JP5310871B2 - 車両用のシフト制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪の回転を拘束するロック位置と非ロック位置とに切替位置がアクチュエータの駆動により選択的に切り替えられるパーキングロック装置を備えた車両において、特に、上記切替位置を切り替える為の要求信号に基づいて車両のシフトポジションを電気的に切り替えるシフトバイワイヤ技術に関するものである。
車輪と共に回転する回転歯をその回転歯にロック歯が噛み合うロック状態とそのロック状態が解除される非ロック状態とに切り替えるパーキングロック装置を備え、要求信号に基づいてパーキングロック装置が備えるアクチュエータを作動させて上記ロック状態と非ロック状態とを切り替えることにより車両の走行に関わるシフトポジションを電気的に切り替える所謂シフトバイワイヤ(SBW)方式を採用した車両用のシフト制御装置が良く知られている。例えば、運転者により操作されたシフト操作装置における操作位置すなわちシフトポジションが駐車ポジション(パーキングポジション、Pポジション)であれば駆動輪の回転を機械的に阻止するパーキングロック装置に制御信号を出力してそのパーキングロック装置のアクチュエータを作動させ駆動輪の回転を阻止するパーキングロックを行う。そのような車両用のシフト制御装置が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1のシフト制御装置により作動させられる前記パーキングロック装置は、前記アクチュエータとエンコーダとを備えており、前記ロック状態となるP位置(パーキング位置、ロック位置)と前記非ロック状態となる非P位置(非パーキング位置、非ロック位置)との間でアクチュエータの作動により回動して往復する。そして、パーキングロック装置のP位置と非P位置とにはそれぞれの側がストロークエンドとなるように構造上の壁が設けられている。
上記エンコーダは、アクチュエータの絶対位置を検出するものではなくそのアクチュエータの回動に連れてパルスを出力する回転角度センサである。従って、前記シフト制御装置は、イグニッションオフになるなどして装置電源が遮断されると前記アクチュエータの絶対位置の情報を失うので、再度電源投入された場合には、その電源投入当初のパーキングロック装置の初期切替位置が前記P位置であるのか又は前記非P位置であるのかを認識する必要がある。
そこで、特許文献1のシフト制御装置は、P位置または非P位置である切替位置の情報(切替位置情報)が電源遮断された場合に残るように、例えば電源遮断直前における上記切替位置を、記憶が保持される不揮発性記憶装置に記憶させる。そして、上記シフト制御装置は、再度電源投入され且つ運転者によって車両電源スイッチ(イグニッションスイッチ)がオンにされる等の車両を走行可能とするための走行可能化操作がなされた場合には、上記不揮発性記憶装置に記憶されている切替位置情報を読み込み、前回の電源遮断直前に上記切替位置がP位置であったとすれば、P位置側のストロークエンドまで前記アクチュエータを回動させてP位置側のストロークエンド(P壁)の位置を認識するP壁位置検出制御を実行する。一方、前回の電源遮断直前に上記切替位置が非P位置であったとすれば、非P位置側のストロークエンドまで前記アクチュエータを回動させて非P位置側のストロークエンド(非P壁)の位置を認識する非P壁位置検出制御を実行する。
上記したように、基本的には前記不揮発性記憶装置にはP位置または非P位置と記憶されているが、その切替位置情報がP位置、非P位置の何れでもなく不明(不定)となっている場合がある。例えば、シフト制御装置が前回の電源遮断時に異常終了した場合には、上記切替位置情報が不明として前記不揮発性記憶装置に記憶されることがある。そのように上記切替位置情報が不明である場合には、前記シフト制御装置とは別の車両制御装置が車速に基づいて切替位置情報を定め、シフト制御装置は、その車両制御装置から上記車速に基づいて定められた切替位置情報を受け取り、その切替位置情報に基づいて前記P壁位置検出制御または前記非P壁位置検出制御を実行する。従って、前記不揮発性記憶装置に記憶されていた切替位置情報が不明である場合には、その切替位置情報がP位置または非P位置である場合と比較して、車両制御装置が車速に基づいて切替位置情報を定めてそれをシフト制御装置が受け取る等のより多くの工程を経る必要があるので、前記走行可能化操作時からP壁位置検出制御または非P壁位置検出制御が完了するまでに要する時間がより長くなる。このようにして、上記シフト制御装置は、前記初期切替位置がP位置であるのか又は非P位置であるのかを認識する。
特開2004−308752号公報
上述したように、P壁位置検出制御または非P壁位置検出制御は、前記走行可能化操作がなされることが実行の条件であるので、前記特許文献1のシフト制御装置は、電源投入されても上記走行可能化操作がなされなければ上記P壁位置検出制御と非P壁位置検出制御との何れも実行しない。すなわち、シフト制御装置は、電源投入されても前記初期切替位置がP位置であるのか又は非P位置であるのかを認識せずに電源遮断される場合がある。例えば、そのような場合として、車両にイグニッションキーの照合を行うキー照合機能が搭載され、そのキー照合機能の全部又は一部を前記シフト制御装置が担当している場合において、イグニッションキーからの無線信号を車両側が受信したことによりシフト制御装置に電源投入され、その後、運転者がイグニッションスイッチをオンに切り換えることなくそのイグニッションキーを持って車外へ立ち去った場合等が考えられる。このように、シフト制御装置の電源投入されてもP壁位置検出制御または非P壁位置検出制御が実行されずにそれの電源遮断がなされた場合には、その電源遮断の際に、特許文献1のシフト制御装置は、P位置と非P位置との何れとも認識しておらず、また、前記不揮発性記憶装置に切替位置情報を記憶させる条件が特に定められているわけではないので、電源遮断直前における前記切替位置が不定であるとして切替位置情報を前記不揮発性記憶装置に記憶させることになる。そうなると、前記シフト制御装置は、次回電源投入時には、前記不揮発性記憶装置に記憶されている前記切替位置情報が不定であるということを前提として前記P壁位置検出制御または前記非P壁位置検出制御を実行するので、前回の電源遮断時に正常に終了したにも拘わらず、前記走行可能化操作からP壁位置検出制御または非P壁位置検出制御が完了するまでに要する時間が長くなるという課題があった。すなわち、シフト制御装置は前記パーキングロック装置の初期切替位置が前記P位置であるのか又は前記非P位置であるのかを認識しなければ運転者のシフト操作に従って上記パーキングロック装置をP位置または非P位置に切り替えることができず、イグニッションスイッチがオンであっても車両は走行を開始できないので、前記走行可能化操作時から車両が走行を開始できるようになるまでの所要時間が長くなるという課題があった。なお、このような課題は未公知である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、前記走行可能化操作時から車両が走行を開始できるようになるまでの所要時間が長くなることを抑制できる車両用のシフト制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a)アクチュエータの駆動により、車輪の回転を拘束するロック位置とその車輪の回転を拘束しない非ロック位置とに切替位置が選択的に切り替えられるパーキングロック装置を備えた車両において、その車両を走行可能とするための運転者による走行可能化操作がなされ且つ非起動状態から起動状態に切り替えられた場合に、その起動状態に切り替えられる前から予め切替位置情報記憶装置に記憶されている前記切替位置を示す切替位置情報に基づいて前記アクチュエータを駆動することにより前記起動状態への切替当初の初期切替位置を認識するための切替位置認識制御を実行する車両用のシフト制御装置であって、(b)前記走行可能化操作前に前記非起動状態から前記起動状態に切り替えられ得るものであり、(c)前記切替位置認識制御が実行されたことを条件として前記切替位置情報記憶装置に記憶された切替位置情報の更新を許可することにある。
このようにすれば、前記シフト制御装置が非起動状態から起動状態に切り替えられて、運転者による前記走行可能化操作がなされずに上記シフト制御装置が正常に電源遮断される等して再び非起動状態に切り替えられた場合には、前記切替位置情報記憶装置に記憶された切替位置情報が不定であるとして更新されないので、その切替位置情報が不定に更新されている場合と比較して、次回のシフト制御装置の起動状態への切替時たとえば次回のシフト制御装置の電源投入時において前記走行可能化操作がなされた場合に、その走行可能化操作時から車両が走行を開始できるようになるまでの所要時間が長くなることを抑制できる。その結果として、運転者は待ち時間を感じずに快適に車両走行を開始できる。
ここで、好適には、前記起動状態に切り替えられた場合において、前記切替位置情報記憶装置には、前回の前記シフト制御装置が前記起動状態から前記非起動状態に切り替えられた時の前記切替位置情報が記憶されている。このようにすれば、シフト制御装置が前記起動状態とされて前記初期切替位置を認識する場合に、上記切替位置情報記憶装置から読み込まれる前記切替位置情報が前記パーキングロック装置の実際の初期切替位置と食い違う可能性をより一層低減できる。
また、好適には、車両側と無線通信を行う電子キーのキー照合作動のために前記非起動状態から前記起動状態に切り替えられる。このようにすれば、上記キー照合作動の全部又は一部をシフト制御装置に担当させることができ、シフト制御装置がそのキー照合作動を全く行わない場合と比較して、例えば制御装置数を減らすなどして安価な装置でキー照合作動を実施できる。
また、好適には、前記車両は、例えば動力源から駆動輪までの動力伝達経路に車両用動力伝達装置を備えている。この動力源としては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が好適に用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジンと組み合わせて採用することもできる。つまり、前記車両は、例えばエンジンのみを動力源とするエンジン駆動車両や、電動機のみを動力源とする電気自動車、エンジンおよび電動機の両方を動力源とするハイブリッド車両、エンジンや電動機以外の原動機を動力源として備えている車両、或いは3つ以上の原動機を備えている車両などにより構成される。
また、好適には、前記車両用動力伝達装置は、例えば変速機単体、トルクコンバータ及び複数の変速比を有する変速機、或いはこの変速機等に加え減速機構部やディファレンシャル機構部により構成される。この変速機は、例えば前記電気自動車において前記電動機が連結される遊星歯車装置等の減速機、複数組の遊星歯車装置の回転要素が係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式自動変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが、油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって変速段が自動的に切換られることが可能な同期噛合型平行2軸式自動変速機、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、エンジンからの動力を第1電動機および出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪側へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更される電気式無段変速機として機能する自動変速機、或いはエンジン軸や出力軸などに動力伝達可能に電動機が備えられる所謂パラレル式のハイブリッド車両に搭載される自動変速機などにより構成される。
また、好適には、前記パーキングロック装置は、前記ロック位置では前記車輪と共に回転する回転歯にロック歯を噛み合わせることによりロック状態となり、前記非ロック位置ではそのロック状態が解除された非ロック状態となる。そして、上記回転歯は、例えば上記車輪に連結された前記変速機の出力回転部材に固定されるが、その車輪に対して直結範囲の他の回転部材に固定することもできる。
本発明が適用される車両を構成するエンジンから駆動輪までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、パーキングロック装置などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図1の車両が備える変速機において複数種類のシフトポジションを人為的操作により切り換える切換装置(操作装置)としてのシフト操作装置の一例を示す図である。 図1の車両において、駆動輪の回転を機械的に阻止するパーキングロック装置の構成を説明する図である。 図3のパーキングロック装置が備えるディテントプレートの構成を説明する図である。 図3のパーキングロック装置において、そのパーキングロック装置が備えるPロック駆動モータの回転量すなわちエンコーダカウントとシフトポジションとの対応関係を説明する図である。 図1の車両の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態とされて、P−ECUが非起動状態から起動状態へ切り替えられた際のパーキングロック装置における一連の初期制御を説明する状態遷移図である。 図1のP−ECUが実行するP壁位置検出制御において、P壁位置を検出する制御方法を説明するための図である。 図1のP−ECUが実行する非P壁位置検出制御において、非P壁位置を検出する制御方法を説明するための図である。 図3のパーキングロック装置において、そのパーキングロック装置が備えるアクチュエータ(Pロック駆動モータ)に印加する通電指令パルスの波形を説明する図である。 図1のシフト制御装置(P−ECU)に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図10のP−ECUの制御作動の要部、すなわち、切替位置情報記憶装置に記憶されたパーキングロック装置の切替位置情報を更新するための制御作動を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10を構成するエンジン12から駆動輪14までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、パーキングロック装置16などを制御するために車両10に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図1において、車両10は、パーキングロック装置16、変速機18、シフト操作装置30などを備え、車両10の走行に関わるシフトポジションすなわち変速機18のシフトポジション(シフトレンジ)を電気的に切り替えるシフトバイワイヤ(SBW)方式を採用している。また、変速機18は、例えば車両10において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、走行用駆動力源としての内燃機関であるエンジン12の動力をカウンタギヤ対20の一方を構成する変速機18の出力回転部材としての出力歯車22から、動力伝達装置としてのカウンタギヤ対20、ファイナルギヤ対24、差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)26、及び一対の車軸(ドライブシャフト(D/S))28等を順次介して一対の駆動輪14へ伝達する。これら変速機18、カウンタギヤ対20、ファイナルギヤ対24、差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)26等によりトランスアクスル(T/A)が構成される。尚、以下においては、駆動力源としてのエンジン12及び電動機Mを備えたハイブリッド車両に本発明が適用された場合の例について説明するが、本発明が適用される車両は通常のエンジン車両、ハイブリッド車両、電動車両などどのような形式の車両であっても構わない。
また、車両10には、パーキングロック装置16の作動状態などを制御する為の車両用のシフト制御装置を含む電子制御装置100が備えられている。電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や電動機Mの駆動制御等のハイブリッド駆動制御、変速機18の変速制御、シフトバイワイヤ方式を用いた変速機18のシフトポジションの切替制御、パーキングロック装置16の作動状態の切替制御などを実行する。
電子制御装置100には、例えばシフトレバー32の操作位置(操作ポジション)PSHを検出する為の位置センサであるシフトセンサ36及びセレクトセンサ38(図2参照)からの操作ポジションPSHに応じたシフトレバー位置信号、ユーザにより操作されて変速機18のシフトポジションをパーキングポジション(Pポジション)以外の非PポジションからPポジションへ切り替える為のPスイッチ34におけるスイッチ操作を表すPスイッチ信号、パーキングロック(Pロック)を作動或いは解除して変速機18のシフトポジションをPポジションと非Pポジションとの間で切り替える為のパーキングロック装置16におけるPロックの作動状態を表すP位置信号、ユーザにより操作されて車両10の電源供給の切替状態を切り替える為の車両電源スイッチ40におけるスイッチ操作を表すパワースイッチ信号、回転速度センサとしての車輪速センサ42からの各車輪(駆動輪14及び従動輪)の回転速度Nを表す車速Vに対応する車輪速パルス信号、常用ブレーキの作動を検出する為の不図示のフットブレーキペダルが操作されたことを示すブレーキスイッチ44からのブレーキオン状態BONを表すブレーキ操作信号、蓄電装置46の充電電流または放電電流ICDを表す信号、蓄電装置46の電圧VBATを表す信号、蓄電装置46の充電状態(充電残量)SOCを表す信号などが、それぞれ供給される。
また、電子制御装置100からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号や変速機18内の電動機Mの駆動制御の為のモータ制御指令信号や変速機18の変速制御の為の変速制御指令信号などのハイブリッド制御指令信号、変速機18のシフトポジションを切り替える為のシフトポジション切換制御指令信号、車両走行に関わる車両情報をユーザに明示する為の表示装置としての公知のコンビネーションメータ56内に設けられたスピードメータ58を作動させて現在の車速Vを表示する為の車速表示制御指令信号、コンビネーションメータ56内に設けられたシフトポジションインジケータ(シフトポジション表示装置)60を作動させて変速機18におけるシフトポジションの切替状態を表示する為のシフトポジション表示制御指令信号、Pロックの作動中(パーキングロック状態、Pロック状態)すなわちシフトポジションがPポジションにあることを点灯により明示する為のロック表示ランプとしてのPポジションインジケータランプ62を作動させてPロック状態を表示する為のパーキングロック表示制御指令信号(Pロック表示制御指令信号)、パーキングロック装置16の切換制御の為のP切替制御指令信号等が、それぞれ出力される。尚、Pポジションインジケータランプ62は、コンビネーションメータ56の作動(点灯/消灯)とは連動せずに作動させられる表示ランプであって、例えばPスイッチ34に設けられている。
具体的には、電子制御装置100は、電源制御及びハイブリッド制御用コンピュータ(以下、「PM−HV−ECU」と表す)104、パーキング制御用コンピュータ(以下、「P−ECU」と表す)106、メータ制御用コンピュータ(以下、「メータECU」と表す)108、キー照合用コンピュータ(以下、「照合ECU」と表す)110、ID−BOX112などを備えている。なお、上記P−ECU106が本発明のシフト制御装置に対応する。
PM−HV−ECU104は、例えばユーザにより操作される車両電源スイッチ40からのパワースイッチ信号に基づいて車両10の電源供給の切替状態を切り替える。ここで、本実施例では、車両10の電源供給の切替状態として、例えば車両走行を不能とする為の電源オフ状態(ALL-OFF状態、IG/ACC-OFF状態)、車両走行不能ではあるがコンビネーションメータ56を消灯したまま車両10の一部の機能のみ稼働可能とする為の電源一部オン状態(ACC-ON状態、IG-OFF状態)、及びコンビネーションメータ56を点灯して車両走行を可能とする為の電源オン状態(IG-ON状態)の何れかに遷移可能である。上記車両10の一部の機能のみ稼働可能とすることは、例えばナビやオーディオ類64を稼働可能とする為の通電であったり、不図示のバッテリ電源取出ソケットへの通電などである。尚、上記IG-ON状態は、例えば車両走行に関わるハイブリッド制御指令信号により車両走行を制御できる状態であって、アクセルオンすれば車両10が発進・走行できる走行可能状態(READY-ON状態)であるが、特に区別しない場合には、ハイブリッド制御指令信号により車両走行を制御する以外の他の機能は制御できる状態(例えば変速機18のシフトポジションを切替制御できる状態等)であって、エンジン12が起動せず且つ電動機Mを駆動できない状態すなわちアクセルオンとしても車両10が発進・走行できない状態も含むものとする。
例えば、PM−HV−ECU104は、Pポジションにあるときに、ブレーキオン状態BONで前記パワースイッチ信号の入力を検知すると、車両10の電源供給の切替状態を何れの状態からもIG-ON状態(READY-ON状態のみ)へ切り替える。また、PM−HV−ECU104は、Pポジションにあるときに、IG-ON状態で車速Vが所定停止車速V’未満であり且つパワースイッチ信号の入力を検知すると、車両10の電源供給の切替状態をALL-OFF状態へ切り替える。また、PM−HV−ECU104は、Pポジションにあるときに、ブレーキオン状態BONでない状態でパワースイッチ信号の入力を検知すると、車両10の電源供給の切替状態をALL-OFF状態→ACC-ON状態→IG-ON状態(READY-ON状態含まず)→ALL-OFF状態→・・・の順でパワースイッチ信号の入力毎に切り替える。また、PM−HV−ECU104は、非Pポジションにあるときに、ACC-ON状態或いはIG-ON状態(READY-ON状態含まず)でブレーキオン状態BONであり且つパワースイッチ信号の入力を検知すると、車両10の電源供給の切替状態をIG-ON状態(READY-ON状態のみ)へ切り替える。また、PM−HV−ECU104は、非Pポジションにあるときに、IG-ON状態で車速Vが所定停止車速V’未満であり且つパワースイッチ信号の入力を検知すると、パーキングロック装置16を作動させてシフトポジションを自動的にPポジションとする為のオートPロック切替要求信号をP−ECU106へ出力すると共に、Pポジションの確定後に車両10の電源供給の切替状態をALL-OFF状態へ切り替える(この一連の作動を「オートP作動」という)。また、PM−HV−ECU104は、非Pポジションにあるときに、ACC-ON状態でブレーキオン状態BONでない状態であり且つパワースイッチ信号の入力を検知すると、車両10の電源供給の切替状態をIG-ON状態(READY-ON状態含まず)へ切り替える。上記所定停止車速V’は、例えば車両停止状態であると判断する為の予め実験的に求められて記憶された車両停止判定車速である。尚、PM−HV−ECU104は、車両走行中においては車両電源スイッチ40の操作をキャンセルする、すなわち車両電源スイッチ40からのパワースイッチ信号を無効とする。
また、PM−HV−ECU104は、例えば変速機18の作動を統括的に制御する。例えば、PM−HV−ECU104は、車両10の電源供給の切替状態をIG-ON状態(READY-ON状態のみ)へ切り替えると、車両走行を可能とする為のハイブリッドシステムを起動し、車両走行に関わるハイブリッド制御指令をエンジン12、電動機M、及び変速機18へ出力して車両走行を制御する。また、PM−HV−ECU104は、シフトセンサ36及びセレクトセンサ38からの操作ポジションPSHに応じたシフトレバー位置信号に基づいてシフトポジション切換制御指令を変速機18へ出力してシフトポジションを切り替える。この際、変速機18のシフトポジションがPポジションにある場合には、PM−HV−ECU104は、上記シフトレバー位置信号に基づいて変速機18のシフトポジションをPポジションから非Pポジションへ切り替える為のP解除切替要求信号をP−ECU106へ出力する。また、PM−HV−ECU104は、Pスイッチ34からのPスイッチ信号に基づいて変速機18のシフトポジションを非PポジションからPポジションへ切り替える為のPロック切替要求信号をP−ECU106へ出力する。また、PM−HV−ECU104は、シフトポジションの状態を表示する為のシフトポジション表示信号をメータECU108へ出力する。また、PM−HV−ECU104は、P−ECU106からのPポジションであることを示すPロック状態信号に基づいてPロック状態(Pポジション)であることを表示する為のパーキングロック表示制御指令信号(Pロック表示制御指令信号)をPスイッチ34へ出力し、Pスイッチ34内のPポジションインジケータランプ62を点灯してPロック状態にあることを明示する。
ここで、蓄電装置46は、充放電可能な直流電源であり、例えばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。例えば、車両加速走行時やモータ走行時には、蓄電された電力がインバータ48を通して電動機Mへ供給される。また、車両減速走行時の回生制動の際には、電動機Mにより発電された電力がインバータ48を通して蓄電装置46に蓄電される。
P−ECU106は、例えばPM−HV−ECU104からのオートPロック切替要求信号やP切替要求信号(Pロック切替要求信号、P解除切替要求信号)に基づいてシフトポジションをPポジションと非Pポジションとの間で切り替える為に、パーキングロック装置16の駆動を制御してパーキングロックを作動させるか或いは解除させる。また、P−ECU106は、パーキングロック装置16からのパーキングロックの作動状態を表すP位置信号に基づいて変速機18のシフトポジションがPポジションであるか非Pポジションであるかを判断し、その判断した結果をPロック状態信号としてPM−HV−ECU104等へ出力する。
また、P−ECU106は、車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態へ切り替えられた際には、後述するように、パーキングロック装置16における初期駆動制御を実行し、P位置信号や非P位置信号が適切に得られる為のP壁位置及び非P壁位置の検出制御を実行する。また、P−ECU106は、車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態へ切り替えられた際の上記パーキングロック装置16における一連の初期制御を実行する前に、P−ECU106自体のイニシャル処理(初期処理)を実行する。なお、P−ECU106は、車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態またはACC-ON状態である場合には非起動状態とされる一方で、その車両10の電源供給の切替状態がIG-ON状態である場合には起動状態とされる。但し、電子キー114のキー照合作動が実施される場合には車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態またはACC-ON状態であっても起動状態とされる。この点については後述する。P−ECU106の前記非起動状態とは例えばP−ECU106の電源が遮断されている状態であり、P−ECU106の前記起動状態とはP−ECU106の電源が投入されている状態である。
切替位置情報記憶装置116は、パーキングロック装置16の切替位置を示す切替位置情報を記憶している。この切替位置情報はP−ECU106によって記憶され更新される。そして、切替位置情報記憶装置116は、常時電力供給を受けているSRAMなどによって構成されており、P−ECU106が非起動状態となっても上記切替位置情報を保持する。
メータECU108は、現在の車速Vを表示する為の車速表示制御指令信号をコンビネーションメータ56内のスピードメータ58へ出力して、現在の車速Vを表示する。例えば、メータECU108は、車輪速センサ42から出力される車輪速パルス信号に基づいた車速パルス信号の矩形波形をカウント(計数)することによりメータ表示用車速信号Vを決定する。そして、メータECU108は、その決定したメータ表示用車速信号Vに基づいてスピードメータ58を作動させることにより該当するセグメントを点灯させて現在の車速Vを表示する。また、メータECU108は、PM−HV−ECU104から出力されるシフトポジション表示信号に基づいたシフトポジションの状態を表示する為のシフトポジション表示制御指令信号をコンビネーションメータ56内のシフトポジションインジケータ60へ出力し、現在のシフトポジションの状態をシフトポジションインジケータ60に表示する。例えば、該当するシフトポジションインジケータ60上のシフトポジションの表記位置を点灯させる。
照合ECU110は、車両盗難防止等のために、認証コードに関する無線通信を車両側と行うイグニッションキーである電子キー114のキー照合作動を、P−ECU106と共に実施する。具体的に、照合ECU110は、電子キー114との間で無線通信によりID照合を行う。例えば、電子キー114が、車内全体及び車外のドアやトランク周り等である電子キー114の検出可能範囲内で検出されると、照合ECU110は、電子キー114の認証コードをID−BOX112との間で照合する第1コード照合を行う。それと共に、P−ECU106は、ID−BOX112との間で通信をして、ID−BOX112が車両10に本来的に搭載されている正規のものか否かを判断する第2コード照合を行う。この第1コード照合および第2コード照合が前記キー照合作動に該当する。そして、その第1コード照合および第2コード照合で合格することを条件として、例えば、その後の車両電源スイッチ40の操作が有効となる。従って、P−ECU106、照合ECU110、及びID−BOX112は、上記検出可能範囲内で電子キー114が検出された場合には、車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態またはACC-ON状態であっても起動状態とされる。すなわち、P−ECU106、照合ECU110、及びID−BOX112は、前記キー照合作動のために非起動状態から起動状態に切り替えられる装置であるので、車両10を前記走行可能状態(READY-ON状態)とするための運転者(ユーザ)による車両電源スイッチ40を押す等の走行可能化操作の前にも非起動状態から起動状態に切り替えられ得るものである。
図2は、変速機18において複数種類のシフトポジションを人為的操作により切り換える切換装置(操作装置)としてのシフト操作装置30の一例を示す図である。このシフト操作装置30は、例えば運転席の近傍に配設され、複数の操作ポジションPSHへ操作されるモーメンタリ式の操作子すなわち操作力を解くと元位置(初期位置)へ自動的に復帰する自動復帰式の操作子としてのシフトレバー32を備えている。また、本実施例のシフト操作装置30は、変速機18のシフトポジションをパーキングポジション(Pポジション)としてパーキングロックする為のモーメンタリ式の操作子としてのPスイッチ34をシフトレバー32の近傍に別スイッチとして備えている。
シフトレバー32は、図2に示すように車両の前後方向または上下方向すなわち縦方向に配列された3つの操作ポジションPSHであるR操作ポジション(R操作位置)、N操作ポジション(N操作位置)、D操作ポジション(D操作位置)と、それに平行に配列されたM操作ポジション(M操作位置)、B操作ポジション(B操作位置)とへそれぞれ操作されるようになっており、操作ポジションPSHに応じたシフトレバー位置信号をPM−HV−ECU104へ出力する。また、シフトレバー32は、R操作ポジションとN操作ポジションとD操作ポジションとの相互間で縦方向に操作可能とされ、M操作ポジションとB操作ポジションとの相互間で縦方向に操作可能とされ、更に、N操作ポジションとB操作ポジションとの相互間で上記縦方向に直交する車両の横方向に操作可能とされている。
Pスイッチ34は、例えばモーメンタリ式の押しボタンスイッチであって、ユーザにより押込み操作される毎にPスイッチ信号をPM−HV−ECU104へ出力する。例えば変速機18のシフトポジションが非PポジションにあるときにPスイッチ34が押されると、車速VがPロック許可車速Vp以下であるなどの所定の条件が満たされていれば、PM−HV−ECU104からのPロック切替要求信号に基づいてP−ECU106によりシフトポジションがPポジションとされる。このPポジションは、変速機18内の動力伝達経路が遮断され、且つ、パーキングロック装置16により駆動輪14の回転を機械的に阻止するパーキングロックが実行される駐車ポジションである。また、このPスイッチ34にはPポジションインジケータランプ62が内蔵されており、P−ECU106からのPロック状態信号がPポジションであることを示すものであれば、PM−HV−ECU104によりPポジションインジケータランプ62が点灯される。
シフト操作装置30のM操作ポジションはシフトレバー32の初期位置(ホームポジション)であり、M操作ポジション以外の操作ポジションPSH(R,N,D,B操作ポジション)へシフト操作されていたとしても、運転者がシフトレバー32を解放すればすなわちシフトレバー32に作用する外力が無くなれば、バネなどの機械的機構によりシフトレバー32はM操作ポジションへ戻るようになっている。シフト操作装置30が各操作ポジションPSHへシフト操作された際には、PM−HV−ECU104により操作ポジションPSHに対応したシフトレバー位置信号に基づいてそのシフト操作後の操作ポジションPSHに対応したシフトポジションに切り替えられると共に、現在の操作ポジションPSHすなわち変速機18のシフトポジションの状態がシフトポジションインジケータ60に表示される。
各シフトポジションについて説明すると、シフトレバー32がR操作ポジションへシフト操作されることにより選択されるRポジションは、車両を後進させる駆動力が駆動輪14に伝達される後進走行ポジションである。また、シフトレバー32がN操作ポジションへシフト操作されることにより選択されるニュートラルポジション(Nポジション)は、変速機18内の動力伝達経路が遮断されるニュートラル状態とするための中立ポジションである。また、シフトレバー32がD操作ポジションへシフト操作されることにより選択されるDポジションは、車両を前進させる駆動力が駆動輪14に伝達される前進走行ポジションである。例えば、PM−HV−ECU104は、シフトポジションがPポジションであるときに、シフトレバー位置信号に基づいて車両の移動防止(パーキングロック)を解除する所定の操作ポジションPSH(具体的には、R操作ポジション、N操作ポジション、又はD操作ポジション)へシフト操作されたと判断した場合には、ブレーキオン状態BONであるなどの所定の条件が満たされていれば、パーキングロックを解除させるP解除切替要求信号をP−ECU106へ出力する。P−ECU106は、PM−HV−ECU104からのP解除切替要求信号に基づいてパーキングロック装置16に対してパーキングロックを解除するP切換制御指令信号を出力してパーキングロックを解除させる。そして、PM−HV−ECU104は、そのシフト操作後の操作ポジションPSHに対応したシフトポジションへ切り換える。
また、シフトレバー32がB操作ポジションへシフト操作されることにより選択されるBポジションは、Dポジションにおいて例えば電動機Mに回生トルクを発生させる回生制動などによりエンジンブレーキ効果を発揮させ駆動輪14の回転を減速させる減速前進走行ポジション(エンジンブレーキレンジ)である。従って、PM−HV−ECU104は、現在のシフトポジションがDポジション以外のシフトポジションであるときにシフトレバー32がB操作ポジションへシフト操作されてもそのシフト操作を無効とし、DポジションであるときのみB操作ポジションへのシフト操作を有効とする。例えば、Pポジションであるときに運転者がB操作ポジションへシフト操作したとしてもシフトポジションはPポジションのまま継続される。
本実施例のシフト操作装置30では、シフトレバー32に作用する外力が無くなればM操作ポジションへ戻されるので、シフトレバー32の操作ポジションPSHを視認しただけでは選択中のシフトポジションを認識することは出来ない。そのため、運転者の見易い位置にシフトポジションインジケータ60が設けられており、選択中のシフトポジションがPポジションである場合も含めてシフトポジションインジケータ60に表示されるようになっている。
本実施例では所謂シフトバイワイヤ(SBW)方式を採用しており、シフト操作装置30は上記縦方向である第1方向P1とその方向P1と交差する(図2では直交する)横方向である第2方向P2とに2次元的にシフト操作されるので、その操作ポジションPSHを位置センサの検出信号として電子制御装置100に出力するために、上記第1方向P1のシフト操作を検出する第1方向検出部としてのシフトセンサ36と上記第2方向P2のシフト操作を検出する第2方向検出部としてのセレクトセンサ38とを備えている。シフトセンサ36とセレクトセンサ38との何れも操作ポジションPSHに応じた検出信号(シフトレバー位置信号)としての電圧を電子制御装置100に対し出力し、その検出信号電圧に基づき電子制御装置100は操作ポジションPSHを認識(判定)する。すなわち、上記第1方向検出部(シフトセンサ36)と第2方向検出部(セレクトセンサ38)とが全体として、シフト操作装置30の操作ポジションPSHを検出する操作ポジション検出部を構成していると言える。
操作ポジションPSHの認識について一例を示せば、シフトセンサ36の検出信号電圧VSFは、R操作ポジションを示す第1方向第1位置P1_1、M操作ポジションもしくはN操作ポジションを示す第1方向第2位置P1_2、及びB操作ポジションもしくはD操作ポジションを示す第1方向第3位置P1_3の各位置に対応する電圧レベル(例えばlow範囲、mid範囲、high範囲内の各電圧)になる。また、セレクトセンサ38の検出信号電圧VSLは、M操作ポジションもしくはB操作ポジションを示す第2方向第1位置P2_1、及びR操作ポジション、N操作ポジション、もしくはD操作ポジションを示す第2方向第2位置P2_2の各位置に対応する電圧レベル(例えばlow範囲、high範囲内の各電圧)になる。PM−HV−ECU104は、このように変化する上記検出信号電圧VSF,VSLを検出することにより、各電圧レベルの組み合わせによって操作ポジションPSH(R、N、D、M、B操作ポジション)を認識する。
図3は、駆動輪14の回転を機械的に阻止するパーキングロック装置16の構成を説明する図である。図3において、パーキングロック装置16は、Pロック機構(パーキングロック機構)66、電動のアクチュエータであるPロック駆動モータ(パーキングロック駆動モータ)68、及びエンコーダ70などを備え、電子制御装置100からの制御信号に基づき車両10の移動を防止するために作動する。
Pロック駆動モータ68は、本発明のアクチュエータに対応しており、例えばスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)により構成され、P−ECU106からの指令(制御信号)を受けてシフトバイワイヤシステムによってPロック機構66を駆動する。エンコーダ70は、例えばA相、B相及びZ相の信号を出力するロータリエンコーダであって、Pロック駆動モータ68と一体的に回転し、SRモータの回転状況を検知してその回転状況を表す信号すなわちPロック駆動モータ68の移動量(回転量)に応じた計数値(エンコーダカウント)を取得するためのパルス信号をP−ECU106へ供給する。P−ECU106は、エンコーダ70から供給される信号を取得してSRモータの回転状況を把握し、SRモータを駆動するための通電の制御を行う。
Pロック機構66は、Pロック駆動モータ68により回転駆動されるシャフト72、シャフト72の回転に伴って回転するディテントプレート74、ディテントプレート74の回転に伴って動作するロッド76、駆動輪14と連動して回転するパーキングギヤ78、パーキングギヤ78を回転阻止(ロック)するためのパーキングロックポール80、ディテントプレート74の回転を制限してシフトポジションを固定するディテントスプリング82、及びころ84を備えている。パーキングギヤ78は、それがロック状態とされれば駆動輪14もロック状態とされる関係にあれば設けられる場所に制限は無いが、例えば変速機18の出力歯車22に同心上に固定されている(図1参照)。
ディテントプレート74は、シャフト72を介してPロック駆動モータ68の駆動軸に作動的に連結されており、ロッド76、ディテントスプリング82、ころ84などと共にPロック駆動モータ68により駆動されてPポジションに対応するパーキングロックポジションとPポジション以外の各シフトポジション(非Pポジション)に対応する非パーキングロックポジションとを切り替えるためのパーキングロック位置決め部材として機能する。シャフト72、ディテントプレート74、ロッド76、ディテントスプリング82、及びころ84は、パーキングロック切替機構の役割を果たす。
図3は、非パーキングロックポジションすなわちシフトポジションが非Pポジションであるときの状態を示している。この状態では、パーキングロックポール80がパーキングギヤ78をロック状態としていないので、駆動輪14の回転はPロック機構66によっては妨げられない。この状態から、Pロック駆動モータ68によりシャフト72を図3に示す矢印Cの方向に回転させると、ディテントプレート74を介してロッド76が図3に示す矢印Aの方向に押され、ロッド76の先端に設けられたテーパー部材86によりパーキングロックポール80が図3に示す矢印Bの方向に押し上げられる。ディテントプレート74の回転に伴って、ディテントプレート74の頂部に設けられた2つの谷のうち一方、すなわち非パーキングロックポジション90(以下、非P位置90(図4参照))にあったディテントスプリング82のころ84は、山88を乗り越えて他方の谷、すなわちパーキングロックポジション92(以下、P位置92(図4参照))へ移る。ころ84は、その軸心を中心として回転可能にディテントスプリング82に設けられている。ころ84がP位置92に来るまでディテントプレート74が回転したとき、パーキングロックポール80は、パーキングギヤ78と噛み合う位置まで押し上げられる。これにより、パーキングギヤ78と連動して回転する駆動輪14の回転が機械的に阻止され、シフトポジションがPポジションに切り替わる。パーキングロック装置16では、Pポジションと非Pポジションとの間のシフトポジション切替時にディテントプレート74、ディテントスプリング82、シャフト72などのPロック機構66にかかる負荷を低減する為に、例えばP−ECU106はディテントスプリング82のころ84が山88を乗り越えて落ちるときの衝撃が少なくなるようにPロック駆動モータ68の回転量を制御する。なお、パーキングロック装置16では、ころ84がP位置92にある切替位置が駆動輪(車輪)14の回転を拘束するロック位置(P位置)であり、ころ84が非P位置90にある切替位置が駆動輪(車輪)14の回転を拘束しない非ロック位置(非P位置)であると言うことができる。
このように、パーキングロック装置16は、P−ECU106からの指令に基づくPロック駆動モータ68の駆動により、そのパーキングロック装置16の切替位置が前記ロック位置と前記非ロック位置とに選択的に切り替えられる。言い換えれば、パーキングロック装置16は、運転者の操作に基づいて、車輪(駆動輪14)と共に回転する回転歯としてのパーキングギヤ78をパーキングギヤ78にロック歯としてのパーキングロックポール80が噛み合うロック状態(Pロック状態)とそのロック状態が解除される非ロック状態(非Pロック状態)とに切り替える。
図4は、ディテントプレート74の構成を説明する図である。それぞれの谷において、山88から離れた側に位置する面を壁と言う。すなわち壁は、P−ECU106による以下に示す制御を行わない状態で、ディテントスプリング82のころ84が山88を乗り越えて谷に落ちるときに、ころ84とぶつかる位置に存在する。P位置92における壁を「P壁」と呼び、非P位置90における壁を「非P壁」と呼ぶ。ころ84がP位置92から非P位置90に移動する場合、P−ECU106は、非P壁94がころ84に衝突しないようにPロック駆動モータ68を制御する。具体的には、P−ECU106は、非P壁94がころ84に衝突する手前の位置でPロック駆動モータ68の回転を停止する。この位置を「非P目標回転位置」と言う。また、ころ84が非P位置90からP位置92に移動する場合、P−ECU106は、P壁96がころ84に衝突しないようにPロック駆動モータ68を制御する。具体的には、P−ECU106は、P壁96がころ84に衝突する手前の位置でPロック駆動モータ68の回転を停止する。この位置を「P目標回転位置」と言う。P−ECU106によるPロック駆動モータ68の制御により、シフトポジション切替時においてディテントプレート74、ディテントスプリング82、シャフト72などのPロック機構66にかかる負荷を大幅に低減することができる。負荷を低減することにより、Pロック機構66の軽量化、低コスト化を図ることもできる。
図5は、Pロック駆動モータ68の回転量すなわちエンコーダカウントとシフトポジションとの対応関係を説明する図である。Pロック駆動モータ68はディテントプレート74を回転駆動し、そのPロック駆動モータ68の回転量は非P壁94及びP壁96により規制される。図5に、Pロック駆動モータ68の回転制御を行う上でのP壁96の位置(P壁位置)及び非P壁94の位置(非P壁位置)を概念的に示した。このP壁位置から非P壁位置までをPロック駆動モータ68の可動回転量と言う。また、図5に示したP判定位置および非P判定位置は、いずれもシフトポジションの切替えが判定されるディテントプレート74の所定位置である。すなわち、P判定位置からP壁位置までがPポジション範囲であり、非P判定位置から非P壁位置までが非Pポジション範囲である。エンコーダ70で検出したPロック駆動モータ68の回転量がPポジション範囲にあるときには、シフトポジションがPポジションであることが判定される一方で、Pロック駆動モータ68の回転量が非Pポジション範囲にあるときには、シフトポジションが非Pポジションであることが判定される。尚、Pロック駆動モータ68の回転量がP判定位置から非P判定位置の間にあるときには、シフトポジションが不定、またはシフトポジションが切替中であることが判定される。以上の判定は、P−ECU106により実行される。
また、図5に示すように、Pポジション範囲内にP目標回転位置が設定され、非Pポジション範囲内に非P目標回転位置が設定される。P目標回転位置は、非PポジションからPポジションへの切替時に、P壁96がディテントスプリング82のころ84に衝突しない位置であり、P壁位置から所定のマージンをもって定められる。この所定のマージンは、経時変化などによるガタを考慮して余裕をもって設定される。これにより、ある程度の使用回数であれば、経時変化を吸収することができ、非PポジションからPポジションへのシフトポジション切替時におけるP壁96ところ84との衝突を回避できる。同様に、非P目標回転位置は、Pポジションから非Pポジションへの切替時に、非P壁94がディテントスプリング82のころ84に衝突しない位置であり、非P壁位置から所定のマージンをもって定められる。この所定のマージンは、経時変化などによるガタを考慮して余裕をもって設定され、ある程度の使用回数であれば、経時変化を吸収することができ、Pポジションから非Pポジションへのシフトポジション切替時における非P壁94ところ84との衝突を回避することができる。尚、非P壁位置からのマージンとP壁位置からのマージンとは同一である必要はなく、ディテントプレート74の形状などに依存して異なってもよい。
このように構成されたパーキングロック装置16において、P−ECU106はエンコーダ70により出力されたパルス信号に基づいてPロック駆動モータ68の回転量に応じたエンコーダカウントを取得する。また、P−ECU106は、例えば車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態ではエンコーダカウントを零に設定し、ALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態へ切り替えられたときには、その後のエンコーダ70からの信号出力に基づいて順次エンコーダカウントを更新する。尚、本実施例では、P壁位置方向への回転(図3の矢印C方向への回転)によるエンコーダカウントを負として設定する。また、P−ECU106は、取得したエンコーダカウントを予め設定された目標エンコーダカウント(目標カウント値、目標計数値)に一致させるようにPロック駆動モータ68を制御する。この目標カウント値は、例えばPロック駆動モータ68をP目標回転位置や非P目標回転位置に停止させる為の予め実験的に求められて設定された目標値である。
以上、Pロック駆動モータ68の回転量とシフトポジションとの対応関係を説明した。ところで、エンコーダ70は相対位置センサでありP−ECU106は前記非起動状態ではPロック駆動モータ68の絶対位置たとえば前記P壁位置および前記非P壁位置の情報を喪失するので、P−ECU106が非起動状態から起動状態へ切り替えられた際にはPロック駆動モータ68の絶対位置を把握する必要がある。以下に、相対的な位置情報を検出するエンコーダ70を用いて、Pロック駆動モータ68の位置制御を行う方法を具体的に説明する。
図6は、車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態とされて、P−ECU106が非起動状態から起動状態へ切り替えられた際のパーキングロック装置16における一連の初期制御を説明する状態遷移図である。図6において、PM−HV−ECU104により車両10の電源供給の切替状態がALL-OFF状態やACC-ON状態からIG-ON状態に切り替えられると[状態A]、P−ECU106は非起動状態から起動状態へ切り替えられ、Pロック駆動モータ68のリレーが繋がるのを待つ期間として初期待機を行う[状態B]。この状態Bでは、例えばP−ECU106はP−ECU106自体のイニシャル処理を行う。続いて、P−ECU106は、Pロック駆動モータ68の回転を適切に制御する為に、Pロック駆動モータ68の励磁合わせ(位相合わせ)などのPロック駆動モータ68の初期駆動制御を行う[状態C]。続いて、P−ECU106は、Pロック駆動モータ68の前記P壁位置、または非P壁位置を検出して、基準位置を設定する[状態D]。P−ECU106は、基準位置を設定した後は、例えばユーザによるPスイッチ34の操作またはシフト操作に基づくパーキングロックの作動や解除を実行する通常制御を行う[状態E]。この通常制御では、エンコーダ70からのパルス信号に基づいて、パーキングロック装置16の切替位置をロック位置または非ロック位置に切り替えるが、P−ECU106がエンコーダ70の故障や通信経路の断線などに起因して上記パルス信号を得られない場合も考えられる。そのようにP−ECU106が上記パルス信号を得られない場合には、P−ECU106は、Pロック駆動モータ68の前記通常制御に替えて、Pロック駆動モータ68をロック位置と非ロック位置との間で切り替えるのに十分な時間駆動することにより、前記Pスイッチ34の操作またはシフト操作に基づくパーキングロックの作動や解除を実行するPロック駆動モータ68のフェイル時制御を行う[状態E]。以下に、上記(状態D)におけるP壁位置及び非P壁位置を検出する制御方法を説明する。
図7は、P壁位置を検出する制御方法を説明するための図である。P−ECU106は、P壁位置検出制御では、先ず、Pロック駆動モータ68を駆動させてディテントプレート74を図3に示す矢印Cの方向、すなわちP壁96がディテントスプリング82のころ84に向かう方向に回転させ、ころ84とP壁96とを接触させる。P壁96は、P位置92においてすなわち所定のシフトポジションとしてのPポジションにおいて、Pロック駆動モータ68の所定方向としての図3に示す矢印Cの方向の回転を規制する規制部材として機能する。尚、P壁96は、ディテントスプリング82及びころ84と協同して規制部材を構成してもよい。図7において、矢印F1はPロック駆動モータ68による回転力、矢印F2はディテントスプリング82によるバネ力、矢印F3はロッド76による押し戻し力を示す。点線で示すディテントプレート74’は、P壁96ところ84とが接触した位置を示す。従って、ディテントプレート74’の位置を検出することが、P壁96の位置を検出することに相当する。
ディテントプレート74は、P壁96ところ84との接触後も、点線で示す位置から、Pロック駆動モータ68の回転力F1により図3に示す矢印Cの方向に、ディテントスプリング82のバネ力に抗して回転される。これによりディテントスプリング82に撓みが生じて、バネ力F2が増加し、またロッド76による押し戻し力F3も増加する。回転力F1が、バネ力F2及び押し戻し力F3と釣り合ったところで、ディテントプレート74の回転が停止する。
P−ECU106は、取得したエンコーダカウントに基づいてディテントプレート74の回転停止を判定する。例えば、P−ECU106は、エンコーダカウントの最小値又は最大値が所定時間変化しない場合に、ディテントプレート74及びPロック駆動モータ68の回転停止を判定する。エンコーダカウントの最小値又は最大値の何れを監視するかは、エンコーダ70に応じて設定されればよく、何れにしても最小値又は最大値が所定時間変化しないことは、ディテントプレート74が動かなくなった状態を示す。
P−ECU106は、回転停止時のディテントプレート74の位置を暫定的なP壁位置(以下、「暫定P壁位置」と言う)として検出し、更に、ディテントスプリング82の撓み量又は撓み角を算出する。この撓み量又は撓み角の算出は、例えばP−ECU106に予め記憶されているPロック駆動モータ68への印加電圧に対応する撓み量又は撓み角の関係を示すマップを用いて行われる。P−ECU106は、そのマップから暫定P壁位置検出時のPロック駆動モータ68への印加電圧に対応する撓み量又は撓み角を算出する。尚、Pロック駆動モータ68の印加電圧の代わりに、蓄電装置46の電圧VBATを用いたマップであってもよい。蓄電装置46の電圧VBATは例えばP−ECU106により監視されており、容易に検出することができる。尚、この場合は、蓄電装置46からPロック駆動モータ68までのワイヤーハーネスなどによる電圧降下分を考慮して、マップが作成されることになる。
P−ECU106は、このマップを用いて算出した撓み量又は撓み角から暫定P壁位置をマップ補正し、マップ補正した位置をP壁位置として確定する。このとき、P−ECU106は、確定したP壁位置において、エンコーダカウントをCNTPに設定する。そして、P−ECU106は、エンコーダカウントを零にするように、Pロック駆動モータ68を駆動させてディテントプレート74を図3に示す矢印Dの方向、すなわちP壁96がディテントスプリング82のころ84から離反する方向に回転させ、ディテントプレート74の位置を所定のP位置とする。この所定のP位置は、Pポジション範囲において予め設定された所定位置であって、確定されたP壁位置とのエンコーダカウント差がCNTPとなるように設定されている。また、この所定のP位置をP目標回転位置としても良い。このように、P壁位置を確定することによりP目標回転位置を設定することができる。尚、印加電圧に対応する撓み量又は撓み角の関係を示すマップの代わりに、Pロック駆動モータ68の出力トルクに対応する撓み量又は撓み角の関係を示すマップであってもよいし、マップを用いて算出する代わりに、撓み量又は撓み角を検出するセンサを設け、それにより検出するようにしてもよい。
図8は、非P壁位置を検出する制御方法を説明するための図である。P−ECU106は、非P壁位置検出制御では、先ず、Pロック駆動モータ68を駆動させてディテントプレート74を図3に示す矢印Dの方向、すなわち非P壁94がディテントスプリング82のころ84に向かう方向に回転させ、ころ84と非P壁94とを接触させる。非P壁94は、非P位置90においてすなわち所定のシフトポジションとしての非Pポジションにおいて、Pロック駆動モータ68の所定方向としての図3に示す矢印Dの方向の回転を規制する規制部材として機能する。尚、非P壁94は、ディテントスプリング82及びころ84と協同して規制部材を構成してもよい。図8において、矢印F1はPロック駆動モータ68による回転力、矢印F2はディテントスプリング82によるバネ力、矢印F3はロッド76による引っ張り力を示す。点線で示すディテントプレート74”は、非P壁94ところ84とが接触した位置を示す。従って、ディテントプレート74”の位置を検出することが、非P壁94の位置を検出することに相当する。
ディテントプレート74は、非P壁94ところ84との接触後も、点線で示す位置から、Pロック駆動モータ68の回転力F1により図3に示す矢印Dの方向に、ディテントスプリング82の引っ張り力に抗して回転される。これによりディテントスプリング82に伸びが生じて、バネ力F2が増加し、またロッド76による引っ張り力F3も増加する。回転力F1が、バネ力F2及び引っ張り力F3と釣り合ったところで、ディテントプレート74の回転が停止する。
P−ECU106は、取得したエンコーダカウントに基づいてディテントプレート74の回転停止を判定する。例えば、P−ECU106は、エンコーダカウントの最小値又は最大値が所定時間変化しない場合に、ディテントプレート74及びPロック駆動モータ68の回転停止を判定する。
P−ECU106は、回転停止時のディテントプレート74の位置を暫定的な非P壁位置(以下、「暫定非P壁位置」と言う)として検出し、更に、ディテントスプリング82の伸び量を算出する。この伸び量の算出は、例えばP−ECU106に予め記憶されているPロック駆動モータ68への印加電圧に対応する伸び量の関係を示すマップを用いて行われる。P−ECU106は、そのマップから暫定非P壁位置検出時のPロック駆動モータ68への印加電圧に対応する伸び量を算出する。
P−ECU106は、このマップを用いて算出した伸び量から暫定非P壁位置をマップ補正し、マップ補正した位置を非P壁位置として確定する。このとき、P−ECU106は、確定した非P壁位置において、エンコーダカウントをCNTCPに設定する。そして、P−ECU106は、エンコーダカウントを所定計数値だけ減少させたエンコーダカウントCPとするように、Pロック駆動モータ68を駆動させてディテントプレート74を図3に示す矢印Cの方向、すなわち非P壁94がディテントスプリング82のころ84から離反する方向に回転させ、ディテントプレート74の位置を所定の非P位置とする。この所定の非P位置は、非Pポジション範囲において予め設定された所定位置であって、確定された非P壁位置とのエンコーダカウント差が所定計数値となるように設定されている。また、この所定の非P位置を非P目標回転位置としても良い。このように、非P壁位置を確定することにより非P目標回転位置を設定することができる。尚、印加電圧に対応する伸び量の関係を示すマップの代わりに、Pロック駆動モータ68の出力トルクに対応する伸び量の関係を示すマップであってもよいし、マップを用いて算出する代わりに、伸び量を検出するセンサを設け、それにより検出するようにしてもよい。
このように、車両10の電源供給の切替状態がIG-ON状態とされたP−ECU106の起動状態では、Pロック駆動モータ68の移動(回転)が規制される方向にPロック駆動モータ68を移動するとき、取得されたエンコーダカウントに基づいて所定のシフトポジションに対応したPロック駆動モータ68の壁位置を検出して、基準位置を設定することができる。
図9は、Pロック駆動モータ68に印加する通電指令パルスの波形を説明する図である。シフトポジション切替えの通常制御時は、通電指令パルスとしてハイ期間の長い信号をPロック駆動モータ68に印加する。一方、P−ECU106による壁位置検出制御時には、通電指令パルスとして、Pロック駆動モータ68の単位時間当たりの出力を、シフトポジション切替えの通常制御時におけるPロック駆動モータ68の単位時間当たりの出力よりも小さくする信号をPロック駆動モータ68に印加する。具体的には、Pロック駆動モータ68に印加する通電指令パルスのオン幅を小さくする。壁位置検出制御時のPロック駆動モータ68の回転速度を遅くすることにより、壁(非P壁94、P壁96)ところ84との衝撃を低減できる。尚、例えば図9に示す通電指令パルスがオン且つPロック駆動モータ68におけるUVW三相の通電指令がオンであるときに、UVW三相のそれぞれの相に通電される。
以上のように、車両10の電源供給の切替状態がIG-ON状態へ切り替えられたときにはすなわちP−ECU106の非起動状態から起動状態への切替え時には、P−ECU106自体のイニシャル処理が実行された後、パーキングロック装置16における初期制御が実行されて壁位置が検出される。すなわち、パーキングロック装置16における初期制御として、Pロック駆動モータ68の初期駆動制御が行われ、続いて、Pロック駆動モータ68の前記P壁位置及び非P壁位置が検出されて基準位置が設定される。つまり、検出された前記P壁位置及び非P壁位置に基づくPロック駆動モータ68の実可動回転量(実際の可動回転量)は2つの壁位置の間の範囲であって、一方のシフトポジションにおける壁位置検出制御を行って壁位置を検出した後、他方のシフトポジションにおける壁位置検出制御を行って他方の壁位置を検出することで測定することができる。そして、壁位置を検出することでPロック駆動モータ68の絶対位置が把握できるので、目標回転位置を設定することができる。なお、上記一方のシフトポジションにおける壁位置検出制御の実行後、直ちに、上記他方のシフトポジションにおける壁位置検出制御が実行されてもよいが、図6の状態Aから状態Eにまで遷移する時間の短縮のため、本実施例では、P−ECU106は、上記一方のシフトポジションにおける壁位置検出制御の実行後、図6の状態E(通常制御またはフェイル時制御)に遷移し、P解除切替要求信号またはPロック切替要求信号をPM−HV−ECU104から受けたときに、パーキングロック装置16の切替位置の変更とともに、上記他方のシフトポジションにおける壁位置検出制御を実行する。
図10は、P−ECU106に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図10に示すように、P−ECU106は、前回切替位置読込手段130、壁位置検出制御手段132、切替位置更新実行手段134、及び切替位置更新許可手段136を備えている。
前回切替位置読込手段130は、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられると、上記起動状態に切り替えられる前から切替位置情報記憶装置116に予め記憶されているパーキングロック装置16の切替位置(ロック位置または非ロック位置)を示す切替位置情報を読み込む。例えば、P−ECU106が上記起動状態に切り替えられると直ちにその切替位置情報を読み込む。この読み込まれる切替位置情報には3種類あり、すなわち、パーキングロック装置16がロック位置であることを示す切替位置情報、パーキングロック装置16が非ロック位置であることを示す切替位置情報、またはパーキングロック装置16の切替位置が不定(不明)であることを示す切替位置情報が、切替位置情報記憶装置116に記憶されている。上記切替位置の不定(不明)とは、例えば、Pロック駆動モータ68の回転量がP判定位置から非P判定位置の間にある場合、または、前記P壁位置と非P壁位置との何れも検出されていない場合などである。
壁位置検出制御手段132は、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられ且つPロック駆動モータ68の前記初期駆動制御の完了後すなわち図6の状態D以降において、例えば、車両10を前記走行可能状態(READY-ON状態)とするための運転者(ユーザ)による操作(走行可能化操作)がなされ且つP−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられた場合において、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた前記切替位置情報に基づいて、Pロック駆動モータ68を駆動することにより前記P壁位置検出制御と前記非P壁位置検出制御とを実行する。その読み込まれた切替位置情報に応じてそれらの実行順序が異なる。
前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16のロック位置(P位置)を示す場合について説明する。この場合、壁位置検出制御手段132は、先ず前記P壁位置検出制御を実行し、それにより前記P壁位置を検出して記憶する。次に、図6では状態Dから状態Eへ遷移し、壁位置検出制御手段132は、P−ECU106がPM−HV−ECU104からP解除切替要求信号を受けた場合、例えば、ユーザのシフト操作によりシフトポジションがPポジションからR、N、又はDポジションに切り替えられた場合に、シフトポジションの非Pポジションへの切替えとともに、前記非P壁位置検出制御を実行し、それにより前記非P壁位置を検出して記憶し且つPロック駆動モータ68の実可動回転量を測定し記憶する。但し、Pロック駆動モータ68の実可動回転量が検出済みの場合は、前記非P壁位置検出制御を実行しない。
次に、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16の非ロック位置(非P位置)を示す場合について説明する。この場合は上述したロック位置を示す場合とは逆の実行順序となる。すなわち、この場合、壁位置検出制御手段132は、先ず前記非P壁位置検出制御を実行し、それにより前記非P壁位置を検出して記憶する。次に、図6では状態Dから状態Eへ遷移し、壁位置検出制御手段132は、P−ECU106がPM−HV−ECU104からPロック切替要求信号を受けた場合、例えば、ユーザのシフト操作によりシフトポジションがR、N、又はDポジションからPポジションに切り替えられた場合に、シフトポジションのPポジションへの切替えとともに、前記P壁位置検出制御を実行し、それにより前記P壁位置を検出して記憶し且つPロック駆動モータ68の実可動回転量を測定し記憶する。但し、Pロック駆動モータ68の実可動回転量が検出済みの場合は、前記P壁位置検出制御を実行しない。
次に、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16の切替位置の不定を示す場合について説明する。この場合は、先ず、PM−HV−ECU104が車速Vに基づいて現在のシフトポジションがPポジションであるのか非Pポジションであるのかを定める。例えば、検出された車速Vが、3km/h程度に予め実験的に設定されている所定のPポジション判定車速以下の低車速である場合には現在のシフトポジションがPポジションであると判断する一方で、そのPポジション判定車速よりも高い中高車速である場合には現在のシフトポジションが非Pポジションであると判断する。その後、壁位置検出制御手段132は、PM−HV−ECU104が現在のシフトポジションがPポジションであると判断した場合には、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16のロック位置(P位置)を示す場合と同様に、前記P壁位置検出制御を実行した後に前記非P壁位置検出制御を実行する。その一方で、PM−HV−ECU104が現在のシフトポジションが非Pポジションであると判断した場合には、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16の非ロック位置(非P位置)を示す場合と同様に、前記非P壁位置検出制御を実行した後に前記P壁位置検出制御を実行する。このように、前回切替位置読込手段130によって読み込まれた切替位置情報がパーキングロック装置16の切替位置の不定を示す場合には、その切替位置情報がロック位置または非ロック位置を示す場合と比較して、PM−HV−ECU104による車速Vに基づく現在のシフトポジションについての判断が必要となりPM−HV−ECU104とP−ECU106との間での通信量が増えるので、P壁位置検出制御と非P壁位置検出制御とのうちの最初に実行される方の壁位置検出制御が完了するまでに要する時間が長くなる。
切替位置更新実行手段134は、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられると、前回切替位置読込手段130が切替位置情報記憶装置116から前記切替位置情報を読み込んだ後に、現在のパーキングロック装置16の切替位置を切替位置情報記憶装置116へ書き込む、すなわち、切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報を更新する。切替位置更新実行手段134はこの切替位置情報の更新を、例えばパーキングロック装置16の切替位置が切り替えられる毎に行ってもよいが、本実施例では、P−ECU106が起動状態とされている間、極めて短い所定の周期で逐次行う。このように切替位置更新実行手段134が上記切替位置情報の更新を逐次行うことにより、切替位置情報記憶装置116には、P−ECU106が起動状態から非起動状態に切り替えられる時の前記切替位置情報、詳細には、非起動状態に切り替えられる直前の前記切替位置情報が記憶されることになる。但し、切替位置更新実行手段134は、後述の切替位置更新許可手段136からの更新許可を得たことを条件として、切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報を更新する。なお、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられても前記P壁位置検出制御及び非P壁位置検出制御の何れもが実行されていないときには、切替位置更新実行手段134は、現在のパーキングロック装置16の切替位置が判らないので、その切替位置は不定(不明)であると認識している。そして、前記P壁位置検出制御または非P壁位置検出制御が実行されると現在のパーキングロック装置16の切替位置がロック位置または非ロック位置であると認識できるようになる。
上述のように切替位置更新実行手段134が切替位置情報記憶装置116に対して前記切替位置情報の更新をすることにより、前回切替位置読込手段130が切替位置情報記憶装置116から読み込む前記切替位置情報は、前回のP−ECU106が非起動状態になる直前のパーキングロック装置16の切替位置、すなわち、P−ECU106の前記起動状態への切替当初のパーキングロック装置16の初期切替位置を示すことになる。従って、壁位置検出制御手段132により順次実行される前記P壁位置検出制御と前記非P壁位置検出制御とのうち最初に実行される壁位置検出制御は、それにより上記初期切替位置が壁位置検出制御手段132および切替位置更新実行手段134に認識されるので、要するにP−ECU106に認識されるので、その初期切替位置を認識するための切替位置認識制御であると言える。そして、この切替位置認識制御すなわち最初に実行される壁位置検出制御が実行されないと、P−ECU106は前記初期切替位置を認識できずユーザ操作に従ってパーキングロック装置16の切替位置を切り替えることができないので、厳密に言うと、車両10が前記走行可能状態(READY-ON状態)となるためには、前記切替位置認識制御が実行されることすなわち図6の状態Eに遷移していることが必要である。
切替位置更新許可手段136は、壁位置検出制御手段132により前記切替位置認識制御が実行されたか否かを判断する。言い換えれば、P−ECU106が図6の状態Dから状態Eに遷移したか否かを判断する。そして、切替位置更新許可手段136は、上記切替位置認識制御が実行されたことを条件として、切替位置更新実行手段134に対し切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報の更新を許可する。
図11は、P−ECU106の制御作動の要部、すなわち、切替位置情報記憶装置116に記憶されたパーキングロック装置16の前記切替位置情報を更新するための制御作動を説明するフローチャートである。このフローチャートは、例えば、P−ECU106の非起動状態から起動状態への切替え後において、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
先ず、切替位置更新許可手段136に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1においては、前記切替位置認識制御が実行されたか否か、すなわち、P−ECU106が図6の状態Dから状態Eに遷移してPロック駆動モータ68の制御モードが前記通常制御または前記フェイル時制御となっているか否かが判断される。Pロック駆動モータ68の制御モードが前記通常制御または前記フェイル時制御となっているということは、前記切替位置認識制御が実行されてP−ECU106が図6の状態Eになっており、P−ECU106は現在のパーキングロック装置16の切替位置を不定(不明)ではなくロック位置または非ロック位置であると認識しているということである。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、前記切替位置認識制御が実行された場合には、SA2に移る。一方、このSA1の判断が否定された場合には、本フローチャートが終了する。
切替位置更新実行手段134及び切替位置更新許可手段136に対応するSA2においては、切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報の更新許可がなされる。そして、その更新許可後には、極めて短い所定の周期で上記切替位置情報の更新が逐次行われる。
上述のように、本実施例によれば、切替位置更新許可手段136は、壁位置検出制御手段132により前記切替位置認識制御が実行されたことを条件として切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報の更新を許可する。そして、切替位置更新実行手段134は、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられると、切替位置更新許可手段136から前記切替位置情報の更新許可を得てから、切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報を更新する。従って、車両10のシフト制御装置として機能するP−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられて、車両10を走行可能とするための運転者(ユーザ)による走行可能化操作がなされずにP−ECU106が正常に電源遮断される等して再び非起動状態に切り替えられた場合には、切替位置情報記憶装置116に記憶された切替位置情報が不定であるとして更新されないので、その切替位置情報が不定に更新されている場合と比較して、次回のP−ECU106の起動状態への切替時たとえば次回のP−ECU106の電源投入時において上記走行可能化操作がなされた場合に、その走行可能化操作時から車両10が走行を開始できるようになるまでの所要時間、たとえば、運転者が車両電源スイッチ40を押した時から車両10が前記走行可能状態(READY-ON状態)になるまでの所要時間が長くなることを抑制できる。その結果として、運転者は待ち時間を感じずに快適に車両走行を開始できる。なお、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられて、前記走行可能化操作がなされずにP−ECU106が再び非起動状態に切り替えられる場合としては、例えば、電子キー114を持ったユーザが車両10に搭乗したため、P−ECU106が電子キー114の照合のために非起動状態から起動状態に切り替えられ、その後、そのユーザが前記走行可能化操作を行わずに電子キー114を持って車両10から立ち去った場合や、電子キー114を持ったユーザが車両10に搭乗し前記走行可能化操作を行わずにドア開放時からそのドアを開けたまま予め30秒程度に設定されている所定の制限時間が経過したことにより、P−ECU106が非起動状態に切り替えられる場合などが考えられる。
また、本実施例によれば、切替位置更新実行手段134は、P−ECU106の起動状態において、切替位置情報記憶装置116に記憶された前記切替位置情報の更新を極めて短い所定の周期で逐次行うので、P−ECU106が非起動状態から起動状態に切り替えられた場合において切替位置情報記憶装置116には、前回のP−ECU106が起動状態から非起動状態に切り替えられた時の前記切替位置情報、詳しく言えば、前回の非起動状態への切替直前の前記切替位置情報が記憶されていることになる。従って、P−ECU106が起動状態とされてパーキングロック装置16の前記初期切替位置を認識する場合に、前回切替位置読込手段130によって切替位置情報記憶装置116から読み込まれる前記切替位置情報がパーキングロック装置16の実際の初期切替位置と食い違う可能性をより一層低減できる。その結果として、繰返し何度も行われるP−ECU106の非起動状態から起動状態への切替えの全体を通じてみれば、P−ECU106はより早く図6の状態Dから状態Eへ遷移することができ、車両10をより早く前記走行可能状態(READY-ON状態)にすることができる。なお、切替位置情報記憶装置116に前回のP−ECU106が起動状態から非起動状態に切り替えられた時の前記切替位置情報が記憶されていることは、壁位置検出制御手段132がより早く前記切替位置認識制御を完了することを目的としているので、そのように切替位置情報記憶装置116に記憶されていることは望ましいことであるが必須というわけではない。
また、本実施例によれば、P−ECU106は、車両側と無線通信を行う電子キーのキー照合作動のために前記非起動状態から前記起動状態に切り替えられる。従って、上記キー照合作動の全部又は一部をP−ECU106に担当させることができ、P−ECU106がそのキー照合作動を全く行わない場合と比較して、例えば制御装置数(ECU数)を減らすなどして安価な電子制御装置100でキー照合作動を実施できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、車両10を前記走行可能状態(READY-ON状態)とするための運転者による操作(走行可能化操作)の1つとして、Pポジションにあるときにブレーキオン状態BONで車両電源スイッチ40が押されることが例示されるが、この操作に替えて或いはこの操作と共にこれ以外の操作が上記走行可能化操作に該当しても差し支えない。例えば、ブレーキオン状態BONであることが上記の条件から外れている場合も考え得る。
また、前述の実施例において、P−ECU106が前記走行可能化操作前に非起動状態から起動状態に切り替えられる場合として、電子キー114の前記キー照合作動が実施される場合が例示されているが、それ以外の場合においてP−ECU106が前記走行可能化操作前に非起動状態から起動状態に切り替えられても差し支えない。
また、前述の実施例において、シフトレバー32は2次元的にシフト操作されるものであるが、一軸に沿ってシフト操作されるものであってもよいし、3次元的にシフト操作されるものであってもよい。
また、前述の実施例において、シフトレバー32の位置を検出する位置センサとしてシフトセンサ36とセレクトセンサ38とを備えているが、位置センサの数は2つに限定されるわけではない。
また、前述の実施例のシフトレバー32は、複数種類の操作ポジションPSHにシフト操作されるモーメンタリ式のレバースイッチであったが、それに替えて、例えば押しボタン式のスイッチやスライド式スイッチ等であっても良い。更に言えば、シフト操作装置30は、手動操作ではなく、足によりシフト操作されてもよいし、運転者の音声に反応してシフト操作されてもよい。また、シフトポジションを切り替える為の操作装置は、シフトレバー32及びPスイッチ34を備えたシフト操作装置30であったが、これに限らず、運転者のシフト意思を電気的信号に変換する操作装置であれば良い。例えば、各シフトポジションに対応した「P」、「R」、「N」、「D」等の操作位置(操作ポジション)と、その操作位置へ操作されるシフトレバー(操作体)と、そのシフトレバーが上記各操作位置へ操作されたことを電気的に検出する操作ポジションセンサとを備えているような操作装置であっても良い。このようにしても本発明は適用され得る。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
14:駆動輪(車輪)
16:パーキングロック装置
68:Pロック駆動モータ(アクチュエータ)
106:P−ECU(シフト制御装置)
116:切替位置情報記憶装置

Claims (3)

  1. アクチュエータの駆動により、車輪の回転を拘束するロック位置と該車輪の回転を拘束しない非ロック位置とに切替位置が選択的に切り替えられるパーキングロック装置を備えた車両において、該車両を走行可能とするための運転者による走行可能化操作がなされ且つ非起動状態から起動状態に切り替えられた場合に、該起動状態に切り替えられる前から予め切替位置情報記憶装置に記憶されている前記切替位置を示す切替位置情報に基づいて前記アクチュエータを駆動することにより前記起動状態への切替当初の初期切替位置を認識するための切替位置認識制御を実行する車両用のシフト制御装置であって、
    前記走行可能化操作前に前記非起動状態から前記起動状態に切り替えられ得るものであり、
    前記切替位置認識制御が実行されたことを条件として前記切替位置情報記憶装置に記憶された切替位置情報の更新を許可する
    ことを特徴とする車両用のシフト制御装置。
  2. 前記起動状態に切り替えられた場合において、前記切替位置情報記憶装置には、前回の前記シフト制御装置が前記起動状態から前記非起動状態に切り替えられた時の前記切替位置情報が記憶されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用のシフト制御装置。
  3. 車両側と無線通信を行う電子キーのキー照合作動のために前記非起動状態から前記起動状態に切り替えられる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用のシフト制御装置。
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