JP5756006B2 - 遮蔽構造の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遮蔽構造の施工方法に関し、特に、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の施工方法に関する。
従来、下記特許文献1に記載されるように、最終処分場に投入した廃棄物上にセメント溶液を吹付け、廃棄物を被覆する被覆層を形成し、さらにその被覆層上に廃棄物を投入することを繰り返す廃棄物埋立処理方法が知られている。この方法では、被覆層の形成により、廃棄物のさらなる投入作業を効率的に行うようにしたり、廃棄物が周辺に飛散するのを防止したりしている。
また、下記特許文献2に記載されるように、床面などの被検体の放射能汚染を検査する装置において、放射線検出器によって被検体の表面汚染を測定し、汚染箇所が検出された場合にその箇所に塗料を吹付け、汚染箇所を目視化する装置が知られている。この装置では、塗料の吹付けにより、放射性物質の飛散を防止し、さらには塗膜を除去することで放射能汚染を除去できるとしている。
特許第3668440号公報 特開平4−58185号公報
ところで、例えば非常時において原子力発電所などから放射性物質が放出されて拡散した場合、その放射性物質は周辺の地域に沈降し、土壌などに沈着することが考えられる。そうした地域において、除染のために表土を剥ぎ取ったり除草や剪定を行ったりすると、それに伴って、放射性物質を含む廃棄物が生じる。除染に伴って生じた廃棄物は、一定期間地上に一時的に保管(仮置き)された後、中間貯蔵され、そして最終処分されることとなる。
除染に伴って生じた廃棄物を保管するにあたっては、放射線の大気中への放出を防止すると共に、放射性物質の地中への漏出を防止するよう、廃棄物の周囲に適切な遮蔽構造を構築する必要がある。さらには、一時保管期間の経過後に中間貯蔵施設へ廃棄物を移設するため、廃棄物の取り出しを考慮する必要がある。しかしながら、上記した従来の技術は、放射性物質を含む廃棄物の一時保管を前提としたものではないため、こうした事態に対処することは難しい。そこで、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における適切な遮蔽構造の施工方法が望まれている。
本発明は、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における適切な遮蔽構造の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決した遮蔽構造の施工方法は、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の施工方法であって、地上に置かれた廃棄物に対して、放射線の遮蔽機能を有して吹付け後に固化する遮蔽材料を吹付け、遮蔽材料が固化してなる遮蔽層を廃棄物の表面上に形成し、遮蔽材料の吹付け時または吹付け後に、遮蔽材料を通して廃棄物から放出される放射線量を測定する工程と、測定された放射線量に応じて遮蔽材料の更なる吹付けの要否を判断する工程と、遮蔽材料の更なる吹付けが必要であると判断された場合に遮蔽材料を更に吹付ける工程と、を有することを特徴とする。
この施工方法によれば、遮蔽材料からなる遮蔽層によって廃棄物が覆われるため、廃棄物から放出される放射線が遮蔽され、廃棄物の一時保管場所における放射線量を低減することができる。ここで、遮蔽材料の吹付けによって遮蔽層を形成するため、遮蔽層を均等な厚さかつ均質に形成することができ、所定の遮蔽性能を確実かつ迅速に得ることができる。迅速な施工は、施工時における作業員の被ばく量の低減に有効である。この遮蔽層は従来の盛り土による遮蔽層に比して薄くできるため、廃棄物に対する上載荷重が低減される。さらに、一時保管場所の中央部に置かれた廃棄物に対して、一時保管場所の外部もしくは周縁部から遮蔽材料を吹付けることができるので、地上に置かれた廃棄物の上に重機等を設置する必要がなく、施工時における上載荷重も低減される。これらの上載荷重の低減により、例えば廃棄物をフレキシブルコンテナバッグ(以下、コンテナバッグという)等に収容して一時保管する場合に、そのコンテナバッグ等の破損を防止することができる。また、一定期間経過後、廃棄物を取り出す必要があるが、吹付けによる遮蔽層は盛り土による遮蔽層よりも層の厚さを薄くできるので、廃棄物を取り出し易く、また廃棄物取り出しの際に発生する汚染された遮蔽材料は少なくて済み、遮蔽材料の処分量を低減することができる。以上のように、廃棄物の一時保管場所において遮蔽層を適切に施工することができる。また、ある厚さの遮蔽層を形成した時点での放射線量を測定し、その測定結果に応じて遮蔽材料の更なる吹付けの要否を判断し、更なる吹付けが必要であると判断された場合に遮蔽材料が更に吹付けられる。これにより、所定の遮蔽性能を満たす遮蔽層を最小限の厚さで形成することができる。その結果として、遮蔽材料の使用量を必要最小限にできると共に、施工効率が向上し、作業員の被ばく線量をさらに低減させることができる。遮蔽層を最小限の厚さで形成できることは、上載荷重の低減や取り出し時の遮蔽材料の処分量低減にも有効である。なお、局所的に放射線量の高い部分に対してのみ、遮蔽材料の更なる吹付けを行うこともできる。
上記課題を解決した遮蔽構造の施工方法は、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の施工方法であって、地上に置かれた廃棄物に対して、放射線の遮蔽機能を有して吹付け後に固化する遮蔽材料を吹付け、遮蔽材料が固化してなる遮蔽層を廃棄物の表面上に形成し、遮蔽材料の吹付け前に、廃棄物に対して、遮蔽材料とは異なる飛散防止剤を散布する工程を有することを特徴とする。廃棄物がコンテナバッグ等に収容されない状態で置かれたり、収容されてはいるがそのコンテナバッグ等が破損していたりする場合、吹付け時に廃棄物が飛散する可能性がある。遮蔽材料の吹付け前に飛散防止剤を散布することにより、廃棄物の飛散を防止することができる。
また、上記遮蔽構造の施工方法において、遮蔽材料の吹付け前に、廃棄物をネットまたはシートにより覆う工程を有してもよい。廃棄物をネットまたはシートにより覆い、その上から遮蔽材料の吹付けを行うことで、廃棄物の取り出しの際に、簡便に遮蔽層を撤去できる。
また、上記遮蔽構造の施工方法において、廃棄物が置かれる前に、ゼオライトを含んだ、廃棄物が載置される層を形成する工程を有してもよい。ゼオライトは、放射性物質の吸着機能を有する。この施工方法によれば、ゼオライトを含む層に廃棄物が載置されるため、例えばコンテナバッグが破損した場合等においても、放射性物質の地中への漏出を防止することができる。
また、上記遮蔽構造の施工方法において、遮蔽材料を湿式にて吹付けてもよい。この場合、吹付けノズルからより遠くに遮蔽材料を放出させることができるため、廃棄物から離れての吹付けを容易に行うことができる。例えば廃棄物の放射線レベルが高い場合であっても、作業員の被ばく線量を抑えることができる。また、材料をより均質にできるため、遮蔽材料を良好に付着させることができる。
また、上記遮蔽構造の施工方法において、遮蔽材料を乾式にて吹付けてもよい。この場合、ホースの閉塞を防止でき、連続的な施工をスムーズに行うことができる。
本発明によれば、放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所において遮蔽構造を適切に施工することができる。
廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の一実施形態を示す断面図である。 図1中の遮蔽構造の施工方法を示すフローチャートである。 遮蔽材料の吹付けに用いる施工システムの模式図である。 (a)〜(c)は、図1中の遮蔽構造の施工手順を示す断面図である。 (a)〜(c)は、図4に続く施工手順を示す断面図である。 (a)〜(c)は、図5に続く施工手順を示す断面図である。 図1の遮蔽構造からの廃棄物の取り出しを示す模式的断面図である。 従来の遮蔽構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されるように、遮蔽構造1は、放射性物質を含む廃棄物2の一時保管場所(仮置き場)Aにおいて、廃棄物2から放出される放射線を遮蔽するためのものである。廃棄物2は、複数のコンテナバッグに収容されて、地面G上に置かれている。廃棄物2は、放射性物質により汚染された地域における除染により発生する、土壌などの除去物である。すなわち、廃棄物2は、剥ぎ取られた表土、湖沼などから除去された底泥、剪定された枝葉、除草された草、落ち葉や焼却灰などである。
遮蔽構造1は、放射線の遮蔽機能を有すると共に、遮蔽構造1内への雨水の進入を防止し、さらには放射性物質の地中への漏出を防止する機能を有する。一時保管場所Aにおいては、廃棄物2が中間貯蔵施設へ運搬されるまでの間(例えば約3年間)、廃棄物2が保管される。遮蔽構造1は、迅速かつ安全な施工方法により構築することができる。すなわち、遮蔽構造1の施工においては、作業員の被ばく線量が最小限に低減されると共に、廃棄物2のコンテナバッグの損傷を防止されている。また遮蔽構造1は、施工時の安全性のみならず、廃棄物2運搬時の安全性も考慮して施工される。
遮蔽構造1は、地面G上に敷設された遮水シート4と、遮水シート4上に形成された吸着層6と、吸着層6上に積載された廃棄物2と、廃棄物2の表面(上面および側面)全体を覆う遮蔽層3と、を有している。
吸着層6は、ゼオライトからなり、放射性物質を吸着する機能を有する。すなわち、吸着層6は、放射性物質の漏出を抑制する機能を有する。吸着層6は、ゼオライトのみから形成されてもよいし、ゼオライトと固化材等の他の物質とが混合されて形成されてもよい。遮水シート4及び吸着層6は、廃棄物2の下側の遮蔽層7を構成する。
遮蔽層3は、放射線の遮蔽機能を有する遮蔽材料からなる。この遮蔽材料は、高密度であることが好ましい。遮蔽材料としては、放射線の遮蔽機能を有し、固化する材料であり、かつ遮水機能を有する材料であれば、各種の材料を採用することができる。例えば、普通コンクリートや重量コンクリートを用いることができる。コンクリートを用いる場合、骨材に鉄を含有させてもよい。また、遮蔽材料として、コンクリートに限られず、マグネシウムまたは鉄のケイ酸塩鉱物と酸化マグネシウムとの混合物を用いてもよい。または、中性子線の遮蔽に有効とされる材料を用いてもよく、水素原子を多く含む物質、水和物を多く含む物質、もしくは結晶水を多く含む物質等を用いてもよい。遮蔽材料の密度は、2g/m以上であることが好ましく、2.5g/m以上であることがより好ましい。
続いて、遮蔽構造1の施工方法について説明する。図2は、遮蔽構造1の施工方法を示すフローチャート、図3は、遮蔽材料の吹付けに用いる施工システムの模式図、図4〜図6は、遮蔽構造1の施工手順を示す断面図である。
図3に示されるように、施工システム10は、吹付けのための圧縮空気を発生するコンプレッサ11、遮蔽材料12を受け入れて遮蔽材料12を吹付ける吹付け機13、先端に吹付けノズル14が設けられたマテリアルホース16を有している。コンプレッサ11と吹付け機13とはエアホース17により接続されている。施工システム10は、遮蔽材料12を湿式にて吹付けるシステムである。湿式の吹付け方式を採用することにより、吹付け距離(吹付けノズル14から廃棄物2の吹付け面までの距離)を長くできるため、作業員Bの被ばく線量を低減でき、廃棄物2の放射線レバルが高い場合には安全性の面で特に有効である。さらに、施工システム10は、コンパクトになっており、簡単にユニット化して車上に搭載することができる。このような施工システム10を用いることにより、地域に点在する一時保管場所Aを効率的に回って施工することが可能になっている。
なお、施工システム10は、急結剤を吹付けノズル14の直前で混入させるラインを有してもよい。また、図3では、作業員Bがマテリアルホース16を持っている場合を図示しているが、吹付け対象となる一時保管場所A(廃棄物2)に接近せざるを得ない場合には、安全性を考慮して他の重機等によりマテリアルホース16及び吹付けノズル14を保持することができる。
まず、図2および図4(a)に示されるように、地面G上に遮水シート4を敷設する(S1)。次に、図4(b)に示されるように、遮水シート4上の全面にゼオライトを散布し、吸着層6を形成する(S2)。ここでのゼオライトの積層高さ(厚さ)は、約5cmとする。また、ゼオライトに他の物質を混合して、ゼオライトが固化するように調整してもよい。これらのステップS1及びS2により、下側の遮蔽層7が形成される。
次に、図4(c)に示されるように、下側の遮蔽層7上に廃棄物2を設置する(S3)。図4(c)では、廃棄物2が複数のコンテナバッグに収容されて積み重ねられる場合を示しているが、廃棄物2をコンテナバッグに収容せずに、廃棄物2が露出した状態で積み重ねることもできる。なお、本実施形態では地面G上に遮蔽層7を形成する場合について説明するが、例えば一定の深さ地面Gを掘削し、掘削された位置に遮蔽層7を形成してもよい。この場合には、掘削された位置から地上に至るまで廃棄物2を積み上げることにより、限られた面積の一時保管場所Aにおいても保管される廃棄物2の量を確保できる。
次に、図5(a)に示されるように、積み重ねた廃棄物2の表面(上面および側面)上に飛散防止剤18を散布する(S4)。この飛散防止剤18は、遮蔽材料12の吹付けによって廃棄物2が飛散することを防止するためのものである。廃棄物2はコンテナバッグに収容されているが、コンテナバッグが破損していて廃棄物2が飛散するおそれがある場合、飛散防止剤18の散布は有効である。廃棄物2がコンテナバッグに収容されずに露出している場合、飛散防止剤18の散布は特に有効である。飛散防止剤18を散布するためのノズル19は、施工システム10とは別に用意してもよいし、施工システム10を転用してもよい。飛散防止剤18としては、樹脂系材料を主成分とするものや、無機系材料を主成分とするものを用いることができる。なお、飛散防止剤18の散布を省略することもできる。
次に、図5(b)に示されるように、廃棄物2の表面(上面および側面)に対して遮蔽材料12を吹付ける(S5)。吹付け工程では、材料を投入し、吹付けるという手順を繰り返す。材料投入を連続的に行うことにより、材料投入と吹付けを同時並行で連続的に施工することもできる。遮蔽材料12を吹付けることにより、遮蔽材料12は、積み重ねられた廃棄物2同士間の凹凸面や、廃棄物2の側面(垂直な面)にも付着する。この吹付け工程では、全面にわたって5cmの厚さとなるように遮蔽材料12を吹付ける。この吹付けにより、第1層目の遮蔽層3aが形成される。第1層目の遮蔽層3aの吹付け厚さは、廃棄物2の放射線レベルにより適宜設定することができる。例えば、遮蔽層3aの吹付け厚さは、廃棄物2からの放射線を遮蔽し得る最小限の厚さとすることができる。遮蔽層3aの吹付け厚さは、好ましくは3〜20cmであり、より好ましくは3〜10cmである。この吹付け施工において、吹付け厚さは、吹付け量を吹付け面積で除することで確認してもよいし、実際に計測してもよい。吹付け量を吹付け面積で除する際、遮蔽材料12のリバウンドを考慮してもよい。
次に、図5(c)に示されるように、放射線検出器20により、遮蔽層3aを通して廃棄物2から放出される放射線量を測定する(S6)。ここでは、放射線検出器20を遮蔽層3aに近接して配置してもよいし、遮蔽層3aから多少離間させて配置してもよい。放射線検出器20によって、複数箇所における表面線量を測定することが好ましい。なお、図5(c)ではマテリアルホース16及び吹付けノズル14を図示していないが、遮蔽材料12を吹き付けつつ放射線検出器20により放射線量を測定してもよい。吹付けノズル14の先端から延出させるようにして放射線検出器20を設けることもできる。
次に、放射線検出器20により測定された放射線量に応じて、遮蔽材料12の更なる吹付けが必要であるか否かを判断する(S7)。遮蔽材料12の更なる吹付けが必要であると判断した場合、図6(a)に示されるように、遮蔽材料12を更に吹付ける(S5)。ここでの吹付け厚さも、適宜設定することができるが、例えば5cmの厚さとする。これにより、第2層目の遮蔽層3bが形成される。遮蔽層3bの厚さは、遮蔽層3aの厚さと等しくなっている。遮蔽層3bの吹付け厚さは、好ましくは3〜20cmであり、より好ましくは3〜10cmである。なお、局所的に放射線量の高い部分に対してのみ、遮蔽材料12の更なる吹付けを行うこともできる。
図6(b)に示されるように、放射線検出器20により、遮蔽層3a,3bを通して廃棄物2から放出される放射線量を測定し(S6)、ステップS7において遮蔽材料12の更なる吹付けが不要であると判断した場合、吹付け施工を終了する。そして、図6(c)に示されるように、遮蔽層3bは遮蔽層3aを固化・一体化させて遮蔽層3を形成する(S8)。複数回に分けて吹付けられた各層の一体化により形成される遮蔽層3の厚さは、好ましくは6〜40cmであり、より好ましくは6〜20cmである。以上の工程により、廃棄物2の遮蔽構造1が完成する。
本実施形態の遮蔽構造1の施工方法によれば、遮蔽材料12からなる遮蔽層3によって廃棄物2が覆われるため、廃棄物2から放出される放射線が遮蔽され、廃棄物2の一時保管場所Aにおける放射線量を低減することができる。ここで、遮蔽材料12の吹付けによって遮蔽層3を形成するため、遮蔽層3を均等な厚さかつ均質に形成することができ、所定の遮蔽性能を確実かつ迅速に得ることができる。迅速な施工は、施工時における作業員Bの被ばく量の低減に有効である。また、吹付け施工によれば遮蔽材料12が圧縮されて高密度に廃棄物2の表面上に付着するので、放射線の遮蔽に効果的な遮蔽層3を形成することができる。遮蔽層3は従来の盛り土による遮蔽層に比して薄くできるため、廃棄物2に対する上載荷重が低減される。さらに、一時保管場所Aの中央部に置かれた廃棄物2に対して、一時保管場所Aの外部もしくは周縁部から遮蔽材料を吹付けることができるので、地面G上に置かれた廃棄物2の上に重機等を設置する必要がなく、施工時における上載荷重も低減される。これらの上載荷重の低減により、例えば廃棄物2をコンテナバッグ等に収容して一時保管する場合に、そのコンテナバッグ等の破損を防止することができる。また、一定期間経過後、廃棄物2を取り出す必要があるが、図7に示されるように、吹付けによる遮蔽層3は盛り土による遮蔽層よりも層の厚さを薄くできるので、廃棄物2を取り出し易く、また廃棄物2取り出しの際に発生する汚染された遮蔽材料は少なくて済み、遮蔽材料の処分量を低減することができる。
図8に示されるように、盛り土25および土のう26を用いた従来の遮蔽構造100では、撒き出しと敷き均しによって盛り土25を均一に施工することは難しく、施工効率が低かった。そのため、作業員の被ばく線量が増加してしまう傾向にあった。土のう26は長期的には劣化する虞もあり、盛り土25の飛散防止機能を失う可能性もある。また、重機が乗ること等により上載荷重が増加し、土のう26やコンテナバッグを破損する虞があった。さらにまた、遮蔽性能を確保するために盛り土25が厚くならざるを得ず、取り出し時に処分すべき盛り土25の処分量が増大していた。本実施形態の遮蔽構造1によれば、薄く均質な遮蔽層3を迅速に施工することができ、廃棄物2の一時保管場所Aにおいて廃棄物2を適切に施工することができる。
また、ある厚さの遮蔽層3を形成した時点での放射線量を測定し、その測定結果に応じて遮蔽材料12の更なる吹付けの要否を判断し、更なる吹付けが必要であると判断された場合に遮蔽材料12が更に吹付けられる。これにより、所定の遮蔽性能を満たす遮蔽層3を最小限の厚さで形成することができる。その結果として、遮蔽材料12の使用量を必要最小限にできると共に、施工効率が向上し、作業員Bの被ばく線量をさらに低減させることができる。遮蔽層3を最小限の厚さで形成できることは、上載荷重の低減や取り出し時の遮蔽材料の処分量低減にも有効である。例えば、図5(b),(c)に示されるように、遮蔽層3aが形成された状態で所定の遮蔽性能を発揮している場合は、遮蔽層3aのみの薄い遮蔽層3とすることができる。
また、遮蔽材料12の吹付け前に飛散防止剤18を散布することにより、廃棄物2の飛散を防止することができる。
また、ゼオライトを含む吸着層6に廃棄物2が載置されるため、例えばコンテナバッグが破損した場合等においても、放射性物質の地中への漏出を防止することができる。
また、吹付けノズル14からより遠くに遮蔽材料12を放出させることができるため、廃棄物2から離れての吹付けを容易に行うことができる。例えば廃棄物2の放射線レベルが高い場合であっても、作業員Bの被ばく線量を抑えることができる。また、材料をより均質にできるため、遮蔽材料12を良好に付着させることができる。
さらにまた、遮蔽層3に何らかの要因でひび割れ等が発生した場合でも、ユニット化した施工システム10を使用することにより、ひび割れ部に再度吹付けを行うことで迅速に補修することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、遮蔽材料12の吹付け前に、廃棄物2をネットまたはシートにより覆う工程を有してもよい。例えば、廃棄物2を細かいネットまたは防水シートで覆い、その上から遮蔽材料12の吹付けを行うことで、廃棄物2の取り出しの際に、簡便に遮蔽層3を撤去できる。この場合、ネットやシートは、廃棄物2と遮蔽層3との間の縁切り材として機能する。仮に、ネットやシートが多少経年劣化した場合であっても、簡便に遮蔽層3を撤去できる。
さらには、遮蔽材料12を複数回吹付けるにあたり、各層の吹付け後にその層をネットまたはシートで覆ってもよい。すなわち、第1層目の遮蔽層3aと第2層目の遮蔽層3bとの間に縁切り材としてのネットまたはシートを介在させてもよい。このようにすれば、例えば廃棄物2に近接した比較的汚染度の高い遮蔽層3aと、比較的汚染度の低い遮蔽層3bとを分離して撤去でき、汚染の度合いに応じた遮蔽材料の適切な処分が可能となる。
また、上記実施形態では、湿式の施工システム10を用いる場合について説明したが、遮蔽材料12を乾式にて吹付けてもよい。湿式の施工システムでは、空練り時に急結剤を混入させ、吹付けノズルの直前で加水する。この場合、ホースの閉塞を防止でき、連続的な施工をスムーズに行うことができる。
また、上記実施形態では、放射線量を測定しつつ吹付けを複数回に分けて行う場合について説明したが、予め吹付け厚さを設定しておき、吹付けを1回のみ行い、その後、確認のために放射線量を測定してもよい。廃棄物2の下側の吸着層6を省略してもよい。
1…遮蔽構造、2…廃棄物、3…遮蔽層、6…吸着層(ゼオライトを含む層)、7…遮蔽層、12…遮蔽材料、18…飛散防止剤、A…一時保管場所。

Claims (6)

  1. 放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の施工方法であって、
    地上に置かれた前記廃棄物に対して、放射線の遮蔽機能を有して吹付け後に固化する遮蔽材料を吹付け、前記遮蔽材料が固化してなる遮蔽層を前記廃棄物の表面上に形成し、
    前記遮蔽材料の吹付け時または吹付け後に、前記遮蔽材料を通して前記廃棄物から放出される放射線量を測定する工程と、
    測定された放射線量に応じて前記遮蔽材料の更なる吹付けの要否を判断する工程と、
    前記遮蔽材料の更なる吹付けが必要であると判断された場合に前記遮蔽材料を更に吹付ける工程と、を有することを特徴とする遮蔽構造の施工方法。
  2. 放射性物質を含む廃棄物の一時保管場所における遮蔽構造の施工方法であって、
    地上に置かれた前記廃棄物に対して、放射線の遮蔽機能を有して吹付け後に固化する遮蔽材料を吹付け、前記遮蔽材料が固化してなる遮蔽層を前記廃棄物の表面上に形成し、
    前記遮蔽材料の吹付け前に、前記廃棄物に対して、前記遮蔽材料とは異なる飛散防止剤を散布する工程を有することを特徴とする遮蔽構造の施工方法。
  3. 前記遮蔽材料の吹付け前に、前記廃棄物をネットまたはシートにより覆う工程を有することを特徴とする請求項1または2記載の遮蔽構造の施工方法。
  4. 前記廃棄物が置かれる前に、ゼオライトを含んだ、前記廃棄物が載置される層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の遮蔽構造の施工方法。
  5. 前記遮蔽材料を湿式にて吹付けることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の遮蔽構造の施工方法。
  6. 前記遮蔽材料を乾式にて吹付けることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の遮蔽構造の施工方法。
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