の送信回路331からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU303は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC124aは、発射許可の受信回路332からHIレベルの発射許可信号又はそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構41のソレノイド42及び球送り装置44のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。この場合、発射用IC124aは、パルス信号として各駆動信号を出力するとともに、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール43に1個の遊技球が供給された後に、当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置44の方がソレノイド42よりも早く設定されている。
なお、発射操作装置31には上記のとおり操作ハンドル33が設けられており、当該操作ハンドル33の操作量が多いほどソレノイド42による遊技球の発射強度が強くなる。この場合、発射操作装置31には操作ハンドル33の操作量を検知するための可変抵抗器34が設けられており、発射用IC124aでは当該可変抵抗器34から入力する電圧を通じてソレノイド42に供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。
音声発光制御装置93は、主側MPU303から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部81及びスピーカ部82を駆動制御するとともに、表示制御装置92にコマンドを送信する。表示制御装置92は、音声発光制御装置93から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置62における画像の表示を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
タンク181の出口部分から払出装置184の回転体231の位置に亘って設けられた待機通路に、下り傾斜させて形成された上流通路領域191a,191bが形成されていることにより、タンク181から流下してくる遊技球の重量負荷を良好に受けながら、遊技球を下流側へと整列させていくことが可能となる。そして、この整流効果は、整流カバー197が設けられていることにより高められている。
この場合に、待機通路において整流カバー197の傾斜面253aの最上流部に対応する位置までの通路長及び当該傾斜面253aの傾きは、各上流通路領域191a,191bの底面上に一列に整列された遊技球列に対して積層された2段目であって最も先頭に位置している遊技球B2が傾斜面253aに対して上流側から接しないように設定されている。
例えば、回転体231が停止している状況で、1段目の遊技球列において接した状態で連続する遊技球B3,B4の両方に上方から接している遊技球B2が傾斜面253aに対して上流側から接している構成を想定すると、回転体231が開始された際に、1段目において後側の遊技球B4と、傾斜面253aとの間に、上記2段目の遊技球B2が嵌り込んだ状態となり、球詰まりが発生してしまうことが懸念される。これに対して、回転体231が停止している状況では、上記2段目の遊技球B2が傾斜面253aに接していないようにすることで、当該2段目の遊技球が傾斜面253aに接した際の摩擦力が動摩擦力となり、上記例示した場合の静摩擦力に比べて摩擦力が小さくなる。よって、球詰まりが生じづらくなっている。
また、整流カバー197よりも上流側には積層規制部材196が設けられており、当該積層規制部材196では、それよりも上流側において例えば3個以上の遊技球が積層された状態を積層個数が最大で2個となるように整流が行われる。これにより、遊技球の積層数を段階的に減少させることが可能となる。さらにまた、積層規制部材196の規制部196aは、2段目の遊技球に下流側から当接し、当該遊技球に対して上流側であって下方に向けた力を付与する。これにより、1段目において一列に整列している遊技球列に対して積層された2段目の遊技球は、1段目において連続する2個の遊技球のそれぞれに対して斜め上方から当接した位置に配置される。
払出装置184が遊技機本体12の背面にてその回動基端側に設けられた構成において、当該払出装置184の取り外しに際しては、回動基端側から固定解除操作を行う必要がある。これにより、払出装置184を不正に取り外そうとしても、その行為が行いづらくなっている。特に、回動基端側に払出装置184が設けられた構成において回動基端側から固定解除操作を行う必要がある構成としたことにより、払出装置184を不正に取り外そうとしても、外枠11に対して遊技機本体12を大きく回動させる必要が生じるため、当該不正行為の途中において遊技ホールの管理者がそれを発見し易くなる。
タンク181の出口部分から払出装置184の回転体231の位置に亘って形成される待機通路として、第1待機通路及び第2待機通路という複数の通路が設けられていることにより、遊技球の払出動作の高速化が図られる。また、回転体231の各球止め部233,234は単一の払出モータ235により駆動されるため、これら球止め部233,234に対して個別に払出モータを設ける構成に比べて払出装置184の小型化が図られる。
ここで、払出モータ235は、複数の待機通路のそれぞれから遊技球の重量負荷を受けている状態で、一対の球止め部233,234を同時に回転させる駆動力を生じさせる必要があるため、払出モータ235の本体部235bは比較的大型となり、軸方向の寸法はそれに対して直交する方向よりも大きくなる。さらにまた、払出モータ235の本体部235bは、通路形成部222に対して、第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bの並設方向に並設する必要がある。そうすると、払出装置184は上記並設方向の寸法が、当該並設方向及び高さ方向に直交する方向の寸法に比べて大きくなる。これに対して、払出装置184において第1下流通路領域224a及び第2下流通路領域224bが横方向に並設されているとともに、通路形成部222に対して駆動収容部223は横方向に並設されている。これにより、パチンコ機10背面において後方に向けて払出装置184が大きく張り出してしまうことを抑えながら、払出装置184を配置することが可能となる。
また、第1待機通路及び第2待機通路は、タンク181に連通された箇所から下り傾斜させて設けられた上流通路領域191a,191bを備えていることにより、これら待機通路に待機する遊技球の球圧を好適に低減することが可能となる。また、これら上流通路領域191a,191bは横方向に下り傾斜させて設けられているとともに、前後に並設されているため、これら上流通路領域191a,191bを設けるための空間の縮小化が図られる。当該構成において、第1待機通路及び第2待機通路には、第1待機通路及び第2待機通路を前後に並設させた状態から横方向に並設させた状態へ遷移させる遷移領域を有する中間通路領域201a,201bが形成されている。これにより、待機通路の上流側では遊技球の減圧を良好に行いながら、既に説明したように払出装置184がパチンコ機10背面において後方に向けて大きく張り出してしまうことが抑えられる。
また、通路形成部222に対して駆動収容部223を横方向に並設する場合において、当該駆動収容部223は通路形成部222に対して遊技機本体12の回動基端側に並設される。駆動収容部223には、払出モータ235の本体部235bだけでなく、払出検知センサ237のコネクタ237cや、払出制御装置116に対して電気的な接続を行うための中継基板239が収容されているため、不正の対象となることが想定される。これに対して、遊技機本体12の背面にてその回動基端側に払出装置184が設けられた構成において、駆動収容部223を回動基端側に配置することで、払出検知センサ237のコネクタ237cや、中継基板239に対する不正を抑制することが可能となる。
主制御装置91と発射制御装置121とが個別に設けられていることにより、発射制御装置121の機能が主制御装置91に集約される構成に比べて、主制御装置91の制御負荷の軽減が図られる。また、主制御装置91と発射制御装置121とが個別に設けられていることで、それぞれにとって適した位置にそれら制御装置91,121を配置することが可能となる。この場合に、発射制御装置121は、樹脂ベース21において遊技球発射機構41が表面に設置された下枠領域141の背面に設置されているため、当該発射制御装置121を遊技者が簡単に触れることができないようにしつつ、発射制御装置121と遊技球発射機構41とを電気的に接続するための電気配線152a,152dの短縮化が図られる。よって、発射制御装置121の設置を良好に行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)図21(a)には、待機通路の変形例を示す。本構成では、払出装置341の回転体342へと遊技球を導く下流通路領域343が下り傾斜させて形成されているため、待機通路において待機している遊技球列から回転体342に付与される重量負荷が低減される。また、通常の遊技球の払い出し時(すなわち、払出異常を原因とした異常用動作時以外)では、下流通路領域343に待機している遊技球から受ける重量負荷を逃がす方向に回転するように回転体342が駆動制御される。具体的には、回転体342において下流通路領域343に近い位置を通過する領域は、下流通路領域343の傾斜方向における横方向の成分の向きと同一の向きへと移動していくように、通常の遊技球の払い出し時における回転体342の回転方向が設定されている。これにより、回転体342の通常時の回転に際しての駆動力の低減が図られる。
なお、回転体342の異常用動作時には、回転体342は逆方向に回転することとなるが、当該異常用動作が発生する機会は通常時の動作頻度と比べて極端に低いものとなっている。
(2)図21(b)は、図21(a)のさらなる変形例を示す。本構成では、払出装置351の回転体352へと導く下流通路領域353,354はいずれも下り傾斜させて形成されているため、各待機通路において待機している遊技球列から回転体352に付与される重量負荷が低減される。また、通常の遊技球の払い出し時では、両下流通路領域353,354のうち傾斜が大きい下流通路領域353に待機している遊技球から受ける重量負荷を逃がす方向に回転するように回転体352が駆動制御される。具体的には、回転体352において傾斜が大きい下流通路領域353に近い位置を通過する領域は、当該下流通路領域353の傾斜方向における横方向の成分の向きと同一の向きへと移動していくように、通常の遊技球の払い出し時における回転体352の回転方向が設定されている。これにより、回転体352の通常時の回転に際しての駆動力の低減が図られる。
(3)タンク181の出口部分から払出装置184の回転体231の位置に亘って形成された待機通路において球詰まりの発生を抑制しながら遊技球の整列を良好に行えることができるという傾斜面253aの機能に着目した場合、待機通路は2列に限定されることはなく、3列以上であってもよく、一列であってもよい。また、当該機能を発揮する待機通路及び傾斜面253aの構成は、タンク181から流下してきた遊技球であって遊技者に払い出すための遊技球が待機する通路以外の待機通路に対して適用してもよい。
例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体の前面側に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機において、貯留部から取込装置へと続く待機通路に対して適用してもよい。この場合、取込装置における遊技球の取込を良好に行えるようにしながら、球詰まりの発生を抑制できる。
(4)払出装置184を固定するために利用されるネジ248の頭部に対して回動基端側から対向する対向板部を、外枠11に設けてもよい。この場合、払出装置184を取り外すためには、外枠11に対して遊技機本体12を回動させる必要が生じる。
(5)設置領域245と払出装置184とに、ネジ248による固定を行わなくても、設置領域245に設置された払出装置184の変位を規制する仮止め構造を設けてもよい。例えば、設置領域245及び払出装置184の一方に係止部としてフック部を設けるとともに、他方に係止受け部としてフック受け部を設ける。これにより、設置領域245に払出装置184を固定する際にネジ248の螺着操作を回動基端側から行う必要がある構成において、払出装置184の設置作業の作業性を向上させることが可能となる。
(6)設置領域245に固定用ボス246が設けられており、払出装置184に固定用フランジ247が設けられている構成に限定されることはなく、払出装置184に固定用ボス246が設けられており、設置領域245に当該固定用ボス246に対して遊技機本体12の回動基端側から並設される固定用フランジ247が設けられている構成としてもよい。
(7)払出装置184に設けられる球止め手段は、回転体231に限定されることはなく、下流通路領域224a,224bの下流側に出没する開閉部材や、開口部と閉塞部とがスライド移動方向に並設されたゲート部材であってもよい。
前者の開閉部材であっても、各開閉部材が軸部を中心に回動することで出没動作する構成とするとともに、当該軸部を回動させる駆動手段として単一の払出モータを設ける構成とし、当該軸部及び払出モータの軸線方向が横方向となるようにすれば、パチンコ機10背面における払出装置184の後方への張り出しを抑制することが可能となる。
また、後者のゲート部材であっても、一の待機通路に対応した開口部と閉塞部とは横方向に並設するとともに各待機通路に対応した開口部と閉塞部との組み合わせは前後方向に並設する。そして、駆動手段として、出力軸が横方向に往復動するように単一のソレノイドを設ける構成とすれば、パチンコ機10背面における払出装置184の後方への張り出しを抑制することが可能となる。
(8)払出ユニット113においてタンク181が設けられていることは必須ではなく、当該タンク181が不具備であってもよい。この場合、島設備側に接続された通路樋から上流通路領域191a,191bに遊技球が直接供給される構成としてもよい。
(9)第1待機通路及び第2待機通路はその途中で前後方向に並設された状態から横方向に並設された状態へ遷移されるのではなく、全体に亘って横方向に並設された構成としてもよく、少なくとも途中位置では前後方向にも横方向にも並設されておらず途中位置から最下流部に亘って横方向に並設される構成としてもよい。
(10)発射制御装置121の裏ケース体132において下枠領域141と対向する面に、例えば複数のリブを形成することで、前後方向の凹凸を形成してもよい。この場合、下枠領域141と発射制御装置121との間の隙間を介して主制御装置91側などへ不正用治具を挿入しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。特に、裏ケース体132において下枠領域141と対向する面と、下枠領域141において裏ケース体132と対向する背面との両方に前後方向の凹凸が形成されている場合には、上記のような挿入抑制効果が高められる。
(11)発射制御装置121において主制御装置91との間で通信を行うために利用される電気配線152e(特定配線)は、電源装置117ではなく、払出制御装置116に接続されている構成としてもよく、球貸用接続端子板118に接続されている構成としてもよく、さらには裏パックユニット15に設けられた他の中継基板に接続されている構成としてもよい。払出制御装置116に接続する場合、当該払出制御装置116において遊技球の払い出しを実行するための通信用の電気配線と、発射制御を実行するための通信用の電気配線とが、コネクタユニットとしてまとめて主制御装置91に接続される構成とするとよい。また、中継基板に接続する場合、遊技球の払い出しを実行するための通信用の電気配線と、発射制御を実行するための通信用の電気配線とを、コネクタユニットとしてまとめて主制御装置91に接続する構成としてもよく、これに加えて又は前者の通信用の電気配線に代えて、電源装置117による電力供給用の電気配線を、コネクタユニットとしてまとめて主制御装置91に接続する構成としてもよい。これらの構成であっても、裏パックユニット15の不正開放を、特定配線を利用して行いづらくすることが可能となるとともに、主制御装置91に設けられるコネクタの数を抑えることが可能となる。
(12)裏パック101の下部領域102aと、発射制御装置121との縦方向の対向は、発射制御装置121の上方にて行われる構成に限定されることはなく、それに加えて又は代えて、発射制御装置121の下方にて行われる構成としてもよく、発射制御装置121の縦方向の途中位置にて行われる構成としてもよい。
(13)発射制御装置121から延びる裏パックユニット15側に向けて延びる電気配線152e(特定配線)は、その長さ寸法が、裏パックユニット15の不正な開放操作を行いづらくするように設定されている構成に限定されることはなく、裏パックユニット15を開放操作するのに十分な長さ寸法を有しているが、途中の領域を束ねたりすることで、結果的に、裏パックユニット15の不正な開放操作が電気配線152eの存在によって行いづらくなっている構成としてもよい。なお、電気配線152eを通じて裏パックユニット15の不正な開放操作を行いづらくする上では、電気配線152eが接続されている場合には、少なくとも主制御装置91を取り外すことが可能な回動位置までの裏パックユニット15の回動が阻止される構成とすることが好ましい。
(14)発射制御装置121は、遊技球の発射に際して主制御装置91からの信号の受信を要しない構成としてもよい。この場合であっても、発射制御装置121から主制御装置91に向けて遊技球の発射中であることを示す信号が出力されるようにしてもよく、当該構成においては当該信号が裏パックユニット15に設けられた特定基板を介して主制御装置91側に送信される構成としてもよい。
また、発射制御装置121は、遊技球の発射に際して主制御装置91に向けた信号の送信を行わない構成としてもよい。この場合であっても、主制御装置91から発射制御装置121に向けて遊技球の発射を許可する信号や、遊技球の発射周期を調整するための信号が出力されるようにしてもよく、当該構成においては当該信号が裏パックユニット15に設けられた特定基板を介して発射制御装置121側に送信される構成としてもよい。
(15)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置62に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(16)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.所定領域に向けて誘導される遊技球が待機することとなる待機通路(第1待機通路191a,201a,224a、第2待機通路191b,201b,224b)と、
当該待機通路の下流側に設けられ、当該待機通路内の遊技球が下流側へ流下することを阻止又は許容する球止め手段(回転体231)と、
を備えた遊技機において、
前記待機通路は、所定方向に下り傾斜となるように形成された傾斜通路領域(第1上流通路領域191a、第2上流通路領域191b)を備えており、
当該傾斜通路領域においてその底面(底面252)の上方に設けられ、当該傾斜通路領域において積層されている遊技球に対して下流側から当接することで、それよりも下流側にて前記傾斜通路領域の底面上に遊技球が積層されることを規制する天井傾斜面(傾斜面253a)を備え、
遊技球の流下が阻止されている状態で前記球止め手段にて受けられている遊技球(遊技球B1)を先頭にして一列の遊技球列が前記天井傾斜面よりも上流側の位置に亘って形成されているとともに、当該天井傾斜面よりも上流側の位置にて当該遊技球列の上方に遊技球が積層されている状況において、その積層されている遊技球のうち最も流下方向の先側に位置している遊技球(遊技球B2)が前記天井傾斜面に接していない状態で前記待機通路内の遊技球が待機するように、前記待機通路及び前記天井傾斜面が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、天井傾斜面が設けられていることにより、傾斜通路領域において遊技球を一列に整列させることが可能となる。この場合に、球止め手段にて受けられている遊技球を先頭にして一列の遊技球列が天井傾斜面よりも上流側の位置に亘って形成されているとともに、当該天井傾斜面よりも上流側の位置にて当該遊技球列の上方に遊技球が積層されている状況において、その積層されている遊技球のうち最も流下方向の先側に位置している遊技球が天井傾斜面に接していない状態で待機通路内の遊技球が待機する。これにより、遊技球が下流側へ移動している過程で、積層されている遊技球が天井傾斜面に当接することとなり、当該積層されている遊技球が天井傾斜面に当接している状態で遊技球の下流側への移動が開始される構成に比べて、天井傾斜面と遊技球との間の摩擦力が小さくなる。したがって、天井傾斜面と遊技球列との間で球詰まりが生じてしまう可能性が低減され、待機通路における遊技球の整流を良好に行うことが可能となる。
特徴A2.前記積層されている遊技球のうち最も流下方向の先側に位置している遊技球は、前記傾斜通路領域の底面上に形成されている遊技球列のうち流下方向に連続する2個の遊技球(遊技球B3、遊技球B4)のそれぞれに対して上方から当接するように配置され、
前記球止め手段において遊技球の流下が許容された場合に、前記流下方向の先側に位置している遊技球が前記天井傾斜面に上流側から当接することで、前記連続する2個の遊技球の間に入り込むように、前記天井傾斜面が形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、天井傾斜面と遊技球列との間で球詰まりが生じてしまう可能性が低減される。
特徴A3.前記天井傾斜面よりも上流側に設けられ、前記遊技球列の上方に積層されている遊技球に対して上流側から当接することで、その積層されている遊技球が前記遊技球列において流下方向に連続する2個の遊技球のそれぞれに対して上方から当接する位置に配置されるようにする規制手段(積層規制部材196)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、天井傾斜面の上流側にて予備整流が行われるため、天井傾斜面における整流を良好に行うことが可能となる。
特徴A4.前記規制手段は、当該規制手段よりも下流側にて前記傾斜通路領域の底面上に3個の遊技球が積層されることを規制するものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、傾斜通路領域の底面上に積層される遊技球の数を段階的に減少させることが可能となり、遊技球の整流を良好に行うことが可能となる。
特徴A5.前記球止め手段は、遊技球の流下を阻止している状態において前記遊技球列の先頭に配置される遊技球の位置が所定の範囲内において変位し得る構成であり、
前記待機通路及び前記天井傾斜面は、前記遊技球列の先頭に配置される遊技球の位置が前記所定の範囲内で変位したとしても、前記遊技球列が前記天井傾斜面よりも上流側の位置に亘って形成されているとともに当該天井傾斜面よりも上流側の位置にて当該遊技球列の上方に遊技球が積層されている状況において、その積層されている遊技球のうち最も流下方向の先側に位置している遊技球が前記天井傾斜面に接していない状態で前記待機通路内の遊技球が待機するように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、球止め手段において遊技球の流下が阻止されている状態がいずれの状態であったとしても、天井傾斜面と遊技球列との間で球詰まりが生じてしまう可能性が低減され、待機通路における遊技球の整流を良好に行うことが可能となる。
特徴A6.前記待機通路は第1待機通路(第1待機通路191a,201a,224a)であるとともに当該第1待機通路に対して並設された第2待機通路(第2待機通路191b,201b,224b)を備え、
前記球止め手段は、前記第1待機通路の遊技球が下流側へ流下することを阻止又は許容し、さらに前記第2待機通路の遊技球が下流側へ流下することを阻止又は許容するものであり、
前記天井傾斜面は、前記第1待機通路の前記傾斜通路領域及び前記第2待機通路の前記傾斜通路領域の両方に対して設けられており、
前記第2待機通路は、前記天井傾斜面が設けられた位置よりも下流側の通路長が前記第1待機通路とは異なるように設定されており、
当該第2待機通路の通路長は、遊技球の流下が阻止されている状態で前記球止め手段にて受けられている遊技球を先頭にして一列の遊技球列が前記天井傾斜面よりも上流側の位置に亘って形成されているとともに、当該天井傾斜面よりも上流側の位置にて当該遊技球列の上方に遊技球が積層されている状況において、その積層されている遊技球のうち最も流下方向の先側に位置している遊技球が前記天井傾斜面に接していない状態で前記第2待機通路内の遊技球が待機するように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、待機通路が複数並設されているとともに両待機通路の通路長が相違しているとしても、天井傾斜面について同様の構成を利用して、それら待機通路のいずれについても球詰まりの発生を抑制することが可能となる。
特徴A7.上方に開放され、多数の遊技球を貯留するタンク(タンク181)を備え、
前記待機通路は、前記タンクの位置から前記球止め手段の位置に亘って設けられており、当該待機通路に待機する遊技球は、前記所定領域として遊技機前面の貯留部(上皿83a、下皿84a)に向けて払い出すための遊技球であることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、タンクには多数の遊技球が貯留されるため、待機通路に掛かる遊技球の重量負荷は大きなものとなる。この場合、球詰まりが発生し易くなるが、上記特徴A1の構成を備えていることにより、天井傾斜面と遊技球列との間で球詰まりが生じてしまう可能性が低減され、待機通路における遊技球の整流を良好に行うことが可能となる。
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、例えばパチンコ機内部にて遊技球を貯留するためのタンクを備えており、当該タンクには島設備から遊技球が供給される。タンクに貯留されている遊技球は、所定の通路を通じて、遊技機前面の貯留部へ誘導される。また、当該所定の通路の途中位置には払出装置が設けられている。
払出装置には回転体などの球止め手段が設けられており、当該球止め手段が通過を阻止している状況では当該球止め手段よりも上流側の待機通路にて遊技球が待機することとなる。その一方、球止め手段が通過を許容する状態となるように駆動されることで、待機通路にて待機している遊技球が貯留部に向けて払い出されることとなる。
ここで、球止め手段による遊技球の払い出しを良好に行う上では、一の待機通路において球止め手段に向けて遊技球が一列に並んでいることが好ましい。その一方で、タンクから待機通路への遊技球の流れを最初から一列に制限するとタンクの出口部分において球詰まりが発生してしまうことが懸念される。そうすると、一の待機通路の途中位置で一列となるように整流することが好ましい。しかしながら、その整流に際して球詰まりが発生してしまう可能性がある。
なお、以上の問題は、タンクから球止め手段へ向けた待機通路に限定されることはなく、所定方向に誘導される遊技球が待機することとなる待機通路を備える他の遊技機においても同様に発生する問題である。
<特徴B群>
特徴B1.横方向の一方側が回動基端側となるようにして支持側の対象(外枠11)に回動可能に支持される遊技機本体(遊技機本体12)と、
遊技機前面の貯留部(上皿83a、下皿84a)に向けた遊技球の払出を阻止又は許容する球止め手段(回転体231)、及び払い出される遊技球を検知する払出検知手段(払出検知センサ237)を有する払出装置(払出装置184)と、
を備え、
当該払出装置は、前記遊技機本体の回動基端側に設けられた設置箇所(設置領域245)に設置されており、
前記設置箇所に対して前記払出装置を固定するとともに、固定解除操作が行われることにより当該設置箇所に対する前記払出装置の固定を解除する固定手段(固定用ボス246、固定用フランジ247、ネジ248)を備え、
当該固定手段は、前記固定解除操作を当該固定手段に対して前記遊技機本体の回動基端側から行う必要があるように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、払出装置を不正に取り外そうとしても、遊技機本体の回動基端側に設けられた固定手段に対する固定解除操作を当該固定手段の回動基端側から行う必要がある。したがって、当該払出装置を不正に取り外そうとする行為を行いづらくすることが可能となる。
特徴B2.前記設置箇所は、少なくとも前記固定手段による固定が行われていない状態において前記払出装置の重量を受けることで当該払出装置が前記設置箇所に設置された状態を保持する保持部(底板部244)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、払出装置の設置や取り外しに際しては、固定手段による固定が行われていない状態であっても払出装置を設置箇所に保持させることが可能である。これにより、上記特徴B1の構成を備え、払出装置の取り外しを行いづらくした構成において、払出装置の正規の設置作業や取り外し作業の作業性が低下してしまうことを抑制できる。
特徴B3.前記固定手段は、前記設置箇所の周縁部に設けられた設置側固定部(固定用ボス246)と、前記払出装置のハウジング(払出ハウジング221)に設けられた払出側固定部(固定用フランジ247)と、を備え、前記設置側固定部及び前記払出側固定部が横方向に重なることで連通する孔部(ネジ孔246a、貫通孔247a)に固定部材(ネジ248)が挿入されることで前記設置箇所に対する前記払出装置の固定を行う構成であり、
前記設置箇所は、前記払出装置との当接により、前記設置側固定部と前記払出側固定部とが自ずと横方向に重なった状態とする位置決め部(背板部242、側板部243)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、払出装置の設置に際しては、位置決め部により位置決めされる位置に払出装置を配置することで、自ずと装置側固定部と払出側固定部とが横並びの状態となる。これにより、上記特徴B1の構成を備え、払出装置の取り外しを行いづらくした構成において、払出装置の正規の設置作業や取り外し作業の作業性が低下してしまうことを抑制できる。
特徴B4.前記遊技機本体の内部又は前記遊技機本体の背面に設けられ、所定の開放操作を行うことで遊技機前方に露出させることが可能な特定面(上流側縦通路ユニット183においてパチンコ機10後方を向く面)に前記設置箇所を有する払出用支持部(上流側縦通路ユニット183)を備えており、
前記設置箇所は、前記特定面の向く方向の先から当該方向の元側に前記払出装置を移動させることで当該払出装置を前記設置箇所に設置することができるように、前記特定面の向く方向に開放されていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、払出装置の設置に際しては、所定の開放操作を行って特定面を露出させるとともに、特定面の向く方向の先から当該方向の元側に払出装置を移動させることで、当該払出装置を設置箇所に設置することができる。つまり、払出装置の設置作業に際して回動基端側から設置箇所に払出装置を設置する必要がない。これにより、上記特徴B1の構成を備え、払出装置の取り外しを行いづらくした構成において、払出装置の正規の設置作業や取り外し作業の作業性が低下してしまうことを抑制できる。
特徴B5.前記設置箇所は、前記遊技機本体の背面に設けられているとともに、当該遊技機本体の背面の向く方向の先から当該方向の元側に前記払出装置を移動させることで当該払出装置を前記設置箇所に設置することができるように、前記遊技機本体の背面の向く方向に開放されていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、払出装置の設置に際しては、遊技機本体を回動させて当該遊技機本体の背面を露出させるとともに、当該背面の向く方向の先から当該方向の元側に払出装置を移動させることで、当該払出装置を設置箇所に設置することができる。これにより、上記特徴B1の構成を備え、払出装置の取り外しを行いづらくした構成において、払出装置の正規の設置作業や取り外し作業の作業性が低下してしまうことを抑制できる。
上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、例えばパチンコ機内部にて遊技球を貯留するためのタンクを備えている。タンクに貯留されている遊技球は、所定の通路を通じて、遊技機前面の貯留部へ誘導される。また、当該所定の通路の途中位置には払出装置が設けられている。払出装置には回転体などの球止め手段が設けられており、当該球止め手段が払出の阻止状態となることで、当該球止め手段よりも上流側の待機通路にて遊技球が待機することとなる。
球止め手段は制御装置と電気的に接続されている。そして、遊技領域に設けられた入球部へ遊技球が入球したこと又はCRユニットといった貸球装置が設けられた構成において当該貸球装置に対して貸出操作が行われたことに基づいて、制御装置に払出数情報が記憶され、払出動作を実行するように制御装置により球止め手段が駆動制御されることで、上記一旦停止されていた遊技球は貯留部に払い出される。
また、払出装置には球止め手段よりも下流側に払出検知手段として払出検知センサを備えており、球止め手段の払出動作により下流側へ導出された遊技球は払出検知センサにて検知される。制御装置では当該払出検知センサの検知結果に基づいて、払い出された遊技球の個数を把握し、上記払出数情報に対応した数の遊技球が払い出された場合に球止め手段の払出動作を終了させる。
ここで、上記パチンコ機においては、遊技球の不正な払出を行わせるべく、正規の払出装置を取り外してそれに不正を施した後に再度設置する行為や、正規の払出装置を不正な払出装置に交換する行為が想定される。この場合に、遊技球の不正な払い出しが実行されてしまうことが懸念される。
<特徴C群>
特徴C1.遊技機前面の貯留部(上皿83a、下皿84a)に払い出すための遊技球が待機することとなる待機通路(第1待機通路191a,201a,224a、第2待機通路191b,201b,224b)として、第1待機通路(第1待機通路191a,201a,224a)及び第2待機通路(第2待機通路191b,201b,224b)を遊技機背面に備えており、
前記第1待機通路の下流側に設けられ、当該第1待機通路内の遊技球が下流側へ流下することを阻止又は許容する第1球止め手段(回転体231の球止め部233)と、
前記第2待機通路の下流側に設けられ、当該第2待機通路内の遊技球が下流側へ流下することを阻止又は許容する第2球止め手段(回転体231の球止め部234)と、
これら第1球止め手段及び第2球止め手段を動作させる駆動手段(払出モータ235)と、
を備え、
当該駆動手段は、前記第1球止め手段及び前記第2球止め手段の両方に動力を与える出力軸(出力軸235a)と、駆動状態となることで前記出力軸を動作させる本体部(本体部235b)と、を備えており、
前記第1待機通路及び前記第2待機通路は、少なくとも前記各球止め手段に向けた最下流部において横方向に並設されているとともに、
前記駆動手段は、前記出力軸の軸線方向が横方向となり、且つ前記第1球止め手段及び前記第2球止め手段に対して前記本体部が横方向に位置するように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1球止め手段及び第2球止め手段が単一の駆動手段により駆動されるため、これら球止め手段に対して個別に駆動手段を設ける構成に比べて、駆動手段が設けられた部分の小型化が図られる。この場合に、第1待機通路及び第2待機通路は少なくとも各球止め手段に向けた最下流部において横方向に並設されているとともに、駆動手段は、出力軸の軸線方向が横方向となり、且つ第1球止め手段及び第2球止め手段に対して本体部が横方向に位置するように設けられている。これにより、駆動手段が設けられた部分の前後方向の寸法を抑えることが可能となる。
特徴C2.上方に開放され、多数の遊技球を貯留するタンク(タンク181)を備え、
当該タンクの位置から前記各球止め手段の位置に亘って前記第1待機通路及び前記第2待機通路が設けられており、
これら第1待機通路及び第2待機通路は、
前記タンクに連通された箇所から横方向に下り傾斜させて設けられ、第1待機通路及び第2待機通路を前後に並設させる上流通路領域(第1上流通路領域191a、第2上流通路領域191b)と、
前記各球止め手段に向けた最下流部を含み、第1待機通路及び第2待機通路を横方向に並設させる下流通路領域(第1下流通路領域224a、第2下流通路領域224b)と、
前記上流通路領域と前記下流通路領域との間に設けられ、遊技球の流下方向において第1待機通路及び第2待機通路を前後に並設させた状態から横方向に並設させた状態へ遷移させる遷移領域(延長領域201d及びその周辺の領域)を有する中間通路領域(第1中間通路領域201a、第2中間通路領域201b)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1待機通路及び第2待機通路は、タンクに連通された箇所から下り傾斜させて設けられた上流通路領域を備えていることにより、これら各待機通路に待機する遊技球の球圧を好適に低減することが可能となる。また、これら第1待機通路及び第2待機通路の上流通路領域は横方向に下り傾斜させて設けられているとともに、前後に並設されているため、これら上流通路領域を設けるための空間の縮小化が図られる。
当該構成において、第1待機通路及び第2待機通路には、遊技球の流下方向において第1待機通路及び第2待機通路を前後に並設させた状態から横方向に並設させた状態へ遷移させる遷移領域を有する中間通路領域が形成されている。これにより、待機通路の上流側では遊技球の減圧を良好に行いながら、上記特徴C1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C3.前記第1待機通路及び前記第2待機通路において前記遷移領域よりも上流側に、これら第1待機通路及び第2待機通路に待機している遊技球を排出するための排出通路(排出通路206)の分岐位置が設定されているとともに、前記第1待機通路及び前記第2待機通路に待機している遊技球の前記排出通路への流入を阻止する阻止位置と許容する許容位置とに手動操作により切換配置可能に設けられた切換部材(切換部材207)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1待機通路及び第2待機通路が最下流部側において横方向に並設される構成において、遷移領域よりも上流側に切換部材が設けられているため、第1待機通路及び第2待機通路が形成された部位に対して遊技機後方側から切換部材の手動操作を行うことが可能である。これにより、切換部材の操作性を低下させないようにしながら、上記特徴C1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C4.前記第1待機通路に対応した遊技球の通過部及び前記第2待機通路に対応した遊技球の通過部(通過部209a,209b)が並設されているとともに、これら通過部に対してその並設方向及び遊技球の通過方向に対して直交する方向に延びる検知本体部(本体部209c)を有し、前記第1待機通路及び前記第2待機通路に遊技球が待機しているか否かを検知するための待機側検知手段(球無センサ209)を備え、
当該待機側検知手段は、前記第1待機通路及び前記第2待機通路における前記遷移領域よりも上流側において前記各通過部の並設方向が前後方向となるようにして設けられていることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1待機通路及び第2待機通路が最下流部側において横方向に並設される構成において、遷移領域よりも上流側に待機側検知手段が設けられているため、待機側検知手段の前後方向の寸法を抑えながら、上記特徴C1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C5.前記第1待機通路の前記遷移領域及び前記第2待機通路の前記遷移領域は、
これら第1待機通路と第2待機通路とが前後に並設された状態から横方向に分離させた状態とする分離領域(延長領域201d)と、
当該分離領域よりも下流側において、前記第1待機通路の前記遷移領域及び前記第2待機通路の前記遷移領域のうち一方を遊技機前方に向けて下り傾斜させるとともに、他方を遊技機後方に向けて下り傾斜させることで第1待機通路及び第2待機通路を横方向に並設させる傾斜領域(傾斜部211a,211b)と、
を備えていることを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1待機通路及び第2待機通路が前後に並設された状態から横方向に並設された状態へ遷移させる遷移領域には、第1待機通路及び第2待機通路のそれぞれに対して傾斜領域が設けられている。これにより、当該遷移領域の構成を利用して、第1球止め手段にかかる遊技球の重量負荷及び第2球止め手段にかかる遊技球の重量負荷の両方について減圧を行うことができる。
特徴C6.前記第1球止め手段及び前記第2球止め手段は、前記出力軸が固定される軸部を有する回転体(回転体352)であるとともに、前記駆動手段は、前記出力軸を軸周りに回転させることで前記回転体を回転させるものであり、
前記第1待機通路の前記傾斜領域(下流通路領域353)及び前記第2待機通路の前記傾斜領域(下流通路領域354)は、一方に比べて他方の傾斜が大きくなるように形成されており、
遊技球の払い出しを行う場合における前記回転体の回転方向が、前記各傾斜領域のうち傾斜の大きい側を通過した部位が傾斜の小さい側へと向かう回転方向となるように前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(払出制御装置116)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1球止め手段及び第2球止め手段のうちより大きな重量負荷が掛かる側について、遊技球の払い出しに際して、その重量負荷を逃がす方向に回転体が回転する。これにより、遊技球を払い出す場合において回転体を回転させるのに必要な駆動力の低減が図られる。
特徴C7.横方向の一方側が回動基端側となるようにして支持側の対象(外枠11)に回動可能に支持される遊技機本体(遊技機本体12)を備え、
前記第1球止め手段、前記第2球止め手段及び前記駆動手段は払出装置(払出装置184)としてユニット化して設けられているとともに、当該払出装置には払い出される遊技球を検知する払出検知手段(払出検知センサ237)が設けられており、
前記払出装置は、前記遊技機本体の回動基端側に設けられており、さらに、前記駆動手段の本体部と前記払出検知手段の本体部(本体部237b)が収容される収容部(駆動収容部223)が、前記第1球止め手段及び前記第2球止め手段が設けられる通路形成部(通路形成部222)に対して回動基端側に配置されるように設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、払出装置の通路形成部と収容部とが横方向に並設される構成において、収容部が回動基端側に配置されるため、払出検知手段の本体部に対する不正行為が行いづらくなる。
特徴C8.前記第1球止め手段及び前記第2球止め手段は、前記出力軸が固定される軸部(回転軸部232)を有する回転体(回転体231)であるとともに、前記駆動手段は、前記出力軸を軸周りに回転させることで前記回転体を回転させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1球止め手段及び第2球止め手段が回転体であるとともに、駆動手段が出力軸を回転させるものである構成において、上記特徴C1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C9.所定領域に向けて誘導される遊技球が待機することとなる待機通路と、
当該待機通路の下流側において回転可能に設けられ、回転が停止している状況では前記待機通路内の遊技球が下流側へ流下することを阻止するとともに、回転することで当該遊技球を下流側へと誘導する回転体(回転体342)と、
当該回転体を回転させる駆動手段(払出モータ235)と、
を備え、
前記待機通路は、少なくとも前記回転体に向けた最下流部側において特定方向に下り傾斜させて形成された傾斜領域(下流通路領域343)を備えており、
前記所定方向に遊技球を誘導させる場合における前記回転体の回転方向が、前記傾斜領域側を通過した部位が前記特定方向へと向かう回転方向となるように前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(払出制御装置116)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C9によれば、待機通路は回転体に向けた最下流部側において特定方向に下り傾斜させて形成されているため、待機通路に待機している遊技球の回転体に掛かる重量負荷が減圧される。また、所定方向に遊技球を誘導させる場合における回転体の回転方向が、傾斜領域を通過した部位が特定方向へと向かう回転方向となるように駆動手段が駆動制御されるため、当該誘導に際して回転体を回転させるのに必要な駆動力の低減が図られる。
上記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、例えばパチンコ機内部にて遊技球を貯留するためのタンクを備えており、当該タンクには島設備から遊技球が供給される。タンクに貯留されている遊技球は、所定の通路を通じて、遊技機前面の貯留部へ誘導される。また、当該所定の通路の途中位置には払出装置が設けられている。
払出装置には回転体などの球止め手段が設けられており、当該球止め手段が通過を阻止している状況では当該球止め手段よりも上流側の待機通路にて遊技球が待機することとなる。その一方、球止め手段が通過を許容する状態となるように駆動されることで、待機通路にて待機している遊技球が貯留部に向けて払い出されることとなる。
上記のようにタンク及び払出装置を備えたパチンコ機として、タンクから払出装置の球止め手段へと通じる待機通路を前後方向に並設させて2列設ける構成が知られている。この場合、所定個数の遊技球の払い出しに要する時間の短縮化が図られる。
ここで、上記のように待機通路が2列設けられた構成においては、各待機通路について遊技球の払い出しが阻止又は許容される必要がある。この場合に、各待機通路に対して個別に球止め手段を設けるとともに、各球止め手段に対して個別に電動アクチュエータを設ける構成が考えられる。
しかしながら、当該構成では払出装置が大型化してしまうため、好ましくない。これに対して、各待機通路に対して個別に球止め手段を設けながら、それら球止め手段を単一の電動アクチュエータにより動作させる構成とすることで、個別に電動アクチュエータを設ける構成に比べて払出装置の小型化が図られる。
しかしながら、各待機通路のそれぞれについて遊技球の払出動作を行わせるためには、電動アクチュエータにおいてある程度の駆動力が必要となるため、電動アクチュエータの本体部はある程度のサイズを有することとなる。さらにまた、待機通路は前後方向に並設されているため、それら待機通路に対して単一の電動アクチュエータの構成を適用しようとすると、待機通路の並設方向に電動アクチュエータの本体部が並ぶこととなる。そうすると、払出装置の前後方向の厚みが大きくなってしまう。この場合、例えば演出用の装置などの大型化に起因して、払出装置の位置が従来の位置よりも後方へと設計変更されると、遊技ホールの島設備において背面を対向させた状態でパチンコ機が設置された際に、両パチンコ機間の隙間が極端に狭くなってしまうことが懸念され、さらには両パチンコ機が干渉してしまうことも懸念される。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域23a)が前面に形成された遊技部(遊技盤23)を有するとともに、支持側の対象(外枠11)に対して回動可能に支持されるベース体(樹脂ベース21)と、
遊技機前面に設けられ、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓部(窓部74)と、
前記遊技機前面に設けられ、前記遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく遊技者により操作される発射操作手段(発射操作装置31)と、
前記ベース体において前記遊技領域の下方に設けられ、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構41)と、
前記遊技領域に設けられた入球部への遊技球の入球が発生したことに基づいて、それに応じた遊技進行用の制御を実行する進行制御手段(主制御装置91)と、
前記発射操作手段が操作されたことに基づいて、前記遊技領域に向けて遊技球を発射するよう前記発射手段を制御する発射制御手段(発射制御装置121)と、
を備え、
前記発射制御手段は、前記ベース体において前記発射手段が表面に設置された支持部(下枠領域141)の背面に設置されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、進行制御手段と発射制御手段とが個別に設けられているため、発射制御手段の機能が進行制御手段に集約される構成に比べて、進行制御手段の制御負荷の軽減が図られる。また、進行制御手段と発射制御手段とが個別に設けられていることで、それぞれにとって適した位置にそれら制御手段を配置することが可能となる。
この場合に、発射制御手段は、ベース体において発射手段が表面に設置された支持部の背面に設置されているため、当該発射制御手段を遊技者が簡単に触れることができないようにしつつ、発射制御手段と発射手段とを電気的に接続する配線の短縮化が図られる。よって、発射制御手段の設置を良好に行うことが可能となる。
特徴D2.前記ベース体の背面には遊技球の払出機構(払出ユニット113)が搭載された裏ユニット(裏パックユニット15)を備えており、
前記発射制御手段は前記支持部と前記裏ユニットとの間に設置されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、発射制御手段を裏ユニットにより後方から保護することが可能となる。また、発射制御手段を不正に取り外そうとする行為を行いづらくすることが可能となる。
特徴D3.前記進行制御手段は、前記ベース体の背面に設置されており、
前記発射制御が行われる場合、前記発射制御手段から前記進行制御手段側に向けた信号の送信及び前記進行制御手段から前記発射制御手段側に向けた信号の送信のうち少なくとも一方が行われる構成であり、
当該発射制御に係る通信を行うための経路の途中位置には、前記裏ユニットに設けられた特定基板(電源装置117)が介在しており、当該特定基板には前記ベース体側から特定配線(電気配線152e)が接続されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、進行制御手段がベース体の背面に設けられていることにより、遊技機背面から進行制御手段に不正にアクセスしようとする行為を、裏パックの存在により行いづらくさせることが可能となる。当該構成において、特定基板は裏ユニットに設けられている。これにより、裏ユニットをベース体から不正に分離させようとする行為を、特定配線により行いづらくさせることが可能となる。
特徴D4.前記特定基板と前記進行制御手段とを電気的に接続するように設けられ、前記発射制御に係る通信を行うための配線と、当該発射制御に係る通信とは異なる通信を行うため又は電力を供給するための配線とを、一のコネクタにより前記進行制御手段側に接続する接続ユニット(コネクタユニット175)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、特定基板を利用して、発射制御に係る通信を行うための配線と、当該発射制御に係る通信とは異なる通信又は電力を供給するための配線とを、一のコネクタにより進行制御手段に接続する構成とすることにより、各配線が特定基板に直接接続される構成に比べて、進行制御手段に設けられる接続部の数を減らすことが可能となる。これにより、メンテナンスなどに際して進行制御手段を取り外す場合の作業性が向上する。当該構成において、特定基板は裏ユニットに設けられている。これにより、裏ユニットをベース体から不正に分離させようとする行為を、特定配線により行いづらくさせることが可能となる。
特徴D5.前記裏ユニットは、前記発射制御手段に対して遊技機後方から対向する面を有する後方部(下部領域102a)を備えており、
前記特定基板は、前記後方部において前記対向する面とは逆側の面に設けられており、
前記特定配線は、前記発射制御手段において遊技機後方を向く面であって前記後方部と対向しない面に設けられた接続部(コネクタ125e)に接続されているとともに、前記特定基板において前記後方部を向く側とは逆側の面に設けられた接続部(コネクタ158)に接続されていることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、特定配線の装着や取り外しを行う際の作業性を向上させることが可能となる。
特徴D6.前記裏ユニットは、前記ベース体の背面に遊技機後方から重なる位置と、当該重なる位置よりも前記ベース体の背面に対して遊技機後方に離間された位置とに変位可能に設けられており、
前記特定配線の長さ寸法は、前記ベース体側及び前記特定基板の両方に接続されている状態において、前記裏ユニットの前記重なる位置から前記離間された位置への変位を行いづらくする長さ寸法に設定されていることを特徴とする特徴D3乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、裏ユニットをベース体から不正に分離させようとする行為を、特定配線により行いづらくさせることが可能となる。
特徴D7.前記裏ユニットは、前記発射制御手段に対して縦方向に対向する裏側対向部(上側区画面162)を備えていることを特徴とする特徴D2乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、裏ユニットとベース体との隙間を介して、これらの間の空間内に不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が発射制御手段と裏側対向部との間に入り込んだ際に当該不正用治具のそれ以上の侵入を規制することが可能となる。そして、当該侵入規制の機能を、裏ユニットと発射制御手段とを利用して付与することができる。
特徴D8.前記ベース体は、前後方向に貫通させて設けられ、前記発射制御手段と前記発射手段とを電気的に接続する配線が通される配線用孔部(挿通孔154)を有していることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、発射制御手段と発射手段とを接続する配線は、ベース体の周縁部の外側から回りこませるのではなく、ベース体の支持部に形成された配線用孔部を介して引き回されている。これにより、当該配線がベース体の回動操作に際して噛み込まれてしまうことを抑制できる。
特徴D9.前記配線用孔部の位置が、前記支持部において、前記発射手段に対して遊技機後方側にて対向する位置、及び前記発射制御手段に対して遊技機前方側にて対向する位置のうち少なくとも一方の位置となるように、前記配線用孔部が形成されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、支持部に配線用孔部が形成された構成において、当該配線用孔部に対して発射手段がその前方にて対向している、又は発射制御手段がその後方にて対向している。これにより、配線用孔部を介して、支持部の前方から支持部の後方へと不正用治具を挿入しようとする行為や、支持部の後方から支持部の前方へと不正用治具を挿入しようとする行為を、発射手段や発射制御手段を利用して抑制することが可能となる。
特徴D10.前記発射制御手段は、前記支持部の背面に対して遊技機後方側に突出させて設けられており、
前記ベース体は、前記発射制御手段に対して縦方向に対向するベース側対向部(段差板部144)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D10によれば、ベース体と発射制御手段との隙間を介して、遊技部に向けて不正用治具が挿入されようとしたとしても、当該不正用治具が発射制御手段とベース側対向部との間に入り込んだ際に当該不正用治具のそれ以上の侵入を規制することが可能となる。そして、当該侵入規制の機能を、ベース体と発射制御手段とを利用して付与することができる。
特徴D11.前記ベース体は、前記遊技部を下方から受ける受け部(段差板部144)を備えており、
前記遊技部は、前記ベース体の背面側から当該ベース体に固定されているとともに、前記受け部に下方から受けられた状態で当該ベース体に固定されており、
前記発射制御手段は、発射制御基板を有するとともに、当該発射制御基板を収容する基板ボックスを有しており、さらに当該基板ボックスにおいて上方を向く所定の面が前記受け部の下方であって当該受け部よりも遊技機後方側に位置するように設置されていることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D11によれば、遊技部の装着や取り外しに際して、遊技部を仮置きする機能が発射制御手段により果たされる。これにより、発射制御手段の多機能化が図られる。
上記特徴D群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤がベース体に支持されているとともに、パチンコ機前面には遊技領域をパチンコ機前方から視認可能とする窓部が形成されている。また、ベース体において遊技盤の下方には遊技領域に向けて遊技球を発射するための発射手段が設けられている。
発射手段としては、例えば、電磁式のソレノイドと、発射レールと、球送り装置と、を備えている。そして、パチンコ機前面の貯留部に貯留された遊技球が球送り装置により発射レール上に1個ずつ供給されるとともに、パチンコ機前面の発射操作装置が遊技者により手動操作されることに基づき上記ソレノイドが駆動されて発射レール上の遊技球が遊技領域に向けて打出される。
上記のような発射操作装置が手動操作されたことに基づく遊技球の発射制御は、遊技を統括管理する主制御装置とは別に設けられた発射制御装置により実行される。例えば発射操作装置には遊技者が発射操作装置を触れていることを検知するセンサや、遊技者の操作量を検知するセンサが設けられており、それらセンサの検知結果は発射制御装置にて把握される。そして、発射制御装置では、それらセンサの検知結果に基づいて、発射装置のソレノイドに駆動信号を出力し、遊技球の打ち出しを行わせる。
なお、主制御装置から出力された信号を利用して発射制御装置にて発射制御が行われる構成も考えられ、さらにまた発射制御装置が発射制御以外の機能を有している構成も考えられる。
ここで、発射制御装置には、少なくとも発射装置側への電気配線を接続する必要がある。この場合に、上記ベース体は外枠などに回動可能な状態で支持されていることが一般的であり、その回動に際して電気配線が噛み込まれてしまうことは好ましくない。その一方、発射制御装置は遊技球の発射制御というパチンコ機での遊技を可能とする上で必須の動作を制御するものであるため、遊技者が簡単に触れることができるのは好ましくない。