JP2014026762A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相手の雄端子10が挿入接続される接続部25を有する雌端子20と、この雌端子20が後方から挿入されてランス45により抜け止めして収容されるキャビティ41を有するハウジング40と、雌端子20の接続部25内に設けられ雄端子10が所定量挿入されたところで同雄端子10に弾性的に係止してロックするロック片35と、このロック片35の両側縁に設けられたフォロワ部38と、キャビティ41の対向した両側壁に形成され、雌雄の端子20,10がロックされた状態からハウジング40が後方へ移動することに伴いフォロワ部38と係合してロック片35をロック解除方向に弾性変位させるカム部53と、カム部53の後方に形成され雌雄の端子20,10がロックされた状態においてロック片35の各フォロワ部38がそれぞれ当接するがた詰め部52と、を備える。
【選択図】図13
Description
一方、両端子の接続を解除するには、解除部材でロック片を押圧してロックを解除し、引き続いて雌ハウジングを後方に引っ張ることで両端子の接続を解除するようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、簡単な構造と操作性を確保した上で雌雄の端子同士の接続解除を確実に行えるようにしたところにある。
それに対して本発明では、雌雄の端子が接続状態にある場合において、ロック片の両フォロワ部がそれぞれがた詰め部に当接していることから、雌端子がキャビティ内でがたつくこと、例えばローリングする余地がなく、したがってコネクタハウジングを引いた際に、ロック片の両フォロワ部がカム部と係合して正規に弾性変位し、両端子間の接続の解除並びに引き続く両端子の解離が正確にかつスムーズに行われる。
(1)前記端子がファストン端子であって、前記雌端子の前記接続部が扁平な筒形に形成されている一方、前記雄端子には前記接続部内に緊密に挿入されるバスバーが突出形成されており、前記雌端子の前記接続部における底面側には前記ロック片が前縁から折り返された形態で弾性撓み可能に設けられ、同ロック片の先端側の表面に前記雄端子の前記バスバーに開口された係止孔に嵌合する係止突部が設けられているとともに、前記ロック片の先端側の両側縁には前記フォロワ部が張り出し形成され、前記両フォロワ部は前記接続部の両側板を貫通して前記キャビティの前記両側壁に向けて突出している。
ファストン端子では、雌端子の接続部に雄端子のバスバーが圧入されて同接続部が膨らみ変形する傾向にあるため、雌端子の接続部はキャビティ内においてクリアランスを持って収容されるのが一般的であるが、上記構造により雌端子はキャビティ内でがたつきなく収容される。結果、ファストン端子についても、雌端子がキャビティ内でがたつきなく収容され、ひいてはロック片を正規にロック解除方向に弾性撓みさせることができる。
雌端子に設けられたロック片の両フォロワ部が対応するがた詰め部に当てられていることで、雌端子がキャビティ内でローリングすることが抑制される。
雌端子に設けられたロック片が弾性変位を伴って両フォロワ部が対応するがた詰め部に弾性的に押し付けられる。雌端子がキャビティ内でローリングすることが強固に阻止される。
本発明の一実施形態を図1ないし図16によって説明する。この実施形態では、車両のヘッドランプ用のコネクタを例示しており、ランプソケットから引き出された電線の端末に設けられた雌コネクタと、コントロールボックスから引き出された電線の端末に設けられた雄コネクタとが嵌合接続されるようになっており、各コネクタに装備される雌雄の端子には、ファストン端子が用いられている。
雌端子20は、図5ないし図7に示すように、前後方向に長い基板21の前端部に、上記した相手の雄端子10のバスバー11と接続される接続部25が形成される一方、同基板21の後方に、電線Wの端末が圧着されるバレル部22が設けられている。
接続部25の底面を構成する基板21の幅狭部21Aには、後記するランス45が嵌るランス孔30が形成されている。
雌端子20側では接続部25内にロック片35が設けられている。このロック片35は、基板21の先端縁から突出形成された舌片が、後方に向けてやや先上がりの姿勢に折り返されることで形成されており、同ロック片35の先端は、図7に示すように、接続部25内の奥行のほぼ中央部で、かつ圧入部29内に入り込んだ位置まで延出している。このロック片35の先端部の表面には、上記した雄端子10のバスバー11に開口された係止孔12に嵌って係止する係止突部36が形成されている。
キャビティ41の前面壁41Aには、相手の雄端子10のバスバー11が挿入可能な端子挿入口42が、当該キャビティ41に正規挿入された雌端子20の接続部25における圧入部29の前方に対応するようにして形成されている。
なお、雄コネクタ側では、3個の雄端子10の各バスバー11が、雄ハウジングの前面(嵌合端面)から、雌ハウジング40における3個のキャビティ41と対応した配列で突出している。
図8において、ガイド部50のうちフォロワ部38と係合して実質的に機能する領域は、後側から順次に連なって形成された第1テーパ部51と、ストレート部52と、第2テーパ部53である。第1テーパ部51は前方に向けて例えば傾斜角が15度の下り勾配に形成され、同第1テーパ部51の下端からストレート部52が水平姿勢で前方に延出形成され、同ストレート部52の前端から、第2テーパ部53が前方に向けて例えば傾斜角が20度の下り勾配に形成されている。
なお、第1テーパ部51の後方には、その上端から水平に延出したのちさらに上方に開いた後方逃がし部54Aが、また第2テーパ部53の前方には、その下端から水平に延出した前方逃がし部54Bが、それぞれ形成されている。
第2テーパ部53が本発明にいうロック解除用のカム部に相当し、またストレート部52が本発明のがた詰め部に相当する。
第1テーパ部51は、奥行方向についてはランス45の基端部付近に対応して形成されており、図9に示すように、雌端子20におけるロック片35の折り返し部35Aがランス45の突起46に当たったタイミングでは、フォロワ部38が第1テーパ部51に当たる少し手前に位置している。この状態からランス45を弾性撓みさせつつ所定距離前方に押し込まれたところで、フォロワ部38が第1テーパ部51に当接するようになっている(図10)。
雌コネクタは、以下のようにして組み付けられる。3本の電線Wが準備され、それぞれ皮剥きして芯線Waを露出させる端末処理が施される。各電線Wにおける芯線Waの端末が雌端子20のワイヤバレル23に、被覆Wbの端末がインシュレーションバレル24にそれぞれかしめ圧着され、すなわち各電線Wの端末に雌端子20が接続される。電線Wは、雌端子20の後端から直角をなして引き出された形態となる。
3個の雌端子20が雌ハウジング40の対応するキャビティ41内に抜け止めされて収容されることで、雌コネクタの組み付けが完了する。
雌端子20をキャビティ41から外す場合は、治具挿入溝47に治具を入れてランス45を強制的に撓ませることで雌端子20に対する係止を解除し、電線Wともども雌端子20を後方に引き抜けばよい。
ランス45の抵抗に伴う端子挿入力は、同図の特性線Xaに示すように、ロック片35の折り返し部35Aがランス45の突起46に当たったとき(タイミングTa)から挿入力が次第に増加し、折り返し部35Aが突起46に乗り上げたところ(タイミングTc)でピーク値を迎え、漸減したのち低い一定値に維持され、ランス45が復動して突起46がランス孔30に落ち込んだところ(タイミングTf)で挿入力は0となる。
なお、雌雄の端子20,10の接続を解除するべく、上記のタイミングTfから雌端子20がさらに相対的に前進すると、フォロワ部38が第2テーパ部53を摺接してロック片35をさらに弾性撓みさせることから、端子挿入力は急勾配で増加する。
端的には、トータルの端子挿入力は、ロック片35の折り返し部35Aがランス45の突起46に当たったとき(タイミングTa)から次第に増加し、折り返し部35Aが突起46に乗り上げてさらに少し進んだ辺り(タイミングTd)でピークを迎え、そののち比較的急激に減少することに続いて極めてゆっくりと減少し、ランス45が復動して突起46がランス孔30に落ち込んだところ(タイミングTf)で、大きく落ちる現象を示す。なお、接続解除時を示すタイミングTf以降では、急激に増大する。
比較例のものでは、雌端子20がランス45に当たった時点から押し込むと、初めの間は、ロック片35のフォロワ部38とがた詰め用のテーパ部との間が開いていて、雌端子20が持ち上げられつつランス45を撓ませて通過するために、挿入力は比較的小さく、途中(タイミングTx)でロック片35のフォロワ部38がテーパ部に当たって同テーパ部に沿って摺接するときは、雌端子20は上方への逃げが規制されるためにランス45による抵抗が増加することに加えて、ロック片35を次第に撓ませることになるために、トータルした端子挿入力が次第に増大し、ランス45が落ち込んで係止されたところ(タイミングTf)で、ランス45の抵抗が無くなった分挿入力が少し落ちるといった現象を呈する。
それに対して本実施形態では、上記に詳述したように、ランス45により係止されたときには一定の低い端子挿入力からさらに急激に挿入力が落ちる現象を呈することで、ランス45が落ち込んで係止したときの節度感を明確に得ることができる。
そして、雌雄のコネクタの嵌合を外す前の雌雄の端子20,10が接続状態にロックされている場合では、雌端子20の接続部25に設けられたロック片35の左右のフォロワ部38が、それぞれキャビティ41の左右の側壁に設けられたストレート部52に弾性的に押し付けられているために、雌端子20がキャビティ41内でがたつくこと、例えばローリングする余地はない。したがって雌ハウジング40を引いた際に、ロック片35の両フォロワ部38がともに対応する第2テーパ部53と係合することにより正規に弾性撓みし、ロック片35の係止突部36が相手のバスバー11の係止孔12から確実に抜けることで、雌雄の端子20,10間の接続の解除並びに引き続く両端子20,10の解離が正確にかつスムーズに行われる。
すなわち、簡単な構造と操作性を確保した上で、雌雄の端子20,10同士の接続解除を確実に行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、雌端子のがた詰めを行う場合に、ロック片の両フォロワ部をガイド部のストレート部に弾性的に押し付けた構造を例示したが、ロック片の両フォロワ部をストレート部に対して単に当てただけの構造であってもよい。
(2)ガイド部における第1テーパ部と第2テーパ部との傾斜角度は、上記実施形態に例示した角度に限らず、雌端子の挿入力との兼ね合いで他の角度に設定してもよい。
(4)端子としては、上記実施形態に例示したファストン端子に限らず、雌端子と雄端子とが対向方向に嵌合して接続される他の形式の端子であってもよい。
(5)本発明は、上記実施形態に例示したヘッドランプ用コネクタに限らず、他の用途のコネクタについても広く適用することができる。
11…バスバー
12…係止孔
20…雌端子
25…接続部
26…側板
26A…窓孔
35…ロック片
36…係止突部
38…フォロワ部
40…雌ハウジング(コネクタハウジング)
41…キャビティ
45…ランス
50…ガイド部
52…ストレート部(がた詰め部)
53…第2テーパ部(カム部)
Claims (4)
- 相手の雄端子が挿入接続される接続部を有する雌端子と、
この雌端子が後方から挿入されてランスにより抜け止めして収容されるキャビティを有するコネクタハウジングと、
前記雌端子の前記接続部内に設けられ前記雄端子が所定量挿入されたところで同雄端子に弾性的に係止してロックするロック片と、
このロック片の両側縁に設けられたフォロワ部と、
前記キャビティの対向した両側壁に形成され、前記雌雄の端子がロックされた状態から前記コネクタハウジングが後方へ移動することに伴い前記フォロワ部と係合して前記ロック片をロック解除方向に弾性変位させるカム部と、
前記カム部の後方に形成され前記雌雄の端子がロックされた状態において前記ロック片の前記各フォロワ部がそれぞれ当接するがた詰め部と、
が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記端子がファストン端子であって、前記雌端子の前記接続部が扁平な筒形に形成されている一方、前記雄端子には前記接続部内に緊密に挿入されるバスバーが突出形成されており、
前記雌端子の前記接続部における底面側には前記ロック片が前縁から折り返された形態で弾性撓み可能に設けられ、同ロック片の先端側の表面に前記雄端子の前記バスバーに開口された係止孔に嵌合する係止突部が設けられているとともに、
前記ロック片の先端側の両側縁には前記フォロワ部が張り出し形成され、前記両フォロワ部は前記接続部の両側板を貫通して前記キャビティの前記両側壁に向けて突出していることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - 前記がた詰め部は、前記カム部の後方において、前記雌雄の端子がロックされた状態における前記ロック片の前記フォロワ部と同じ高さ位置において水平姿勢で連なって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
- 前記がた詰め部は、前記カム部の後方において、前記雌雄の端子がロックされた状態における前記ロック片の前記フォロワ部よりも低い位置において水平姿勢で連なって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
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