JP5320252B2 - 電気コネクタ - Google Patents

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本発明は、スライダを操作することにより相手コネクタとの嵌合、嵌合解除を行う電気コネクタ(以下、単にコネクタ)に関する。
相手コネクタのボスが挿入されるカム溝が形成されるスライダを、ハウジングに直線的に往復移動可能に備えるスライダ式のコネクタが知られている。このコネクタとしては、手で直接スライダを操作するタイプ(たとえば特許文献1、2)と、ハウジングに正逆回転(あるいは揺動)可能に取付けられるレバーによってスライダを操作するタイプ(例えば、特許文献3)がある。
レバーによってスライダを操作するタイプのコネクタ100を例にして、スライダ式のコネクタの概略構成を説明する。
図11において、コネクタ100は、相手コネクタ140を受容するキャビティ111を有する略矩形形状の絶縁性のハウジング110と、ハウジング110に設けられる複数の端子金具(図示せず)と、ハウジング110に取り付けられるレバー120と、ハウジング110に取り付けられる一対のスライダ130とを備えている。
レバー120は、断面略コ字形の絶縁性部材であり、回転軸121を中心にハウジング110に回転可能に取付けられている。レバー120はまた、スライダ130のラック131と噛み合うギア122を備えている。
各スライダ130は、ハウジング110の案内溝112に受容可能な略矩形形状の平板で構成され、内面に複数のカム溝132を形成するとともに、上縁面にラック131を形成している。各スライダ130は、ハウジング110の各案内溝112内に摺動可能に受容され、各スライダ130のラック131にレバー120のギア122が噛み合うようになっている。
相手コネクタ140には、スライダ130のカム溝132に挿入されるボス141が形成されている。ボス141はカム溝132に対するカムの従動子として機能する。
コネクタ100と相手コネクタ140を嵌合する際の操作は以下の通りである。
レバー120がハウジング110に対して起立した状態で、相手コネクタ140をハウジング110のキャビティ111内に挿入すると、相手コネクタ140に設けられるボス141がスライダ130のカム溝132に挿入される。そして、図11の矢印Aの向きにレバー120を回転させると、スライダ130が矢印Bの向きに移動し、カム溝132とボス141の協働により相手コネクタ140は引き込まれてコネクタ100のハウジング110と嵌合する。
特開平9−266029号公報 特開2001−52810号公報 特開2006−331991号公報
ところが、相手コネクタ140との嵌合の過程で、「ボスの乗り上げ」と称される現象が生じることがある。つまり、ボス141がカム溝132の挿入部132aの途中までしか挿入されていないにもかかわらず、誤ってレバー120を矢印Aの向きに操作すると、ボス141がカム溝132を越えてスライダ130と干渉するのが、ボスの乗り上げである。
ボスの乗り上げが生じると、そのまま相手コネクタとの嵌合作業を進めることができず、また、これを解消するのは容易でないため、相手コネクタとの嵌合作業の効率を著しく低減させる。場合によっては、ボスの乗り上げに気づかずに嵌合が完了したと誤認することもあり、導通不良のコネクタを提供する恐れもある。
前述の特許文献3には、先端に鍔部を有するボス(カムのボス)を相手コネクタに設ける一方、スライダのカム溝の外側に鍔部が入り込む段差部を設けることが記載されている。この構成によると、ボスがカム溝から抜け出ることが防止されそうであるが、鍔部を含むボスは樹脂で作成されているために、強い力が加わると、鍔部が破損する恐れがある。また、微小である鍔部を段差部に挿入する作業は容易でない。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、円筒状の単純形状のボスを備えるスライダであっても、ボスの乗り上げを防止できるコネクタを提供することを課題とする。
本発明のコネクタは、ハウジングと、スライダと、弾性体とを備えることを前提とする。ハウジングは、端子金具を保持する。スライダは、ハウジングに対して直線往復移動が可能に設けられ、また、相手コネクタのボスが移動するカム溝が設けられる。弾性体、スライダに弾性力を付与するものである。
スライダに設けられるカム溝は、第1の経路と第2の経路とからなる。第1の経路は、相手コネクタとの嵌合時にボスが摺動する摺動面を有する。この摺動面は、相手コネクタとの嵌合方向に対して傾斜している。第1の経路を通過したボスは、第2の経路に移行される。
弾性体は、嵌合時にボスが摺動面を摺動することでスライダが移動する第1の向きと対向する第2の向きに、スライダに弾性力を付与するものである。
そして、スライダは、ボスが摺動面を通過して第2の経路に移行する際に、弾性体の弾性力により、第1の向きに所定量だけ移動する。
以上の構成を有する本発明のコネクタは、スライダが第2の経路に移行せずに摺動面の途中で相手コネクタの押込みが止まったとしても、スライダには第2の向きに弾性力が付与されているので、相手コネクタのボスは摺動面を摺動しながら後戻りする。また、ボスが摺動面を通過して第2の経路に移行する際に、弾性体の弾性力によりスライダは強制的に、第1の向きに所定量だけ移動する。したがって、ボスが第1の経路の途中で止まることがないので、第1の経路の途中までしか挿入されていないにもかかわらず、誤ってスライダを操作することがない。よって、本発明のコネクタによればボスが乗り上げるのを阻止できる。
本発明のコネクタにおいて、ハウジングは、回転されることによりスライダを移動させるレバーを備えることができる。このレバーは、相手コネクタとの完全嵌合がなされる嵌合位置と、相手コネクタとの嵌合が解除される解除位置との間で回転される。そして、レバーが解除位置まで回転されると、相手コネクタのボスが第2の経路から第1の経路に移行され、相手コネクタが離脱可能となることが好ましい。直接コネクタを操作するのに比べて、レバーを操作する方が、スライダを弾性体に抗して移動させるのが容易にできるからである。
本発明のコネクタにおいて、ハウジングは、嵌合位置から解除位置までレバーが回転する過程で、その回転を止める係止体を有することができる。この場合、レバーは、係止体による係止を解除して解除位置まで回転される。レバーが不用意に解除位置まで回転されるのを避けるためである。
本発明のコネクタにおいて、ボスが摺動面を通過しても、第2の向きに所定量だけ移動する前にスライダが止まることがある。これは、異物や外力によって生じる異常な状態である。このような場合を想定して、嵌合位置へのレバーの回転を規制する規制体をハウジングに設けることが好ましい。異常検知のためである。
本発明のコネクタによれば、スライダが第2の経路に移行せずに摺動面の途中で相手コネクタの押込みが止まったとしても、スライダには第2の向きに弾性力が付与されているので、相手コネクタのボスは摺動面を摺動しながら後戻りする。ボスが第1の経路の途中で止まることがない本発明のコネクタは、ボスの乗り上げのるを阻止できる。
本実施の形態におけるコネクタの分解斜視図である。 本実施の形態におけるスライダに関し、(a)はトーションバネ近傍の拡大図、(b)は第1の経路と第2の経路の境界部分の拡大図である。 本実施の形態におけるコネクタの嵌合完了の状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図、(c)は側面図である。 本実施の形態におけるコネクタの嵌合開始の状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。 本実施の形態におけるコネクタの嵌合初期の状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。 本実施の形態におけるコネクタの嵌合中期の状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。 本実施の形態におけるコネクタの離脱時の作用を説明し、(a)は縦断面図、(b)はレバーとスライダの噛み合い部分の拡大断面図、(c)はカム溝の部分拡大図である。 本実施の形態におけるコネクタの第1の異常検知機構を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はレバーとスライダの噛み合い部分の拡大断面図である。 本実施の形態におけるコネクタの第2の異常検知機構を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はレバーとスライダの噛み合い部分の拡大断面図である。 本実施の形態におけるスライダの他の形態を示す図である。 従来のスライダ式のコネクタの一例を示す断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施の形態は、コネクタ10と相手コネクタ90が、コネクタ10が備えるスライダ50を介して嵌合されるものである。
以下、主に図1〜図3を参照しながら、コネクタ10の構成、相手コネクタ90の構成を順に説明した後、コネクタ10と相手コネクタ90の嵌合手順について説明する。
コネクタ10は、ハウジング本体(ハウジング)20と、一対のスライダ50と、カバーハウジング(ハウジング)40と、レバー70とを備えている。これらはいずれも樹脂を射出成形することにより作製されている。なお、コネクタ10において、スライダ50がハウジング本体20に挿入される側(図1でスライダ50が描かれている側)を前とする。
[ハウジング本体20]
ハウジング本体20は、図1、図3に示すように、略矩形形状の嵌合部21を備える。嵌合部21には、図示しない端子金具を保持する保持孔22a,22bが形成される端子保持部23が形成される。嵌合部21には、端子保持部23よりも下方に相手コネクタ受容キャビティ24が設けられている。相手コネクタ受容キャビティ24は、嵌合部21の下面側に開口している。
嵌合部21の幅方向の両側には、スライダ50を受容するための一対のスライダ受容溝25が前後方向に貫通して形成されている。
また、嵌合部21の上面には、スライダ受容溝25に繋がるラック露出切り欠き26が、各スライダ受容溝25に対応して設けられている。スライダ50に形成されるラック51は、このラック露出切り欠き26から外部に露出して、レバー70のギア74と噛み合う。嵌合部21の上面には、カバーハウジング40をハウジング本体20に固定するための一対の係止孔29が後側に、係止孔30が前側に形成されている。
また、嵌合部21の下面には、スライダ受容溝25に繋がるボス進入孔27が設けられている。ボス進入孔27は、スライダ50のカム溝52に対応して、前後方向に所定の間隔を空けて2箇所に形成される。
さらに、各スライダ受容溝25の内部であって、嵌合部21の後端には、スライダ50に設けられるトーションバネ(弾性体)60が係止されるバネ係止突起28が設けられている。
[カバーハウジング40]
ハウジング本体20の上部には、カバーハウジング40が取り付けられている。ハウジング20とカバーハウジング40との組み合わせで本発明のハウジングを構成する。各端子金具(図示せず)に接続された電線(図示せず)は、カバーハウジング40を介して外部に導出される。
カバーハウジング40は、後端に設けられる係止突起44がハウジング本体20の係止孔29に挿入され、前端に設けられる図示しない係止突起がハウジング本体20の係止孔30に挿入されることにより、ハウジング本体20に着脱自在に固定される。
カバーハウジング40の両側面には、レバー70を軸支する支持軸41が設けられている。また、カバーハウジング40の両側面には、レバー70を係止する係止突起(係止体)42が設けられている。
また、カバーハウジング40の上面には、レバー70を嵌合位置において固定するための係止アーム43が設けられている。係止アーム43は、カバーハウジング40の上下方向に撓む片持ち梁状の部材である。
[スライダ50]
一対のスライダ50は、嵌合部21の両側面に設けられる一対のスライダ受容溝25内にハウジング本体20の前側から挿入され、ハウジング本体20に対して図4に示す嵌合開始の位置と図3に示す嵌合位置との間を直線的に往復移動可能に設けられている。スライダ50は、ハウジング本体20の各スライダ受容溝25内に受容可能なように略矩形形状を有している。
スライダ50の上端面には、2つの歯からなるラック51が形成されている。ラック51は、各スライダ50が各スライダ受容溝25内に受容されてハウジング本体20に対して嵌合開始の位置と嵌合位置との間を移動するときに、少なくとも一部がハウジング本体20のラック露出切り欠き26に臨む位置に形成される。
また、スライダ50の内側、即ち相手コネクタ受容キャビティ24に面する側には、相手コネクタ90に設けられるボスが挿入されて相手コネクタ90とカム係合する2つのカム溝52が設けられている。
カム溝52は、第1の経路53と第2の経路56からなる(図2(b),図3)。
第1の経路53は、前方に向けて上昇する第1の傾斜面(摺動面)54と、スライダ50の下面から高さ方向に沿う垂直面55とにより区画される。第2の経路56は、後方に向けて上昇する第2の傾斜面57と、第2の傾斜面に対向する第3の傾斜面58とにより区画される。第2の傾斜面57の下端部には、図2(b)に示すように、凹部59が形成されている。
第1の経路53は、その下方端が、スライダ50が嵌合開始の位置にあるときにハウジング本体20のボス進入孔27と整列する位置に設けられる。
スライダ50は、その外側に、トーションバネ60を備える。トーションバネ60は、以下説明するように、ハウジング本体20とスライダ50の間に掛け渡されており、スライダ50の位置に応じて、スライダ50を前方(第2の向き)に向けて弾性力を付与する。
トーションバネ60は、図2(a)に示すように、巻回部60aと、巻回部60aから引出される第1の脚部60bと、第1の脚部60bとは逆向きに引出される第2の脚部60cとを備える。トーションバネ60が無負荷の状態では、第1の脚部60bと第2の脚部60cは例えば直線をなしている。
トーションバネ60は、スライダ50の外側であって、カム溝52よりも後方に形成されるバネ保持溝61に保持される。バネ保持溝61には、トーションバネ60の巻回部60aを貫通して保持する保持軸62を備えている。
バネ保持溝61は、第2ハウジング本体20から負荷を受けていないトーションバネ60を保持しているときに、第1の脚部60bが押付けられる第1の保持壁63と、第2の脚部60cが押付けられる第2の保持壁64を備えている。
バネ保持溝61は、第2の保持壁64と対称の位置に設けられる第3の保持壁65を備えている。トーションバネ60の第2の脚部60cは、スライダ50が移動する過程で第2ハウジング本体20(バネ係止突起28)から押されて、第2の保持壁64と第3の保持壁65の間を弾性変位する。
スライダ50は、その外側に、後端から前方に向けて延びる案内溝66が設けられている。案内溝66は、バネ保持溝61と繋がっており、バネ保持溝61に保持されるトーションバネ60の第2の脚部60cの先端部が案内溝66に露出する。案内溝66は、嵌合部21のバネ係止突起28に対応する位置に設けられている。
[レバー70]
レバー70は、一対のアーム71と、アーム71の後端を連結する連結部72とを備えた断面略コ字形に形成されている。
そして、レバー70の各アーム71には、カバーハウジング40の支持軸41が挿入される支持孔73が設けられる。支持軸41に支持孔73を嵌入することによりレバー70はカバーハウジング40に支持され、レバー70がカバーハウジング40に対して支持軸41を中心として揺動可能とされる。
また、レバー70の各アーム71の下端には、嵌合部21に受容されたスライダ50のラック51にラック露出切り欠き26を介して噛み合うギア74が設けられている。レバー70を嵌合開始の位置から嵌合位置まで回転させると、ギア74とラック51の協働によりスライダ50が嵌合開始の位置から嵌合完了の位置(嵌合位置)まで移動するようになっている。
さらに、各アーム71の内側には、カバーハウジング40の係止突起42と係合される係止突起75が形成されている。係止突起75と係止突起42が係合されることにより、レバー70が相手コネクタ90との嵌合解除位置まで不用意に回転するのを避ける。
[相手コネクタ90]
相手コネクタ90は、上部に嵌合部92を有するハウジング91を備えている。嵌合部92は、略矩形形状に形成され、その両側面にはカム従動子として機能する円筒状のボス93が設けられている。この例では、スライダ50のカム溝52に対応して、1つの側面に2つずつボス93が設けられている。嵌合部92のキャビティ94内には、複数の相手端子金具95が収容、保持される。相手端子金具は、コネクタ10と相手コネクタ90が嵌合されると、コネクタ10に保持される端子金具と接続される。
[コネクタ10の組立方法]
コネクタ10は、以下のように組み立てられる。
ハウジング本体20の嵌合部21に複数の端子金具を取り付けた状態で、一対のスライダ50を、それらの後端を先頭にして嵌合部21の両側面に設けられた一対のスライダ受容溝25内にハウジング本体20の前方から挿入する。スライダ50を押し込んでいくと、嵌合部21のバネ係止突起28が案内溝66に挿入される。スライダ50の後端が嵌合部21の後端を通過し、案内溝66に露出しているトーションバネ60の第2の脚部60cがバネ係止突起28に接触するまで、スライダ50を押し込む(図4参照)。なお、スライダ50(レバー70)のこの位置を嵌合開始の位置という。
嵌合開始の位置にスライダ50が挿入されたハウジング本体20に、係止突起44をハウジング本体20の係止孔29に挿入し、また、図示しない係止突起を係止孔30に挿入することで、カバーハウジング40を取り付ける。
カバーハウジング40には、支持軸41と支持孔73が嵌合されることによりレバー70が取り付けられている。レバー70の内側に形成される係止突起75が、カバーハウジング40の側面に設けられている係止突起42に係合されることで、レバー70を時計回りに回転させようとしても、レバー70がそれ以上回転するのが規制される。係止突起75が係止突起42を乗り越えて規制が解除され、強く回転させればレバー70を時計回りに回転させることができる。前端側へのそれ以上の傾転が規制されている(図4)。
カバーハウジング40をハウジング本体20に取り付けると、レバー70のギア74が、ハウジング本体20のラック露出切り欠き26を介してスライダ50のラック51に噛み合う。
[嵌合手順]
次に、以上のようにして組み立てられたコネクタ10と相手コネクタ90の嵌合手順について説明する。
組立てが完了し、図4に示すように、スライダ50が嵌合開始の位置にある状態で、コネクタ10の相手コネクタ受容キャビティ24に相手コネクタ90の嵌合部92を受容する。この嵌合開始状態では、嵌合部92のボス93は、第1の経路53下端において第1の傾斜面54に接触する。
相手コネクタ90を相手コネクタ受容キャビティ24の奥の方(上方)に押し込むと、ボス93は第1の傾斜面54を摺動しながら、第1の経路53と第2の経路56との境界部に至る。スライダ50は、この間に、トーションバネ60の弾性力に対向しながら、矢印Cの向き(第1の向き)、つまり後方に移動する(図4,図5)。したがって、スライダ50は、トーションバネ60により、矢印Dの向き(第2の向き)に弾性力が付与されている。なお、ボス93は前後方向への動きが規制されている。
さらに相手コネクタ90を相手コネクタ受容キャビティ24の奥の方に押し込むと、ボス93は前記境界部を通過して第2の経路56の凹部59に至る。第2の経路56のこの部分はボス93が前後方向に移動可能な領域があるため、トーションバネ60から付与されている弾性力により、スライダ50は図5の状態から凹部59までの所定量だけ後方(第1の向き)に移動し、嵌合開始の位置に復帰する(図6)。スライダ50は弾性力により嵌合開始の位置に勢いよく復帰して音が発生する所謂クリック感が得られるため、嵌合作業を行う作業者は復帰したことを容易に確認できる。
ボス93は、第2の傾斜面57の凹部59に位置しており、前後方向への移動が規制される。したがって、コネクタ10又は相手方コネクタ90を離脱する方向(図中,上下方向)に力を加えても、スライダ50はが前後方向へ容易に動かないように保持される。このことも、後述するように、ボスの乗り上げ防止にとって有効である。
図6の状態からレバー70を反時計回りに回転させると、スライダ50は図3に示す嵌合位置まで移動する。これにともなってボス93は第2の経路56を後方へ移動し、カム溝52の終端に至る。そうすると、コネクタ10の端子金具(図示せず)と相手端子金具95とが接触し、電気的に導通することになる。レバー70は、カバーハウジング40上面の係止アーム43を押圧してこれを乗り越えると、時計回りの回転が規制される。
ここで、スライダ50が、異物、その他の外力により、図8(a)に示すように、嵌合開始の位置よりも前方側に留まることも想定される。この状態でレバー70を反時計回りに回転させようとしても、ギア74の最も前方側のロック面76が、スライダ50の段差(規制体)67に噛み込んでロックしてしまうので、レバー70を回転させることができない。
仮に、図8の状態からレバー70を無理やり回転させたとしても、図9に示すように、レバー70のギア74が無い部分とスライダ50のラック51の歯が噛み合うので、レバー70を回転させることができない。なお、ロック面は歯面を構成していない。
このように、コネクタ10は、嵌合開始の位置が得られているか否かを二重に検知できる構造となっている。
[離脱手順]
保守・点検のために、嵌合がなされているコネクタ10と相手コネクタ90とを離脱させる手順を以下説明する。
嵌合位置(図3参照)からレバー70を時計回りに回転させる。レバー70が、係止アーム43を通過する際には、係止アーム43を下方に押してレバー70との干渉を回避させる。
レバー70を時計回りに回転させると、レバー70のギア74とスライダ50のラック51が順次噛み合うことにより、スライダ50は後方へ移動する。レバー70を嵌合開始の位置を越えて回転させると、ボス93は第2の傾斜面57の凹部59を越えて第1の経路53の上端において垂直面55に突き当たる(図7)。スライダ50は、トーションバネ60により矢印Eの向きに弾性力が付与されているが、これに対向してレバー70を当該位置(嵌合解除の位置)に維持させながら、相手コネクタ90を下向きに引き抜く。第1の経路53にはボス93の移動を遮るものがないため、相手コネクタ90をコネクタ10から離脱して嵌合を解除できる。レバー70が嵌合開始の位置を越える際には、カバーハウジング40の係止突起42をその内側に押してレバー70の係止突起75との干渉を回避させる。
以上のコネクタ10によると、ボス93が第1の傾斜面54と摺動しながら第1の経路53と第2の経路56との境界部に至るまでに、スライダ50は、トーションバネ60により矢印Dの向きに負荷を受けている。したがって、ボス93が第1の傾斜面54の途中にある状態で相手コネクタ90を押し込むのを止めたとしても、トーションバネ60からの弾性力により、スライダ50は前方(第1の向き)に移動する。このスライダ50の移動に伴って、相手コネクタ90は離脱の向き(下方)に押し出されることになるので、ボス93が第1の傾斜面54の途中に留まることがない。また、トーションバネ60から付与されている弾性力により、スライダ50は、後方(第1の向き)に強制的に移動されるので、ボス93が第1の経路53内に留まることがない。よって、コネクタ10によると、ボス93が第1の傾斜面54の途中の位置に留まった状態でレバー70を回転させることによるボスの乗り上げが防止される。
また、コネクタ10によると、ボス93が第2の傾斜面57の凹部59に至った後には、前後方向への移動が規制されることでスライダ50が前方へ容易に動くことはない。このようにスライダ50の保持が強くない場合には、ボス93が第2の経路56に移行した後でも、例えばハーネスを介してコネクタ10又は相手コネクタ90に強い力が加わると、ボスの乗り上げが生じることがある。これに対してコネクタ10はスライダ50を強く保持しているので、第2の経路56にボス93が移行した後にボスの乗り上げが生じるのを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、スライダ50は、一対設ける例について説明したが、少なくとも1枚設ければ機能する。
また、コンタクト10はトーションバネ60でスライダ50に負荷を与えているが、本発明はこれに限定されず、スライダ50自身にバネ機構を設けることができる。一例を図10に示すが、スライダ150に、楕円状の第1貫通孔151を設け、その周囲にトラック状のバネ部152を残し、さらにバネ部152の周囲を取り囲むように第2貫通孔153を設けることで弾性体をスライダ150に設けることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10…コネクタ
20…ハウジング本体
21…嵌合部、24…相手コネクタ受容キャビティ、25…スライダ受容溝
26…ラック露出切り欠き、27…ボス進入孔、28…バネ係止突起
40…カバーハウジング
41…支持軸、42…係止突起、43…係止アーム、44…係止突起
50,150…スライダ
51…ラック、52…カム溝
53…第1の経路、54…第1の傾斜面、55…垂直面
56…第2の経路、57…第2の傾斜面、58…第3の傾斜面、59…凹部
60…トーションバネ、60a…巻回部、60b…第1の脚部、60c…第2の脚部
61…バネ保持溝、62…保持軸、63…第1の保持壁、64…第2の保持壁
65…第3の保持壁、66…案内溝、67…段差
70…レバー
71…アーム、72…連結部、73…支持孔、74…ギア、75…係止突起
90…相手コネクタ
91…ハウジング、92…嵌合部、93…ボス、94…キャビティ

Claims (4)

  1. 端子金具を保持するハウジングと、
    前記ハウジングに対して直線往復移動が可能に設けられ、相手コネクタのボスが移動するカム溝が設けられるスライダと、
    前記スライダに弾性力を付与する弾性体と、
    を備え、
    前記カム溝は、
    前記相手コネクタとの嵌合方向に対して傾斜し、前記相手コネクタとの嵌合時に前記ボスが摺動する摺動面を有する第1の経路と、前記第1の経路を通過した前記ボスが移行される第2の経路と、からなり、
    前記弾性体は、
    前記嵌合時に前記ボスが前記摺動面を摺動することで前記スライダが移動する第1の向きと対向する第2の向きに、前記スライダに弾性力を付与し、
    前記スライダは、
    前記ボスが前記摺動面を通過して前記第2の経路に移行する際に、前記弾性力により、前記第1の向きに所定量だけ移動する、
    ことを特徴とする電気コネクタ。
  2. 前記ハウジングは、回転されることにより前記スライダを移動させるレバーを備え、
    前記レバーは、
    前記相手コネクタとの完全嵌合がなされる嵌合位置と、前記相手コネクタとの嵌合が解除される解除位置との間で回転され、
    前記レバーが前記解除位置まで回転されると、
    前記相手コネクタの前記ボスが前記第1の経路に移動され、相手コネクタが離脱可能となる、
    請求項1に記載の電気コネクタ。
  3. 前記ハウジングは、
    前記嵌合位置から前記解除位置まで前記レバーが回転する過程で、その回転を止める係止体を有し、
    前記レバーは、前記係止体による係止を解除して前記解除位置まで回転される、
    請求項2に記載の電気コネクタ。
  4. 前記スライダが、前記ボスが前記摺動面を通過しても、前記第2の向きに所定量だけ移動する途中に留まると、
    前記嵌合位置への前記レバーの回転を規制する規制体が前記ハウジングに設けられる請求項2又は3に記載の電気コネクタ。
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