JP5650063B2 - 盛土構造物および盛土構造物の構築方法 - Google Patents

盛土構造物および盛土構造物の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、盛土構造物および盛土構造物の構築方法に関する。
大地震・大津波によって多くの盛土構造物(例えば、防潮堤防や河川堤防など)が破壊されている。防潮堤防が破壊された区域においては、余震に伴う大津波の再来、台風・大潮に伴う浸水などが懸念されており、復旧作業を急ぐ必要がある。
また、冷温停止に向けた作業が進む原子力発電所に大津波が再襲来すると、以後の作業に支障をきたす虞がある。このような施設においては、既存の堤防を嵩上げ若しくは補強するか、あるいは、新たな堤防を可及的速やかに構築する必要がある。
一方で、放射性物質による環境汚染が社会問題となっている。例えば、学校や公園等においては、表土を剥ぎ取るなどの対策が応急的に施されているが、剥ぎ取った表土は、校庭等に仮置きされているのが現状であり、周辺住民の不安を解消するには至っていない。また、下水処理場の汚泥からも、放射性物質が検出されているが、その処分方法は未定のままである。放射性物質の中には、半減期の短いものも存在するが、例えば放射性セシウム−134の半減期は約2年であり、放射性セシウム−137の半減期は約30年であるから、放射性物質を含む土壌や汚泥等(以下「放射能汚染土」という。)を校庭や下水処理場に仮置きし続けるのは現実的ではない。
ところで、本願出願人は、廃棄物や汚染土壌を盛土構造物に利用する技術を既に提案している(特許文献1参照)。この技術は、堰堤を複数列並設することで最終処分場となる領域を区画し、当該領域に汚染土壌等を埋め戻した後に覆土を行うというものである。放射能汚染物を利用して盛土構造物に適用できれば、堤防の復旧・新設と放射能汚染物の処分を一気に解消できるが、特許文献1の技術は、例えば汚染土壌の上面が遮水シートで覆われていないなど、放射能汚染土に適した構造を具備しているとは言えず、さらなる改良を要する。
特開2005−163448号公報
このような観点から、本発明は、堤防などの復旧・新設と放射能汚染土の処分を一気に解消することができる盛土構造物および盛土構造物の構築方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明に係る盛土構造物は、上下に積層された複数段の盛土層を備える盛土構造物であって、前記盛土層は、芯部と、前記芯部の下面、側面および上面を覆う遮水シートと、前記芯部を挟んで両側に配置された側部とを有し、前記芯部は、放射能汚染土を締め固めて形成したものであり、前記側部は、一般土を締め固めて形成したものであり、前記遮水シートの継ぎ目は、接着あるいは溶着されたものであり、少なくとも二つの前記盛土層の間に、一方の側部から他方の側部まで連続するジオテキスタイルが敷設されていることを特徴とする。
要するに、本発明は、放射能汚染土を締め固めて芯部を形成するとともに、前記芯部の下面、側面および上面を遮水シートで覆い、さらに、芯部を挟んで両側に、一般土を締め固めて側部を形成する、というものである。
なお、本発明において、放射能汚染土とは、放射性物質に汚染された盛土材料(建設残土、汚泥、がれき、コンクリートがら等を含む)のことであり、一般土とは、放射性物質に汚染されていない盛土材料(放射性物質の含有量が少ない盛土材料を含む)のことである。
本発明に係る盛土構造物によれば、各地に広がる放射能汚染土を処分することができる。また、本発明に係る盛土構造物を、河川や海岸線に沿って構築すれば、放射能汚染土の処分と同時に堤防を復旧あるいは新設することが可能になる。なお、放射能汚染土(芯部)を遮水シートで包んでいるので、放射性物質の外部への漏洩を防ぐことができる。また、放射能汚染土(芯部)の両側に一般土(側部)を配置しているので、盛土構造物から放出される放射線量を低減することができる。
少なくとも二つの前記盛土層のに、一方の側部から他方の側部まで連続するジオテキスタイル(織布、不織布、ジオグリッド、ジオネットなどの面状補強材)を敷設する。このようにすると、側部のせん断強度や引張強度が増し、ひいては、盛土構造物の安定性・耐震性が高まるようになる。
前記盛土層の側面に沿って壁面材を配置し、前記壁面材に接続したアンカー材を前記側部に埋設するとよい。このようにすると、側部のせん断強度や引張強度が増し、盛土構造物の安定性・耐震性が高まるだけでなく、法面を垂直あるいは急傾斜に成形することができるので、放射能汚染土の処分量を増やすことができる。なお、前記のジオテキスタイルをアンカー材として利用してもよい。
最上段の前記盛土層の上に、一般土を締め固めてなる頂部を設けるとよい。このようにすると、盛土構造物から上方へ向けて放出される放射線量を低減することができる。
前記盛土層および前記頂部は、難透水性材料(例えば、コンクリート、モルタル、ソイルセメント、アスファルト、粘土、ベントナイトなど)からなる被覆部で覆うとよい。このようにすると、盛土構造物の耐侵食性が高まるとともに、放射線の遮蔽効果が高まるようになる。
なお、前記一般土として、ベントナイト混合土を使用してもよい。ベントナイトは、水に触れると膨張する性質(自己修復機能)を有していることから、ベントナイト混合土を用いて側部を形成すると、側部だけでも遮水性能が発揮されるようになり、したがって、例えば被覆部にひび割れ等が発生したとしても、耐侵食性を維持することが可能となり、さらには、盛土構造物の長期安定性を確保することが可能となる。
上記課題を解決する本発明に係る盛土構造物の構築方法は、下段の盛土層の上にジオテキスタイルを敷設するとともに、当該ジオテキスタイルの上に遮水シートを敷設する敷設工程と、前記盛土層の上に上段の盛土層を形成する盛土工程とを含む盛土構造物の構築方法であって、前記盛土工程では、前記遮水シートの上に放射能汚染土を撒き出し、撒き出した放射能汚染土を締め固めて芯部を形成するステップと、前記遮水シートを折り返して前記芯部の側面と上面を覆ステップと、前記遮水シートの継ぎ目を接着あるいは溶着するステップと、前記芯部の周囲において前記ジオテキスタイルの上に一般土を撒き出し、撒き出した一般土を締め固めて側部を形成するステップとを行うことを特徴とする。
本発明に係る盛土構造物の構築方法によれば、各地に広がる放射能汚染土を処分することができる。また、河川や海岸線に沿って盛土構造物を構築すれば、放射能汚染土の処分と同時に堤防を復旧あるいは新設することが可能になる。また、盛土部分を複数の盛土層に分け、各盛土層において、放射能汚染土(芯部)を遮水シートで包んでいるので、上段の盛土層の施工中に下段の盛土層から放射性物質が漏洩することはなく、したがって、施工中においても、放射性物質が飛散するリスクや雨水が浸入するリスクを低減することができ、さらには、作業者の被曝量を低減することができる。また、放射能汚染土(芯部)を遮水シートで包んだ後に、側部を形成しているので、側部の施工中に放射性物質が飛散することもない。
本発明によれば、堤防の復旧・新設と放射能汚染土の処分を一気に解消することができる。
本発明の実施形態に係る盛土構造物の断面図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態に係る盛土構造物の構築方法を説明するための模式的な断面図である。 (a)〜(c)は図2の(c)に続く工程を説明するための模式的な断面図である。
本発明の実施形態に係る盛土構造物Aは、図1に示すように、上下に積層された複数段(本実施形態では三段)の盛土層1,1,…と、各盛土層1の下側に敷設されたジオテキスタイル2,2,…と、最上段の盛土層1の上に設けられた頂部3と、盛土層1,1,…および頂部3を覆う被覆部4と、を備えている。盛土構造物Aは、防潮堤防や河川堤防として利用可能な構造・強度を具備している。
なお、盛土構造物Aは、社会インフラを構成する重要構造物であることから、設計耐用年数は、50〜100年とすることが望ましい。飛散放射性物質の中で量的に多い、放射性セシウム−137(半減期は約30年)やストロンチューム−90(半減期29年)など、半減期が比較的長いものでも、60年経てば放射線量が約1/4、90年経てば放射線量が約1/8となるから、設計耐用年数として50〜100年を見込んでおけば、放射能汚染土の封じ込めに好適となる。
盛土層1は、芯部11と、芯部11を包む遮水シート12と、芯部11を挟んで両側に配置された側部13,13とを備えている。
芯部11は、放射能汚染土を締め固めて形成したものである。放射能汚染土は、原子力発電所由来の放射性物質を含んだ表土、下水処理汚泥、がれき、コンクリートがらなどである。芯部11の法面勾配は、適宜設定すればよい。放射能汚染土の撒き出し方法、締固め方法等に制限はないが、作業者の被曝量が被曝限度を超えないよう、遠隔操作が可能な施工機械を使用するか、あるいは、放射線を遮蔽可能な施工機械を使用することが望ましい。芯部11の高さ(すなわち、盛土層1の層厚)が大きい場合には、芯部11を複数層に分け、各層ごとに撒き出し作業と締固め作業を行うことが望ましい。本実施形態では、芯部11を三つの層11a,11b,11c(図2参照)に分けている。なお、放射能汚染土の土質は、放射性物質が含まれていない場合と大きく変わらないから、撒き出し厚や転圧回数等は、通常の盛土材料と同じように管理すればよい。
遮水シート12は、芯部11の下面、側面および上面を完全に覆っている。芯部11を密封できるよう、遮水シート12同士の継ぎ目や合わせ目は、溶着あるいは接着する。遮水シート12の材質に制限はないが、放射性物質が漏出しないよう、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン(TPU)などの合成樹脂製とすることが望ましい。なお、盛土構造物Aの延長方向(図1の紙面垂直方向)の施工単位長さは、特に限定されるものではないが、延長方向の端面も、遮水シート12で覆うものとする。
側部13は、一般土(放射性物質に汚染されていない通常の盛土材料)を締め固めて形成したものである。側部13は、遮水シート12に密着させる。側部13の法面勾配は、盛土構造物Aの安定性や耐震性などを考慮して設定すればよい。また、側部13の幅寸法(芯部11の側面から被覆部4までの距離)は、放射線の遮蔽効果を考慮して設定すればよい。側部13の高さ(すなわち、盛土層1の層厚)が大きい場合には、側部13を複数層に分け、各層ごとに撒き出し作業と締固め作業を行うことが望ましい。本実施形態では、側部13を三つの層13a,13b,13c(図3参照)に分けている。なお、図示は省略するが、層13a,13bの上面にジオテキスタイルを敷設してもよい。
本実施形態では、一般土として、ベントナイト混合土(例えば、砂とベントナイトの混合土)を使用している。ベントナイトは、水に触れると膨張する性質(自己修復機能)を有していることから、ベントナイト混合土を用いて側部13を形成すると、側部13だけでも遮水性能が発揮されるようになり、したがって、例えば被覆部4にひび割れ等が発生したとしても、耐侵食性を維持することが可能となり、さらには、盛土構造物Aの長期安定性を確保することが可能となる。
ジオテキスタイル2は、側部13のせん断強度や引張強度を増加させる目的で配置された面状補強材である。本実施形態では、高い引抜き抵抗力を確保できるよう、盛土層1の下面全体にジオテキスタイル2を敷設している。すなわち、本実施形態においては、側部13とジオテキスタイル2との間の摩擦抵抗力に加えて、芯部11とジオテキスタイル2との間の摩擦抵抗力(芯部11の重量)によって、ジオテキスタイル2の引抜き抵抗力が確保されている。なお、接着や溶着等の手段によってジオテキスタイル2を遮水シート12に固着すれば、引抜き抵抗力をより一層高めることができる。
本実施形態では、左右の側部13,13を一括して補強できるよう、一のジオテキスタイル2を一方の側部13から他方の側部13まで連続させているが、引抜き抵抗力を確保できる場合であれば、一の側部13ごとにジオテキスタイル2を配置してもよい。また、本実施形態では、各盛土層1の下側にジオテキスタイル2を敷設したが、適宜間引いてもよい。ジオテキスタイル2の形態や材質等に制限はなく、土質条件等に応じて適宜なものを選定すればよいが、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等の合成高分子材料からなる織布、不織布、織物、ジオグリッド、ジオネットなどを使用することができる。
頂部3は、一般土を締め固めて形成したものであり、最上段の盛土層1を覆っている。本実施形態では、頂部3の下側にもジオテキスタイル2を敷設している。
被覆部4は、コンクリートなどの難透水性材料からなる。被覆部4は、コンクリートやモルタルなどを場所打ちあるいは吹付けることによって構築してもよいし、ブロックや壁面材などのプレキャスト部材を利用して構築してもよい。なお、図示は省略するが、ジオテキスタイル2の端部を被覆部4に定着してもよい。また、被覆部4の脚部を原地盤に根入れしてもよい。
盛土構造物Aの構築方法は、次のとおりである。なお、図2および図3においては、地面の図示を省略する。
以下では、最下段の盛土層1を形成した後、二段目、三段目の盛土層1,1を順次形成し、その後、頂部3および被覆部4を形成する場合を例示する。
最下段の盛土層1を形成するには、図2の(a)に示すように、まず、地面にジオテキスタイル2を敷設するとともに、ジオテキスタイル2の上に遮水シート12を敷設する。
次に、遮水シート12の上に放射能汚染土を撒き出し、撒き出した放射能汚染土を締め固めて芯部11を形成する。本実施形態では、芯部11を一気に形成せず、三つの層11a,11b,11cに分けて形成する。すなわち、ブルトーザ等の施工機械を使用して一つ目の層11aに見合った放射性汚染土を撒き出した後、振動ローラ等の施工機械を使用して一つ目の層11aを転圧し、その後、一つ目の層11aの上に二つ目の層11bおよび三つ目の層11cを形成すればよい。なお、芯部11の法面は、必要に応じて適宜成形すればよい。
続いて、図2の(b)および(c)に示すように、遮水シート12を折り返して芯部11の側面と上面を覆う。遮水シート12の継ぎ目や合わせ目は、接着あるいは溶着する。遮水シート12を折り返すと、芯部11の周囲において、ジオテキスタイル2が露出するようになる。
その後、図3の(a)に示すように、芯部11の周囲においてジオテキスタイル2の上に一般土を撒き出し、撒き出した一般土を締め固めて側部13を形成する。
最下段の盛土層1が形成されたら、図3の(b)に示すように、最下段の盛土層1の上にジオテキスタイル2を敷設するとともに、ジオテキスタイル2の上に遮水シート12を敷設する(敷設工程)。すなわち、最下段の盛土層1の上面(遮水シート12および側部13の上面)の全体をジオテキスタイル2で覆い、このジオテキスタイル2の上面を遮水シート12で覆う。
次に、最下段の盛土層1の上に上段(二段目)の盛土層1を形成する(盛土工程)。二段目の盛土層1の形成方法は、最下段の盛土層1の場合と同様である。すなわち、遮水シート12の上に放射能汚染土を撒き出し、撒き出した放射能汚染土を締め固めて芯部11を形成するステップと、遮水シート12を折り返して芯部11の側面と上面を覆うステップと、芯部11の周囲に露出したジオテキスタイル2の上に一般土を撒き出し、撒き出した一般土を締め固めて側部13,13を形成するステップと、を実行すればよい。
二段目の盛土層1が形成されたら、図示は省略するが、二段目の盛土層1の上にジオテキスタイル2を敷設するとともに、ジオテキスタイル2の上に遮水シート12を敷設し、その後、上記の各ステップを行うことで、二段目の盛土層1の上に最上段(三段目)の盛土層1を形成する。
その後、最上段の盛土層1の上にジオテキスタイル2を敷設するとともに、このジオテキスタイル2の上に頂部3を形成し、さらに、側部13の側面(法面)、頂部3の側面(法面)および上面に沿って被覆部4を形成すると、図1に示す盛土構造物Aが得られる。
以上説明した本実施形態に盛土構造物Aによれば、各地に広がる放射能汚染土を処分することができる。また、河川や海岸線に沿って盛土構造物Aを構築すれば、放射能汚染土の処分と同時に堤防を復旧あるいは新設することが可能になる。
盛土構造物Aによれば、放射能汚染土(芯部11)を遮水シート12で包んでいるので、放射性物質の外部への漏洩を防ぐことができる。また、放射能汚染土(芯部11)の両側に一般土(側部13)を配置するとともに、最上段の盛土層1の上に一般土(頂部3)を設けているので、放射線の遮蔽効果が高まり、ひいては、盛土構造物Aから放出される放射線量を低減することができる。
さらに、盛土構造物Aでは、盛土層1,1,…および頂部3を被覆部4で覆っているので、放射線の遮蔽効果がより一層高まり、かつ、盛土構造物Aの耐侵食性も高いものとなる。
また、各盛土層1の下側に、ジオテキスタイル2が敷設されているので、側部13のせん断強度や引張強度が高く、したがって、盛土構造物Aの安定性・耐震性も高いものとなる。
また、盛土部分を複数の盛土層1,1,…に分け、各盛土層1において、放射能汚染土(芯部11)を遮水シート12で包んでいるので、上段の盛土層1の施工中に下段の盛土層1から放射性物質が漏洩することはなく、したがって、施工中においても、放射性物質が飛散するリスクや雨水が浸入するリスクを低減することができ、さらには、作業者の被曝量を低減することができる。また、放射能汚染土(芯部11)を遮水シート12で包んだ後に、側部13を形成しているので、側部13の施工中に放射性物質が飛散することもない。
なお、本実施形態では、盛土層1が三段である場合を例示したが、盛土層1の段数は限定されるものではない。盛土層1を一段としても勿論差し支えない。
また、本実施形態では、難透水性材料からなる被覆部4を設けた場合を例示したが、津波や洪水による侵食を受ける虞がない場合には、被覆部4を省略してもよい。なお、被覆部4を省略する場合には、植栽やネットなどにより、盛土層1の法面を補強することが好ましい。
また、図示は省略するが、被覆部4に代えてテールアルメなどの補強土壁を形成してもよい。補強土壁を構築するには、盛土層1の側面および頂部3の側面に沿って壁面材(例えば、鋼製枠、コンクリートブロック、コンクリートパネル、植生土のう等)を配置し、壁面材に接続したアンカー材(例えば、鋼製ないし樹脂製のストリップ、ワイヤーなど)を側部13に埋設すればよい。なお、アンカー材は、側部13のみに埋設してもよいし、芯部11の下側にまで延設してもよい。また、ジオテキスタイル2と同様に、盛土層1の全幅に亘ってアンカー材を設置し、左右の壁面材に接続してもよい。補強土壁を形成すれば、側部13のせん断強度や引張強度が増し、盛土構造物の安定性・耐震性が高まるだけでなく、法面を垂直あるいは急傾斜に成形することができるので、放射能汚染土の処分量を増やすことができる。
本実施形態では、頂部3を設けた場合を例示したが、頂部3を省略してもよい。この場合には、コンクリートやアスファルトなどの難透水性材料で最上段の盛土層1の上面を被覆することが好ましい。
本実施形態では、盛土構造物Aを河川堤防あるいは防潮堤防とする場合を例示したが、本発明に係る盛土構造物の適用範囲を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、例えば、道路盛土や鉄道盛土として利用してもよい。
A 盛土構造物
1 盛土層
11 芯部
12 側部
13 遮水シート
2 ジオテキスタイル
3 頂部
4 被覆部

Claims (6)

  1. 上下に積層された複数段の盛土層を備える盛土構造物であって、
    前記盛土層は、芯部と、前記芯部の下面、側面および上面を覆う遮水シートと、前記芯部を挟んで両側に配置された側部とを有し、
    前記芯部は、放射能汚染土を締め固めて形成したものであり、
    前記側部は、一般土を締め固めて形成したものであり、
    前記遮水シートの継ぎ目は、接着あるいは溶着されたものであり、
    少なくとも二つの前記盛土層の間に、一方の側部から他方の側部まで連続するジオテキスタイルが敷設されている
    ことを特徴とする盛土構造物。
  2. 前記盛土層の側面に沿って壁面材が配置されており、前記壁面材に接続されたアンカー材が前記側部に埋設されている、ことを特徴とする請求項1に記載の盛土構造物。
  3. 最上段の前記盛土層の上に、一般土を締め固めて形成した頂部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の盛土構造物。
  4. 前記盛土層および前記頂部が、難透水性材料からなる被覆部によって覆われていることを特徴とする請求項に記載の盛土構造物。
  5. 前記一般土がベントナイト混合土であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の盛土構造物。
  6. 下段の盛土層の上にジオテキスタイルを敷設するとともに、当該ジオテキスタイルの上に遮水シートを敷設する敷設工程と、
    前記盛土層の上に上段の盛土層を形成する盛土工程とを含む盛土構造物の構築方法であって、
    前記盛土工程では、前記遮水シートの上に放射能汚染土を撒き出し、撒き出した放射能汚染土を締め固めて芯部を形成するステップと、前記遮水シートを折り返して前記芯部の側面と上面を覆ステップと、前記遮水シートの継ぎ目を接着あるいは溶着するステップと、
    前記芯部の周囲において前記ジオテキスタイルの上に一般土を撒き出し、撒き出した一般土を締め固めて側部を形成するステップとを行うことを特徴とする盛土構造物の構築方法。
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