JP2019161070A - 光導波路構造及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱効率が高く、信頼性低下が抑制された光導波路構造を提供する。【解決手段】光導波路構造は、分布反射部と、クラッド部と、分布反射部に沿ったヒータと、ヒータに接続された配線と、を備え、分布反射部の左右の各側に伸びる第1溝と第2溝が、分布反射部を含むメサ部を定義しており、ヒータはメサ部上に配置されており、第1溝と第2溝は、第1部分と、第1部分よりも溝幅及び溝深さが小さい第2部分とを有し、第1溝と第2溝においては、その近傍のクラッド部は、溝内で突出して第2部分を形成する凸部を有し、配線は凸部の上を通って第2部分に掛け渡され、メサ部および第1溝と第2溝の真下において、基板との間には平面的に広がる空隙が形成され、第1部分は空隙まで到達していて、第2部分は空隙まで到達しておらず、クラッド部の一部によって形成される底面があり、底面を形成するクラッド部の一部によって、メサ部と凸部とが連結している。【選択図】図2

Description

本発明は、光導波路構造及びその製造方法に関するものである。
光導波路構造において、光導波層や回折格子層の屈折率を、ヒータによって加熱することで変化させて、レーザ発振波長を変化させる技術が知られている(たとえば、特許文献1)。ヒータによる加熱の効率を高めてヒータの消費電力を抑制するための種々の技術が開示されている。たとえば、熱の拡散を防ぐために光導波層を含む部分を深いメサ構造にしたり、光導波層の下に高熱抵抗層を配置したり、光導波層の下に空隙を設けた中空導波路構造にしたりする技術が特許文献2〜6に開示されている。
一方、特許文献7には、リッジ、半島構造部及び導電性トレースを含む導波路構造が開示されている。この導波路構造では、半島構造部の端面とリッジの側壁との間にギャップが存在するように、半島構造部はリッジに隣接している。導電性トレースは、半島の上面及びリッジの上面の上を導電性トレースが延伸するように、ギャップを横切って架けられている。
国際公開第2016/152274号 特許第5303581号公報 特許第5303580号公報 米国特許第7778295号明細書 特開2012−174938号公報 特許第6093660号公報 特表2017−502355号公報
ヒータによる加熱効率を高めるためには、中空導波路構造とすることが望ましい。しかしながら、従来の中空導波路構造では、光導波層が含まれる部分を支持する支持構造が脆弱のため信頼性が低下する、又は、支持構造を通じて熱が流出しやすいなどの問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヒータによる加熱効率が高く、信頼性の低下が抑制された光導波路構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光導波路構造は、基板と、前記基板上に設けられた、光導波層と回折格子層とを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びるように構成された分布反射部と、前記基板上に設けられた、前記分布反射部をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部と、前記クラッド部の上部の表面に前記分布反射部に沿って配置されたヒータと、前記ヒータに電気的に接続された配線と、を備え、前記クラッド部には前記分布反射部の左右の各々の側に前記分布反射部に沿って伸びる第1溝と第2溝がそれぞれ形成されていて、これら第1溝と第2溝が、前記分布反射部を含む断面形状がメサ形状のメサ部を定義しており、前記ヒータは、前記メサ部上に配置されており、前記第1溝と第2溝のそれぞれは、所定の溝幅を有する第1部分と、前記第1部分よりも溝幅及び溝深さが小さい第2部分とを有し、前記第1溝と第2溝のそれぞれにおいては、その近傍の前記クラッド部は、平面視において前記溝内の前記メサ部から遠い内側壁から前記メサ部に向かって突出してそれぞれの前記第2部分を形成する凸部を有しており、前記配線は、前記凸部の上を通って前記第2部分に掛け渡され、前記ヒータに電気的に接続しており、前記分布反射部を含む前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下において、基板との間には平面的に広がる空隙が形成されており、前記第1溝の前記第1部分と前記第2溝の第1部分はそれぞれ前記空隙まで到達していて、前記第1溝と第2溝は前記空隙により連通されており、前記第1溝の前記第2部分と前記第2溝の第2部分はそれぞれ前記空隙まで到達しておらず、各々クラッド部の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部の一部によって、前記メサ部と前記クラッド部の前記凸部とが連結している。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記第1溝と第2溝のそれぞれの前記凸部は、突出方向において互いに離間した複数のセグメントからなる。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記第1溝及び前記第2溝の内表面と前記クラッド部の表面を覆う保護膜をさらに備える。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記保護膜は前記第1溝と第2溝のそれぞれの前記第2部分を埋めている。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記空隙の側方に隣接する犠牲層を有しており、前記犠牲層は、前記犠牲層の上層及び下層を構成する材料よりも、所定のエッチング剤に対するエッチングレートが高い材料からなる。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記第2溝幅部の溝幅は2μm以下である。
本発明の一態様に係る光導波路構造は、前記回折格子層は標本化回折格子、位相シフト回折格子、又は超構造回折格子として構成されている。
本発明の一態様に係る光導波路構造の製造方法は、基板上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を含む基板上の表面に、光導波層と回折格子層とを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びるように構成された分布反射部と、前記分布反射部をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部を形成する工程と、前記クラッド部に、前記分布反射部の左右の各々の側に前記分布反射部に沿って伸びる第1溝と第2溝のそれぞれを形成し、これら第1溝と第2溝により前記分布反射部を含む断面形状がメサ形状のメサ部を形成する工程と、前記分布反射部を含む前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下の前記犠牲層の少なくとも一部を除去することにより、前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下に平面的に広がる空隙を形成する工程と、前記クラッド部の上部の表面に前記分布反射部に沿ってヒータを配置する工程と、前記ヒータに電気的に接続する配線を配置する工程と、を含み、前記第1溝及び前記第2溝を形成する際、その近傍の前記クラッド部に、平面視において前記溝内の前記メサ部から遠い内側壁から前記メサ部に向かって突出している凸部を形成し、前記第1溝と第2溝のそれぞれに、所定の溝幅を有し溝深さが少なくとも前記犠牲層まで到達する深さの第1部分と、前記第1部分よりも溝幅が小さく溝深さが前記犠牲層まで到達しない深さでありかつ前記凸部によって定義される第2部分を形成し、前記第1溝と第2溝の真下の前記犠牲層の少なくとも一部を除去する際に、前記犠牲層の上にある層及び下にある層を構成する材料各々よりも、前記犠牲層を構成する材料に対してエッチングレートが高いエッチング剤を、前記第1部分の各々を通じて前記犠牲層に供給し、前記犠牲層のうち前記メサ部の下の領域を除去し、前記配線を配置する際に、前記配線を前記凸部の上を通って前記第2溝幅部に掛け渡し、前記ヒータに電気的に接続する。
本発明の一態様に係る光導波路構造の製造方法は、前記犠牲層は前記基板上の略全面に形成され、前記空隙を形成する際に、前記犠牲層の一部のみを除去し、前記犠牲層の上にある層の一部と下にある層の一部とが残された前記犠牲層で連結される。
本発明の一態様に係る光導波路構造の製造方法は、前記犠牲層は前記基板上の一部の領域に形成され、前記空隙を形成する際に、前記犠牲層の全部を除去する。
本発明の一態様に係る光導波路構造の製造方法は、前記空隙を形成する工程では、前記第1溝の前記第1部分と前記第2溝の第1部分はそれぞれ前記空隙まで到達していて、前記第1溝と第2溝は前記空隙により連通されており、前記第1溝の前記第2部分と前記第2溝の第2部分はそれぞれ前記空隙まで到達しておらず、各々クラッド部の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部の一部によって、前記メサ部と前記クラッド部の前記凸部とが連結している、様に、前記犠牲層が除去される。
本発明によれば、ヒータによる加熱効率が高く、信頼性の低下が抑制された光導波路構造を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る光導波路構造の模式的な上面図である。 図2は、図1のA−A線断面の一部を示す図である。 図3は、図1のB−B線断面の一部を示す図である。 図4は、図1に示す光導波路構造の製造方法を説明する図である。 図5は、図1に示す光導波路構造の製造方法を説明する図である。 図6は、実施形態2に係る光導波路構造を説明する模式図である。 図7は、実施形態3に係る光導波路構造を説明する模式図である。 図8は、実施形態4に係る光導波路構造の模式的な断面図である。 図9は、実施形態4に係る光導波路構造の模式的な断面図である。 図10は、図8、9に示す光導波路構造の製造方法を説明する図である。 図11は、図8、9に示す光導波路構造の製造方法を説明する図である。 図12は、図8、9に示す光導波路構造の製造方法を説明する図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光導波路構造の模式的な上面図である。図2は、図1のA−A線断面の一部を示す図である。図3は、図1のB−B線断面の一部を示す図である。光導波路構造100は、積層部101と、ヒータ103と、配線104、105とを備えている。積層部101には、第1溝であるトレンチ溝102aと第2溝である102bとが形成されている。また、光導波路構造100は、2つの光導波部110a、110bと、2つの光導波部110a、110bの間に接続された分布反射部120とを備えている。
積層部101は、n型InPからなる基板100a上に配置されており、複数の半導体層が積層して構成されている。図2に示すように、積層部101において、基板100a上には、犠牲層100kが積層している。犠牲層100k上には、n型InPからなる下部クラッド層100bが積層している。
犠牲層100kは基板100a上に部分的に積層している。その結果、基板100a、犠牲層100k、下部クラッド層100bで囲まれた層状の空隙G1が形成される。犠牲層100kは空隙G1の側方に隣接している。なお、犠牲層100kは、その下層である基板100a及び上層である下部クラッド層100bを構成する半導体材料であるInPに、略格子整合する半導体材料からなる。犠牲層100kは、たとえばInGaAs、InGaAsP、AlInAsなどの半導体混晶材料からなる。これにより、犠牲層100kは、基板100a及び下部クラッド層100bよりも、所定のエッチング剤に対するエッチングレートが高いものとなる。
下部クラッド層100b上には、回折格子層100cが積層している。回折格子層100cは、例えば標本化回折格子、位相シフト回折格子、又は超構造回折格子として構成されている。回折格子層100cは、バンドギャップ波長が1.55μm帯より短い、たとえば1.3μmであるn型GaInAsPと、n型InPとが交互に配置され、回折格子構造を成している。回折格子層100c上には、n型InPからなるスペーサ層100dが積層している。スペーサ層100d上には、光導波層100eが積層している。光導波層100eは、バンドギャップ波長が1.55μm帯より短い、たとえば1.3μmであるGaInAsPからなる。
光導波層100e上には、p型InPからなる第1上部クラッド層100fが積層している。下部クラッド層100bの上部、回折格子層100c、スペーサ層100d、光導波層100e、第1上部クラッド層100fは、エッチング等により、1.55μm帯の光をシングルモードで光導波するのに適した幅W1(たとえば2μm)にされたメサ構造M1になっている。メサ構造M1の両脇(紙面左右方向)は、p型InPからなる下部埋込層100g及びn型InPからなる上部埋込層100hで構成された電流ブロッキング構造で埋め込まれており、いわゆる埋込メサ構造が形成されている。さらに、第1上部クラッド層100f及び上部埋込層100hの上には、p型InPからなる第2上部クラッド層100iが積層している。
分布反射部120は、基板100a上に設けられ、光導波層100eとスペーサ層100dと回折格子層100cとを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びるように構成されている。第1上部クラッド層100fと第2上部クラッド層100iとは、一体となって上部クラッド層として機能する。下部クラッド層100bと、上部クラッド層と、下部埋込層100gと、上部埋込層100hとは、分布反射部120をそれに沿って上下左右から囲むように隣接しており、クラッド部106として機能する。
なお、積層部101において、2つの光導波部110a、110bが形成される各々の領域では、回折格子層100cに変えて、回折格子層100cと同じn型GaInAsPからなる半導体層が積層した構成となっている。
トレンチ溝102a、102bは、クラッド部106に、分布反射部120の左右の各々の側に分布反射部120に沿って伸びている。これらトレンチ溝102a、102bが、分布反射部120を含む、断面形状がメサ形状であり幅W2のメサ部M2を定義している。幅W2はたとえば3μmである。さらに、光導波路構造100は、各々のトレンチ溝102a、102bの内表面とクラッド部106の表面を覆う保護膜100jを備える。保護膜100jは、クラッド部106よりも屈折率が低い、SiNxなどの誘電体からなる。保護膜100jの厚さはたとえば300nmである。
ヒータ103は、たとえばTi膜、Pt膜、Au膜が積層した構造を有しており、メサ部M2における保護膜100jの表面で分布反射部120に沿って配置されている。ヒータ103は、TiPt膜、Cr膜、NiCr膜を含んでいてもよい。
トレンチ溝102aは、所定の溝幅を有する第1部分102aaと、第1部分102aaよりも溝幅及び溝深さが小さい第2部分102ab、102acと、第1部分102aaよりも溝幅及び溝深さが大きい第3部分102ad、102ae、102af、102agとを有する。
トレンチ溝102bは、所定の溝幅を有する第1部分102ba、102bbと、第1部分102ba、102bbよりも溝幅及び溝深さが小さい第2部分102bcと、第1部分102ba、102bbよりも溝幅及び溝深さが大きい第3部分102bd、102beとを有する。第1部分102aa、102ba、102bbの溝幅(たとえば図2に示す溝幅W3)はたとえば20μmである。第2部分102ab、102ac、102bcの溝幅は2μm以下が好ましい。ここで、トレンチ溝102a、102bの溝幅については、保護膜100jの厚さを含めない幅と規定する。
空隙G1は、分布反射部120を含むメサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下において、基板101aとの間に平面的に広がるように形成されている。トレンチ溝102a、102bの第1部分102aa、102ba、102bbは、それぞれ空隙G1まて到達していて、トレンチ溝102a、102bは空隙G1により連通している。また、第2部分102ab、102ac、102bcは溝深さが小さく、空隙G1まで到達しておらず、保護膜100jによって埋められている。なお、第3部分102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102beは、空隙G1に到達していてもよい。
また、トレンチ溝102aにおいては、その近傍のクラッド部106は、平面視において、トレンチ溝102a内のメサ部M2から遠い内側壁からメサ部M2に向かって突出して第2部分102ab、102acをそれぞれ形成する凸部101a、101bを有している。また、クラッド部106は、トレンチ溝102a内において、第3部分102ad、102ae、102af、102agをそれぞれ形成する凹部101c、101d、101e、101fを有している。凹部101c、101dは、第3部分102ad、102aeが凸部101aに隣接するように形成されている。凹部101e、101fは、第3部分102af、102agが凸部101bのいずれかに隣接するように形成されている。
また、トレンチ溝102bにおいては、その近傍のクラッド部106は、平面視において、トレンチ溝102b内のメサ部M2から遠い内側壁からメサ部M2に向かって突出して第2部分102bcを形成する凸部101gを有している。また、積層部101は、トレンチ溝102b内において、第3部分102bd、102beをそれぞれ形成する凹部101h、101iを有している。凹部101h、101iは、第3部分102bd、102beが凸部101gに隣接するように形成されている。
ここで、第2部分102ab、102ac、102bcには、各々クラッド部106の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部106の一部によって、メサ部M2と、各凸部101a、101b、102gとが連結している。たとえば、図2に示すように、メサ部M2と、凸部101aとは、凸部101aにおける第2部分102abの底面と、空隙G1との境界面と、の間の部分である、下部クラッド層100bの一部によって連結している。
一方、図3に示すように、凸部101a、101b、102gを含まない断面では、メサ部M2は、その周囲とは空隙G1、第1部分及び第3部分(図3では第1部分102aa、102baを示す)により隔絶されている。
なお、第1上部クラッド層100fと第2上部クラッド層100iとを合わせた厚さは例えば2μmである。下部クラッド層100bの厚さは例えば2μmである。犠牲層100kの厚さはたとえば0.3μmである。空隙G1の厚さは犠牲層100kの厚さと同じである。
配線104は、たとえば厚さが1μmであり、電極パッドとなる本体から延伸する2つのアーム部104a、104bを有する。アーム部104aは凸部101aの上を通り、保護膜100jで埋められた第2部分102abに掛け渡され、ヒータ103に電気的に接続している。アーム部104bは凸部101bの上を通り、保護膜100jで埋められた第2部分102acに掛け渡され、ヒータ103に電気的に接続している。アーム部104a、104bは、それぞれヒータ103の長手方向の両端付近に接続している。
配線105は、電極パッドとなる本体から延伸するアーム部105aを有する。アーム部105aは凸部101gの上を通り、保護膜100jで埋められた第2部分102bcに掛け渡され、ヒータ103に電気的に接続している。アーム部105aは、ヒータ103の長手方向の中央付近に接続している。
なお、配線104、105は、Auなどの導電性材料を含んで構成されている。
配線104、105に電流を流すと、ヒータ103は電流が供給されて発熱し、分布反射部120を加熱する。これにより、分布反射部120の屈折率が変化するので、分布反射部120の反射波長特性を変化させることができる。
この光導波路構造100では、メサ部M2と、凸部101a、101b、102gとが、下部クラッド層100bの一部によって連結しており、凸部101a、101b、102gを含まない断面では、メサ部M2はその周囲とは空隙G1、第1部分及び第3部分により隔絶されている。これにより、ヒータ103から発生した熱が基板101aに拡散してしまうことが抑制される。その結果、ヒータ103が発生する熱が分布反射部120を効率良く加熱し、分布反射部120の反射波長特性を効率よく制御することができる。これにより、ヒータ103の消費電力を抑制できる。
また、メサ部M2と、凸部101a、101b、102gとの連結部が、メサ部M2を十分な強度で支持するので、信頼性の低下を抑制できる。なお、メサ部M2と、凸部101a、101b、102gとの間の第2部分102ab、102ac、102bcは、断熱性を有する保護膜100jで埋められているので、熱の流出を抑制できる。
さらに、この光導波路構造100では、配線104、105のアーム部104a、104b、105aが、それぞれ凸部101a、101bの上を通り、保護膜100jで埋められた第2部分102ab、102ac、102bcに掛け渡され、ヒータ103に電気的に接続している。このように、保護膜100jが第2部分102ab、102ac、102bcを埋めている構造の場合、保護膜100jを形成する前の第2部分102ab、102ac、102bcの溝幅が十分に狭い。その結果、保護膜100jで第2部分102ab、102ac、102bcを埋めた場合の保護膜100jの表面の凹凸は小さい。その結果、配線(アーム部104a、104b、105a)の劣化や断線が発生しにくくなる。これにより、光導波路構造100の信頼性の低下が抑制される。
第2部分102ab、102ac、102bcの溝幅は、2μm以下が好ましく、たとえば1μm程度である。
また、アーム部104a、104b、105aは、メサ部M2を支持する構造としても機能するので、メサ部M2の支持強度はさらに高くなり、信頼性の低下を一層抑制できる。
また、この光導波路構造100では、ヒータ103に対してアーム部104aとアーム部105aとを通る電流経路で電流を流し、アーム部104bとアーム部105aとを通る電流経路で電流を流すことができる。この場合、ヒータ103のアーム部104aとアーム部105aとの間の部分と、アーム部104bとアーム部105aとの間の部分に、並列に電流が流れる。その結果、個々の電流経路においてヒータ103に電流を流す長さをヒータ103の全長よりも短くできる。これにより、ヒータ103において電流が受ける電気抵抗を小さくでき、発熱効率が高まる。
なお、保護膜100jが介在するものの、凸部101a、101b、101gはメサ部M2と距離が近いため、ヒータ103により与えられた熱が凸部101a、101b、101gに伝熱し、放射されることも考えられる。そこで、第3部分102ad、102aeを凸部101aに隣接させ、第3部分102af、102agを101bに隣接させ、第3部分102bd、102beを凸部101gに隣接させている。これによって、凸部101a、101b、101gの長さを実質的に長くして熱抵抗をできるだけ高め、凸部101a、101b、101gからの放熱を抑制している。第3部分102ad、102ae、102af、102agの溝幅はたとえば3μm以上が好ましい。
以上説明したように、光導波路構造100は、ヒータ103による加熱効率が高く、信頼性の低下が抑制されたものである。
(製造方法)
光導波路構造100は、たとえば以下のような工程で製造することができる。まず、分布反射部120を形成するべき領域においては、図4(a)に示すように、基板100a上に、公知の有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、フォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いて、犠牲層100kを形成する。そして、犠牲層100kを含む基板100a上の表面に、下部クラッド層100b、回折格子層100c、スペーサ層100d、光導波層100e、第1上部クラッド層100f、下部埋込層100g、上部埋込層100h、第2上部クラッド層100iを有し、メサ構造M1を含む構造を形成する。すなわち、光導波層100eと回折格子層100cとを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びように構成された分布反射部120と、分布反射部120をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部106を形成する工程を行う。なお、光導波部110a、110bを形成すべき領域では、回折格子層100cに変えて、回折格子層100cと同じn型GaInAsPからなる半導体層が積層した構成となっている。犠牲層100kは、分布反射部120に対して基板100a側に、基板100aの略全面にわたって形成される。
つづいて、全面にSiN膜を堆積した後、SiN膜にパターニングを施す。その後、SiN膜をマスクとしてドライエッチングし、トレンチ溝102a、102bとメサ部M2を形成する。すなわち、クラッド部106に、分布反射部120の左右の各々の側に分布反射部120に沿って伸びるトレンチ溝102a、102bを形成し、これらトレンチ溝102a、102bにより、断面形状がメサ形状であり、分布反射部120を含むメサ部M2を形成する工程を行う。なお、トレンチ溝102a、102bを形成する際には、凸部101a、101b、101gを形成することによって、第1部分102aa、102ba、102bbと、第2部分102ab、102ac、102bcと、第3部分102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102beとを形成する。第2部分102abは凸部101aによって定義され、第2部分102acは凸部101bによって定義され、第2部分102bcは凸部101gによって定義される。
図4(b)は、図2に対応する図であり、図4(c)は、図3に対応する図である。第1部分102aa、102baは犠牲層100kに到達し、さらに基板100aの表面まで到達する溝深さとなるが、第2部分102abは溝幅が小さいため、マイクロローディング効果によって溝深さが小さくなり、犠牲層100kに到達しない。同様に、第1部分102bbは犠牲層100kに到達し、第2部分102ac、102bcも犠牲層100kに到達しない溝深さとなる。第3部分102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102beは犠牲層100kに到達する溝深さでもよい。
つづいて、空隙G1を形成する。具体的には、InPに対してよりも、犠牲層100kを構成する材料に対してエッチングレートが高いエッチング液(たとえば硫酸系エッチング液や酒石酸系エッチング液)を、第1部分102aa、102ba、102bbを通じて犠牲層100kに供給する。たとえば、図4(b)、(c)までの工程を行った後、トレンチ溝102a、102b以外の表面に保護レジストを形成し、エッチング液に浸漬して、第1部分102aa、102ba、102bbの各々を通じて犠牲層100kに供給する。これにより、図5(a)、(b)に示すように、分布反射部120を含むメサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下の犠牲層100kの一部のみを除去し、メサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下に平面的に広がる空隙G1を形成する。
つづいて、CVD法を用いて保護膜100jを形成する。つづいて、たとえば蒸着法とリフトオフ法とを用いて、分布反射部120に沿ってヒータ103を配置する工程と、ヒータ103に電気的に接続する配線104、105を配置する工程とを行う。このとき、配線104、105のアーム部104a、104b、105aを、凸部101a、101b、101gのいずれかの上を通って保護膜100jで埋められた第2部分102ab、102ac、102bcのいずれかに掛け渡し、ヒータ103に電気的に接続する。その後、半導体素子の作製における必要な工程を適宜行うことで、光導波路構造100が完成する。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る光導波路構造を説明する模式図であり、図6(a)は、図2に相当する図であり、図6(b)は上面図である。光導波路構造100Aは、実施形態1に係る光導波路構造100において、凸部101aを凸部101Aaに置き換えた構成を有する。
凸部101Aaは、突出方向において互いに離間した複数のセグメント101Aaaからなる。セグメント101Aaa間は溝101Aabによって離間している。これにより、凸部101Aaの突出方向における熱抵抗をきわめて高くできるので、メサ部M2から凸部101Aaへの放熱をより一層抑制することができ、ヒータ103による加熱効率をより一層高めることができる。なお、他の凸部101b、101gについても、凸部101Aaと同様の凸部に置き換えてもよい。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係る光導波路構造を説明する模式図であり、図2に相当する図である。光導波路構造100Bは、実施形態1に係る光導波路構造100のメサ部M2をメサ部M3に置き換えた構成を有する。
メサ部M3は、下部クラッド層100bの上部、回折格子層100c、スペーサ層100d、光導波層100e、第1上部クラッド層100fの両脇が電流ブロッキング構造等の半導体で埋め込まれておらず、ハイメサ構造になっている。この場合、クラッド部は、下部クラッド層100bと第1上部クラッド層100f及び第2上部クラッド層100100iとで構成される。
光導波路構造100Bでは、半導体からなる埋込構造が無く、メサ部M3の体積が小さいので、ヒータ103の消費電力をさらに抑制できる。
(実施形態4)
図8、9は、実施形態4に係る光導波路構造の模式的な断面図である。図8は図2に相当する図であり、図9は図3に相当する図である。光導波路構造100Cは、実施形態1に係る光導波路構造100において、積層部101を積層部101Cに置き換えた構成を有する。積層部101Cは、積層部101において、犠牲層100kを削除し、下部クラッド層100bを下部クラッド層100Cbに置き換えた構成を有する。光導波路構造100Cの上面図は、図1と同様であるので、図示を省略し、かつ適宜図1に示した符号を用いて光導波路構造100Cの構造を説明する。
下部クラッド層100Cbは基板100a上に部分的に積層している。その結果、基板100a、下部クラッド層100bで囲まれた層状の空隙G2が形成される。空隙G2は、分布反射部120を含むメサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下において、基板101aとの間に平面的に広がるように形成されている。
第2部分102ab、102ac、102bcには、各々クラッド部106の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部106の一部によって、メサ部M2と、各凸部101a、101b、102gとが連結している。たとえば、図8に示すように、メサ部M2と、凸部101aとは、凸部101aにおける第2部分102abの底面と、空隙G2との境界面と、の間の部分である、下部クラッド層100Cbの一部によって連結している。
一方、図9に示すように、凸部101a、101b、102gを含まない断面では、メサ部M2は、その周囲とは空隙G2、第1部分及び第3部分(図9では第1部分102aa、102baを示す)により隔絶されている。
この光導波路構造100Cでは、光導波路構造100と同様の効果が得られる。すなわち、ヒータ103が発生する熱が分布反射部120を効率良く加熱し、分布反射部120の反射波長特性を効率よく制御することができる。これにより、ヒータ103の消費電力を抑制できる。
また、メサ部M2と、凸部101a、101b、102gとの連結部が、メサ部M2を十分な強度で支持するので、信頼性の低下を抑制できる。また、配線(アーム部104a、104b、105a)の劣化や断線が発生しにくくなる。これにより、光導波路構造100Cの信頼性の低下が抑制される。さらに、アーム部104a、104b、105aによってメサ部M2の支持強度はさらに高くなり、信頼性の低下を一層抑制できる。
また、ヒータ103に電流を流す長さをヒータ103の全長よりも短くできるので、発熱効率が高まる。
以上説明したように、光導波路構造100Cは、ヒータ103による加熱効率が高く、信頼性の低下が抑制されたものである。
(製造方法)
光導波路構造100Cは、たとえば以下のような工程で製造することができる。まず、図10(a)に示すように、公知のMOCVD法を用いて、基板100a上に、犠牲層100Ckを積層する。犠牲層100Ckは、光導波路構造100における犠牲層100kと同様に、基板100a及び下部クラッド層100bを構成する半導体材料であるInPに、略格子整合する半導体材料からなる。犠牲層100Ckは、たとえばInGaAs、InGaAsP、AlInAsなどの半導体混晶材料からなる。犠牲層100Ckの厚さはたとえば0.3μmである。
つづいて、図10(b)に示すように、後に空隙G2を形成すべき領域において犠牲層100Ckを残す処理を行う。たとえば、犠牲層100Ckを残す領域において犠牲層100Ck上に、フォトリソグラフィ技術を用いて保護レジストを形成し、その他の領域の犠牲層100Ckをドライエッチング等のエッチングで除去する。これにより、基板101a上の一部の領域に犠牲層100Ckが形成される。その後保護レジストを除去する。
つづいて、図10(c)に示すように、MOCVD法を用いて、下部クラッド層100bを積層する。
つづいて、図10(d)に示すように、回折格子層100c、スペーサ層100d、光導波層100e、第1上部クラッド層100f、下部埋込層100g、上部埋込層100h、第2上部クラッド層100iを有し、メサ構造M1を含む構造を形成する。すなわち、光導波層100eと回折格子層100cとを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びように構成された分布反射部120と、分布反射部120をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部106とを有する積層部101Cを形成する工程を行う。なお、光導波部110a、110bを形成すべき領域では、回折格子層100cに変えて、回折格子層100cと同じn型GaInAsPからなる半導体層が積層した構成となっている。
つづいて、全面にSiN膜を堆積した後、SiN膜にパターニングを施す。その後、SiN膜をマスクとしてドライエッチングし、トレンチ溝102a、102bとメサ部M2を形成する。すなわち、クラッド部106に、分布反射部120の左右の各々の側に分布反射部120に沿って伸びるトレンチ溝102a、102bを形成し、これらトレンチ溝102a、102bにより、断面形状がメサ形状であり、分布反射部120を含むメサ部M2を形成する工程を行う。なお、トレンチ溝102a、102bを形成する際には、凸部101a、101b、101gを形成することによって、第1部分102aa、102ba、102bbと、第2部分102ab、102ac、102bcと、第3部分102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102beとを形成する。
図11(a)は、図8に対応する図であり、図11(b)は、図9に対応する図である。第1部分102aa、102baは犠牲層100Ckに到達し、さらに基板100aの表面まで到達する溝深さとなるが、第2部分102abは溝幅が小さいため、マイクロローディング効果によって溝深さが小さくなり、犠牲層100Ckに到達しない。同様に、第1部分102bbは犠牲層100Ckに到達し、第2部分102ac、102bcも犠牲層100Ckに到達しない溝深さとなる。第3部分102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102beは犠牲層100kに到達する溝深さでもよい。
つづいて、空隙G2を形成する。具体的には、InPに対してよりも、犠牲層100Ckを構成する材料に対してエッチングレートが高いエッチング液を、第1部分102aa、102ba、102bbを通じて犠牲層100Ckに供給する。たとえば、図11(a)、(b)までの工程を行った後、トレンチ溝102a、102b以外の表面に保護レジストを形成し、エッチング液に浸漬して、第1部分102aa、102ba、102bbの各々を通じて犠牲層100Ckに供給する。これにより、図12(a)、(b)に示すように、分布反射部120を含むメサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下の犠牲層100Ckの全部を除去する。その結果、メサ部M2およびトレンチ溝102a、102bの真下に平面的に広がる空隙G2が形成される。
つづいて、CVD法を用いて保護膜100jを形成する。つづいて、分布反射部120に沿ってヒータ103を配置する工程と、ヒータ103に電気的に接続する配線104、105を配置する工程とを行う。このとき、配線104、105のアーム部104a、104b、105aを、凸部101a、101b、101gのいずれかの上を通って保護膜100jで埋められた第2部分102ab、102ac、102bcのいずれかに掛け渡し、ヒータ103に電気的に接続する。その後、半導体素子の作製における必要な工程を適宜行うことで、光導波路構造100Cが完成する。
なお、上記実施形態1〜4において、ポリイミドなどの絶縁性材料で第2部分を埋めてもよい、実施形態1〜4の第2部分の溝幅は十分に小さいので、絶縁性材料で埋めた場合の表面の凹凸は小さい。その結果、絶縁性材料の上に配線を通しても、劣化や断線が発生しにくくなる。また、第2部分を埋めなくてもよい。
また、上記実施形態では、回折格子層が光導波層に対して基板側に位置するが、基板とは反対側に位置させてもよい。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
100 光導波路構造
100a 基板
100b 下部クラッド層
100c 回折格子層
100d スペーサ層
100e 光導波層
100f 第1上部クラッド層
100g 下部埋込層
100h 上部埋込層
100i 第2上部クラッド層
100j 保護膜
100k、100Ck 犠牲層
101 積層部
101a、101b、101g 凸部
101c、101d、101e、101f、101h 凹部
102a、102b トレンチ溝
102aa、102ba、102bb 第1部分
102ab、102ac、102bc 第2部分
102ad、102ae、102af、102ag、102bd、102be 第3部分
103 ヒータ
104、105 配線
104a、104b、105a アーム部
106 クラッド部
110a、110b 光導波部
120 分布反射部
G1、G2 空隙
M1 メサ構造
M2、M3 メサ部
W1、W2 幅
W3 溝幅

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた、光導波層と回折格子層とを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びるように構成された分布反射部と、
    前記基板上に設けられた、前記分布反射部をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部と、
    前記クラッド部の上部の表面に前記分布反射部に沿って配置されたヒータと、
    前記ヒータに電気的に接続された配線と、
    を備え、
    前記クラッド部には前記分布反射部の左右の各々の側に前記分布反射部に沿って伸びる第1溝と第2溝がそれぞれ形成されていて、これら第1溝と第2溝が、前記分布反射部を含む断面形状がメサ形状のメサ部を定義しており、
    前記ヒータは、前記メサ部上に配置されており、
    前記第1溝と第2溝のそれぞれは、所定の溝幅を有する第1部分と、前記第1部分よりも溝幅及び溝深さが小さい第2部分とを有し、
    前記第1溝と第2溝のそれぞれにおいては、その近傍の前記クラッド部は、平面視において前記溝内の前記メサ部から遠い内側壁から前記メサ部に向かって突出してそれぞれの前記第2部分を形成する凸部を有しており、
    前記配線は、前記凸部の上を通って前記第2部分に掛け渡され、前記ヒータに電気的に接続しており、
    前記分布反射部を含む前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下において、基板との間には平面的に広がる空隙が形成されており、
    前記第1溝の前記第1部分と前記第2溝の第1部分はそれぞれ前記空隙まで到達していて、前記第1溝と第2溝は前記空隙により連通されており、
    前記第1溝の前記第2部分と前記第2溝の第2部分はそれぞれ前記空隙まで到達しておらず、各々クラッド部の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部の一部によって、前記メサ部と前記クラッド部の前記凸部とが連結している、
    光導波路構造。
  2. 前記第1溝と第2溝のそれぞれの前記凸部は、突出方向において互いに離間した複数のセグメントからなる、
    請求項1に記載の光導波路構造。
  3. 前記第1溝及び前記第2溝の内表面と前記クラッド部の表面を覆う保護膜をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の光導波路構造。
  4. 前記保護膜は前記第1溝と第2溝のそれぞれの前記第2部分を埋めている、
    請求項3に記載の光導波路構造。
  5. 前記空隙の側方に隣接する犠牲層を有しており、
    前記犠牲層は、前記犠牲層の上層及び下層を構成する材料よりも、所定のエッチング剤に対するエッチングレートが高い材料からなる、
    請求項1〜4に記載の光導波路構造。
  6. 前記第2溝幅部の溝幅は2μm以下である、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の光導波路構造。
  7. 前記回折格子層は標本化回折格子、位相シフト回折格子、又は超構造回折格子として構成されている、
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の光導波路構造。
  8. 基板上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層を含む基板上の表面に、光導波層と回折格子層とを含み、一方向に沿って所定の長さで伸びるように構成された分布反射部と、前記分布反射部をそれに沿って上下左右から囲むクラッド部を形成する工程と、
    前記クラッド部に、前記分布反射部の左右の各々の側に前記分布反射部に沿って伸びる第1溝と第2溝のそれぞれを形成し、これら第1溝と第2溝により前記分布反射部を含む断面形状がメサ形状のメサ部を形成する工程と、
    前記分布反射部を含む前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下の前記犠牲層の少なくとも一部を除去することにより、前記メサ部および前記第1溝と第2溝の真下に平面的に広がる空隙を形成する工程と、
    前記クラッド部の上部の表面に前記分布反射部に沿ってヒータを配置する工程と、
    前記ヒータに電気的に接続する配線を配置する工程と、
    を含み、
    前記第1溝及び前記第2溝を形成する際、その近傍の前記クラッド部に、平面視において前記溝内の前記メサ部から遠い内側壁から前記メサ部に向かって突出している凸部を形成し、前記第1溝と第2溝のそれぞれに、所定の溝幅を有し溝深さが少なくとも前記犠牲層まで到達する深さの第1部分と、前記第1部分よりも溝幅が小さく溝深さが前記犠牲層まで到達しない深さでありかつ前記凸部によって定義される第2部分を形成し、
    前記第1溝と第2溝の真下の前記犠牲層の少なくとも一部を除去する際に、前記犠牲層の上にある層及び下にある層を構成する材料各々よりも、前記犠牲層を構成する材料に対してエッチングレートが高いエッチング剤を、前記第1部分の各々を通じて前記犠牲層に供給し、前記犠牲層のうち前記メサ部の下の領域を除去し、
    前記配線を配置する際に、前記配線を前記凸部の上を通って前記第2溝幅部に掛け渡し、前記ヒータに電気的に接続する、
    光導波路構造の製造方法。
  9. 前記犠牲層は前記基板上の略全面に形成され、
    前記空隙を形成する際に、前記犠牲層の一部のみを除去し、前記犠牲層の上にある層の一部と下にある層の一部とが残された前記犠牲層で連結される、
    請求項8に記載の光導波路構造の製造方法。
  10. 前記犠牲層は前記基板上の一部の領域に形成され、
    前記空隙を形成する際に、前記犠牲層の全部を除去する、
    請求項8に記載の光導波路構造の製造方法。
  11. 前記空隙を形成する工程では、
    前記第1溝の前記第1部分と前記第2溝の第1部分はそれぞれ前記空隙まで到達していて、前記第1溝と第2溝は前記空隙により連通されており、
    前記第1溝の前記第2部分と前記第2溝の第2部分はそれぞれ前記空隙まで到達しておらず、各々クラッド部の一部によって形成される底面があり、それぞれその底面を形成するクラッド部の一部によって、前記メサ部と前記クラッド部の前記凸部とが連結している、様に、前記犠牲層が除去される、
    請求項8に記載の光導波路構造の製造方法。
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