JP5310329B2 - レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法 - Google Patents
レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法 Download PDFInfo
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そして、上記の残存レゾルシンを低減するために、次の方法が提案されている(特許文献1を参照)。すなわち、レゾルシンとホルムアルデヒドを水溶媒中で塩化カルシウム及び塩酸触媒の存在下に反応させ(第一工程)、該反応で生成した樹脂を塩化カルシウムにより塩析して水溶媒から析出させ(第二工程)、該析出した樹脂を常温で濾過してウエットケーキを得(第三工程)、該ウエットケーキを39%塩化カルシウム水溶液中において50℃で攪拌(第四工程)後、濾過して得たウエットケーキを減圧下で乾燥し(第五工程)、次いで乾燥ケーキをメチルエチルケトンに溶解させ(第六工程)、析出した塩化カルシウムを除去後(第七工程)、レゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂のメチルエチルケトン溶液からメチルエチルケトンを減圧下に留去することによってレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を単離する(第八工程)方法である。
また、本発明の目的は、前記接着剤として有用であり、且つ新規なレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法を提供することにある。
また、本発明は、以下の3つの工程を含むことを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法(但し、下記の有機溶剤として、炭素数3〜6の脂肪族ケトンを除く)を提供するものである。
(第1工程)
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる工程
(第2工程)
第1工程で得られた反応液を有機相と水相に分液し、得られた有機相を塩類水溶液と混合してレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を塩析する工程
(第3工程)
第2工程で塩析したレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を、濾過して分離する工程
また、上記3つの工程を含む本発明のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂の製造方法によれば、上述した発明と同様に生成樹脂中への残存レゾルシンの混入が抑制される。
さらに、水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる本発明のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法によれば、接着剤成分として有用な新規樹脂組成物が得られる。
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる本発明の方法、並びに、水、塩類及び酸性触媒の存在下、有機溶剤の存在下又は不存在下にレゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンとを反応させるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法(但し、有機溶剤として、脂肪族ケトンを除く)において、ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドとホルムアルデヒドプリカーサーが挙げられる。ホルムアルデヒドプリカーサーとしては、例えば、パラホルムアルデヒドやトリオキサン等の環状ホルマール、及びメチラール等の鎖状ホルマール等が挙げられる。ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが好ましい。
酸性触媒としては、塩酸やp−トルエンスルホン酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
酸性触媒の使用量は、レゾルシン1モル当り、通常は0.0000001〜5モルの範囲であり、好ましくは0.00001〜2モルの範囲であり、さらに好ましくは0.001〜1モルの範囲である。
(第1工程)
水、有機溶剤、塩類及び酸性触媒の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類を反応させる工程、
(第2工程)
第1工程で得られた反応液を有機相と水相に分液し、得られた有機相を塩類水溶液と混合してレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂を塩析する工程、
(第3工程)
第2工程で塩析したレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂を濾過して、分離する工程。
前記第3工程に引き続いて、好ましくは、レゾルシン二量体や三量体等のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂が乾燥される。該乾燥は、減圧下に静置型の乾燥機を用いて行われる。該乾燥を効率的に行うため、乾燥前のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂に少量の塩基水溶液を加えてもよい。上記塩基としては、アンモニア、メチルアミンやトリエチルアミン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基を挙げることができる。乾燥前に有機塩基や無機塩基を前記のレゾルシン/ホルムアルデヒド樹脂に加えて中和することによって、乾燥機の材質の腐食を防止することができる。
水、塩類及び酸性触媒の存在下、反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる工程、
(第二工程)
第一工程で得られた反応液をアルカリで中和する工程、
(第三工程)
第二工程で得られた中和後の反応液を有機相と水相に分離する工程、
(第四工程)
第三工程で得られた分離後の有機相を濃縮する工程
この反応で用いられるホルムアルデヒド類としては、上述したものと同じ化合物が用いられる。ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド水溶液が好ましい。レゾルシンに対するホルムアルデヒド類のモル比は、通常はレゾルシン1モル当り0.3〜1モルの範囲であり、好ましくはレゾルシン1モル当り0.4〜0.8モルの範囲である。炭素数3〜6の脂肪族ケトンとしては、メチルエチルケトンが特に好ましい。また、反応における上記脂肪族ケトンの使用量は、レゾルシン100重量部当り、通常は10〜500重量部の範囲である。
第二工程で得られた中和後の反応液は、第三工程において有機相と水相に分液される。
分液後の有機相には、未反応のレゾルシンを含むレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂が存在する。また、分液後の水相には、塩類を含む水溶液が存在する。
また、本発明におけるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の好ましい分子量分布は、分子量が164〜1400の範囲のものが全体の約40重量%を占めるものである。さらに、本発明におけるレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の特に好ましい分子量分布は、上記の分子量分布を満足し、且つ、上述した脂肪族ケトン由来の部分構造を2個有するオリゴマー成分が全体の約10重量%を占めるものである。
レゾルシン55g(0.5モル)、塩化カルシウム172g(1.55モル)、3.6%塩酸14g及びメチルエチルケトン50gを水237gと混合後、該混合液を70℃に昇温した。次に、同温度で上記混合液に37%ホルムアルデヒド水溶液26.4gと水33gの混合液を1時間要して注入した。注入終了後、同温度で1時間加熱攪拌した。常温まで冷却後、分液した有機相を濾過し、レゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂を含有する溶液410gを得た。得られた溶液中の残存レゾルシン量をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定した。また、精密回転粘度計にて反応液の粘度測定を行った。測定結果を表1に示す。なお、30000[mPa・s]以上の粘性では、生産効率が低下する。
メチルエチルケトンの代わりに表1に示した溶剤の50gを用いる以外は、実施例1と同様にして操作した。実験結果を下表に示す。
メチルエチルケトンを用いない以外は、実施例1と同様に操作し、析出した樹脂中の残存レゾルシン量をGPCで測定した。実験結果を下表に示す。
流体:テトラヒドロフラン(流速は毎分1ml、温度は40℃)
カラム:Shodex KF−802及びShodex KF−802.5の2本
塩化カルシウムの代わりに表2に示した塩類を1.55モル用いる以外は、実施例1と同様にして操作した。実験結果を下表に示す。
ガラス製の反応容器に塩化カルシウム377.3gと水520.8gを仕込んで、冷却しながら攪拌した。得られた溶液中にレゾルシン121.1gと3.6%塩酸の31.2gを加え、54〜74℃まで昇温して、約1時間保持した。次に、内温約60℃を保ちながら、37%ホルマリン水溶液53.6g及び水66.9gの混合物と、メチルエチルケトン110gとを、約1時間かけて並注した。並注終了後、同温度で約1時間保温した。
該共沸蒸留は釜内の残液が約270gになった時点で終了し、約50℃まで冷却した。
カラム :Cadenza CD−C18(4.6mmφ×150mm,充填剤球径3μm,Imtakt社製)
カラム恒温槽温度 :40℃
移動相 :溶媒A(0.1%(V/V)トリフロロ酢酸水溶液)、溶媒B(0.1%(V/V)トリフロロ酢酸含有アセトニトリル)
移動相流量 :毎分1ml(但し、溶媒比率A/Bは、開始時が0.8ml/0.2mlであり、40分後に溶媒Aが1ml流れるように濃度勾配をかけている)
試料注入量 :10μl
試料濃度 :4mg/ml(溶媒メタノール)
紫外線検出器:波長254nm
(1)
Claims (5)
- 水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させることを特徴とするレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
- 以下の4つの工程を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
(第一工程)
水、塩類及び酸性触媒の存在下、必要に応じて反応に不活性な有機溶剤の存在下に、レゾルシンとホルムアルデヒド類と炭素数3〜6の脂肪族ケトンを反応させる工程
(第二工程)
第一工程で得られた反応液をアルカリで中和する工程
(第三工程)
第二工程で得られた中和後の反応液を有機相と水相に分離する工程
(第四工程)
第三工程で得られた分離後の有機相を濃縮する工程 - 炭素数3〜6の脂肪族ケトンが、メチルエチルケトンである請求項1又は2記載のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
- アルカリが、水酸化カルシウムである請求項1〜3のいずれか記載のレゾルシン/ホルムアルデヒド/脂肪族ケトン樹脂の製造方法。
- 塩類が、塩化カルシウム又は硫酸ナトリウムである請求項1〜4のいずれか記載の樹脂の製造方法。
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