JP5304218B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような電子写真方式の画像形成装置においては、移動可能な表面に静電潜像を有する感光体等の像担持体を使用し、像担持体上に形成された静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー像化し、当該現像装置によって形成されたトナー像を転写装置によって前記像担持体から転写紙等の被転写体に転写している。そして、転写装置によってトナー像を前記被転写体に転写後に像担持体の表面に残存するトナーをクリーニング装置によって当該像担持体の表面から除去し、次の画像形成処理に備えるようになっている。
このクリーニング装置としては、ファーブラシや磁気ブラシ等を使用するものや、クリーニングブレードを使用するものなどがあるが、構成が簡素で安価なことにより、クリーニングブレードで感光体の表面に付着した残留物を掻き落とすタイプのクリーニング装置が広範に使用されている。
このように、感光体のフィルミングを防止しつつ、クリーニングブレードのビビリ音を抑制するためには、感光体の表面硬度を低く、さらにクリーニングブレードのピーク圧を大きく設計することが望ましいが、このような系においては、感光体の物理的強度が弱く、クリーニングブレードを感光体に当接させて放置した場合、感光体表面が当接痕で微小クリープするため、印字率の高い画像などでは変形部と正常部で電位変動を引き起こしてしまうため、スジなどの異状画像が発生し、良好な画像品質を得ることができなかった。
また、感光体の表面硬度を高くすることなく感光体表面のフィルミングを防止するため、例えば特許文献3によれば、電子写真感光体にクリーニングブレードを2つ設置し、感光体回転方向下流側のクリーニングブレードの硬度、当接圧を高く設定することが提案されている。これにより、感光体表面にクリーニングブレードを擦り抜けた外添剤などの成分がフィルミングした場合でも、感光体表面の清掃性を確保することができ、良好な画像品質を保つことが可能となる。しかし、硬度の高いクリーニングブレードを高当接圧化で感光体表面に押し付けた場合、画像形成等で感光体が回転している間はよいが、実際の使用においては、画像形成は常に行われているのではなく、印刷命令がなく画像形成装置が待機状態で、感光体が停止している状態が多い。その場合に、感光体表面のクリーニングブレード当接部は、強力にクリーニングブレードの先端によって押さえつけられるため、感光体表面に歪を生じ、表面の歪んだ部分はそれ以外の部分と局所的な感光層厚の変化が生じるため、感光体の表面電位変動により、画像上で濃度差あるいはスジといった不具合を発生してしまう。
前記像担持体は、表面に前記静電潜像が形成される感光層を有する電子写真感光体であり、当該感光層中に結着樹脂として少なくとも下記式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体樹脂Aと、下記式(3)で表されるポリカーボネート樹脂Bとを含み、前記ポリカーボネート共重合体樹脂Aと前記ポリカーボネート樹脂Bとが重量比で60:40から90:10の範囲で含有されており、
・・・式(1)
・・・式(2)
・・・式(3)
前記像担持体の移動駆動停止後から経過時間を計測する計測手段を備え、当該計測手段によって前記像担持体の移動駆動停止後から所定経過時間を計測したときに、前記像担持体を移動駆動させて前記クリーニングブレード先端の当該像担持体に対する当接位置を変更させることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記クリーニングブレードは、前記像担持体に対する当接圧力を40N/m〜60N/mに設定されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記像担持体の移動駆動停止後から所定経過時間を計測したときに、前記像担持体を移動駆動させる方向は、画像形成時の像担持体の移動方向と逆方向であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記計測手段によって前記像担持体の移動駆動停止後から計測される所定経過時間は、前記像担持体の移動走行距離に応じて変化するように制御されていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記像担持体の表面は、150N/m2〜175N/m2のユニバーサル硬度を有することを特徴とする。
図1は、本発明による一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。図2は、図1で示す画像形成装置の1個の画像形成部の概略構成を示す図である。図3は、図2に示す画像形成部のクリーニング装置の概略構成を示す図である。
本発明による実施形態に係る画像形成装置は、被転写体である無端状の中間転写ベルト6の移送方向(矢印A)に沿ってブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナー画像を形成する画像形成部5Bk、5C、5M、5Yを配設したタンデム型の画像形成装置である。この画像形成装置においては、支持ローラ3A、3Bに張架された無端状の中間転写ベルト6の移送方向Aに沿って、画像形成部5Bk、5C、5M、5Yが配設されている。そして、後述するようにして画像形成部5Bk、5C、5M、5Yで形成されたブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像が、支持ローラ3A、3Bの一つの回転駆動によって矢印A方向に移送される中間転写ベルト6上に積み重ねて転写されてカラートナー画像を形成するようになっている。このようにして中間転写ベルト6上に形成されたカラートナー像は、図示しない給紙装置から1枚づつ搬送された転写紙等の転写材P上に、2次転写ローラ8によって転写される。このように転写材P上に転写されたカラートナー像は、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bを有する定着装置9によって、加熱、加圧されて、転写材P上に定着されて、排出される。なお、図1中、符号14は、1枚づつ搬送された転写材Pを一時的に停止させ、タイミングを調整しながら2次転写ローラに転写材Pを搬送するレジストローラである。
画像形成部5は、図2に示すように、像担持体であるドラム状感光体1(図1では1Bk、1C、1M、1Yとして示す。)の周囲は、当該感光体1の表面を一様に帯電するための帯電装置2、帯電装置2によって一様帯電処理された感光体面に画像情報に応じた静電潜像を形成するためのレーザー光線からなる露光L(図1では、LBk、LC、LM、LYとして示す。)、感光体1の表面の静電潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4(図1では4Bk、4C、4M、4Yとして示す。)を備えている。さらに、感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト6に転写するための1次転写装置7、感光体1上の残存トナーを除去するためのクリーニング装置10、感光体1上の残留電位を除去するための除電装置15が順に配設されている。
本実施形態においては、帯電装置2には、感光体1に接触配置した帯電ロール2aの芯金に高電圧を引加し、感光体表面を一様に帯電する接触ロール帯電方式を使用しているが、チャージワイヤーに高電圧を印加することにより放電するコロトロン、スコロトロン方式等の非接触式帯電方式やこの他に帯電ブラシ、帯電シート、針電極などを使用することができる。上記非接触式帯電方式においては、感光体1に対して非接触で感光体1の表面を帯電できるため、クリーニング性の影響を受けにくいというメリットはあるが、放電に伴って生成されるオゾンやNOx等の放電生成物の発生量が帯電ロール方式に比較し格段に大きいため、感光体の耐久性の面で難点がある。
しかしながら、クリーニング精度を向上させるカウンター方向の当接形態は、同時に感光体1への弾性体ブレード先端11b1の当接圧を上げることになる。このような当接力の増加は、画像形成動作が終了して感光体1の回転が停止された場合に、感光体1表面の弾性体ブレード先端11b1の当接部11b2は、強力に弾性体ブレードの先端11b1によって押さえつけられるため、感光体1の表面に歪を生じ、表面の歪んだ部分はそれ以外の部分と局所的な感光体1の感光層厚の変化が生じるため、感光体1の表面電位変動により、画像上で濃度差あるいはスジといった不具合を発生してしまう。
感光体1の表面に付着した残存トナーを清掃するために使用されるクリーニング装置10は、図3に示すように、感光体1の表面に付着した残存トナーを掻き取り除去するために、トナー回収容器12と、このトナー回収容器12内にねじ固定などで支持され、感光体1の方向への回動が可能に取り付けられたクリ−ニングブレード11と、クリーニングブレード11によって感光体1表面より掻き取られた残存トナーをトナー回収容器12から系外に移送する搬送スクリュー13とを有している。クリーニングブレード11は、板状の弾性体ブレード11b及びこれを支持する支持部材11cから構成され、支持部材11cに弾性体ブレ−ド11bが長手方向に渡って接着されて支持部材11cに弾性体ブレード11bが取り付けられている。そして、クリーニングブレード11は、弾性体ブレード11bとの接着面と反対側の面における弾性体ブレード11bの自由端側先端11b1が、矢印B方向に回転する感光体1の表面に所定の接触角θで圧接されるようになっている。
この場合、弾性体ブレード先端11b1による感光体1との当接位置11b2における接触圧は、適切に選定する必要があり、弾性体ブレード先端11b1による感光体1への接触圧は40N/m〜60N/mであることが望ましく、より好ましくは、45N/m〜55N/mである。接触圧が40N/m以下では弾性体ブレード先端11b1によるトナー阻止力不足によるすり抜けが発生し易くなり、また、接触圧が60N/m以上では感光体1の回転トルク上昇によるブレード先端の捲くれ、ビビリ音の発生を招き易くなる。ここで接触圧は、感光体1と同じ径を有する円筒状の治具に圧力センサーを取り付け、センサー部を弾性体ブレード先端11b1に圧接し測定した。
クリーニングブレード11は、この実施形態においては、感光体1へ圧接する手段としては弾性体ブレード11bをトナー回収容器12の支持体11aへの固定により支持して弾性体ブレード11bの弾性力によって得るようにしている。しかし、この圧接力を調整付勢するために支持体11aへの固定でなくばね等の外力を付加して圧接力を調整するようにしても構わない。
この場合に、弾性体ブレード先端11b1の移動量△が大きい程、当接圧力は大きくなる。なお、この弾性体ブレード先端11b1の移動量△は、図4(a−1)の弾性体ブレード先端11b1の当接位置11b20から図4(b−2)の状態で感光体1の回転を停止した時のブレード先端11b1の当接位置11b21までの長さで表し、感光体1の回転上流側から円周方向に弾性体ブレード先端11b1の当接位置からの距離を測定することによって求めている。
本実施形態で使用される弾性体ブレード11bの反発弾性は25℃で30%〜65%であり35%〜50%であることがより好ましい。反発弾性が30%以下であると、クリーニングブレードにより堰き止めたトナーを押し戻す力が不足するため、経時に伴い前記の堰き止めたトナーがブレードを押し戻しトナーがすり抜けるようになってしまう。また逆に反発弾性が65%を超えるとブレード先端の振動挙動が大きくなり、特に高温時にブレードの鳴きが発生してしまう。なお、ここでいうクリーニングブレードの反発弾性は、JIS K6255の反発弾性試験により規定される。
上記ポリウレタンを生成するための前記イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等が挙げられる。
本発明による実施形態に係る画像形成装置においては、前記画像形成処理が終了して駆動モータ16の回転駆動を停止させるOFF信号が入力されるとタイマー18が経過時間を計測する。そしてタイマー18が所定経過時間を計測したときに、制御装置17によって駆動モータ16を再駆動させるように制御されている。そして、その後タイマー18はリセットされ、再び駆動モータ16の信号を監視することを繰り返すように制御されている。
所定経過時間については、クリーニングブレード11の組み付け直後からの放置時間によって感光体1の表面の微小変形による画像異常(スジ)の発生するか否かを考慮して、スジ異常の発生しない放置時間の範囲(所定経過時間)で設定されている。これはクリーニングブレード11の組み付け直後から感光体1の表面が微小変形するまでに時間が必要であり、ある時間が経過するまでは感光体1の変形量が小さく画像に影響しないことから、画像に影響を及ぼすほど感光体1の表面が変形する前にクリーニングブレード11と感光体1の当接位置を更新することで前記の画像異常を防止することができる。また、当接位置の更新によって、それまで感光体1とクリーニングブレード11bが当接し、感光体1の表面で微小変形を起こしていた部分も、当接位置から外れると、感光体1の弾性回復により元の形状に回復するため、特に他の課題を引き起こすものではない。
前述の通りタイマー18からの所定経過時間経過後の出力信号によって駆動モータ16を所定時間回転駆動させるが、この信号を受けて感光体1を回転させる動作の回転方向が、画像形成時の感光体1の回転方向と逆方向、つまり、クリーニングブレード11の弾性体ブレード11bの撓みの解除方向に移動させることで、感光体1の当接位置11b2に与えるピーク圧力は大きく低減するため、逆回転方向に回転させると前記緩和効果が高く、駆動モータ16の停止後からの所定経過時間もより大きく設定できるため、感光体1の回転動作を減らすことができる。
上述のように、感光体1を回転させる動作の回転方向が逆回転の方が効果は大きいので、これを利用し感光体が停止した直後にすべて逆回転動作を入れるとさらに効果は大きくなる。これにより感光体が停止している場合は、すべて弾性体ブレード先端11b1の撓みが解除される状態であるため、感光体1の表面に与える負荷が小さく、良好な画像品質を保つことができる。
なお、上記実施形態においては、像担持体としてドラム状の感光体を使用しているが、無端状或いは有端状のベルトからなる感光体であっても有効に使用することが可能である。このようなベルト状感光体を使用する場合には、前述のドラム状感光体における回転方向は、ベルト状感光体の移送方向等感光体の移動方向を指すものとして理解される。同様にドラム状感光体の回転駆動は、移動駆動として解釈される。
図6は、本発明による一実施形態に係る像担持体としての電子写真感光体の構成例を示す断面図である。本実施形態に係る感光体1は、導電性支持体1a上に、少なくとも電荷発生剤が含有される電荷発生層1b1が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤が含有される電荷移動層1b2が形成される機能分離型電子写真感光体として適用されるものである。この場合、電荷発生層1b1と電荷移動層1b2とにより感光層1bが形成される。
本発明に用いることができる導電性支持体1aとしては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やそれらの合金の加工体が挙げられる。形状は、シ−ト状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であればいずれのものでもよく、そして、無端、有端を問わない。また、導電性支持体の直径は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
この中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行なった導電性支持体が好ましく、さらに、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理、またはこれらの加工、処理を行なわない無切削管などいずれのものでもよい。
また、導電性支持体1aの基体として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボン等の導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもできる。さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
これらの中間層は感光層1bと同様に適当な溶媒、分散、塗工法を用いて形成することができる。中間層の膜厚は、0.1μm〜50μm、好ましくは0.5μm〜20μmが適当である。
本発明に用いることができる電荷発生剤としては、オキシチタニウムフタロシアニンが高感度特性を有することから望ましく、中でもY型オキシチタニウムフタロシアニンが本発明の電荷移動剤との組み合わせにおいて相性がよい。これらの電荷発生剤は単体で用いてもよいし、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用いてもよい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
・・・式(1)
・・・式(2)
・・・式(3)
具体的には、一般式(4)、一般式(5)で表されるシロキサンを含むポリカーボネート樹脂が上げられる。
・・・一般式(4)
但し、上記一般式(4)中、R10、R11は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表し、aは1〜200の整数であり、X1は、−O−、又は下記一般式(6)若しくは(7)で示される基を表し、X2は、−O−、又は下記一般式(8)若しくは(9)で示される基を表す。
・・・一般式(6)
・・・一般式(7)
但し、上記一般式(6)及び(7)中、R13は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表し、b、b’は、各々独立に0〜6の整数、dは0〜4の整数である。
・・・一般式(8)
・・・一般式(9)
但し、上記一般式(8)及び(9)中、R14は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表し、f、f’は、各々独立に0〜6の整数、lは0〜4の整数を表す。
・・・一般式(5)
但し、上記一般式(5)中、R21〜R32は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基のいずれかを表し、m〜pは、各々独立に2〜6の整数を表し、qは0〜200の整数を表す。
なお、感光層1bが電荷発生層1b1と電荷移動層1b2とからなる場合には、前記樹脂はどちらの層にも適用できる。また、電荷発生層1b1に用いる場合の結着樹脂の量は、電荷発生剤100重量部に対し、10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部が適当である。
・・・一般式(10)
但し、上記一般式(10)中、R3〜R5は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基を表す。
上記電荷移動剤は、本発明のバインダー樹脂との相性がよく、耐環境性に強い電子写真感光体を提供できるものである。上記一般式(10)に示す化合物において、特に式(10−a)〜(10−d)で表される化合物が本発明のバインダー樹脂との相性がよく好ましい。以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
・・・式(10−a)
・・・式(10−b)
・・・式(10−c)
・・・式(10−d)
本実施形態に係る電子写真感光体を製造するための塗布液には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。特に、酸化防止剤と紫外線吸収剤との併用は感光体の耐久性向上に寄与し有用である。その中でも該感光層にアミン系酸化防止剤が好ましく、例えば、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
加えて、感光層の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。保護層の膜厚は、0.1〜20μmが適当である。
本実施形態に係る電子写真感光体において、ユニバーサル硬度及び弾性仕事率の測定は、アルミニュームパイプ上に乾燥後の膜厚が24μmの該感光層の表面について行った。そして、ユニバーサル硬度及び弾性仕事率は、フィッシャーインストルメンツH−100(フィッシャーインストルメンツ社製)、ビッカース圧子を用い、設定加重9.8mN、押し込み深さ1μm、測定環境として温度22℃、相対湿度55%の条件下で測定した。ユニバーサル硬度については圧子の最大荷重での変位を硬さの値として表し、弾性仕事率は負荷−除荷試験のグラフより計算して求めた。
上記実施形態で説明したクリーニング装置と以下説明する感光体によってプロセスカートリッジを組立後、常温環境(23℃/50%)にて2000枚の耐刷試験を行った。耐刷試験は250枚毎に24時間、間欠で行い、500枚毎にハーフトーン画像、全ベタ画像を出力し異常画像がないか判定した。評価機はRICOH製Ipsio SP C220を改造したもので感光体、クリーニングブレードは標準品と交換し実験をおこなった。帯電条件は帯電ロールを用いた接触帯電方式により感光体表面電位を−500Vに均一に帯電できるように電圧を印加し、現像条件は接触ロールを用いた現像方式、中間転写ベルトを有する、画像形成装置を使用している。
直径24mm、厚み1.0mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50 大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG−821−60 大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR−EL 石原産業社製)を1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、1.5μmの膜厚で形成した。次に、X線回折角Cukα(2θ±0.2度)27.3度に最大ピークを有するY型−オキシチタニウムフタロシアニン粉末10gをガラスビ−ズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BX−1 積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビ−ズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。これを前記下引層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。ここで結着樹脂としては、前記式(1)、式(2)の化合物を90:10のモル比で、粘度平均分子量(Mv:40,000)のポリカーボネート共重合体樹脂と、式(3)で表される粘度平均分子量(Mv:50,000)のポリカーボネート樹脂を、重量比90:10で混合したものを使用した。
クリーニングブレードはウレタンゴム系のブレードを常法により硬度75°、反発弾性40%に調整し、作製した。以上より準備したトナー、感光体、クリーニングブレードを使用し、クリーニングブレードの取り付けを線圧45N/m、接触角が15°になるように設定した。上記、プロセスカートリッジと感光体を組み付けクリーニングの先端位置の移動量を確認したところ、1mmの移動量であった。実験機には、感光体の駆動モータ停止からの時間をカウントするようにプログラムし、モータ停止状態で180分が経過するとモータを再駆動させ、順回転方向に感光体を4mm移動させるプログラムを組み込んだ。以上の条件にて耐刷試験を実施した結果、耐久末期までスジなどの異常画像は見られなかった。
実施例1にて停止状態30分経過後の駆動モータ再駆動の方向を画像形成時の逆方向に4mmとした以外は実施例1と同様の条件にて耐刷試験を行った結果、耐久末期までスジなどの異常画像は見られなかった。
[実施例3]
実施例1にてモータ回転停止時に逆回転方向に4mm移動するプログラムを組み込んだ以外は実施例1と同様の条件にて耐刷試験を行った結果、耐久末期までスジなどの異常画像は見られなかった。
実施例1にて駆動モータ停止後から停止時間をカウントせず、クリーニングブレードはモータ停止位置で放置されるようにした以外は実施例1と同様に実験を行った結果、耐久中にハーフトーン画像、ベタ画像中にスジ画像が発生し、耐久が進行するにつれてスジの数の増加が見られた。
[比較例2]
実施例2にて感光体の移動距離を0.5mm移動するプログラムを組み込んだ以外は実施例1と同様の条件にて耐刷試験を行った結果、耐久中にハーフトーン画像、ベタ画像中にスジ画像が発生し、耐久が進行するにつれてスジの数の増加が見られた。
[比較例3]
比較例1にて感光体の結着樹脂としては、式(1)、式(2)を90:10のモル比で、粘度平均分子量(Mv:40,000)のポリカーボネート共重合体樹脂を100%とした以外は比較例1と同様の条件にて耐刷試験を行った。このときの感光体表面のユニバーサル硬度は147N/m2であった。この結果、耐久中にハーフトーン画像上で多数のスジが発生し、スジの位置に該当する感光体表面にはトナーがフィルミングしていた。
[比較例4]
比較例1にてクリーニングブレードの硬度をJIS−A硬度で83°とした以外は比較例1と同様の条件にて耐刷試験を行った結果、耐久中にブレードビビリによる強烈な異音が発生してしまった。
Claims (8)
- 移動可能な表面に静電潜像を形成する像担持体と、当該静電潜像にトナーを供給してトナー像化する現像装置と、当該現像装置によって形成されたトナー像を前記像担持体から被転写体に転写する転写装置と、当該転写装置によって前記トナー像を前記被転写体に転写後に前記像担持体の表面に残存するトナーを当該像担持体の表面から除去するクリーニングブレードとを備えた画像形成装置において、
前記像担持体は、表面に前記静電潜像が形成される感光層を有する電子写真感光体であり、当該感光層中に結着樹脂として少なくとも下記式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体樹脂Aと、下記式(3)で表されるポリカーボネート樹脂Bとを含み、前記ポリカーボネート共重合体樹脂Aと前記ポリカーボネート樹脂Bとが重量比で60:40から90:10の範囲で含有されており、
・・・式(1)
・・・式(2)
・・・式(3)
前記像担持体の移動駆動停止後からの経過時間を計測する計測手段を備え、当該計測手段によって前記像担持体の移動駆動停止後から所定経過時間を計測したときに、前記像担持体を移動駆動させて前記クリーニングブレード先端の当該像担持体に対する当接位置を変更させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体に対する当接圧力を40N/m〜60N/mに設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記像担持体の移動駆動停止後から所定経過時間を計測したときに、前記像担持体を移動駆動させる方向は、画像形成時の像担持体の移動方向と逆方向であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、当該画像形成装置内の温度を計測する温度検出手段を備え、当該温度検出手段によって当該画像形成装置内の温度が15℃以下と検出されたときに、前記像担持体を移動駆動させて前記クリーニングブレード先端の当該像担持体に対する当接位置を変更させるように制御されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置において、
前記計測手段によって前記像担持体の移動駆動停止後から計測される所定経過時間は、前記像担持体の移動走行距離に応じて変化するように制御されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
前記所定経過時間は、前記像担持体の移動走行距離が長い程長くなるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置において、
前記像担持体の表面は、150N/m 2 〜175N/m 2 のユニバーサル硬度を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項記載の画像形成装置において、
前記クリーニングブレードは、JIS−A硬度で70°〜80°の硬度を有することを特徴とする画像形成装置。
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