JP4103558B2 - 面発光レーザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザに関し、特にエアギャップを半導体層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能な面発光レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は活性層とクラッド層を多層膜等で形成された反射層で挟み込んだ構造を有するものであり、光通信用光源や光計測用光源として用いられ、特にWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)等の波長多重通信に適用することが可能な面発光レーザに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−213702号公報
【特許文献2】
特開2000−277853号公報
【特許文献3】
特開2002−134835号公報
【非特許文献1】
M.Ortsiefer et.al., Appl.Phys.Lett vol.76 pp.2178-2181(2000)
【非特許文献2】
G.R.Hadley et.al., IEEE J.Quantum Electronics 32 pp.607-616(1996)
【0004】
図5はこのような従来の面発光レーザの一例を示す構成断面図であり、「M.Ortsiefer et.al., Appl.Phys.Lett vol.76 pp.2178-2181(2000)」に記載されたものである。
【0005】
図5において1はInAlAs/InGaAlAsで形成されたn型の分布反射層(Distributed Bragg Reflector:以下、DBR層と呼ぶ。)、2及び4はスペーサ層、3は量子井戸(Quantum Well)等を用いた活性層、5はp型不純物が高濃度にドーピングされたp型のトンネル接合層、6はn型不純物が高濃度にドーピングされたn型のトンネル接合層、7はn型のInP等の低屈折率層、8はミラー層、9はコンタクト層、10は上部の電極、11はヒートシンク、12は下部の電極である。
【0006】
DBR層1の上(実際の図5では下であるが以下の形成過程の説明に際しては上下逆転して説明する。)には下部のスペーサ層2、活性層3及び上部のスペーサ層4が順次形成され、上部のスペーサ層4の上にはp型のトンネル接合層5及びn型のトンネル接合層6が順次形成され、トンネル接合が形成される。
【0007】
このようなトンネル接合がn型のDBR層1の上であって中央部にのみ形成されるようにp型のトンネル接合層5の一部及びn型のトンネル接合層6であって図5中”CI01”及び図5中”CI02”に示すような周囲の部分がエッチングにより取り除かれる。
【0008】
その後、n型のトンネル接合層6及び前記エッチングの工程で表面に現れたp型のトンネル接合層5の上にはInP等の低屈折率層7が形成される。
【0009】
そして、低屈折率層7の上であって中央部には上部ミラーを構成するミラー層8が形成され、当該ミラー層8の周囲にはコンタクト層9が形成される。また、トンネル接合層6と低屈折率層7との側面には絶縁膜が形成さる。
【0010】
コンタクト層9に接続するように上部の電極10が形成され、低屈折率層7の状面及び側面にはヒートシンク11が形成される。さらに、DBR層1の裏面には下部の電極12が形成される。
【0011】
ここで、図5に示す従来例の動作を図6を用いて説明する。但し、図6を用いた動作説明に際してはDBR層1を上部として説明する。また、図6は注入電流の流れの一例を示す説明図である。
【0012】
上部の電極12と下部の電極10との間に電圧が印加されると下部の電極10から上部の電極12へ図6中”CR11”及び図6中”CR12”に示すように電流が中央部に形成されたトンネル接合を通じて流れて電流狭窄を生じる。
【0013】
このとき、バンドギャップの最も狭い活性層4において正孔と電子の結合が生じて光が発光し、DBR層1とミラー層8との間に形成される光共振器で光増幅されて、DBR層1側であって上部の電極12が無い部分から図6中”LR11”に示すようにレーザ光として出力される。
【0014】
一方、トンネル接合部分は高屈折率材料を用いており、周囲には低屈折率層7が形成されているので、両者の間で等価屈折率差”Δneff”が生じる。
【0015】
このような、等価屈折率差”Δneff”は、トンネル接合部分での共振波長を”λ”、トンネル接合部分と周辺部分との共振波長の差を”Δλ”、等価屈折率を”neff”とした場合、
Δneff/neff=Δλ/λ (1)
で表される。
【0016】
すなわち、この等価屈折率”neff”により、トンネル接合部分に前述の光共振器で共振するレーザ光が閉じ込められ、面発光レーザのレーザ光の光強度分布が中央部分(トンネル接合部分)で最大となるため横モード制御が可能になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示す従来の面発光レーザでは、トンネル接合部分における電流狭窄と光の閉じ込めとの両者を同時に行うためには、形成すべき高濃度にドーピングされたトンネル接合層5及び6の膜厚と組成に制限が生じてしまうと言った問題点があった。
【0018】
すなわち、高濃度のドーピングを行うとその部分における光の光吸収が大きくなるためドーピングの濃度を低くしたいものの、トンネル接合での電圧降下を小さくするためには高濃度のドーピングが必要になると言ったトレードオフの関係が存在することになる。
【0019】
このため、電流狭窄や光の閉じ込めのために高濃度のドーピングを行うと共振するレーザ光の光吸収が大きくなって、トンネル接合部分の光吸収がトンネル接合部分の周辺部分よりも大きくなってしまい、言い換えれば、面発光レーザのレーザ光の光強度分布が中央部分(トンネル接合部分)では小さくなり横モード制御にとって不利に作用することになる。
【0020】
さらに、図5に示す従来の面発光レーザにおいてレーザ光を波長可変にするためには、エアギャップをスペーサ層2とDBR層1との間に挿入し、上部のミラーであるDBR層1を可動にすれば良いが、DBR層を支持する構造が必要になるので、光出力の取り出しが困難になる。
【0021】
一方、低屈折率であるエアギャップを半導体層(低屈折率層7等)とミラー層8との間に挿入する構成にした場合には横モード制御が不安定になってしまう場合があると言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、エアギャップを半導体層とDBR層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能な面発光レーザを実現することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、
光の取り出し口を有する基板と、この基板上に形成された第1の分布反射層と、第1及び第2のスペーサ層により上下方向から挟まれると共に前記第1の分布反射層上に形成された活性層と、上部の前記第1のスペーサ層上の中央部に形成されたトンネル接合と、このトンネル接合の周辺及び上部に形成された第3のスペーサ層と、この第3のスペーサ層上の周辺部に形成されたコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成される第1の電極と、前記基板の裏面であって前記光の取り出し口以外の部分に形成された第2の電極と、前記第3のスペーサ層とエアギャップを介して対向するように第2の分布反射層とを備え、
前記第3のスペーサ層の中央部分と前記エアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように前記第3のスペーサ層の中央部分の膜厚を調整したことにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0023】
請求項2記載の発明は、
成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、
光の取り出し口を有する基板と、この基板上に形成された第1の分布反射層と、第1及び第2のスペーサ層により上下方向から挟まれると共に前記第1の分布反射層上に形成された活性層と、上部の前記第1のスペーサ層上に形成され周辺部分が選択酸化された第3のスペーサ層と、この第3のスペーサ層上の周辺部に形成されたコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成される第1の電極と、前記基板の裏面であって前記光の取り出し口以外の部分に形成された第2の電極と、前記第3のスペーサ層とエアギャップを介して対向するように第2の分布反射層とを備え、
前記第3のスペーサ層の中央部分と前記エアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように前記第3のスペーサ層の中央部分の膜厚を調整したことにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0024】
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の発明である面発光レーザにおいて、
前記第3のスペーサ層の周辺部分には絶縁性を有する酸化物が分布することにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0025】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明である面発光レーザにおいて、前記第3のスペーサ層の周辺部分と前記エアギャップの境界面に定在波の節が位置するように前記第3のスペーサ層の周辺部分の膜厚を調整したことにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0026】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明である面発光レーザにおいて、前記第3のスペーサ層の中央部分と、前記第3のスペーサ層の周辺部分との段差をエッチングにより形成したことにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0027】
請求項6記載の発明は、
請求項1若しくは請求項4記載の発明である面発光レーザにおいて、
前記第1のスペーサ層上の中央部に形成されたトンネル接合と周辺部の段差に対応して前記第3のスペーサ層の表面に生じた段差を前記第3のスペーサ層の中央部分と、前記第3のスペーサ層の周辺部分との段差とすることにより、エアギャップをスペーサ層と分布反射層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0028】
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明である面発光レーザにおいて、前記第2の分布反射膜は半導体微細加工技術によって形成され可動にしたことにより、レーザ光の発振波長を可変にすることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る面発光レーザの一実施例を示す構成断面図である。
【0030】
図1において13はn型のInP基板、14はn型のInGaAsPとn型のInPで形成された分布反射層(Distributed Bragg Reflector:以下、DBR層と呼ぶ。)、15はn型のInAlAsで形成されたスペーサ層、16はInGaAlAsで形成された多重量子井戸(Multi Quantum Well)等を用いた活性層、17はp型のInAlAsで形成されたスペーサ層、18はp型不純物が高濃度にドーピングされたInGaAlAsで形成されたp型のトンネル接合層、19はn型不純物が高濃度にドーピングされたInGaAlAsで形成されたn型のトンネル接合層、20はn型のInPで形成されたスペーサ層、21はn型のInGaAsPで形成されたコンタクト層、22は上部の電極、23はDBR層、24はSiで形成されたメンブレン、25は下部の電極である。
【0031】
n型のInP基板13上には下部のDBR層14が形成され、DBR層14の上には下部のスペーサ層15、活性層16及び上部のスペーサ層17が順次形成される。
【0032】
上部のスペーサ層17の上にはp型のトンネル接合層18及びn型のトンネル接合層19が順次形成されてトンネル接合を形成し、p型のトンネル接合層18の一部及びn型のトンネル接合層19であって図1中”CI21”及び図1中”CI22”に示すような周囲の部分がエッチング等により取り除かれる。
【0033】
その後、n型のトンネル接合層19及び前記エッチングの工程で表面に現れたp型のトンネル接合層18の上にはスペーサ層20が順次形成される。スペーサ層20であって図1中”CI23”及び図1中”CI24”に示すような部分、言い換えれば、スペーサ層20上であってトンネル接合部分の上部(中央部分)と周辺部分とで囲まれる部分がエッチングにより取り除かれる。
【0034】
スペーサ層20上であって周辺部分にはコンタクト層21が形成され、コンタクト層21上には上部の電極22が形成される。
【0035】
そして、スペーサ層20の上方にはスペーサ層20に接しない状態でメンブレン24が形成され、メンブレン24の下、言い換えれば、スペーサ層20に対向する面にはDBR層23が形成されて、図1中”AG21”に示すようなエアギャップを形成する。
【0036】
一方、n型のInP基板13は裏面であって図1中”AR21”に示す部分が光の取り出し口としてエッチングによりDBR層14表面まで取り除かれ、残ったn型のInP基板13の裏面には電極25が形成される。
【0037】
ここで,図1に示す実施例の動作を図2、図3及び図4を用いて説明する。図2は注入電流の流れの一例を示す説明図、図3はスペーサ層20とエアギャップの境界面に定在波の節が位置する場合のレーザ光の光強度分布の一例を示す特性曲線図、図4はスペーサ層20とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置する場合のレーザ光の光強度分布の一例を示す特性曲線図である。
【0038】
上部の電極22と下部の電極25との間に電圧が印加されると上部の電極22から図2中”CR31”及び図2中”CR32”に示すように電流が中央部に形成されたトンネル接合を通じて流れて電流狭窄を生じる。
【0039】
このとき、バンドギャップの最も狭い活性層16において正孔と電子の結合が生じて光が発光し、DBR層14とDBR層23の間に形成される光共振器で光増幅されて、DBR層14側であってn型のInP基板13が取り除かれた光の取り出し口から図2中”LR31”に示すようにレーザ光として出力される。
【0040】
そして、上部のスペーサ層17と下部のスペーサ層15の膜厚は活性層16に定在波の腹がくるように調整されている。
【0041】
また、メンブレン24をMEMS(micro electro-mechanical systems:可動部品と電子回路を半導体微細加工技術によって集積した微小な機械システム)で可動にして、スペーサ層20とDBR層23との間隔(図1中”AG21”に示すエアギャップの間隔に相当)を調整することにより、レーザ光の発振波長を可変にしている。
【0042】
さらに、スペーサ層20の膜厚及び段差を調整して、スペーサ層20の中央部分(凸部)とエアギャップの境界面に定在波の腹がくるように、且つ、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節がくるように調整される。
【0043】
例えば、図3中”CH41”に示す特性曲線から分かるように、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節が位置する場合には、図3中”DB41”に示す下部のDBR層14及び図3中”QW41”に示す活性層16を含むスペーサ層15〜スペーサ層20の半導体層における光強度が小さく、逆に、図3中”AG41”に示すエアギャップにおける光強度が大きくなり、活性層16における共振するレーザ光の閉じ込めが少なくなる。
【0044】
一方、例えば、図4中”CH51”に示す特性曲線から分かるように、スペーサ層20の中央部分(凸部)とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置する場合には、図4中”AG51”に示すエアギャップにおける光強度が小さく、逆に、図4中”QW51”に示す活性層16を含むスペーサ層15〜スペーサ層20の半導体層における光強度が大きくなり、活性層16における共振するレーザ光の閉じ込めが多くなる。
【0045】
すなわち、従来例と同様にトンネル接合部分の周囲に形成されたスペーサ層20との等価屈折率差により、トンネル接合部分に光共振器で共振するレーザ光が閉じ込められると共に、スペーサ層20の中央部分(凸部)では共振するレーザ光の閉じ込めが多くなり、一方、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)では共振するレーザ光の閉じ込めが少なくなり、面発光レーザのレーザ光の光強度分布が中央部分(凸部(トンネル接合部分))で最大となるため横モード制御が可能になる。
【0046】
この結果、半導体層(スペーサ層20)の中央部分(凸部)とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように、且つ、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節が位置するようにスペーサ層20の各部分の膜厚を調整することにより、エアギャップを半導体層(スペーサ層20)とDBR層23との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0047】
なお、図1に示す実施例ではスペーサ層20の膜厚及び段差を調整して、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節がくるように調整する旨記載しているが、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の腹以外の部分がくるように調整しても構わない。
【0048】
また、図1に示す実施例ではスペーサ層20の中央部分(凸部)と、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)との間の段差(凹凸)をエッチングにより形成する旨記載されているがこれに限定されるものではなく、トンネル接合部分の段差を用いてスペーサ層20の段差(凹凸)を形成しても構わない。
【0049】
例えば、トンネル接合層18及び19上に結晶を順次積層させてスペーサ層20を形成させた場合に、トンネル接合部分の段差が伝達されてトンネル接合部分の段差に対応する段差がスペーサ層20の表面に生じるので、このような段差を利用しても構わない。
【0050】
また、図1に示す実施例ではトンネル接合により電流狭窄を実現しているが、勿論、電流狭窄を実現する方法としてはトンネル接合を用いる方法に限定されるわけではなく、例えば、InAlAsの選択酸化を用いても構わない。
【0051】
例えば、トンネル接合層18及び19を用いることなく、InAlAsで形成されるスペーサ層17をトンネル接合層19の上面部分まで形成し、周辺部分から酸素を浸透させInAlAsのAlを選択酸化させることにより、周辺部分に絶縁性を有する酸化物である酸化アルミニウム(Al)を分布させる。
【0052】
このような構成にすることにより、電極22から供給された電流は周辺部分に形成された酸化アルミニウム(Al)を避けて酸化アルミニウム(Al)が分布しない中央部分を流れることになり、電流狭窄が実現できる。
【0053】
また、上部のDBR層23を可動にして波長可変レーザを実現しているが、上部のDBR層23を固定にして固定波長レーザとしても勿論構わない。この場合には図1中”AG21”に示すエアギャップの代わりにSiO等の誘電体膜を用いても構わない。
【0054】
また、エアギャップ内は空気の代わりに他の気体若しくは液体を封入しても構わない。
【0055】
また、図1に示す実施例では、第2の分布反射層は第3のスペーサ層に対向するようにエアギャップを介してメンブレン上に形成された旨記載しているが、勿論、メンブレンに限定されるものではない。
【0056】
また、図1に示す実施例では、スペーサ層20の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節がくるように調整する旨記載しているが、電極22が形成される部分とエアギャップの境界面もまた定在波の節がくるように調整しても構わない。
【0057】
すなわち、半導体層(スペーサ層20)の中央部分(凸部)とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように、且つ、スペーサ層20の周辺部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節が位置するようにスペーサ層20の各部分の膜厚を調整するれば構わない。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4,5及び請求項6の発明によれば、スペーサ層の中央部分(凸部)とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように、また、スペーサ層の中央部分と周辺部分とで囲まれる部分(凹部)とエアギャップの境界面に定在波の節が位置するようにスペーサ層の各部分の膜厚を調整することにより、エアギャップをスペーサ層とDBR層との間に挿入する構成にした場合であっても横モード制御が可能になる。
【0059】
また、請求項7の発明によれば、メンブレンをMEMSで可動にして、スペーサ層とDBR層との間隔を調整することにより、レーザ光の発振波長を可変にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面発光レーザの一実施例を示す構成断面図である。
【図2】注入電流の流れの一例を示す説明図である。
【図3】スペーサ層とエアギャップの境界面に定在波の節が位置する場合のレーザ光の光強度分布の一例を示す特性曲線図である。
【図4】スペーサ層とエアギャップの境界面に定在波の腹が位置する場合のレーザ光の光強度分布の一例を示す特性曲線図である。
【図5】従来の面発光レーザの一例を示す構成断面図である。
【図6】注入電流の流れの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,14,23 分布反射層(DBR層)
2,4,15,17,20 スペーサ層
3,16 活性層
5,6,18,19 トンネル接合層
7 低屈折率層
8 ミラー層
9,21 コンタクト層
10,12,22,25 電極
11 ヒートシンク
13 InP基板
24 メンブレン

Claims (7)

  1. 成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、
    光の取り出し口を有する基板と、
    この基板上に形成された第1の分布反射層と、
    第1及び第2のスペーサ層により上下方向から挟まれると共に前記第1の分布反射層上に形成された活性層と、
    上部の前記第1のスペーサ層上の中央部に形成されたトンネル接合と、
    このトンネル接合の周辺及び上部に形成された第3のスペーサ層と、
    この第3のスペーサ層上の周辺部に形成されたコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成される第1の電極と、
    前記基板の裏面であって前記光の取り出し口以外の部分に形成された第2の電極と、
    前記第3のスペーサ層とエアギャップを介して対向するように第2の分布反射層とを備え、
    前記第3のスペーサ層の中央部分と前記エアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように前記第3のスペーサ層の中央部分の膜厚を調整したことを特徴とする面発光レーザ。
  2. 成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、
    光の取り出し口を有する基板と、
    この基板上に形成された第1の分布反射層と、
    第1及び第2のスペーサ層により上下方向から挟まれると共に前記第1の分布反射層上に形成された活性層と、
    上部の前記第1のスペーサ層上に形成され周辺部分が選択酸化された第3のスペーサ層と、
    この第3のスペーサ層上の周辺部に形成されたコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成される第1の電極と、
    前記基板の裏面であって前記光の取り出し口以外の部分に形成された第2の電極と、
    前記第3のスペーサ層とエアギャップを介して対向するように第2の分布反射層とを備え、
    前記第3のスペーサ層の中央部分と前記エアギャップの境界面に定在波の腹が位置するように前記第3のスペーサ層の中央部分の膜厚を調整したことを特徴とする面発光レーザ。
  3. 前記第3のスペーサ層の周辺部分には絶縁性を有する酸化物が分布することを特徴とする
    請求項2記載の面発光レーザ。
  4. 前記第3のスペーサ層の周辺部分と前記エアギャップの境界面に定在波の節が位置するように前記第3のスペーサ層の周辺部分の膜厚を調整したことを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の面発光レーザ。
  5. 前記第3のスペーサ層の中央部分と、前記第3のスペーサ層の周辺部分との段差をエッチングにより形成したことを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の面発光レーザ。
  6. 前記第1のスペーサ層上の中央部に形成されたトンネル接合と周辺部の段差に対応して前記第3のスペーサ層の表面に生じた段差を前記第3のスペーサ層の中央部分と、前記第3のスペーサ層の周辺部分との段差とすることを特徴とする
    請求項1若しくは請求項4記載の面発光レーザ。
  7. 前記第2の分布反射膜は半導体微細加工技術によって形成され可動にしたことを特徴とする
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の面発光レーザ。
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