JP5321463B2 - Ni基ろう材組成物、ろう付け補修方法、及び補修構造体 - Google Patents

Ni基ろう材組成物、ろう付け補修方法、及び補修構造体 Download PDF

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Description

本発明は、Ni基ろう材組成物、ろう付け補修方法、及び補修構造体に関する。
本願は、2007年9月3日に、日本に出願された特願2007−227962号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
航空機エンジンや産業用ガスタービンなどに使用される静翼や動翼、燃焼器ライナなどのガスタービン部品は、高温下に長時間晒される。そのため、これらの部品には、例えばNi基超合金やCo基超合金などの耐熱性に優れた金属材料が用いられる。しかしながら、このような耐熱合金からなるガスタービン部品では、高温下での長時間の使用により振動等のストレスが繰り返し加わると、熱疲労により亀裂や破断などの損傷が発生することがある。
このような損傷が定期点検等で発見された場合には、この損傷部分をろう付けによって補修することが従来より行われている(例えば、特許文献1:特開2005−103641号公報を参照)。具体的に、ガスタービン部品のろう付け補修では、母材と同等又は近似した組成を有する合金粉末と、BやSiなどの融点降下元素を添加したNi基ろう材粉末とを混ぜた補修材料を用意し、この補修材料を損傷部分に充填し、真空(減圧)雰囲気中で熱処理を加えることによって、損傷部分の補修が行われている。
また、補修された構造体において、補修された部位のクリープ特性を改善するため、Bの含有量を低下させ、Mo、W等の強化元素を添加したろう材を用いた補修も提案されている(非特許文献1:W.A. Demo, S.Ferrigno, D. Budinger, and E. Huron, Improving Repair Quality of Turbine Nozzles Using SA659 Braze Alloy, Superalloys 2000, 2000年1月8日,TMS2000, 713-720頁)。
上述したろう付け補修に用いられるNi基ろう材は、BやSiなどの融点降下元素が添加されることによって、母材の融点よりも低い温度で溶融してろう液を形成し、母材および合金粉末の間を充填するとともに、構成元素が母材および合金粉末内部へも拡散しながら母材及び合金粉末を一体に結合させる。しかしながら、Ni基ろう材に添加されたBは、ろう付け後の金属組織内に粒状又は塊状の硬くて脆い相を形成する。この相が多くなると、補修部分の機械的特性を低下させる。一方、Siを過剰に添加した場合も、ろう付け後の金属組織内に粒状又は塊状の硬くて脆い相を形成する。
また、非特許文献1のように、ろう材のBの添加量を低下させ、補修部分のクリープ強度を改善させる方法は提案されているが、クリープ強度と同時に熱疲労強度においてもすぐれた特性を補修部分に付与する方法は示されていない。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、ろう付け後の金属組織内に形成されるB又はSiを含む相を微細化し、従来と同等のろう材の融点を維持し、ろう付け後の金属に、従来と同等のクリープ特性を付与しながら、疲労強度などの他の機械的特性にも優れた特性を付与し得る、ろう付けによる補修を可能としたNi基ろう材組成物を提供することを目的とする。
並びに、本発明は、そのようなNi基ろう材組成物を用いることによって、部材に発生した損傷部分をろう付けによって適切に補修することを可能としたろう付け補修方法、及びそのようなろう付け補修方法によって適切に補修されてなる補修構造体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様は、Ni基ろう材組成物であって、少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有する、Ni基ろう材組成物である。
前記Ni基ろう材組成物を用いてろう付けをおこなえば、前記組成物を含有するろう材が溶融後、凝固して形成されるろう付け後の金属組織内にB又はSiを含む分散相を形成し、この分散相の最大長さを30μm以下とすることができる。
上記構成のNi基ろう材組成物は、ろう付け後の金属組織内にB又はSiを含む分散相を形成し、この分散相の最大長さが30μm以下であることを特徴とするNi基ろう材組成物である。
上記Ni基ろう材組成物は、ろう付け後の金属組織に合金多結晶体の素地を形成し、前記素地の合金の平均粒径が100μm以下であるNi基ろう材組成物であることが好ましい。
上記本発明のNi基ろう材組成物は、部材に発生した欠陥をろう付けによって補修するろう付け補修方法において、ろう付けに使用されるろう材の材料として用いることができる。これにより、欠陥が補修された補修構造体(補修部材)において、補修部分の金属組織に、形成されるB又はSiを含む分散相の最大長さを30μm以下とすることができる。
(2)本発明の第2の態様は、部材に発生した欠陥をろう付けによって補修する、ろう付け補修方法であって、
少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するろう材を含む補修材料を調整する工程と、
前記部材の欠陥部に、前記補修材料を充填する工程と、
前記部材の前記補修材料の充填された欠陥部を含む部位を加熱して、前記補修材料に含まれる前記ろう材を溶融させ、ろう液を形成する加熱工程と、
前記部位を冷却して、前記ろう液を凝固させる冷却工程とを含み、
前記冷却工程後に形成される補修された部位の金属組織中において、B又はSiを含有する分散相の最大長さを30μmとする、
ろう付け補修方法である。
上記ろう付け補修方法において、前記補修材料は、ろう材粉末と、前記ろう材粉末より融点の高い合金粉末を含むものであることが好ましい。
さらに、前記冷却工程において、前記ろう液より前記合金粉末粒子の外縁に外縁部を結晶成長させることが好ましい。
さらに前記加熱工程において、前記ろう液の構成元素を、上記合金粉末に拡散させ、前記冷却工程において上記外縁部を合金粉末粒子とを一体に形成させることが望ましい。
記本発明のろう付け補修方法は、前記ろう付け後に形成される補修された部位の金属組織が合金多結晶体の素地と、前記素地中に分散する前記分散相を有し、前記素地の合金の平均結晶粒径を100μm以下とするものであることが望ましい。
上記本発明のろう付け補修方法において用いられるNi基ろう材は、上記第1の態様記載のろう材組成物より形成されたものとすることができる。
(3)本発明の第3の態様は、補修構造体であって、
母材と、母材の欠陥にろう付け補修を施して形成された補修部分を含み、
前記補修部分は、合金の多結晶体からなる素地と、前記素地中に分散したB又はSiを含む、最大長さが30μm以下の分散相を含み、
前記分散相および、前記素地の少なくとも一部は、少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するろう材が溶融し凝固して形成された凝固組織である補修構造体である。
前記補修部分の前記素地は、さらに前記ろう材より高融点の合金粒子を含むことが好ましい。
前記素地の合金の平均結晶粒径は100μm以下であることが好ましい。
上記補修部分の素地において、凝固組織の少なくとも一部が、前記合金粒子の周囲に結晶成長した外縁部を構成することが望ましい。さらに前記合金粒子と前記外縁部は元素拡散により一体化されていることが好ましい。
記補修構造体は、欠陥を有する母材を上記第2の態様記載の補修方法で補修することにより形成された補修構造体とすることができる。
以上のように、本発明では、B又はSiを含む相の粗大化を生じず、かつ、ろう材として充分な融点降下が得られるB、Siの最適な組成範囲を特定することによって、従来と同等のろう材の融点を維持しながら、ろう付け後の金属組織が従来と同等のクリープ特性を維持し、さらに疲労強度などの他の機械的特性にも優れるろう付けによる補修を可能としたNi基ろう材組成物を提供することが可能である。
また、本発明によれば、そのようなNi基ろう材組成物を用いることによって、部材に発生した損傷部分をろう付けによって適切に補修することができるろう付け補修方法、及びそのようなろう付け補修方法によって適切に補修されてなる補修構造体を提供することが可能である。
図1A−Cは、本発明の補修構造体の一例として示すタービンノズルの断面図であり、図1Aはタービンノズルの模式断面図である。 図1Bは、補修材料が充填された図1Aのクラックdの周囲の模式断面図である。右側には、充填された補修材料を模式的に示す図が付されている。 図1Cは、補修後の補修部位の模式断面図である。 図2Aは、実施例1の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長100μmの場合である。 図2Bは、実施例1の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長20μmの場合である。 図3Aは、比較例1の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長100μmの場合である。 図3Bは、比較例1の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長20μmの場合である。 図4Aは、比較例2の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長100μmの場合である。 図4Bは、比較例2の補修部分における金属組織を示す顕微鏡写真であり、スケール長20μmの場合である。 図5は、本願の実施例1、比較例1、2で測定されたクリープ特性を母材のクリープ特性および従来技術による修理材のクリープ特性と対比した図である。
以下、本発明を適用したNi基ろう材組成物、ろう付け補修方法、及び補修構造体について、図面を参照して詳細に説明する。
Ni基ろう材組成物
先ず、本発明を適用したNi基ろう材組成物について説明する。
本発明を適用したNi基ろう材組成物は、少なくとも、1.0質量%以上1.3質量%以下のBと、4.0質量%以上6.0質量%以下のSiとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有し、ろう付け後の金属組織内に、B又はSiを含む粒状又は塊状の分散相を形成し、この分散相の最大長さを30μm以下とするものである。
また、上記本発明を適用したNi基ろう材組成物は、更に、25質量%以下のCrと、15質量%以下のCoと、4質量%以下のAlと、4質量%以下のTaとを含有してもよい。
以下、本発明を適用したNi基ろう材組成物が含有する各元素及びその含有量を規定した理由、並びにろう付け後の金属組織について説明する。
ホウ素(B):1.0質量%以上1.3質量%以下
Bは、融点降下元素である。しかしながら、Bの含有量が1.0質量%未満になると、十分に融点が降下せず、ろう材の濡れ性の低下が生じる。一方、Bの含有量が1.3質量%を超えると、B又はSiを含む分散相が粗大化し、特にクリープ特性が低下する。したがって、Bの含有量は、質量%で、1.0質%以上1.3%以下の範囲が好ましく、より好ましくは1.1%以上1.2%以下の範囲である。
ケイ素(Si):4.0質量%以上6.0質量%以下
Siは、融点降下元素であり、Bと共に添加することにより、Bの添加量を低減することができる。しかしながら、Siの含有量が4.0質量%未満になると、十分に融点が降下せず、母材とろう材の濡れ性の低下が生じる。一方、Siの含有量が6.0質量%を超えると、ろう付け後の金属組織においてB又はSiを含む分散相が粗大化し、特にクリープ特性が低下する。したがって、Siの含有量は、質量%で、4.0%以上6.0%以下の範囲が好ましく、より好ましくは質量%で、4.5%以上5.5%以下の範囲である。
クロム(Cr):25質量%以下
Crは、固溶強化及び耐酸化特性の向上のための元素であり、必要に応じて添加することができる。しかしながら、Crの含有量が25質量%を超えると、ろう材の濡れ性を低下させる。したがって、Crの含有量は、25質量%以下であることが好ましい。
コバルト(Co):15質量%以下
Coは、固溶強化のための元素であり、必要に応じて添加することができる。しかしながら、Coの含有量が15質量%を超えると、ろう材の濡れ性を低下させる。したがって、Coの含有量は、15質量%以下であることが好ましい。
アルミニウム(Al):4.0質量%以下
Alは、析出強化及び耐酸化特性の向上のための元素であり、必要に応じて添加することができる。しかしながら、Alの含有量が4.0質量%を超えると、ろう材の濡れ性を低下させる。したがって、Alの含有量は、4.0質量%以下であることが好ましい。
タンタル(Ta):4.0質量%以下
Taは、析出強化のための元素であり、必要に応じて添加することができる。しかしながら、Taの含有量が4.0質量%を超えると、ろう材の濡れ性を低下させる。したがって、Taの含有量は、4.0質量%以下であることが好ましい。
残部
Ni及び不可避不純物
不可避不純物としては、酸素や窒素などを挙げることができる。これら不可避不純物の含有量がそれぞれ0.05質量%以下であれば、ろう付け後の微細組織や機械的特性に特に影響を与えることはない。
また、本発明を適用したNi基ろう材組成物は、更に、融点降下元素として、Pd、Zr、Hfのうち何れか1種又は2種以上を含有するものであってもよい。これらの融点降下元素を添加する場合は、ろう付け部分のB又はSiを含む分散相の最大長さが30μmを超えない範囲で添加することが好ましい。
ろう付け後の金属組織
本発明を適用したNi基ろう材組成物は、ろう付け後の金属組織内に、B又はSiを含む粒状又は塊状の分散相を形成する。ここで、ろう付け後の金属組織とは、本発明のNi基ろう材組成物、または前記Ni基ろう材組成物を含むろう材を溶融後、凝固して形成される凝固組織を示す。この凝固組織には、金属多結晶体と、前記多結晶体中に分散した上記分散相が含まれている。
上述したB、Siの最適な組成範囲を特定することによって、B又はSiを含む分散相の最大長さを30μm以下、更に好ましくは10μm以下に制御することが可能である。凝固組織が、分散相の最大長さが30μm以下の微細組織であれば、従来と同等の融点のろう材を用い、ろう付け後の金属が従来と同等のクリープ特性を維持しながら、疲労強度(例えば、熱疲労強度)などの他の機械的特性にも優れるろう付けによる補修が可能となる。なお、B又はSiを含む分散相としては、ホウ化物、ケイ化物などが観察される。
また、本発明では、B又はSiを含む細粒の分散相が均一に形成されるため、金属多結晶体の結晶粒の成長が、これら分散相により阻止され、平均結晶粒径も細粒化される。本発明では、凝固金属組織の平均結晶粒径を100μ以下とすることができる。そのため、本発明のろう材組成物を用いて部材の補修を行えば、補修部分の機械的特性を向上することができる。更に好ましい金属多結晶体の平均結晶粒径は50μm以下である。
ろう付け補修方法及び補修構造体
次に、本発明を適用したろう付け補修方法及び補修構造体について説明する。
ろう材
本発明を適用したろう付け補修方法では、上記本発明のNi基ろう材組成物を含むろう材を用いる。このろう材は、本発明のNi基ろう材組成物の組成範囲を満たすよう調製されたろう材粉末とすることができる。このろう材粉末は、一種類の合金粉末であってもよい。あるいは複数の種類の金属粉末を混合し、全体組成が上記組成範囲を満たすように調整された混合粉末であってもよい。上記粉末はろう付け温度で溶融するものとする。
Ni基ろう材粉末の粒径は、10μm以上300μm以下であることが好ましい。Ni基ろう材粉末の粒径が10μm未満であると、粉末製造時の歩留りが悪くなり、コスト高となる。一方、Ni基ろう材粉末の粒径が300μmを超えると、ろう付け時に均一な融液(ろう液)を形成することが難しくなる。したがって、Ni基ろう材粉末の粒径は、10μm以上300μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは、10μm以上150μm以下の範囲である。なお、細かいクラックに充填する場合、ろう材粉末の粒径は90μm以下とすることがさらに望ましい。
補修材料
構造体の部材に発生した損傷を補修する場合、上記ろう材を含む補修材料を調整する。
補修材料は、上記Ni基ろう材粉末と、Ni基ろう材粉末より融点が高い合金の粉末(以下合金粉末と記載する)を含むものとできる。
このろう材粉末と混合される合金粉末は、母材と実質的に同じ機械的特性を有する合金の粉末であることが好ましい。そのため、母材に近似した組成を有するものであることが好ましい。その際、一種の合金粉末を用いてもよく、二種以上の合金粉末を用いても良い。母材が超合金よりなる場合、ろう材粉末と混合される粉末も超合金粉末とすることができる。さらに上記合金粉末は、母材と実質的に同等の組成を有することが好ましい。
上記合金粉末の粒径は、10μm以上であることが好ましい。合金粉末の粒径が10μm未満であると、粉末製造時の歩留りが悪くなり、コスト高となる。
一方、合金粉末の粒径が90μmを超えると、細かいクラックに充填することが困難となる。したがって、合金粉末の粒径は、10μm以上90μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは、10μm以上38μm以下の範囲である。
補修材料の調整においては、合金の体積がろう材の体積の9倍以上となるように、合金粉末とろう材粉末を混合することが望ましい。
また、補修材料は、スラリー状とするため、バインダを混ぜたものであってもよい。
なお、上記において、合金粉末の好ましい粒径を示したが、補修される欠陥箇所が大きい場合には、適宜粗粒の合金粉末、合金片などを準備し、上記補修材料に加えて補修に用いることができる。また、上記においては、Ni基ろう材粉末と合金粉末を混合して補修材料を調整すると説明したが、合金粉末に替えて、高融点の金属を用いることもできる。
補修過程
次に、上記のように調整した補修材料を損傷箇所に充填し、続いて、少なくとも損傷箇所を含む部位に熱処理を加える。熱処理温度は、母材の融点より低く、ろう材の融点以上の温度に調整される(加熱工程)。このとき、Ni基ろう材粉末は溶融し、構成元素が母材及び混合された合金粉末の内部に拡散しながら、母材及び合金粉末を一体に結合させる。次いで、加熱した部位を冷却して溶融したろう材を凝固させる(冷却工程)。
上記熱処理は、真空雰囲気中で行う。
補修部分の組織
上記のような補修を行って得られる補修構造体は、母材で形成される主たる部分と補修部分を有し、補修部分は、上記合金粉末の粒間をろう材が溶融・凝固して形成された凝固組織が充填する組織を有する。凝固組織は、合金多結晶体と、多結晶体中に分散するB又はSiを含む分散相を有し、分散相は最大長さが30μmの細粒なものとなる。補修部分を観察すると、多結晶体の素地に、上記B又はSiを含む分散相が分散した組織が観察される。素地を構成する多結晶体は、補修材料に用いた合金粉末の粒子(複数の合金粒子)、前記合金粒子の外縁部にろう液から成長した外縁部、ろう液から成長した結晶粒などからなる。加熱処理中に、ろう液から合金粉末へ元素拡散が生じるため、合金粉末粒子と外縁部の境界において、拡散元素は連続的な濃度勾配を有する。
上述したように、本発明では、微細な分散相の存在により、ろう液の凝固時に粗大な結晶の成長が防止される。合金粉末の周囲に外縁部が形成される場合にも、微細な分散層が外縁部の成長を阻害する。また、加熱処理中にろう液と接する表面部分では、合金粉末も一部融解する。そのため、本発明で合金粉末の粒径を90μm以下とした場合、素地の金属(合金)の平均結晶粒径も100μm以下とすることができる。
なお、補修部分の組織において、合金粉末とろう材は拡散と溶融により相互に反応するため、一般的に凝固組織と合金粉末組織は区別されない。しかし、合金粉末が少なく、相対的にろう液が多い場合は凝固組織と合金粉末組織が明確に区別されるようになる。このような場合は、十分な機械的性質を発揮できないため、ろう液の凝固組織と、合金粉末組織の比は体積比で1:9以上、すなわち合金粉末組織の体積が、ろう液の凝固組織の体積の9倍以上であることが必要である。
なお、損傷箇所が大きく、粗粒の合金を補修材に加える場合には、局所的な体積比が上記範囲と異なってもよい。
以下、本発明の一実施形態として、図1Aに示すようなタービンノズル1に発生したクラック(損傷部分)dを補修する場合について説明する。
本発明を適用したろう付け補修方法によってタービンノズル1に発生したクラックdをろう付けにより補修する際は、先ず、上記本発明のNi基ろう材組成物を含むNi基ろう材粉末3と、タービンノズル1の母材と同等又は近似した組成を有する合金粉末4とを混ぜた補修材料を用意する。合金粉末4は、タービンノズル1を形成するNi基超合金やCo基超合金、Fe基超合金などの母材2と同等又は近似した組成を有する一種類の合金の粉末、または二種以上の合金の混合粉末を用いることができる。合金粉末4の具体例としては、例えば、Rene80、Inconel713C、MarM247などを挙げることができる。Ni基ろう材粉末3の粒径、および合金粉末4の粒径は上記記載の範囲に調整する。
補修材料は、バインダを混ぜてスラリ状としたものであってもよい。バインダとしては、例えばニクロブレーズ・エス・セメント(Nicrobraze S cement)(商品名、ウォールコルモノイ社製)などを用いることができる。
次に、この補修材料をタービンノズル1の損傷部分dに、図1Bに示すように充填した後、真空(減圧)雰囲気下で熱処理を加える。このとき、Ni基ろう材粉末3は、母材2の融点よりも低い温度で溶融して融液(ろう液)を形成し、ろう液の構成元素が母材2および合金粉末の間を充填するとともに、構成元素は母材および合金粉末内部へも拡散しながら母材2及び合金粉末4を一体に結合させる。なお、ろう付け前には、予めタービンノズル1の損傷部分dを洗浄しておくことが好ましい。
次に、ろう付けされたタービンノズル1を冷却する。冷却後は、補修部分D(図1C参照)の研磨などの仕上げ加工を行う。こうして形成された補修部分では、合金粉末とろう材は拡散と溶融により相互に反応した、母材と異なる組織を示す。
以上のような工程を経ることによって、タービンノズル1の損傷部分dをろう付けによって補修することができる。
以上のように、本発明を適用したろう付け補修方法では、タービンノズル1に発生した損傷部分dをろう付けによって適切に補修することが可能であり、そのようなろう付け補修方法によって適切に補修されてなるタービンノズル(補修構造体)1を得ることが可能である。
なお、本発明を適用したろう付け補修方法は、上述したタービンノズル1に発生したクラック(損傷部分)dを補修する場合に限らず、部材に発生した損傷部分をろう付けによって補修する場合に幅広く適用することが可能である。したがって、本発明を適用したろう付け補修方法によって補修されてなる補修構造体についても、クラックを補修されたタービンノズルに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、先ず、1.15質量%のBと、5質量%のSiと、17質量%のCrと、5質量%のCoと、1.8質量%のAlと、1.7質量%のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するNi基ろう材粉末と、MarM247からなる合金粉末とを混ぜた補修材料を用意した。Ni基ろう材粉末の平均粒径は、90μmであり、合金粉末の平均粒径は、53μmである。そして、この補修材料を実際にタービンノズルに発生した損傷部分に充填し、1×10−4Torrの真空雰囲気中で、1200℃で15分、引き続き1125℃で4時間の熱処理を加えた後、冷却することによって、損傷部分の補修を行った。
この実施例1の補修部分における金属組織の顕微鏡写真を図2A,2Bに示す。図で、コントラストの明るい相がB又はSiを含む分散相であり、暗い相が素地の金属多結晶体である(以下の図3A,3B,4A,4Bも同様)。
実施例1では、図2A、2Bに示すように、金属組織内に形成されるB又はSiを含む分散相を微細化(最大長さ30μm以下)することができた。また、素地の金属の平均結晶粒径も48μm以下とすることができた。
また実施例1に示す補修部分について、クリープ試験および熱疲労試験を行い、機械的特性を検証した。熱疲労試験においては、試験片平行部のひずみを一定に保った上で、550℃と950℃の温度サイクルを与えることにより、引張および圧縮の応力サイクルを与えた。
980℃、試験応力69MPaのクリープ試験において、破断時間は115.5時間であった。熱疲労試験では、試験片表面にクラックが生じるまで、補修を行わない母材と同等の応力が負荷できた。また、クラック発生サイクルは、平均100サイクルであり、補修を行わない母材の約40%であった。これにより、良好な機械的特性が確認できた。
(比較例1)
比較例1では、先ず、0.75質量%のBと、7.5質量%のSiと、17質量%のCrと、5質量%のCoと、1.8質量%のAlと、1.7質量%のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するNi基ろう材粉末と、MarM247からなる合金粉末とを混ぜた補修材料を用意した。Ni基ろう材粉末の平均粒径は、90μmであり、合金粉末の平均粒径は、53μmである。そして、この補修材料を実際にタービンノズルに発生した損傷部分に充填し、1×10−4Torrの真空雰囲気中で、1200℃で15分、引き続き1125℃で4時間の熱処理を加えた後、冷却することによって、損傷部分の補修を行った。
この比較例1の補修部分における金属組織の顕微鏡写真を図3A,Bに示す。
比較例1では、図3A,Bに示すように、金属組織の粗大化を招き、素地の金属の平均粒径を100μm以下とすることができなかった。
また、比較例1では、980℃、試験応力69MPaのクリープ試験において、実施例1の約17%の破断時間(20時間)を示し、補修部分における機械的特性についても良好な結果が得られなかった。
(比較例2)
比較例2では、Siを含有せず、2.3質量%のBと、15質量%のCrと、10質量%のCoと、3.5質量%のAlと、3.4質量%のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するNi基ろう材粉末と、MarM247からなる合金粉末とを混ぜた補修材料を用意した。Ni基ろう材粉末の平均粒径は、90μmであり、合金粉末の平均粒径は、53μmである。そして、この補修材料を実際にタービンノズルに発生した損傷部分に充填し、1×10−4Torrの真空雰囲気中で、1200℃で15分、引き続き1125℃で4時間の熱処理を加えた後、冷却することによって、損傷部分の補修を行った。
この比較例2の補修部分における金属組織の顕微鏡写真を図4A,Bに示す。
比較例2では、図4Aに示すように、素地の金属は比較例1に比べ細粒であったが、金属組織内に形成されるB又はSiを含む分散相を微細化し、最大長さ30μm以下とすることはできなかった。
また、比較例2では、980℃、試験応力69MPaのクリープ試験においては、実施例1と同等の結果が得られたが、550℃と950℃の温度サイクルを与える熱疲労試験において、クラック発生サイクルが平均44サイクルと実施例1の約44%を示した。したがって、比較例2では、補修部分における機械的特性について実施例1よりも良好な結果が得られなかった。
上記の結果において、素地の金属の平均結晶粒径が100μmを超えた比較例1に比べ、素地の金属が比較的細粒な比較例1、素地の金属の平均結晶粒径が100μm以下の実施例1は、クリープ試験の結果が良好であった。またB又はSiを含む分散相の最大長さが30μmを超えた比較例2に比べ、B又はSiを含む分散相の最大長さが30μm以下となる実施例1は、熱疲労強度が優れていた。このことから補修部分の金属組織において、素地の金属の平均粒径を100μm以下とすることが補修部分のクリープ特性の向上に効果的であること、B又はSiを含む分散相の最大長さを30μm以下とすることが、補修部分の熱疲労強度を向上する上で効果的であること、本願のろう付け組成物、およびこれを用いた補修方法によれば、上記の両方の条件を満足し、補修部分のクリープ特性および熱疲労強度にすぐれた補修構造体を提供しうることがわかる。
図5は、縦軸に応力、横軸にラーソンミラーパラメータをとり、本願の実施例および比較例のクリープ特性を従来のロウ付修理材のクリープ特性と対比したものである。ラーソンミラーパラメータは式T(C+logt)で計算される数値であり、Tは絶対温度、Cは材料定数、tは破断時間である。ここでは、材料定数Cは20として計算した。
実施例1は白抜きの丸(O)、比較例1は白抜きの菱形(◇)、比較例2は×でプロットした。従来材としては、非特許文献1に記載のNi基ろう材で修理した修理材のクリープ特性を引用例1(△)および引用例2(□)としてプロットした(非特許文献1:W.A. Demo, S.Ferrigno, D. Budinger, and E. Huron, Improving Repair Quality of Turbine Nozzles Using SA659 Braze Alloy, Superalloys 2000, 2000年1月8日,TMS2000, 713-720頁)。引用例1は、Bを2.3wt%含有するロウ材で修理した修理材のデータであり、引用例2は、Bを1%以下まで低下させ、Mo、W等の強化元素を添加したろう材を用いてクリープ特性を強化した修理材のデータである。なお、Ni基超合金母材に関しても、MarM247、Rene80の二種類の母材のクリープ特性を実線で図5に示した。母材のクリープ特性は、非特許文献2(C.T. Sims, N.S. Stoloff, W.C. Hagel, Superalloys II, 1987年9月, John Willey & Sons, 640頁)記載のデータを用いた。
図5から見られるように、本願の実施例1では、従来用いられているろう材を使用した引用例1よりも大幅にすぐれたクリープ特性を示し、クリープ特性の改良された引用例2とほぼ同等のクリープ特性を示している。
比較例2もクリープ特性に関しては実施例1、引用例2と類似した結果を示すが、上述のように、熱疲労強度は実施例1に比べ劣っている。
上記の結果より、本発明のろう付け組成物を用いて補修を行った場合、補修構造体および補修部分の金属組織が、従来と同等のクリープ特性を示すとともに、熱疲労強度などの機械的特性にもすぐれることがわかる。
本発明によれば、ろう付け後の金属組織内に形成されるB又はSiを含む相を微細化し、従来と同等のろう材の融点を維持し、ろう付け後の金属が、従来と同等のクリープ特性を維持しながら、疲労強度などの他の機械的特性にも優れるろう付け補修を可能としたNi基ろう材組成物を提供することができる。

Claims (9)

  1. Ni基ろう材組成物であって、少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有する、Ni基ろう材組成物。
  2. 請求項1に記載のNi基ろう材組成物であって、ろう付け後の金属組織内にB又はSiを含む分散相を形成し、この分散相の最大長さが30μm以下であることを特徴とするNi基ろう材組成物。
  3. 請求項に記載のNi基ろう材組成物であって、前記ろう付け後の金属組織に合金多結晶体の素地を形成し、前記素地の合金の平均粒径が100μm以下であるNi基ろう材組成物。
  4. 部材に発生した欠陥をろう付けによって補修する、ろう付け補修方法であって、
    少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するろう材を含む補修材料を調整する工程と、
    前記部材の欠陥部に、前記補修材料を充填する工程と、
    前記部材の前記補修材料の充填された欠陥部を含む部位を加熱して、前記補修材料に含まれる前記ろう材を溶融させ、ろう液を形成する加熱工程と、
    前記部位を冷却して、前記ろう液を凝固させる冷却工程とを含み、
    前記冷却工程後に形成される補修された部位の金属組織中において、B又はSiを含有する分散相の最大長さを30μmとする、
    ろう付け補修方法。
  5. 請求項4に記載のろう付け補修方法であって、前記補修材料は、粉末状の前記ろう材と、前記ろう材より融点の高い合金粉末を含む、ろう付け補修方法。
  6. 請求項5に記載のろう付け補修方法であって、前記冷却工程後に形成される補修された部位の組織を合金多結晶体の素地と、前記素地中に分散する前記分散相を有するものとし、前記素地の合金の平均結晶粒径を100μm以下とする、ろう付け補修方法。
  7. 補修構造体であって、
    母材と、母材の欠陥にろう付け補修を施して形成された補修部分を含み、
    前記補修部分は、合金の多結晶体からなる素地と、前記素地中に分散したB又はSiを含む、最大長さが30μm以下の分散相を含み、
    前記分散相および、前記素地の少なくとも一部は、少なくとも、質量%で、B:1.0%以上1.3%以下、Si:4.0%以上6.0%以下、更に、17質量%以上25質量%以下のCrと、5質量%以上15質量%以下のCoと、1.8質量%以上4.0質量%以下のAlと、1.7質量%以上4.0質量%以下のTaとを含有し、残部がNi及び不可避不純物からなる組成を有するろう材が溶融し凝固して形成された凝固組織である補修構造体。
  8. 請求項7に項記載の補修構造体であって、前記素地は、さらに前記ろう材よりも高融点の合金粒子を含む、補修構造体。
  9. 請求項8に記載の補修構造体であって、前記素地の合金の平均結晶粒径は100μm以下である、補修構造体。
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