JP3331153B2 - ポリイミドフィルム−金属薄膜の複合フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルム−金属薄膜の複合フィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリイミドフィルム
−金属薄膜の複合フィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】耐熱性高分子の中でポリイミドに代表さ
れる芳香族ポリマ−は、ス−パ−エンジニアリングプラ
スチックとして最良のものとされている。その特性とし
ては、耐熱性、難燃性、機械的強度、寸法安定性、耐薬
品性、電気特性などの熱的、物理的、化学的および電気
的特性が優れ、さらに信頼性も高いために、宇宙・航空
機・自動車、エレクトロニクス、ガス分離膜など種々の
先端産業への用途展開が期待されている。従来技術によ
るポリイミド等の芳香族ポリマーのフィルムと金属薄膜
との複合フィルムの製造方法は、ポリイミドフィルムと
金属薄膜を接着剤で貼り合わせるような手段でおこなわ
れていた。
【0003】しかしながら前記芳香族ポリマ−は結晶性
が高く、そのため表面が不活性であので複合化の際に
金属薄膜との接着力が弱く、芳香族ポリマ−の長所を充
分活用した複合材料の形成が困難であり、芳香族ポリマ
ー固有の耐熱性の活用も制限されているのが現状であ
る。
【0004】この問題は、ポリイミドフィルムをベ−ス
としたフレキシブルプリント配線基板(FPC)に例を
見ることができる。現状のFPCは、ポリイミドフィル
ム表面の密着力の弱さを接着剤を用いることでカバ−す
るために、ポリイミドフィルム/接着剤/銅薄膜の三層
構造になっているものがほとんどである。この三層FP
Cには接着性、耐熱性、コンタミネ−ションおよび信頼
性で問題点がある。問題点の具体例は次の通りである。 1)用いている接着剤の耐熱性が、ポリイミドフィルム
に比べて低い。たとえば、生産能率を上げるために製造
ラインをスピ−ドアップする場合には、半田付け工程の
設定温度を高くすればよいが、接着剤の耐熱温度が低い
理由で半田付け工程温度を低めにしか設定できないた
め、能率アップができない。 2)電子機器の高密度化、高速化、軽薄短小化が進めら
れている世の中の趨勢において、FPCなどを用いた実
装技術も高密度実装化へと進んでいる。その結果、従来
では起こり得なかった接着剤中への銅のマイグレ−ショ
ンの問題が起こりつつある。 3)さらにFPCの多層化を図る場合に、接着剤を用い
ると、工程を複雑化するだけでなく、各層間の電気的接
合が生じてスル−ホ−ルメッキの信頼性の問題が起こ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今後、FPCはより小
さく、より薄くとコンパクト化の一途をたどる電子技術
において、導体の幅は狭く、厚さは薄くする必要があ
る。銅にも電気抵抗があり、これに電流を流せば当然熱
が発生する。この発生熱量は放熱されなければ温度は無
制限に上昇し、素子あるいは絶縁を破壊する。通常は放
熱と発熱がうまくバランスしてある一定温度になる。例
えば、銅箔35μm,幅0.15mmに400mAの電
流を通すと、温度は約75℃上昇する。これは単純な導
体の場合であり、さらに細密な回路になるとかなり高温
まで上がると予想され、耐熱特性がますます要求されて
いる。
【0006】本発明は、機器や部品の高機能化、高集積
化に伴ったプリント基板材料の二層FPCを例として行
い、耐熱性高分子フィルムに接着剤を用いない方法とし
て、ポリイミドフィルム表面に金属薄膜を形成する技術
を確立し、FPCだけでなくTAB(テープ オートメ
イティッド ボンディング)、さらには液晶ディスプレ
イ、ハイビジョンなど大型パネルの電極膜などの導電性
複合フィルム、発熱体用フィルムなど、電気、電子産業
への応用に供する製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであって、ポリイミドフィ
ルムと金属薄膜との間に接着剤層を設けないで、ポリイ
ミドフィルムと金属薄膜の接着力を改善する方法を提供
することにある。すなわち、本発明は、ポリイミドフィ
ルムの表面をプラズマ処理する工程、該プラズマ処理し
たポリイミドフィルムをイミダゾール基を含むシランカ
ップリング剤のイミダゾールシラン溶液でカップリング
処理する工程、および該カップリング処理したポリイミ
ドフィルム表面に金属をスパッタリングまたは蒸着する
ことによって金属薄膜を形成する工程よりなることを特
徴とするポリイミドフィルム−金属薄膜の複合フィルム
の製造方法に関する。
【0008】ポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理
およびカップリング処理する工程について、以下に詳述
する。本発明で使用するポリイミドフィルムは、市販さ
れている、たとえば、東レ・デュポン社製;商品名カプ
トン200H、宇部興産社製;商品名ユーピレックス7
5S等が使用できる。本発明によるプラズマ処理は、た
とえば、図1のような平行平板電極型プラズマ装置を用
いて行うことができる。すなわち、図1のベルジャ−1
内は、密閉された空間であり、プラズマ処理時に減圧さ
れて一定圧力に保たれる。該ベルジャー1は、互いに平
行に配置された2つの電極板2を有し、電極板2の下部
電極板上に前記のポリイミドフィルム3を置き、高周波
電源4によって電極間に電圧をかけてプラズマ雰囲気を
作り出し、該プラズマ雰囲気下でガス供給路5よりガス
を供給して、該フィルムを処理するものである。なお、
6は上部電極板を支えるための電極支柱であり、7はベ
ルジャ−内のガスを排気するための排気口である。
【0009】図1のプラズマ装置の要部は、ガラス製ベ
ルジャー1の内部に2枚のアルミニウム製電極板2(1
50mm×150mm×5mm)を電極間距離60mm
に固定し、電極間中央に、試料を載せるステンレス製メ
ッシュ板8を固定したものである。処理ガスは、電極間
中央に固定したノズルからなるガス供給路5より流入さ
せる。ガス流量調節系は、マスフローコントローラーを
用いて排気量を調節する。排気系は、油回転ポンプおよ
び油拡散ポンプを反応器に直列に組み合わせて使用す
る。
【0010】本発明において使用できるプラズマ処理用
ガスは、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、乾燥空気、ア
ルゴンガス、ヘリウムガス、アンモニアガス、一酸化窒
素ガス、二酸化窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素
ガスの中から選ばれる少なくとも一種のガスである。
【0011】本発明において、プラズマ処理での高周波
(13.56MHz)電源の出力は、3W〜200Wの
範囲内、好ましくは5〜100Wの範囲内に設定する。
出力が200Wより大きいとプラズマ処理の出力が強す
ぎてポリイミドフィルムが劣化し、一方、3W未満であ
る場合、プラズマが発生しない。
【0011】本発明において、プラズマ処理圧力は、好
ましくは6.7Pa〜266Paの範囲内に設定する。
圧力が前記範囲外であるとプラズマが発生しにくく処理
効果が薄い。
【0012】本発明において、プラズマ処理照射時間
は、0.1秒〜300秒の範囲内、好ましくは0.2秒
〜120秒の範囲内に設定する。時間が0.1秒未満で
あると処理効果が薄く、一方、300秒より長いとポリ
イミドフィルムが劣化する。
【0013】本発明で使用するプラズマ処理装置は、前
記の平行平板電極型プラズマバッチ処理装置に限らず、
フィルムの巻出し、巻取りが真空槽内部に設置してある
プラズマ連続処理装置、あるいはフィルムの巻出し、巻
取り機構が外部にあるエア−・トゥ−・エア−方式など
のプラズマ処理装置を適用して行うことが可能であっ
て、プラズマ処理装置の種類は特に限定しない。
【0014】本発明によるプラズマ処理をすることによ
って、ポリイミドフィルムのイミド環の開裂が起こり、
その部位を空気にさらした時に空気中の水分と反応して
カルボキシル基、水酸基を生成させ、後工程のシランカ
ップリング剤とのカップリング処理効率を高めることが
できる。
【0015】本発明によるカップリング処理は、次のよ
うにして行う。プラズマ処理したポリイミドフィルムの
表面を、脱気済みのイミダゾールシラン/メタノール溶
液中に浸して行う。シランカップリング剤としては、
(株)ジャパンエナジー社製のN-(2-hydroxypropyl-tri
metoxypropylether)imidazoke (商品名:イミダゾール
シランIS−1000)を用いた。イミダゾールシラン
には次のような特徴がある。イミダゾールシランに含ま
れているイミダゾール基は金属と配位結合を生じるた
め、金属と有機物、たとえば高分子などの複合材料の界
面における接着力を向上させ、銅あるいは銅合金に対す
る防錆作用がある。イミダゾールシランは、予めpH5
前後に調節したメタノール−水95wt%溶液で1wt
%〜50wt%に希釈する。この場合、溶媒はメタノー
ルの他にエタノール、水が使用できるがその他ブタノー
ル、2−ブトキシエタノール等イミダゾールシランとの
相溶性があれば特に限定されない。
【0016】イミダゾールシランをポリイミドフィルム
表面に導入するためには浸漬法を用い、前述のイミダゾ
ールシランのメタノール−水95wt%溶液にプラズマ
処理したポリイミドフィルムを1分間浸し、引き上げた
後110℃で90分間乾燥して加熱脱水によるカップリ
ング反応をさせる。その後、超音波洗浄器等を使用して
メタノールで未反応のイミダゾールシランを洗い流し、
再度乾燥して試料とする。
【0017】本発明によるプラズマ処理、およびカップ
リング処理したポリイミドフィルム表面上に金属薄膜を
形成するには、金属をスパッタリングまたは蒸着するこ
とによって形成する。これによってポリイミド表面にポ
リイミダゾ−ルシランの金属錯体が形成され、ポリイミ
ドフィルムと金属薄膜との密着性が優れるようになり、
同時に耐熱性、耐湿性向上も促進できる。ここで云う金
属とは、銅、クロム、ニッケル、パラジウムなどであ
る。ここで使用するスパッタリング装置または蒸着装置
は、一般的な装置が使用でき、装置の種類は特に限定し
ない。この後、金属薄膜の厚みを更に必要とする場合に
は電解メッキにより行い、所望のポリイミド−金属薄膜
の複合フィルムとすることができる。
【0018】
【実施例】以下、さらに本発明を実施例を以て説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1のプラズマ処理装置を用いて、ポリイミドフィルム
(東レ・デュポン社製商品名;カプトン200H、厚さ
50μm)をアルゴンガスでプラズマ処理した。ポリイ
ミドフィルムは、幅10mm×長さ75mmに切断して
単片シートとなし、アセトンで10分間超音波洗浄をし
た後、真空乾燥を行って表面を清浄化した。プラズマ処
理は、図1の装置を使用しメッシュ板8の上に前記ポリ
イミドフィルムを載置し、ベルジャー1内圧力を0.1
3Paに一度減圧し、その後、アルゴンガスを流量10
cm3 (STP)/minで流入させ、系内圧力を1
3.3Paに調節した。この状態において、13.56
MHzの高周波出力25W、圧力13.3Pa、照射時
間10秒の条件でプラズマ処理を行った。プラズマ処理
したポリイミドフィルムを一度空気中に出した後、イミ
ダゾールシランIS−1000をメタノール−水95w
t%溶液で3wt%に希釈した溶液中に、室温雰囲気下
で浸した。該ポリイミドフィルムを1分間浸した後、引
き上げ110℃で90分間乾燥し、カップリング反応さ
せた。その後、超音波洗浄器を使用してメタノールで未
反応イミダゾールシランを洗い流し、再度乾燥してカッ
プリング処理した試料を作製した。
【0019】実施例2 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力10W,圧力13.3
Pa、照射時間10秒であった。その後、実施例1と同
様にイミダゾールシランによりカップリング処理した試
料を作製した。
【0020】実施例3 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力25W,圧力13.3
Pa、照射時間40秒であった。その後、実施例1と同
様にイミダゾールシランによりカップリング処理した試
料を作製した。
【0021】実施例4 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力25W,圧力13.3
Pa、照射時間120秒であった。その後、実施例1と
同様にイミダゾールシランによりカップリング処理した
試料を作製した。
【0022】実施例5 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力25W,圧力13.3
Pa、照射時間10秒であった。その後、イミダゾール
シランのカップリング処理を次の条件で行った。イミダ
ゾールシランIS−1000をメタノール−水95wt
%溶液で30wt%に希釈した溶液中に1分間浸し、そ
の後は実施例1と同様にしてカップリング処理した試料
を作製した。
【0023】実施例6 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力25W,圧力266P
a、照射時間10秒であった。その後、実施例1と同様
にイミダゾールシランによりカップリング処理した試料
を作製した。
【0024】実施例7 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は13.56MHzの高周波出力100W,圧力13.
3Pa、照射時間10秒であった。その後、実施例1と
同様にイミダゾールシランによりカップリング処理した
試料を作製した。
【0025】比較例1 実施例1と同様の装置を用い、また同じポリイミドフィ
ルムを用いてプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件
は高周波出力25W、圧力13.3Pa、照射時間10
秒であった。その後のカップリング処理は行わない比較
用の試料を作製した。
【0026】比較例2 プラズマ処理およびカップリング処理を行わず、実施例
1で使用のポリイミドフィルムをそのまま比較用の試料
とした。
【0027】プラズマ処理したポリイミドフィルム表面
にイミダゾ−ルシランをカップリング処理したもの、
(実施例1〜7)、さらにはプラズマ処理のみ実施して
カップリング未処理のもの(比較例1)、および両者と
も未処理のもの(比較例2)の各サンプルを、蒸着装置
(真空理工社製、VPC−250FA型)を用いて銅を
蒸着(厚み:2,000オングストロ−ム)した。この
銅蒸着面に、図2に示すように、接着剤を介して厚み5
mm程度のアルミニウム板を貼り、各サンプル10mm
×75mmの複合フィルムにおけるポリイミドフィルム
(図2のポリイミドフィルム11)と該銅蒸着面との1
80℃剥離強度をJIS K 6854に基づき測定し
て、実施例1〜7および比較例1〜2を比較した。な
お、図2中、11はポリイミドフィルムであり、そのカ
ップリングによる表面改質部12の上に蒸着銅の薄膜1
3が形成されている。14,15は各々接着剤層とアル
ミニュウム板である。ここで用いた接着剤は日本エイブ
ルスティック社製のエポキシ接着剤(商品名;エイブル
ボンド868−7UNF)であり、これを圧力1kg/
cm2 、温度25℃の条件下で24時間硬化させた。
【0028】剥離試験の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、カップリング処
理した実施例1〜7はカップリング未処理の比較例1〜
2より剥離強度が大きく、したがって接着力はより優れ
ていることが確認された。なお、ポリイミドフィルム側
とアルミニウム板側のそれぞれの剥離面を電子顕微鏡写
真で観察したところ、比較例2の場合は、ポリイミドフ
ィルム側には銅は残らずすべてアルミニウム板側に移っ
ており、また他のサンプルにおいては、ポリイミドフィ
ルム側およびアルミニウム板側の両面に銅薄膜の層間剥
離の残痕の大きさが、比較例1、実施例6、実施例7、
実施例5、実施例4、実施例3、実施例2、実施例1の
順に小さく、均一に生じていることが判り、本発明の効
果を確認した。
【0031】また、200℃の高温度下に1時間曝して
も、イミダゾールシランを添加した実施例1〜7の銅材
はほとんど変色しなかったが、カップリング未処理の比
較例1〜2の銅材はだいだい色に変色してしまい、イミ
ダゾールシランの添加による耐熱性の向上も確認でき
た。
【0032】
【発明の効果】耐熱性高分子材料、特にポリイミドフィ
ルムをプラズマ処理し、さらにシランカップリング処理
によって予め表面改質し、その上に金属薄膜を形成する
本発明によれば、特に銅薄膜を用いているプリント基板
の場合は、さらに高温での使用が可能、ショ−トト
ラブルが少ない、スル−ホ−ル形成が容易になる、
回路が小型化できる、などの利点が生まれ、新たなス−
パ−エンジニアリングプラスチックへの応用という技術
的効果が生まれる。
【0033】また、回路小型化に伴った製品のコストダ
ウン、接着剤を使用しないことによる材料費の節約、溶
剤を用いないために環境汚染防止装置が不要になるなど
の経済的効果はきわめて大きい。これらの材料は宇宙・
航空機産業よりも、もっぱら民生用機器を中心に展開し
てきている。また、導電性複合フィルムとしては、特に
透明電極フィルム、発熱体フィルムなどのエレクトロニ
クス・情報産業分野、熱線遮断フィルム、断熱フィルム
などの建設産業分野での実用化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明で使用するプラズマ処理装置の一
例を示す。
【図2】図2は剥離試験時のサンプルの貼り合わせ構成
を示す。
【符合の説明】
1 ベルジャ− 11 ポリイミドフィル
ム 2 電極板 12 カップリング処理
による表面改質部 3 ポリイミドフィルム 13 蒸着銅薄膜 4 高周波電源 14 接着剤 5 ガス供給路 15 アルミニュウム板 6 電極支柱 7 排気口 8 メッシュ板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドフィルムの表面をプラズマ処理
    する工程、該プラズマ処理したポリイミドフィルムをイ
    ミダゾール基を含むシランカップリング剤のイミダゾー
    ルシラン溶液でカップリング処理する工程、および該カ
    ップリング処理したポリイミドフィルム表面に金属をス
    パッタリングまたは蒸着することによって金属薄膜を形
    成する工程よりなることを特徴とするポリイミドフィル
    ム−金属薄膜の複合フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】プラズマ処理を、高周波(13.56MH
    z)出力が5Wから100W、圧力が6.7Paから2
    66Pa、および照射時間が0.2秒から120秒の条
    件とする請求項1記載のポリイミドフィルム−金属薄膜
    の複合フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】カップリング処理が、メタノール、エタノ
    ールまたは水に溶かしたイミダゾールシラン溶液に浸し
    ておこなうことを特徴とする請求項1記載のポリイミド
    フィルム−金属薄膜の複合フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記金属薄膜とカップリング処理剤との間
    に錯体が形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のポリイミドフィルム−金属薄膜の複合フィルムの製造
    方法。
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