JP5253679B1 - 腐敗性廃棄物の保管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐敗性廃棄物の保管条件を満たすことができる、腐敗性廃棄物の保管構造を提供すること。
【解決手段】放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物2を保管ヤード1に保管するための保管構造であって、保管ヤード1に置かれた腐敗性廃棄物2の露出面を覆う覆土層10と、この覆土層10の露出面を覆う通気性防水シート20と、腐敗性廃棄物2から発生したガスを通気性防水シート20の内面近傍領域に誘導するガス誘導管30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、腐敗性廃棄物の保管構造に関する。
原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境汚染への対策の一環として、放射性物質を含んでいる可能性がある土壌や草木等の廃棄物を除染実施区域から除去することが行われている。このように除去された土壌や廃棄物は、中間貯蔵施設が設置される迄、仮置場にて保管される。
このように放射性物質を含んだ土壌や廃棄物の保管に要求される条件(以下、保管条件)としては、放射性物質からの放射線を遮蔽するため、廃棄物を遮蔽物で覆うことが必要になるという条件がある(以下、放射線遮蔽条件)。また、放射性物質は水を介して流出し易いため、放射性物質の流出を防止するためには、廃棄物が雨水に接触しないような構造で、廃棄物を保管することが必要になるという条件がある(以下、防水条件)。さらに、廃棄物の中でも、草木等のような腐敗性廃棄物は、長期保管の間に腐敗してメタン等の可燃性ガスを発生させることで、火災や爆発の危険性を生じ得るため、可燃性ガスが溜まらないように、防水条件は確保しつつガス抜きを可能にすることが必要になるという条件がある(以下、ガス抜き条件)。
従来、放射性物質含有土壌や廃棄物の保管構造として、放射性物質含有土を含有する保管土層を周壁と放射線遮蔽体で囲むと共に、保管土層の周辺の面に遮水層を形成して構成された構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の保管構造は、放射線遮蔽条件を満たし得るものではあるが、防水条件を確保したガス抜き条件が十分に考慮されていなかった。そこで、これらの条件を考慮した保管構造も提案されていた。例えば、独立行政法人日本原子力研究開発機構の除染実証事業においては、廃棄物を収容した複数のフレキシブルコンテナを上方から防水シートで覆い、可燃性ガスを外部に排出するためのガス誘導管をフレキシブルコンテナの相互間から防水シートの上方に突出するように配置し、防水シートから突出したガス誘導管の周面に防水シートを溶着することで、防水シートとガス誘導管の相互間から雨水が浸入することを防止する構造が提案されていた(例えば、非特許文献1の第451頁から第459頁等参照)。
実用新案登録第3171046号公報
http://www.jaea.go.jp/fukushima/kankyoanzen/d-model_report/2.4_3.pdf
しかしながら、非特許文献1に記載された従来の保管構造は、廃棄物が腐敗して体積収縮することに伴って、廃棄物の上面レベルが不均質に沈下することで、防水シートとガス誘導管との溶着部に不具合が発生し、防水条件が満たされなくなるという問題があった(例えば、上記非特許文献1の第468頁参照)。
本発明は、廃棄物が腐敗して体積収縮等した場合であっても、腐敗性廃棄物の保管条件を満たすことができる、腐敗性廃棄物の保管構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の腐敗性廃棄物の保管構造は、放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物を保管場所に保管するための保管構造であって、前記保管場所に置かれた前記腐敗性廃棄物の露出面を覆う覆土層と、前記覆土層の露出面を覆う通気性防水層と、前記腐敗性廃棄物から発生したガスを前記通気性防水層の内面近傍領域に誘導するガス誘導手段とを備える。
請求項2に記載の腐敗性廃棄物の保管構造は、請求項1に記載の腐敗性廃棄物の保管構造において、前記ガス誘導手段は、前記腐敗性廃棄物の間から前記通気性防水層の内面近傍領域に至るガス誘導管である。
請求項3に記載の腐敗性廃棄物の保管構造は、請求項2に記載の腐敗性廃棄物の保管構造において、前記ガス誘導管は、外管と、当該外管の内部に同軸状に配置された内管とを備え、前記外管と前記内管とを相互に摺動可能にすることにより、前記ガス誘導管を伸縮可能とした。
請求項4に記載の腐敗性廃棄物の保管構造は、請求項3に記載の腐敗性廃棄物の保管構造において、前記外管と前記内管のうち、いずれか一方の管の上端部を他方の管の上端部よりも上方に突出させ、前記一方の管の上端部には、当該一方の管の軸方向に直交する方向に沿って外側に突出する落下防止片を設けた。
請求項1に記載の腐敗性廃棄物の保管構造によれば、腐敗性廃棄物の露出面を覆土層で覆うことにより、放射線遮蔽条件を満たすことができる。また、覆土層の露出面を通気性防水層で覆うことにより、防水条件を満たすことができる。さらに、腐敗性廃棄物から発生したガスをガス誘導手段及び通気性防水層を順次介して外部に排出できるため、ガス抜き条件を満たすことができ、ガスによる火災を未然に防止でき、腐敗性廃棄物の保管上の安全性を向上させることができる。特に、通気性防水層に穴を空ける必要がないので、廃棄物が腐敗して体積収縮した場合であっても、通気性防水層の防水性を簡易かつ安定的に維持することが可能になり、腐敗性廃棄物の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
請求項2に記載の腐敗性廃棄物の保管構造によれば、腐敗性廃棄物から発生したガスをガス誘導管及び通気性防水層を順次介して外部に排出できるため、ガスによる火災を未然に防止でき、腐敗性廃棄物の保管上の安全性を向上させることができる。
請求項3に記載の腐敗性廃棄物の保管構造によれば、腐敗性廃棄物の高さに合わせて、ガス誘導管を伸縮させて設置することができ、ガス誘導管の設置が容易である。特に、腐敗性廃棄物の体積収縮に伴って、ガス誘導管が自動的に縮むため、ガス誘導管の高さを適切な高さに長期間に渡って自動調整することが可能になり、ガス誘導管の高さを人で調整等する必要がなくなるため、腐敗性廃棄物の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
請求項4に記載の腐敗性廃棄物の保管構造によれば、落下防止片を介して上方側の管を支持することで、上方側の管が落下することを防止でき、腐敗性廃棄物の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造の断面図である。 図1の保管構造の平面図である。 ガス誘導管の上端部の周辺の拡大断面図である。 ガス誘導管の上端部の周辺の拡大断面図であり、(a)は、体積収縮前の状態を示す説明図、(b)は、体積収縮後の状態を示す説明図である。 変形例に係るガス誘導管の上端部の周辺の拡大断面図である。 変形例に係る保管構造の断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る腐敗性廃棄物の保管構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造は、放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物を保管場所に保管するための構造である。ここで、「放射性物質」とは、例えば、事故により原子力発電所から放出された放射性物質であるが、これに限定されず、各種の実験によって発生した放射性物質等を含む。「放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物」とは、例えば、除染実施区域から除去された草木等の廃棄物であるが、これに限定されず、剪定枝、稲わら、畳、汚泥、家畜の排泄物、家畜の死骸等を含む。以下、放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物を、単に「腐敗性廃棄物」と称する。保管場所とは、例えば、腐敗性廃棄物を管理するために行政機関によって指定や許可された場所であり、仮置場と称される場所を含む。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造の具体的内容について説明する。
(構成)
まずは、本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造の断面図、図2は、図1の保管構造の平面図である。これら各図に示すように、本実施の形態に係る腐敗性廃棄物の保管構造は、概略的に、保管場所に形成された保管ヤード1に、腐敗性廃棄物2を除去物収容袋3に収容した状態で保管するための構造であり、覆土層10と、通気性防水シート20と、ガス誘導管30とを備えて構成されている。
(構成−保管ヤード)
保管ヤード1は、保管場所の地表上または表土を掘削することで形成された凹状領域であり、その内部に少なくとも腐敗性廃棄物2の一部を収容可能である。この保管ヤード1の底面及び側面の全面は、コンクリートや防水シートの如き防水層で覆われており、腐敗性廃棄物2が雨水や地下水に接触することを防止することによって、これら底面及び側面に関する上記防水条件が満たされている。なお、放射線遮蔽条件に関しては、土の厚みが30cm程度あれば満たすことができるため、防水条件が充足できる場合には、保管ヤード1の底面及び側面における防水層は省略してもよい。また、保管ヤード1は、凹状領域ではなく、地表面と同一レベルの平坦領域や、地表面よりも上方レベルの領域として形成されてもよく、この場合には、例えば、地表面に保護土を盛り土すると共に、この保護土の周囲を土堰堤で囲むことで、保管ヤード1を形成してもよい。なお、その他、保管ヤード1の構造については、以下で特記する構造を除いて、上記非特許文献1に開示されているような公知の構造を採用することができる。
この保管ヤード1には、必要に応じて、排水機能を設けることができる。この排水機能は、公知の構造にて形成することができ、例えば、保管ヤード1の内部において、底面には、多数の集水孔を持つ集水管4を敷設し、底部の側面近傍には、桝5を配置する。また、保管ヤード1の内部における底部の側面近傍から外部に至るように、集水管6を配置する。さらに、この集水管6の内部に集水用ホースを設置し(図示省略)、この集水用ホースの外部側の端部に排水ポンプ(図示省略)を接続する。そして、集水管4の集水孔を介して桝5に流入した水を、集水管6の内部に設置された集水用ホースを介して、排水ポンプによって保管ヤード1の外部に排水する。ただし、通気性防水シート20によって防水を行っているため、このような排水機能が不要である場合には、排水機能を省略してもよい。
(構成−除去物収容袋)
除去物収容袋3は、中空の円筒形又は角筒形の袋状体であり、例えばフレキシブルコンテナバックと呼ばれるものであって、好ましくは通気性の防水樹脂によって形成され、その内部に腐敗性廃棄物2を収容可能である。保管ヤード1には、この除去物収容袋3が複数積層状に配置されている。ただし、除去物収容袋3に収容することなく、保管ヤード1に腐敗性廃棄物2を直接的に収容することが可能な環境においては、除去物収容袋3を省略してもよい。
(構成−覆土層)
覆土層10は、保管場所に置かれた腐敗性廃棄物2の露出面を覆うものである。この覆土層10は、放射性物質によって汚染されていない土によって形成されたものであり、腐敗性廃棄物2に含まれる放射性物質から放射された放射線を遮蔽することが可能な厚み(例えば、30cm以上)で、腐敗性廃棄物2の上面、側面、及び底面の各々の略全面を覆っている。この覆土層10を形成する土の採取方法や採取場所は任意であるが、保管ヤード1の掘削時に発生した土を使用することが、土の輸送コストの低減等の観点から好ましい。
なお、「腐敗性廃棄物2の露出面を覆う」とは、腐敗性廃棄物2を除去物収容袋3に収容して保管する場合には、この除去物収容袋3の露出面を覆うことを意味する。また、「腐敗性廃棄物2の露出面を覆う」とは、腐敗性廃棄物2の露出面の少なくとも一部を覆うことを意味しており、例えば、保管ヤード1の底面及び側面方向に土などの遮へい体が存在し、これら底面及び側面の少なくとも一部に関する上記放射線遮蔽条件を満たすことができる場合には、これら底面及び側面の少なくとも一部においては覆土層10を省略してもよい。
(構成−通気性防水シート)
通気性防水シート20は、覆土層10の露出面を覆う通気性防水層である。この通気性防水シート20は、通気性と防水性を有するものであれば任意に構成することができ、例えば、通気性と防水性に優れた公知のシート(あるいは、フィルム、布)を使用したり、通気性素材に防水剤を塗布したりすることによって、通気性防水シート20を形成することができる。通気性防水シート20の通気性は、腐敗性廃棄物2から発生した可燃性ガスを通気性防水シート20を透過させて外部に排出させるために要求される性質であり、例えば、ガス透過性の指標である透湿度が、3000g/m・24h以上であることが好ましい。通気性防水シート20の防水性は、雨水等が通気性防水シート20を透過して腐敗性廃棄物2に接触することを防止するためのされる性質であり、例えば、防水性の指標である耐水度で2500mm以上(JIS L 1092 A法)であることが好ましい。さらに、通気性防水シート20は、仮置場の周辺住民の色受容性や耐候性に優れていることが好ましい。
なお、「覆土層10の露出面を覆う」とは、覆土層10の露出面の少なくとも一部を覆うことを意味しており、例えば、覆土層10の一部を防水性のみを有する層(例えば、防水シート等)で覆い、覆土層10の他の一部のみを通気性防水シート20で覆ってもよい。すなわち、防水性については、腐敗性廃棄物2が水と接触することを防止する観点から、覆土層10の全面に確保する必要があるが、通気性については、腐敗性廃棄物2から発生した可燃性ガスを外部に放出可能な程度に確保できればよいため、覆土層10の露出面の一部のみを通気性防水シート20で覆うようにしてもよい。
(構成−ガス誘導管)
ガス誘導管30は、腐敗性廃棄物2から発生したガスを通気性防水シート20の内面近傍領域に誘導するガス誘導手段である。このガス誘導管30は、中空の円筒体又は角筒体であり、保管ヤード1の複数位置において、鉛直方向に沿って配置されている。このガス誘導管30の下端部は、複数の除去物収容袋3の相互間に埋設されており、このガス誘導管30の上端部は、最上方位置に配置された除去物収容袋3と通気性防水シート20との相互間の位置であって、通気性防水シート20の内面近傍領域に至るように配置されている。このガス誘導管30の側壁には、覆土層10の土が通過し難い程度の大きさの通気孔31が複数形成されている。従って、除去物収容袋3に収容された腐敗性廃棄物2から発生した可燃性ガスが、ガス誘導管30の下端部や通気孔31を介して、ガス誘導管30の内部に侵入する。この可燃性ガスは、比重や、シート内外の濃度差や温度差により上昇してガス誘導管30の上端部に誘導され、この上端部を介してガス誘導管30の外部に排出される。このように排出された可燃性ガスは、さらに上昇して通気性防水シート20に至り、この通気性防水シート20を透過して外部に排出される。従って、上記非特許文献1の保管構造のように、防水シートからガス誘導管を突出させる必要性がないので、防水シートとガス誘導管の相互間の溶着状態が悪化することによって当該相互間から雨水が浸入すること等を防止できる。
このような機能を奏し得る限りにおいて、ガス誘導管30は任意の材質で形成することができ、例えば、ガス誘導管30は、ステンレス等の金属管や、塩化ビ樹脂管を使用することができる。また、ガス誘導管30の下端部及び上端部の具体的な配置位置は、任意に決定することができる。例えば、ガス誘導管30の下端部の位置は、腐敗性廃棄物2から発生した可燃性ガスがガス誘導管30の内部に侵入し得る位置であればよく、例えば、除去物収容袋3の相互間でなくても、除去物収容袋3の直近上方位置や、除去物収容袋3の側方位置であってもよい。あるいは、ガス誘導管30の上端部の位置は、腐敗性廃棄物2から発生した可燃性ガスを通気性防水シート20に誘導し得る位置であればよく、通気性防水シート20の内面に接触する位置が最も好ましいが、この他にも、例えば、可燃性ガスを透過し得る程度の厚みの覆土層10を通気性防水シート20との間に挟む位置であってもよい。また、ガス誘導管30は、鉛直方向に沿って配置する以外にも、斜めに沿って配置したり、側面S字状等の管を使用したりしてもよく、あるいは可撓性配管を使用して任意の形状に湾曲等させてもよい。
ここで、腐敗性廃棄物2を長期間に渡って保管した場合には、この腐敗性廃棄物2が腐敗して体積収縮することが予想される。このように腐敗性廃棄物2が体積収縮した場合、腐敗性廃棄物2を収容している除去物収容袋3の上面位置が下がり、これに追従して、覆土層10と通気性防水シート20の位置が下がることになる。このような状態において、ガス誘導管30の上端部の位置が固定されている場合には、通気性防水シート20に対するガス誘導管30の相対的な位置が上昇し、最終的には、ガス誘導管30の上端部が通気性防水シート20を突き破ってしまう可能性がある。このような問題を防止するためには、腐敗性廃棄物2の腐敗による体積収縮に伴って、ガス誘導管30の上端部の位置を下降させることが必要になるという条件がある(以下、ガス誘導管追従条件)。
本実施の形態においては、このガス誘導管追従条件を満たすために、ガス誘導管30の構造を工夫している。以下、この工夫点について説明する。図3は、ガス誘導管30の上端部の周辺の拡大断面図である(ガス誘導管30の一部を破断して示す)。この図3に示すように、ガス誘導管30は、外管32と内管33とから二重管として構成されている。内管33は、外管32と同一の断面形状を有し、外管32の内径よりも小さな外径を有するものであって(例えば、外管32は外径200mm程度、内管33は外径150mm程度であり、いずれも肉厚20mm程度)、外管32の内部に同軸状に配置されている。これら内管33と外管32のそれぞれに、上述した通気孔31が形成されている。これら外管32と内管33とは相互に摺動可能になっており、このことによって、ガス誘導管30が全体として伸縮可能となっている。また、図3に示すように、外管32と内管33のうち、いずれか一方の管(本実施の形態においては内管33)の上端部を他方の管(本実施の形態においては外管32)の上端部よりも上方に突出させており、内管33の上部には、当該内管33の上端位置よりも覆土層10の厚さ分だけ下部の位置に、落下防止片34が設けられている。この落下防止片34は、内管33の軸方向に直交する方向に沿って外側に突出するように形成されたものであって、内管33の上部に固定され、最上方位置に配置された除去物収容袋3の上面に載置されており、内管33が落下防止片34を介して除去物収容袋3によって支持されている。この落下防止片34の具体的な形状や内管33への取り付け構造は任意であるが、本実施の形態においては、内管33の外周面に巻き付けた環状の固定バンド36に対して、複数の長方形板状の落下防止片34がネジ止めされている。なお、内管33の上端面には、この上端面の開口を介して内管33の内部に土等が落下することを防止するため、ネット37が被せられている。なお、内管33の上端部の外周面には、円環状の鍔(図示省略)を設けることにより、土等の落下防止効果を高めるようにしてもよい。ただし、このような必要性がない場合には、ネット37や鍔を省略してもよい。
図4は、ガス誘導管30の上端部の周辺の拡大断面図であり、(a)は、体積収縮前の状態を示す説明図、(b)は、体積収縮後の状態を示す説明図である。このような構造によれば、図4(a)に示す状態から長期間が経過し、図4(b)に示す状態のように、腐敗性廃棄物2の腐敗による体積収縮に追従して、除去物収容袋3の上面位置が下がった場合であっても、これに追従して内管33が外管32の内部において摺動して下方に下がり、内管33は継続して落下防止片34を介して除去物収容袋3によって支持される。従って、外管32の全長L2には変わりはないが、外管32から内管33の上端部が突出している部分の長さL1が縮むことによって、ガス誘導管30の全長(内管33の上端部から外管32の下端部に至る長さ)Lも自動的に縮み、除去物収容袋3の上面位置とガス誘導管30の上端部との相対的な位置を維持することができる。従って、通気性防水シート20に対するガス誘導管30の相対的な位置を維持することができるので、ガス誘導管30の上端部が除去物収容袋3の上面位置から上方に突出して通気性防水シート20を突き破ってしまうことを防止でき、ガス誘導管追従条件を満たすことが可能になる。
(効果)
このように本実施の形態によれば、腐敗性廃棄物2の露出面を覆土層10で覆うことにより、放射線遮蔽条件を満たすことができる。また、覆土層10の露出面を通気性防水シート20で覆うことにより、防水条件を満たすことができる。さらに、腐敗性廃棄物2から発生したガスをガス誘導手段及び通気性防水シート20を順次介して外部に排出できるため、ガス抜き条件を満たすことができ、ガスによる火災を未然に防止でき、腐敗性廃棄物2の保管上の安全性を向上させることができる。特に、通気性防水シート20に穴を空ける必要がないので、通気性防水シート20の防水性を簡易かつ安定的に維持することが可能になり、腐敗性廃棄物2の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
また、腐敗性廃棄物2から発生したガスをガス誘導管30及び通気性防水シート20を順次介して外部に排出できるため、ガスによる火災を未然に防止でき、腐敗性廃棄物2の保管上の安全性を向上させることができる。
また、腐敗性廃棄物2の高さに合わせて、ガス誘導管30を伸縮させて設置することができ、ガス誘導管30の設置が容易である。特に、腐敗性廃棄物2の体積収縮に伴って、ガス誘導管30が自動的に縮むため、ガス誘導管30の高さを適切な高さに長期間に渡って自動調整することが可能になり、ガス誘導管30の高さを人で調整等する必要がなくなるため、腐敗性廃棄物2の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
また、落下防止片34を介して上方側の管を支持することで、上方側の管が落下することを防止でき、腐敗性廃棄物2の保管上のコスト削減及び安定化を図ることが可能になる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、腐敗性廃棄物2の保管条件を完全に満たすことができない場合であっても、従来と同程度の保管条件を従来とは異なる手段によって達成することができる場合には、本願の課題が解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、その機能を奏し得る限りにおいて、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
(ガス誘導手段について)
本実施の形態においては、ガス誘導管30を二重管として形成する場合、上記実施の形態に示したように、内管33の上端部を外管32の上端部よりも上方に位置させた場合には、内管33と外管32の相互間の隙間に覆土層10の土が侵入し易い構造となって好ましくないが、図5の変形例に示すように、内管33の上端部を外管32の上端部よりも下方に位置させることで、このような土の侵入が起こり難い構造にしてもよい。
また、ガス誘導手段としては、ガス誘導管30に代えて、あるいはガス誘導管30と共に、様々な通気層を採用してもよい。このような通気層としては、図6の変形例に示すように、砕石層35が該当する。この砕石層35は、粒度の粗い砕石によって形成された層であり、この砕石は、自然石を粉砕機によって粉砕したり、人工の粗骨材によって、形成されている。このような砕石層35を、除去物収容袋3の周囲から通気性防水シート20に至る間に形成することで、砕石層35の有する空隙を介して、ガスを通気性防水シート20に誘導することができる。なお、この砕石層35は、そのまま配置してもよいが、土のう等に収容した状態で配置してもよい。また、図6の例では、砕石層35を覆土層10の間から部分的に通気性防水シート20の直下に至るように形成することで、ガスを通気性防水シート20に誘導しているが、砕石層35を全体的に通気性防水シート20の直下に至るように形成してもよい。
1 保管ヤード
2 腐敗性廃棄物
3 除去物収容袋
4、6 集水管
5 桝
10 覆土層
20 通気性防水シート
30 ガス誘導管
31 通気孔
32 外管
33 内管
34 落下防止片
35 砕石層
36 固定バンド
37 ネット

Claims (4)

  1. 放射性物質を含んだ腐敗性廃棄物を保管場所に保管するための保管構造であって、
    前記保管場所に置かれた前記腐敗性廃棄物の露出面を覆う覆土層と、
    前記覆土層の露出面を覆う通気性防水層と、
    前記腐敗性廃棄物から発生したガスを前記通気性防水層の内面近傍領域に誘導するガス誘導手段と、
    を備える腐敗性廃棄物の保管構造。
  2. 前記ガス誘導手段は、前記腐敗性廃棄物の間から前記通気性防水層の内面近傍領域に至るガス誘導管である、
    請求項1に記載の腐敗性廃棄物の保管構造。
  3. 前記ガス誘導管は、外管と、当該外管の内部に同軸状に配置された内管とを備え、
    前記外管と前記内管とを相互に摺動可能にすることにより、前記ガス誘導管を伸縮可能とした、
    請求項2に記載の腐敗性廃棄物の保管構造。
  4. 前記外管と前記内管のうち、いずれか一方の管の上端部を他方の管の上端部よりも上方に突出させ、
    前記一方の管の上端部には、当該一方の管の軸方向に直交する方向に沿って外側に突出する落下防止片を設けた、
    請求項3に記載の腐敗性廃棄物の保管構造。
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