JP3175356U - 人工丘陵 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波発生時の避難場所として使用することが可能で、かつ、放射性物質含有物の処分問題を解決することが可能な人工丘陵を提供することを課題とする。
【解決手段】放射性物質含有層1と、放射性物質含有層1を覆う覆土層2とを備える人工丘陵であって、放射性物質含有層1は、放射性物質含有物とセメント系固化材とを混合して得たセメント系混合材料からなり、覆土層2は、放射性物質を含有しない地盤材料からなる、ことを特徴とする。放射性物質含有層1の底面、周面および上面には、遮水層3を形成する。
【選択図】図1

Description

本考案は、人工丘陵に関する。
津波による被害が懸念される沿岸地域や低地等においては、想定津波を受けても水没あるいは流失しない高台や津波避難ビルを津波発生時の避難場所として指定している。
一方、放射線量の高い地域においては、放射性物質の除染作業が行われているが、除染作業に伴って発生する土や瓦礫等を大量に仮置きあるいは中間保存できる施設が不足しているという問題がある。例えば、学校や公園等においては、表土を剥ぎ取るなどの対策が応急的に施されているが、剥ぎ取った表土は、校庭等に仮置きされているのが現状である。また、下水処理場の汚泥やゴミ焼却場の焼却灰からも、放射性物質が検出されているが、処分場を十分に確保できないという問題がある。
津波発生時の避難場所を十分に確保できていない場合には、想定津波に耐えうる避難場所を早急に確保する必要があり、大規模な除染作業を円滑に行うためには、放射性物質含有物の中間貯蔵施設あるいは最終処分施設を早急に確保する必要がある。
このような観点から、本考案は、津波発生時の避難場所として使用することが可能で、かつ、放射性物質含有物の仮置きあるいは中間保存による保管問題や処分問題を解決することが可能な人工丘陵を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本考案は、放射性物質含有層と、前記放射性物質含有層を覆う覆土層とを備える人工丘陵であって、前記放射性物質含有層は、放射性物質含有物とセメント系固化材とを混合して得たセメント系混合材料からなり、前記覆土層は、放射性物質を含有しない地盤材料からなる、ことを特徴とする。
「放射性物質含有物」とは、放射性物質を含有する物体あるいは放射性物質が付着した物体であり、例えば、放射性物質の除染作業に伴って発生する土、採石、砂利、瓦礫、コンクリート片、金属片、木片、下水処理場から発生する汚泥、ゴミ焼却場から発生する焼却灰などが該当する。
本考案によれば、放射性物質含有物を大量に貯蔵でき、かつ、放射性物質含有層から放出される放射線量を覆土層によって遮蔽できるので、放射性物質含有物の中間貯蔵施設あるいは最終処分施設として活用することが可能となる。また、覆土層の少なくとも一部を、想定津波を受けても水没しない標高に設定しておけば、本考案に係る人工丘陵を津波発生時の避難場所として活用することができる。さらに、覆土層に樹木を植林すれば、防風林や自然公園として活用することもできる。
また、放射性物質含有層をセメント系混合材料(セメント処理土)で形成しているので、施工に要する期間を短縮することが可能になるとともに、放射性物質の不溶化、飛散防止、高アルカリによる防腐効果、放射性物質含有層の圧縮防止効果なども期待できる。なお、スラリー状にしたセメント系混合材料を使用すれば、配管による移送手段を採用できるので、施工中においても放射性物質の飛散を抑制することが可能となり、さらには、撒き出しや転圧等が不要になるので、放射性物質含有層を迅速に構築することが可能となる。また、流動性のないセメント系混合材料であっても、固化した後は放射性物質含有物を封じ込めることができるため、既設の放射性物質含有層の上や周辺においてダンプやトラックなどによる運搬や重機による締固め・転圧を行っても、放射性物質の飛散を抑制することが可能となる。
前記放射性物質含有層の底面、周面および上面に沿って遮水層を形成してもよい。このようにすると、放射性物質が地下水等へ漏出することを防ぐことが可能となる。
なお、放射性物質含有層の規模が大きくなると、放射性物質含有層を覆土層で覆うまでに時間を要する虞があるが、施工区域を複数の区画に分割し、前記各区画に前記放射性物質含有層を形成しておけば、一つ一つの放射性物質含有層を短期間で覆土することが可能となるので、施工中にける放射性物質の飛散を抑制することが可能となる。また、放射性物質含有層を他の処分施設等に搬出する場合には、覆土層を取り除く必要があるので、放射線の遮蔽機能が一時的に損なわれる虞があるが、複数の放射性物質含有層を形成しておけば、放射性物質含有層ごとに搬出作業を行うことが可能になるので、搬出作業を行わない放射性物質含有層については、放射線の遮蔽機能を維持することが可能になる。
海岸または川岸に沿って堤体を構築した場合には、前記堤体の背面側に前記放射性物質含有層を形成するとよい。このようにすると、堤体、放射性物質含有層および覆土層が一体となった幅広の堤防(防潮堤防や河川堤防)を得ることができるので、越水が生じたとしても堤体が破堤し難くなる。
なお、前記放射性物質含有物の少なくとも一部に、粉砕処理または裁断処理を施して得た材料を使用してもよい。このようにすると、セメント系混合材料に含まれる放射性物質含有物の寸法、形状、粒度などが適度な大きさに調整されるので、セメント系混合材料の品質が均一化するようになる。
本考案に係る人工丘陵よれば、放射性物質含有物の処分問題を解決することが可能となり、かつ、津波発生時においては避難場所として活用することが可能となる。また、人工丘陵を海岸に沿って形成すれば、防潮堤防としても活用することが可能となる。
(a)は本考案の実施形態に係る人工丘陵の断面図、(b)は覆土層を示す拡大断面図、(c)は堤体を示す拡大断面図である。 本考案の実施形態に係る人工丘陵の構築時の様子を示す平面図である。
本考案の実施形態に係る人工丘陵は、津波発生時の避難場所および放射性物質含有物の中間貯蔵施設あるいは最終処分施設を兼ねるものであって、図1の(a)に示すように、基盤面G上に形成された放射性物質含有層1と、放射性物質含有層1を覆う覆土層2と、放射性物質含有層1の外面に沿って形成された遮水層3とを備えている。また、本実施形態に係る人工丘陵は、海岸に沿って構築された堤体4を備えており、堤防(防潮堤防)としても機能する。
放射性物質含有層1は、堤体4の背面側(陸地側)に形成されており、放射性物質含有層1の前面(海側の側面)は、堤体4の背面に隣接している。放射性物質含有層1の形状に制限はないが、本実施形態のものは、逆四角錐台状を呈している。なお、人工丘陵の施工区域は、図示は省略するが、複数の区画に分割されており、各区画に放射性物質含有層1が形成される。すなわち、本実施形態の人工丘陵は、複数の放射性物質含有層1を備えている。複数の放射性物質含有層1は、横方向(本実施形態では堤体4の長手方向)に間隔をあけて並設されている。
放射性物質含有層1は、放射性物質含有物とセメント系固化材と水とを混合して得たセメント系混合材料からなる。放射性物質含有物は、放射性物質(主として放射性セシウム)を含有する物体あるいは放射性物質が付着した物体であり、放射性物質の除染作業に伴って発生する土、採石、砂利、瓦礫、コンクリート片、金属片、木片、下水処理場から発生する汚泥、ゴミ焼却場から発生する焼却灰などが該当する。また、水としては、放射性物質含有層1自身に含まれる水や、上水や地下水などを使用するが、原子力発電所から発生した汚染処理水を使用してもよい。セメント系混合材料を形成する際には、放射性物質を含有する土(表土、汚泥など)が所定量含まれるように調整する。セメント系混合材料の強度に制限はないが、将来の掘り起こし作業に支障を来さぬような強度とすることが好ましい。
なお、採石、瓦礫、コンクリート片、金属片、木片など、寸法・形状が不揃いの放射性物質含有物に対しては、これらをセメント系混合材料中の骨材として利用できるように、寸法、形状、粒度などを調整するための前処理(粉砕処理、裁断処理など)を行うことが好ましい。このようにすると、セメント系混合材料に含まれる放射性物質含有物の寸法が所定の寸法以下となり、セメント系混合材料中に分散し易くなるので、セメント系混合材料の品質が均一化するようになる。また、セメント系混合材料は、アルカリ性であるため、ある程度の防腐効果が期待できるが、より確実に腐食を防ぐ場合には、セメント系混合材料の内部において腐食する虞がある放射性物質含有物(例えば、金属片や木片等)に対して防腐処理を施すことが好ましい。長期保管によって放射性物質含有層1に含まれていた放射性物質の放射能が十分に低下した場合(すなわち、環境に与える影響が小さくなった場合)には、放射性物質含有層1を形成していた土壌等を搬出する場合もあるが、木片等の有機物に対して防腐処理を施しておけば、再利用することができる。
覆土層2は、放射性物質を含有しない地盤材料(例えば、購入土、現場発生土など)を締め固めて形成したものであり、図1の(b)に示すように、放射性物質含有層1の周囲を覆う横盛土部21と、放射性物質含有層1の上面を覆う上盛土部22とを備えている。なお、覆土層2に使用される地盤材料にゼオライトを含有させれば、放射線の遮蔽性能を高めることができる。
横盛土部21の法面勾配は、法面の安定性や耐震性などを考慮して設定すればよい。横盛土部21の幅寸法(放射性物質含有層1の側面から法面までの距離)および上盛土部22の層厚(放射性物質含有層1の上面から頂面までの距離)は、放射線の遮蔽効果を考慮して設定すればよい。
上盛土部22の上面の標高は、想定津波を受けても水没しない標高に設定する。上盛土部22の上面は、堤体4の頂面と面一になっているが、堤体4よりも標高の高い部分を形成してもよい。
覆土層2には、樹木、草花、芝生などを植栽するとよい。このようにすると、人工丘陵を防風林や自然公園として活用することが可能となる。なお、図示は省略するが、覆土層2の上に避難用の建物を構築してもよい。
遮水層3は、放射性物質含有層1の底面、周面および上面を完全に覆っている。遮水層3は、遮水シートにて形成されている。放射性物質含有層1を密封できるよう、遮水シート同士の継ぎ目や合わせ目は、互いに溶着あるいは接着する。遮水シートの材質に制限はないが、放射性物質が漏出しないよう、例えば、合成ゴム系(オレフィン系熱可塑性ゴム)、合成樹脂系(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、エチレン酢酸ビニルなど)、アスファルト系、ベントナイト系の遮水シートを使用する。
堤体4は、放射性物質含有層1を撤去した後も残置される恒久的な構造物であり、図1の(c)に示すように、原地盤の表層部に形成された地盤改良部41と、地盤改良部41の上面に形成された本体盛土部42と、本体盛土部42の前側(海側)の法面に沿って形成された法面被覆部43と、本体盛土部42の頂面に沿って形成された頂面被覆部44とを備えている。
地盤改良部41は、表層地盤改良工法(セメント安定処理工法)によって構築されたものであり、堤体4の長手方向に連続して形成されている。なお、原地盤が硬質地盤である場合等、不等沈下等の問題が発生し難い場合には、地盤改良部41を省略してもよい。
本体盛土部42は、放射性物質を含有しない地盤材料を締め固めて形成したものである。本体盛土部42の法面勾配は、法面の安定性や耐震性などを考慮して設定すればよい。本体盛土部42の幅寸法(本体盛土部42の前側の法面から背面側の法面までの距離)は、放射線の遮蔽効果を考慮して設定すればよい。なお、本体盛土部42に使用される地盤材料にゼオライトを含有させれば、放射線の遮蔽性能を高めることができる。
法面被覆部43は、本体盛土部42の前側(海側)の法面に沿って形成されている。法面被覆部43は、コンクリートやモルタルなどを場所打ちあるいは吹付けることによって構築してもよいし、ブロックや壁面材などのプレキャスト部材を利用して構築してもよい。
頂面被覆部44は、本体盛土部42の頂面に沿って形成されている。頂面被覆部44は、コンクリートやアスファルトなどによって構築し、車道や歩道として利用する。
なお、堤体4の構造に制限はなく、適宜変更してもよいが、堤体4だけでも想定津波に耐え得るような構造にすることが好ましい。このようにすると、放射性物質含有層1を撤去した後も引き続き堤防として利用できる。
次に、本実施形態に係る人工丘陵の構築方法を説明する。
本実施形態に係る人工丘陵の構築方法は、堤体4を構築する堤体構築工程と、横盛土部21を構築する横盛土構築工程と、遮水層3の一部を形成する第一遮水層形成工程と、放射性物質含有層1を構築する放射性物質含有層構築工程と、遮水層3の残部を形成する第二遮水層形成工程と、上盛土部22を構築する上盛土構築工程とを備えている。本実施形態では、人工丘陵が防潮堤防としての役目を果たすよう、海岸線に沿って人工丘陵を構築する。
堤体構築工程では、まず、地盤改良部41を構築する。地盤改良部41を構築するには、原地盤にセメント系固化材を散布し、攪拌・混合すればよい。次に、地盤改良部41の上面に本体盛土部42を構築する。本体盛土部42を構築するには、本体盛土部42を複数層に分け、各層ごとに撒き出し作業と締固め作業を行えばよい。その後、本体盛土部42の法面に沿って法面被覆部43を構築するとともに、本体盛土部42の頂面に頂面被覆部44を構築する。なお、地盤改良部41を構築する際に杭状の改良体もしくは構造体を使用してもよい。
横盛土構築工程は、堤体構築工程と並行して、または堤体構築工程の前もしくは後に行う。横盛土構築工程では、横盛土部21を複数層に分け、各層ごとに撒き出し作業と締固め作業を行う。
堤体構築工程および横盛土構築工程では、図2に示すように、逆四角錐台形の凹部が形成されるように横盛土部21および本体盛土部42を構築する。
第一遮水層形成工程は、放射性物質含有層1(図1参照)の底面および周面となる位置に遮水層3を形成する工程である。具体的には、横盛土部21および本体盛土部42に囲まれた空間(逆四角錐台形の凹部)の底面、横盛土部21の法面および本体盛土部42の法面に沿って遮水シートを敷設し、遮水シート同士を溶着あるいは接着する。
放射性物質含有層構築工程では、まず、図示せぬプラントにおいて放射性物質含有物、セメント系固化材、水などを混練し、スラリー状のセメント系混合材料を製造する。なお、寸法・形状が不揃いの放射性物質含有物に対しては、寸法、形状、粒度などを調整するための前処理(粉砕処理、裁断処理など)を行い、セメント系混合材料の内部において腐食する虞がある放射性物質含有物に対しては、防腐処理を施す。次に、ポンプPを利用して、遮水層3で覆われた逆四角錐台形の凹部にスラリー状のセメント系混合材料を打設する。スラリー状のセメント系混合材料は、自己充填性を有しているため、重機による締め固め作業は不要である。なお、スラリー状のセメント系材料に代えて、放射性物質含有物にセメント、石灰、フライアッシュ等を混合して得た流動性のないセメント系材料(セメント安定処理土)を使用してもよい。この場合には、ダンプ、トラック、パワーショベル、コンベヤなどの施工機械を使用してセメント系混合材料を所定位置に運搬・撒き出し、さらに締め固めや転圧等を行うことが望ましい。
第二遮水層形成工程は、放射性物質含有層1(図1参照)の上面に遮水層3を形成する工程であり、セメント系混合材料が硬化した後に行われる。第二遮水層形成工程では、放射性物質含有層1の上面に遮水シートを敷設し、遮水シート同士を溶着あるいは接着する。なお、放射性物質含有層1の周縁部では、第二遮水層形成工程で敷設された遮水シートを第一遮水層形成工程で敷設された遮水シートに溶着あるいは接着する。
上盛土構築工程は、放射性物質含有層1(遮水層3)の上に上盛土部22を構築する工程である。上盛土構築工程は、第二遮水層形成工程の後に行われる。上盛土構築工程では、上盛土部22を複数層に分け、各層ごとに撒き出し作業と締固め作業を行う。
上盛土構築工程が終了したら、図1に示すように、覆土層2に樹木、草花、芝生などを植栽する。
以上のように、本実施形態に係る人工丘陵によれば、放射性物質含有物を大量に貯蔵でき、かつ、放射性物質含有層1から放出される放射線量を覆土層2によって遮蔽できる。また、覆土層2の上面の標高を、想定津波を受けても水没しない標高に設定しているので、人工丘陵の全体が堤防(防潮堤防)となり、かつ、人工丘陵を津波発生時の避難場所として活用することができる。さらに、覆土層2に樹木等を植林しているので、防風林や自然公園として活用することもできる。
また、本実施形態に係る人工丘陵によれば、放射性物質含有層1をセメント系混合材料で形成しているので、放射性物質含有層構築工程を行っている間においても、放射性物質の飛散を抑制することが可能となる。また、スラリー状のセメント系混合材料を使用すれば、撒き出しや転圧等が不要になるので、放射性物質含有層1を迅速に構築することが可能となる。
また、本実施形態に係る人工丘陵によれば、セメント系材料で放射性物質含有層1を形成するとともに、放射性物質含有層1の底面、周面および上面に沿って遮水層3を形成しているので、放射性物質が地下水等へ漏出することを防ぐことが可能となる。
さらに、本実施形態に係る人工丘陵によれば、放射性物質含有物に防腐処理を施しているので、放射性物質含有層1に含まれていた放射性物質の放射能が十分に低下した後は、防腐処理されたものを再利用することができる。
なお、放射性物質含有層1の規模が大きくなると、放射性物質含有層1を覆土層2で覆うまでに時間を要する虞があるが、本実施形態では、施工区域を複数の区画に分割し、前記各区画に放射性物質含有層1を形成しているので、一つ一つの放射性物質含有層1を比較的短期間で覆土することが可能となり、ひいては、施工中にける放射性物質の飛散を抑制することが可能となる。また、放射性物質含有層1を他の処分施設等に搬出する場合には、覆土層2を取り除く必要があるので、放射線の遮蔽機能が一時的に損なわれる虞があるが、複数の放射性物質含有層1を形成しておけば、放射性物質含有層1ごとに搬出作業を行うことが可能になるので、搬出作業を行わない放射性物質含有層1については、放射線の遮蔽機能を維持することが可能になる。
さらに、本実施形態に係る人工丘陵によれば、堤体4の背面側に放射性物質含有層1を形成しているので、人工丘陵の全体が堤防(防潮堤防)となり、したがって、越水が生じたとしても堤体4が破堤し難くなる。また、放射性物質含有層1がセメント系混合材料で形成されているので、放射性物質含有層1の圧縮(圧密)を防ぐことができ、ひいては、堤体4の安定化を図ることができる。
なお、本実施形態では、放射性物質含有層1を堤体4に隣接させた場合を例示したが、堤体4から離れた位置に放射性物質含有層1を形成してもよい。この場合には、放射性物質含有層1の全周を覆土層2で囲めばよい。
また、本実施形態では、原地盤の地表面を基盤面Gとした場合を例示したが、原地盤を掘り下げたときの床付面を基盤面としてもよい。このようにすると、放射性物質含有物の貯蔵量を増やすことが可能となる。
本実施形態では、横盛土部21および本体盛土部42を構築した後に放射性物質含有層1を構築する場合を例示したが、放射性物質含有層1を構築した後に横盛土部21および本体盛土部42を構築してもよい。
本実施形態では、海岸に沿って人工丘陵を構築した場合を例示したが、河川に沿って人工丘陵を構築してもよいし、津波が遡上する可能性のある平地に人工丘陵を構築してもよい。また、津波被害を受けない内陸部(海や河川から離れた内陸部)に人工丘陵を構築しても勿論差し支えない。
本実施形態では、人工丘陵の上面を平地としたが、円筒状あるいは球冠状(上に凸の曲面状)に成形してもよい。また、人工丘陵の平面形状は、円形、楕円形、多角形状等であっても差し支えない。
1 放射性物質含有層
2 覆土層
3 遮水層
4 堤体

Claims (5)

  1. 放射性物質含有層と、
    前記放射性物質含有層を覆う覆土層とを備える人工丘陵であって、
    前記放射性物質含有層は、放射性物質含有物とセメント系固化材とを混合して得たセメント系混合材料からなり、
    前記覆土層は、放射性物質を含有しない地盤材料からなる、ことを特徴とする人工丘陵。
  2. 前記放射性物質含有層の底面、周面および上面に沿って形成された遮水層をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の人工丘陵。
  3. 施工区域が複数の区画に分割されており、
    前記各区画に前記放射性物質含有層が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工丘陵。
  4. 海岸または川岸に沿って構築される堤体を備え、
    前記放射性物質含有層は、前記堤体の背面側に形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の人工丘陵。
  5. 前記放射性物質含有物の少なくとも一部に、粉砕処理または裁断処理を施して得た材料が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の人工丘陵。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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