JP5316880B2 - 合金鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Crを含有する合金鋼を連続鋳造する時に発生し易い引け巣欠陥を防止し、内部品質が良好な鋳片を得るために、
Crを5mass%以上含有する合金鋼を連続鋳造する方法であって、
横断面が円形、或いは円形に近い楕円形又は長円形の鋳型を用い、
この鋳型に供給する前記合金鋼の液相線温度TLに対して50℃〜300℃低い結晶化温度TCのモールドフラックスを使用し、
2次冷却比水量を0.1〜1.2リットル/kg−steelとする条件で鋳片表面を冷却しつつ、0.5m/min以上の速度で鋳造した鋳片が中心部まで凝固した後に、
連続鋳造機内のロールを用いて前記鋳片を圧下して扁平な鋳片を得る第1の圧下を行い、その後、扁平な鋳片を横断面を円形に矯正する第2の圧下を行うまでの間は鋳片表面を冷却する2次冷却を行わないことを最も主要な特徴としている。
鋳片中心部に発生した引け巣欠陥を圧下により圧着する際の圧下効率を向上するには、鋳片中心部の温度が高く、かつ鋳片表面の温度が低下していることが望ましい。このような温度分布の時、鋳片中心部が効率良く圧下される。また、前記圧下によって扁平となった鋳片断面形状を矯正する圧下では、表面を含めて鋳片の温度が高いほど矯正が容易である。
1.本鋳型で形成する円環状の凝固シェルは、凝固に際して密度変化に伴う収縮が生じても円管形状が保たれるので、凝固シェルの一部が鋳型から離れる変形を生じ難く、このような変形が生じ易い合金鋼の場合には鋳型内凝固の均一化に有利である。
3.鋳片をシームレスパイプの素材とする場合に、得られた横断面が円形の鋳片をそのままシームレスパイプの製管に供することができる。横断面が円形の鋳片を得るには、横断面が円形の鋳片を圧下した後に断面を矯正する方が、横断面が矩形の鋳片を圧下した後に断面矯正するよりも、はるかに容易である。
鋳造速度が0.5m/min未満であると、第1の圧下によって扁平になった鋳片を矯正する第2以降の圧下時の鋳片温度が低くなりすぎて矯正が困難になるからである。また、鋳片温度が低くなりすぎると、鋳片を再加熱する際に多くのエネルギーが必要となる。
前記第2の圧下の後にさらに鋳片の横断面を真円に近づけるための第3の圧下を行い、第2の圧下から第3の圧下までの間は鋳片表面を冷却する2次冷却を行わないのが請求項2に係る発明である。
第2の圧下もしくは第3の圧下の前に鋳片表面を加熱するのが請求項3に係る発明である。
横断面が円形の鋳型を2つ以上有する複数ストランドの連続鋳造機を用いた高合金鋼の連続鋳造に際し、
鋳片表面を加熱する装置を1つとし、第1の圧下は鋳片切断前に、鋳片表面の加熱および加熱後の第2もしくは第3の圧下は鋳片切断後に行うのが請求項4に係る発明である。
前記モールドフラックスとして、
その組成は、CaO/SiO2が0.9〜1.7、(MgO+Al2O3)が7〜28mass%、(K2O+Na2O+Li2O)で表される濃度和が8mass%未満、F濃度が7mass%未満であり、
主な結晶としてメリライトを晶出もしくは析出(以下、晶/析出という。)し、
結晶化温度が1150℃〜1350℃、
1300℃における粘度が0.2〜1.2Pa・sであるものを使用するのが請求項5に係る発明である。
前記モールドフラックスとして、TiO2を5〜15mass%含有し、
溶融したモールドフラックスが冷却されながら結晶化する際に、初めに晶/析出したペロブスカイトを核にしてメリライトが晶/析出するものを使用するのが請求項6に係る発明である。
従来、モールドフラックスの結晶化温度TC(原子が結晶格子を形成するよう配列する温度)は、冷却に伴って粘度が急上昇する温度である凝固温度(流動性が失われた温度)を用いて評価する方法が広く採用されている。この方法は、1300℃における粘度が0.1Pa・s程度の低粘性モールドフラックスの場合、凝固温度と結晶化温度TCとは比較的良く一致する。
メリライト(Melilite)とは、アケルマナイト(Akermanite:2CaO・MgO・2SiO2:融点1454℃)とゲーレナイト(Gehlenite:2CaO・Al2O3・SiO2: 融点1590℃)との全率固溶体の名称である。本発明では、アケルマナイトからゲーレナイトに到る組成範囲の結晶全てをメリライトと記すこととした。
本発明方法の実施例を下記表1〜下記表3に示す。
このうち、実施例Aは本発明の請求項1のみを満たす例である。
この実施例Aは、鋳型の横断面がφ260mmの円形状で、かつ適正な結晶化温度(TL−TC)のモールドフラックスと組み合わせて鋳造したので、適正な鋳造速度を安定して保つことができ、鋳片圧下時の温度条件が安定した。
実施例Cは、実施例Aに加えて、横断面円形の鋳型での鋳造に適した請求項5を満たすモールドフラックスを用いたので、より高速の鋳造が可能となり、生産性を高めることができた。
この実施例Dは、実施例Cに加えてさらに請求項6を満たす結晶化の安定性に優れたモールドフラックスを用いたことから、実施例Cよりもさらに高い鋳造速度を安定に保つことができ、実施例Cに比べてさらに生産性が高く、第2の圧下も容易となった例である。
この実施例Eは、実施例Cに対してさらに請求項3および4を満たす例であり、Vロールによる第2の圧下を、実施例Cと異なり鋳片切断後として第2の圧下前に鋳片を加熱する工程を設けたものである。
実施例Fは、実施例Eに対してさらに請求項2を満たす第3の圧下を追加した例である。実施例Fにおける第3の圧下はHロールによる圧下であり、鋳片加熱直後の第2のVロールによる圧下と合わせて行うことによって、第1の圧下後の鋳片表面温度や第1の圧下の圧下量が変動した場合にも真円に近い鋳片を容易に得ることができた。
実施例Gは、鋳型断面が実施例Fよりも大きな場合の例であり、鋳型断面が大きいことに対応して、第1の圧下時に鋳片の中心部まで完全に凝固するように鋳造速度を下げている。
実施例Hは、実施例Gと同じ横断面円形状の鋳型を用いて、実施例Gよりも液相線温度TLが低い高合金鋼(表1に示す鋼種Y)を鋳造した例である。このような高合金鋼は、一般に凝固シェルの強度が高いことに起因して鋳型内における鋳片の変形が大きく、均一に凝固させることが難しい。しかしながら、実施例Hでは、請求項1、5および6の規定を満たすモールドフラックスを使用することによって、安定した鋳造が可能となり、鋳造速度を一定に保ち鋳片圧下条件を安定させることができた。
比較例Iは、本発明に規定する鋳片の圧下を行わない例であり、鋳片中心部に大きな引け巣欠陥が発生した。
Claims (6)
- Crを5mass%以上含有する合金鋼を連続鋳造する方法であって、
横断面が円形、或いは円形に近い楕円形又は長円形の鋳型を用い、
この鋳型に供給する前記合金鋼の液相線温度TLに対して50℃〜300℃低い結晶化温度TCのモールドフラックスを使用し、
2次冷却比水量を0.1〜1.2リットル/kg−steelとする条件で鋳片表面を冷却しつつ、0.5m/min以上の速度で鋳造した鋳片が中心部まで凝固した後に、
連続鋳造機内のロールを用いて前記鋳片を圧下して扁平な鋳片を得る第1の圧下を行い、その後、扁平な鋳片を横断面を円形に矯正する第2の圧下を行うまでの間は鋳片表面を冷却する2次冷却を行わないことを特徴とする合金鋼の連続鋳造方法。 - 前記第2の圧下の後にさらに鋳片の横断面を真円に近づけるための第3の圧下を行い、第2の圧下から第3の圧下までの間は鋳片表面を冷却する2次冷却を行わないことを特徴とする請求項1に記載の合金鋼の連続鋳造方法。
- 第2の圧下もしくは第3の圧下の前に鋳片表面を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の合金鋼の連続鋳造方法。
- 横断面が円形、或いは円形に近い楕円形又は長円形の鋳型を2つ以上有する複数ストランドの連続鋳造機を用いた高合金鋼の連続鋳造に際し、
鋳片表面を加熱する装置を1つとし、第1の圧下は鋳片切断前に、鋳片表面の加熱および加熱後の第2もしくは第3の圧下は鋳片切断後に行うことを特徴とする請求項3に記載の合金鋼の連続鋳造方法。 - 前記モールドフラックスの組成は、
CaO/SiO2が0.9〜1.7、(MgO+Al2O3)が7〜28mass%、(K2O+Na2O+Li2O)で表される濃度和が8mass%未満、F濃度が7mass%未満であり、
主な結晶としてメリライトを晶出もしくは析出し、
結晶化温度TCが1150℃〜1350℃、
1300℃における粘度が0.2〜1.2Pa・sであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の合金鋼の連続鋳造方法。 - 前記モールドフラックスは、TiO2を5〜15mass%含有し、
溶融したモールドフラックスが冷却されながら結晶化する際に、初めに晶出もしくは析出したペロブスカイトを核にしてメリライトが晶出もしくは析出するものであることを特徴とする請求項5に記載の合金鋼の連続鋳造方法。
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