JP5320519B1 - 廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】側方からの雨水等の浸入および処分場内からの漏水を確実に防止することができる廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造を提供する。
【解決手段】
廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造は、内側面に、遮水シート110Xおよびその表面を被って保護する保護マット110Yを複数積層させた内側面防水構造体110と、その表面に被覆されたウレタン121およびその表面に吹付けた不燃性の吹付材122で構成される被覆構造体120とを備える。さらに、垂直壁10と一体として処分場の底部を閉蓋する底版コンクリート20の下に、遮水シート220Xおよびその上下を被う保護マット220Yで構成される防水ユニット220と、その上に敷設された砕石220aとで構成される第2防水構造体22とを備え、第2防水構造体22は、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部221と、第1鍔部221から垂直壁10へ水平方向に延びる第2鍔部222とを有し、第2鍔部222が地上面GLと等しい。
【選択図】図2
【解決手段】
廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造は、内側面に、遮水シート110Xおよびその表面を被って保護する保護マット110Yを複数積層させた内側面防水構造体110と、その表面に被覆されたウレタン121およびその表面に吹付けた不燃性の吹付材122で構成される被覆構造体120とを備える。さらに、垂直壁10と一体として処分場の底部を閉蓋する底版コンクリート20の下に、遮水シート220Xおよびその上下を被う保護マット220Yで構成される防水ユニット220と、その上に敷設された砕石220aとで構成される第2防水構造体22とを備え、第2防水構造体22は、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部221と、第1鍔部221から垂直壁10へ水平方向に延びる第2鍔部222とを有し、第2鍔部222が地上面GLと等しい。
【選択図】図2
Description
本発明は、廃棄物を貯蔵する中間処理施設などの廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造に関する。
従来、この種の垂直壁構造としては、本願出願人による下記特許文献1がある。かかる垂直壁では、最終処分場の外周をなす垂直壁の内側面に保護シートと遮水シートとを順次相互に重ねて配設し、その遮水シートの表面に吹付ウレタン層を形成した構造となっている(特許文献1,段落[0026]参照)。これにより、側方からの雨水等の浸入を防止すると共に、最終処分場内の保有水の漏水も防止することができる。
ここで、本願出願人はさらなる鋭意の試験研究において、廃棄物貯蔵施設においても、側方からの雨水等の浸入を防止すると共に、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を防止するより高いレベルでの安全性能を実現することを検討した。
かかる背景のもとに、本発明は、側方からの雨水等の浸入および廃棄物貯蔵施設内からの漏水を確実に防止することができる廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造を提供することを目的とする。
第1発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造は、廃棄物を貯蔵する廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造であって、
前記廃棄物貯蔵施設の外周に立設されたコンクリート製の垂直壁と、
前記垂直壁の内側面に、遮水シートおよび該遮水シートの表面を被って保護する保護マットを複数積層させた内側面防水構造体と、
前記内側面防水構造体の表面に被覆されたウレタンおよび該ウレタンの表面に吹付けた不燃性の吹付材で構成される被覆構造体と、
前記垂直壁と一体として該廃棄物貯蔵施設の底部を閉蓋する底版コンクリートと、
前記底版コンクリートの下に、遮水シートおよび該遮水シートの上下を被う保護マットで構成される防水ユニットと、該防水ユニットの上に敷設された砕石とで構成され、該底版コンクリートの下面および前記垂直壁の下端部全体を覆う底部防水構造体と
を備え、
前記底部防水構造体は、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部と、該第1鍔部から前記垂直壁へ水平方向に延びる第2鍔部とを有し、該第2鍔部が地上面と等しいことを特徴とする。
前記廃棄物貯蔵施設の外周に立設されたコンクリート製の垂直壁と、
前記垂直壁の内側面に、遮水シートおよび該遮水シートの表面を被って保護する保護マットを複数積層させた内側面防水構造体と、
前記内側面防水構造体の表面に被覆されたウレタンおよび該ウレタンの表面に吹付けた不燃性の吹付材で構成される被覆構造体と、
前記垂直壁と一体として該廃棄物貯蔵施設の底部を閉蓋する底版コンクリートと、
前記底版コンクリートの下に、遮水シートおよび該遮水シートの上下を被う保護マットで構成される防水ユニットと、該防水ユニットの上に敷設された砕石とで構成され、該底版コンクリートの下面および前記垂直壁の下端部全体を覆う底部防水構造体と
を備え、
前記底部防水構造体は、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部と、該第1鍔部から前記垂直壁へ水平方向に延びる第2鍔部とを有し、該第2鍔部が地上面と等しいことを特徴とする。
第1発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、垂直壁の内側面に内側面防水構造体および被覆構造体が設けられているため、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を防止することができる。
このとき、内側面防水構造体は、その表面が被覆構造体で被覆されているため、施設内に廃棄物を貯蔵する際に、被覆構造体がバッファーとなり内側面防水構造体自体が損傷するのを防ぐことができる。
さらに、被覆構造体を内側面防水構造体の表面に被覆することで、内側面防水構造の表面側が硬化した状態となるため、仮に、内側面構造体の保護マットや遮水シートが損傷を受けた場合には、その部位が部分的に裂けるため、損傷部位を視覚的に特定することができ、迅速な補修処置等も可能となる。そのため、側方からの漏水を確実に防止することができる。
次に、垂直壁の外側面は、地上に露呈している部分については、垂直面の外側面を視認することで、不具合が生じている部位を特定することができ、迅速な補修処置等も可能となる。そのため、側方からの雨水等の浸入を確実に防止することができる。
ここで、垂直壁の外側面で地上に露呈していない部分が問題となるが、この部分を覆うように、底部防水構造体に第1鍔部および第2鍔部を設けることで、側方からの雨水等の浸入を確実に防止することができる。
このように、第1発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、廃棄物貯蔵施設において、側方からの雨水等の浸入を防止すると共に、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を防止するより高いレベルでの安全性能を実現することができる。
なお、本発明における廃棄物には、放射性物質を含有する有害廃棄物のほか、放射性物質を含有しない廃棄物で毒性が高く管理が必要な有害廃棄物などが含まれる。
放射性物質を含有する有害廃棄物としては、例えば、原子力発電所などの原子力施設から定期的に排出されるイオン交換樹脂(炉心冷却水をろ過するためのろ過材として用いられた粉末状)のほか、原子力発電所の事故等に伴って生じる瓦礫等の廃棄物が該当する。また、放射性物質を含有しない廃棄物で毒性が高く管理が必要な有害廃棄物としては、有害重金属(鉛、ヒ素、クロム、水銀、カドミウムおよびセレン)を含有する廃棄物等が該当する。
第2発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造は、第1発明において、
前記垂直壁は、前記廃棄物を貯蔵する最下面が前記地上面以上となるように立設配置されることを特徴とする。
前記垂直壁は、前記廃棄物を貯蔵する最下面が前記地上面以上となるように立設配置されることを特徴とする。
第2発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、廃棄物を埋め立てる最下面が地上面以上となるように、垂直壁を立設配置することで、万一、廃棄物を貯蔵する際に、内側面防水構造体に損傷があっても、損傷部位を垂直壁の外側面からも視認することができる。これにより、迅速な補修処置等も可能となり、側方からの漏水を確実に防止することができる。
このように、第2発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、側方からの雨水等の浸入を防止しつつ、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を確実に防止するより高いレベルでの安全性能を実現することができる。
第3発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造は、第1または第2発明において、
前記垂直壁の上端部側全体を覆うように屋根部が形成されていることを特徴とする。
前記垂直壁の上端部側全体を覆うように屋根部が形成されていることを特徴とする。
第3発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、廃棄物貯蔵施設を屋根部が設けられている、いわゆるクローズ型廃棄物貯蔵施設とすることで、廃棄物貯蔵施設の直上からの雨水の浸入がなくなる。そのため、廃棄物貯蔵施設内の保有水の処理が不要となり、廃棄物貯蔵施設内からの漏水のリスクを大幅に低減することができる。
このように、第3発明の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造によれば、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を確実に防止するより高いレベルでの安全性能を実現することができる。
本発明の一実施形態として、廃棄物貯蔵施設における底版構造および垂直壁構造について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の廃棄物貯蔵施設は、廃棄物貯蔵施設の外周に立設されたコンクリート製の垂直壁10と、垂直壁10と連続して水平方向に当該廃棄物貯蔵施設の底部を閉蓋する底版コンクリート20と、垂直壁10の上端部側全体を覆うように設けられた屋根部30と、進入路40とを備える。
まず、垂直壁10は、その内側面に、内側面防水構造体110と被覆構造体120とを備える。
内側面防水構造体110は、遮水シート110Xおよび遮水シート110Xの表面を被って保護する保護マット110Yを複数積層させた構造となっている。具体的に、遮水シート110Xの厚みは、例えば、1.5mmであり、保護マット110Yの厚みは、例えば、20mmである。
被覆構造体120は、内側面防水構造体110の表面に露呈した遮水シート110Xに被覆したウレタン121およびウレタン121の表面に吹付けた不燃性の吹付材122で構成される。
具体的に、ウレタン121は、硬質の発泡ウレタンであって、吹付けにより遮水シート110Xの表面に、例えば、30mmの層として被覆される。また、不燃性の吹付材122は、ウレタン121の表面を保護するものであり、その厚さは、例えば4mmである。
一方、垂直壁10は、その外側面がおおむね地上に露呈した状態となるように立設配置される。すなわち、廃棄物を貯蔵する最下面が地上面と等しくなるように立設配置される。なお、廃棄物を貯蔵する最下面と地上面との関係については、詳細を後述する。
次に、底版コンクリート20は、その上側に第1防水構造体21と、下側に第2防水構造体22とを備える。
第1防水構造体21は、防水ユニット211,212,213およびその上に敷設された単粒の砕石210a,210b,210cを相互に積層した構成(3層構造)となっている。
最上層の防水ユニット211は、遮水シート211Xおよびその上下を被って保護する保護マット211Yを複数(本実施形態では2層)積層させた構造となっている。最上層の防水ユニット211の上側には砕石210aが敷設されて、下側には砕石210bが敷設されている。なお、砕石210aの上面が、廃棄物を貯蔵する最下面となっている。
中間層の防水ユニット212は、遮水シート212Xおよびその上下を被って保護する保護マット212Y,212Yから構成されている。中間層の防水ユニット212の上側には砕石210bが敷設され、下側には砕石210cが敷設されている。
下層の防水ユニット213は、中間層の防水ユニット212と同様の構成であって、その上側には砕石210cが敷設され、下側は底版コンクリート20と当接している。
ここで、防水ユニット211,212,213の上に、それぞれ砕石210a,210b,210cを配置することで、貯蔵された廃棄物の荷重が直下の防水ユニット211,212,213に掛かることを防止して分散させることができる。そのため、防水ユニット211,212,213の負荷を低減することができ、防水ユニットが破損することもない。さらに、下層の防水ユニット213に当接する底版コンクリート20の負荷も低減することができる。
なお、垂直壁10の内側面に設けられた内側面防水構造体110と、最上層の防水ユニット211、中間層の防水ユニット212および下層の防水ユニット213のそれぞれとは、防水性能を維持するように接続されている。補足すると、これらの遮水シートおよび保護マットは、すべて同仕様となっている。
次に、第2防水構造体22(本発明の底部防水構造体に相当する)は、防水ユニット220と、その上に敷設された砕石220aと、その下に敷設された砕石220bとで構成され、これらが底版コンクリート20の下面および垂直壁10の下端部全体を覆うように設けられている。
防水ユニット220は、第1防水構造体21の中間層および下層の防水ユニット212,213と同様に、遮水シート220Xおよびその上下を被って保護する保護マット220Y,220Yから構成されている。なお、遮水シート220X、保護マット220Yおよび砕石220a,220bは、前述の第1防水構造体21等に用いられるものと同仕様となっている。
さらに、防水ユニット220は、一体として、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部221と、第1鍔部221から垂直壁10へ水平方向に延びる第2鍔部222とをさらに備える。
第1鍔部221は、例えば、垂直壁10に対してさらに、例えば2m外周側に延設された防水ユニット220の端部から垂直に地上まで立ち上がっている。第1鍔部221の外周側および下端部にはコンクリート製のL型擁壁23が配置されている。
第2鍔部222は、第1鍔部221から地上面に沿って垂直壁まで延設され、垂直壁10との間の雨水等の侵入を防止するように端部が垂直壁10に巻き上がって接着されている。
そのため、防水ユニット220、第1鍔部221、第2鍔部222、垂直壁10および底版コンクリート20により取り囲まれた空間には、雨水等の侵入がなく、さらに、廃棄物貯蔵施設内からの保有水等の浸出も第1防水構造体21および底版コンクリート20により防止されるため、液体の存在しない密閉空間となっている。なお、この空間内には、防水ユニット220の上の砕石220aが空間全体を塞ぐように満たされている。
ここで、当該空間内に液体が存在しないことを担保するように、防水ユニット220の上の砕石220aは、有孔の集水管25が所定間隔毎に配設されており、仮に、底版コンクリート20の下層に液体が存在する場合には、集水管25により採取されるようになっている。
集水管25は、図3に示すように、廃棄物貯蔵施設の中央から外周方向に下り傾斜で網目状に配置され、外周位置の集水管26に接続されている。外周位置の集水管26には、所定間隔で当該集水管26と連通し垂直方向に伸びる検査管27が第2鍔部222を貫通するように設けられている。
そのため、集水管25,26内に漏水や雨水の浸入があれば、廃棄物貯蔵施設外の検査管27により検出することができる。このとき、漏水の検出部位および不検出部位と、これらの集水管25,26の経路とを対応させることで、不具合が生じている部位を特定することができ、迅速な補修処置等も可能となる。
漏水の検出は、本実施形態の廃棄物貯蔵施設の構造上、第1防水構造体21および底版コンクリート20によりあり得ないことである。また、雨水の浸入についても、本実施形態の廃棄物貯蔵施設の構造上、第1鍔部221および第2鍔部222によりあり得ないことである。しかし、万一、漏水等が検出された場合でも、第2防水構造体22により漏水は防止され、検査管27からポンプアップしてこれを水処理することができる。
次に、屋根部30は、垂直壁10の上端面に立設された複数の支持柱31と、支持柱31により支持され廃棄物貯蔵施設の直上全体を覆う屋根32とを備える。
このように、廃棄物貯蔵施設を、いわゆるクローズ型廃棄物貯蔵施設とすることで、廃棄物貯蔵施設の直上からの雨水の浸入がなくなり、廃棄物貯蔵施設内の保有水の処理が不要となると共に、集水管25を廃棄物貯蔵施設外からの雨水等の浸入監視として用いることができる。
次に、進入路40は、廃棄物貯蔵施設外から廃棄物をトレーラやダンプトラック等で場内に搬入するための進入路であって、場外および場内に垂直壁10を超えるように所定の傾斜角(例えば10%)で垂直壁10に沿って設けられている(場外の搬入路については図示省略)。
進入路40は、支持壁10aおよび路面壁10bにより構成され、垂直壁10および底版コンクリート20と同様のコンクリートで、これらと一体に形成されている。なお、路面壁10bの表面には、第1防水構造体21の最上層の防水ユニット211と同様の防水ユニットで被覆され、さらに、その上に路盤工を挟んでコンクリート舗装がされている。また、路面壁10bの端縁には、柵41が設けられている。
以上が本実施形態の廃棄物貯蔵施設の垂直壁10の構造の詳細である。かかる本実施形態の廃棄物貯蔵施設の垂直壁10によれば、内側面に内側面防水構造体110および被覆構造体120が設けられているため、廃棄物貯蔵施設内からの漏水を防止することができる。特に、内側面防水構造体110は、その表面が被覆構造体120で被覆されているため、廃棄物を貯蔵する際に、被覆構造体120がバッファーとなり内側面防水構造体110自体が損傷するのを防ぐことができる。
さらに、被覆構造体120を内側面防水構造体110の表面に被覆することで、内側面防水構造体110の表面側が硬化した状態となるため、仮に、内側面防水構造体110の保護マット110Yや遮水シート110Xが損傷を受けた場合には、その部位が部分的に裂けるため、損傷部位を視覚的に特定することができ、迅速な補修処置等も可能となる。そのため、側方からの漏水を確実に防止することができる。
加えて、垂直壁10の外側面は、地上に露呈している部分については、垂直面の外側面を視認することで、不具合が生じている部位を特定することができ、迅速な補修処置等も可能となる。そのため、側方からの雨水等の浸入を確実に防止することができる。
さらに、垂直壁10の外側面で地上に露呈していない部分が問題となるが、この部分を覆うように、第2防水構造体22に第1鍔部221および第2鍔部222を設けることで、側方からの雨水等の浸入を確実に防止することができる。
このように、本実施形態の垂直壁構造によれば、側方からの雨水等の浸入および廃棄物貯蔵施設内からの漏水を確実に防止することができる。
なお、本実施形態の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造では、廃棄物を貯蔵する最下面(第1防水構造体21の最上面の砕石210a)が地上面GLと等しい場合について説明したが、これに限定されるものではなく、廃棄物を貯蔵する最下面が地上面GL以上となればよい。
この場合、廃棄物を埋め立てる最下面が地上面GL以上となるように、垂直壁10を立設配置することで、万一、廃棄物を貯蔵する際に、内側面防水構造体110に損傷があっても、損傷部位を垂直壁10の外側面からも視認することができる。これにより、迅速な補修処置等も可能となり、側方からの漏水を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、特に、屋根部30を備えるため、廃棄物貯蔵施設の直上からの雨水の浸入がなく、廃棄物貯蔵施設内の保有水の処理が不要となると共に、集水管25を廃棄物貯蔵施設外からの雨水等の浸入監視として用いることができる、より高いレベルでの安全性能を実現することができる。
ここで、屋根部30を設けない場合、すなわち、いわゆるオープン型廃棄物貯蔵施設とした場合には、第1防水構造体21の最上層の砕石210aに雨水集水管(図示省略)を設けることで、廃棄物貯蔵施設内の保有水の処理を雨水集水管を介して行うことができる。
この場合、廃棄物貯蔵施設内の保有水は、第1防水構造体21および底版コンクリート20により漏水することがないため、集水管25を主として廃棄物貯蔵施設外からの雨水等の浸入監視として用いることができ、副次的に漏水の検知として用いることができる。
10…垂直壁、20…底版コンクリート、21…第1防水構造体、22…第2防水構造体(底部防水構造体)、25,26…集水管、27…検査管、30…屋根部、40…進入路、110…内側面防水構造体、120…被覆構造体、211,212,213,220…防水ユニット、210a,210b,210c,220a,220b…砕石、221…第1鍔部、222…第2鍔部、GL…地上面。
Claims (3)
- 廃棄物を貯蔵する廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造であって、
前記廃棄物貯蔵施設の外周に立設されたコンクリート製の垂直壁と、
前記垂直壁の内側面に、遮水シートおよび該遮水シートの表面を被って保護する保護マットを複数積層させた内側面防水構造体と、
前記内側面防水構造体の表面に被覆されたウレタンおよび該ウレタンの表面に吹付けた不燃性の吹付材で構成される被覆構造体と、
前記垂直壁と一体として該廃棄物貯蔵施設の底部を閉蓋する底版コンクリートと、
前記底版コンクリートの下に、遮水シートおよび該遮水シートの上下を被う保護マットで構成される防水ユニットと、該防水ユニットの上に敷設された砕石とで構成され、該底版コンクリートの下面および前記垂直壁の下端部全体を覆う底部防水構造体と
を備え、
前記底部防水構造体は、その外周縁に垂直に立ち上がった第1鍔部と、該第1鍔部から前記垂直壁へ水平方向に延びる第2鍔部とを有し、該第2鍔部が地上面と等しいことを特徴とする廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造。 - 請求項1記載の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造において、
前記垂直壁は、前記廃棄物を貯蔵する最下面が前記地上面以上となるように立設配置されることを特徴とする廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造。 - 請求項1または2記載の廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造において、
前記垂直壁の上端部側全体を覆うように屋根部が形成されていることを特徴とする廃棄物貯蔵施設の垂直壁構造。
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