JP5310329B2 - レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法 - Google Patents

レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法に関する。
レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂は、レゾルシンとホルムアルデヒドの反応により得られる樹脂であり、加熱による物性の変化や他の化学物質との反応性の観点等から、各種材料の接着剤として使用されている。
しかしながら、上記レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂は未反応レゾルシンを比較的多く含んでいるので、樹脂中に残存する未反応レゾルシンの蒸散に起因して、作業環境が汚染されるという問題があった。
そして、上記の残存レゾルシンを低減するために、次の方法が提案されている(特許文献1を参照)。すなわち、レゾルシンとホルムアルデヒドを水溶媒中で塩化カルシウム及び塩酸触媒の存在下に反応させ(第一工程)、該反応で生成した樹脂を塩化カルシウムにより塩析して水溶媒から析出させ(第二工程)、該析出した樹脂を常温で濾過してウエットケーキを得(第三工程)、該ウエットケーキを39%塩化カルシウム水溶液中において50℃で攪拌(第四工程)後、濾過して得たウエットケーキを減圧下で乾燥し(第五工程)、次いで乾燥ケーキをメチルエチルケトンに溶解させ(第六工程)、析出した塩化カルシウムを除去後(第七工程)、レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂のメチルエチルケトン溶液からメチルエチルケトンを減圧下に留去することによってレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を単離する(第八工程)方法である。
特開2003−277308号公報[段落番号0024を参照]
しかしながら、特許文献1記載の方法は、多数の工程を必要とし、本発明者の追試によると、生成したレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の濾過性が不良であり、該濾過性の不良に起因する残存レゾルシンの生成樹脂中への混入や、生成樹脂の粘性が増大すること等により、レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の生産効率が低いという問題があった。
本発明の目的は、上記接着剤として有用なレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を効率よく生産する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記接着剤として有用であり、且つ新規なレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させると、上記課題が解決できることを見出して本発明を完成するに至った。また、本発明者は、水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させると、上記課題が解決できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させることを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法(但し、上記の有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)を提供するものである。
また、本発明は、以下の3つの工程を含むことを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法(但し、下記の有機溶剤として、炭素数3〜6の脂肪族ケトンを除く)を提供するものである。
(第1工程)
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる工程
(第2工程)
第1工程で得られた反応液を有機相と水相に分液し、得られた有機相を塩類水溶液と混合してレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を塩析する工程
(第3工程)
第2工程で塩析したレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を、濾過して分離する工程
さらに、本発明は、水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させることを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法を提供するものである。
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる(但し、上記の有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)本発明のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法によれば、生成したレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の濾過性が良好であり、生成樹脂中への残存レゾルシンの混入が抑制される。
また、上記3つの工程を含む本発明のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法によれば、上述した発明と同様に生成樹脂中への残存レゾルシンの混入が抑制される。
さらに、水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる本発明のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法によれば、接着剤成分として有用な新規樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる本発明の方法、並びに、水、塩類及び酸性触媒の存在下、有機溶剤の存在下又は不存在下にレゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンとを反応させるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法(但し、有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)において、ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドとホルムアルデヒドプリカーサーが挙げられる。ホルムアルデヒドプリカーサーとしては、例えば、パラホルムアルデヒドやトリオキサン等の環状ホルマール、及びメチラール等の鎖状ホルマール等が挙げられる。ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが好ましい。
上述した2つの発明において、有機溶剤としては、水、塩類、レゾルシン及びレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を含む反応系、又は、水、塩類、レゾルシン、メチルエチルケトン及びレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂を含む反応系において、該樹脂成分中のレゾルシン二量体や三量体を溶解せず、未反応のレゾルシンを溶解させることができる溶剤であればよい。該有機溶剤としては、酢酸エチル等の低級脂肪族エステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤のうち、エーテル系溶剤が好ましい。
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる本発明の方法では、上記有機溶剤の存在により、生成するレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の析出に起因する反応液の固化や粘性の増大を防止することができる。上述した反応系への有機溶剤の添加は、反応開始前に行ってもよく、反応の進行中に行ってもよい。上記有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、レゾルシン100重量部当り、通常は5〜1000重量部の範囲であり、好ましくは10〜500重量部の範囲である。
本発明において、レゾルシンに対するホルムアルデヒド類の使用割合は特に限定されないが、レゾルシン1モル当り、通常は0.3〜1モルの範囲であり、好ましくは0.4〜0.8モルの範囲である。
本発明における塩類としては、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウム等のナトリウム塩、クエン酸カルシウム、酒石酸カルシウムや塩化カルシウム等のカルシウム塩、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩が挙げられる。これらの塩類のうち、塩化カルシウム又は硫酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明における水の使用量は、上記レゾルシンとホルムアルデヒド類の合計量100重量部当り、通常は50〜6000重量部の範囲であり、好ましくは50〜2000重量部の範囲であり、より好ましくは50〜1000重量部の範囲である。なお、ホルムアルデヒド類として、ホルマリンのような水溶液を用いる場合は、該水溶液に含まれる水も上記使用量に包含される。
本発明における酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸やリン酸等の無機酸、リンタングステン酸やモリブデン酸等のヘテロポリ酸、塩化亜鉛や塩化アルミニウム等のハロゲン化金属塩、トリクロル酢酸、酢酸やシュウ酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸やフェノールスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられる。これらの酸性触媒は、単独で又は混合物として用いられる。
酸性触媒としては、塩酸やp−トルエンスルホン酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
酸性触媒の使用量は、レゾルシン1モル当り、通常は0.0000001〜5モルの範囲であり、好ましくは0.00001〜2モルの範囲であり、さらに好ましくは0.001〜1モルの範囲である。
本発明における反応温度は、通常は0〜100℃の範囲であり、好ましくは20〜90℃の範囲である。
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させて、レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を製造する本発明の方法においては、次の3つの工程を含む方法が好ましい(但し、有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)。
(第1工程)
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる工程、
(第2工程)
第1工程で得られた反応液を有機相と水相に分液し、得られた有機相を塩類水溶液と混合してレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を塩析する工程、
(第3工程)
第2工程で塩析したレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂を濾過して、分離する工程。
上記第2工程においては、第1工程で得られた反応液を有機相と水相に分液し、得られた有機相を濃厚な塩類水溶液と混合して塩析することにより、目的とするレゾルシン二量体やレゾルシン三量体等のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を選択的に得ることができる。また、本発明の第1工程で得られた反応液を分液することによって得た有機相は、塩類水溶液と混合して塩析する前に、必要に応じて濾過して、不溶物を除去することができる。上記有機相の濾過は、減圧濾過機や加圧濾過機等の通常使用される濾過機を用いて行われる。濾過温度は、0℃以上、上記有機溶剤が沸騰する温度未満の範囲であることが好ましい。
上記第3工程においては、上記第2工程の塩析により析出したレゾルシン二量体や三量体等のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂が濾過され、該レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂が分離される。このようにして分離されたレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂は、該樹脂中の残存レゾルシン量が削減されたものである。
前記第3工程に引き続いて、好ましくは、レゾルシン二量体や三量体等のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂が乾燥される。該乾燥は、減圧下に静置型の乾燥機を用いて行われる。該乾燥を効率的に行うため、乾燥前のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂に少量の塩基水溶液を加えてもよい。上記塩基としては、アンモニア、メチルアミンやトリエチルアミン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基を挙げることができる。乾燥前に有機塩基や無機塩基を前記のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂に加えて中和することによって、乾燥機の材質の腐食を防止することができる。
本発明において製造されるレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂は、上記の乾燥固体でもよく、該乾燥固体を例えば水等の水性媒体に溶解した溶液であってもよい。レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂が溶液である場合は、該溶液中のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の濃度は、通常は1〜90重量%の範囲であり、好ましくは10〜70重量%の範囲である。
次に、水、塩類及び酸性触媒の存在下、有機溶剤の存在下又は不存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンとを反応させて、レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂を製造する(但し、有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)本発明においては、以下の4つの工程を含むことが好ましい。
(第一工程)
水、塩類及び酸性触媒の存在下、反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる工程、
(第二工程)
第一工程で得られた反応液をアルカリで中和する工程、
(第三工程)
第二工程で得られた中和後の反応液を有機相と水相に分離する工程、
(第四工程)
第三工程で得られた分離後の有機相を濃縮する工程
上記第一工程は、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる工程であり、該反応は水、塩類及び酸性触媒の存在下、有機溶剤の存在下又は不存在下に加熱しながら行われる(但し、有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)。
この反応で用いられるホルムアルデヒド類としては、上述したものと同じ化合物が用いられる。ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド水溶液が好ましい。レゾルシンに対するホルムアルデヒド類のモル比は、通常はレゾルシン1モル当り0.3〜1モルの範囲であり、好ましくはレゾルシン1モル当り0.4〜0.8モルの範囲である。炭素数3〜6の脂肪族ケトンとしては、メチルエチルケトンが特に好ましい。また、反応における上記脂肪族ケトンの使用量は、レゾルシン100重量部当り、通常は10〜500重量部の範囲である。
上記第二工程では、第一工程で得られた反応液がアルカリで中和される。該中和は、反応終了後可及的速やかに行うことが好ましい。上記のアルカリとしては、水溶液の形態であることが好ましい。前記アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムや水酸化カルシウム等が挙げられる。第一工程における反応を塩化カルシウムの存在下に行った場合は、前記アルカリとしては水酸化カルシウム又は水酸化カルシウム水溶液を用いることが好ましい。
第二工程で得られた中和後の反応液は、第三工程において有機相と水相に分液される。
分液後の有機相には、未反応のレゾルシンを含むレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂が存在する。また、分液後の水相には、塩類を含む水溶液が存在する。
第三工程で得られた有機相は、第四工程で濃縮される。第四工程における濃縮は、第一工程の反応液中に残存した未反応の脂肪族ケトンを除くために行われる。上記濃縮は、好ましくは、水の存在下に共沸蒸留することによって行われる。該共沸蒸留は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。共沸蒸留時の水量は、上述した有機相に対して、通常は約0.5〜10重量倍の範囲である。
濃縮終了後、得られたレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂は、水により適宜希釈してもよく、また、上記樹脂の水溶性を高めるために前述したアルカリ等の塩基を加えてもよい。好ましいレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の濃度は、20〜60重量%の範囲である。
また、本発明におけるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の好ましい分子量分布は、分子量が164〜1400の範囲のものが全体の約40重量%を占めるものである。さらに、本発明におけるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の特に好ましい分子量分布は、上記の分子量分布を満足し、且つ、上述した脂肪族ケトン由来の部分構造を2個有するオリゴマー成分が全体の約10重量%を占めるものである。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例等によって限定されるものではない。
実施例1
レゾルシン55g(0.5モル)、塩化カルシウム172g(1.55モル)、3.6%塩酸14g及びメチルエチルケトン50gを水237gと混合後、該混合液を70℃に昇温した。次に、同温度で上記混合液に37%ホルムアルデヒド水溶液26.4gと水33gの混合液を1時間要して注入した。注入終了後、同温度で1時間加熱攪拌した。常温まで冷却後、分液した有機相を濾過し、レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂を含有する溶液410gを得た。得られた溶液中の残存レゾルシン量をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定した。また、精密回転粘度計にて反応液の粘度測定を行った。測定結果を表1に示す。なお、30000[mPa・s]以上の粘性では、生産効率が低下する。
実施例2、比較例2〜4
メチルエチルケトンの代わりに表1に示した溶剤の50gを用いる以外は、実施例1と同様にして操作した。実験結果を下表に示す。
比較例1
メチルエチルケトンを用いない以外は、実施例1と同様に操作し、析出した樹脂中の残存レゾルシン量をGPCで測定した。実験結果を下表に示す。
GPCの測定条件は、以下のとおりである。
流体:テトラヒドロフラン(流速は毎分1ml、温度は40℃)
カラム:Shodex KF−802及びShodex KF−802.5の2本
Figure 0005310329
実施例6
塩化カルシウムの代わりに表2に示した塩類を1.55モル用いる以外は、実施例1と同様にして操作した。実験結果を下表に示す。
Figure 0005310329
実施例7
ガラス製の反応容器に塩化カルシウム377.3gと水520.8gを仕込んで、冷却しながら攪拌した。得られた溶液中にレゾルシン121.1gと3.6%塩酸の31.2gを加え、54〜74℃まで昇温して、約1時間保持した。次に、内温約60℃を保ちながら、37%ホルマリン水溶液53.6g及び水66.9gの混合物と、メチルエチルケトン110gとを、約1時間かけて並注した。並注終了後、同温度で約1時間保温した。
保温終了後、直ちに水酸化カルシウム1.5gを仕込み、約60℃で約1時間保持した後、反応容器における攪拌を止め、約10分間静置後、分液して有機相を得た。
上記で得た有機相を蒸留装置に仕込み、60℃の温水300.0gを加えた後、浴温100℃/100〜80kPaの条件で攪拌下に共沸蒸留した。共沸蒸留中は留出したメチルエチルケトン/水の混合物を冷却管で冷却しながら系外へ除去した。
該共沸蒸留は釜内の残液が約270gになった時点で終了し、約50℃まで冷却した。
メチルエチルケトン/水の混合物を留去した後の釜内の残液に、25%アンモニア水30gを加えて、液のpHをアルカリ性にした。次いで、約50℃で約1時間攪拌した。このときのpHは8.5であった。固形分濃度が50%であるレゾルシン/ホルムアルデヒド/メチルエチルケトン樹脂約300gを得た。該樹脂中のメチルエチルケトン含量は0.02%であった。残存レゾルシンは、検出されなかった。
また、上記樹脂を液体クロマトグラフィーで分析し、図1に示す結果を得た。液体クロマトグラフィーの条件を次に示す。
装置 :島津製作所製 LC10AT型
カラム :Cadenza CD−C18(4.6mmφ×150mm,充填剤球径3μm,Imtakt社製)
カラム恒温槽温度 :40℃
移動相 :溶媒A(0.1%(V/V)トリフロロ酢酸水溶液)、溶媒B(0.1%(V/V)トリフロロ酢酸含有アセトニトリル)
移動相流量 :毎分1ml(但し、溶媒比率A/Bは、開始時が0.8ml/0.2mlであり、40分後に溶媒Aが1ml流れるように濃度勾配をかけている)
試料注入量 :10μl
試料濃度 :4mg/ml(溶媒メタノール)
紫外線検出器:波長254nm
図1の溶出時間21.8分と26.3分の成分をそれぞれカラム分取した。分取後の溶出時間が21.8分である成分はその試料のH−NMR(図2参照、測定溶媒は重ジメチルスルホキシド)の結果から、下式(1)で示される化合物と同定した。
Figure 0005310329
(1)
図1の溶出時間が26.3分である成分は、そのH−NMR(図3参照、測定溶媒は重クロロホルム)の結果から、下式(2)で示される化合物と同定した。
Figure 0005310329
(2)
図1の溶出時間19.9分と20.2分の成分は、それぞれ、LC−MSの結果から分子量が450及び572であり(図4参照)、下式(3)及び(4)で示される化合物の分子量と矛盾しないことを確認した。
Figure 0005310329
(3)
Figure 0005310329
(4)
さらに、図1の溶出時間23.45分と24.65分の成分は、それぞれ、LC−MSの測定結果から分子量340及び462であり(図5、図6参照)、下式(5)及び(6)で示される化合物と矛盾しないことを確認した。
Figure 0005310329
(5)
Figure 0005310329
(6)
本発明で得られたレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂は、例えば、木材と他の材料との接着剤として有用である。
本発明におけるレゾルシン/ホルムアルデヒド/メチルエチルケトン系樹脂の液体クロマトグラフィー 本発明における化合物(1)のH−NMR 本発明における化合物(2)のH−NMR 本発明における化合物(3)及び(4)の質量分析のチャート 本発明における化合物(5)の質量分析のチャート 本発明における化合物(6)の質量分析のチャート

Claims (5)

  1. 水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させることを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
  2. 以下の4つの工程を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
    (第一工程)
    水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる工程
    (第二工程)
    第一工程で得られた反応液をアルカリで中和する工程
    (第三工程)
    第二工程で得られた中和後の反応液を有機相と水相に分離する工程
    (第四工程)
    第三工程で得られた分離後の有機相を濃縮する工程
  3. 炭素数3〜6の脂肪族ケトンが、メチルエチルケトンである請求項1又は2記載のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
  4. アルカリが、水酸化カルシウムである請求項1〜3のいずれか記載のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
  5. 塩類が、塩化カルシウム又は硫酸ナトリウムである請求項1〜4のいずれか記載の樹脂の製造方法。
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