JP5087763B2 - 金属被膜を有するプラスチック成形体とその製造方法およびそれらを用いた物品 - Google Patents
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Description
ここで問題となるのは、前記樹脂プラスチック成形体基材と前記金属被膜との間の密着性であった。
しかし、かかる方法では、前記樹脂プラスチック成形体の表面が粗らされる結果、光沢が無くなるといった大きな問題があった。
そこで、下記特許文献1には、上記とは異なった方法で前記密着性を向上させる方法が開示されている。
これにより、特許文献1では、プラスチック成形体表面に凹凸を設けることなく、プラスチック成形体と金属被膜との密着性を向上させることが出来るとしている。
また、特許文献1では前記プラスチック成形体基材表面に付着する前記シランカップリング剤の厚みの調整を特に行っておらず、このことが前記密着性を向上できない原因の一つであると考えられた。
(a) プラスチック成形体基材の表面に共有結合し、ピロリル基を有する単分子膜を形成する工程と、
(b) 前記単分子膜に結合し、ポリピロール骨格を含むポリマーよりなる中間膜を形成する工程と、
(c) 前記単分子膜および中間膜上に、金属被膜を形成する工程とを含む方法を用いて製造され、
プラスチック成形体基材の表面が、該基材表面に共有結合した単分子膜と、該単分子膜に結合し、金属原子に配位可能なヘテロ芳香族環を含むポリマーよりなる中間膜を介して金属被膜で被われていることを特徴とするプラスチック成形体を提供することを要旨とする。
前記単分子膜は、上記の(化1)の化合物を繰り返し単位とし、各化合物が、−SiO−結合を介してプラスチック成形体基材表面に共有結合させておくと、耐剥離性の高い金属被膜を有するプラスチック成形体を提供する上で都合がよい。
さらにまた、前記中間膜が、前記単分子膜に結合し、ポリピロール骨格を含むので、より一層、金属被膜とプラスチック成形体基材表面との耐剥離強度を向上する上で都合がよい。
また、前記金属被膜が、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、錫、鉛、Ta,W,Ti、亜鉛あるいはニッケルのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成されていると金属被膜とプラスチック成形体基材表面との耐剥離強度を向上する上で都合がよい。さらに、プラスチック基材が、フィラーを含む合成樹脂、あるいは繊維強化プラスチックで成型されていると耐久性を上げる上で都合がよい。さらにまた、前記プラスチック成形体を用いた各種物品を製造すれば、耐久性を向上できて都合がよい。
さらに、前記(b)工程において、ピロールを含む溶液に前記プラスチック成形体基材を浸漬させて前記中間膜を形成すると、製造能率を向上する上で都合がよい。
また、前記酸化剤として、鉄、銅、アルミニウムのうち少なくともいずれか一種を含む塩、あるいはハロゲンガスを用いると、コストが安く且つ効率よく酸化重合できて都合がよい。
さらにここで、前記プラスチック成形体の基材として、無機フィラーを含む合成樹脂、あるいは無機繊維強化プラスチックで成型された部材を用いること、フィラーを介してより強固に結合した単分子膜を形成できるので都合がよい。
図1に示すように、前記中間層3上にはメッキ還元反応の触媒からなる触媒膜4が設けられ、前記触媒膜4(図1ではPd)の上に金属被膜5がメッキ形成されている。
まず、あらかじめ、フィラーとしてガラス繊維が混入されたPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を用いて下地となるカーブミラーの基材を成形し、表面を脱脂洗浄した。また、並行して、前記(化5)で示した物質(出発物質)
を、クロロホルムとジメチルシリコーンの混合溶媒に0.05mol/lの濃度で溶解し、吸着液を作成した。
続いて、前記基材を、塩化第二鉄を0.02mol/l含む水溶液に常温で5分間、浸漬し、その後、前記基材を、水洗・乾燥した(ピロリル基どうしの重合工程)。
上記実施例1の各工程のうち、基材を塩化第二鉄の水溶液に浸漬する工程だけを除いた。
上記実施例1の各工程のうち、基材をピロール液に浸漬する工程、基材を塩化第二鉄の水溶液に浸漬する工程を除いた。その代わり、Pd−Snコロイドを含む酸性水溶液に浸漬する工程において、前記水溶液にピロールを0.2mol/lの濃度で添加した。
上記実施例1の各工程のうち、基材をピロール液に浸漬する工程だけを除いた。
実施例1の各工程のうち、基材を吸着材料液中に浸漬する工程から基材を塩化第二鉄の水溶液に浸漬する工程までを除き、すなわち重合した単分子膜を形成することなく、前記基材を直接、Pd−Snコロイドを含む酸性水溶液に浸漬し、さらに実施例1と同様に、銅膜をメッキ形成した。
その結果、実施例1では、0.6N/mm、実施例2では、0.5N/mm、実施例3では、0.5N/mm、実施例4では、0.3N/mmの密着強度が得られた。
2 単分子膜
3 中間膜
4 触媒膜
5 金属被膜
Claims (12)
- プラスチック成形体基材の表面が、該基材表面に共有結合し、ピロリル基を有する単分子膜と、該単分子膜に結合し、ポリピロール骨格を含むポリマーよりなる中間膜を介して金属被膜で被われていることを特徴とするプラスチック成形体。
- 前記金属被膜中に、前記中間膜に含まれるピロリル基またはポリピロール骨格が取り込まれていることを特徴とする請求項1に記載の金属被膜を有するプラスチック成形体。
- 前記金属被膜が、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、錫、鉛、Ta,W,Tiあるいはニッケルのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属被膜を有するプラスチック成形体。
- プラスチック基材が、フィラーを含む合成樹脂、あるいは繊維強化プラスチックで成型されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属被膜を有するプラスチック成形体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された前記プラスチック成形体が用いられていることを特徴とする物品。
- (a) プラスチック成形体基材の表面に共有結合し、ピロリル基を有する単分子膜を形成する工程と、
(b) 前記単分子膜に結合し、ポリピロール骨格を含むポリマーよりなる中間膜を形成する工程と、
(c) 前記単分子膜および中間膜上に、金属被膜を形成する工程を含むことを特徴とする金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。 - 前記(b)工程に於いて、ピロールを含む溶液に前記プラスチック成形体基材を浸漬させて前記中間膜を形成することを特徴とする請求項7記載の金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。
- 前記(b)工程と前記(c)工程の間に、さらに
(d) 前記(化2)で表される構造を有する単分子膜および前記中間膜が形成された前記プラスチック成形体基材を酸化剤と接触させ、ピロールおよび前記単分子膜に含まれるピロリル基を重合させる工程を含むことを特徴とする請求項7または8記載の金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。 - 前記酸化剤として、鉄、銅、アルミニウムのうち少なくともいずれか一種を含む塩、あるいはハロゲンガスを用いることを特徴とする請求項9記載の金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。
- 前記金属被膜を、金、銀、銅、アルミニウム、錫、鉛、Ta,W,Tiあるいはニッケルのうち少なくともいずれか1つを含んでメッキ形成することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。
- 前記プラスチック成形体の基材として、フィラーを含む合成樹脂、あるいは繊維強化プラスチックで成型された部材を用いることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の金属被膜を有するプラスチック成形体の製造方法。
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