JP3171046U - 放射性物質含有土の一時保管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺住民等の安心感を高めることができ、かつ、放射性物質含有土を掘り起こす際に放射性物質含有土の逸散を防ぐことができる放射性物質含有土の一時保管構造を提供すること。【解決手段】放射性物質含有土を集積してなる保管土層Bを囲む周壁1と、保管土層Bの下面、側面および上面に沿って形成された遮水層2,3,4と、保管土層Bの上に覆設された放射線遮蔽体5とを備える放射性物質含有土の一時保管構造Aであって、周壁1は、複数のプレキャスト擁壁10,10,…からなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、放射性物質を含有する表土、汚泥、がれき等(以下「放射性物質含有土」という。)を一時的に保管するための一時保管構造に関する。
放射性物質(例えば、放射性セシウム−134や放射性セシウム−137など)による環境汚染が社会問題となっている。例えば、学校や公園等においては、表土を剥ぎ取るなどの対策が応急的に施されているが、剥ぎ取った表土は、ビニールシート等で覆っただけの状態で校庭等に仮置きされている。また、下水処理場の汚泥からも、放射性物質が検出されているが、その処分方法は未定のままである。
最終的な処分方法が定まるまでの暫定的な措置として、放射性物質含有土を地中に埋めた状態で一時的に保管する構造が提案されている(非特許文献1参照)。この一時保管構造は、地表を掘り下げてトレンチを形成し、トレンチの底面および側面に遮水シートを敷設した後、放射性物質含有土をトレンチ内に搬入し、その後、放射性物質含有土を遮水シートで覆い、さらに覆土する、というものである。なお、地中に仮置きされた放射性物質含有土は、いずれは掘り返され、恒久的な保管場所へ搬出される。
日本原子力研究開発機構、「学校等の校庭・園庭の空間線量低減のための当面の対策に関する検討について」、平成23年5月11日、文部科学省、「平成23年7月25日検索」、インターネット<URL: http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/11/1305946_1.pdf>
非特許文献1の技術では、放射性物質含有土と原地盤とを隔てる部材が僅か数ミリ程度の遮水シートのみとなるため、周辺住民や施設利用者等に不安感を与える虞がある。
また、放射性物質含有土を掘り返す際に油圧ショベル等の施工機械を使用すると、施工機械のバケットで遮水シートが引き裂かれ、あるいは捲れる虞があるところ、非特許文献1の技術では、放射性物質含有土と原地盤が遮水シートのみで隔てられているので、遮水シートが引き裂かれる等すると、放射性物質含有土が周囲に逸散する虞がある。
このような観点から、本考案は、周辺住民等の安心感を高めることができ、かつ、放射性物質含有土を掘り返す際に放射性物質含有土の逸散を防ぐことができる放射性物質含有土の一時保管構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本考案は、放射性物質含有土を集積してなる土層を囲む周壁と、前記土層の下面、側面および上面に沿って形成された遮水層と、前記土層の上に覆設された放射線遮蔽体とを備える放射性物質含有土の一時保管構造であって、前記周壁は、複数のプレキャスト擁壁からなることを特徴とする。
本考案によれば、遮水層よりも堅牢な周壁(コンクリート製のプレキャスト擁壁)によって放射性物質含有土が包囲されるようになるので、放射性物質含有土を明確に区画することができ、ひいては、周辺住民の安心感を高めることができる。なお、一時保管中(第二ステップ中)は、放射性物質含有土が遮水層で密閉された状態となるので、雨水等の浸入および放射性物質含有土の漏出を確実に防ぐことができ、また、放射性物質含有土の上面が放射線遮蔽体(例えば、覆土層、コンクリートパネル、タングステンシートなど)で覆われた状態となるので、一時保管構造から放出される放射線量を低減することができる。さらに、本考案によれば、放射性物質含有土が周壁によって防護された状態となるので、周壁内の放射性物質含有土を施工機械で掘り返す際に遮水層が引き裂かれる等しても、放射性物質含有土の逸散を防ぐことができる。
本考案では、地表を掘り下げて形成した凹部の底面に前記プレキャスト擁壁を設置してもよい。このようにすると、放射性物質含有土が地中に埋設された状態となるので、一時保管構造から放出される放射線量をより一層低減することができる。
プレキャスト擁壁の構造形式に制限はないが、L型プレキャスト擁壁または逆T型プレキャスト擁壁を使用すれば、資材の調達が容易となり、コストの削減を図ることが可能となる。
放射線遮蔽体の構成にも制限はないが、覆土層、コンクリートパネルおよびタングステンシートであれば、資材の調達が容易となり、コストの削減を図ることが可能となる。
本考案によれば、周辺住民等の安心感を高めることができ、かつ、放射性物質含有土を掘り返す際に放射性物質含有土の逸散を防ぐことができる。
本考案の実施形態に係る放射性物質含有土の一時保管構造を示す断面図である。 本考案の実施形態に係る放射性物質含有土の一時保管構造の構築手順を説明するための図であって、(a)は掘削工程を示す平面図、(b)は(a)のX−X線拡大断面図である。 同じく(a)は壁構築工程を示す平面図、(b)は(a)のX−X線拡大断面図である。 同じく(a)は第一遮水工程を示す平面図、(b)は(a)のX−X線拡大断面図である。 同じく(a)は斜路構築工程を示す平面図、(b)は(a)のY−Y線拡大断面図である。 同じく搬入工程を示す断面図である。 同じく第二遮水工程を示す断面図である。 本考案の実施形態に係る放射性物質含有土の一時保管構造の内部から放射性物質含有土を搬出する工程を示す断面図である。 本考案の実施形態に係る放射性物質含有土の一時保管構造を撤去した状態を示す断面図である。
本考案の実施形態に係る放射性物質含有土の一時保管構造Aは、放射性物質含有土を一時的に保管する際に使用するものである。
一時保管構造Aは、放射性物質含有土を集積してなる土層(以下「保管土層」という。)Bを囲む周壁1と、保管土層Bの下面に沿って形成された底面遮水層2と、保管土層Bの側面に沿って形成された側面遮水層3と、保管土層Bの上面に沿って形成された天端遮水層4と、天端遮水層4の上に覆設された放射線遮蔽体5と、周壁1および放射線遮蔽体5を取り囲む埋戻土層6とを備えている。
周壁1は、法面D1に沿って構築されている。周壁1の上端は、地表Cよりも低いところに位置している。周壁1は、凹部の底面D2に設置された複数のプレキャスト擁壁10,10,…からなる。
プレキャスト擁壁10は、鉄筋コンクリート製のプレキャスト部材であり、基礎11上に載置されている。本実施形態のプレキャスト擁壁10は、L型プレキャスト擁壁(側面視L字状を呈する片持ち梁式のプレキャスト擁壁)であり、底版部と、底版部の側縁から立ち上がる壁部とを備えている。プレキャスト擁壁10の底版部は、保管土層Bの下方に位置しており、プレキャスト擁壁10の壁部は、保管土層Bの側方に位置している。基礎11は、採石層と、採石層の上に敷設された敷砂層と、敷砂層の上に敷設された敷モルタル層とを備えている。なお、採石層の上にコンクリート層を形成してもよいが、本実施形態では、工期短縮を図るべくコンクリート層を省略している。
底面遮水層2、側面遮水層3および天端遮水層4は、いずれも遮水シートからなる。放射性物質含有土を密封できるよう、遮水シート同士の継ぎ目は、互いに熱溶着あるいは接着されている。遮水シートの種類に制限はないが、例えば、合成ゴム系、合成樹脂系、アスファルト系、ベントナイト系の遮水シートを使用することができる。遮水シートの厚さや柔軟性に制限はないが、本実施形態では、略直角のコーナー部に容易に対応できるよう、厚さ1.5mmの中弾性タイプ(オレフィン系熱可塑性ゴム、熱可塑性ポリウレタン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂など)を使用する。
底面遮水層2は、凹部の底面D2に沿って形成されていて、保管土層Bの下面を完全に覆っている。底面遮水層2は、放射性物質含有土の搬入作業を開始する前に形成される。本実施形態の底面遮水層2は、プレキャスト擁壁10の底版部の上側に形成されており、かつ、保管土層Bに接している。なお、図示は省略するが、プレキャスト擁壁10の底版部の下側に底面遮水層2を形成してもよい。この場合には、プレキャスト擁壁10を設置する前に底面遮水層2を形成する。
側面遮水層3は、周壁1の保管土層B側に形成されていて、保管土層Bの側面(周面)を完全に覆っている。側面遮水層3は、放射性物質含有土の搬入作業を開始する前に形成される。なお、図示は省略するが、周壁1の法面D1側に側面遮水層3を形成してもよい。この場合には、放射性物質含有土の搬入作業が完了した後に、あるいは、放射性物質含有土の搬入作業と並行して側面遮水層3を形成することができる。
天端遮水層4は、保管土層Bの上面を完全に覆っている。天端遮水層4は、放射性物質含有土の搬入作業が完了した後に形成される。
放射線遮蔽体5は、天端遮水層4の上に敷き詰められた複数のコンクリートパネル5a,5a,…と、コンクリートパネル5a,5a,…の上に配置された覆土層5bとを備えている。
コンクリートパネル5aは、コンクリート製のプレキャスト部材であり、天端遮水層4の上に載置されている。コンクリートパネル5aは、平滑な面が下面となるように配置されている。コンクリートパネル5aの厚さは、放射線の遮蔽効果を考慮して設定すればよい。コンクリートパネル5aの形状に制限はないが、隣り合うコンクリートパネル5a,5a間に隙間が生じないよう、矩形のものを選択することが望ましい。なお、本実施形態では、複数のコンクリートパネル5a,5a,…の段数を一段としているが、複数段としてもよい。
覆土層5bは、通常の地盤材料(例えば、放射性物質を含有しない購入土、放射性物質を殆ど含有しない現場発生土など)からなる。本実施形態では、地盤材料を締め固めて覆土層5bの密度を高めている。覆土層5bの層厚は、放射線の遮蔽効果を考慮して設定すればよい。なお、流動化処理土、セメント系安定処理土、石灰系安定処理土、アスファルト系安定処理土などで覆土層5bを形成してもよい。
埋戻し土層6は、通常の地盤材料を締め固めて形成したものである。なお、流動化処理土、セメント系安定処理土、石灰系安定処理土、アスファルト系安定処理土などで覆土層5bを形成してもよい。
次に、一時保管構造Aを使用した放射性物質含有土の一時保管方法を詳細に説明する。
放射性物資含有土の一時保管方法は、一時保管構造Aを構築する第一ステップと、一時保管構造A内で放射性物質含有土を保管する第二ステップと、一時保管構造A内の放射性物質含有土を移送する第三ステップとを備えるものである。なお、本実施形態の放射性物質含有土は、原子力発電所由来の放射性物質を含んだ表土である。表土は、事前に剥ぎ取られたものであり、敷地の一角に仮置きされている。
第一ステップは、掘削工程、壁構築工程、第一遮水工程、斜路構築工程、搬入工程、埋戻し工程、第二遮水工程、放射線遮蔽工程を含んでいる。
掘削工程は、図2に示すように、地表Cを掘り下げて凹部を形成する工程である。凹部の深さ、幅および長さは、放射性物質含有土を集積すべき領域Eを包含可能な大きさとする。掘削作業には、油圧ショベルなどの施工機械を使用する。表層以外を掘削した際に発生した残土(原子力発電所由来の放射性物質を含有しない残土)は、覆土層5bおよび埋戻し土層6の地盤材料として利用できるよう、放射性物質含有土と区別できるような状態で図示せぬ作業ヤードに仮置きする。凹部の床付けが完了したら、領域Eの周縁部において凹部の底面D2を僅かに掘り下げ、掘り下げた部分に基礎11(図3の(b)参照)を形成する。
周壁構築工程は、図3に示すように、領域Eの周縁に沿って複数のプレキャスト擁壁10,10,…を連設することで、領域Eを囲む周壁1を構築する工程である。本実施形態では、凹部の底面D2上にプレキャスト擁壁10,10,…を複数連設することで、凹部の法面D1に対向する周壁1を構築している。なお、プレキャスト擁壁10は、基礎11(図3の(b)参照)の上に載置する。プレキャスト擁壁10の据付作業には、地表Cに配置した図示せぬホイールクレーン(揚重機械)を使用する。領域Eの中央部(底面D2の中央部)には、砂などの間詰め材12を敷設する。間詰め材12の上面は、プレキャスト擁壁10の底版部の上面と面一になるように成形する。
第一遮水工程は、図4に示すように、領域Eの下側に底面遮水層2を形成するとともに、周壁1の壁面に沿って側面遮水層3を形成する工程である。本実施形態では、底面D2に沿って遮水シートを敷設するとともに、周壁1の壁面に沿って遮水シートを張設することで、底面遮水層2および側面遮水層3を形成する。なお、底面遮水層2の上下および側面遮水層3の内面側(領域E側)には、図示せぬ保護マット(例えば、厚さ10mm以上の短繊維不織布)を積層する。
斜路構築工程は、図5に示すように、法肩から底面遮水シート2に至る斜路7を構築する工程である。周壁1は、斜路7に埋設する。斜路7のうち、領域Eの内側の部位は、放射性物質含有土で形成し、領域Eの外側の部位は、覆土層5a又は埋戻し層6(図1参照)と同質の地盤材料(例えば、表層以外を掘削した際に発生した残土など)で形成する。
搬入工程は、図6に示すように、周壁1で囲まれた領域に放射性物質含有土を搬入する工程である。搬入工程を行うと、周壁1で囲まれた領域に放射性物質含有土が集積され、当該領域内に保管土層B(図7参照)が形成される。放射性物質含有土は、斜路7(図5参照)を走行可能なダンプを使用して搬入するか、あるいは、地表Cに配置した油圧ショベルを使用して搬入する。放射性物質含有土を搬入したら、底面遮水層2又は締固めが完了した保管土層B’の上に敷き均し、敷き均した放射性物質含有土を締め固める。本実施形態では、一層の仕上がり厚さ(転圧後の厚さ)が30cm程度となるように、放射性物質含有土を敷き均す。なお、敷き均しおよび転圧に必要な施工機械(ブルトーザや振動ローラなど)は、斜路7を利用して領域E内に搬入する。また、放射性物質含有土を搬入、敷き均し等する際には、放射性物質含有土が周囲に飛散しないような対策を施すことが望ましい。本実施形態では、法肩付近に図示せぬミスト噴霧器を設置し、作業領域に向けてミストを噴霧することで放射性物質含有土の飛散を防止している。
埋戻し工程は、埋戻し土層6(図1参照)のうち、周壁1と法面D1との間に位置する部分6’(以下「下部土層6’」と称する)を形成する工程である。下部土層6’となる地盤材料は、地表Cに配置した油圧ショベルを使用して周壁1と法面D1との間に投入する。地盤材料を投入したら、底面D2又は締固めが完了した下部土層6’の上に敷き均し、敷き均した地盤材料を締め固める。なお、搬入工程と埋戻し工程を同時期に並行して行う場合には、締固めを終えた下部土層6’の上面高さが締固めを終えた保管土層B’の上面高さを超えないように各工程の進捗を管理する。すなわち、搬入工程が完了するまでは、下部土層6’の上面高さを保管土層B’の上面高さ以下に抑えつつ埋戻し工程を行う。なお、図示は省略するが、搬入工程が完了した後に、埋戻し工程を開始してもよい。
第二遮水工程は、図7に示すように、保管土層Bの上面に沿って天端遮水層4を形成する工程である。第二遮水工程では、まず、保管土層Bの上面の不陸を調整し、その後、天端遮水層4となる遮水シートを保管土層Bの上面に敷設するとともに、天端遮水層4の上に図示せぬ保護マット(例えば、厚さ10mm以上の短繊維不織布)を積層する。なお、保管土層Bの上面には、天端遮水層4に達した雨水等が周壁1側に向けて流下するような排水勾配を設ける。
放射線遮蔽工程は、天端遮水層4の上に放射線遮蔽体5(図1参照)を覆設する工程である。放射線遮蔽工程では、まず、天端遮水層4の上(本実施形態では、図示せぬ保護マットの上)に複数のコンクリートパネル5a,5a,…(図1参照)を載置し、その後、コンクリートパネル5aの上に覆土層5b(図1参照)を形成する。覆土層5bを形成するには、コンクリートパネル5a,5a,…の上に通常の地盤材料を敷き均し、敷き均した地盤材料を締め固めればよい。本実施形態では、コンクリートパネル5a,5a,…の上に加えて下部土層6’の上にも地盤材料を敷き均し、図1に示す埋戻し土層6を完成させる。覆土層5bおよび埋戻し土層6の上面は、地表Cと面一となるように成形する。
上記各工程を経ると、図1に示す一時保管構造Aが形成される。
一時保管構造Aが構築されたら、放射性物質含有土を保管する第二ステップに移行する。
第二ステップでは、図1の状態で放射性物質含有土が保管されることになるが、一時保管構造Aによれば、遮水シートよりも堅牢な周壁1によって放射性物質含有土が包囲されるようになるので、放射性物質含有土を明確に区画することができ、ひいては、周辺住民の安心感を高めることができる。なお、第二ステップ中は、放射性物質含有土が遮水層2,3,4で密閉された状態となるので、雨水等の浸入および放射性物質含有土の漏出を確実に防ぐことができる。また、保管土層Bが放射線遮蔽体5で覆われた状態となるので、一時保管構造Aの上面から放出される放射線量は、保管土層Bの内部の放射線量よりも小さいものとなる。
放射性物質含有土の恒久的な処分方法が決定したら、第三ステップに移行する。
第三ステップは、搬出準備工程、搬出工程、壁撤去工程を含んでいる。
搬出準備工程は、放射線遮蔽体5を取り除くとともに天端遮水層4を取り除く工程である。これらの除去作業には、油圧ショベルなどの施工機械を使用する。覆土層5bから得た地盤材料は、凹部の埋戻し土として利用できるよう、図示せぬ作業ヤードに仮置きする。
搬出工程は、図8に示すように、放射性物質含有土を掘り返し、掘り返した放射性物質含有土を他の保管場所へ搬出する工程である。プレキャスト擁壁10の安定性を考慮し、保管土層Bを掘り返す作業は、埋戻し土層6を掘り返す作業と並行して行う。掘削作業には、油圧ショベルなどの施工機械を使用する。プレキャスト擁壁10は、保管土層Bの外縁および下縁を示す目安となるので、放射性物質含有土の掘り返し作業は、プレキャスト擁壁10の壁部に隣接した領域から開始し、プレキャスト擁壁10の底版部の直上の領域を間詰め材12の直上の領域に先んじて掘り下げることが望ましい。なお、プレキャスト擁壁10に隣接した領域を掘り返す際に油圧ショベルのバケットによって底面遮水層2や側面遮水層3が引き裂かれる等しても、その裏側にプレキャスト擁壁10が存在しているので、放射性物質含有土がプレキャスト擁壁10の外側に逸散することはない。
壁撤去工程は、プレキャスト擁壁10,10,…を取り除くとともに、底面遮水層2および側面遮水層3を取り除く工程である。プレキャスト擁壁10の撤去作業には、地表Cに配置した図示せぬホイールクレーン(揚重機械)を使用する。
総てのプレキャスト擁壁10,10,…を撤去したら、図9に示すように、通常の地盤材料(例えば、放射性物質を含有しない購入土、放射性物質を殆ど含有しない現場発生土など)を利用して凹部を埋め戻し、原状回復を図る。
以上説明した本実施形態に係る一時保管構造Aによれば、周辺住民の安心感を高めることができ、放射性物質含有土を掘り返す際には、放射性物質含有土の逸散を防ぐことができる。また、一時保管中は、雨水等の浸入および放射性物質含有土の漏出を確実に防ぐことができる。さらに、一時保管中は、放射性物質含有土が地中に埋設された状態となるので、一時保管構造Aから放出される放射線量を低減することができる。
なお、一時保管構造Aの構成等は、適宜変更してもよい。
例えば、本実施形態では、地表Cを掘り下げて形成した凹部に一時保管構造Aを構築したが、一時保管構造Aの構築位置を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、地表Cの上に一時保管構造Aを構築してもよいし、一時保管構造Aの一部を地表Cから突出させてもよい。
本実施形態では、プレキャスト擁壁10として、L型プレキャスト擁壁を使用したが、逆T型プレキャスト擁壁(側面視逆T字状を呈する片持ち梁式のプレキャスト擁壁)を使用してもよい。
また、図示は省略するが、コンクリートパネル5aまたは覆土層5bのみで放射線遮蔽体を形成してもよいし、天端遮水層4の上に敷設したタングステンシート(タングステン粉末と樹脂の複合素材からなるシート)で放射線遮蔽体を形成してもよい。なお、タングステンシートは、単独で使用してもよいし、コンクリートパネル5aおよび覆土層5bの少なくとも一方と併用してもよい。
A 一時保管構造
B 保管土層(放射性物質含有土)
C 地表
D1 凹部の法面
D2 凹部の底面
1 周壁
2 底面遮水層
3 側面遮水層
4 天端遮水層
5 放射線遮蔽体
5a コンクリートパネル
5b 覆土層
6 埋戻し土層

Claims (4)

  1. 放射性物質含有土を集積してなる土層を囲む周壁と、
    前記土層の下面、側面および上面に沿って形成された遮水層と、
    前記土層の上に覆設された放射線遮蔽体とを備える放射性物質含有土の一時保管構造であって、
    前記周壁は、複数のプレキャスト擁壁からなることを特徴とする放射性物質含有土の一時保管構造。
  2. 前記プレキャスト擁壁は、地表を掘り下げて形成した凹部の底面に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有土の一時保管構造。
  3. 前記プレキャスト擁壁は、L型プレキャスト擁壁または逆T型プレキャスト擁壁であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射性物質含有土の一時保管構造。
  4. 前記放射線遮蔽体は、覆土層、コンクリートパネルおよびタングステンシートのうちの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放射性物質含有土の一時保管構造。
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