JP5304490B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルム、ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムが提案されている。ポリイミドからなるフィルムは耐熱性に優れ、また、強靭であるのでフィルムを薄くできるという長所を備えている。また、透明性を持たせることで、発光機器、表示機器、光伝送装置、光演算機器の一部としての利用が出来る部材となる。
これらのポリイミドフィルムは、一般的に耐熱性を持たせると、ポリイミドフィルムの着色が著しくて透明性を要求される回路の製造に適さない点等が問題となり、使用できる分野が限定される。
低温ポリシリコン薄膜トランジスタの作成においては、脱水素化工程において、450℃2時間といった処理も必要な場合がある。 また、水素化アモルファスシリコン薄膜作成には200℃から300℃程度の温度を基板に加える事がありえる。このような高温で使えるものが待ち望まれていた。
回路配線作成時に、精密な位置決めをして、多層に薄膜作成、回路形成など行なう際、寸法安定性に劣る形状の変わるフィルムではデバイス作成のための位置決め困難の為、寸法安定性に優れた固い基板に固定し、デバイス作成後にこの固い基板を剥がす方法において、フィルムと基板との剥離がスムースに実施できかつプロセス通過において剥離することのない剥離強度を有する積層体が求められていた。これによって、従来の電子デバイス作成プロセスをそのまま使い、フィルム上のデバイス作成が安定的に精度よく実施することができる。
また、フィルムを剥がす事無くそのままで、金属放熱板付き基板として放熱機能を付け加えたもの、金属補強基板による耐久性、耐衝撃性向上した基板として、使用することも出来る。ガラス付き基板として、ガラスのわれを防止するものとして、或は、屈折率差を利用した光学部品として、或は、ポリイミドの加工性を利用した、光拡散、反射防止機能を併せ持った、半導体付加部品として、使用することも出来る。
また、薄型化が進む単結晶および多結晶Siによる太陽電池には薄くなる為、割れ易く、プロセス中のハンドリング、そして、出来上がった後の耐久性に問題があったが、ポリイミドフィルムを貼ることによる補強基板としての利用もできる。
また、ウエハ上にワニスを塗り、その後に剥がしてフィルム化した場合は、ウエハに同心円状の膜厚分布が出来ることや、フィルムの表と裏での構造の違いから、剥がしたときに反りのでるフィルムとなること、適度な剥離強度を維持し剥離を持ち、フィルムとして物性を保たせる事が難しく、別途作成したフィルムを貼る場合にはウエハ、ガラスなどの狭い面積での膜厚はきわめて同一性が高く、先に回路を作った後で貼り付けることも、貼り付けた後で、回路を作成することも可能となり、回路製作に適している。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.無機層とポリイミドフィルム層との間にシランカップリング層を有する積層体であって、該無機層は、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、該ポリイミドフィルムは脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類及びジイソシアネート類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、脂肪族テトラカルボン酸類又は脂肪族トリカルボン酸類との反応によって得られるポリイミドからなり、その厚さが50μm以下で波長500nmでの光線透過率が65%以上で、該シランカップリング層の厚さが100nm以下であり、該無機層と該ポリイミドフィルムとの180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることを特徴とする積層体。
2.該ポリイミドフィルムの厚さが1μm〜50μmであり、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子を含有しないことを特徴とする1.に記載の積層体。
3.該ポリイミドフィルムが下記の一般式1で示される繰り返し単位を有するポリイミドフィルムであることを特徴とする1.又は2.いずれかに記載の積層体。
4.1.〜3.のいずれかに記載の該積層体の該ポリイミドフィルム上に、電気回路を含む半導体素子が形成されてなる半導体素子付加積層体。
5.半導体素子が太陽電池であることを特徴とする、4.に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板.
6.半導体素子が薄膜トランジスターを含むことを特徴とする4.に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板。
7.半導体素子が論理回路を含むことを特徴とする請求項.に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板。
8.少なくとも無機層とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成された半導体素子付加積層体の製造方法であって、該ポリイミドフィルムは、少なくとも一面の表面粗さがP-V値で15nm以下であり、該無機層はガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の少なくとも一面をシランカップリング処理してなり、該ポリイミドフィルムの表面粗さがP-V値で15nm以下である一面と、該無機層のシランカップリング処理された面とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層することを特徴とする4.に記載の半導体素子付加積層体の製造方法。
脂肪族テトラカルボン酸類(無水物、酸、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)と芳香族或は脂肪族ジアミン類(アミン、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を流延、乾燥、熱処理(イミド化)してフィルムとなす方法で得られるポリイミドフィルムである。これらの溶液に用いられる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本発明におけるポリイミドは、下記の脂肪族ジアミン類と脂肪族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい。例として式1中のR1がシクロヘキサン環と脂肪族ジアミン類との組み合わせ、が挙げられる。
4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−
ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの他の芳香族テトラカルボン酸類の配合量は、使用する全テトラカルボン酸類の50モル%以下であることが好ましい。
<芳香族テトラカルボン酸無水物類>
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルム)を得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
また、これらの一部をトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤で置き換えることも可能である。
これらの微粒子はフィルムに対して好ましくは、0.20〜2.0質量%の範囲で含有させることが必要である。微粒子の含有量が0.20質量%未満であるときは、接着性の向上がそれほどなく好ましくない。一方2.0質量%を超えると表面凹凸が大きくなり過ぎ接着性の向上が見られても平滑性の低下を招くなどによる課題を残し好ましくない。
後述する接着剤層を薄くするためには、滑材の粒子径は接着剤層厚に比べ同程度かそれ以下である事が望ましい。ただし、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子は入っていない。このことにより、無機層と接している側のポリイミド層は平滑となり、平滑な無機層との原子レベルで見た接触確率が上がり、接着に好適となる。また好ましくは、無機層と接している側のポリイミド層の5μm以上の部分が20nm以上長径を持つ粒子は入っていない事が好ましい。
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
このうち好ましいものとしては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
プロセスで耐熱性を要求する場合、Siとアミノ基などの間を芳香族でつないだものが望ましい。
AL2O3、Mullite、AlN、SiC、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb-BSG+CaZrO3+Al2O3、 Crystallized glass+Al2O3、 Crystallized Ca-BSG, BSG+Quartz、 BSG+ Quartz, BSG+ Al2O3、 Pb-BSG+Al2O3、 Glass−ceramic、ゼロデュア材などの基盤用セラミックスが含まれる。
シリコンウエハのほか、ゲルマニウム、シリコンーゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモンがよく用いられている。InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛) などの汎用の半導体ウエハが含まれる。
圧力が高いと、基板を破損する恐れがあり、圧力が低いと、密着しない部分が出る場合がある。好ましい温度としては150℃から400℃、更に好ましくは250℃から350℃で温度が高いと、フィルムにダメージを与え、温度が低いと、密着力が弱い。
本発明におけるプラズマ処理は、特に限定されるものではないが、真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII法を使った処理、フレーム処理、イトロ処理なども含める。これらの中でも真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理が好ましい。
ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属とポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で15nm以下より好ましくは10nm以下である面と積層することで、張り合わされた面の表面粗さがP-V値で15nm以下であることでより強固に両者が密着し、さらに両者の線膨張係数の乖離が殆ど無く、そのため無機基板に積層された状態で電子デバイス作成時の高温に曝された際にも両者の剥離やフィルムの歪みが発生せず、精度よくデバイスを作成し得る。ポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で2nm以下のものを、作成して、維持することは困難である為に、実質のポリイミドフィルムの張り合わされた面が表面粗さで、P-V値で2nm以上となる。
さらに無機基板とポリイミドフィルムとの両者間の180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることが好ましい。180度剥離強度を1.5N/cm以上より好ましくは2N/cm以上更に好ましくは3N/cm以上とすることによって、デバイス作成時の熱や応力によって剥がれず、かつ180度剥離強度を10N/cm以下より好ましくは5N/cm以下とすることにより無機基板に、無理な応力をためる事無く、安定的なデバイス作成が実施できる。
ただし、シランカップリング剤に由来する層は、耐熱性がある酸化ケイ素成分が多く、400度程度の温度での耐熱性があり、このシランカップリング剤由来する層は0.4μm未満、通常作成すると、0.2μm以下程度となり、使用する範囲として100nm以下(0.1μm以下)望ましくは、50nm以下、更に望ましくは10nmである。極力シランカップリング剤が少ないことを望むプロセスでは、5nm以下でも使用可能である。1nm以下では、剥離強度が低下或は、部分的に付かない部分が出る恐れがあるため、1nm以上であることが望ましい。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし光電変換層を何層か積み重ねた構成なども、PVD,CVDでの作製ならば、本発明の太陽電池といえる。本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよく、保護層や公知補助手段を付加してもよいものである。
上記一対の電極層における一方の電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、フィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばCVD(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In2O3、SnO2、ZnO、Cd2SnO4、ITO(In2O3 にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属薄膜である。また、一部の電極引き出しで、Agペーストといった真空を利用しない膜形成を使用しても、本発明の太陽電池といえる。
薄膜シリコン層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得られるシリコン層である。
無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。実質的に結晶性をもたないことは、X線を照射しても回折ピークを与えないことによって確かめることができる。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。上述の無定形シリコン層とは、X線の照射により回折ピークを与えることによって区別される。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。
本発明で用いる光電変換層は、シリコン系半導体層に限られず、例えば、厚膜半導体層であってもよい。厚膜半導体層とは酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などのペーストから形成される半導体層である。
半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiH4にフォスフィン(PH3)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiH4ガスのみで約500nmのa−Si(i層)を形成し、続いてSiH4にジボラン(B2H6)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
かくして、本発明の好適な態様例である、透明電極/p型a−Si/i型a−Si/n型a−Si/金属電極/ポリイミドフィルムの順で積層されてなるフィルム状太陽電池が得られる。また、p層をa−Si、n層を多結晶シリコンとして、両者の間に薄いアンド−プa−Si層を挿入した構造にしてもよい。特に、a−Si/多結晶シリコン系のハイブリッド型にすると、太陽光スペクトルに対する感度が改善される。
太陽電池の作成においては、上記構成に加えて、反射防止層、表面保護層などを付加せしめてもよい。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
2.ポリイミドフィルムなどの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
JIS C6471 の180度剥離法に従って、試料の剥離強度は下記条件で180度剥離試験を行うことで求めた。
装置名 ; 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 50mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
表面形態の計測は表面物性評価機能付走査型プローブ顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製SPA300/SPI3800N)を使用した。計測はDFMモードで行い、カンチレバーはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DF3又はDF20を使用した。スキャナーはFS−20Aを使用し、走査範囲は2μm四方、測定分解能は512×512ピクセルとした。計測像については二次傾き補正を行った後、装置付属のソフトウエアでPV値を算出した。
測定対象の無機粒子を後述のように溶媒に分散し、堀場製作所社製のレーザー散乱式粒度分布計LB−500により粒子径分布を求め、重量(体積)平均粒子径とCV値を算出した。
分光光度計(日立製作所U−3210)を用いて、波長領域500nmにおける光線透過率を測定した。
(ポリイミド溶液A1〜A2の作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10.0g(0.05mol)とN−メチルー2−ピロリドン85gを仕込んで溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ニ無水物11.2g(0.05mol)を室温にて固体のまま分割添加し、室温下12時間攪拌した。次に共沸溶媒としてキシレン30.0gを添加して180℃に昇温して3時間反応を行い、共沸してくる生成水を分離した。水の流出が終わったことを確認し、1hかけて190℃に昇温しながらキシレンを除去することで反応溶液を得た。コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表1記載量になるように加え、溶液A1、A2が得られた。
(ポリイミド溶液B1〜B2の作成)
(全脂環PI)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン7.1g(0.05mol)と1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ニ無水物11.2g(0.05mol)およびm-クレゾール73gを仕込み100℃で3時間反応させた後、さらに200℃で5時間反応させた。反応溶液を冷却した後、メタノール中に滴下、洗浄することで白色ポリマーを得た。乾燥させた白色ポリマー2gをN−メチルー2−ピロリドン18gに溶解させ、溶液が得られた。コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表2記載量になるように加え、溶液B1,B2が得られた。
(ポリイミド溶液Cの作成)
(半脂環PI)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、2,2'-ビス(トリフルオロメチル) ベンジジン16.1g(0.05mol)とN−メチルー2−ピロリドン109gを仕込んで溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ニ無水物11.2g(0.05mol)を室温にて固体のまま分割添加し、室温下12時間攪拌した。次に共沸溶媒としてキシレン40.0gを添加して180℃に昇温して3時間反応を行い、共沸してくる生成水を分離した。水の流出が終わったことを確認し、1hかけて190℃に昇温しながらキシレンを除去することで反応溶液を得た。溶液Cが得られた。
(全脂環PI)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、トランス-1,4-ジアミノシクロヘキサン5.7g(0.05mol)とN−メチルー2−ピロリドン68gを仕込んで90℃で溶解させた後、室温に冷却してから1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ニ無水物11.2g(0.05mol)を固体のまま分割添加し、室温下48時間攪拌した。溶液が得られた。溶液Dが得られた。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器にシクロヘキサントリカルボン酸無水物17.8g(0.09モル)、テレフタル酸1.7g(0.01モル)、O-トリジンジイソシナネート26.4g(0.1モル)、トリエチレンジアミン0.15gを入れ、N-メチルー2−ピロリドン150gに溶解した後、窒素気流下、攪拌しながら、80〜150℃で8時間反応させることにより、透明で粘調なポリアミドイミド溶液を得た。得られたポリアミドイミドの対数粘度は0.8dl/gであった。溶液Eが得られた。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器にシクロヘキサトリカルボン酸無水物41.9g(0.1モル)、ジシクロヘキシルメタンー4,4‘−ジイソシナネート52.3g(0.1モル)、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン0.34gを入れ、γ―ブチロラクトン107gに溶解した後、窒素気流下、攪拌しながら、150〜200℃で2時間反応させた後、N-メチルー2−ピロリドン213gを加えて、200℃で1時間反応を継続させることにより、透明で粘調なポリアミドイミド溶液を得た。得られたポリアミドイミドの対数粘度は0.8dl/gであった。溶液Fが得られた。
実施例1(半脂環PI)
製造例で得られた溶液を厚み100μmのポリエステルフィルム上に最終乾燥厚みが30μmになるようコーティングし、熱風乾燥機で80℃、10分間乾燥させた後、ポリエステルフィルムより剥離した。剥離したフィルムをステンレス製の固定冶具に固定してイナートオーブン中、窒素気流下、200℃で1時間、250℃で1時間、300℃で1時間、段階的に熱処理をしてフィルムを得た。その後、自然冷却で室温にまで冷却し、ステンレス製の固定冶具からはずして、透明なフィルム1〜フィルム11のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの特性などの測定結果を表4に記載する。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)は、イソプロピルアルコールによって1%に希釈後、洗浄、乾燥済みのガラスコーニング#1737(100mmX100mm)をスピンコーターにて500rpmにて回転させそこに滴下させることで、全面を濡らした。滴下後30秒後に回転を止めると、見た目乾燥していた。これを130℃のホットプレート上で1分おき、その後に真空プレスを行なった。
真空プレスは、ロータリーポンプにて真空に引き、10+2Pa以下の真空度にて、1tの力で、300℃、10分のプレスを行なった。真空プレスを行なう前に、ポリイミド層フィルム1を使用して、このフィルムを真空プラズマ処理を行った。真空プラズマ処理は平行平板型の電極を使ったRIEモードRFプラズマによる処理で、真空チャンバー内にArガスを導入して、13.54MHzの高周波電力を導入し、処理時間は3分行なった。
評価結果などを表6に示す。
無機層をシリコンウェハーにした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表6に示す。
ポリイミド層を5μmのフィルム3にした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表6に示す。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)は、イソプロピルアルコールによって1%に希釈後、ポリイミドフィルムをこの液に浸漬した。3分浸漬後に、フィルムを取り出し、概略乾かした後に130℃の熱風乾燥機にて5分更に加熱乾燥させた。その後に洗浄し、次に200℃に加熱したヒーター付きのウエハ用真空吸着盤にて、乾燥済みのSiウエハを真空吸着した後にシランカップリング剤液に浸漬後加熱乾燥させたポリイミドフィルム1を吸着盤上のウエハにローラーにて押さえつけ貼り付けを行い、ウエハ外周形状にポリイミドフィルムを切断した後、真空プレスを行なった。
真空プレスは、ロータリーポンプにて真空に引き、10+2Pa以下の真空度にて、10MPaの圧力で、300℃、10分のプレスを行なった。真空プレスを行なう前に、ポリイミド層は、真空プラズマ処理を行った。評価結果などを表7に示す。
シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)をN-2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランにした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表7に示す。
ポリイミド層をフィルム7にしてA1面を貼付け面とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表7に示す。
ガラスをCu箔の25μm厚とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表8に示す。
SiウエハをAl2O3基板鏡面磨き面とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表8に示す。
ポリイミド層をフィルム8にしてA1面を貼付け面とした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表8に示す。
ポリイミド層を25μmのフィルム9にした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表9に示す。
ポリイミド層を25μmのフィルム10にした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表9に示す。
ポリイミド層を25μmのフィルム11にした以外は実施例1と同じようにして実施した。評価結果などを表9に示す。
実施例1で作成した積層体を作成に使うフィルムA4サイズに切断後にあらかじめ、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから積層体の作成を行なった。貼付け時に特に問題なく、実施例1と同様のフィルム貼り付けが実施できた。
この後に、開口部を有するステンレス製の枠を被せてスパッタリング装置内の基板ホルダーに固定した。基板ホルダーと、フィルム面は密着するように固定する。このため、基板ホルダー内に冷媒を流すことによってフィルムの温度を設定できる。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はアルゴンガス中で、周波数13.56MHz、出力200W、ガス圧1×10−3Torrの条件であり、処理時の温度は2℃、処理時間は2分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力450W、ガス圧3×10−3Torrの条件、ニッケル−クロム(クロム10質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてDCマグネトロンスパッタリング法により、1nm/秒のレートで厚さ7nmのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、基板の温度を2℃に設定するよう、基板のスパッタ面の裏面を2℃に温度コントロールした冷媒を中に流した、基板ホルダーのSUSプレートと接する状態でスパッタリングを行った。10nm/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させた。各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルムを得た。銅およびNiCr層の厚さは蛍光X線法によって確認した。各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルムをプラスチック製の枠に固定し、硫酸銅めっき浴をもちいて、表記載厚さの厚付銅層を形成した。電解めっき条件は電解めっき液(硫酸銅80g/l、硫酸210g/l、HCl、光沢剤少量)に浸漬、電気を1.5Adm2流した。引き続き120℃で10分間熱処理乾燥し、各フィルムからの金属化ポリイミドフィルムを得た。
次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施した。得られた金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ4μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、引き続き80℃で1分間乾燥し目的とする金属化ポリイミドフィルムを得た。
得られた金属化ポリイミドフィルムを使用し、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、ライン/スペース=100μm/100μmのライン列ををテストパターンとして形成後、0.5μm厚に無電解スズメッキを行った。その後、125℃、1時間のアニール処理を行った。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
実施例1で作成した積層体に、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから積層体の作成を行なった。フィルム部のみ穴が開いた、積層体が作成できた。
この後に貫通部、回路部作成例1と同様に、ライン/スペース=100μm/100μmのライン列をテストパターンとして作成した。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
実施例1で作成した積層体のポリイミド側に、CO2レーザーを電流値12A、周波数200Hz、ON時間24μsec、ショット回数4回にて、照射して、Φ80μmの穴を開けてから、スパッタリングとめっきにより片面にCuを2μm付けた。スパッタリングにより下地NiCr層を20nm堆積させ、真空を破る事無くその上にCu層を200nm堆積させ、その後に電解めっきによって膜厚を2μmとした。その後に、粘着剤付きPETフィルムにより、Cuの付いていない側の面に貼り付け、その後に無電解めっきによりレーザー穴部分に無電解めっき層を付けた後に更に電解めっきを行ない、レーザー穴をCuによって充填させた。
この後に貫通部、回路部作成例1と同様にして、ライン/スペース=50μm/50μmのライン列ををテストパターンとして作成した。光学顕微鏡で観察して、だれ、パターン残りの無い良好なパターンが得られた。
真空プラズマCVD装置中に、実施例1で作成した積層体100mmX100mmのものを導入し、基板温度170℃にして反応ガスをSiH4を42sccmに対して、H2を14sccm導入して、真空プラズマCVD装置中の圧力を0.15Torrとして、放電を行ない、イントリンシックSi薄膜を作成した。薄膜を、大気中に取り出しても、反り、剥がれのない薄膜を得られていた。
同様にして、実施例2から8についてもSi薄膜を作製した。薄膜を、大気中に取り出しても、反り、剥がれのない薄膜を得られていた。
これら、実施例1から8で作成した積層体を使ったSi薄膜付き積層体をN2雰囲気の加熱炉にいれ、400℃1時間後に除冷して取り出しても、反り、剥がれは生じていなかった。このことから、太陽電池薄膜、薄膜トランジスター薄膜を作成するために充分な積層体であると考えられる。
真空プレスを行なう前に、ポリイミド層は、真空プラズマ処理を行わない以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果などを表10に示す。
真空プレスを行なう前に、シランカップリング剤をSiウエハ層に使わない以外は実施例1と同じにした。評価結果などを表10に示す。
無機層を銅箔にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表10に示す。
使用するフィルムをフィルム2にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表10に示す。
使用するフィルムをフィルム5にした以外は比較例1と同様にして実施した。評価結果などを表11に示す。
ポリイミド層をフィルム7にしてA2面を貼付け面とした以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果などを表11に示す。
これらの極小薄のセンサーなどのデバイス構造体の製造にとってきわめて有意義であり、産業界への寄与は大きい。
Claims (8)
- 無機層とポリイミドフィルム層との間にシランカップリング層を有する積層体であって、該無機層は、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、該ポリイミドフィルムは脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類及びジイソシアネート類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、脂肪族テトラカルボン酸類又は脂肪族トリカルボン酸類との反応によって得られるポリイミドからなり、下記の一般式1で示される繰り返し単位を有し、その厚さが50μm以下で波長500nmでの光線透過率が65%以上で、該シランカップリング層の厚さが100nm以下であり、該無機層と該ポリイミドフィルムとの180度剥離強度が1N/cm以上10N/cm以下であることを特徴とする積層体。
- 該ポリイミドフィルムの厚さが3μm〜50μmであり、無機層と接している側のポリイミド層少なくとも3μmの部分には20nm以上長径を持つ粒子を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 該ポリイミドフィルムにプラズマ処理がなされていることを特徴とする、請求項1又は2いずれかに記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の該積層体の該ポリイミドフィルム上に、電気回路を含む半導体素子が形成されてなる半導体素子付加積層体。
- 半導体素子が太陽電池であることを特徴とする、請求項4に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板。
- 半導体素子が薄膜トランジスターを含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板。
- 半導体素子が論理回路を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体素子付加積層体を用いた半導体素子付加積層板。
- 少なくとも無機層とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体の該ポリイミドフィルム上に半導体素子が形成された半導体素子付加積層体の製造方法であって、該ポリイミドフィルムはプラズマ処理がなされており、少なくとも一面の表面粗さがP-V値で15nm以下であり、該無機層はガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機層の少なくとも一面をシランカップリング処理してなり、該ポリイミドフィルムの表面粗さがP-V値で15nm以下である一面と、該無機層のシランカップリング処理された面とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層することを特徴とする請求項4に記載の半導体素子付加積層体の製造方法。
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