ところが、従来の測定器には、以下の問題点がある。すなわち、従来の測定器では、正面パネルが上向きとなる設置姿勢、および正面パネルが斜め上向きとなる設置姿勢の2種類の設置姿勢で設置することができるように構成されている。この場合、この種の測定器(測定装置)を使用した測定処理に際しては、利用者の目線の高さと同程度の高さの設置面(例えば、収納棚の棚板の上)に測定器を設置することがある。しかしながら、従来の測定器では、スタンド(支持部材)を収納した状態において正面パネルが前向きとなるように設置したときに、収納状態のスタンドだけが設置面に接した非常に不安定な状態となる。
一方、スタンドを引き起こした状態で前向きに設置したとしても、本体部分の4つの側面のうちの1つが設置面に接するだけで、本体部分から引き起こしたスタンドが設置面に接触することはない。この場合、従来の測定器では、本体部分が薄厚箱状に形成されて、その側面が正面パネルに対する奥行き方向で非常に狭くなっている。したがって、従来の測定器では、スタンドを引き起こした状態で本体部分の側面を設置面に接触させるように設置して正面パネルを前向きにした設置姿勢において、上記したように、本体部分がスタンドによって支持されることなく、非常に不安定な状態となる。このため、従来の測定器では、前向きの設置姿勢において、本体部分が倒れたり、最悪の場合には、棚板上から落下したりするおそれがあり、これに起因して測定器の破損を招くことがあるという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、各種設置姿勢における安定性を向上し得る測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、正面パネルに表示部が配設された装置本体と、前記装置本体の左側面に取り付けられた左支持部材および当該装置本体の右側面に取り付けられた右支持部材と、前記両支持部材を連結する連結部材と、前記両支持部材に対する前記装置本体の取付け姿勢の変更が可能に構成された取付け機構とを備え、前記支持部材が、当該支持部材の底面を設置面として前記装置本体を支持する第1の支持姿勢と、当該支持部材の背面を設置面として前記装置本体を支持する第2の支持姿勢との少なくとも2つの姿勢で当該装置本体を支持可能に構成され、前記取付け機構が、前記両支持部材および前記装置本体の一方に固定された案内ピンと、前記両支持部材および前記装置本体の他方に設けられて前記案内ピンを溝内の所定の位置に案内可能な案内溝とで構成され、前記案内溝が、前記第1の支持姿勢において前記正面パネルが前向きとなる第1の取付け姿勢と、前記第2の支持姿勢において前記正面パネルが上向きとなる第2の取付け姿勢と、前記第1の支持姿勢において前記正面パネルが斜めの向きとなるように前記両支持部材に対して前記装置本体が傾いた第3の取付け姿勢と、前記第2の支持姿勢において前記正面パネルが斜めの向きとなるように前記両支持部材に対して前記装置本体が傾いた第4の取付け姿勢との少なくとも4つの取付け姿勢で当該両支持部材に対して当該装置本体を取り付けるための複数の前記所定の位置に前記案内ピンを案内可能に形成されている。この場合、上記の第1の取付け姿勢と第2の取付け姿勢とは、支持部材の底面を設置面とする点と支持部材の背面を設置面とする点とが相違するだけで、装置本体に対する支持部材の取付け自体は同じ姿勢であってもよい。
また、請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記案内溝が、前記第1の支持姿勢において前記第1の取付け姿勢の前記装置本体よりも当該装置本体が上方に位置した状態で前記正面パネルが前向きとなる第5の取付け姿勢で当該装置本体を取り付けるための前記所定の位置に前記案内ピンを案内可能に形成されている。
さらに、請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の測定装置において、前記各取付け姿勢において前記両支持部材と前記装置本体とを相互に固定して当該両支持部材に対する当該装置本体の移動を規制するロック機構を備えている。
また、請求項4記載の測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の測定装置において、前記連結部材が、前記両支持部材の上部を相互に連結するように配設された取っ手で構成されている。
さらに、請求項5記載の測定装置は、請求項1から4のいずれかに記載の測定装置において、前記案内溝が、前記第1の取付け姿勢および前記第2の取付け姿勢で取り付けられた前記装置本体の前記両側面の全域が側面視において前記支持部材の外縁の内側に位置する前記所定の位置に前記案内ピンを案内可能に形成されている。
また、請求項6記載の測定装置は、請求項1から5のいずれかに記載の測定装置において、前記案内溝が、前記案内ピンを前記複数の所定の位置に案内可能にT字状または十字状に形成されている。
請求項1記載の測定装置では、両支持部材および装置本体の一方に固定された案内ピンと、両支持部材および装置本体の他方に設けられて案内ピンを溝内の所定の位置に案内可能な案内溝とで取付け機構が構成され、支持部材の底面を設置面として装置本体を支持する第1の支持姿勢において表示部が配設されている正面パネルが前向きとなる第1の取付け姿勢と、支持部材の背面を設置面として装置本体を支持する第2の支持姿勢において正面パネルが上向きとなる第2の取付け姿勢と、第1の支持姿勢において正面パネルが斜めの向き(斜め上向きまたは斜め下向き)となるように両支持部材に対して装置本体が傾いた第3の取付け姿勢と、第2の支持姿勢において正面パネルが斜めの向き(斜め上向きまたは斜め下向き)となるように両支持部材に対して装置本体が傾いた第4の取付け姿勢との少なくとも4つの取付け姿勢で両支持部材に対して装置本体を取り付けるための複数の所定の位置に案内ピンを案内可能に案内溝が形成されている。
したがって、請求項1記載の測定装置によれば、利用形態に合わせて任意の設置姿勢で設置する(各種取付け姿勢のうちから任意の取付け姿勢を選択して両支持部材に装置本体を取り付けて設置する)ことができるだけでなく、正面パネルを前向きにするための第1の取付け姿勢や、正面パネルを斜め前向きにするための第3の取付け姿勢で装置本体を取り付けた状態において第1の支持姿勢の両支持部材によって支持する設置姿勢で設置した状態においても、測定装置の奥行き方向に長い底面を設置面に接触させていることで、十分な安定性を確保することができる。これにより、この測定装置によれば、測定装置が転倒したり落下したりする事態を回避することができるため、転倒や落下に起因する破損を防止することができる。また、両支持部材を連結部材によって相互に連結したことにより、装置本体に対して両支持部材が別個独立して移動する事態を回避することができるため、例えば左支持部材の底面(または背面)だけが設置面に線的または面的に接触して右支持部材の角部が設置面に点的に接触した不安定な状態となるのを確実に回避することができる。
また、請求項2記載の測定装置によれば、第1の支持姿勢において第1の取付け姿勢の装置本体よりも装置本体が上方に位置した状態で正面パネルが前向きとなる第5の取付け姿勢で装置本体を取り付けるための所定の位置に案内ピンを案内可能に案内溝を形成したことにより、例えば各種のケーブルが引き回されている床面等に測定装置を設置する際に、装置本体の下方に十分な高さの空間を設けることができるため、床面等に引き回されたケーブル等が邪魔をして測定装置の設置状態が不安定となる事態を回避することができる。
さらに、請求項3記載の測定装置によれば、各取付け姿勢において両支持部材と装置本体とを相互に固定して両支持部材に対する装置本体の移動を規制するロック機構を備えたことにより、所望の取付け姿勢で両支持部材に装置本体を取り付けた状態において装置本体が利用者の意図に反して両支持部材に対して移動してしまう事態を確実に回避することができる。このため、この測定装置によれば、表示部の視認が良好な取付け姿勢を確実に維持することができる。
また、請求項4記載の測定装置によれば、両支持部材の上部を相互に連結するように配設された取っ手で連結部材を構成したことにより、連結部材としての取っ手に手をかけて測定装置を容易に携行することができるだけでなく、両支持部材を連結するための連結部材と、携行に際して手をかけるための取っ手とを別個に設けた測定装置と比較して、製造コスト(部品コスト)の低減を図りつつ、その重量を十分に軽量化することができる。
さらに、請求項5記載の測定装置によれば、第1の取付け姿勢および第2の取付け姿勢で取り付けられた装置本体の両側面の全域が側面視において支持部材の外縁の内側に位置する所定の位置に案内ピンを案内可能に案内溝を形成したことにより、上方からの落下物や、前方、後方および側方からの移動体が装置本体に衝突せずに両支持部材に衝突するため、落下物や移動体による装置本体の破損を好適に回避することができる。
また、請求項6記載の測定装置によれば、案内ピンを複数の所定の位置に案内可能に案内溝をT字状または十字状に形成したことにより、複雑な形状の案内溝を採用した構成と比較して、案内溝内での案内ピンの引っ掛かりを招くことなく、案内ピンを所望の位置に向けてスムーズに案内させることができる。
以下、本発明に係る測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す測定装置1は、携帯型の測定装置の一例であって、装置本体2、支持部材3a,3b、取っ手4および取付け機構5を備え、後述するように、各種の設置姿勢で設置して使用することができるように構成されている。装置本体2は、図2に示すように、正面パネル11、左側面12a、右側面12b、底面13a、上面13bおよび背面14を有する直方体状に形成されている。また、装置本体2の正面パネル11には、測定結果等を表示する表示部15が配設されると共に、測定条件等を設定操作するための複数の操作スイッチを有する操作部(図示せず)が配設されている。さらに、装置本体2の左側面12aおよび右側面12b(以下、区別しないときには「側面12」ともいう)には、後述するように両支持部材3a,3bに形成されている案内溝21a〜21d(図4参照)と相俟って取付け機構5を構成する4つの案内ピン16がそれぞれ固定されている(「両支持部材および装置本体一方」が「装置本体」である構成の一例)。この場合、図3に示すように、この測定装置1では、上記の各案内ピン16が固定用ねじ16aによって装置本体2に固定(ねじ止め)されている。また、図2に示すように、側面12には、固定用ねじ6をねじ込み可能な複数のねじ穴17が形成されている。この場合、固定用ねじ6は、上記の各ねじ穴17と、後述するように支持部材3に設けられている挿通孔23と相俟って、両支持部材3a,3bに対する装置本体2の移動を規制するロック機構を構成する。
支持部材3a,3b(以下、区別しないときには「支持部材3」ともいう)は、装置本体2を支持しつつ、装置本体2を保護するプロテクタとして機能する部材であって、図1に示すように、支持部材3a(左支持部材に相当)が装置本体2の左側面12aに取り付けられると共に、支持部材3b(右支持部材に相当)が装置本体2の右側面12bに取り付けられている。この支持部材3は、図3に示すように、一例として、2枚の板材20a,20bを貼り合わせて側面視長四角の平板状に形成され、その底面Fa(装置本体2に取り付けられた状態において上記の底面13a側に位置させられる面)を設置面として装置本体2を支持する支持姿勢(第1の支持姿勢)と、その背面Fb(装置本体2に取り付けられた状態において上記の背面14側に位置させられる面)を設置面として装置本体2を支持する支持姿勢(第2の支持姿勢)との少なくとも2つの姿勢で装置本体2を支持可能に構成されている。
また、図4に示すように、支持部材3において装置本体2に取り付けた状態で側面12と対向する面(内面)には、前述した案内ピン16を嵌入可能な案内溝21a〜21d(以下、区別しないときには「案内溝21」ともいう)が形成されている(「両支持部材および装置本体の他方」が「両支持部材」である構成の一例)。なお、測定装置1の構成についての理解を容易とするために、図2では、装置本体2に両支持部材3が取り付けられていない状態において各案内ピン16が側面12に固定されている状態を図示すると共に、図4では、各案内溝21内に案内ピン16が嵌入されていない状態を図示しているが、実際には、図3に示すように、上記の板材20a,20bの貼り合わせに際して、各案内ピン16の鍔部が板材20a,20bの間に挟み込まれるようにして各案内ピン16が支持部材3に取り付けられている。このため、図4に示すように、各案内溝21には、支持部材3に取り付けられている案内ピン16を装置本体2に固定する際に固定用ねじ16aを回すための挿通孔21hがそれぞれ形成されている。
この場合、図5に示すように、各案内溝21は、測定装置1を各種の設置姿勢で設置する際(支持部材3に対して装置本体2を任意の取付け姿勢で取り付ける際)に、上記の各案内ピン16を位置Pa1〜Pd1、位置Pa2〜Pd2、位置Pa3〜Pd3および位置Pa4〜Pd4の4つ位置のうちのいずれかの位置に案内するように十字状(支持部材3の上下方向に長い溝と、支持部材3の左右方向に長い溝とが交差している状態)に形成されている。具体的には、上記の位置Pa1〜Pd1は、「溝内の所定の位置」の一例であって、両支持部材3の底面Faを設置面に接触させた状態(装置本体2が第1の支持姿勢の両支持部材3によって支持された状態)において装置本体2の正面パネル11が前向きとなる取付け姿勢(図1参照:第1の取付け姿勢)、および、両支持部材3の背面Fbを設置面に接触させた状態(装置本体2が第2の支持姿勢の両支持部材3によって支持された状態)において正面パネル11が上向きとなる取付け姿勢(図示せず:第2の取付け姿勢)のいずれかの取付け姿勢で両支持部材3に対して装置本体2を取り付ける際に、上記の各案内ピン16が案内される位置であって、各案内溝21における下方寄り(底面Fa寄り)に規定されている。
また、上記の位置Pa2〜Pd2は、「溝内の所定の位置」の他の一例であって、両支持部材3の底面Faを設置面に接触させた状態において正面パネル11が斜め前向き(前向きよりもやや上向き)となるように両支持部材3に対して装置本体2が傾いた取付け姿勢(図6参照:第3の取付け姿勢)で両支持部材3に対して装置本体2を取り付ける際に、上記の各案内ピン16が案内される位置であって、案内溝21a,21bにおいては前方寄り(前面Fd寄り)に規定され、案内溝21c,21dにおいては後方寄り(背面Fb寄り)に規定されている。さらに、上記の位置Pa3〜Pd3は、「溝内の所定の位置」のさらに他の一例であって、両支持部材3の背面Fbを設置面に接触させた状態において正面パネル11が斜め上向き(上向きよりもやや前向き)となるように両支持部材3に対して装置本体2が傾いた取付け姿勢(図7参照:第4の取付け姿勢)で両支持部材3に対して装置本体2を取り付ける際に、上記の各案内ピン16が案内される位置であって、案内溝21a,21bにおいては後方寄り(背面Fb寄り)に規定され、案内溝21c,21dにおいては前方寄り(前面Fd寄り)に規定されている。
また、上記の位置Pa4〜Pd4は、「溝内の所定の位置」のさらに他の一例であって、両支持部材3の底面Faを設置面に接触させた状態において上記の第1の取付け姿勢における装置本体2よりも装置本体2を上方に位置させた取付け姿勢(図8参照:第5の取付け姿勢)で両支持部材3に対して装置本体2を取り付ける際に、上記の各案内ピン16が案内される位置であって、各案内溝21における上方寄り(上面Fc寄り)に規定されている。
また、図4に示すように、両支持部材3には、測定装置1の軽量化を図るべく開口部22がそれぞれ形成されている。さらに、支持部材3には、固定用ねじ6を挿通可能な挿通孔23が形成されている。この場合、この測定装置1では、上記の各種取付け姿勢において、固定用ねじ6をねじ穴17にねじ込むことにより、両支持部材3に対する装置本体2の移動が規制される。また、この測定装置1では、支持部材3a,3bが、その内面の上面Fc寄りの縁部に端部がそれぞれ固定された取っ手4(連結部材に相当)によって相互に連結されている(「両支持部材の上部を相互に連結するように配設された」との構成の一例)。これにより、装置本体2に対して両支持部材3が別個独立して移動する事態が回避されると共に、測定装置1の携行に際しては、取っ手4に手を引っ掛けて容易に持ち上げることが可能となっている。
さらに、図5に示すように、この測定装置1では、支持部材3が装置本体2の側面12よりも大きく形成されている。具体的には、この測定装置1では、両支持部材3における底面Fa側の一辺の長さ、および上面Fc側の一辺の長さが、装置本体2の両側面12における底面13a側の一辺の長さ、および上面13b側の一辺の長さよりも長く、両支持部材3における背面Fb側の一辺の長さ、および前面Fd側の一辺の長さが、装置本体2の両側面12における背面14側の一辺の長さおよび正面パネル11側の一辺の長さよりも長くなるように両支持部材3が形成されている。また、この測定装置1では、上記の第1の取付け姿勢および第2の取付け姿勢(支持部材3に対して装置本体2が実線で示す部位に位置している状態)や、第5の取付け姿勢(支持部材3に対して装置本体2が破線で示す部位に位置している状態)で取り付けられた装置本体2の両側面12の全域が側面視において支持部材3の外縁の内側に位置するように各案内ピン16を案内可能に上記の各位置Pa1〜Pd1,Pa4〜Pd4が規定されて各案内溝21が形成されている。
次に、測定装置1の使用方法について、添付図面を参照して説明する。
この測定装置1では、例えば利用者の目線の高さと同程度の高さの棚板の上に測定装置1を設置して使用する場合には、まず、固定用ねじ6を取り外した状態において、両支持部材3に対して、図5に示す矢印Dの向きで装置本体2を移動させる。この際には、各案内ピン16が各案内溝21によって位置Pa1〜Pd1に案内されて、装置本体2が支持部材3に対して、図5に実線で示す部位に位置させられる。次いで、固定用ねじ6を支持部材3の挿通孔23に挿通させて、次いで、挿通させた固定用ねじ6を装置本体2のねじ穴17にねじ込む。これにより、両支持部材3に対して装置本体2が第1の取付け姿勢で取り付けられた状態において両支持部材3に対する装置本体2の相対的な移動が規制される。続いて、両支持部材3の底面Faを設置面(この例では、棚板の上面)に接触させるようにして測定装置1を設置する。これにより、図1に示すように、第1の支持姿勢で両支持部材3によって装置本体2が支持された状態において正面パネル11が前向きとなり、利用者の目線の高さと同程度の高さに位置している表示部15の表示を好適に視認することが可能となる。
この場合、この設置姿勢(装置本体2が第1の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第1の支持姿勢の支持部材3によって支持された状態)では、支持部材3における測定装置1の奥行き方向に長い底面Faを設置面に線的(正確には、支持部材3の厚みの幅を持って線的に細長い面的:以下の説明においても同様)に接触させているため、測定装置1がぐらつくことなく、十分な安定性が確保される。また、この設置姿勢では、図5に実線で示すように、側面視において、装置本体2の側面12の全域が支持部材3の外縁部よりも内側に位置して装置本体2が支持部材3からはみ出していないため、上方からの落下物や、前方、後方または側方から移動してきた移動体が支持部材3の外縁部または外面に衝突する結果、装置本体2に対して落下物や移動体が直接的に衝突する事態が回避される。
一方、例えば、利用者が立ち上がっている状態において床面等に測定装置1を設置して使用する場合には、各案内ピン16が各案内溝21における位置Pa1〜Pd1に位置している状態のまま(支持部材3に対して装置本体2を第1の取付け姿勢で取り付けた状態:この例では、上記の第1の取付け姿勢で取り付けた状態と同様の状態)、両支持部材3の背面Fbを設置面(この例では、床面)に接触させるようにして測定装置1を設置する。これにより、第2の支持姿勢で両支持部材3によって装置本体2が支持された状態において正面パネル11が上向きとなり(図示せず)、表示部15の表示を好適に視認することが可能となる。この場合、この設置姿勢(装置本体2が第2の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第2の支持姿勢の支持部材3によって支持された状態)では、支持部材3における測定装置1の高さ方向に長い背面Fbを設置面に線的に接触させているため、測定装置1がぐらつくことなく、十分な安定性が確保される。また、この設置姿勢では、正面パネル11が前向きとなっている上記の設置姿勢と同様にして、図5に実線で示すように、側面視において、装置本体2の側面12の全域が支持部材3の外縁部よりも内側に位置して装置本体2が支持部材3からはみ出していないため、上方からの落下物や、前方、後方または側方から移動してきた移動体が支持部材3の外縁部に衝突する結果、装置本体2に対して落下物や移動体が直接的に衝突する事態が回避される。
また、例えば、利用者が椅子に腰掛けた状態において測定装置1を机上に設置して使用する場合には、固定用ねじ6を取り外した状態において、両支持部材3に対して、図5に示す矢印F1,R1の向きで装置本体2を移動させる(傾ける)。この際には、各案内ピン16が各案内溝21によって位置Pa2〜Pd2に案内され、装置本体2が支持部材3に対して、図5に一点鎖線で示す部位に位置させられる。次いで、固定用ねじ6を支持部材3の挿通孔23に挿通させて、次いで、挿通させた固定用ねじ6を装置本体2のねじ穴17にねじ込む。これにより、両支持部材3に対して装置本体2が第3の取付け姿勢で取り付けられた状態において両支持部材3に対する装置本体2の相対的な移動が規制される。続いて、両支持部材3の底面Faを設置面(この例では、机の天板の上面)に接触させるようにして測定装置1を設置する。これにより、図6に示すように、第1の支持姿勢で両支持部材3によって装置本体2が支持された状態において正面パネル11が斜め前向きとなり、利用者の目線の高さよりも僅かに低い高さに位置している表示部15の表示を好適に視認することが可能となる。この場合、この設置姿勢(装置本体2が第3の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第1の支持姿勢の支持部材3によって支持された状態)では、支持部材3における測定装置1の奥行き方向に長い底面Faを設置面に線的に接触させているため、測定装置1がぐらつくことなく、十分な安定性が確保される。
さらに、例えば、利用者が立ち上がっている状態において測定装置1を机上に設置して使用する場合や、利用者が床面等に腰掛けている状態において測定装置1を床面等に設置して使用する場合には、固定用ねじ6を取り外した状態において、両支持部材3に対して、図5に示す矢印F2,R2の向きで装置本体2を移動させる(傾ける)。この際には、各案内ピン16が各案内溝21によって位置Pa3〜Pd3に案内され、装置本体2が支持部材3に対して、図5に二点鎖線で示す部位に位置させられる。次いで、固定用ねじ6を支持部材3の挿通孔23に挿通させて、次いで、挿通させた固定用ねじ6を装置本体2のねじ穴17にねじ込む。これにより、両支持部材3に対して装置本体2が第4の取付け姿勢で取り付けられた状態において両支持部材3に対する装置本体2の相対的な移動が規制される。続いて、両支持部材3の背面Fbを設置面(この例では、机の天板の上面、または床面等)に接触させるようにして測定装置1を設置する。これにより、図7に示すように、第2の支持姿勢で両支持部材3によって装置本体2が支持された状態において正面パネル11が斜め上向きとなり、利用者の目線の高さよりもある程度低い高さに位置している表示部15の表示を好適に視認することが可能となる。この場合、この設置姿勢(装置本体2が第4の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第2の支持姿勢の支持部材3によって支持された状態)では、支持部材3における測定装置1の高さ方向に長い背面Fbを設置面に線的に接触させているため、測定装置1がぐらつくことなく、十分な安定性が確保される。
また、例えば、各種ケーブルが引き回されている床面に測定装置1を設置して使用する場合には、固定用ねじ6を取り外した状態において、両支持部材3に対して、図5に示す矢印Uの向きで装置本体2を移動(上動)させる。この際には、各案内ピン16が各案内溝21によって位置Pa4〜Pd4に案内され、装置本体2が支持部材3に対して、図5に破線で示す部位(上記の第1の取付け位置よりも上方))に位置させられる。次いで、固定用ねじ6を支持部材3の挿通孔23に挿通させて、次いで、挿通させた固定用ねじ6を装置本体2のねじ穴17にねじ込む。これにより、両支持部材3に対して装置本体2が第5の取付け姿勢で取り付けられた状態において両支持部材3に対する装置本体2の相対的な移動が規制される。続いて、両支持部材3の底面Faを設置面(この例では、床面等)に接触させるようにして測定装置1を設置する。これにより、図8に示すように、第1の支持姿勢で両支持部材3によって装置本体2が支持された状態において装置本体2の下方に十分な高さの空間が形成されるため、床面に引き回されたケーブル等が装置本体2の底面13aに接触する事態が回避される。
この場合、この設置姿勢(装置本体2が第5の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第1の支持姿勢の支持部材3によって支持された状態)では、支持部材3における測定装置1の奥行き方向に長い底面Faを設置面に線的に接触させているため、測定装置1がぐらつくことなく、十分な安定性が確保される。また、この設置姿勢では、装置本体2が第1の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第1の支持姿勢の支持部材3によって支持された設置姿勢や、装置本体2が第2の取付け姿勢で支持部材3に取り付けられると共に第2の支持姿勢の支持部材3によって支持された設置姿勢と同様にして、図5に破線で示すように、側面視において、装置本体2の側面12の全域が支持部材3の外縁部よりも内側に位置して装置本体2が支持部材3からはみ出していないため、上方からの落下物や、前方、後方または側方から移動してきた移動体が支持部材3の外縁部に衝突する結果、装置本体2に対して落下物や移動体が直接的に衝突する事態が回避される。
このように、この測定装置1では、両支持部材3a,3bおよび装置本体2の一方(この例では、装置本体2)に固定された案内ピン16と、両支持部材3a,3bおよび装置本体2の他方(この例では、支持部材3a,3b)に設けられて案内ピン16を溝内の所定の位置に案内可能な案内溝21a〜21dとで取付け機構5が構成され、支持部材3a,3bの底面Faを設置面として装置本体2を支持する第1の支持姿勢において表示部15が配設されている正面パネル11が前向きとなる第1の取付け姿勢と、支持部材3a,3bの背面Fbを設置面として装置本体2を支持する第2の支持姿勢において正面パネル11が上向きとなる第2の取付け姿勢と、第1の支持姿勢において正面パネル11が斜めの向きとなるように両支持部材3a,3bに対して装置本体2が傾いた第3の取付け姿勢と、第2の支持姿勢において正面パネル11が斜めの向きとなるように両支持部材3a,3bに対して装置本体2が傾いた第4の取付け姿勢との少なくとも4つの取付け姿勢で両支持部材3a,3bに対して装置本体2を取り付けるための複数の位置Pa1〜Pd1,Pa2〜Pd2,Pa3〜Pd3に案内ピン16を案内可能に案内溝21a〜21dが形成されている。
したがって、この測定装置1によれば、利用形態に合わせて任意の設置姿勢で設置する(各種取付け姿勢のうちから任意の取付け姿勢を選択して支持部材3に装置本体2を取り付けて設置する)ことができるだけでなく、正面パネル11を前向きにするための第1の取付け姿勢や、正面パネル11を斜め前向きにするための第3の取付け姿勢で装置本体2を取り付けた状態において第1の支持姿勢の支持部材3によって支持する設置姿勢で設置した状態においても、測定装置1の奥行き方向に長い底面Faを設置面に接触させていることで、十分な安定性を確保することができる。これにより、この測定装置1によれば、測定装置1が転倒したり落下したりする事態を回避することができるため、転倒や落下に起因する破損を防止することができる。また、両支持部材3を取っ手4(連結部材)によって相互に連結したことにより、装置本体2に対して両支持部材3が別個独立して移動する事態を回避することができるため、例えば支持部材3aの底面Fa(または背面Fb)だけが設置面に線的に接触して支持部材3bの角部が設置面に点的に接触した不安定な状態となるのを確実に回避することができる。
また、この測定装置1によれば、第1の支持姿勢において第1の取付け姿勢の装置本体2よりも装置本体2が上方に位置した状態で正面パネル11が前向きとなる第5の取付け姿勢で装置本体2を取り付けるための位置Pa4〜Pd4に案内ピン16を案内可能に案内溝21a〜21dを形成したことにより、例えば各種のケーブルが引き回されている床面等に測定装置1を設置する際に、装置本体2の下方に十分な高さの空間を設けることができるため、床面等に引き回されたケーブル等が邪魔をして測定装置1の設置状態が不安定となる事態を回避することができる。
さらに、この測定装置1によれば、各取付け姿勢において両支持部材3a,3bと装置本体2とを相互に固定して両支持部材3a,3bに対する装置本体2の移動を規制するロック機構(この例では、固定用ねじ6、ねじ穴17および挿通孔23)を備えたことにより、所望の取付け姿勢で支持部材3に装置本体2を取り付けた状態において装置本体2が利用者の意図に反して支持部材3に対して移動してしまう事態を確実に回避することができる。このため、この測定装置1によれば、表示部15の視認が良好な取付け姿勢を確実に維持することができる。
また、この測定装置1によれば、両支持部材3a,3bの上部(この例では、上面Fc側の縁部)を相互に連結するように配設された取っ手4で連結部材を構成したことにより、連結部材としての取っ手4に手をかけて測定装置1を容易に携行することができるだけでなく、両支持部材3を連結するための連結部材と、携行に際して手をかけるための取っ手とを別個に設けた測定装置と比較して、製造コスト(部品コスト)の低減を図りつつ、その重量を十分に軽量化することができる。
さらに、この測定装置1によれば、第1の取付け姿勢および第2の取付け姿勢で取り付けられた装置本体2の両側面12の全域が側面視において支持部材3の外縁の内側に位置する所定の位置(この例では、位置Pa1〜Pd1)に案内ピン16を案内可能に案内溝21a〜21dを形成したことにより、上方からの落下物や、前方、後方および側方からの移動体が装置本体2に衝突せずに支持部材3に衝突するため、落下物や移動体による装置本体2の破損を好適に回避することができる。
また、この測定装置1によれば、案内ピン16を複数の所定の位置に案内可能に案内溝21a〜21dをT字状または十字状(この例では、十字状)に形成したことにより、複雑な形状の案内溝を採用した構成と比較して、各案内溝21a〜21d内での案内ピン16の引っ掛かりを招くことなく、各案内ピン16を所望の位置に向けてスムーズに案内させることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、側面視長四角の平板状に形成した支持部材3を有する測定装置1を例に挙げて説明したが、支持部材の外形は長四角に限定されず、第1の支持姿勢において設置面に接する面(上記の支持部材3における底面Faに相当する面)と、第2の支持姿勢において設置面に接する面(上記の支持部材3における背面Fbに相当する面)とを有している限り、任意の外形を採用することができる。例えば、図9に示す測定装置1Aでは、上記の測定装置1における支持部材3a,3bに代えて、側面視コ字状の支持部材33a,33b(以下、区別しないときには「支持部材33」ともいう)を備えている。この場合、この測定装置1Aでは、支持部材33aが左支持部材に相当し、支持部材33bが右支持部材に相当する。なお、この測定装置1Aにおいて前述した測定装置1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この測定装置1Aでは、前述した測定装置1と同様にして、第1の支持姿勢において測定装置1Aの奥行き方向に長い底面Faを設置面に接触させ、第2の支持姿勢において測定装置1Aの高さ方向に長い背面Fbを設置面に接触させて装置本体2を支持した状態で設置することができる。このため、上記の測定装置1と同様にして、いずれの支持姿勢においても、十分な安定性を確保することができる。なお、この測定装置1Aに採用されている支持部材33では、取っ手4を測定装置1の奥行き方向中央部に位置させるために上面Fcaがある程度長く形成されて側面視コ字状に形成されているが、取っ手4を装置本体2の背面14側(背面Fb寄り)に位置させる構成を採用する場合には、底面Faおよび背面Fbを有し上面Fcaが短い側面視L字状に形成することもできる。このような構成の支持部材(図示せず)を採用した場合においても、上記の支持部材3,33を有する測定装置1,1Aと同様にして、各種の支持姿勢において十分な安定性を確保することができる。
また、4つの案内ピン16と4つの案内溝21a〜21dとによって取付け機構5を構成した例について説明したが、取付け機構5を構成する案内ピンおよび案内溝の数は、4つに限定されない。例えば、図9に示す測定装置1Aでは、前述した測定装置1の支持部材3における案内溝21b,21dが形成されず、支持部材3における前面Fd側の案内溝21aと背面Fb側の案内溝21cの2つだけが形成されると共に、上記の案内溝21a,21cの2つに嵌入可能な2つの案内ピン16が装置本体2に固定されて取付け機構5が構成されている。このような構成を採用した測定装置1Aにおいても、前述した測定装置1と同様にして、左右それぞれ2組の案内ピン16および挿通孔23によって両支持部材33に対して装置本体2を所望の位置に正確に案内することができる。
また、上記の測定装置1では、支持部材3に対して装置本体2を上動させた第5の取付け姿勢で取り付ける際に各案内ピン16を位置Pa4〜Pd4に案内することができるように、十字状の案内溝21を両支持部材3に形成しているが、第5の取付け姿勢による取付けに際して各案内ピン16を位置Pa5〜Pd5(図5参照)に案内する構成を採用した場合や(第3の取付け姿勢で取り付ける際に各案内ピン16を案内する位置Pa2〜Pd2と、第4の取付け姿勢で取り付ける際に各案内ピン16を案内する位置Pa3〜Pd3との間に、第5の取付け姿勢で取り付ける際に各案内ピン16を案内する位置Pa5〜Pd5を規定した例)、第5の取付け姿勢による取付けが不要な場合には、上記の案内溝21に代えてT字状の案内溝(上記の十字状の案内溝21における交差部位から位置Pa4〜Pd4に案内するための溝が存在しない溝)を形成することができる。また、一例として、第1の取付け姿勢で取り付けるための位置Pa1〜Pd1と、図5に破線で示すように、第2の取付け姿勢で取り付けるための位置Pa6〜Pd6とを別個に規定して案内溝を形成することもできる。さらに、装置本体2に案内ピン16を固定すると共に、支持部材3,33に案内溝21を設けた測定装置1,1Aについて説明したが、装置本体に案内溝(上記の案内溝21に対応する構成)を設けると共に、支持部材に案内ピン(上記の案内ピン16に対応する構成)を固定して装置本体に支持部材を取り付ける構成を採用することもできる。