JP5309615B2 - 抵抗変化型メモリおよびその作製方法 - Google Patents

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本発明は、抵抗変化型メモリ(ReRAM)に関し、特に、抵抗変化素子のフォーミング電圧を抑制した抵抗変化メモリとその作製方法に関する。
現在、代表的な不揮発性メモリとしてフラッシュメモリが用いられているが、テクノロジノードで32nm以降の微細化には、セル間のストローク、浮遊ゲート−制御ゲート間の容量結合の減少、トンネル酸化膜の信頼性等、物理的・本質的な限界が立ちはだかると予想されている。
そのような問題を解決するために、フラッシュメモリとは異なる原理で動作し、微細化が容易な新規なメモリの開発への機運が高まっている。
フラッシュメモリに替わる新しいメモリに必要な特性としては、大容量、低コスト、不揮発性といった条件が特に重要となる。これらを満たすメモリとして、抵抗変化メモリ(ReRAM:Resistive Random Access Memory)が注目されている。ReRAMは単純なMIM(Metal-Insulator-Metal)構造により動作が可能であり、必要とされるプロセス温度も低い。フラッシュメモリと比べて微細化が容易で、かつCMOSロジックへの混載に適している。
ReRAM(又はResistive RAM)という言葉は、電圧パルス又は電流パルスにより膜の抵抗値が変化することでメモリ動作するデバイスの総称である。近年は、成膜プロセスが簡単で、より実用化に近いと考えられる二元系の遷移金属酸化物(TMO:Transition Metal Oxide)を用いた素子の研究が盛んである。
二元系TMO型のReRAMは、1960〜1980年にかけて初期の研究が行われていたが、2004年にNiOの特性が詳細に報告されてから、再び注目を集めた(たとえば、非特許文献1および2参照)。現在では、NiOの他、TiO2(たとえば、非特許文献3参照)を中心に、多数の遷移金属酸化物でメモリ動作が報告されている。
TMO型ReRAMのメモリ動作は、物質により異なるが、報告の多いNiOやTiO2に関しては、抵抗変化機能を発現させるための初期動作として、フォーミングと呼ばれる動作が必要になる。フォーミングは、擬似絶縁破壊(Soft Breakdown)に似ており、金属酸化膜中に導電性のフィラメントが形成され得る状態にする動作である。電圧パルスの印加により、フィラメントの一部が高抵抗状態と低抵抗状態の間を遷移することで、メモリ動作が行われると考えられている。また、これらの二元系金属酸化物は、単極性又は無極性での動作が可能である点にも特徴がある。
S. Seo, et al., "Reproducible ResistanceSwitching in Polycrystalline NiO film", Appl. Phys. Lett. 85, 5655 (2004) I.G. Baek, et al,. "HighlyScalable Non-volatile Resistive Memory using Simple Binary Oxide Driven byAsymmetric Unipolar Voltage Pulse," IEDM Tech. Dig., 2004, at.587 B. J. Choi, et al., "Resistive Switching Mechanism of TiO2 thin filmsgrown by atomic-layer deposition," Appl. Phys. 98, 033715 (2005).
しかし、発明者がTMO型ReRAMに用いられるNiOやTiO2についての研究、開発を行ったところ、以下の問題点が明らかになった。すなわち、
(1)素子特性のばらつきが大きい、
(2)素子面積を小さくすると、フォーミングに必要な電圧が大きくなる、
という問題である。たとえば多結晶NiO膜では、図1(a)に示すようにフォーミング電圧が広い範囲でばらつき、図1(b)に示すように、素子面積が小さくなると、4V以下の電圧でフォーミングされる素子の割合が激減する。
フォーミング電圧が大きくなるということは、昇圧回路の面積が増加するだけでなく、トランジスタ等の選択素子と組み合わせて使う場合に、pnジャンクション或いはゲート絶縁膜の破壊を招く可能性が高くなる。また、フォーミング電圧が大きくなると、その際に放出されるパワーが大きくなり、抵抗変化材料自体が、擬似ではなく完全な絶縁破壊状態に至ってしまうことも多い。
フォーミング電圧を小さくするためには、素子を薄膜化することが有効であるが、極端な薄膜化は、繰り返し書き換え耐性を劣化させ、さらに電極材料の熱拡散による保持特性の悪化なども懸念される。フォーミング電圧の膜厚依存性は、絶縁破壊に必要な電界強度が一定と考えることで理解できる。一方、面積依存性については、物理的・本質的な問題というよりは、成膜直後の素子中に存在する「ウィークスポット」の程度と存在確率が変わるためと考えるのが妥当である。
本発明は、微細化された抵抗変化素子において、抵抗変化機能を発現させるためのフォーミング電圧を抑制する手法を提供することを課題とする。
上記課題を実現するために、抵抗変化素子の抵抗変化層を、非常に薄い多結晶膜(第1層)と、その上に成膜される比較的厚いアモルファス膜(第2層)で構成する。
より具体的には、第1の側面では、抵抗変化型メモリは、一対の電極間に挟まれた抵抗変化層を有する抵抗変化素子を含み、前記抵抗変化層は、多結晶酸化物膜と、前記多結晶酸化物膜よりも厚いアモルファス酸化物膜との積層を含む。
好ましい構成例では、前記多結晶酸化物膜と、前記アモルファス酸化物膜は、NiO、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、Al2O3、WO3、CuO、Cu2O、SiO2、CoOを含む二元金属酸化物から選択される同種又は異種の材料で形成されている。
このような抵抗変化層は、電圧パルス又は電流パルスの印加により、高抵抗状態と低抵抗状態の間を遷移可能である。
第2の側面では、抵抗変化型メモリの製造方法を提供する。この方法は、
下部電極上に多結晶酸化物膜を形成し、
前記多結晶酸化物膜上に、前記多結晶酸化物膜よりも厚いアモルファス酸化物膜を形成し、
前記アモルファス酸化物膜上に、上部電極を形成する、
工程を含む。
上記の構成と方法によれば、抵抗変化素子を微細化しても、低いフォーミング電圧を維持することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の良好な実施形態を説明する。図2(a)は、本発明の一実施形態に係る抵抗変化素子10の概略構成図、図2(b)は、本発明の基本的な考え方を説明するための図、図2(c)は、図2(a)の構成の変形例である。
抵抗変化素子10は、下部電極11と、上部電極15と、これらの電極間に配置される抵抗変化層14を含む。抵抗変化層14は、多結晶酸化物膜12と、その上に積層されるアモルファス酸化物膜13を含む。多結晶酸化物膜12は、アモルファス酸化物膜13よりも薄く、膜厚が1〜5nm程度である。この膜厚は、単層では絶縁性を保持するのが困難な程度の薄さである。この薄膜上に積層されるアモルファス酸化物膜13の膜厚は、7〜20nmである。
多結晶酸化物膜12の膜厚を薄くすることで、膜中に含まれるグレインサイズを小さく抑えて、微細な素子中においても、グレインバウンダリの数を多くする。グレインバウンダリには電界が集中しやすく、フォーミングを生じさせる起点となり得る。多結晶酸化物膜12上にアモルファス酸化物膜13を積層することで、抵抗変化層14のトータルの膜厚を確保して絶縁性を確保するとともに、図2(b)に示すように、フォーミングを行うことで、グレインバウンダリ12bを起点とするフィラメント(伝導経路)17が形成可能な状態にする。これにより、素子面積を微細化しても、フォーミング電圧を抑制することが可能になる。
フォーミング電圧を小さくするためには、素子を薄膜化することが有効であるが、多結晶膜を薄膜化した場合、非常に弱いグレインバウンダリが存在し、上下電極を短絡してしまう可能性がある。一方、アモルファス膜はグレインバウンダリがないので、素子間の短絡を懸念する必要はない。ただし、アモルファス酸化膜だけでは、フォーミングを生じさる起点が含まれないので、フォーミング電圧が高く、不均一になる。そこで、図2(a)及び図2(b)の構成を採用し、多結晶酸化物膜12のグレインバウンダリ12bをフォーミングの起点として機能させ、その上にアモルファス酸化物膜13を積層する。これにより、抵抗変化層14と下部電極11との境界近傍では、グレインバウンダリを増やしてフォーミングを容易にする一方で、抵抗変化層14の主要部分においては、ウィークスポットやグレインバウンダリを低減して短絡を防止する。
多結晶酸化物膜12は、たとえば、NiO、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、Al2O3、WO3、Cu2O、SiO2、CoOの中から選択される。アモルファス酸化物13も、同様の酸化物から選択される。多結晶酸化物膜12とアモルファス酸化物膜13は、同一の種類であっても、異なる種類であってもよい。
また、図2(c)に示すように、多結晶酸化物膜12とアモルファス酸化物膜13の間に、これらの層よりもさらに薄い界面層16が挿入されてもよい界面層16は、特に多結晶膜とアモルファス膜の材料が同じ場合に特に有効であり、例えばNiOに対しては、界面に薄いアモルファス膜であるTiO2を挿入することでこの効果を得ることができる。この場合、抵抗変化層14’は、多結晶酸化物膜12、界面膜16、及びアモルファス酸化物膜13を含む。界面層16は、下層の多結晶を上層へ引きずらないようにするための膜であり、その厚さは3nm以下である。界面膜16を挿入して、多結晶酸化物膜12とアモルファス酸化物膜13の間で結晶の連続性を断つことで、素子を微細化しても、短絡を起こさずに低いフォーミング電圧でフォーミングを行えるという効果が得られる。
図3は、図2に示す抵抗変化素子10を選択トランジスタとともにマトリクス状に配置したメモリアレイ構成を示す。この例では、直交するワード線(WL)とビット線(BL)が交わる領域に、1つのトランジスタと1つの抵抗変化素子(ReRAM素子)が直列に接続されたメモリセル(1T−1Rセル)が形成される。トランジスタのゲートはワード線(WL)に接続され、ドレインは抵抗変化素子に接続され、ソースは共通接地線(GL)に接続される。抵抗変化素子はトランジスタと反対側でビット線(BL)に接続される。なお、選択素子として、トランジスタに代えてダイオードを用いる1D−1R型のメモリセル構成としてもよい。
図4は、図3の1T―1R型セルを有するReRAM(抵抗変化型メモリ)20の断面構成図である。シリコン基板21上の素子分離22で区画された領域に、通常のCMOSロジックプロセスにより、選択トランジスタTrが形成されている。選択トランジスタのソース(S)は、層間絶縁膜33に形成されたコンタクトプラグ(たとえばタングステンプラグ)24を介して接地線(GND)26に接続され、ドレイン(D)は、コンタクトプラグ23を介して中継配線25に接続される。ゲート電極19は、ワード線として作用する(図3参照)。中継配線25はさらに、層間絶縁膜35に形成されたコンタクトプラグ28を介して、抵抗変化素子10の下部電極11に接続される。抵抗変化素子10の上部電極15は、層間絶縁膜37に形成されたコンタクトプラグ31を介して、ビット線32に接続されている。
この例では第1配線層のM0レイヤに、接地線(GND)26と、中継配線25が形成され、中継配線25の上方に抵抗変化素子10が位置し、さらにその上層の配線層であるM1レイヤにビット線32が形成されているが、選択トランジスタTrと抵抗変化素子10との間の配線層の数は、たとえばM0〜M9の範囲で適宜選択することができる。
図5および図6は、抵抗変化素子10の製造工程図である。抵抗変化素子10の形成に先立つプロセスについては、説明を省略する。図5(a)において、コンタクトプラグ28が形成された層間絶縁膜35上に、下部電極膜41を形成する。コンタクトプラグ28は、タングステン(W)、銅(Cu)など適切な導電材料で形成され、CMP法により表面が平坦化されている。下部電極膜41は、たとえば、密着膜、バリア膜、電極膜の積層で形成する。具体的には、DCスパッタ法により、50℃、1kW、アルゴン(Ar)の圧力0.5Paの条件で、密着膜となるTi膜を膜厚10nmに成膜する。続いて、300℃、2kW、アルゴン(Ar)と窒素(N2)の圧力がそれぞれ0.25Paの条件で、バリア膜となるTiN膜を膜厚10nmに成膜し、さらに、300℃、1kW、アルゴン(Ar)の圧力0.5Paの条件で、白金(Pt)膜を50nm成膜する。
次に、図5(b)に示すように、全面に多結晶NiO膜42を形成する。多結晶NiO膜42は、RFスパッタ法により、380℃、1kW、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の圧力をそれぞれ0.45Paと0.05Paの条件で、膜厚5nmに成膜する。多結晶中の結晶のサイズや密度は成膜条件に依存するため、結晶サイズ及び/又は密度を調整したい場合は、適宜成膜温度やガス条件を変更すればよい。なお、多結晶酸化物膜42をNiO膜とする場合は、ニッケル(Ni)ターゲットを用いたAr/O2雰囲気中でのDCリアクティブスパッタ法を用いてもよいし、又は、NiOターゲットを用いたAr/O2雰囲気中でのRFリアクティブスパッタ法を用いてもよい。
次に、図5(c)に示すように、全面にアモルファスNiO膜43を形成する。アモルファスNiO膜43は、RFスパッタ法により、50℃、1kW、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の圧力をそれぞれ0.45Paと0.05Paの条件で、膜厚10nmに成膜する。成膜温度を50℃と低温に設定すると、特に基板バイアスなどの特殊な条件を加えない限り、アモルファス状態のNiO膜43が形成される。
次に、図6(a)に示すように、全面に上部電極膜45を形成する。上部電極膜45はたとえば白金(Pt)膜であり、DCスパッタ法により、50℃、1kW、アルゴン(Ar)の圧力0.5Paの条件で、膜厚50nmに形成する。
次に、図6(b)に示すように、通常のリソグラフィプロセスにより、抵抗変化素子のサイズに合わせたレジストパターン47を形成する。そして、図5(c)に示すように、レジストパターン47をマスクとして下部電極膜41までドライエッチングする。これにより、層間絶縁膜35上に、上部電極15、アモルファスNiO膜13、多結晶NiO膜12、下部電極11で構成される抵抗変化素子10が形成される。この例では、抵抗変化素子10のサイズは、1000nm×1000nmである。その後、レジストパターン47を除去する。さらに、図3に示すように、全面に層間絶縁膜37を形成し平坦化して、抵抗変化素子10の上部電極15に到達するコンタクトホール31を形成し、表面平坦化してビット線32を形成する。
図6(a)のアモルファス酸化物膜43の形成ステップでは、NiOに代えて、TiO2膜を形成してもよい。その場合は、RFスパッタ法により50℃の低温で、1kW、Ar/O2の圧力が0.45/0.05Paの条件で、アモルファス状態のTiO2膜を10nm成膜する。Tiターゲットを用いたAr/O2雰囲気中でのDCリアクティブスパッタ法を用いてもよいし、TiO2ターゲットを用いたAr/O2雰囲気中でのRFリアクティブスパッタ法を用いてもよい。また、アモルファス酸化膜43と多結晶酸化物膜(多結晶NiO膜)42との間に、膜厚3nm以下の界面層(図2(c)参照)を形成してもよい。
さらに、抵抗変化材料としては、NiOやTiO2以外にも、Ta2O5、HfO2、ZrO2、SiO2など、電圧パルス又は電流パルスにより抵抗変化を示す任意の金属酸化物を使用することが可能である。
上述した方法で作製したReRAMをメモリとして機能させるには、抵抗変化層14にフィラメントパスが形成可能な状態にするために、フォーミングを行う。いったんフォーミングがなされると、多結晶金属酸化物膜12とアモルファス金属酸化物膜13で構成される抵抗変化層14は、電圧パルス又は電流パルスの印加により、低抵抗状態と高抵抗状態の間を容易に遷移(スイッチング)可能になる。たとえば、高抵抗状態をリセット状態とし、低抵抗状態をセット状態として、2つの状態をデータ“0”とデータ“1”に対応させることができる。抵抗変化スイッチングは、図2(b)のフィラメント17の一部、特に、電極1、15に近い領域の伝導状態が、金属的な状態(低抵抗状態)と、絶縁体的な状態(高抵抗状態)の間を行き来することによって起きると考えられている。図5および図6の工程で作製される抵抗変化素子10のフォーミング電圧は素子面積にも依存するが、約3Vである。
ReRAMの動作としては、高抵抗(リセット)から低抵抗(セット)に書き込みを行う場合は、図3及び図4に示す選択トランジスタTrに、所定の駆動電圧Vgを印加してオン状態にする。そして、ビット線(BL)32に電圧Vbを印加し、抵抗変化素子10をセットするのに要する電圧、或いはこれよりやや大きいバイアス電圧を印加する。図4及び図5のプロセスで作製した抵抗変化素子10の例では、約2.5Vのバイアス電圧を5ns〜1msのパルス幅で印加する。このとき、選択トランジスタTrのチャネル抵抗Rtrを、抵抗変化素子10の高抵抗値に対して十分に小さくなるように制御することによって、ビット線32から印加する電圧Vbのほとんどを、高抵抗状態の抵抗変化素子10に印加することができる。
リセット(低抵抗から高抵抗への書込み)時には、まず、選択トランジスタTrのゲート電極19に所定の駆動電圧を印加してオン状態にする。次いで、ビット線32に、抵抗変化素子10をリセットするのに要する電圧、或いはこれよりやや大きいバイアス電圧Vbを印加する。リセット電圧は、抵抗変化素子10が再セットされないように、セット電圧よりも低く設定される。図5および図6のプロセスで作製した抵抗変化素子10の例では、約1.5Vのバイアス電圧を印加する。印加したバイアス電圧は、抵抗変化素子10の低抵抗値と、これに直接に接続される選択トランジスタTrのチャネル抵抗に応じて、それぞれに分配される。選択トランジスタTrのチャネル抵抗を、抵抗変化素子の低抵抗値よりも十分に小さくしておくことにより、印加したバイアス電圧のほとんどは抵抗変化素子10に印加される。これにより、抵抗変化素子10は、低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する。なお、電圧パルスに代えて、電流パルスを印加してリセットしてもよい。
図7は、実施形態の抵抗変化素子10におけるフォーミング電圧抑制効果を示すグラフである。実施形態のサンプルとして、図7(A)に示すように、下部電極11と上部電極15の間に、膜厚5nmの多結晶NiO膜12と、膜厚10nmのアモルファスNiO膜13を積層した抵抗変化層14を挿入したもの作製した。比較例として、図7(B)に示すように、膜厚15nmのアモルファスNiO膜のみを抵抗変化層としたサンプル(比較例1)と、図7(C)に示すように、膜厚15nmの多結晶NiO膜のみを抵抗変化層としたサンプル(比較例2)を作製し、同じくフォーミング電圧を測定した。素子の面積は共通である。また実験を簡単にするため、トランジスタを省略した単純なMIM構造にて測定をおこなった。この場合、フォーミング動作の電流制限は、外部測定装置(半導体パラメータアナライザ)の電流コンプライアンス機能を使用した。
グラフから明らかなように、実施形態の構成では、同じ膜厚のアモルファス単層膜に比べてフォーミング電圧を1.5Vも抑制することができる。また同じ膜厚の多結晶膜に比べても、フォーミング電圧はわずかに大きいだけである。なお図8に示すように、基準値以下の初期抵抗を持ち、短絡不良とみなされる素子の確率は多結晶単層膜(比較例2)で非常に大きく、一方でアモルファス膜(比較例1)と多結晶+アモルファスの積層膜(実施例)では低く抑えられていることが分かる。このように、実施形態の構成では、初期短絡不良を防ぎつつ、フォーミング電圧を効果的に抑制できることが分かる。
解決すべき技術課題を示す図である。 本発明の実施形態による抵抗変化素子の構成を示す概略断面図である。 抵抗変化素子を用いたメモリアレイ配列の図である。 本発明の実施形態による1T−1R型ReRAMの断面構成図である。 本発明の実施形態による抵抗変化素子の作製工程図(その1)である。 本発明の実施形態による抵抗変化素子の作製工程図(その2)である。 実施形態の構成によるフォーミング電圧抑制効果を示すグラフである。 実施形態の構成による初期短絡不良抑制効果を示すグラフである。
符号の説明
10 抵抗変化素子
11 下部電極
12 多結晶酸化物膜
13 アモルファス酸化物膜
14、14’ 抵抗変化層
15 上部電極
16 界面層
20 ReRAM(抵抗変化型メモリ)
32 ビット線
Tr 選択トランジスタ
GND 接地線

Claims (5)

  1. 一対の電極間に挟まれた抵抗変化層を有する抵抗変化素子を含む抵抗変化型メモリであって、
    前記抵抗変化層は、多結晶酸化物膜と、前記多結晶酸化物膜よりも厚いアモルファス酸化物膜との積層を含み、
    前記多結晶酸化物膜と、前記アモルファス酸化物膜の間に、前記多結晶酸化物膜よりも薄い界面膜が挿入されていることを特徴とする抵抗変化型メモリ。
  2. 一対の電極間に挟まれた抵抗変化層を有する抵抗変化素子を含む抵抗変化型メモリであって、
    前記抵抗変化層は、多結晶酸化物膜と、前記多結晶酸化物膜よりも厚いアモルファス酸化物膜との積層を含み、
    前記多結晶酸化物膜の膜厚は1nm〜5nmであることを特徴とする抵抗変化型メモリ。
  3. 前記多結晶酸化物膜と、前記アモルファス酸化物膜は、NiO、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、Al2O3、WO3、CuO、Cu2O、SiO2、CoOを含む二元金属酸化物から選択される同種又は異種の材料で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗変化型メモリ。
  4. 前記抵抗変化層は、電圧パルス又は電流パルスの印加により、高抵抗状態と低抵抗状態の間を遷移可能であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の抵抗変化型メモリ。
  5. 下部電極上に多結晶酸化物膜を形成し、
    前記多結晶酸化物膜上に、前記多結晶酸化物膜よりも厚いアモルファス酸化物膜を形成し、
    前記アモルファス酸化物膜上に、上部電極を形成する、
    工程を含むことを特徴とする抵抗変化型メモリの製造方法。
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