ところが、従来の測定器には、以下の問題点がある。すなわち、従来の測定器では、設置面に対して傾けた状態の測定器本体を保護カバーによって支えることで、表示部や切換スイッチ等の配設面(正面:以下、「正面パネル」ともいう)を斜め上向きに傾けた状態で使用することが可能に構成されている。しかしながら、従来の測定器では、保護カバーの係合凸部を測定器本体のストッパに係合させることで測定器本体に対する保護カバーの回動を規制する構成のため、係合凸部がストッパに係合している状態から保護カバーをさらに回動させることはできず、結果として、測定器本体をさらに大きく傾けることが困難となっている。このため、例えば机上に設置して使用する際には、上記したように保護カバーを使用して正面パネルを斜め上向きにした状態と、保護カバーを使用せずに測定器本体を水平に設置して正面パネルを真上向きにした状態とのいずれかのみしか選択することができず、従来の測定器には、測定器本体を傾ける角度の自由度が低いことに起因して、表示部の視認性や切換スイッチ等の操作性を向上させるのが困難となっているという問題点がある。
一方、上記の問題点を解決すべく、出願人は、図14に示す測定装置1xを開発している。この測定装置1xは、その正面パネル11xに表示部や操作部(図示せず)が配設された装置本体2xと、装置本体2xに対して回動可能に取り付けられた支持用脚部3ax,3bxと、装置本体2xの背面に取り付けられた4つのゴム脚5axおよび装置本体2xの底面に取り付けられた4つのゴム脚5bx(同図では、それぞれ手前側の2つのゴム脚5ax,5bxのみを図示している)とを備えている。
この測定装置1xを例えばやや低めの机上に設置して使用する際には、図15に示すように、支持用脚部3bxを装置本体2x側に収容すると共に支持用脚部3axを装置本体2xから突出させ、4つのゴム脚5axのうちの底面側の2つと支持用脚部3axとが設置面Pに接触するように設置する。この状態においては、ゴム脚5axよりも支持用脚部3axが長いため、同図に示すように、正面パネル11xが斜め上向き(真上向きよりもやや横向き)に傾いた状態となり、矢印の向きからの表示部の視認性および操作部の操作性が向上する。なお、この状態から支持用脚部3axを装置本体2x側に回動させて(収容して)4つのゴム脚5axが設置面Pに接触するように設置することで、正面パネル11xを真上向きにして使用することもできる。
一方、測定装置1xを例えばやや高めの机上に設置して使用する際には、図16に示すように、支持用脚部3axを装置本体2x側に収容すると共に支持用脚部3bxを装置本体2xから突出させ、4つのゴム脚5bxのうちの背面側の2つと支持用脚部3bxとが設置面Pに接触するように設置する。この状態においては、ゴム脚5bxよりも支持用脚部3bxが長いため、同図に示すように、正面パネル11xが斜め上向き(真横向きよりもやや上向き)に傾いた状態となり、矢印の向きからの表示部の視認性および操作部の操作性が向上する。なお、この状態において、支持用脚部3bxを装置本体2x側に回動させて(収容して)4つのゴム脚5bxが設置面Pに接触するように設置することで、正面パネル11xを真横向きにして使用することもできる。
このように、出願人が開発している測定装置1xでは、装置本体2xの背面および底面に支持用脚部3ax,3bxを取り付けたことにより、正面パネル11x(表示部や操作部)を真上向きにした状態、正面パネル11xを斜め上向きとした状態(真上向きよりもやや横向きの状態、および真横向きよりもやや上向きの状態)、および正面パネル11xを真横向きにした状態の各設置姿勢のうちから、表示部の視認性や操作部の操作性が最も向上する任意の設置姿勢を選択して使用することが可能となっている。したがって、出願人が開発している測定装置1xでは、正面パネルを真上向きにした状態、および正面パネルを斜め上向き(真横向きよりもやや上向き)にした状態の2つの設置姿勢しか選択することができない従来の測定器と比較して、その利便性が向上している。
しかしながら、今日の測定装置では、装置の小型化、軽量化および低消費電力化を図るべく、液晶パネルを採用して表示部を構成したものが増えている。この場合、液晶パネルは、CRT等と比較して、表示画面の視認性が高い視野角が狭いことが知られている。このため、出願人が開発している測定装置1xには、様々な使用環境(利用者の目線の高さや、設置面の高さの相違)に応じて表示部の傾きを一層細やかに調整して、表示画面の視認性を向上させるのが好ましいという課題が存在する。また、様々な使用環境(利用者の背の高さや、設置面の高さの相違)に応じて、操作部が配設されている正面パネル11xの傾きを一層細やかに調整して操作性を向上させるのが好ましいという課題も存在する。
本発明は、かかる問題点や改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、様々な使用環境下における表示部の視認性や操作部の操作性を向上し得る測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、装置本体、および当該装置本体を支持する支持部材を備えて、設置面に対して当該装置本体を傾けた状態で設置可能に構成された測定装置であって、前記支持部材が、前記装置本体の側面を取り囲むようにして配設される枠部と、当該枠部の四隅に取り付けられて当該枠部を支持する4つの脚部と、前記設置面に対して平行となるように前記枠部に配設される回動軸とを備え、前記装置本体を前記設置面から離間させた状態で前記回動軸を中心として回動可能に軸支すると共に、前記4つの脚部を前記設置面に接触させることで前記枠部の開口面を上向きにした状態で前記装置本体を軸支する第1の支持姿勢、および当該4つの脚部のうちの2つを当該設置面に接触させることで当該開口面を横向きにした状態で当該装置本体を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。
また、請求項2記載の測定装置は、装置本体、および当該装置本体を支持する支持部材を備えて、設置面に対して当該装置本体を傾けた状態で設置可能に構成された測定装置であって、前記支持部材は、底板および背板で形成される側面視L字状のベース部と、当該ベース部に取り付けられたステーと、前記設置面に対して平行となるように前記ステーに配設される回動軸とを備え、前記装置本体を前記設置面から離間させた状態で前記回動軸を中心として回動可能に軸支すると共に、前記底板を前記設置面に対向させた状態で当該装置本体を軸支する第1の支持姿勢、および前記背板を前記設置面に対向させた状態で前記装置本体を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。
さらに、請求項3記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記回動軸としての第1の固定用ねじと、前記支持部材に対する前記装置本体の回動を規制する第2の固定用ねじとを備え、前記支持部材には、前記第1の固定用ねじを挿通させる第1の挿通孔、および前記第2の固定用ねじを挿通させる第2の挿通孔が形成され、前記装置本体には、前記第1の固定用ねじをねじ込み可能な第1のねじ穴、および前記第2の固定用ねじをねじ込み可能な複数の第2のねじ穴が形成され、前記各第2のねじ穴は、前記第1の挿通孔を介して前記第1の固定用ねじが前記装置本体における前記第1のねじ穴にねじ込まれている状態において前記第2の挿通孔を介して前記第2の固定用ねじを当該装置本体にねじ込み可能な位置に形成されている。
また、請求項4記載の測定装置は、請求項3記載の測定装置において、前記装置本体には、前記第1のねじ穴が複数形成され、前記各第1のねじ穴は、前記第2の挿通孔を介して前記第2の固定用ねじが前記複数の第2のねじ穴のいずれかにねじ込まれている状態において前記第1の挿通孔を介して前記第1の固定用ねじを当該装置本体にねじ込み可能な位置に形成されている。
請求項1記載の測定装置では、装置本体を支持する支持部材が、装置本体の側面を取り囲むようにして配設される枠部と、枠部の四隅に取り付けられて枠部を支持する4つの脚部と、設置面に対して平行となるように枠部に配設される回動軸とを備え、装置本体を設置面から離間させた状態で回動軸を中心として回動可能に軸支すると共に、4つの脚部を設置面に接触させることで枠部の開口面を上向きにした状態で装置本体を軸支する第1の支持姿勢、および4つの脚部のうちの2つを設置面に接触させることで開口面を横向きにした状態で装置本体を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。したがって、この測定装置によれば、第1の支持姿勢および第2の支持姿勢のいずれにおいても回動軸を中心として支持部材に対して装置本体を回動させることができるため、表示部や操作部が配設された面(正面パネル)が所望の向きを向くように装置本体を傾けた状態で使用することができる。これにより、この測定装置によれば、例えば視認性が良好な視野角が狭い液晶パネル等を採用して表示部を構成したとしても、装置本体を任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において表示部の視認性を十分に向上させることができると共に、操作部の操作性が良好となる任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において操作部を正確に操作することができる。また、この測定装置によれば、装置本体の側面を取り囲むようにして配設された枠部によって装置本体が保護されるため、測定装置を誤って落下させたり、測定装置上に誤って物品を落下させたりしたときに、装置本体が破損する事態を回避することが可能となる。
また、請求項2記載の測定装置では、装置本体を支持する支持部材が、底板および背板で形成される側面視L字状のベース部と、ベース部に取り付けられたステーと、設置面に対して平行となるようにステーに配設される回動軸とを備え、装置本体を設置面から離間させた状態で回動軸を中心として回動可能に軸支すると共に、底板を設置面に対向させた状態で装置本体を軸支する第1の支持姿勢および背板を設置面に対向させた状態で装置本体を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。したがって、この測定装置によれば、第1の支持姿勢および第2の支持姿勢のいずれにおいても回動軸を中心として支持部材に対して装置本体を回動させることができるため、表示部や操作部が配設された面(正面パネル)が所望の向きを向くように装置本体を傾けた状態で使用することができる。これにより、この測定装置によれば、例えば視認性が良好な視野角が狭い液晶パネル等を採用して表示部を構成したとしても、装置本体を任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において表示部の視認性を十分に向上させることができると共に、操作部の操作性が良好となる任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において操作部を正確に操作することができる。
さらに、請求項3記載の測定装置では、回動軸としての第1の固定用ねじと、支持部材に対する装置本体の回動を規制する第2の固定用ねじとを備え、第1の固定用ねじを挿通させる第1の挿通孔、および第2の固定用ねじを挿通させる第2の挿通孔が支持部材に形成されると共に、第1の固定用ねじをねじ込み可能な第1のねじ穴、および第2の固定用ねじをねじ込み可能な複数の第2のねじ穴が装置本体に形成され、各第2のねじ穴が、第1の挿通孔を介して第1の固定用ねじが装置本体における第1のねじ穴にねじ込まれている状態において第2の挿通孔を介して第2の固定用ねじを装置本体にねじ込み可能な位置に形成されている。したがって、この測定装置によれば、表示部の視認性や操作部の操作性が良好となるように支持部材に対して装置本体を回動させた状態を確実に維持することができる。
また、請求項4記載の測定装置によれば、第2の挿通孔を介して第2の固定用ねじが複数の第2のねじ穴のいずれかにねじ込まれている状態において第1の挿通孔を介して第1の固定用ねじを装置本体にねじ込み可能な位置に第1のねじ穴を複数形成したことにより、装置本体に対して第1の固定用ねじをねじ込む位置の組み合わせが多くなるため、支持部材に対する装置本体の回動パターンが増える結果、表示部の視認性や操作部の操作性を一層良好とすることができる。
以下、本発明に係る測定装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1,2に示す測定装置1は、本発明に係る測定装置の一例であって、装置本体2およびプロテクタ3を備えて構成されている。装置本体2は、一例として図示しない測定回路等を収容する筐体(箱体)を備え、その正面パネル11には、表示部12および操作部13が配設されている。この場合、表示部12は、一例として、液晶パネルを備えて各種表示画面を表示可能に構成されている。また、図2に示すように、装置本体2の筐体における長手方向の端に位置して互いに対向する一対の側面には、装置本体2をプロテクタ3に軸支させるための(固定用ねじ4,4をねじ込むための)ねじ穴15がそれぞれ形成されている(同図では、一方の側面に形成されたねじ穴15のみを図示している。
一方、プロテクタ3は、固定用ねじ4,4(本発明における「回動軸」の一例)と相俟って本発明における支持部材を構成し、図1,2に示すように、4つの脚部21と、フレーム22(本発明における枠部)とを備えて装置本体2よりも一回り大きい四角枠状(長方形枠状)に形成されている。また、フレーム22の長手方向の端に位置して互いに対向する一対の枠片22aには、固定用ねじ4,4の挿通が可能な挿通孔25がそれぞれ形成されている。この場合、このプロテクタ3では、両固定用ねじ4,4が設置面P(図3参照)に対して平行となるように挿通孔25,25が形成されている。さらに、プロテクタ3は、その表面が弾性材料(一例として、エラストマー樹脂)でコーティングされている。この場合、この測定装置1では、フレーム22の挿通孔25を挿通させた固定用ねじ4を装置本体2のねじ穴15にねじ込むことにより、固定用ねじ4を介して装置本体2がプロテクタ3によって軸支される構成(装置本体2が回動可能に支持される構成)が採用されている。
また、この測定装置1では、図3,4に示すように、プロテクタ3の4つの脚部21を設置面Pに接触させることでフレーム22の開口面22bが上向き(真上向き)となっている状態で装置本体2を支持する支持姿勢(本発明における第1の支持姿勢)と、図5〜7に示すように、4つの脚部21のうちの2つを設置面Pに接触させることで開口面22bが横向き(真横向き)となっている状態で装置本体2を支持する支持姿勢(本発明における第2の支持姿勢)との2種類の姿勢のいずれかで設置可能にプロテクタ3が構成されている。さらに、この測定装置1は、固定用ねじ4を緩めることでプロテクタ3に対する装置本体2の回動が許容されて、固定用ねじ4を締め込むことでプロテクタ3に対する装置本体2の回動が規制される構成が採用されている。
この測定装置1を例えばやや低めの机上に設置して使用する際には、図3に示すように、プロテクタ3の4つの脚部21を設置面Pに接触させて、フレーム22の開口面22bが上向きとなるように(真上向きとなるように)設置する。この場合、利用者が同図の左側に位置しているときには、固定用ねじ4を緩めてプロテクタ3に対して装置本体2を矢印Aの向き(同図における反時計回り:装置本体2の上端部が利用者に近付く向き)で回動させ、図4に示すように、正面パネル11が斜め上向き(真上向きよりもやや横向き)となるように設置面Pに対して装置本体2を傾ける。
この場合、この測定装置1では、装置本体2がプロテクタ3によって設置面Pから離間させられた状態で固定用ねじ4,4によって軸支されているため、利用者の目線の高さや背の高さ、および設置面P(この例では、机の上面)の高さに応じて装置本体2を自由に回動させることが可能となっている。したがって、表示部12の視認性や操作部13の操作性が良好となる任意の角度まで装置本体2を回動させ、その状態において、固定用ねじ4をねじ込む。これにより、矢印の向き(利用者からの向き)からの表示部12の視認性や操作部13の操作性が十分に良好となっている状態で、測定装置1を使用した各種の測定処理を実行することが可能となる。
一方、この測定装置1を例えばやや高めの机上に設置して使用する際には、図5に示すように、プロテクタ3における4つの脚部21のうちの2つを設置面Pに接触させて、フレーム22の開口面22bが横向き(真横向き)となるように設置する。この場合、利用者が同図の左側において立っているとき(利用者の目線や腕が測定装置1よりも高いとき)には、固定用ねじ4を緩めてプロテクタ3に対して装置本体2を矢印B1の向き(同図における時計回り:装置本体2の上端部が利用者から遠離る向き)で回動させ、図6に示すように、正面パネル11が斜め上向き(真横向きよりもやや上向き)となるように設置面Pに対して装置本体2を傾ける。この場合、前述したように、この測定装置1では、装置本体2を自由に回動させることが可能となっているため、表示部12の視認性や操作部13の操作性が良好となる任意の角度まで装置本体2を回動させ、その状態において、固定用ねじ4をねじ込む。これにより、矢印の向き(利用者からの向き)からの表示部12の視認性や操作部の操作性が十分に良好な状態となる。
また、例えば、利用者の目線や腕の高さよりも高い位置に測定装置1を設置して使用する際には、図5に示すように、フレーム22の開口面22bが横向きとなるように設置した後に、プロテクタ3に対して装置本体2を矢印B2の向き(同図における反時計回り:装置本体2の上端部が利用者に近付く向き)で回動させ、図7に示すように、正面パネル11が斜め下向き(真横向きよりもやや下向き)となるように装置本体2を傾ける。これにより、矢印の向き(利用者からの向き)からの表示部12の視認性や操作部13の操作性が十分に良好な状態となる。このように、この測定装置1では、プロテクタ3に対して装置本体2を回動させることで、表示部12の視認性や操作部13の操作性が向上する任意の角度で装置本体2を傾けて使用することが可能となっている。
また、この測定装置1では、装置本体2の外形よりも大きい四角枠状に形成したプロテクタ3によって装置本体2を支持する構成が採用されている。このため、この測定装置1では、図3〜7のいずれの設置姿勢においても、装置本体2の周囲に存在するプロテクタ3のフレーム22(4つの枠片22a)によって装置本体2が保護された状態となっている。したがって、測定装置1を誤って落下させたとしても、装置本体2が設置面Pに直接当接する事態が回避され、また測定中に例えば冊子等の物品を測定装置1に向けて落下させたとしても、物品が装置本体2に直接当接する事態が回避される。また、プロテクタ3が弾性材料(この例では、エラストマー樹脂)でコーティングされているため、プロテクタ3や、設置面P(机の上面など)の傷付きが回避されると共に、設置面Pに対してプロテクタ3が滑り難くなっている。
さらに、出願人が開発している従来の測定装置1xでは、細い(小さな)支持用脚部3ax,3bxによって比較的重い装置本体2xを支持する構成が採用されており、支持用脚部3ax,3bxによって測定装置1xを傾けている状態において測定装置1x上に物品を誤って落下させたときには、支持用脚部3ax,3bxを破損するおそれがある。これに対して、十分に大きなプロテクタ3(支持部材)によって装置本体2を支持する構成の測定装置1では、測定装置1上に物品を落下させたとしてもプロテクタ3の破損を回避することが可能となっている。また、十分に大きなプロテクタ3によって装置本体2を支持する(軸支する)構成の測定装置1では、装置本体2を傾けた状態において例えば利用者の手が装置本体2に当たったとしても、測定装置1が転倒する事態を回避することが可能となっている。
このように、この測定装置1によれば、装置本体2を支持するプロテクタ3が、4つの脚部21と、装置本体2の側面を取り囲むようにして配設されるフレーム22と、設置面Pに対して平行となるようにフレーム22に配設される固定用ねじ4,4とを備え、装置本体2を設置面Pから離間させた状態で固定用ねじ4,4を中心として回動可能に軸支すると共に、4つの脚部21を設置面Pに接触させることでフレーム22の開口面22bを上向きにした状態で装置本体2を軸支する第1の支持姿勢、および4つの脚部21のうちの2つを設置面Pに接触させることで開口面22bを横向きにした状態で装置本体2を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。
したがって、この測定装置1によれば、本発明における第1の支持姿勢および第2の支持姿勢のいずれにおいても固定用ねじ4,4を中心としてプロテクタ3に対して装置本体2を回動させることができるため、正面パネル11が所望の向きを向くように装置本体2を傾けた状態で使用することができる。これにより、この測定装置1によれば、例えば視認性が良好な視野角が狭い液晶パネル等を採用して表示部12を構成したとしても、装置本体2を任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において表示部12の視認性を十分に向上させることができると共に、操作部13の操作性が良好となる任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において操作部13を正確に操作することができる。また、この測定装置1によれば、装置本体2の側面を取り囲むようにして配設されたプロテクタ3(フレーム22)によって装置本体2が保護されるため、測定装置1を誤って落下させたり、測定装置1上に誤って物品を落下させたりしたときに、装置本体2が破損する事態を回避することが可能となる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、一対の固定用ねじ4,4によって装置本体2をプロテクタ3に軸支した構成の測定装置1について説明したが、図8〜図11に示す測定装置1Aのように、2つの固定用ねじ4aおよび2つの固定用ねじ4b(同図では、1つの固定用ねじ4aおよび1つの固定用ねじ4bのみを図示している)によって、装置本体2を支持する構成を採用することもできる。なお、この測定装置1Aおよび後述する測定装置1Bにおいて上記の測定装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8〜図11に示すように、測定装置1Aにおける装置本体2(筐体)の長手方向の端に位置して互いに対向する一対の側面には、装置本体2をプロテクタ3に支持させるための(固定用ねじ4a,4bをねじ込むための)複数のねじ穴として例えば各3つのねじ穴15a1〜15a3,15b1〜15b3がそれぞれ形成されている。この場合、この測定装置1Aでは、一例として、ねじ穴15b2からの距離が等しい位置にねじ穴15a1〜15a3が形成され(ねじ穴15b2を中心とする円弧上にねじ穴15a1〜15a3が形成され)ると共に、ねじ穴15a2からの距離が等しい位置にねじ穴15b1〜15b3が形成され(ねじ穴15a2を中心とする円弧上にねじ穴15b1〜15b3が形成され)ている。
また、この測定装置1Aにおけるプロテクタ3では、フレーム22の長手方向の端に位置して互いに対向する一対の枠片22aに固定用ねじ4a,4b(本発明における「第1の固定用ねじ」および「第2の固定用ねじ」)の挿通が可能な挿通孔25a,25b(本発明における「第1の挿通孔」および「第2の挿通孔」:図8参照)がそれぞれ形成されている。この場合、挿通孔25a,25bは、枠片22aの長尺方向に沿って長い長孔状に形成されている。なお、この挿通孔25a,25bを十分に長い長孔に形成することで、上記のねじ穴15a1〜15a3,15b1〜15b3については、例えば、ねじ穴15a1,15b1間の距離、ねじ穴15a2,15b2間の距離、およびねじ穴15a3,15b3間の距離が互いに等しくなるように形成することもできる。
この測定装置1Aでは、正面パネル11を真上向きにする際に、図8に示すように、フレーム22に形成された両挿通孔25a,25bを介して固定用ねじ4a,4bを例えばねじ穴15a2,15b2(図9,10参照)にねじ込んだ状態において、プロテクタ3の4つの脚部21を設置面Pに接触させて、フレーム22の開口面22bが上向き(真上向き)となる状態で装置本体2を支持するように設置する(本発明における第1の支持姿勢)。これにより、真上からの表示部12の視認性や操作部13の操作性を十分に向上させることができる。この場合、ねじ穴15a2,15b2に代えて、ねじ穴15a1,15b1、または、ねじ穴15a3,15b3に固定用ねじ4a,4bをねじ込むことでも、正面パネル11が真上を向くように設置することができる。
また、一例として、図9に示すように、固定用ねじ4aを本発明における第1の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15a2を本発明における第1のねじ穴として機能させて挿通孔25aを介してねじ穴15a2に固定用ねじ4aをねじ込んだ状態において、固定用ねじ4bを本発明における第2の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15b3を本発明における第2のねじ穴として機能させて挿通孔25bを介してねじ穴15b3に固定用ねじ4bをねじ込むことにより、プロテクタ3に対して装置本体2を傾けて(固定用ねじ4aを回動軸として図8に示すC1の向きに装置本体2を回動させて)、正面パネル11が斜め上向き(真上向きよりもやや横向き)となるように設置することもできる。これにより、矢印の向きからの表示部12の視認性や操作部13の操作性を十分に向上させることができる。この際に、固定用ねじ4bをねじ穴15b3にねじ込んだ状態において、固定用ねじ4aをねじ穴15a1にねじ込むことで、装置本体2をさらに大きく傾けることもできる(図示せず)。
一方、正面パネル11を横向きにする際には、挿通孔25a,25bを介して固定用ねじ4a,4bの双方を例えばねじ穴15a2,15b2にねじ込んだ状態において、プロテクタ3の4つの脚部21のうちの2つを設置面Pに接触させて、フレーム22の開口面22bが横向き(真横向き)となる状態で装置本体2を支持するように設置する(本発明における第2の支持姿勢:図示せず)。これにより、真横からの表示部12の視認性や操作部13の操作性を十分に向上させることができる。この場合、ねじ穴15a2,15b2に代えて、ねじ穴15a1,15b1、または、ねじ穴15a3,15b3に固定用ねじ4a,4bをねじ込むことでも、正面パネル11が真横を向くように設置することができる。
さらに、一例として、図10に示すように、固定用ねじ4bを本発明における第1の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15b2を本発明における第1のねじ穴として機能させて挿通孔25bを介してねじ穴15b2に固定用ねじ4bをねじ込んだ状態において、固定用ねじ4aを本発明における第2の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15a3を本発明における第2のねじ穴として機能させて挿通孔25aを介してねじ穴15a3に固定用ねじ4aをねじ込むことにより、プロテクタ3に対して装置本体2を傾けて(固定用ねじ4aを回動軸として図8に示すC2の向きに装置本体2を回動させて)、正面パネル11が斜め上向き(真横向きよりもやや上向き)となるように設置することもできる。これにより、矢印の向きからの表示部12の視認性や操作部13の操作性を十分に向上させることができる。この際に、固定用ねじ4aをねじ穴15a3にねじ込んだ状態において、固定用ねじ4bをねじ穴15b1にねじ込むことで、装置本体2をさらに大きく傾けることもできる(図示せず)。
また、一例として、図11に示すように、固定用ねじ4aを本発明における第1の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15a2を本発明における第1のねじ穴として機能させて挿通孔25aを介してねじ穴15a2に固定用ねじ4aをねじ込んだ状態において、固定用ねじ4bを本発明における第2の固定用ねじとして機能させると共にねじ穴15b3を本発明における第2のねじ穴として機能させて挿通孔25bを介してねじ穴15b3に固定用ねじ4bをねじ込むことにより、プロテクタ3に対して装置本体2を傾けて(固定用ねじ4aを回動軸として図8に示すC1の向きに装置本体2を回動させて)、正面パネル11が斜め下向き(真横向きよりもやや下向き)となるように設置することもできる。これにより、矢印の向きからの表示部12の視認性や操作部13の操作性を十分に向上させることができる。この際に、固定用ねじ4bをねじ穴15b3にねじ込んだ状態において、固定用ねじ4aをねじ穴15a1にねじ込むことで、装置本体2をさらに大きく傾けることもできる(図示せず)。
このように、この測定装置1Aによれば、前述した測定装置1と同様にして、本発明における第1の支持姿勢および第2の支持姿勢のいずれにおいても固定用ねじ4aおよび固定用ねじ4bのいずれかを中心としてプロテクタ3に対して装置本体2を回動させることができるため、正面パネル11が所望の向きを向くように装置本体2を傾けた状態で使用することができる。これにより、この測定装置1Aによれば、例えば視認性が良好な視野角が狭い液晶パネル等を採用して表示部12を構成したとしても、装置本体2を任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において表示部12の視認性を十分に向上させることができると共に、操作部13の操作性が良好となる任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において操作部13を正確に操作することができる。また、この測定装置1Aによれば、装置本体2の側面を取り囲むようにして配設されたプロテクタ3(フレーム22)によって装置本体2が保護されるため、測定装置1Aを誤って落下させたり、測定装置1A上に誤って物品を落下させたりしたときに、装置本体2が破損する事態を回避することが可能となる。
また、この測定装置1Aでは、本発明における回動軸としての第1の固定用ねじ(固定用ねじ4a,4bのいずれか一方)と、プロテクタ3に対する装置本体2の回動を規制する第2の固定用ねじ(固定用ねじ4a,4bのいずれか他方)とを備え、固定用ねじ4a,4bを挿通させる第1の挿通孔および第2の挿通孔(挿通孔25a,25b)がプロテクタ3に形成されると共に、固定用ねじ4a,4bをねじ込み可能なねじ穴15a1〜15a3,15b1〜15b3(第1のねじ穴および第2のねじ穴)が装置本体2に形成され、各第2のねじ穴(例えばねじ穴15b1〜15b3)が、本発明における第1の挿通孔(例えば挿通孔25a)を介して第1の固定用ねじ(例えば固定用ねじ4a)が装置本体2における第1のねじ穴(例えばねじ穴15a2)にねじ込まれている状態において本発明における第2の挿通孔(この例では、挿通孔25b)を介して第2の固定用ねじ(この例では、固定用ねじ4b)を装置本体2にねじ込み可能な位置に形成されている。したがって、この測定装置1Aによれば、表示部12の視認性や操作部13の操作性が良好となるようにプロテクタ3に対して装置本体2を回動させた状態を確実に維持することができる。
さらに、この測定装置1Aによれば、本発明における第2の挿通孔(例えば挿通孔25b)を介して第2の固定用ねじ(例えば固定用ねじ4b)がねじ穴15b1〜15b3のいずれかにねじ込まれている状態において本発明における第1の挿通孔(この例では、挿通孔25a)を介して第1の固定用ねじ(この例では、固定用ねじ4a)を装置本体2にねじ込み可能な位置に第1のねじ穴(ねじ穴15a1〜15a3)を複数形成したことにより、装置本体2に対して固定用ねじ4a,4bをねじ込む位置の組み合わせが多くなるため、プロテクタ3に対する装置本体2の回動パターンが増える結果、表示部12の視認性や操作部13の操作性を一層良好とすることができる。
また、4つの脚部21およびフレーム22によって四角枠状に形成されたプロテクタ3を有する測定装置1,1Aについて説明したが、本発明における支持部材の構成はこれに限定されない。例えば、図12,13に示すように、測定装置1,1Aにおけるプロテクタ3に代えて、底板31および背板32を備えて側面視L字状に形成されたベース部33に固定用ねじ4を支えるためのステー34を取り付けたスタンド3B(本発明における支持部材の他の一例)によって装置本体2を軸支する構成を採用することができる。この測定装置1Bでは、図12に示すように、スタンド3Bにおけるベース部33の背板32を設置面Pに対向させた状態で装置本体2の正面パネル11を上向きにした状態で支持する支持姿勢(本発明における第2の支持姿勢)と、図13に示すように、ベース部33の底板31を設置面Pに対向させた状態で装置本体2の正面パネル11を横向きにした状態で支持する支持姿勢(本発明における第1の支持姿勢)とのいずれかの姿勢で設置可能に構成されている。
また、この測定装置1Bでは、スタンド3Bが上記の両支持姿勢のいずれの状態となるように設置した場合であっても、固定用ねじ4を回動中心としてスタンド3Bに対して装置本体2を矢印D1,D2の向きに回動させる(傾ける)ことが可能となっている。これにより、図12,13に示すように、装置本体2の傾きに応じて矢印の向きからの表示部12の視認性や操作部13の操作性が十分に良好な状態となる。
このように、この測定装置1Bでは、装置本体2を支持するスタンド3Bが、底板31および背板32で形成される側面視L字状のベース部33と、ベース部33に取り付けられたステー34と、設置面Pに対して平行となるようにステー34に配設される固定用ねじ4,4とを備え、装置本体2を設置面Pから離間させた状態で固定用ねじ4,4を中心として回動可能に軸支すると共に、底板31を設置面Pに対向させた状態で装置本体2を軸支する第1の支持姿勢および背板32を設置面Pに対向させた状態で装置本体2を軸支する第2の支持姿勢の少なくとも2つの姿勢で設置可能に構成されている。
したがって、この測定装置1Bによれば、上記の測定装置1,1Aと同様にして、本発明における第1の支持姿勢および第2の支持姿勢のいずれにおいても固定用ねじ4を中心としてスタンド3Bに対して装置本体2を回動させることができるため、正面パネル11が所望の向きを向くように装置本体2を傾けた状態で使用することができる。これにより、この測定装置1Bによれば、例えば視認性が良好な視野角が狭い液晶パネル等を採用して表示部12を構成したとしても、装置本体2を任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において表示部12の視認性を十分に向上させることができると共に、操作部13の操作性が良好となる任意の角度に傾けることで、様々の利用環境において操作部13を正確に操作することができる。