JP5305788B2 - 温熱具 - Google Patents

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Description

本発明は、身体の所望の部位に施用されて、該部位に対して温熱を付与する発熱具を備えた温熱具に関する。
従来、腰痛、肩こり等の緩和のために、身体に温熱を与える温熱具が使用されている。このような温熱具としては、空気の存在下で発熱する発熱体が封入された通気性の内袋と、該内袋が封入された外袋とを備えた温熱具が知られている。斯かる構成の温熱具は、使用時に外袋を開封したときに、発熱体が空気中の酸素と接触して発熱するようになされている。
このような温熱具は、内袋と外袋の二重包装であるため、製造コスト、使用時の利便性、使用後のゴミなどの点で問題があった。斯かる問題を解決すべく、外袋を具備していない一重包装の温熱具が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。これら従来の一重包装の温熱具の多くは、発熱体が封入された偏平な包装袋を備え、該包装袋の一面が、通気性シート及び該通気性シートの外面に剥離可能に接合された非通気性シートで構成され、該包装袋の他面が、非通気性シートで構成されている。このような構成の温熱具は、通気性シートに剥離可能に接合された非通気性シートを剥離して該通気性シートを露出させた状態で、身体の所望の部位に施用されて使用される。
しかし、このような従来の一重包装の温熱具は、樹脂製フィルム等から構成され比較的柔軟性に乏しい非通気性シートを備えたままの状態で身体に当接されて使用されるため、身体に対する追従性、密着性が悪く、使用感に劣るものであった。
また、この種の温熱具は使用時に所定の温度特性を発現することが重要であり、そのためには、発熱体の組成のみならず、発熱体の保存状態にも十分な配慮が必要である。例えば、被酸化性金属の反応により生じる酸化熱を利用した発熱体の内部には、被酸化性金属と共に所定量の水が該発熱体全体に均一に分布しており、使用時に該発熱体に所定の温度特性を発現させるためには、斯かる水の分布状態を維持する必要がある。一方、この種の発熱体における含水量は通常、発熱体が小さくなるほど少なくなり、また含水量が少なくなるほどそのコントロールは難しくなる。従って、特に比較的サイズの小さい発熱体を備えた温熱具は、該発熱体内の含水量や水の分布のコントロールが難しく、使用時までに水が蒸発したりあるいは水の分布が変化して不均一になったりする等の発熱体の劣化を起こしやすく、このため発熱不良等の不都合を起こしやすい。このような発熱体の保存性に関する問題は未だ解決されていない。
特許第3917607号公報 特開2002−360624号公報 特開2006−116171号公報 特開2006−306404号公報
従って本発明の目的は、長期保存が可能であり、使用感に優れる温熱具を提供することにある。
本発明は、発熱部及び該発熱部を収容する収容体を備えたシート状発熱具と、該シート状発熱具の上下に位置する一対の非通気性のシート状包装材とを備え、該発熱部が、該一対のシート状包装材間に存する密閉空間内に封入されており、前記収容体及び前記シート状包装材それぞれが、前記発熱部の外周縁から外方に延出した延出部を有し、且つ該収容体及び該シート状包装材の相対向する該延出部どうしが、該外周縁よりも外方で易剥離可能に接合されている温熱具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また本発明は、発熱部及び該発熱部を収容する収容体を備えた複数のシート状発熱具と、複数の非通気性のシート状包装材とを備え、各該シート状発熱具の上下に該シート状包装材が位置するように、該シート状発熱具と該シート状包装材とが交互に積層されており、前記複数のシート状発熱具それぞれの前記発熱部が、各該シート状発熱具の上下に位置する一対の前記シート状包装材間に存する密閉空間内に封入されており、前記収容体及び前記シート状包装材それぞれが、前記発熱部の外周縁から外方に延出した延出部を有し、且つ該収容体及び該シート状包装材の相対向する該延出部どうしが、該外周縁よりも外方で易剥離可能に接合されている温熱具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の温熱具は、未使用時には、発熱部を備えたシート状発熱具の該発熱部が非通気性のシート状包装材によって密封状態で保存されているため、該発熱部の劣化が少なく、長期保存が可能である。また使用時には、比較的柔軟性の低い前記シート状包装材を完全に取り除き、比較的柔軟性の高い前記シート状発熱具のみを身体の所望の部位に施用するようになされているため、身体に対する追従性、密着性が良好で、使用感に優れる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1には、本発明の温熱具の第1実施形態の平面図が示されている。図2は、図1におけるX−X線断面の模式図、図3は、図1に示す温熱具の一部(シート状包装材)を一部剥離した状態を示す斜視図である。第1実施形態の温熱具1は、発熱部11を備えたシート状発熱具10と、該シート状発熱具10の上下に位置する一対の非通気性のシート状包装材20,20とを備えている。発熱部11は、一対の非通気性のシート状包装材20,20間に存する密閉空間S内に封入されており、これにより使用時に所定の温度特性が発現できるように、良好な保存環境下で保存されている。
シート状発熱具10は略偏平な形状をしている。シート状発熱具10は、図4に示すように使用者の肌に密着させて使用される。図2に示すようにシート状発熱具10は、発熱部11及び該発熱部11を収容する収容体12を備えている。収容体12は扁平なものであり、複数のシート材を貼り合わせて、発熱部11が収容される密閉空間が形成されたものである。この密閉空間が発熱部11の収容部になっている。扁平な形状を有する収容体12は、使用者の肌に近い側に位置する第1の面12a、及び該第1の面12aと反対側に位置し且つ使用者の肌から遠い側に位置する第2の面12bを有している。
発熱部11は化学エネルギーを利用して発熱を起こさせる部位である。利用し得る化学エネルギーとしては、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱、酸とアルカリの中和熱、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等)の水和熱などが挙げられる。これらのうち、取り扱い性が良好であることや、発熱量が比較的大きいこと、携帯やコンパクト化が容易であることから、第1実施形態においては、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いている。
化学エネルギーを利用した発熱部11の具体的な構成は、化学エネルギーの種類に応じて適宜定められる。例えば被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いる場合には、金属粉(例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等)、触媒となる塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等)、及び水を含有した組成物から構成される。この組成物には、更に保水剤(例えば、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、木紛、吸水ポリマー等)、反応促進剤(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等)等を含有させる。
上述の成分を含有する発熱部11は、発熱シート又は発熱粉体の形態となっている。特に発熱シートの形態になっていることが、温熱具1の使用中に被酸化性金属等の偏りを防止でき、均一な発熱を行い得る点から好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。
収容体12における第1の面12a及び第2の面12bは何れも通気面になっている。ここで、通気面とは、空気が当該面を透過可能であることを意味する。通気面(通気面を構成するシート材)の通気度(JIS P8117で規定)としては、好ましくは1000〜100,000sec/100cc、更に好ましくは10,000〜50,000sec/100ccから適宜選定される。シート状発熱具10は、収容体12における第1の面12aの側が使用者の肌に対向し、第2の面12bの側が外方を向くように使用される。第2の面12bを透過してきた空気(酸素)は、収容体12内に収容されている発熱部11を構成する被酸化性金属と反応し、それによって発熱が起こる。発生した熱は、第1の面12aを通じて使用者の肌に付与される。
収容体12における第1の面12a及び第2の面12bは何れもシート材から構成されている。収容体12には、第1の面12a及び第2の面12bをそれぞれ構成するシート材を熱融着や接着等の接合手段によって互いに接合して形成された閉じた形状の環状接合部13を有している。環状接合部13は連続に形成されている。収容体12は、環状接合部13よりも内側の部分において第1の面12aと第2の面12bとが非接合状態になっている。この環状接合部13によって包囲された収容体12の非接合部分が、発熱部11の収容部である。
環状接合部13の輪郭は、平面視して各端部が丸みを帯びた略三日月形をしている。環状接合部13の輪郭は、収容体12に収容されている発熱部11の輪郭を画定するものであり、発熱部11の輪郭、即ち発熱部11の外周縁11sも、平面視して各端部が丸みを帯びた略三日月形をしている。
シート状発熱具10は、その平面視において発熱部11よりも外側の位置にフラップ部14を備えている。フラップ部14は、発熱部11の左右両側部からそれぞれ外方に延出した第1の面12aと第2の面12bから形成されており、即ち後述する収容体12の延出部12P(第1の面12aの延出部12aP、第2の面12bの延出部12bP)から形成されている。つまりフラップ部14は、発熱部11を挟んで該発熱部11の両側に一対設けられている。
各フラップ部14における第1の面12a上には、粘着剤層15がそれぞれ形成されている。粘着剤層15は、シート状発熱具21を使用者の身体に固定する固定手段としての働きを有するものである。粘着剤層15は、シート状発熱具10の平面視において発熱部11よりも外側の位置に設けられている。粘着剤層15は、未使用時においてシート状包装材20によって被覆されて保護されている。
尚、フラップ部14を形成している第1の面12aと第2の面12bとはその接する面において、部分的に接合されているか、接合されていないことが、第1の面12a上の粘着剤層15が身体から剥がれ難くできる点で好ましい。第1の面12aと第2の面12bとがその接する面の全域で接合されていると、フラップ部14が硬くなり、身体から剥がれ易くなる場合がある。
一対のシート状包装材20,20は、それぞれシート状発熱具10の第1の面12a又は第2の面12b上に位置し且つ該第1の面12a又は該第2の面12bの全面を被覆している。各シート状包装材20の輪郭は、シート状発熱具10の輪郭と略同形である。また各シート状包装材20の平面視における大きさは、シート状発熱具10の該大きさと略同じである。
シート状包装材20を構成する非通気性のシート材としては、酸素及び水蒸気を通気させないものが好ましく用いられる。このような酸素・水蒸気バリア性を有するシート材としては、例えばアルミニウム箔のような金属薄膜、シリカ蒸着フィルム、アルミ蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、特に少なくともアルミニウム箔層を有するもの(アルミニウム箔そのものを含む)が、酸素・水蒸気のバリア性の点で好ましい。
シート状包装体20の透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)は、発熱部11の所定の含水量を維持して発熱を確実に起こさせる観点から、好ましくは1.0g/(m2・24hr)以下、更に好ましくは0.3g/(m2・24hr)以下であり、また酸素透過度(JIS K7126で規定)は、発熱部11の酸化防止の観点から、好ましくは2(cc/m2・24hr・atm)以下、更に好ましくは1(cc/m2・24hr・atm)以下である。
収容体12及びシート状包装材20それぞれは、発熱部11の外周縁11sから外方に延出した延出部12P,20Pを有し、且つ収容体12及びシート状包装材20の相対向する延出部12P,20Pどうしが、発熱部11の外周縁11sよりも外方で易剥離可能に接合されている。斯かる構成によりシート状発熱具10(収容体12)と一対のシート状包装材20,20とが分離可能に一体化されている。より具体的には、収容体12及び一対のシート状包装材20,20は、何れも外周縁11sの全体から延出しており、これらの延出部12P,20Pが該外周縁11sを包囲している。相対向する(重なり合う)、収容体12の延出部12P(即ち第1の面12aの延出部12aP、第2の面12bの延出部12bP)とシート状包装材20の延出部20Pとは、発熱部11の外周縁11sよりも外方で且つ該外周縁11sの近傍に位置している環状接合部13と同位置において、互いに易剥離可能に接合されており、その接合部分は、平面視して環状接合部13と同形の閉じた形状をしている。即ち、重なり合うシート状発熱具10(収容体12)とシート状包装材20とは、環状接合部13の形成位置でのみ互いに接合されており、環状接合部13の形成位置以外の部分においては互いに非接合状態となっている。環状接合部13で包囲された一対のシート状包装材20,20の非接合部分には、発熱部11が第1の面12a及び第2の面12bの一部と共に封入されている密閉空間Sが形成されている。
ここで、「易剥離可能に接合されている」とは、相対向する(重なり合う)延出部12P,20Pどうしが、適度の力で剥離できる程度に接合された状態となっていることを意味する。易剥離可能に接合されている延出部12P(第1の面12aの延出部12aP、第2の面12bの延出部12bP)シート状包装材20との間のJIS K6854−3で規定する剥離強度は、概ね5〜20N/25mm幅程度である。
上述した易剥離可能な接合は、例えばシート状包装材20の延出部20Pにおける収容体12(第1の面12a、第2の面12b)の延出部12Pとの接合面に、公知の易剥離性接着層(イージーピール)層を設けることにより達成することができる。易剥離性接着層は、剥離容易に構成された接着層であり、一般には凝集剥離、層間剥離、界面剥離の3つのタイプがある。凝集剥離は、異種プラスチックどうしは熱溶着できない性質を利用したものであり、異種プラスチックを所定比率で混合して易剥離性接着層を構成し、フィルムどうしの熱溶着性を変えることで、剥離し易さを調整するものである。層間剥離は、共押し出しで少なくともフィルムを2層に形成し、層間の接着強度を低下させておくことで、両フィルム層を剥離容易にする。界面剥離では、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等の易接着性樹脂を利用することで剥離強度を調整している。本発明においては、「易剥離可能に接合されている」を実現し得る公知の手段を特に制限無く用いることができ、上述した易剥離性接着層のタイプも特に限定されない。
第1実施形態においては、上述したように重なり合う収容体12とシート状包装材20とは、発熱部11の外周縁11sの近傍に位置する環状接合部13の形成位置でのみ互いに易剥離可能に接合されている。つまり、シート状包装材20における、シート状包装材20(収容体12)に対して易剥離可能に接合されている部分(易剥離可能接合部分)が、発熱部11の外周縁11sの近傍のみに存している。ここで、「発熱部の外周縁の近傍」とは、発熱部11の外周縁11sから外方に10mm以内の領域を意味する。シート状包装材20における前記易剥離可能接合部分は、該シート状包装材20の延出部20P、即ち発熱部11の外周縁11sよりも外方に位置する部位に存していれば良く、例えば延出部20Pの全域が易剥離可能接合部分となっていても構わないが、上記のように易剥離可能接合部分が発熱部11の外周縁11sの近傍のみに存していると、使用時にシート状包装材20を収容体12から剥がしやすくなるなど、操作性が向上する。
図4には、以上の構成を有する温熱具1の使用方法が示されている。本使用方法は、シート状発熱具10を使用者の目の下に装着して、温熱効果によって、例えば、目の下の肌色を改善させることに使用できる方法である。先ず図1に示す未使用状態において、図3に示すように一対のシート状包装材20,20を剥がし、シート状温熱具10を完全に露出させる。剥がしたシート状包装材20,20は廃棄する。両包装材20,20は、上述したようにシート状発熱具10(収容体12)に対して易剥離可能に接合しているため、人力で容易に剥がすことができる。両包装材20,20を剥がすことによって、発熱部11が封入されていた密閉空間Sが破壊され、これにより発熱部11中の被酸化性金属が空気(酸素)と接触して発熱が起こる。
そして、露出した粘着剤層15を使用者の肌に当接させて、図4に示すようにシート状発熱具10を身体(第1実施形態では目の下)に固定する。このとき、シート状発熱具10における発熱部11の位置が、温熱効果を付与したい身体の所望の部位と一致するようにする。この状態下に発熱部11で発生した熱が使用者の肌に伝わる。皮膚に熱を付与している時間は5〜60分程度とすることが好ましい。この間の皮膚温度は37〜42℃に維持されることが好ましい。このような皮膚温度となるようなシート状発熱具10の発熱温度や発熱時間は、シート状発熱具10を構成する収容体12の透湿度、通気度や、収容体12に収容される発熱部11の組成によってコントロールすることができる。
尚、第1実施形態におけるシート状発熱具10(発熱部11)は、使用者の目の下に施用する比較的小型サイズのものであるため、肩や腰などに施用する比較的大型サイズの発熱具に比して、その内部に含まれる水の量や均一分布の維持が難しく、含水量や水の分布の変動に起因する発熱不良等の不都合が生じやすいが、第1実施形態の温熱具1においては上述したように、未使用時に発熱部11が一対のシート状包装材20,20間に存する密閉空間S内に封入されているため、このような比較的小型サイズの発熱具に特有の問題を起こしにくい。即ち本発明は、大型サイズの発熱部を有するシート状発熱具は勿論のこと、より小型サイズの発熱部を有するシート状発熱具にも有効である。小型サイズの発熱部は、その面積が概ね5〜40cm2程度のものである。
浮きや剥がれを生じることなくシート状発熱具10が使用者の身体に十分に追従するためには、シート状発熱具10は柔軟であることが好ましい。この観点から、シート状発熱具10の剛性(発熱部11の存在領域における剛性)は、1N以下、特に0.2N以下であることが好ましい。ここでいう剛性は、JIS L1096で規定する、ハンドルオメーターにより測定された剛軟性の値を意味する。
また、シート状発熱具10の厚みは特に制限されないが、良好な使用感を得る観点からは薄いことが好ましく、0.3〜2mm、特に0.3〜1mmが好ましい。尚、ここでいう厚みは、シート状発熱具10における発熱部11の存在領域の無荷重下における厚みである。
次に、第1実施形態の温熱具1を構成する部材の詳細について説明すると、シート状発熱具10を構成する収容体12において、第1の面12a及び第2の面12bは、それぞれ透湿性を有していても良く、あるいは透湿性を有していなくても(非透湿性でも)良く、温熱具の用途等に応じて適宜選択することができる。
収容体12の形態の一例として例えば、第1の面12aが非透湿性フィルムから構成され、第2の面12bが透湿性フィルム又は通気性フィルムから構成された形態が挙げられる。非透湿性フィルムとしては、各種熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられる。第2の面12bが透湿性フィルムから構成される場合、該透湿性フィルムは例えば、熱可塑性樹脂と無機フィラーとを溶融混練して押し出した溶融物をフィルム状に成形し、成形されたフィルムを一軸又は二軸延伸することで製造される。透湿性フィルムの透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)は、200〜5000g/(m2・24hr)、特に500〜1000g/(m2・24hr)であることが好ましいが、透湿度(JIS Z0208で規定)及び通気度(JIS P8117で規定)は、発熱部11の組成や量、使用形態(短時間発熱型、長時間発熱型、水蒸気発生型等)により適宜選定される。収容体12の肌触りを良好にする目的で、第1の面12aを構成するフィルム及び/又は第2の面12bを構成するフィルムの外面に、不織布等の風合いの良好なシートをラミネートしても良い。
収容体12における第1の面12aに形成される粘着剤層15としては、例えばホットメルト粘着剤を用いることができる。ホットメルト粘着剤は一般に粘着基剤、粘着付与樹脂及び軟化剤を構成成分として含有している。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。後述する他の実施形態については、先に詳述した第1実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
図5には、第2実施形態の温熱具の図2相当図が示されている。第2実施形態の温熱具1は、発熱部11を備えた複数(第2実施形態では2つ)のシート状発熱具10と、複数(第2実施形態では3枚)の非通気性のシート状包装材20とを備え、各シート状発熱具10の上下にシート状包装材20が位置するように、シート状発熱具10とシート状包装材20とが交互に積層されている。第2実施形態を構成する2つのシート状発熱具10は、温熱具1の厚み方向の略中央部に位置する1枚のシート状包装材20を挟んで、それぞれの第2の面12bどうしが対向するように積層されている。複数のシート状発熱具10それぞれは略同形で、平面視における大きさも略同じである。
複数のシート状発熱具10それぞれの発熱部11は、各シート状発熱具10の上下に位置する一対のシート状包装材20,20間に存する収容空間S内に封入されている。収容体12及びシート状包装材20それぞれは、発熱部11の外周縁11sから外方に延出した延出部12P,20Pを有し、且つ収容体12及びシート状包装材20の相対向する延出部12P,20Pどうしが、発熱部11の外周縁11sよりも外方で易剥離可能に接合されている。より具体的には、複数のシート状発熱具10は、各発熱部11の外周縁11s(あるいは環状接合部13)を略一致させて積層されており、複数の収容体12及びシート状包装材20それぞれは、何れも該外周縁11sの全体から延出して延出部12P,20Pを形成しており、これらの延出部12P,20Pが該外周縁11sを包囲している。重なり合うシート状発熱具10(収容体12)とシート状包装材20とは、第1実施形態と同様に、発熱部11の外周縁11sの近傍に位置する環状接合部13の形成位置でのみ易剥離可能に接合され分離可能に一体化されている。
以上の構成を有する第2実施形態を使用する場合には、先ず図5に示す未使用状態において、温熱具1の外面を構成する2枚のシート状包装材20のうちの何れか一方(図5において最上層又は最下層の何れか一方のシート状包装材20)を剥がし、1つのシート状温熱具10を取り出してこれを図4に示すように一方の目の下に固定する。この時点では、他のシート状温熱具10は、まだ剥がされていない一対のシート状包装材20,20間に保存されている。次いで第1実施形態と同様にして、一対のシート状包装材20,20を剥がし、もう1つのシート状温熱具10を取り出してこれを他方の目の下に固定する。その結果、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。特に第2実施形態の温熱具は、シート状発熱具10を身体の複数の部位に同時に施用する場合に有効である。また、シート状発熱具10とシート状包装材20とが交互に積層されていることにより、1枚のシート状包装材20で2つのシート状発熱具10それぞれの一面(本実施形態では第2の面12b)を被覆することができるため、シート状発熱具10の使用量を抑えることができ、これにより製造コスト及び使用後に廃棄されるゴミの量の低減を図ることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記の各実施形態においては、収容体12における第1の面12a及び第2の面12bが何れも通気面になっていたが、何れか一方(例えば第1の面12a)が非通気面であっても良い。また、本発明の温熱具は、前記実施形態のような比較的小型サイズの発熱部を有するものに限定されず、用途も例えばカイロ、温熱灸、医療用具等、幅広く適用できる。
また、前記の各実施形態において、シート状発熱具10として、本出願人の先の出願に係る特開2005−199051号公報に記載されている温熱スチームの発生が可能な湿熱シートを用いても良い。
図1は、本発明の第1実施形態の温熱具の平面図(正面図)である。 図2は、図1のX−X線断面を模式的に示した断面図である。 図3は、図1に示す温熱具の一部(シート状包装材)を一部剥離した状態を示す斜視図である。 図4は、図1に示す温熱具の使用方法の説明図である。 図5は、本発明の第2実施形態の温熱具の図2相当図(温熱具の長手方向に沿った断面の模式図)である。
符号の説明
1 温熱具
10 シート状発熱具
11 発熱部
11s 発熱部の外周縁
12 収容体
12a 第1の面
12aP 第1の面の延出部
12b 第2の面
12bP 第2の面の延出部
12P 収容体の延出部
14 フラップ部
15 粘着剤層
20 シート状包装材
20P シート状包装材の延出部
S 一対のシート状包装材間に存する密閉空間

Claims (7)

  1. 被酸化性金属及び水を少なくとも含有する発熱部及び該発熱部を収容する収容体を備えた複数のシート状発熱具と、複数の非通気性のシート状包装材とを備え、各該シート状発熱具の上下に該シート状包装材が位置するように、該シート状発熱具と該シート状包装材とが交互に積層されており、
    前記収容体が、使用者の肌に近い側に位置する第1の面及びそれと反対側に位置し且つ使用者の肌から遠い側に位置する第2の面を有し、該第1の面及び該第2の面が、何れも空気が透過可能な通気面であり、
    前記複数のシート状発熱具それぞれの前記発熱部が、各該シート状発熱具の上下に位置する一対の前記シート状包装材間に存する密閉空間内に封入されており、
    前記収容体及び前記シート状包装材それぞれが、前記発熱部の外周縁から外方に延出した延出部を有し、且つ該収容体及び該シート状包装材の相対向する該延出部どうしが、該外周縁よりも外方で易剥離可能に接合されている温熱具。
  2. 前記シート状包装材の透湿度が1.0g/(m2・24hr)以下である請求項1記載の温熱具。
  3. 前記シート状包装材が少なくともアルミニウム箔層を有する請求項1又は2記載の温熱具。
  4. 前記シート状発熱具が、使用者の肌に密着させて使用される請求項1〜の何れか一項に記載の温熱具。
  5. 記シート状発熱具が、前記発熱部の左右両側部からそれぞれ外方に延出した前記第1の面と前記第2の面とがその接する面において部分的に接合されて形成されているか、又は前記第1の面と前記第2の面とがその接する面において接合されていないで形成されているフラップ部を有している請求項1〜の何れか一項に記載の温熱具。
  6. 前記第1の面上に、前記シート状発熱具を使用者の身体に固定する粘着剤層が設けられており、
    複数の前記シート状包装材は、それぞれ、その輪郭が前記シート状発熱具の輪郭と略同形であり、前記第1の面又は前記第2の面の全面を被覆している請求項5記載の温熱具。
  7. 前記フラップ部おける前記第1の面上に、前記シート状発熱具を使用者の身体に固定する固定手段が設けられている請求項記載の温熱具。
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