以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19が遊技球で一杯になった状態では、払出される遊技球は下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、後述する各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bを備えるとともに、下入賞口33bに対応して一対の開閉部材33cを備えている。これにより、上入賞口33aが遊技球が常時入球可能な開状態となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技球が入球不能な閉状態と、遊技球が入球可能な開状態とに切換わる。例えば、下入賞口33bは、通常モード時には開閉部材33cが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。また、上記構成に代えて、下入賞口33bが、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換わる構成としてもよい。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印手段によって連結されている。封印手段によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。尚、基板ボックス263の詳細については後述する。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能し、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。より詳しくは、裏枠セット215の右部(図6では左側)には基板ボックス263を軸支するための接続金具281が固定されている。これに対し、基板ボックス263(ボックスベース)の前面側には、接続金具281と接続されるベース部材264(図6参照)が取付けられている。そして、接続金具281とベース部材264とが接続されることで、基板ボックス263が裏枠セット215の右側部に軸支され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能となっている。また、裏枠セット215の背面には、裏枠セット215と基板ボックス263との間の隙間を埋める透明樹脂製のスペーサー282が設けられている。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第2契機対応口スイッチ225、主制御装置261との電気的な接続を中継する第1盤面中継基板(図示略)、遊技盤30の下部に設けられる電飾部材のLED基板とサブ制御基板262との電気的な接続を中継する電飾中継基板(図示略)、及び、第1契機対応ユニット33の周縁部に配置され、前記電飾中継基板に接続されるLED基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(第2契機対応口スイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する下入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。尚、裏枠セット215に搭載される検知スイッチ等は背面側から着脱可能となっており(第1盤面中継基板は取外し不可としてもよい)、裏枠セット215を遊技盤30から取外さなくてもかかる検知スイッチ等のメンテナンスや交換等を行うことができる。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(受側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印手段が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている(当該基板ボックス263に関しては後に詳述する)。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では、制御基板としての主制御装置261を収容する基板ボックス263に特徴がある。以下、かかる構成について、図面を参照しつつ説明する。図7は基板ボックス263の斜視図である。図8は基板ボックス263の分解斜視図である。図9(a)、(b)は基板ボックス263の連結部位を示す断面図であり、図9(c)はベース側連結部403を示す部分斜視図である。図10は基板ボックス263の断面図である。図11はコネクタ開口部411の周縁部を示す背面図である。尚、図8では、便宜上、保持部455の先端部側を破断したボックスカバー263bを図示するとともに、主制御装置261を二点鎖線にて図示する。
図7、図8に示すように、基板ボックス263は、主制御装置261を収容するボックスベース263aと、ボックスベース263aの開口部を閉塞するボックスカバー263bとを備えている。尚、主制御装置261は長板状をなしており、基板ボックス263がセットされた状態においては、長手方向が左右方向に沿って延び、CPU(501)等の各種電気部品(図示略)が搭載された部品搭載面が後方に面している。また、主制御装置261の背面(部品搭載面)には、上辺部に沿って受側コネクタ265が設けられている。本実施形態では、主制御装置261に設けられる複数の受側コネクタ265が左右方向に並べられ、互いに隣接して隙間なく設置されている。
ボックスベース263aは、左右に長い扁平箱状をなし、パチンコ機10の背面視右側(図8の右側)に主制御装置261を内部に挿通させるための開口部402(図9(a)、(b)参照)が形成されたボックスベース本体401と、ボックスベース本体401とは当初別体として構成され、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付け時においてボックスベース本体401の開口部402側の端縁に接続形成されるベース側連結部403とを備えている。尚、ボックスベース本体401の前面側には、基板ボックス263を裏枠セット215に接続するためのベース部材264が取付けられている。
ボックスベース本体401の開口部402は、ボックスベース本体401に対して主制御装置261を当該主制御装置261の長手方向に沿って相対変位させた場合に、当該主制御装置261の挿通を許容するとともに、ボックスベース本体401に対して主制御装置261を当該主制御装置261の長手方向以外の方向に沿って相対変位させた場合には、当該主制御装置261の挿通が不可能となる程度の大きさを有している。
加えて、ボックスベース本体401のうち主制御装置261の背面(部品搭載面)と対向する後壁部404の上部には、主制御装置261に搭載された受側コネクタ265に対して、それぞれ電源装置313や払出制御装置311等と電気的に接続された各ケーブルの差込側コネクタ(図示略)を接続するためのコネクタ開口部411が形成されている。また、図11に示すように、本実施形態では、ボックスベース本体401の後壁部404に対してコネクタ開口部411の左右両側方に破断ねじを螺着可能な取付孔412が2つずつ(計4つ)形成されている。さらに、4つの取付孔412のうちパチンコ機10の背面視で左から二番目の取付孔412の周縁部には、取付孔412を囲うようにして複数の除去用スリット413が形成されている。
また、図10、図11に示すように、ボックスベース本体401の後壁部404の前面(内側面)には、コネクタ開口部411を上下に挟むようにして一対のスライドレール415が設けられており、かかるスライドレール415に沿ってパネル部材416が左右方向にスライド可能に装備されている。パネル部材416は、その略中央部に接続孔部417を有しており、パネル部材416のスライドは、接続孔部417がコネクタ開口部411内に位置する範囲でのみ許容されるようになっている。また、パネル部材416は、そのスライド方向においてコネクタ開口部411よりも幅広に構成されており、パネル部材416はスライド位置に関わらず、接続孔部417を除く部位がコネクタ開口部411を常時閉塞するようになっている。
さらに、本実施形態では、上記取付孔412に螺着される破断ねじによりパネル部材416のスライドが規制される構成となっている。具体的に、本実施形態では、当初、図11(a)に示すように、パチンコ機10の背面視で一番右側の取付孔412及び左から二番目の取付孔412に対して破断ねじ418が螺着され、これらの破断ねじ418(ボックスベース本体401の内側に突出した部位)がそれぞれパネル部材416の両側部に略当接状態となっている。この状態では、パネル部材416は、コネクタ開口部411のうちパチンコ機10の背面視左側の部位を閉塞する位置で保持されることとなる。
一方、除去用スリット413に沿ってボックスベース本体401を破断して、左から二番目の取付孔412に螺着された破断ねじ418を除去するとともに、一番左側の取付孔412に破断ねじ418を螺着し、パネル部材416をかかる破断ねじ418に当接するまでスライドさせた場合、図11(b)に示すように、コネクタ開口部411のうちパチンコ機10の背面視右側の部位がパネル部材416により閉塞されることとなる。さらに、右から二番目の取付孔412に破断ねじ418を螺着することにより、パネル部材416がその位置で保持されることとなる。尚、除去用スリット413に沿ってボックスベース本体401を破断することで形成される開口は、図11の左方にスライド変位したパネル部材416により閉塞される(図11(b)参照)。
尚、破断ねじ418は、ドライバー(工具)の先端と係合する十字穴(工具係合部)が形成された部位を取り除くことのできるねじであり、螺着後、十字穴が形成された部位が取り除かれることで、ドライバーにより破断ねじ418を取外すことが不可能となる。また、取付状態にある破断ねじ418は、取付孔412の内側に位置していることが望ましい。この場合、破断ねじ418の端部をプライヤー等で挟んで回転させ、破断ねじ418を取外されてしまうといった事態を防止することができる。尚、図11では、便宜上、破断ねじ418に対して十字穴が形成されているように図示されているが、実際には、上記のように十字穴が形成されている部位が除去され、破断ねじ418が取外し不可能となっている。
加えて、本実施形態では、図10に示すように、受側コネクタ265とパネル部材416とが近接配置されるとともに、受側コネクタ265と差込側コネクタとの接続方向において、接続孔部417の外周形状と受側コネクタ265の外周形状とがほぼ同じ形状となっている。これにより、基板ボックス263の組付け状態(ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付け状態)において、接続孔部417の周縁部と受側コネクタ265との間にほとんど隙間が形成されない構成となっている。特に、上記のようにパネル部材416の変位が破断ねじ418によって規制されていることから、パネル部材416をスライドさせて受側コネクタ265と接続孔部417との位置をずらし、隙間を形成するといった行為を防止することができる。これらの構成により、コネクタ開口部411及び接続孔部417を介して基板ボックス263の内部に針金等を侵入させて、主制御装置261に誤作動を働きかけるといった不正行為を抑止することができる。
また、図9(a)、(b)に示すように、ボックスベース本体401には、開口部402に沿って、ボックスベース本体401の内側に突出し、ボックスベース本体401の成形に際して、ボックスベース本体401と一体成形される係合部421が設けられている。本実施形態では、係合部421は、ボックスベース本体401の後壁部404と、主制御装置261の前面に対向する前壁部と、後壁部404と前壁部とを連結する上壁部及び下壁部とに形成されている。また、係合部421は、パチンコ機10の背面視右側(ボックスカバー263b側:図9の右側)の面が、開口部402の内周側に向けてパチンコ機10の背面視左側に傾斜して延び、パチンコ機10の背面視左側の面が、ボックスベース本体401の内壁面と直交する方向に延びている。
さらに、ボックスベース本体401には、係合部421よりも主制御装置261のボックスベース本体401への挿通方向奥側の部位(図9で左側の部位)において、複数の切除用スリット422が開口部402の周方向に沿って所定間隔毎に形成されている。切除用スリット422は、ボックスベース本体401の成形に際して同時に形成される。
加えて、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁には、開口部402のコーナー部に対応する部位を除き、外面側に段差を形成することで構成された充填部423(段差部)が設けられている。
さて、図9(a)等に示すように、ベース側連結部403は、ボックスベース本体401とは別体として構成される係止部材431と、係止部材431とボックスベース本体401(開口部402の周縁部)とを連結する硬化性樹脂層432とを備えている。本実施形態では、ベース側連結部403は、開口部402を囲むようにして、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁の全周にわたって形成されている(図7参照)。
係止部材431は、断面略コ字状をなしており、係止部材431の内側に形成される凹部434が開口部402の外周側に開口するようにして配置されている。また、係止部材431は、可撓性を有する素材により構成されており、開口部402の周方向に沿って一続きに配設されている。本実施形態では、長手方向一端部及び他端部が、開口部402の前縁部と上縁部との境界部に対応して設置されている。加えて、係止部材431の凹部434を構成する壁部のうちボックスベース本体401(ボックスベース本体401の開口部402側の端縁)と当接する当接壁部431aは充填部423と面一となっており、その他の壁部はボックスベース本体401の外側面と面一となっている。
硬化性樹脂層432は、レーザ光等の光を照射することで硬化する光硬化性樹脂を、係止部材431の凹部434及びボックスベース本体401の充填部423に充填した後、硬化させることで形成されている。このように、係止部材431とボックスベース本体401とにかけて形成される硬化性樹脂層432により、係止部材431がボックスベース本体401に連結され、結果的に、ベース側連結部403がボックスベース本体401と一体的に設けられている。尚、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁のうち、開口部402の内周側の部位に関しては、光硬化性樹脂を充填する際に、係止部材431の当接壁部431aと当接状態とされているため、その表面に硬化性樹脂層432が形成されない構成となっている。
さらに、図7、図8に示すように、係止部材431には、開口部402のコーナー部と対応する位置に、係止部材431の長手方向において凹部434を仕切る流れ止め435が形成されている。具体的に、流れ止め435は、開口部402を囲むようにして設置される係止部材431の上辺部、下辺部、前辺部、及び後辺部の各両端部にそれぞれ対応して形成されている。当該流れ止め435は、凹部434の内側だけでなく、当接壁部431aの開口部402外周側の部位にまで形成されており、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁うち充填部423の形成されていないコーナー部位と当接状態とされている。これにより、凹部434及び充填部423に対して確実に光硬化性樹脂を充填させることができる。
尚、本実施形態では、係止部材431の各辺部に設けられる流れ止め435と、当該辺部に隣接する辺部に設けられる流れ止め435との間の部位に関しては、凹部434に硬化性樹脂層432を形成してもよいし、形成しなくてもよい(硬化性樹脂層432を形成する場合、係止部材431の凹部434の底部に部分的に形成される程度でもよい)。また、光硬化性樹脂の流出を防止するための流れ止め435を係止部材431とは別体として構成してもよく、光硬化性樹脂の充填に際して係止部材431のコーナー部に対し流れ止め435を設置することとしてもよい(光硬化性樹脂の硬化後、当該流れ止め435を取外してもよいし、そのまま残してもよい)。
また、図9(c)に示すように、ベース側連結部403の長手方向一端部(本例では係止部材431の前辺部の上端部)には、係止部材431から側方に突出するつまみ部436が設けられている。当該つまみ部436は、略板状の把持部437と、把持部437から延びる挿入部438とを備え、係止部材431の長手方向一端部の側壁に形成された固定孔439に対して挿入部438を挿入した後、係止部材431の凹部434に光硬化性樹脂を充填して硬化させ、挿入部438を硬化性樹脂層432に埋設することにより、ベース側連結部403と一体的に設けられている。尚、図9(c)では、便宜上、ボックスベース263aのみを図示し、ボックスカバー263bの図示を省略している。
そして、つまみ部436を引っ張ると、ベース側連結部403に対し、硬化性樹脂層432のうちボックスベース本体401と係止部材431との境界部(充填部423と凹部434との境界部)付近を中心として係止部材431が回動するような応力が作用し、硬化性樹脂層432のうちボックスベース本体401と係止部材431との境界部付近の部位が破断されることとなる。特に、本実施形態では、ボックスベース本体401と係止部材431との境界部付近の硬化性樹脂層432の肉厚(上下方向における肉厚)が、凹部434の内側に形成される硬化性樹脂層432の肉厚(左右方向における肉厚)よりも薄くなっているため、つまみ部436を引っ張ることで比較的容易に前記境界部に沿って硬化性樹脂層432を破断してベース側連結部403をボックスベース263a(ボックスベース本体401)から除去することができる。本実施形態では、硬化性樹脂層432のうち薄肉に構成されたボックスベース本体401と係止部材431との境界部付近の部位が破断部に相当する。
また、図9(c)に示すように、ボックスベース263aには、ベース側連結部403(係止部材431)のうちつまみ部436が設けられた長手方向一端部を押さえる規制手段としての規制片441が設けられている。規制片441は略L字状をなし、ベース側連結部403の開口部402外周側の面及びボックスカバー263b側の面と略当接状態とされている。当該規制片441により、ベース側連結部403の変位が規制されることとなる。また、規制片441は、ボックスベース本体401に対して係止部材431が接続された後、ボックスベース本体401に対してねじ442により固定される。尚、規制片441の固定に使用されるねじ442は、十字穴やすりわり等の形成された一般的なねじ(例えば木ねじ)であり、規制片441は着脱自在となっている。
図8等に示すように、ボックスカバー263bは、パチンコ機10の背面視左側(ボックスベース263a側)に開口する略箱状をなし、基板ボックス263の組付け状態においてボックスベース263aの開口部402を閉塞する蓋部451と、蓋部451の開口部(以下カバー側開口部452と称する)に沿って設けられたカバー側連結部453と、蓋部451からボックスベース263a側(パチンコ機10の背面視左方)に延びる上下一対の保持部455とを備えている。
カバー側連結部453は、蓋部451のカバー側開口部452側の端縁のうちカバー側開口部452内周側の部位からボックスベース263a側に延出する枠状の基部461と、基部461のコーナー部を除く部位からボックスベース263a側に突出する係合片462と、係合片462の先端部からカバー側開口部452の外周側に向けて突出する係合爪463とを備えている。尚、係合片462は、カバー側開口部452の周方向において連続しておらず、基部461の各コーナー部に対応して途切れていることから、係合片462に対してカバー側開口部452の内周側に応力が作用した場合に若干撓むようなっている。これに対し、枠状の基部461に関しては、応力が作用しても変形しにくくなっており、基部461に対して力を加えても、係合片462を撓ませることは困難又は不可能となっている。
図9(a)、(b)に示すように、係合爪463は、パチンコ機10の背面視左側(図9の左側)の面が、カバー側開口部452の内周側に向けてパチンコ機10の背面視左側に傾斜して延び、パチンコ機10の背面視右側の面が、係合片462(基部461)と直交する方向に延びている。加えて、カバー側開口部452の内外周方向において、係合爪463の先端部(カバー側開口部452の外周側の端部)は、蓋部451の外周面よりもカバー側開口部452の内周側に位置している。
また、上記のように、基部461は、蓋部451のカバー側開口部452側の端縁のうちカバー側開口部452内周側の部位から延出しているため、基部461の外周面は、蓋部451の外周面よりもカバー側開口部452の内周側に位置しており、両者の境界部には段差が形成されている。これにより、蓋部451のボックスベース263a側の面と、基部461のカバー側開口部452外周側の面と、係合爪463の蓋部451側の面とにより、断面コ字状の収容部464が形成されている。
本実施形態では、当該収容部464に係止部材431が嵌め込まれ、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとが位置合わせされた状態(係止部材431の当接壁部431aとボックスベース本体401の開口部402側との端縁とが当接した状態)で、係止部材431の凹部434に光硬化性樹脂が充填、硬化され、係止部材431とボックスベース本体401とを連結する硬化性樹脂層432が形成される。すなわち、硬化性樹脂層432によりボックスベース本体401と連結された係止部材431と、カバー側連結部453の係合爪463とが係合状態となり、これにより、ベース側連結部403とカバー側連結部453とが係合し(連結され)、基板ボックス263が封印状態とされる(主制御装置261が封印される)こととなる。尚、収容部464に係止部材431が嵌めこまれていることから、ベース側連結部403とカバー側連結部453との間の隙間をなくすことができ、ベース側連結部403とカバー側連結部453との間から線材等を基板ボックス263の内部に侵入させるといった不正行為を防止することができる。尚、本実施形態では、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁と蓋部451との間につまみ部436を収容するべく、蓋部451のボックスベース263a側の端縁のうちベース側連結部403に設けられたつまみ部436に対応する部位に関しては、その他の部位よりもボックスベース263aから離れる側(図9の右側)に位置している(図示略)。
加えて、収容部464の横幅(係合爪463と蓋部451との間の距離)は、係止部材431の横幅と同じに構成されている。これにより、係止部材431をボックスベース本体401に接続する際に、ボックスカバー263bに対し、係止部材431を仮固定しておくことができ、作業性の向上等を図ることができる。
尚、係止部材431が可撓性を有する素材により構成されていることにより、係止部材431を収容部464に対して確実に嵌め込むことができる上、コーナー部に対応して屈曲させた場合に追従的に変形させることができ、コーナー部において係止部材431が基部461から浮き上がってしまうといった事態を抑制することができる。尚、収容部464の横幅を係止部材431の横幅よりも若干小さく構成してもよい。当該構成を採用する場合であっても、係止部材431を収容部464に嵌め込む段階では、係止部材431の凹部434に硬化性樹脂層432が形成されていないため、係止部材431を押し縮めるようにして嵌め込むことができる。
さらに、図9(a)、(b)に示すように、収容部464に嵌め込まれた係止部材431の凹部434の底面は、係合爪463の先端部(カバー側開口部452の外周側端部)よりもカバー側開口部452の内周側に位置している。これにより、ボックスベース263aに対するボックスカバー263bの着脱方向において、係合爪463と硬化性樹脂層432とが一部で重なることとなり、ボックスカバー263bをボックスベース263aから外れる方向に引っ張るなどした場合に、応力が硬化性樹脂層432に確実に作用するようになっている。従って、ボックスカバー263bを無理やり引っ張ってボックスベース263aから取外した場合には、硬化性樹脂層432が破断されることとなる。換言すれば、硬化性樹脂層432を破断しない限り、基板ボックス263を開封することができない構成となっている。特に、本実施形態では、上記のように、硬化性樹脂層432のうち係止部材431とボックスベース本体401との境界部に対応する部位の肉厚が薄くなっており、当該境界部に応力が集中する構成となっている。このため、上記のように、無理やり基板ボックス263を開封した場合には、かかる薄肉部が破断され、ベース側連結部403がボックスベース263aから別離することとなる。
加えて、係止部材431のうち、ボックスカバー263b側かつ開口部402内周側のコーナー部は斜めにカットされた形状になっている。このため、つまみ部436をつまんでベース側連結部403を引っ張った際に、係止部材431が収容部464から抜け出しやすく、ベース側連結部403をボックスベース本体401から除去しやすいようになっている。
図8に示すように、上下一対の保持部455は、基部461の上辺部と前辺部とのコーナー部、及び下辺部と前辺部とのコーナー部からボックスベース263a側に延出形成されており、基板ボックス263の組付け時には、ボックスベース本体401の内側に収容される。また、保持部455はそれぞれ断面略コ字状に構成され、各保持部455の内側には主制御装置261の上辺部及び下辺部がそれぞれ挿通状態とされている。これにより、主制御装置261が上下一対の保持部455にて保持されている。従って、例えば、ボックスカバー263bをボックスベース263aから取外すことで、ボックスカバー263bの変位に伴い、保持部455に保持された主制御装置261がボックスベース263aから取り出されることとなる。このため、ボックスベース263aを裏枠セット215へ取付けた状態のまま、ボックスカバー263bを取外して主制御装置261を取り出す(取り出した後、再度収容する)際の作業性の向上を図ることができる。尚、保持部455と主制御装置261とを固定する固定手段を設ける(例えば、保持部455の長手方向中間位置にねじ孔を形成するとともに、主制御装置261に対し、保持部455への挿通状態において前記ねじ孔と位置合わせされる固定孔を形成し、ねじ孔及び固定孔にねじを螺着する)こととしてもよい。
また、図10に示すように、ボックスベース本体401には、上下の保持部455にそれぞれ対応して、ボックスベース本体401の上壁部及び下壁部からボックスベース本体401の内側に突出し、上下の保持部455の後面をそれぞれ支持する上下一対の支持板部471が設けられている。基板ボックス263の組付け状態においては、上側の保持部455は、ボックスベース本体401の前壁部、上壁部、及び上壁部から突出する支持板部471に略当接状態とされ、下側の保持部455は、ボックスベース本体401の前壁部、下壁部、及び下壁部から突出する支持板部471に略当接状態とされる。これにより、ボックスベース263aに対する主制御装置261及びボックスカバー263bの位置決めが行われる。本実施形態では、主制御装置261のボックスベース本体401への挿通状態において保持部455の外周面を支持するボックスベース本体401の前壁部、上壁部、下壁部、及び支持板部471と、保持部455とにより位置決め手段が構成される。また、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付けに際しては、保持部455が支持板部471等に摺接することにより主制御装置261の挿通がガイドされる上、保持部455がボックスベース本体401の内側に収容された状態においては、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの両方を支持しなくても、ボックスカバー263bがボックスベース263aから脱落することがない。従って、基板ボックス263の組付け(封印)に際しての作業性の向上を図ることができる。
ここで、基板ボックス263の封印作業(一回目の封印)について簡単に説明する。まず、ボックスカバー263bの上下一対の保持部455の内側に主制御装置261の上辺部及び下辺部を挿通し、主制御装置261がボックスカバー263bに保持された状態とする。次に、カバー側連結部453の収容部464に対し、カバー側開口部452の周方向に沿って係止部材431を嵌め込む。さらに、保持部455をボックスベース本体401の前壁部と支持板部471との間に挿通させるようにして、ベース側連結部403とカバー側連結部453とが非係合状態で当接するまで(各連結部403、453の傾斜面が当接するまで)、主制御装置261をボックスベース263aの内側に挿通させる。これにより、係止部材431とボックスベース本体401とが当接状態とされ、蓋部451によってボックスベース本体401の開口部402が閉塞された状態となる(図9(a)参照)。
次に、上記のようにボックスベース本体401とボックスカバー263bとが位置合わせされた状態において、係止部材431の凹部434及びボックスベース本体401の充填部423に光硬化性樹脂を充填し、硬化させることで、硬化性樹脂層432を形成する。このように、係止部材431とボックスベース本体401とにかけて硬化性樹脂層432が形成されることにより、係止部材431とボックスベース本体401とが連結される(ボックスベース本体401に対してベース側連結部403が接続成形される)。また、係止部材431は、収容部464に嵌め込まれた状態、すなわち、カバー側連結部453に係止された状態にあることから、係止部材431とボックスベース本体401とが連結されることで、ベース側連結部403とカバー側連結部453とが連結される。従って、図7、図9(a)に示すように、ボックスベース263aとボックスカバー263bとが連結され(基板ボックス263がかしめられ)、主制御装置261が封印されることとなる。尚、本実施形態では、ベース側連結部403及びカバー側連結部453が第1封印手段に相当する。
その後、ボックスベース本体401に対して規制片441を取付けることで、基板ボックス263の封印作業が完了する。尚、本実施形態では、上記封印作業に先立って、ボックスベース本体401の後壁部404に形成された4つの取付孔412のうちパチンコ機10の背面視で左から二番目の取付孔412に対して破断ねじ418を螺着し、スライドレール415に対してパネル部材416を取付ける(挿通状態とする)とともに、4つの取付孔412のうち一番右側の取付孔412に対して破断ねじ418を螺着する。これにより、ベース側連結部403とカバー側連結部453との連結(係合)状態(第1封印手段による基板ボックス263の封印状態)において、主制御装置261に搭載された受側コネクタ265とパネル部材416の接続孔部417との位置が一致し、受側コネクタ265と差込側コネクタとを確実に接続することができる。
次に、遊技ホールにおいて、ボックスベース263aをパチンコ機10(裏枠セット215)から取外すことなく、基板ボックス263を開封して主制御装置261を点検したり交換したりする作業について簡単に説明する。
先ず、受側コネクタ265から差込側コネクタを取外すとともに、ボックスベース本体401から規制片441を除去する。続いて、ベース側連結部403のつまみ部436をつまんで引っ張る。当該作業により、硬化性樹脂層432(硬化性樹脂層432のうち、係止部材431とボックスベース本体401との境界部付近の部位)が破断され、ベース側連結部403が基板ボックス263から除去される。ベース側連結部403が除去されることで、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの連結状態(封印状態)が解除されることとなる。
そして、ボックスベース本体401から保持部455を抜き出すようにして、ボックスカバー263bをボックスベース263aから取り外し、主制御装置261を取り出す。
主制御装置261を点検したり、交換したりした後、基板ボックス263を再度封印(二回目の封印)する際には、一回目の封印のときと同様に、保持部455に保持された主制御装置261をボックスベース本体401の内側に挿通させていく。但し、当該作業では、係合部421とカバー側係合部421とが非係合状態で当接した後も、ボックスカバー263bをボックスベース本体401に押付ける。すなわち、図9(b)に示すように、ベース側連結部403(係止部材431)が除去されることで形成されたスペースを埋めるようにして、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁と蓋部451とが当接するまで、ボックスカバー263bをボックスベース263aに押し込む。当該作業により、係合部421とカバー側連結部453とが係合状態とされ、結果的にボックスベース263aとボックスカバー263bとが連結され(基板ボックス263がかしめられ)、主制御装置261が再度封印される。本実施形態では、係合部421及びカバー側連結部453が第2封印手段に相当する。
尚、係合部421とカバー側連結部453との係合状態(第2封印手段による基板ボックス263の封印状態)においては、カバー側連結部453がボックスベース本体401の内側に収容されるため、カバー側連結部453と係合部421との係合部位への接触が非常に困難又は不可能となる。特に、本実施形態では、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁と、ボックスベース263aの蓋部451とが当接状態とされていることから、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとの間から線材等を基板ボックス263の内部に侵入させるといった不正行為を防止することができる。
尚、本実施形態では、2回目の封印作業に先立って、図11(b)に示すように、除去用スリット413に沿ってボックスベース本体401を破断して、4つの取付孔412のうちパチンコ機10の背面視で左から二番目の取付孔412に螺着された破断ねじ418を除去するとともに、一番左側の取付孔412に破断ねじ418を螺着し、パネル部材416をかかる破断ねじ418に当接するまでスライドさせた後、右から二番目の取付孔412に破断ねじ418を螺着する。これにより、係合部421とカバー側連結部453とが係合した状態において、主制御装置261に搭載された受側コネクタ265とパネル部材416の接続孔部417との位置が一致し、受側コネクタ265と差込側コネクタとを確実に接続することができる。
尚、係合部421とベース側連結部403とが係合状態にある基板ボックス263を開封する場合には、隣接する切除用スリット422間の部位を破断することによってボックスベース本体401から係合部421(係合部421が形成されている部位)を切除する。これにより、基板ボックス263を開封することができる。尚、切除用スリット422に沿ってボックスベース本体401を破断して基板ボックス263を開封した場合には、ボックスベース本体401においてカバー側連結部453と係合する部位がなくなるため、基板ボックス263を再度封することができない構成となっている。また、本実施形態では、ベース側連結部403をボックスベース263aから除去する以外の方法(例えば、カバー側連結部453をボックスカバー263bから除去したり、切除用スリット422に沿ってボックスベース本体401を破断したりする)で基板ボックス263を開封した場合、基板ボックス263を再封印することが不可能となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
以上詳述したように、本実施形態では、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態(第1封印手段による基板ボックス263の封印状態)を解除した後、係合部421とカバー側連結部453とを係合状態(第2封印手段による基板ボックス263の封印状態)とするためには、ベース側連結部403をボックスベース263aから除去する必要がある。このため、ベース側連結部403が設けられたボックスベース263aに開封の痕跡が必ず形成されることとなる。従って、基板ボックス263を2つ用意したとしても、開封の痕跡のない(無傷の)ボックスベース263aを得ることは不可能となる。その結果、取り替えたことが分からないように主制御装置261やROM502等の制御手段を不正に交換するといった行為を防止することができ、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とすることができる。
また、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態においては、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁と蓋部451との間にベース側連結部403(係止部材431)が存在しているが、係合部421とカバー側連結部453とを係合させる際には、ベース側連結部403が除去されており、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁と蓋部451とが当接するまでボックスベース本体401に対してボックスカバー263bが押込まれる(基板ボックス263の横幅が小さくなる)。すなわち、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態(第1封印手段による封印状態)のときと、係合部421とカバー側連結部453との係合状態(第2封印手段による封印状態)のときとで基板ボックス263の外観が相違するため、ベース側連結部403が除去されたことを把握しやすく、基板ボックス263が開封されたことを容易に発見することができる。
さらに、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態においては、係合部421とカバー側連結部453とは非係合状態であるため、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態を解除する際には、係合部421とカバー側連結部453との係合を解除する必要はなく、ベース側連結部403をボックスベース本体401から除去するだけである。特に、本実施形態では、つまみ部436をつまんで引っ張るだけで、ベース側連結部403をボックスベース本体401から除去することができる。さらに、係止部材431とボックスベース本体401とを連結する硬化性樹脂層432は、係止部材431とボックスベース本体401との境界部付近の部位が薄肉となっており、つまみ部436をつまんで引っ張ることで、かかる薄肉部が比較的容易に破断される構成となっている。これらの構成により、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合による基板ボックス263の封印状態を解除する際の作業性の向上を図ることができる。
また、係合部421とカバー側連結部453とを係合させる際には、ベース側連結部403(係止部材431)を除去することで形成されたスペースを埋めるようにして、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとを組付けるだけである。従って、基板ボックス263を再度封印する際の作業性の向上を図ることができる。加えて、係合部421及びベース側連結部403に関しては、係合部421とベース側連結部403との係合状態において基板ボックス263の内側に収容されるため、基板ボックス263外部からの接触が非常に困難又は不可能となる。このため、比較的簡単な構成を採用しつつ、係合部421とベース側連結部403とにより基板ボックス263を確実に封印状態とすることができる。
加えて、ボックスベース本体401の開口部402は、ボックスベース263aに対して主制御装置261を当該主制御装置261の長手方向に沿って相対変位させた場合にのみ当該主制御装置261の挿通が許容される程度の大きさに構成されている。このため、ボックスベース263aの開口部402の周長を短くすることができ、ひいては、開口部402を囲むようにして設けられるベース側連結部403(係止部材431)の長さを短くすることができる。従って、封印に際しての作業性の向上、及び、コストの削減等を図ることができる。また、開口部402を囲むようにベース側連結部403が設けられることにより、例えば、開口部402の一辺部のみにベース側連結部403を設ける場合に比べ、より堅固な封印を行うことができる。
また、例えば、ベース側連結部403及びカバー側連結部453がそれぞれボックスベース263a及びボックスカバー263bと一体成形される場合であって、ベース側連結部403及びカバー側連結部453の剛性が高く、可撓性がほとんどない場合には、ボックスベース263aとボックスカバー263bとを組付けることが不可能となったり、組付けに際してベース側連結部403やカバー側連結部453が破損してしまったりするおそれがある。一方、ベース側連結部403を比較的軟質の素材により構成する場合には、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの組付けは容易に行えるものの、ベース側連結部403とカバー側連結部453との連結状態(第1封印手段による封印状態)が脆弱なものとなってしまう(所定の痕跡を残すことなく簡単に開封されてしまう)おそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、当初、ボックスベース本体401とは別体として構成される係止部材431をカバー側連結部453の収容部464に嵌め込み、ボックスベース本体401及びボックスカバー263bを位置合わせした後、係止部材431とボックスベース本体401とにかけて硬化性樹脂層432を形成することにより、ベース側連結部403が構成されるとともに、ベース側連結部403とカバー側連結部453とが係合状態とされる。従って、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付けに際しての上記不具合を憂慮することなく、上記作用効果が奏される適切な素材によりベース側連結部403及びカバー側連結部453を構成し、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態を確実なものとすることができる。
さらに、例えば、ベース側連結部403をボックスベース本体401と一体成形し、かつ、ボックスカバー263bの蓋部451の外側面と、カバー側連結部453の基部461との間に段差が形成されない構成を採用する場合、連結部921とカバー側連結部453とを係合させる際に、ボックスカバー263bをボックスベース263aに押し込みすぎてしまうと、カバー側連結部453がベース側連結部403ではなく係合部421と係合してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態のように、ボックスベース本体401及びボックスカバー263bを位置合わせした状態で、係止部材431をボックスベース本体401に連結することによって、ベース側連結部403とカバー側連結部453とを確実に係合状態とすることができ、上記不具合を回避することができる。もちろん、カバー側連結部453と係合部421とが係合した状態においては、係止部材431を設置するスペースがなく、ボックスベース本体401に対してベース側連結部403を的確に接続成形することができない。
また、本実施形態では、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態を解除する場合に、ベース側連結部403に関してはボックスベース263aから除去されるが、カバー側連結部453に関してはボックスカバー263bに残され、基板ボックス263を再度封印する際に使用される。従って、基板ボックス263の封印に関する部材の共通化を図ることができ、例えば、一回目の封印に使用されるベース側連結部403及びカバー側連結部453とは別に、二回目の封印に使用する係合部421と被係合部とを設ける場合に比べ、構成の簡素化を図ることができる。
加えて、本実施形態では、硬化性樹脂層432により係止部材431とボックスベース本体401とを連結している。このため、ボックスベース本体401と係止部材431とを比較的容易に連結することができる。また、係止部材431に凹部434が形成され、凹部434に硬化性樹脂層432が形成されることにより、係止部材431と硬化性樹脂層432とをより確実に連結することができる。さらに、ボックスベース本体401に充填部423が形成され、充填部423に硬化性樹脂層432が形成されることにより、ボックスベース本体401と硬化性樹脂層432とをより確実に連結することができる。これらの構成により、結果的に、係止部材431とボックスベース本体401とをより確実に連結することができる。
また、係止部材431に流れ止め435が設けられることにより、係止部材431の凹部434及びボックスベース本体401の充填部423に対して確実に光硬化性樹脂を充填させ、硬化性樹脂層432を確実に形成することができる。加えて、係止部材431が可撓性を有することで、係止部材431を収容部464に確実かつ比較的容易に嵌め込むことができ、係止部材431を嵌め込んだ後、凹部434に硬化性樹脂層432が形成されることで、係止部材431の剛性を高めることができ、基板ボックス263の封印状態(ボックスベース263aとボックスカバー263bとの取付状態)の安定化を図ることができる。
加えて、係止部材431(カバー側連結部453)の離脱方向への変位を規制する規制片441が設けられているため、ベース側連結部403が意図することなくボックスベース本体401から離脱してしまうといった事態を防止することができる。
また、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態のときと、係合部421とカバー側連結部453との係合状態のときとで、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとの相対位置が変化することに伴って、主制御装置261の受側コネクタ265とコネクタ開口部411との相対位置が変化したとしても、パネル部材416をスライドさせることで、かかる変化を許容することができる。従って、確実にコネクタ接続を行うことができる。さらに、受側コネクタ265とコネクタ開口部411(接続孔部417)の周縁部との間に隙間が生じてしまうといった事態を防止することができる。特に、本実施形態では、各封印状態においてパネル部材416の変位が取付孔412に螺着される破断ねじ418により規制されるため、例えば、受側コネクタ265から差込側コネクタを取外し、パネル部材416をスライドさせることで、受側コネクタ265と接続孔部417の周縁部との間に隙間が形成されてしまうといった事態を防止することができる。従って、コネクタ開口部411(接続孔部417)を介して主制御装置261への接触が図られてしまうといった事態を防止することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、二回目の基板ボックス263の封印に際し、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁とボックスカバー263bの蓋部451とが当接する構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。但し、係合部421とカバー側連結部453との係合部位への外部からの接触を防止するべく、かかる係合部位よりも開口部402側において、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとを当接させたり、係合部位を開口部402から離して設置したりすることが望ましい。
また、図13に示すように、ボックスベース本体401の開口部402側の端縁に係止凹部701を設けるとともに、ボックスカバー263bの蓋部451の周縁部に対し、係合部421とカバー側連結部453とを係合させる際に前記係止凹部701に挿入される突部702を設けることとしてもよい。この場合、ボックスベース本体401とカバー側連結部453との突合わせ部位において、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの組付け方向と直交する方向におけるボックスベース本体401とカバー側連結部453との位置ずれを防止することができる。従って、封印状態の安定化を図ることができる。
加えて、上記実施形態では、ボックスベース263a(ボックスベース本体401)に切除用スリット422が形成されているが、ボックスカバー263bに切除用スリット422を形成することしてもよい。この場合、切除用スリット422を基板ボックス263に収容された基板ボックス263の中心部から極力離れた位置に設けることができ、切除用スリット422から線材等を侵入させ、主制御装置261(に搭載された電気部材のうち主要な電気部材)に接触を図るといった不正行為を抑制することができる。また、切除用スリット422を介してカバー側連結部453に接触を図り、係合部421との係合状態を解除してしまうといった事態を防止することができる。
(b)基板ボックス263を封印する封印手段の構成は特に限定されるものではなく、基板ボックス263を少なくとも二回封印することができ、かつ、一回目の封印状態を解除する際に、ボックスベース263a及びボックスカバー263bのうち少なくとも予め定められた一方に開封の痕跡を残さなければ、二回目の封印を行うことができない構成となっていればよい。
以下、図14に示す態様例について説明する。図14(a)は一回目の封印状態にある基板ボックス263の連結部位を示す部分断面図であり、図14(b)は二回目の封印状態にある基板ボックス263の連結部位を示す部分断面図である。
図14に示すボックスベース263aは、開口部402の周縁部において、開口部402の内外周方向に貫通する連結孔801と、当該連結孔801よりも主制御装置261の挿通方向奥側(図14の左側)においてボックスベース263aの内側面に形成された係合凹部802と、連結孔801と係合凹部802との間に形成された切除用スリット803とを有している。
また、ボックスカバー263bは、基板ボックス263の組付け状態においてボックスベース263aの内周側に位置することとなるカバー側開口部452の周縁部においてボックスカバー263bの外側面に形成された連結凹部811と、連結凹部811よりも主制御装置261の挿通方向手前側(図14の右側)において、ボックスカバー263bの外方に突出する係合突起812と、連結凹部811と係合突起812との間に形成された切除用スリット813とを有している。
連結孔801、係合凹部802、連結凹部811、及び係合突起812は、開口部402及びカバー側開口部452の周方向に沿って、コーナー部を除く部位に形成されている。また、ボックスベース263a及びボックスカバー263bにそれぞれ形成される切除用スリット803、813は、開口部402及びカバー側開口部452の周方向に沿って所定間隔毎に複数形成されている。
一回目の封印に際しては、連結孔801と連結凹部811とを位置合わせし、連結孔801及び連結凹部811に光硬化性樹脂を充填し、硬化させ、連結孔801と連結凹部811とにかけて硬化性樹脂層821を形成することで、ボックスベース263aとボックスカバー263bとを連結する。
当該封印の解除に際しては、ボックスベース263a及びボックスカバー263bにそれぞれ形成された切除用スリット803、813に沿ってボックスベース263a及びボックスカバー263bを破断し、ボックスベース263a及びボックスカバー263bのうち連結孔801及び連結凹部811が形成された部位を基板ボックス263から除去する。これにより、基板ボックス263が開封される。二回目の封印に際しては、係合凹部802と係合突起812とを係合状態とすることで、ボックスベース263aとボックスカバー263bとを連結する。
以上のような構成を採用する場合でも、基本的に上記実施形態と同様の作用効果が奏される。但し、当該構成を採用する場合、一回目の封印状態のときと、二回目の封印状態のときとで、基板ボックス263の横幅が比較的大きく変化することとなる。このため、一回目の封印が解除されたことを把握し易くなる一方で、二回目の封印に際して基板ボックス263が小さくなることを見込んで、基板ボックス263を予め大きく成形しておく必要が生じる。これに対し、上記実施形態では、当該(b)の構成に比べ、基板ボックス263の横幅の変化が比較的小さいため、かかる事態を防止することができる。
(c)上記実施形態では、ボックスベース263aからベース側連結部403が除去されることで、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態が解除されるとともに、再度基板ボックス263を封印することができる構成となっているが、カバー側連結部453がボックスカバー263bから除去されることで、ベース側連結部403とカバー側連結部453との係合状態が解除されるとともに、再度基板ボックス263を封印することができる構成としてもよい。
以下、図15に示す態様例について説明する。図15(a)はボックスベース263aの背面図であり、図15(b)はボックスカバー263bの背面図であり、図15(c)は一回目の封印状態における基板ボックス263の部分断面図であり、図15(d)は二回目の封印状態における基板ボックス263の部分断面図である。
図15に示す基板ボックス263は、主制御装置261の裏面(前面)及び周縁部を覆うボックスベース263aと、ボックスベース263aの開口部を覆うボックスカバー263bとを備え、ボックスベース263aとボックスカバー263bとが前後に重ねられて組み付けられる構成となっている。また、ボックスベース263aのうち開口部402の周縁部(周壁部901)、及び、ボックスカバー263bのうちボックスベース263aの開口部402の周縁部位に突き合わされる突合せ部位はそれぞれ対称形状に構成されており、ボックスベース263aに対してボックスカバー263bを上下反転させたとしても、ボックスベース263aのうち開口部402周縁部位と、ボックスカバー263bの突合せ部とが合致する(隙間なく組み付けられる)ようになっている。
図15(a)に示すように、ボックスベース263aは、主制御装置261の周縁部を囲う枠状の周壁部901から周壁部901の内周側に突出する左右一対の取付片903を備えている。左右一対の取付片903はボックスベース263aの中央部を中心として非対称位置に設けられ、本例では、左側の取付片903は、周壁部901のうちパチンコ機10の背面視左側の壁部と上側の壁部とのコーナー部に設けられ、右側の取付片903は、周壁部901のうちパチンコ機10の背面視右側の壁部の上下方向中間位置に設けられている。また、取付片903には、前後に貫通する係止孔904が形成された、後述する係止部913を挿通可能となっている。
さらに、図15(c)、(d)に示すように、ボックスベース263aの周壁部901の外面には、周方向に沿って延びる溝部905が形成されている。
また、ボックスベース263aに収容された主制御装置261の背面には、主制御装置261の上辺部に沿って受側コネクタ265が設けられている(図15(a)参照)。
図15(b)、(d)に示すように、ボックスカバー263bは、主制御装置261の背面を覆う後壁部911と、後壁部911の周縁部から前方に突出する枠状の延出壁部912とを備えている。尚、後壁部911には、製造番号等の識別情報が刻印されている。
また、ボックスカバー263bには、後壁部911から前方に突出する左右一対の係止部913が設けられている。図15(d)に示すように、各係止部913は一対の係止片部914と、当該一対の係止片部914の各先端部から互いに反対向きに突出する係止爪部915とを備えている。また、図15(b)に示すように、左右一対の係止部913はボックスカバー263bの中央部を中心として非対称位置に設けられ、本例では、左側の係止部913は、後壁部911のうちパチンコ機10の背面視左側の上下方向中間位置に設けられ、右側の係止部913は、後壁部404のうちパチンコ機10の背面視右下のコーナー部に設けられている。加えて、ボックスカバー263bの後壁部911には、各係止部913を囲むようにして複数の切除用スリット917が形成されている。
また、ボックスカバー263bの延出壁部912は、ボックスカバー263bの周壁部901よりも一回り大きく構成され、基板ボックス263の組付け状態において、周壁部901の外側面と、延出壁部912の内側面とが略当接するように構成されている(図15(c)参照)。
さらに、図15(c)に示すように、延出壁部912の先端部には、ボックスベース263aの溝部905に嵌入する連結部921が一体的に設けられている。連結部921は上記実施形態のベース側連結部403と同様の構成を備えており、凹部434を有する係止部材431と、凹部434に光硬化性樹脂が充填、硬化されることで形成され、係止部材431と延出壁部912とを連結する硬化性樹脂層432とを備えている。
さらに、図15(b)に示すように、ボックスカバー263bの後壁部911の上部と下部には、受側コネクタ265を挿通可能な第1コネクタ開口部931及び第2コネクタ開口部932が形成されている。第1コネクタ開口部931及び第2コネクタ開口部932は、同じ開口形状をなし、ボックスカバー263b(後壁部911)の中央部を中心とする対称位置に設けられている。また、ボックスカバー263bには、第2コネクタ開口部932を閉塞する閉塞パネル935が設けられている。当該閉塞パネル935の両側部には前後に貫通する取付孔936が形成されている。これに対し、後壁部911の前面には、第2コネクタ開口部932の両側方において、ねじ穴を有するパネル取付部としてのボス937が設けられており、ボス937と取付孔936とが位置合わせされ、ねじ固定されている。尚、ボス937は、第1コネクタ開口部931の両側方にも形成されている。
一回目の封印に際しては、溝部905に係止部材431を嵌め込んだ後、ボックスベース263aとボックスカバー263bとを前後に重ね合わせ、延出壁部912の先端部と、溝部905から外方に突出した係止部材431とを当接状態とする。その後、係止部材431の凹部434に光硬化性樹脂を充填して硬化し、係止部材431と延出壁部912とにかけて硬化性樹脂層432を形成する。これにより、延出壁部912に接続成形された係止部材431と、溝部905とが係合し、ボックスベース263aとボックスカバー263bとが連結される(基板ボックス263が封印状態とされる)。
尚、かかる状態においては、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付け方向において、各係止部913の位置と取付片903(係止孔904)の位置とが一致しておらず、係止部913と取付片903とが係止状態となることはない。
当該封印の解除に際しては、硬化性樹脂層432を破断して連結部921をボックスカバー263bから除去する。これにより、基板ボックス263が開封される。
二回目の封印に際しては、まず、第2コネクタ開口部932を閉塞していた閉塞パネル935を取外し、当該閉塞パネル935を第1コネクタ開口部931に対応して取付ける。その後、前後方向を回転軸方向として、ボックスカバー263bを一回目の封印状態にあるときの姿勢から180度回転させる(上下反転させる)。これにより、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付け方向において、各係止部913の位置と取付片903の位置とが一致し、ボックスベース263aとボックスカバー263bとを組付けて圧接することにより、係止部913が取付片903に係止される(係止片部914が係止孔904に挿通状態とされ、係止爪部915が取付片903の前面に係止される)。これにより、ボックスベース263aとボックスカバー263bとが連結される(基板ボックス263が封印状態とされる)。
尚、係止部913と取付片903との係止状態において、切除用スリット917に沿ってボックスカバー263bを破断することで、係止部913がボックスカバー263bから除去され、基板ボックス263を開封することができる。
以上のような構成を採用する場合でも、基本的に上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、当該構成を採用する場合、一回目の封印状態のときと、二回目の封印状態のときとで、ボックスベース263aが上下反対向きとなるため、基板ボックス263の外観が大きく変化し、一回目の封印が解除されたことを把握し易くなる。さらに、二回目の封印を行う際に、ボックスベース263aに対してボックスベース263aの向きを反転させて組付けるだけなので、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの相対位置が変化することに起因して、基板ボックス263の大きさが変化してしまうといった事態を回避することができる。このため、例えば、二回目の封印を行う際に基板ボックス263が小さくなることを見込んで、基板ボックス263を大きく形成しておくといった必要がなくなる。従って、基板ボックス263の大型化を防止することができ、基板ボックス263の大型化に起因して、パチンコ機10の背面側において、基板ボックス263を設置するためのスペースを余分に必要としてしまうといった事態を防止することができる。
また、ボックスカバー263bの後壁部911の上下に同形状の第1コネクタ開口部931及び第2コネクタ開口部932が対称位置に設けられているため、ボックスベース263aに対してボックスカバー263bを上下反転させて取付けても、確実にコネクタ接続を行うことができる。また、使用していないコネクタ開口部931、932に関しては、閉塞パネル935により閉塞されるため、使用していないコネクタ開口部931、932を介して主制御装置261に対して不正な操作が行われてしまうといった事態を防止することができる。
さらに、閉塞パネル935は、ボックスカバー263bの前面に取付けられることから、基板ボックス263を開封しない限り、閉塞パネル935を取外すことが不可能となっている。従って、破断ねじやワンウェイねじ等を使用しなくとも済み、構成の簡素化や、閉塞パネル935の付替えに際しての作業性の向上等を図ることができる上、閉塞パネル935を簡単に取外すことができる。また、二回目の封印に際しては、第2コネクタ開口部932に対応して取り付けられていた閉塞パネル935を取外し、当該閉塞パネル935を第1コネクタ開口部931に対応して取り付ければよいことから、二回目の封印を行う際に別途閉塞パネルを用意する必要がなく、作業性の向上等を図ることができる。
(d)上記実施形態では、光硬化性樹脂を用いて係止部材431とボックスベース本体401とを連結しているが、特にこのような構成に限定されるものではない、例えば、その他の樹脂により硬化性樹脂層432を形成してもよい。つまり、当初液状又はペースト状をなし、充填後、硬化する性質を有する樹脂であればよい。例えば、紫外線を照射することで硬化する紫外線硬化性樹脂や、基板ボックス263に悪影響を与えないものであれば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を採用してもよい。
尚、上記実施形態では言及しなかったが、「光硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ系、オキセタン系等が挙げられる。また、「紫外線硬化性樹脂」としては、硬化機構が紫外線にのみよるものに限られるものではなく、空気中の湿度による硬化、金属イオンによる嫌気性硬化、若干の加熱による硬化、硬化触媒による硬化などの複合硬化によるものであってもよい。加えて、熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、アクリル、ABS等が挙げられる。
また、係止部材431とボックスベース本体401との連結や、二回目の封印に際してのボックスベース本体401とボックスカバー263bとの連結に関し、螺着後に工具係合部(十字穴等)が形成された部位を除去することのできる破断ねじや、取外す方向に回すことのできないワンウェイねじを用いることとしてもよい。
(e)上記実施形態では、ベース側連結部403(係止部材431)とボックスベース本体401とが当初別体として構成され、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとが位置合わせされた状態(係合部421とカバー側連結部453とが非係合状態で当接した状態)においてボックスベース本体401に対してベース側連結部403が接続成形される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、ボックスベース263bの成形に際し、ボックスベース本体401及びベース側連結部403が同時に一体形成されることとしてもよいし、ボックスベース本体401の成形後、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとを位置合わせする前に、ボックスベース本体401に対してベース側連結部403が接続成形されることとしてもよい。例えば、前者の構成を採用する場合、ボックスベース263bの成形時には、ベース側連結部403が開口部402の外周側に開くようにして形成しておき、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとを位置合わせした後、ベース側連結部403が開口部402の内周側に向けて変形するように加工することが考えられる。但し、開封の痕跡が判りにくいように加工されてしまうといったおそれを抑制するとともに、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの組付けに際して各種不具合(例えば、連結部403、453の破損、組付け作業性の低下等)を招くことなく基板ボックス263を確実に組付けるといった観点からすると、上記実施形態のように、ボックスベース本体401とボックスカバー263bとが位置合わせされた状態においてボックスベース本体401とベース側連結部403とを連結することが望ましい。
(f)上記実施形態では、基板ボックス263に関し、全部で2回封印状態とすることができる構成となっているが、3回以上封印状態とすることのできる構成としてもよい。例えば、ボックスベース263aに対し、切除用スリット422よりも図9(a)、図9(b)の左側においてボックスベース263aの内側に突出する係止爪を設け、被係合部421をボックスベース263aから除去した後、当該係止爪に対して係合部421を係合させることで、基板ボックス263が封印される構成としてもよい。
(g)上記実施形態では特に言及しなかったが、ベース側連結部403の色(例えば、係止部材431を有色とするとともに、有色透明の光硬化性樹脂を使用する)と、ボックスベース本体401やボックスカバー263bの色(無色透明)とを異ならせることとしてもよい。この場合、ベース側連結部403が除去されたことを把握し易くなる。また、硬化性樹脂層432に着色を施すことにより、例えば、ベース側連結部403を除去して基板ボックス263を不正開封した後、光硬化性樹脂を用いて、除去したベース側連結部403を再度ボックスベース本体401に連結するといった不正行為が行われた場合に、硬化性樹脂層432のうち、ベース側連結部403を除去した後も係止部材431やボックスベース本体401に残された元の硬化性樹脂層432である部位と、不正行為に際して使用される光硬化性樹脂によって構成される部位とで色を一致させることが困難となり、不正行為を発見しやすくなる。
(h)上記実施形態において、係止部材431(の長手方向の所定部位)に対し、(係止部材431の長手方向と交差する方向に沿って延びる)スリットを形成し、ベース側連結部403をボックスベース本体401から除去する際に、スリットにおいて係止部材431が破断される構成としてもよい。この場合、ベース側連結部403を破断して基板ボックス263を開封すると係止部材431が破断されるため、例えば、ベース側連結部403を除去して基板ボックス263を不正開封した後、光硬化性樹脂を用いて、除去したベース側連結部403を再度ボックスベース本体401に連結するといった不正行為を抑止することができる。
(i)上記実施形態において、係止部材431の凹部434とボックスベース本体401の充填部423とにかけて硬化性樹脂層432に埋設される埋設部材を設置することとしてもよい。当該構成を採用する場合、ベース側連結部403を一旦除去して基板ボックス263を開封した後、再度光硬化性樹脂を用いてベース側連結部403をボックスベース本体401に接続形成するといった不正行為が行われたとしても、埋設部材を確認することで、不正開封をより確実に把握することができる。尚、埋設部材は硬化性樹脂層432が破断されると同時に破断される程度の物性を有していることが望ましい。
(j)主制御装置261を収容する基板ボックス263のみならず、その他の制御装置を収容する基板ボックスに関しても、基板ボックス263と同様の構成を具備することとしてもよい。
(k)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央処理装置)や、遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品(制御手段)が実装された制御基板を備えており、当該制御基板に設けられた各制御手段によって一連の遊技が制御されている。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、制御基板を不正に取り外して当該基板のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ) を交換し遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等、制御手段や制御基板に対しての不正行為が数多く報告されており、各種の不正対策が検討されている。例えば、基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を持たせて、基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴(開封の痕跡)を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば、特開2003−180917号公報参照)。
一般的に、封印構造を備える基板ボックスは、制御基板を収容するボックスベースと、ボックスベースの開口部を閉塞するボックスカバーと、ボックスベースに設けられたベース側連結部と、ボックスカバーに設けられたカバー側連結部とを備えている。そして、ボックスベースとボックスカバーとを組付けると、ベース側連結部に形成された係止凹部とカバー側連結部に形成された係止孔とが位置合わせされ、係止孔及び係止凹部に対して、ピンやねじ等により構成されるカシメ部材を差込む(圧入する、螺着する)ことで、ボックスベースとボックスカバーとが連結される構成となっている。
さらに、係止孔及び係止凹部に差込まれたカシメ部材は、ベース側連結部及びカバー側連結部のうち少なくとも一方側を破壊(除去)しない限り取外し不可能に構成されている。つまり、基板ボックスを開封する際には、基板ボックスに対して所定の痕跡が形成されることから、不正開封された場合には、早期に且つ容易に発見することができる。
しかしながら、上記の構成を有する基板ボックスを2つ用意し、そのうちの一方の基板ボックスに関しては、カバー側連結部を破壊することで当該基板ボックスを開封し、他方の基板ボックスに関しては、ベース側連結部を破壊することで当該基板ボックスを開封した場合、それぞれ無傷の(開封に起因する痕跡のない)ボックスベース及びボックスカバーを得ることができてしまう。従って、上記のようにして得たボックスベース及びボックスカバーに不正な制御基板(例えば、ROMが取替えられた制御基板)を収容し、基板ボックスごと交換するといった不正行為が行われた場合には、外観上、制御基板が取り替えられたことが分からなくなるため、当該不正行為の発見が非常に困難になってしまうおそれがある。
なお、上記課題は、パチンコ機に限らず、同様の基板ボックス構造を有する他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、基板ボックスを備えた遊技機において、制御基板に関する不正行為をより確実に把握することのできる遊技機を提供することにある。
手段1.各種制御手段を具備する制御基板を収容するボックスベースと、
前記ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーと、
前記ボックスベースと前記ボックスカバーとを連結し、前記基板ボックスに収容された制御基板を封印する第1封印手段と、
前記第1封印手段による封印状態が解除された後、再度、前記ボックスベースと前記ボックスカバーとを連結し、前記基板ボックスに収容された制御基板を封印するための第2封印手段とを具備する基板ボックスを備え、
前記第1封印手段は、前記ボックスベースに設けられたベース側連結部と、前記ボックスカバーに設けられ、前記ベース側連結部と連結されるカバー側連結部とを備え、前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち予め定められた一方を対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去し、他方を対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに残すことで、或いは、前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部の両方を前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去することで、前記第1封印手段による封印状態を解除可能、かつ、前記第2封印手段によって前記基板ボックスを封印可能となることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1封印手段による基板ボックスの封印状態(ベース側連結部とカバー側連結部との連結状態)を解除し、第2封印手段により基板ボックスを再度封印するためには、ベース側連結部及びカバー側連結部のうち少なくとも予め定められた一方をボックスベース又はボックスカバーから除去(破壊)する必要がある。このため、ベース側連結部及びカバー側連結部のうち少なくとも予め定められた一方が設けられたボックスベース又はボックスカバーに開封の痕跡が必ず形成されることとなる。従って、基板ボックスを2つ用意したとしても、開封の痕跡のない(無傷の)ボックスベース及びボックスカバーを得ることは不可能となる。その結果、取り替えたことが分からないように制御基板やROM等の制御手段を不正に交換するといった行為を防止することができ、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とすることができる。
また、第2封印手段の存在により、遊技ホール等において、第1封印手段による基板ボックスの封印状態を解除し、基板ボックスから制御基板を取出して点検や交換を行った後、第2封印手段により基板ボックスを再度封印することができる。
尚、「前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち予め定められた一方を対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに残し、他方を対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去した場合、前記第2封印手段によって前記基板ボックスを封印することが不可能となること」としてもよい。また、ボックスベース及びボックスカバーはそれぞれ1つの部材により構成されてもよいし、複数の部材により構成されてもよい。さらに、ベース側連結部及びカバー側連結部は、ボックスベース及びボックスカバーに対して(ボックスベース及びボックスカバーの一部を破壊しない限り)取外し不可能に設けられていればよく、ボックスベース及びボックスカバーと一体成形されてもよいし、ボックスベース及びボックスカバーとは別の部材として構成されてもよい。さらに、制御手段としては、制御プログラムや固定値データを記憶したROM、ROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM、及び各種回路等を内蔵した1チップマイコンとしてのCPU等が挙げられる。
手段2.前記第2封印手段は、前記ボックスベース及び前記ボックスカバーのうち一方側に設けられた係合部と、他方側に設けられ、前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、前記係合部及び前記被係合部のうち少なくとも一方を、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去することで、前記第2封印手段による封印状態を解除可能な構成であり、
前記基板ボックスが前記第1封印手段により封印された状態にあるときには、前記係合部及び前記被係合部は係合不可能な相対位置にあり、
前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち予め定められた一方又は両方が前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去されることで前記第1封印手段による封印状態が解除された場合には、前記第1封印手段による封印状態にあるときとは異なる相対位置で前記ボックスベースと前記ボックスカバーとを組付けることにより、前記係合部及び前記被係合部が係合状態とされることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、第2封印手段による封印は、第1封印手段による封印状態のときとは異なる相対位置でボックスベースとボックスカバーとを組付け、第1封印手段による封印状態のときには非係合状態にあった係合部と被係合部とを係合させることにより行われる。すなわち、第1封印手段による封印状態のときと、第2封印手段による封印状態のときとでボックスベースとボックスカバーとの相対位置が相違している。従って、第1封印手段による封印状態のときと、第2封印手段による封印状態のときとで、基板ボックスの外観が変化するため、第1封印手段による封印が解かれたことを比較的容易に把握することができる。
さらに、第1封印手段による封印状態のときには、係合部と被係合部とが非係合状態であるため、第1封印手段による封印状態を解除する際には、係合部と被係合部との係合状態を解除する必要はなく、ベース側連結部及びカバー側連結部の少なくとも一方をボックスベース又はボックスカバーから除去するだけである。また、第2封印手段による封印を行う際には、第1封印手段による封印状態のときとは異なる相対位置でボックスベースとボックスカバーとを組付けるだけである。従って、第1封印手段による封印を解除し、再封印する際の作業性の向上を図ることができる。
手段3.前記第1封印手段は、当該第1封印手段による前記基板ボックスの封印状態において、前記ボックスベースの開口部に沿って前記基板ボックスの外面側に露出して設けられ、
前記第2封印手段は、当該第2封印手段による前記基板ボックスの封印状態において、少なくとも前記係合部と前記被係合部との係合部位が前記基板ボックスの内側に収容されることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、第1封印手段が基板ボックスの外部に露出して設けられているため、第1封印手段による封印が解除されたときの痕跡を発見し易く、基板ボックスが開封されたことを容易に発見することができる。さらに、第1封印手段による封印状態を解除する作業(ベース側連結部、カバー側連結部の除去作業)を比較的容易に行うことができる。加えて、係合部及び被係合部に関しては、基板ボックス外部からの接触が非常に困難又は不可能となるため、比較的簡単な構成を採用しつつ、基板ボックスを第2封印手段によって確実に封印することができる。
手段4.前記ボックスベースに形成され、制御基板を前記ボックスベースの内部に挿通させるための前記開口部は、前記ボックスベースに対して制御基板を当該制御基板の長手方向に沿って相対変位させた場合に当該制御基板の挿通を許容するとともに、前記ボックスベースに対して制御基板を当該制御基板の長手方向以外の方向に沿って相対変位させた場合には、当該制御基板の挿通が不可能となる程度の大きさを有し、
前記第1封印手段は前記ボックスベースの前記開口部を囲むようにして設けられていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
手段4によれば、ボックスベースの開口部の周長を短くすることができ、ひいては、開口部を囲むようにして設けられる第1封印手段の長さを短くすることができる。従って、第1封印手段による封印に際しての作業性の向上、及び、コストの削減等を図ることができる。また、開口部を囲むように第1封印手段を設けることにより、例えば、開口部の一辺部のみに第1封印手段を設ける場合に比べ、より堅固な封印を行うことができる。
尚、「前記ボックスカバーは、前記ボックスベースの前記開口部を閉塞する蓋部と、制御基板を保持する保持部とを備え、前記ボックスカバーを前記ボックスベースから取外すことで、前記ボックスカバーの変位に伴い、前記保持部に保持された制御基板が前記ボックスベースから取り出されること」としてもよい。この場合、ボックスベースを遊技機本体へ取付けた状態のまま、ボックスカバーを取外して制御基板を取り出す際の作業性の向上を図ることができる。
手段5.前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方には、破断することによって、前記一方が、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから離脱する破断部が設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段5によれば、第1封印手段による封印状態を解除する際の作業性の向上を図ることができる。尚、破断部は、第1封印手段による基板ボックスの封印状態を解除する際に(基板ボックスを開封する際に)、工具を用いて切断したり、手で折り取ったりすることができるように、基板ボックスに予め形成される部位である。
尚、前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方にはつまみ部が設けられ、作業者がつまみ部を持って引っ張ることで前記破断部が破断され、前記一方が対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから別離することとしてもよい。また、基板ボックスは、当該基板ボックスに対して着脱可能に設けられ、第1封印手段による封印状態において、前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方の変位を規制する規制手段を備えていることとしてもよい。この場合、前記予め定められた一方が意図することなく対応するボックスベース又はボックスカバーから離脱してしまうといった事態を防止することができる。
手段6.前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方は、当初、前記ボックスベース及び前記ボックスカバーとは別体として構成される係止部材を、前記ボックスベース及び前記ボックスカバーを位置合わせした状態で、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに対して取外し不可能に連結することにより構成され、
前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方が、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに対して一体的に設けられた時点で、前記ベース側連結部と前記カバー側連結部とが連結状態とされることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、ベース側連結部及びカバー側連結部がそれぞれボックスベース及びボックスカバーと一体成形される場合であって、ベース側連結部及びカバー側連結部の剛性が高く、可撓性がほとんどない場合には、製造誤差などが生じると、ボックスベースとボックスカバーとを組付けることが不可能となったり、組付けに際してベース側連結部やカバー側連結部が破損してしまったりするおそれがある。一方、ベース側連結部及びカバー側連結部を比較的軟質の素材により構成する場合には、ボックスベース及びボックスカバーの組付けは容易に行えるものの、ベース側連結部とカバー側連結部の連結状態(第1封印手段による封印状態)が脆弱なものとなってしまう(所定の痕跡を残すことなく簡単に開封されてしまう)おそれがある。
これに対し、手段6によれば、ボックスベース及びボックスカバーとは当初別体として構成される係止部材を、ボックスベースとボックスカバーとを位置合わせした状態で、対応するボックスベース又はボックスカバーに連結することにより、ベース側連結部及びカバー側連結部のうち前記予め定められた一方が形成される構成となっている。従って、ボックスベースとボックスカバーとの組付けに際しての上記不具合を憂慮することなく、適切な素材によりベース側連結部及びカバー側連結部を構成し、ベース側連結部とカバー側連結部との連結状態を確実なものとすることができる。
また、本手段のように、ボックスベース及びボックスカバーを位置合わせした状態で、係止部材をボックスベース又はボックスカバーに連結することによって第1封印手段による封印が行われる構成とすることで、第1封印手段による基板ボックスの封印を行う際に、第2封印手段による封印が行われてしまうといった事態を回避することができる。
手段7.前記係止部材は、硬化性樹脂が硬化されることで形成された硬化性樹脂層により、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーと連結されていることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
手段7によれば、ボックスベース又はボックスカバーに対して比較的容易に係止部材を連結することができる。
尚、硬化性樹脂層のうちボックスベース又はボックスカバーとの連結部位に関しては、係止部材に対してボックスベース又はボックスカバーから離脱させる方向に応力が作用した場合に破壊(破断)される程度の脆性を有していることとしてもよい。この場合、第1封印手段による封印状態を解除する際の作業性の向上を図ることができる。さらに、硬化性樹脂層は硬化性樹脂の充填量を変更することにより比較的容易に肉厚を変更することができる。従って、例えば、硬化性樹脂層を部分的に(係止部材とボックスベース又はボックスカバーとの連接部付近において)薄肉とし、基板ボックスを無理に開封した場合に、硬化性樹脂層の薄肉部が破断されて係止部材がボックスベース又はボックスカバーから離脱する構成とすることもできる。
尚、硬化性樹脂とあるのは、当初液状又はペースト状をなし、充填後、硬化する性質を有する樹脂をいう。硬化性樹脂としては、
(1)光硬化性樹脂…レーザ光等の光を照射することで硬化する樹脂、
(2)紫外線硬化性樹脂…紫外線を照射することで硬化する樹脂、
(3)その他…基板ボックスに悪影響を与えないものであれば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が挙げられる。「光硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ系、オキセタン系等が挙げられる。「紫外線硬化性樹脂」としては、硬化機構が紫外線にのみよるものに限られるものではなく、空気中の湿度による硬化、金属イオンによる嫌気性硬化、若干の加熱による硬化、硬化触媒による硬化などの複合硬化によるものであってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、アクリル、ABS等が挙げられる。
手段8.前記係止部材は有底状の凹部を有し、
前記硬化性樹脂層により前記係止部材が連結される前記ボックスベース又は前記ボックスカバーの前記係止部材との連接部位には段差部が形成され、
前記凹部及び前記段差部に硬化性樹脂が充填されて前記硬化性樹脂層が形成されることで、前記係止部材と、対応する前記ボックスベース又は前記ボックスカバーとが連結されていることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
手段8によれば、凹部に硬化性樹脂層が形成されることにより、係止部材と硬化性樹脂層とを確実に固着することができる。また、段差部に硬化性樹脂層が形成されることにより、ボックスベース又はボックスカバーと硬化性樹脂層とを確実に固着することができる。結果として、ボックスベース又はボックスカバーと係止部材とをより確実に連結することができる。
手段9.前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち前記予め定められた一方が前記第1封印手段による封印状態を解除する際に前記ボックスベース又は前記ボックスカバーから除去されるとともに、他方が前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに残される構成であって、
前記係合部及び前記被係合部のうち一方は、前記ベース側連結部及び前記カバー側連結部のうち、前記第1封印手段による封印状態が解除された後も前記ボックスベース又は前記ボックスカバーに残される前記他方により構成されていることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段9によれば、第1封印手段及び第2封印手段の一部を共通化することにより、構成の簡素化を図ることができる。
手段10.前記ボックスベース又は前記ボックスカバーには、制御基板に搭載された受側コネクタに対して差込側コネクタを接続するためのコネクタ開口部が形成され、
前記コネクタ開口部に対応して、前記差込側コネクタを挿通可能な接続孔部を有するパネル部材がスライド可能に設けられるとともに、
前記第1封印手段及び前記第2封印手段による封印状態のときの前記パネル部材の変位を規制する変位規制手段が設けられていることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段10によれば、第1封印手段による封印状態のときと、第2封印手段による封印状態のときとで、制御基板に搭載された受側コネクタとコネクタ開口部との相対位置がずれる場合であっても、パネル部材をスライドさせることで、かかる変化を許容することができる。従って、確実にコネクタ接続を行うことができる。また、受側コネクタとコネクタ開口部(接続孔部)の周縁部との間に隙間が生じてしまうといった事態を防止することができる。特に、本手段では、各封印状態においてパネル部材の変位を規制する変位規制手段が設けられていることにより、例えば、受側コネクタから差込側コネクタを取外し、パネル部材をスライドさせることで、受側コネクタと接続孔部の周縁部との間に隙間が形成されてしまうといった事態を防止することができる。従って、コネクタ開口部(接続孔部)を介して制御基板への接触が図られてしまうといった事態を防止することができる。
手段11.前記ボックスベースのうち前記開口部の周縁部、及び、前記ボックスカバーのうち前記ボックスベースの前記開口部の周縁部に突き合わされる突合せ部位はそれぞれ前記ボックスベース及び前記ボックスカバーの中央部を中心として対称形状に構成され、
前記第1封印手段による封印状態においては、前記ボックスベースと前記ボックスカバーとの組付け方向において前記係合部と前記被係合部との位置が一致せず、前記係合部と前記被係合部とが非係合状態にあり、
前記第2封印手段による封印を行う際に、前記ボックスベースに対し、前記ボックスカバーを前記第1封印手段による前記基板ボックスの封印状態にあるときの姿勢から反転させた姿勢で組付けることで、前記係合部と前記被係合部とが前記ボックスベースと前記ボックスカバーとの組付け方向において位置合わせされ、前記係合部と前記被係合部とが係合状態とされることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、第1封印手段による封印状態にあるときと、第2封印手段による封印状態にあるときとで、基板ボックスの外観が著しく変化する。このため、第1封印手段による封印が解除されたことをより容易に発見することができる。また、本手段では、第2封印手段による封印を行う際に、ボックスベースに対してボックスベースの向きを反転させて組付けるだけなので、ボックスベース及びボックスカバーの相対位置が変化することに起因して、基板ボックスの大きさが変化してしまうといった事態を回避することができる。このため、例えば、第2封印手段による封印を行う際に基板ボックスが小さくなることを見込んで、基板ボックスを大きく形成しておくといった必要がなくなる。従って、基板ボックスの大型化を防止することができ、基板ボックスの大型化に起因して、遊技機の背面側において、基板ボックスを設置するためのスペースを余分に必要としてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記係合部及び前記被係合部はそれぞれ複数設けられるとともに、前記ボックスベース及び前記ボックスカバーに対してそれぞれ非対称位置に設置され」ることとしてもよい。このように係合部及び被係合部を複数ずつ設けることで、第2封印手段による封印状態の安定化を図ることができる。
手段12.前記ボックスベースと前記ボックスカバーとが前後に重ねられることで前記基板ボックスが組み付けられるとともに、前記ボックスカバーに対して、制御基板に設けられた受側コネクタに差込側コネクタを接続するためのコネクタ開口部が形成される構成であって、
前記コネクタ開口部は、前記第1封印手段による前記基板ボックスの封印状態にあるときに使用される第1コネクタ開口部と、前記第2封印手段による前記基板ボックスの封印状態にあるときに使用される第2コネクタ開口部とを備え、
前記第1コネクタ開口部及び前記第2コネクタ開口部は、同形状をなして対称位置に設けられ、
前記ボックスカバーのうち前記ボックスベースと対向する側の面には、前記第1コネクタ開口部及び前記第2コネクタ開口部に対応して、使用していない前記コネクタ開口部を閉塞可能な閉塞パネルを取付けるためのパネル取付部が設けられていることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
手段12によれば、ボックスカバーに同形状の第1コネクタ開口部及び第2コネクタ開口部が対称位置に形成されているため、ボックスベースに対してボックスカバーを反転させて取付けても、確実にコネクタ接続を行うことができる。また、使用していないコネクタ開口部に関しては、閉塞パネルにより閉塞されるため、使用していないコネクタ開口部を介して制御基板に対して不正な操作が行われてしまうといった事態を防止することができる。
また、閉塞パネルは、ボックスカバーのうちボックスベースと対向する側の面に取付けられていることから、基板ボックスを開封しない限り、閉塞パネルを取外すことが不可能となる。従って、破断ねじやワンウェイねじ等を使用しなくとも済み、構成の簡素化を図ることができる上、閉塞パネルを簡単に取外すことができる。
さらに、第2封印手段による封印を行う際には、第1コネクタ開口部に対応して取り付けられていた閉塞パネルを取外し、当該閉塞パネルを第2コネクタ開口部に対応して取り付ければよいことから、第2封印手段による封印を行う際に別途閉塞パネルを用意する必要がなく、作業性の向上等を図ることができる。
手段13.前記基板ボックスは、前記ボックスベースと前記ボックスカバーとの位置決めを行う位置決め手段を備えていることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、各封印手段による封印作業に際し、作業性の向上を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。