JP5303581B2 - 光半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光半導体装置に関する。
これまでに提案されてきた波長可変半導体レーザは、レーザ発振に対する利得機能と波長選択機能とを備えている。波長を選択する方法としては、共振器内に設けた回折格子、エタロン等の屈折率、角度等を変化させることによって損失もしくは利得の共鳴波長を変化させる方法、ならびに、共振器内部の光路長(共振器内部の屈折率もしくは物理的な長さ)を変化させることによって共振器の共振波長を変化させる方法等があげられる。
ここで、屈折率を変化させる方法は、角度または長さを変化させる方法に比較して機械的な稼動部を必要としないことから、信頼性、製造コスト等の点で有利である。屈折率を変化させる方法には、例えば、光導波路の温度を変化させる方法、電流注入等によって光導波路内のキャリア密度を変化させる方法等がある。光導波路の温度を変化させる方法を採用した波長可変レーザの具体的な例として、例えば、波長選択機能を備えるサンプルドグレーティング分布反射領域(Sampled Grating Distributed Reflector:SG−DR)を備える半導体レーザ等が提案されている。
この半導体レーザにおいては、複数のSG−DR領域(反射領域)の反射スペクトルを制御することによって、バーニア効果を用いた波長選択が行われてレーザ光が出力される。すなわち、この半導体レーザは、2つのSG−DR領域の反射ピークが重なった波長でレーザ光を発振する。したがって、個々のSG−DR領域の反射ピークを制御することによって、発振波長を制御することができる。
上記SG−DR領域の素子表面には、ヒータが設置されていることが多い。このヒータに発熱させることによって、SG−DR領域の光導波路の温度を変化させることができる。それにより、光導波路の屈折率が変化する。したがって、ヒータの発熱量を制御することによって、SG−DR領域の反射ピーク波長を制御することができる。このヒータを発熱させるには電力が必要である。そこで、ヒータに電力を供給することによって反射領域の屈折率を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−92934号公報
ここで、反射ピーク波長の制御可能範囲は、光導波路の屈折率変化量、すなわち光導波路の温度変化量に比例する。波長制御範囲を大きくするためには、ヒータに供給する電力を増大させる必要がある。しかしながら、低電力で上記半導体レーザを制御できることが求められている。したがって、半導体レーザの制御電力ではヒータに十分な発熱をさせることが困難であった。
本発明は、ヒータによって出力された熱を光導波路に効率よく供給することができる光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上において上面および側面を備えて画定され光導波路層を備えたストライプ状の半導体領域と、半導体領域の光導波路層より上部に設けられたヒータと、半導体領域の両側に光導波路層と並行に形成されたメサ溝と、を備え、半導体領域の幅は、ヒータが設けられた全ての領域に渡って半導体基板の幅より狭く画定され、光導波路層は、半導体領域の側面の下端より上側に設けられ、半導体領域の側面の下端の位置から光導波路層の位置までの距離は、半導体領域の幅の0.5倍以上であることを特徴とするものである。
本発明に係る光半導体装置においては、半導体領域の幅が半導体基板の幅よりも狭いことから、半導体領域における熱抵抗が大きくなる。この場合、ヒータによって光導波路層を効率よく加熱することができる。また、半導体領域の側面の下端から光導波路層までの距離は半導体領域の幅の0.5倍以上であることから、光導波路層と半導体基板との距離が十分に大きくなる。それにより、光導波路層を伝導した熱の拡散を抑制することができる。その結果、光導波路層における温度勾配を十分に大きくすることができる。以上のことから、ヒータによる発熱によって効率よく光導波路層の温度を制御することができる。
半導体領域の幅は、光導波路層が位置する領域における幅であってもよい。また、半導体領域は光導波路層を挟んで設けられた上部クラッド層と下部クラッド層とを備え、光導波路層はInGaAsPからなり、上部クラッド層、下部クラッド層および半導体基板はInPからなるものであってもよい。さらに、半導体領域の側面側には、空間領域が位置していてもよい。この場合、空気の熱伝導率は半導体領域の熱伝導率よりも小さいことから、ヒータにおいて発生した熱は、主として半導体領域に伝導する。それにより、ヒータによる発熱によって効率よく光導波路層の温度を制御することができる。
半導体領域の側面は、半導体領域の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する絶縁部材によって覆われていてもよい。また、絶縁部材は、ポリイミドであってもよい。この場合、ヒータにおいて発生した熱は、主として半導体領域に伝導する。それにより、ヒータによる発熱によって効率よく光導波路層の温度を制御することができる。
光導波路層を備えるとともに伝搬光に対して利得を有する利得部をさらに備え、利得部の光導波路層と半導体領域の光導波路とは光結合していてもよい。また、利得部は、半導体領域の幅より広い幅を有していてもよい。さらに、利得部および半導体領域を搭載する温度制御装置をさらに備えていてもよい。また、利得部の少なくとも一部が温度制御装置上に搭載されていてもよい。この場合、温度制御装置によってレーザチップの温度を制御することができる。それにより、レーザチップの発振波長を制御することができる。また、半導体領域の側面の下端は、半導体基板の面より低い位置に設けられていてもよい。
本発明によれば、ヒータによって出力された熱を光導波路層に効率よく供給することができる。その結果、ヒータによる発熱によって効率よく光導波路層の温度を制御することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る分布反射器の模式的断面図である。 ヒータによって与えられる熱の伝導方向について示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る分布反射器の模式的断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る分布反射器の模式的断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るレーザチップの全体構成を示す斜視図である。 (a)はレーザチップの平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るレーザモジュールの全体構成を示す模式図である。 本発明の第6の実施の形態に係るレーザモジュールの全体構成を示す模式図である。 比較例に係る分布反射器の模式的断面図である。 分布反射器における温度分布を示す図である。 分布反射器における温度勾配を示す図である。 実施例2に係る分布反射器における温度勾配を示す図である。 実施例3に係る分布反射器における温度勾配を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態においては、本発明に係る光半導体装置の一例として分布反射器について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る分布反射器100の模式的断面図である。図1に示すように、分布反射器100は、半導体基板101上の中央部に半導体基板101の幅よりも小さい幅を有するストライプメサ状のメサ半導体領域102が設けられた構造を有する。したがって、メサ半導体領域102は半導体基板101の中央部から突出した構造を有する。
メサ半導体領域102の上面および側面ならびに半導体基板101の露出した上面には、保護膜として機能する絶縁膜103が形成されている。半導体基板101は、例えば、InPからなる。絶縁膜103は、SiO等のメサ半導体領域102の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する絶縁材からなる。メサ半導体領域102の上方の絶縁膜103上には、ヒータ104が配置されている。
メサ半導体領域102は、クラッド領域105の中央部に光導波路層106が形成された構造を有する。クラッド領域105は、例えば、InPからなり、光導波路層106を往復するレーザ光を閉じ込める機能を果たす。光導波路層106は、例えば、吸収端がレーザ発振波長よりも短波長側にあるInGaAsP系結晶からなる。ヒータ104は、NiCr等からなり、与えられる電力に応じて光導波路層106の温度を変化させる。それにより、光導波路層106の屈折率が変化する。
次に、ヒータ104によって与えられる熱の伝導について説明する。図2は、ヒータ104によって与えられる熱の伝導方向について示す模式図である。空気の熱伝導率はメサ半導体領域102の熱伝導率よりも低いことから、ヒータ104において発生した熱は、主としてメサ半導体領域102および半導体基板101に伝導する。
図2に示すように、メサ半導体領域102および半導体基板101は、熱の伝わり方に応じて領域A、領域B、領域Cおよび領域Dに分けられる。領域Aは、メサ半導体領域102の上側の領域である。領域Bは、メサ半導体領域102における領域A以外の下側の領域である。領域Cは、半導体基板101の上側の領域である。領域Dは、半導体基板101における領域C以外の下側の領域である。
ヒータ104において発生した熱は、まず、メサ半導体領域102の幅の経路において領域Aの上端から下方に向けて伝導する。一般に、2点間を流れる熱流量Pと温度差dTとの間にはdT=P×Rthの関係がある。ここで、Rthは熱抵抗であり、熱が流れる経路の長さに比例し、断面積に反比例する。したがって、ヒータの発熱量(もしくは供給電力)が一定の場合、温度差dTは熱抵抗Rthに比例する。また、同じ長さ当たりの温度差すなわち温度勾配は、熱流経路の断面積が小さいほど大きくなる。
ここで、メサ半導体領域102の幅が半導体基板101の幅に比較して小さいことから、領域Aにおける熱抵抗は大きく、温度勾配も大きくなる。領域Aの下端まで伝導した熱は、領域Bにおいて下方に伝導する。領域Bはメサ半導体領域102の下側の領域であり、半導体基板101の近くに位置する。そのため、領域Bにおいては、半導体基板101の影響を受けて半導体基板101に対して熱が放射状に広がりながら伝導する。それにより、領域Bにおいては温度勾配が徐々に低下する。
領域Bの下端まで伝導した熱は、領域Cにおいて下方に伝導する。領域Cにおいては、半導体基板101の幅方向に広がりながら熱が伝導する。そのため、領域Cにおける温度勾配は急激に小さくなる。領域Cの下端まで伝導した熱は、領域Dにおいて下方に伝導する。領域Dにおいては、熱は半導体基板101の幅の経路に拡がりきって下方に伝導するため、温度勾配は一定の小さな値に収束する。
以上説明したとおり、メサ半導体領域102の幅が半導体基板101の幅に比較して小さいことから、ヒータ104における発生熱は光導波路層106に対して効率よく供給される。本実施の形態においては、光導波路層106のメサ半導体領域102の下端からの距離D2は、メサ半導体領域102の幅Wの0.5倍以上である。なお、メサ半導体領域102の幅Wは、光導波路層106が位置する領域の幅である。一例として、半導体基板101の幅は300μm程度であり、メサ半導体領域102の幅Wは10μm程度であり、メサ半導体領域102の上端から光導波路層106までの距離D1は3μm程度であり、光導波路層106から半導体基板101までの距離D2は7μm程度である。ここで、熱効率以外を目的としたメサ半導体領域での距離D2は、一般的に2μm以下であるので、本発明とは構成上異なっている。
なお、本発明における半導体領域の下端とは、本実施例では、ストライプメサ状のメサ半導体領域102の底面に相当する。したがって、本実施例では、半導体領域の下端が半導体基板と半導体領域の界面に位置することになる。当然ながら、ストライプメサが界面よりも高く形成された場合は、メサ半導体領域102の底面が基板の界面より高いところに位置することになる。また、メサ半導体領域102の底面が界面よりも低く形成された場合は、メサ半導体領域の底面が基板の界面より低いところに位置することになる。この場合、メサ半導体領域は基板の一部を含むことになる。
この場合、光導波路層106と半導体基板101との距離が十分に大きくなる。それにより、光導波路層106を伝導した熱の拡散を抑制することができる。その結果、光導波路層106における温度勾配を十分に大きくすることができる。以上のことから、本実施の形態においては、ヒータ104による発熱によって効率よく光導波路層106の温度を制御することができる。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る分布反射器100aについて説明する。図3は、分布反射器100aの模式的断面図である。分布反射器100aが図1の分布反射器100と異なる点は、さらに周辺半導体領域107が形成されている点である。図3に示すように、周辺半導体領域107は、メサ半導体領域102の側面と所定の間隔を空けて形成されている。すなわち、分布反射器100aは、メサ半導体領域102と周辺半導体領域107との間に溝が形成された構造を有する。周辺半導体領域107は、例えば、InP等からなる。なお、絶縁膜103は、メサ半導体領域102の上面および側面ならびに周辺半導体領域107の上面および側面に形成されている。
本実施の形態においては、メサ半導体領域102と周辺半導体領域107との間に空間が介在することから、ヒータ104において発生した熱は、主としてメサ半導体領域102および半導体基板101に伝導する。したがって、ヒータ104による発熱によって効率よく光導波路層106の温度を制御することができる。
(第3の実施の形態)
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る分布反射器100bについて説明する。図4は、分布反射器100bの模式的断面図である。分布反射器100bが図3の分布反射器100aと異なる点は、メサ半導体領域102と周辺半導体領域107との間の溝にメサ半導体領域102よりも低い熱伝導率を有する絶縁性樹脂108が充填されている点である。絶縁性樹脂108は、例えば、ポリイミド等からなる。
本実施の形態においては、メサ半導体領域102と周辺半導体領域107との間にメサ半導体領域102よりも低い熱伝導率を有する絶縁性樹脂108が介在することから、ヒータ104において発生した熱は、主としてメサ半導体領域102および半導体基板101に伝導する。したがって、ヒータ104による発熱によって効率よく光導波路層106の温度を制御することができる。
なお、第1〜第3の実施の形態においては、メサ半導体領域102が半導体領域に相当し、光導波路層106よりも上側のクラッド領域105が上部クラッド層に相当し、光導波路層106よりも下側のクラッド領域105が下部クラッド層に相当し、絶縁性樹脂108が絶縁部材に相当する。
(第4の実施の形態)
続いて、本発明の第4の実施の形態に係るレーザチップ200について説明する。図5は、レーザチップ200の全体構成を示す斜視図であり、図6(a)はレーザチップ200の平面図である、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図である。以下、図5、図6(a)および図6(b)を参照しつつレーザチップ200の説明を行う。
図5、図6(a)および図6(b)に示すように、レーザチップ200は、SG−DR(Sampled Grating Distributed Reflector)チップ構造α、SG−DFB(Sampled Grating Distributed Feedback)チップ構造βおよびPC(Power Control)チップ構造γを順に連結させた構造を有する。
SG−DRチップ構造αは、半導体基板1上に光導波路層3、クラッド層5および絶縁層6が順に積層され、絶縁層6上に薄膜抵抗体9、電源電極10およびグランド電極11が積層された構造を有する。SG−DFBチップ構造βは、半導体基板1上に光導波路層4、クラッド層5、コンタクト層7および電極8が順に積層された構造を有する。PCチップ構造γは、半導体基板1上に光導波路層12、クラッド層5、コンタクト層13および電極14が順に積層された構造を有する。SG−DRチップ構造α、SG−DFBチップ構造βおよびPCチップ構造γにおける半導体基板1およびクラッド層5は、それぞれ一体的に形成された単一層である。光導波路層3,4,12は、同一面上に形成され、光結合している。
SG−DRチップ構造α側の半導体基板1、光導波路層3およびクラッド層5の端面には、低反射膜15が形成されている。一方、PCチップ構造γ側の半導体基板1、光導波路層12およびクラッド層5の端面には、低反射膜16が形成されている。抽出回折格子2は、光導波路層3,4に所定の間隔をあけて複数形成され、それによってサンプルドグレーティングが形成される。絶縁層6は、電極8と電極14との境界にも形成されている。
半導体基板1は、例えば、InPからなる。光導波路層3は、例えば、吸収端がレーザ発振波長よりも短波長側にあるInGaAsP系結晶からなり、1.3μm程度のPL波長を有する。光導波路層4は、例えば、目的とする波長でのレーザ発振に対して利得を有するInGaAsP系結晶からなる活性層を含み、1.57μm程度のPL波長を有する。光導波路層12は、光を吸収または増幅することによって出射光出力を変化させるためのInGaAsP系結晶からなり、例えば1.57μm程度のPL波長を有する。
光導波路層3には、SG−DRセグメントが複数形成されている。本実施例においては、光導波路層3にSG−DRセグメントが3つ形成されている。ここで、SG−DRセグメントとは、光導波路層3において抽出回折格子2が設けられている領域と抽出回折格子2が設けられていないスペース部とがそれぞれ1つ連続する領域である。
クラッド層5は、InPからなり、光導波路層3,4,12を伝播するレーザ光を閉じ込める機能を果たす。コンタクト層7,13は、InGaAsP系結晶からなる。絶縁層6は、SiN,SiO等の絶縁体からなる保護膜である。低反射膜15,16は、例えばMgFおよびTiONからなる誘電体膜からなり、0.3%以下程度の反射率を有する。
薄膜抵抗体9は、NiCr等からなり、絶縁層6上に3つのSG−DRセグメントにわたって形成されている。薄膜抵抗体9には、電源電極10およびグランド電極11が1つずつ接続されている。電源電極10、グランド電極11、電極8,14は、Au等の導電性材料からなる。なお、図5に示すように、薄膜抵抗体9の両側から光導波路層3の両側にかけてメサ溝が光導波路層3と並行に形成されている。
本実施の形態においては、なお、図5に示すように、ヒータ9の両側から光導波路層3の両側を通って半導体基板1にかけてメサ溝21が光導波路層3と並行に形成されている。本実施例においては、光導波路層3を含むメサ半導体領域20がメサ溝21によって画定され、光導波路層3を含むメサ半導体領域20が上記第1実施例〜第3実施例におけるメサ半導体領域102に対応する。光導波路層3の下端からメサ半導体領域20の下端までの距離は、メサ半導体領域20の幅の0.5倍以上である。
続いて、レーザチップ200の動作について説明する。電極8に所定の電流が供給されると、光導波路層4において光が発生する。発生した光は、光導波路層3,4を伝播しつつ繰り返し反射および増幅されてレーザ発振する。発振したレーザ光の一部は、光導波路層12において増幅または吸収された後、低反射膜16を通して外部に出射される。光導波路層12における増幅率もしくは吸収率は、電極14に供給する電流に応じて制御することができる。電極14に所定の電流が供給されると、出射光出力が一定に維持される。
また、薄膜抵抗体9に電流等の電気信号が供給されると、その大きさに応じて各SG−DRセグメントの温度が調整される。それにより、各SG−DRセグメントの屈折率が変化する。その結果、光導波路層3の反射ピーク波長が変化する。以上のことから、薄膜抵抗体9に供給する電流の大きさを制御することによって、レーザチップ200の発振波長を制御することができる。
なお、光導波路層3の下端からメサ半導体領域20の下端までの距離がメサ半導体領域20の幅の0.5倍以上であることから、光導波路層3を伝導した熱の拡散を抑制することができる。その結果、光導波路層3における温度勾配を十分に大きくすることができる。以上のことから、本実施の形態においては、薄膜抵抗体9による発熱によって効率よく光導波路層3の温度を制御することができる。
本実施の形態においては、SG−DFBチップ構造βが利得部に相当し、メサ半導体領域20が半導体領域に相当し、PCチップ構造γが光の吸収または増幅を行う領域に相当する。
(第5の実施の形態)
続いて、本発明の第5の実施の形態に係るレーザモジュール300について説明する。図7は、レーザモジュール300の全体構成を示す模式図である。図7に示すように、レーザモジュール300は、温度制御装置301上にキャリアが搭載され、キャリア上にレーザチップ302およびサーミスタが載置された構造を有する。レーザチップ302は、第4の実施の形態に係るレーザチップ200と同様のものである。
温度制御装置301は、レーザチップ302全体の温度を制御する。それにより、温度制御装置301は、光導波路層4の反射ピーク波長を制御することができる。したがって、本実施の形態に係るレーザモジュール300は、薄膜抵抗体9による光導波路層3の温度制御および温度制御装置301による光導波路層4の温度制御の両方によって、発振波長を制御することができる。
(第6の実施の形態)
続いて、本発明の第6の実施の形態に係るレーザモジュール300aについて説明する。図8は、レーザモジュール300aの全体構成を示す模式図である。レーザモジュール300aが図7のレーザモジュール300と異なる点は、レーザチップ302が温度制御装置301上において配置される箇所である。図8に示すように、レーザチップ302のうちPCチップ構造γおよびSG−DFBチップ構造βは温度制御装置301上に載置され、SG−DRチップ構造αは温度制御装置301上に載置されていない。
この場合、温度制御装置301は、SG−DFBチップ構造βの温度を制御する。それにより、温度制御装置301は、光導波路層4の反射ピーク波長を制御することができる。したがって、本実施の形態に係るレーザモジュール300aは、薄膜抵抗体9による光導波路層3の温度制御および温度制御装置301による光導波路層4の温度制御の両方によって、発振波長を制御することができる。このように、SG−DRチップ構造αは、温度制御装置301上に載置されていなくてもよい。
以下、上記実施の形態に係る分布反射器をモデル化し、数値計算によって熱解析を行った。
(実施例1)
実施例1においては、第1の実施の形態に係る分布反射器100を作製した。半導体基板101およびクラッド領域105はInPからなり、光導波路層106はInGaAsP系結晶からなる。メサ半導体領域102の幅Wは、10μmとした。また、メサ半導体領域102の上端から光導波路層106の下端までの距離D1は3μmとし、光導波路層106の下端から半導体基板101までの距離D2は17μmとした。したがって、メサ半導体領域102の高さ(D1+D2)は20μmである。半導体基板101およびメサ半導体領域102全体の高さは100μmである。また、半導体基板101の幅は300μmであり、半導体基板101の高さは80μmとした。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と同様に分布反射器100を作製した。実施例2に係る分布反射器100は、メサ半導体領域102の幅Wが20μmである他は、実施例1の分布反射器100と同様である。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1と同様に分布反射器100を作製した。実施例3に係る分布反射器100は、メサ半導体領域102の幅Wが40μm、メサ半導体領域102の高さが30μm(D1=3μm、D2=27μm)、半導体基板101の高さが70μmである他は、実施例1の分布反射器100と同様である。
(比較例)
比較例においては、図9に示す分布反射器400を作製した。図9は分布反射器400の模式的断面図である。図9に示すように、分布反射器400は、第1の実施の形態に係る分布反射器100において半導体基板101上に半導体基板101と等しい幅を有する半導体領域401が積層された構造を有する。すなわち、分布反射器400は、分布反射器100のメサ半導体領域102を半導体基板101の幅に拡げた構造を有する。分布反射器400における距離D1は3μmとし、距離D2は17μmとし、分布反射器400のヒータ104を除く高さは100μmとした。また、比較例に係る半導体基板101および半導体領域401の幅は300μmとした。
(分析)
ヒータ104に一定の電力を供給して各分布反射器を加熱し、各分布反射器における温度分布を測定した。図10は、実施例1および比較例に係る分布反射器における温度分布を示す図である。図10の横軸は各分布反射器のヒータ104の底面からの距離zを示す。各分布反射器の底面(基板底面)においてはz=−100μmである。図10の縦軸は各分布反射器における底面の温度との温度差dTを示す。したがって、各分布反射器の底面においてはdT=0である。図10の実線は実施例に係る分布反射器の温度差dTを示し、図10の破線は比較例に係る分布反射器の温度差dTを示す。
図10に示すように、いずれの分布反射器においても、底面から上面にかけて温度が増加した。実施例1に係る分布反射器100においては、底面から上面方向に温度が徐々に増加し、z=−20μmよりも上方では比較例に係る分布反射器に比較して急激に温度が増加した。これは、メサ半導体領域102の幅が半導体基板101の幅に比較して小さくなっていることから、メサ半導体領域102における熱抵抗が大きくなっているからであると考えられる。すなわち、比較例に係る分布反射器においてはメサ構造が設けられていないことから熱が横方向に拡がりやすい傾向にあるが、実施例1に係る分布反射器においてはメサ構造に起因してヒータ104から与えられる熱が横方向に拡がらずに狭い範囲で伝導するからであると考えられる。したがって、実施例に係る分布反射器100においては、光導波路層106を効率よく加熱することができる。
続いて、各分布反射器における温度差dTを距離zで微分して、温度勾配dT/dzを求めた。図11は、各分布反射器における温度勾配dT/dzを示す図である。図11の横軸は距離zを示し、図11の縦軸は温度勾配dT/dzを示す。図11の実線は実施例に係る分布反射器100の温度勾配dT/dzを示し、図11の破線は比較例に係る分布反射器400の温度勾配dT/dzを示す。
図11に示すように、いずれの分布反射器においても、底面から上面にかけて温度勾配dT/dzが増加した。比較例に係る分布反射器400においては、ヒータ104の下面からの距離が大きくなるにしたがって急激に温度勾配dT/dzが低下し、光導波路層106の位置(Z=−3μm)における温度勾配dT/dzはヒータ104の下面の温度勾配dT/dzの70%程度にまで減少した。
これに比較して、実施例に係る分布反射器100においては、温度勾配dT/dzは、ヒータ104の下面から所定の距離まで最大値を維持し、光導波路層106においても最大値を示した。したがって、実施例に係る分布反射器100においては、効率よく光導波路層106を加熱することができることが立証された。この温度勾配dT/dzは、z=−15μmの位置から低下し始めた。この位置はメサ半導体領域102の下端から5μmの位置である。したがって、本発明の効果を発揮するためには、距離D2を5μm以上とすることが必要であることがわかる。
図12は、実施例2に係る分布反射器100における温度勾配を示す図である。図12の横軸は実施例2に係る分布反射器100のヒータ104の底面からの距離zを示す。図12の縦軸は温度勾配dT/dzを示す。図12に示すように、実施例2に係る分布反射器100においては、温度勾配dT/dzはz=−10μmの位置から低下し始めた。この位置はメサ半導体領域102の下端から10μmの位置である。したがって、本発明の効果を得るためには、距離D2を10μm以上とすることが必要であることがわかる。
図13は、実施例3に係る分布反射器100における温度勾配を示す図である。図13の横軸は実施例3に係る分布反射器100のヒータ104の底面からの距離zを示す。図12の縦軸は温度勾配dT/dzを示す。図13に示すように、実施例3に係る分布反射器100においては、温度勾配dT/dzはz=−20μmの位置から低下し始めた。この位置はメサ半導体領域102の下端から20μmの位置である。したがって、本発明の効果を得るためには、距離D2を20μm以上とすることが必要であることがわかる。
ここで、メサ半導体領域102における温度勾配dT/dzは、メサ半導体領域102の幅Wに反比例するため、幅Wが大きいほど本発明の効果は小さくなる。したがって、幅Wが大きくなるほど距離D2も大きくなる必要がある。上記各実施例に係る分布反射器100においては、幅W=10μmに対して距離D2=5μm以上、幅W=20μmに対して距離D2=10μm以上、幅W=40μmに対して距離D2=20μm以上であることが必要である。したがって、距離D2が幅Wの0.5倍以上であると本発明の効果があることがわかる。なお、上記各実施例においては、本発明に係る光半導体装置として、分布反射器もしくはSG−DR領域とSG−DFB領域を備えるレーザチップが記載されているが、それに限られない。本発明に係る光半導体装置もしくはレーザチップは、光導波路の温度を制御するヒータを備えていれば、他の光半導体装置を用いてもよい。
1,101 半導体基板
3,106 光導波路層
9 薄膜抵抗体
20,102 メサ半導体領域
100,100a,100b 分布反射器
103 絶縁膜
104 ヒータ
105 クラッド領域
106 光導波路層
108 絶縁性樹脂
200,302 レーザチップ
300,300a レーザモジュール
301 温度制御装置

Claims (11)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上において、上面および側面を備えて画定され、光導波路層を備えたストライプ状の半導体領域と、
    前記半導体領域の前記光導波路層より上部に設けられたヒータと、
    前記半導体領域の両側に前記光導波路層と並行に形成されたメサ溝と、を備え、
    前記半導体領域の幅は、前記ヒータが設けられた全ての領域に渡って前記半導体基板の幅より狭く画定され、
    前記光導波路層は、前記半導体領域の側面の下端より上側に設けられ、
    前記半導体領域の側面の下端の位置から前記光導波路層の位置までの距離は、前記半導体領域の幅の0.5倍以上であることを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記半導体領域の幅は、前記光導波路層が位置する領域における幅であることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  3. 前記半導体領域は、前記光導波路層を挟んで設けられた上部クラッド層と下部クラッド層とを備え、
    前記光導波路層は、InGaAsPからなり、
    前記上部クラッド層、前記下部クラッド層および前記半導体基板は、InPからなることを特徴とする請求項1または2記載の光半導体装置。
  4. 前記半導体領域の側面側には、空間領域が位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体装置。
  5. 前記半導体領域の側面は、前記半導体領域の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する絶縁部材によって覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光半導体装置。
  6. 前記絶縁部材は、ポリイミドであることを特徴とする請求項5記載の光半導体装置。
  7. 光導波路層を備えるとともに伝搬光に対して利得を有する利得部をさらに備え、
    前記利得部の光導波路層と前記半導体領域の光導波路とは、光結合していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光半導体装置。
  8. 前記利得部は、前記半導体領域の幅より広い幅を有することを特徴とする請求項7記載の光半導体装置。
  9. 前記利得部および前記半導体領域を搭載する温度制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項7または8記載の光半導体装置。
  10. 前記利得部の少なくとも一部が前記温度制御装置上に搭載されていることを特徴とする請求項7または8記載の光半導体装置。
  11. 前記半導体領域の側面の下端は、前記半導体基板の面より低い位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
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