JP5321825B2 - 容器口から分離可能なキャップ - Google Patents
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例えば、特許文献1には、容器口に嵌合するキャップ本体は、胴部に設けた、該胴部を切り裂くための縦方向に延びる弱化線と、該弱化線に沿った前記胴部の外周部に一端を接続し、弱化線を跨いで胴部の周りに隙間を置いて取り巻くように筒状に延設され、他端が胴部の外周部に接続される保護バンドと、該保護バンドの上端と胴部の上端とを接続する薄肉の上部壁とを有し、保護バンドにヒンジ部が接続されると共に、該ヒンジ部が接続された保護バンドの周方向の範囲における、該保護バンドの上端と胴部の上端とを接続する上部壁を他の範囲の上部壁よりも肉厚とし、その上面に、胴部に沿う円弧状に延びる凹部を設け、該凹部の底部と隙間との間に薄膜部を形成し、該凹部が形成された周方向の範囲内における、保護バンドの内側に縦方向に向う弱化線を設けて、分別回収時には、蓋体を下方に引っ張ることにより保護バンド用の弱化線を切断し、次いで、蓋体を外方に引っ張りながら胴部に沿うように移動させることにより胴部と保護バンドとを接続する薄肉の上部壁を切断して、最後に、蓋体をやや上方に引っ張り胴部用の弱化線を切断して胴部を分割することで、キャップ本体を容器口から分離させることが開示されている。
請求項1の発明では、使用後キャップを分別回収する際には、まず、蓋体を下方に引っ張りながら薄肉の胴部に設けた縦方向弱化部を切断して胴部を分割後、蓋体を上方に引っ張って屈曲片を切断し、次いで、蓋体を外方に引っ張りながら胴部に沿って移動させることで胴部に設けた周方向弱化部を切断し、その結果、胴部による容器口への拘束が解除されて、キャップ本体が容器口から分離される。
また、屈曲片と胴部の内周面との間の空間部の径方向長さが十分に確保されているために、この空間部を成形する金型ピンの厚みを従来(従来、湾曲した空間部を形成するための湾曲した金型ピンを採用していた)よりも厚肉に設定することができ、金型ピンの損傷などを最小限に抑えることができる。
さらに、成形する際、屈曲片により、容器口が嵌合される環状空間等を成形する下側金型と、空間部を成形する金型ピンとが接触するのを防ぎ、両者の接触による磨耗等の損傷を防ぐことができる。
請求項2の発明では、屈曲片と胴部の内周面との間に設けた空間部の径方向長さを十分に確保することができ、しかも、屈曲片の上端が天面部の下面に分離可能に接続されているので、屈曲片は、容器口との嵌合前においてはその姿勢を維持でき、容器口との嵌合時においては天面部の下面から分離して空間部を閉塞する方向に屈曲すると共に、容器口と薄肉の胴部との間に挟まれる状態となる。
請求項3の発明では、蓋体を下方に引っ張った際、薄肉の胴部に設けた縦方向弱化部に応力が集中するために、容易に縦方向弱化部を切断することができる。
また、縦方向弱化部を主ヒンジ部の周方向両端の位置に2箇所設けることにより、蓋体を下方に引っ張った際に、ヒンジ部の主ヒンジ部が先に薄肉の胴部の外周面との接続部位から切断されるのを抑制することができる。
請求項4の発明では、2箇所の縦方向弱化部のうち、弱化部の範囲が長い縦方向弱化部が切断されることで胴部が分割される。
請求項5の発明では、弱化部の範囲の長い縦方向弱化部を切断して胴部を分割した後、屈曲片に設けた縦方向弱化部を切断して屈曲片を分割する。
請求項6の発明では、キャップ本体を容器口に打栓する際に、薄肉の胴部の範囲が外方に変形するのを抑制することができ、しかも、空間部を成形するための金型ピンの下面と、天面部から下方部位を成形する下側金型の上面との間に突設部が介在するので、それぞれの金型が接触することによる損傷を防止することができる。
本発明の実施の形態に係るキャップ1は、図1に示すように、容器口(図示略)に嵌合されるキャップ本体2と、該キャップ本体2とヒンジ部3を介して連結される蓋体4とから構成される。
キャップ本体2は、図1及び図2に示すように、容器口に嵌合される円筒状の胴部5、5aと、該胴部5、5aの一端開口を閉鎖すると共に、内容物の注出口7が形成される円板状の天面部6とからなる。
天面部6の略中央部には内容物の注出口7が備えられ、該注出口7の内周面には、該注出口7を塞ぐ栓9が周方向に延びる弱化部8により接続される。また、この栓9には弱化部8を切断して注出口7を開放するためのリング状の把持部10が形成される。
また、天面部6の下面には、胴部5の内側で注出口7の周縁から円筒状注出壁部16が垂設される。該円筒状注出壁部16の外周面と、胴部5の内周面(後述する屈曲片22が形成される範囲は屈曲片22の内周面)との間に環状空間17が形成される。そして、容器口にキャップ本体2の環状空間17が嵌合し、胴部5の内周面に周方向に間隔を置いて複数形成された係合突部18が容器口の外周面を押圧するようになる。
図2〜図5に示すように、ヒンジ部3が接続される胴部5の範囲の内周面には、ヒンジ部3の主ヒンジ部20に近接して延在する屈曲可能な屈曲片22の両端が接続される。該屈曲片22は、ヒンジ部3の主ヒンジ部20の周方向範囲より若干大きな範囲で延在する。屈曲片22の上端は、天面部6の下面に分離可能に接続される。また、屈曲片22は、容器口との嵌合前においては、内方に湾曲状に屈曲しており、その曲率は、胴部5の曲率と略同等である。
図1〜図5に示すように、屈曲片22と対向する胴部5aの範囲の厚みは、上下方向全域に亘ってその他の胴部5の厚みより薄肉に形成され、屈曲片22と薄肉の胴部5aの内周面との間に上面視紡錘形状の空間部23が形成される。この空間部23は上下方向に貫通して形成される。
なお、図8に、空間部23を成形するための金型ピン40を示しているが、その厚みTが従来の金型ピンの厚みよりも大きく設定される。なお、符号41は、後述する第1溝部25を形成するための断面矩形状の第1突設部で、符号42は、後述する第2溝部26を形成するための断面矩形状の第2突設部で、符号43は、後述する第3溝部28を形成するための断面矩形状の第3突設部である。
また、屈曲片22には、薄肉の胴部5aに設けた第2溝部26に対向する位置に第3溝部28が形成される。該第3溝部28は、屈曲片22の縦方向全域に亘って延び、空間部23側に開口する略コ字状に形成され、この第3溝部28が形成される部位が薄肉化され縦方向弱化部となる。
また、図2及び図4に示すように、屈曲片22の上方で、空間部23に面する天面部6の壁面6aには、屈曲片22に設けた第3溝部28の延長線上付近に空間部23側に開口する略コ字状の第4溝部29が形成される。この第4溝部29と後述する周方向溝部30との間の部位が薄肉化され弱化部となる。
図4、図5及び図7に示すように、胴部5と天面部6との境目部分の内周面には、ヒンジ部3が接続される側の半周の範囲(薄肉の胴部5aが形成される範囲を除く)に周方向溝部30が形成され、その周方向溝部30が形成される部位が薄肉化され周方向弱化部となる。
胴部35の内周面には、キャップ本体2の筒状嵌合壁部12に係合する係合突条37が一条形成される。天面部36には、キャップ本体2の円筒状案内壁部13の内周面に密着する円筒状密着部38が垂設される。該円筒状密着部38には、その一部に内方に突設する突設部39が形成される。
まず、内容物を全て使用した後、蓋体4を開く。
次に、蓋体4を把持して下方に引っ張り、薄肉の胴部5aに設けた第1及び第2溝部25、26により薄肉化された各縦方向弱化部をそれぞれ切断すると共に、ヒンジ部3の各薄膜部21を胴部5の外周面との接続箇所からそれぞれ切断し、第1溝部25の延長線上で突設部27を径方向に沿って切断する。その結果、第1溝部25が形成される位置で胴部5aが分割され、蓋体4は、ヒンジ部3の主ヒンジ部20を介して第2溝部26から下方の厚肉の部位から連続する分割された一方の胴部5aと接続された状態となる。
次に、蓋体4を反時計周り方向に引っ張りつつ上方に引っ張り、屈曲片22に設けた第3溝部28により薄肉化された縦方向弱化部を切断して、屈曲片22をその位置で分割し、次いで、天面部6の壁面6aに設けた第4溝部29と周方向溝部30との間の薄肉化された弱化部を切断する。
次に、蓋体4を外方に引っ張りながら胴部5の外周面に沿って反時計周り方向に略90°の範囲移動させれば、胴部5と天面部6との境目部分に設けた周方向溝部30により薄肉化された周方向弱化部が切断されて、胴部5がその範囲で天面部6から分離される。
最終的に、蓋体4を上方に引っ張れば、胴部5による容器口への拘束力が解除されているので、キャップ本体2が容易に容器口から分離される。
また、本発明の実施の形態に係るキャップ1では、キャップ本体2に屈曲片22を備えているので、成形の際、容器口が嵌合する胴部5内の環状空間17を成形する下側金型と、空間部23を成形する金型ピン40とが接触するのを防ぎ、磨耗等の損傷を防ぐことができる。
さらにまた、本発明の実施の形態に係るキャップ1では、キャップ本体2の屈曲片22と空間部23を介して対向する薄肉の胴部5aの下端に、内方に突設される突設部27が設けられるので、キャップ本体2を容器口に打栓する際に、薄肉の胴部5aの範囲が外方に変形するのを抑制することができる。
さらにまた、本発明の実施の形態に係るキャップ1では、キャップ本体2に、屈曲片22に設けた第3溝部28により薄肉化された縦方向弱化部、及び周方向溝部30と空間部23に面する天面部6の壁面6aに設けた第4溝部29との間で薄肉化された弱化部が備えられており、これらが、薄肉の胴部5aに設けた第1溝部25により薄肉化された弱化部と、周方向溝部30により薄肉化された弱化部とをつなぐ弱化部として機能する。これにより、大きな力を必要とせずに容易にキャップ本体2を容器口から分離させることができる。
Claims (6)
- 容器口に嵌合される胴部及び内容物の注出口が形成される天面部を備えたキャップ本体と、該キャップ本体の胴部にヒンジ部を介して連結される蓋体とからなる容器口から分離可能なキャップであって、
前記キャップ本体は、前記ヒンジ部が接続される胴部の範囲の内周面に両端が接続される屈曲可能な屈曲片を有し、該屈曲片と前記ヒンジ部が接続される胴部の範囲の内周面との間に上下方向に貫通する空間部が設けられ、
また、該空間部に面する胴部の厚みを他の胴部よりも薄肉として、該薄肉の胴部に該胴部を縦方向に分割するための縦方向弱化部を設け、前記胴部の上部に、前記縦方向弱化部を切断して胴部を分割し前記屈曲片を切断した後に、胴部を前記天面部から分離させるための周方向弱化部を設けたことを特徴とする容器口から分離可能なキャップ。 - 前記屈曲片は、容器口との嵌合前においては、内方に向かって湾曲状に屈曲すると共に、その上端が前記天面部の下面に分離可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の容器口から分離可能なキャップ。
- 前記ヒンジ部は、前記薄肉の胴部に連結される主ヒンジ部と、該主ヒンジ部の両側に配置される薄膜部とからなり、前記主ヒンジは前記薄膜部よりも剛性を有し、前記縦方向弱化部は、前記薄肉の胴部で前記主ヒンジ部の周方向両端の位置に2箇所設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の容器口から分離可能なキャップ。
- 前記各縦方向弱化部は、その弱化部が形成される範囲が互いに相違することを特徴とする請求項3に記載の容器口から分離可能なキャップ。
- 前記屈曲片には、前記薄肉の胴部に設けた各縦方向弱化部のうち、弱化部の範囲の短い縦方向弱化部と対向する位置に縦方向弱化部が形成されることを特徴とする請求項3または4に記載の容器口から分離可能なキャップ。
- 前記薄肉の胴部の下端には、内方に突設される突設部が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器口から分離可能なキャップ。
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