JP4256828B2 - ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂 - Google Patents
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水溶媒中にレゾルシン(A)を水100重量部に対して20〜150重量部添加し、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選択される1種または2種以上の陽イオンと、硫酸イオン、硝酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンまたはチオシアン酸イオンの中から選択される1種または2種以上の陰イオンからなる無機塩(B)を水100重量部に対して20〜80重量部添加し、レゾルシンホルマリン樹脂を溶解し、溶解パラメーター7.5〜11.0である下記一般式[1]で表される有機溶媒(C)を、レゾルシン(A)100重量部に対して10〜200重量部添加し、有機溶媒(C)の沸点以下の液温で撹拌して、固形分の残存しない2相系とし、触媒量の有機酸または無機酸(D)を添加し、反応系を0〜60℃に維持しながら、1〜40%ホルマリン(E)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、滴下終了後さらに10〜60分間撹拌して液液不均一反応を進行させ、反応系の温度を反応時の温度に維持しながら静置して2層に分離させ、水層を除去し、有機溶媒層である反応生成物層に有機溶媒(C)を反応生成物量と等量〜5倍量添加して希釈し、この有機溶媒量の半量の水を添加して、沸点以下の温度を維持しながら反応系を撹拌し、静置後2層に分離させて水層を除去することを特徴とする、1段階の反応および液々分配を含む一連の工程が同一反応器内で行われる製造方法によって製造された、無機塩を含有せず、レゾルシンホルマリン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析で得られる全体のピーク面積に対して、レゾルシン単量体に相当するピーク面積が3%〜9%であり、レゾルシン5核体以上に相当するピーク面積が30%〜55%である、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂、
である。
レゾルシン …3.4%
レゾルシン2核体…15.3%
レゾルシン3核体…16.3%
レゾルシン4核体…13.8%
レゾルシン5核体以上…51.2%
測定機種:東ソー製HLC−8020
カラム:(G−2500)+(G−2500)+(G−4000)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1ml/min
レゾルシン …5.8%
レゾルシン2核体…16.8%
レゾルシン3核体…13.9%
レゾルシン4核体…12.6%
レゾルシン5核体以上…50.9%
得られたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂のメチルエチルケトン溶液に水200gを添加して共沸温度で蒸留を行い、メチルエチルケトンを除去し、水分量を減量させて、目的とする固形分が約50%の適度な流動性を有するケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂水溶液260gを得た。この固形分が約50%のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂水溶液は無機塩を含有せず、レゾルシン単量体およびレゾルシン5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂含有量の低減されたケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂である。
レゾルシン …7.9%
レゾルシン2核体…19.7%
レゾルシン3核体…18.6%
レゾルシン4核体…14.4%
レゾルシン5核体以上…39.4%
2リットル三ツ口フラスコに水265g、塩化カルシウム170g、レゾルシン63gを入れ、50℃で溶解させた後、35%塩酸0.8gを反応槽に入れた。反応系を50℃に維持しながら、37%ホルマリン26gを5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌して固液不均一反応を進行させた。生成したレゾルシン多核体はガム状となって、撹拌棒にからみつき、後処理が非常にやっかいであった。水相を廃棄した後39%塩化カルシウム水溶液400gでガム状物質を洗浄した。洗浄液を除去した後、ガム状物質を減圧乾燥し、メチルエチルケトン240gで溶解し、不溶分をろ別した後に再度減圧下乾燥させた。実施例の反応に比較すると、はるかに長時間の反応を要した。以上のことから、この反応を工業的規模に拡大することはむずかしいと判断された。
1リットル三ツ口フラスコに水150g、レゾルシン63gを入れ、50℃で溶解させた後、35%塩酸0.8gを反応槽に入れた。反応系を50℃に維持しながら、37%ホルマリン26gを5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌して反応を進行させた。水相を廃棄した後、水400gで洗浄した。洗浄液を除去した後、減圧乾燥し、メチルエチルケトン240gで溶解し、不溶分をろ別した後に再度減圧下乾燥させた。この反応生成物に水を加えて、溶解させることを試みたが、水溶液にすることができなかった。これは、5核体以上のレゾルシンホルマリン樹脂の含有量が高いためと考えられる。
Claims (13)
- 水溶媒中にレゾルシン(A)を水100重量部に対して20〜150重量部添加し、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選択される1種または2種以上の陽イオンと、硫酸イオン、硝酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンまたはチオシアン酸イオンの中から選択される1種または2種以上の陰イオンからなる無機塩(B)を水100重量部に対して20〜80重量部添加し、
レゾルシンホルマリン樹脂を溶解し、溶解パラメーター7.5〜11.0である下記一般式[1]で表される有機溶媒(C)を、レゾルシン(A)100重量部に対して10〜200重量部添加し、
有機溶媒(C)の沸点以下の液温で撹拌して、固形分の残存しない2相系とし、
触媒量の有機酸または無機酸(D)を添加し、1〜40%ホルマリン(E)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、添加する工程を含む、一般式[1]で表される有機溶媒(C)を、水と液液不均一系を形成する反応溶媒、及び、レゾルシンホルマリン樹脂の変性に使用する、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法によって製造された、
無機塩を含有せず、レゾルシンホルマリン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析で得られる全体のピーク面積に対して、レゾルシン単量体に相当するピーク面積が3%〜9%であり、レゾルシン5核体以上に相当するピーク面積が30%〜55%である、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
[式中、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、セカンダリーブチル基、イソブチル基またはターシャリーブチル基を表す。] - 反応系を0〜60℃に維持しながら、1〜40%ホルマリン(E)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に1〜300分間かけて滴下し、
滴下終了後さらに10〜60分間撹拌して液液不均一反応を進行させ、反応系の温度を反応時の温度に維持しながら静置して2層に分離させ、水層を除去し、
有機溶媒層である反応生成物層に有機溶媒(C)を反応生成物量と等量〜5倍量添加して希釈し、
この有機溶媒量の半量の水を添加して、沸点以下の温度を維持しながら反応系を撹拌し、
静置後2層に分離させて水層を除去する、
1段階の反応および液々分配を含む一連の工程が同一反応器内で行われ、一般式[1]で表される有機溶媒(C)を、水と液液不均一系を形成する反応溶媒、及び、レゾルシンホルマリン樹脂の変性に使用する、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の製造方法によって製造された、請求項1記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。 - 前記した1〜40%ホルマリン(E)を、レゾルシン(A)に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.3〜0.8mol比として、撹拌下に20分〜300分かけて断続的に滴下して添加を行うものである、請求項2記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記した、ケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂の有機溶媒溶液に対して、共沸蒸留によって有機溶媒残量を1%以下にするのに十分な量の水を添加し、一般式[1]で表される有機溶媒(C)を蒸留によって除去して最終的に、反応生成物濃度30〜80%の適度な流動性を有するケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂水溶液を得ることを特徴とする、請求項2または請求項3記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記した2回目の静置後2層に分離させて水層を除去した後の、レゾルシンホルマリン樹脂有機溶媒溶液に対して、一般式[1]で表される有機溶媒(C)を反応生成物重量あたり2〜10倍量添加して希釈し、水と有機溶媒の共沸温度で蒸留を行い脱水し、次に室温に冷却してから固形分をろ過して除去することを特徴とする請求項2または請求項3記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 一般式[1]で表される有機溶媒(C)が、溶解パラメーター9.0〜11.0を有するものである、請求項1〜請求項5いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 一般式[1]で表される有機溶媒(C)の、一般式[1]における基R1がメチル基であり、R2がエチル基である、請求項1〜請求項6いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 一般式[1]で表される有機溶媒(C)が、レゾルシンホルマリン樹脂を100g当たり1g以上溶解する有機溶媒である、請求項1〜請求項7いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 一般式[1]で表される有機溶媒(C)が2種以上の混合物として使用されることを特徴とする、請求項1〜請求項8いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記した無機塩(B)が塩化カルシウムである、請求項1〜請求項9いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記した有機酸または無機酸(D)が塩酸である、請求項1〜請求項10いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記したホルマリン(E)中のホルムアルデヒドモル数が、レゾルシン(A)のモル数に対して、ホルムアルデヒド/レゾルシン=0.5〜0.8mol比である、請求項1〜請求項11いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
- 前記したホルマリン(E)の滴下時間が、20〜120分である、請求項1〜請求項12いずれかの項に記載のケトン変性レゾルシンホルマリン樹脂。
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