JP2019012769A - 半導体レーザ - Google Patents

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絵理奈 菅野
Erina Sugano
絵理奈 菅野
浩司 武田
Koji Takeda
浩司 武田
硴塚 孝明
Takaaki Kakizuka
孝明 硴塚
松尾 慎治
Shinji Matsuo
慎治 松尾
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Abstract

【課題】両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザにおける安定した単一モード発振が、作製誤差の影響を受けにくくなるようにする。【解決手段】分布帰還活性領域131は、第1回折格子121が形成された活性層103を備え、第1回折格子121は、位相シフト部121aを備える。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、第2回折格子122a,122bが形成されたコア層113a,113bを備える。位相シフト部121aは、第2回折格子122aまたは第2回折格子122bのいずれかと、第1回折格子121との境界に隣接して形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、光送信器用光源などに利用される半導体レーザに関する。
現在、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)方式による光ファイバ通信の高速化、大容量化の要求に対し、様々な波長多重光源が開発されている。この要求の実現には、光源となるレーザの単一モード発振や、発振波長制御などが重要となる。例えば、単一モード発振を実現する技術としては、位相シフト分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)レーザがある(非特許文献1参照)。
位相シフトDFBレーザは、回折格子が位相を途中で反転させる(位相シフト)構造となっており、回折格子のブラッグ波長で発振させることができる。ブラッグ波長は、回折格子の周期で決定される。回折格子は、電子線リソグラフィー技術を用いて作製することにより、周期が精度よく制御できる。
しかしながら、上述した位相シフトDFBレーザでは、発振光が素子の両端から出射するため、リングフィルタ等による集積を行う場合、一方の端部から出射する光は使われないことになり、光を半分損失することになる。
上述した問題を解消するために、位相シフトDFBレーザの一方の端部に、高反射率の分布ブラッグ反射(Distributed Bragg Reflector;DBR)を接続し、他方の端部から光を出射する構成とした分布反射型( Distributed Reflector;DR)レーザが提案されている(非特許文献2参照)。
また、位相シフトDFBレーザの両方の端部に各々DBRを設け、一方のDBRに対して他方のDBRの反射率を低くし、他方のDBRから光を出射させるDRレーザも提案されている(非特許文献3参照)。片側のみにDBRを設けた構成に比較し、両側にDBRを設ける構成では、発振しきい値利得を下げることができ、損失が大きい短共振器レーザの発振に有利となる。
K. Utaka et al., "l/4-Shifted InGaAsP/InP DFB Lasers", IEEE Journal of Quantum Electrons, Vol. QE-22, No. 7, pp. 1042-1051, 1986. K. Ohira et al., "GaInAsP/InP distributed reflector laser with phase-shifted DFB and quantum-wire DBR sections", IEEE Electronic Express, Vol. 2, No. 11, pp. 356-361, 2005. K. Otsubo et al., "Low-Driving-Current High-Speed Direct Modulation up to 40 Gb/s Using 1.3-um Semi-Insulating Buried-Heterostructure AlGaInAs-MQW Distributed Reflector (DR) Lasers", OSA/OFC/NFOEC, OThT6, 2009.
ところで、上述した半導体レーザの技術を用いた波長多重光源によるWDMを、メトロネットワークだけではなく、チップ間のような短距離通信の光インターコネクトへ導入する試みが検討されている。このチップ間光インターコネクトに適用する場合、よく知られているように、低消費電力であることが重要となる。しかしながら、このようなチップ間光インターコネクトに適するような光源が現在報告されていない。現在、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザ(両側DRレーザ)において、消費電力を低くするために、DFBの活性領域(活性層)の、導波方向の長さを短くした構成が期待されている。
ただし、活性層を短くすると、光の出射による損失(ミラー損)が増加し、両端のDBRにおける反射率が大きくなければ発振条件を満たさなくなる。回折格子における反射率は、結合係数と長さの積によって決まり、この値が大きくなるほど反射率は大きくなる。しかし、回折格子に位相シフトを備える位相シフトDFBレーザでは、反射率を大きくすると位相シフト部に電場が局在し(空間的ホールバーニング)、発振モードが不安定になり、変調特性の劣化を招くという問題がある。
活性層長が短いレーザが発振条件を満たすためには、回折格子における反射率を大きくすることが重要となる。反射率を大きくするためには、回折格子の結合係数を大きくすることになるが、発振波長制御のために回折格子に位相シフトを入れた場合、空間的ホールバーニングによって、発振モードの不安定、変調特性の劣化が起こる。このため、同じ結合係数において、DFBレーザや片側DRレーザよりも発振しきい値利得を低くすることができる両側DRレーザが、活性層長が短いレーザの発振に有利である。
一方、両側DRレーザは、利得領域の位置ずれなどの作製誤差の影響を、DFBレーザや片側DRレーザよりも強く受ける。特に、作製を簡単にするために活性層と導波路層とを異なる材料で作製すると、これらの間の等価屈折率の差によって、作製誤差の影響をより強く受けて単一モード性に影響を与える。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザにおける安定した単一モード発振が、作製誤差の影響を受けにくくなるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、基板の上に形成された活性層と、活性層に形成されて位相シフト部を備える第1回折格子とを有する分布帰還活性領域と、活性層を導波方向に挟んで活性層に連続して形成されて、活性層とは異なる屈折率の2つのコア層と、各々のコア層に形成された第2回折格子とを有して導波方向に分布帰還活性領域を挟んで分布帰還活性領域に連続して配置された2つの分布ブラッグ反射鏡領域とを備え、位相シフト部は、第1回折格子と第2回折格子との境界に隣接して形成されている。
上記半導体レーザにおいて、分布帰還活性領域は、活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、n型半導体層に接続するn型電極と、p型半導体層に接続するp型電極とを備える。
上記半導体レーザにおいて、p型半導体層およびn型半導体層は、基板の上で活性層の導波方向に垂直な方向の側面に接して形成されていてもよく、p型半導体層およびn型半導体層は、活性層の上下を挟んで形成されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、位相シフト部を、第1回折格子と第2回折格子との境界に隣接して形成したので、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザにおける安定した単一モード発振が、作製誤差の影響を受けにくくなるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す構成図である。 図2Aは、本発明の実施の形態における半導体レーザのより詳細な構成を示す斜視図である。 図2Bは、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Bは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Cは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Dは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Eは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図3Fは、本発明の実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態における半導体レーザの位置ずれの状態を示す構成図である。 図5は、本発明の実施の形態における半導体レーザの位置ずれの状態を示す構成図である。 図6は、活性層の導波方向の長さが、分布帰還活性領域の中心に対して両側均等に全体で0.1μm縮んだ時の、活性層の位置の設計値からのずれ量(Displacement)としきい値モード利得の差との関係を示す特性図である。 図7Aは、本発明の実施の形態における半導体レーザの他の構成を示す断面図である。 図7Bは、本発明の実施の形態における半導体レーザの他の構成を示す断面図である。 図7Cは、本発明の実施の形態における半導体レーザの他の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態における半導体レーザついて図1を参照して説明する。この半導体レーザは、分布帰還活性領域131と、分布帰還活性領域131に連続して配置された2つ分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bとを備える。この半導体レーザは、いわゆるDRレーザである。分布ブラッグ反射鏡領域132aおよび分布ブラッグ反射鏡領域132bは、導波方向に分布帰還活性領域131を挟んで分布帰還活性領域131に連続して配置されている。
分布帰還活性領域131は、第1回折格子121が形成された活性層103を備える。第1回折格子121は、位相シフト(λ/4シフト)部121aを備える。位相シフト部121aは、第1回折格子121のブラッグ波長が均一となるように設定する。なお、この例では、活性層103の上に第1回折格子121が形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域132aは、第2回折格子122aが形成されたコア層113aを備える。同様に、分布ブラッグ反射鏡領域132bは、第2回折格子122bが形成されたコア層113bを備える。加えて、位相シフト部121aは、第2回折格子122aまたは第2回折格子122bのいずれかと、第1回折格子121との境界に隣接して形成されている。
以下、実施の形態における半導体レーザについて、図2A,図2B,図2Cを参照してより詳細に説明する。
分布帰還活性領域131、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、同一の基板101の上に形成されている。分布帰還活性領域131は、活性層103に接して形成されたn型半導体層105およびp型半導体層106を備える。この例では、基板101の平面方向に、n型半導体層105およびp型半導体層106が配置され、これらは、活性層103の側面に接して形成されている。また、n型半導体層105に電気的に接続するn型電極107と、p型半導体層106に電気的に接続するp型電極108とを備える。この例では、基板101の平面方向(横方向)に電流が注入される。なお、n型半導体層105の上に、より高濃度にn型不純物が導入されたn型コンタクト層を介してn型電極107を形成してもよい。同様に、p型半導体層106の上に、より高濃度にp型不純物が導入されたp型コンタクト層を介してp型電極108を形成してもよい。
分布ブラッグ反射鏡領域132aにおいて、コア層113aは、活性層103に連続して形成されている。また、分布ブラッグ反射鏡領域132bにおいて、コア層113bは、活性層103に連続して形成されている。また、この例では、コア層113aの上に第2回折格子122aが形成され、コア層113bの上に第2回折格子122bが形成されている。
なお、基板101の上には、下部クラッド層102が形成され、この上に、活性層103が形成されている。コア層113も下部クラッド層102の上に形成されている。また、活性層103は、基板101から見て上下の方向に、半導体層104a,半導体層104bに挾まれている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造が、n型半導体層105およびp型半導体層106に挾まれている。p型半導体層106およびn型半導体層105は、基板101の平面に平行な方向で活性層103を挾んで形成されている。
ここでは、半導体層104aの上に接して活性層103が形成され、活性層103の上に接して半導体層104bが形成されている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造の側部に接し、n型半導体層105およびp型半導体層106が形成されている。なお、分布ブラッグ反射鏡領域132aにおいて、n型半導体層105およびp型半導体層106は形成していない。
実施の形態における分布帰還活性領域131において、活性層103には、基板101の平面に平行な方向で電流が注入される。なお、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bにおいて、n型電極107およびp型電極108は形成していない。
また、活性層103は、光出射方向に所定の長さで延在し、この延在方向の分布帰還活性領域131において、活性層103の上に第1回折格子121が形成されている。なお、ここでは、半導体層104bの上面に第1回折格子121を形成している。また、このように延在している活性層103に連続してコア層113a,113bが形成されている。第2回折格子122aは、コア層113aの上面に形成し、第2回折格子122bは、コア層113bの上面に形成している。
また、図2Aでは省略しているが、半導体レーザは、出力端面に、図示しない無反射膜が形成されている。
基板101は、例えば、シリコンから構成されている。下部クラッド層102は、例えば、酸化シリコン(SiO2)から構成され、厚さ2μmとされている。また、活性層103は、例えば、InGaAsPからなる井戸層とバリア層が交互に積層された厚さ150nmの量子井戸構造とされている。また、活性層103は、幅0.7μm程度とされている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bを合わせた厚さは、250nmとされている。なお、n型半導体層105およびp型半導体層106も、各々厚さ250nmとされている。量子井戸構造とされている活性層103の発光波長は、1.55μmである。また、第1回折格子121は、ブラッグ波長が1.55μmとされている。
また、例えば、半導体層104a,半導体層104bは、アンドープのInP(i−InP)から構成されている。また、活性層103を挾む、一方のn型半導体層105は、Siが1×1018cm-3程度ドープされたn型のInP(n−InP)から構成され、他方のp型半導体層106は、Znが1×1018cm-3程度ドープされたp型のInP(p−InP)から構成されている。
また、コア層113a,113bは、アンドープのInP(i−InP)から構成され、幅1.5μm程度とされ、厚さは、250nmとされている。なお、図示していないが、n型コンタクト層、p型コンタクト層は、例えば、InGaAsから構成すればよい。
上述した半導体レーザは、高屈折率なInPの層の下部は、低屈折率な酸化シリコンからなる下部クラッド層102が形成され、上部は、低屈折率な空気とされている。この結果、活性層103、コア層113a,113bへの強い光閉じ込めが実現され、レーザの低電力動作に有利である。また、回折格子がInPの層と空気の層と高い屈折率差により形成されるため、1000cm-1を超える高い結合係数を実現することができる。
以下、実施の形態における半導体レーザの製造方法について、図3A〜図3Fを用いて簡単に説明する。図3A〜図3Fは、実施の形態における半導体レーザの製造途中の状態を示す構成図であり、分布帰還活性領域131の断面を模式的に示している。
例えば、まず、酸化シリコンから構成された下部クラッド層102を備える基板(シリコン基板)101を用意する。例えば、基板101の主表面を熱酸化することで、下部クラッド層102を形成する。
一方で、InP基板の上に、InGaAsからなる犠牲層、半導体層104bとなる化合物半導体層204、活性層103となる化合物半導体層203、コア層113a,コア層113bとなる化合物半導体層をエピタキシャル成長させる。例えば、よく知られた有機金属気相成長法により、各層を成長させれば良い。
次いで、このエピタキシャル成長した基板の最上面と、前述した基板101の下部クラッド層102の表面とを公知のウエハ接合技術により直接接合し、この後、InP基板と犠牲層を除去する。この結果、図3Aに示すように、分布帰還活性領域131においては、基板101の上に、下部クラッド層102、化合物半導体層204、化合物半導体層203が形成された状態となる。
次いで、公知のフォトリソグラフィー技術により作製したレジストパタンをマスクとしたウエットエッチングおよびドライエッチングなどにより、成長させた各化合物半導体層204,化合物半導体層203などをパターニングし、図3Bに示すように、半導体層104a、活性層103からなる分布帰還活性領域131のストライプ構造を形成する。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、図3Cに示すように、活性層103がない状態とする。なお、各パタンを形成した後は、レジストパタンを除去する。
次に、図3Dに示すように、形成した半導体層104a、活性層103の周囲より、アンドープのInPからなる化合物半導体層205を再成長させる。分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bは、図3Eに示すように、化合物半導体層205が下部クラッド層102の上に形成された状態となる。
次いで、例えば、イオン注入法により、活性層103の両脇の領域に選択的にn型の不純物およびp型の不純物を導入することで、分布帰還活性領域131では、図3Fに示すように、n型半導体層105およびp型半導体層106を形成し、また、半導体層104bを形成する。この段階において、図示しない分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域には、化合物半導体層205が残っている。
次に、半導体層104bの表面に、第1回折格子121を形成する。例えば、電子ビーム露光によるリソグラフィーで形成したレジストパタンをマスクとし、所定のエッチングによりパターニングすることで、第1回折格子121を形成すれば良い。同様に、図示しない分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域の化合物半導体層205の、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bの領域において、第2回折格子122a,122bを形成する。この段階では、コア層113a、コア層113bは形成されていない。
次に、分布帰還活性領域131を挾む導波方向の領域の化合物半導体層205を、前述同様にパターニングすることで、第2回折格子122a,122bを形成した部分にコア層113a、コア層113bを形成する。この構成に依れば、電流注入のためのn型半導体層105およびp型半導体層106の形成に用いた化合物半導体層205で、分布ブラッグ反射鏡領域132a,132bのコア層113a、コア層113bを形成するので、工程が簡略化できる。この後、n型半導体層105の上にn型電極107を形成し、p型半導体層106の上にp型電極108を形成する。
上述した実施の形態における半導体レーザによれば、位相シフト部を、一方の第2回折格子と第1回折格子との境界に隣接して形成したので、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザにおける安定した単一モード発振が、作製誤差の影響を受けにくくなる。実施の形態によれば、作製誤差に対してより単一モード性に優れた半導体レーザが得られる。また、分布帰還活性領域を挟む2つ分布ブラッグ反射鏡領域の導波方向の長さは、各々異なるものとしてもよい。この構成とすることで、短くした分布ブラッグ反射鏡領域の側からのみ光を取り出すことができる。この場合、長い分布ブラッグ反射鏡領域の第2回折格子と第1回折格子との境界に隣接して位相シフト部を設ければよい。
以下、実施の形態における半導体レーザにおける作製誤差について説明する。例えば、作製誤差として、図4に示すように、導波方向の長さが、分布帰還活性領域131(第1回折格子121)より短い活性層103が形成される場合がある。この場合、第1回折格子121の領域(分布帰還活性領域131)に、一部のコア層113a,コア層113bが入り込む状態となる。このように、非利得媒質であるコア層113a,コア層113bの分布帰還活性領域131に入り込んだ部分は、第2回折格子122a,122bによる光の反射が起きない。この結果、上述したような作製誤差が発生すると、位相変化が生じ、発振モードが不安定になる。
また、作製誤差として、図5に示すように、活性層103が導波方向にずれて形成される場合がある。この場合、活性層103に対する第1回折格子121の位置がずれ、位相シフト部の位置が変わることになる。この状態では、共振器内の電場分布が変化するため、位置ずれの状態によっては、発振モードが不安定になる。
上述したような作製誤差に対し、実施の形態によれば、より安定した動作が実現できる。この点について図6を用いて説明する。
図6は、活性層の導波方向の長さが、分布帰還活性領域の中心に対して両側均等に全体で0.1μm縮んだ時の、活性層の位置の設計値からのずれ量(Displacement)としきい値モード利得の差との関係を示している。しきい値モード利得の差は、1番小さいモードと2番目に小さいモードのしきい値モード利得差、Γgth(2)−Γgth(1)であり、単位はcm-1である。分布帰還活性領域の導波方向の長さは20μmと仮定した。また、光に出射側となる一方の分布ブラッグ反射鏡領域の導波方向の長さは、10μmと仮定した。また、他方の分布ブラッグ反射鏡領域の導波方向の長さは、50μmと仮定した。また、活性層の位置の設計値からのずれ量は、活性層が他方の分布ブラッグ反射鏡領域の側にずれた場合をプラスとしている。
また、分布ブラッグ反射鏡領域の等価屈折率は2.5とした。また、分布帰還活性領域の等価屈折率は2.7とした。また、分布ブラッグ反射鏡領域における第2回折格子の結合係数は1100cm-1とした。また、分布帰還活性領域の第1回折格子の結合係数は、1000cm-1とした。また、いずれの回折格子においても、ブラッグ波長は1550nmとして計算した。また、位相シフト部の位相シフト量は、λ/4とした。
図6において、(a)は、分布帰還活性領域の中央部に位相シフト部を配置した場合の計算結果を示している。また、図6において、(b)は、実施の形態における半導体レーザの計算結果を示している。図6に示すように、実施の形態における半導体レーザの方が、位置ずれが発生しても、しきい値モード利得の差が大きく、より安定にシングルモード発振することが分かる。
一般的に、エッチングなどの半導体装置の製造プロセスによる活性層の長さの変化は、0.1μm以下となっている。また、現在の半導体装置の製造プロセスにおいて、露光装置の位置合わせ精度より、活性層の位置ずれは、200nm以下に抑えられている。実施の形態によれば、上述した条件において、しきい値利得が約10cm-1に対して、しきい値利得差は300cm-1以上となり、許容誤差に対して安定である。
ところで、上述では、基板の平面に平行な方向に電流を注入する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、基板の平面に垂直な方向に電流を注入する構成であってもよい。例えば、図7Aに示すように、分布帰還活性領域331では、n型の半導体からなる基板301の上に、活性層302が形成されている。また、活性層302の上には、p型半導体層303が形成されている。また、活性層302およびp型半導体層303の導波方向側面には、第1回折格子321が形成されている。図示していないが、第1回折格子321に位相シフト部が設けられている。また、基板301の裏面には、n型電極304が形成され、p型半導体層303の上には、p型電極305が形成されている。
一方、図7Bに示すように、分布ブラッグ反射鏡領域332aでは、基板301の上に、アンドープの半導体からなるコア層312aが形成されている。また、コア層312aの導波方向側面には、第2回折格子323aが形成されている。このように、p型半導体層303および基板(n型半導体層)301で活性層302の上下を挟み、基板301の平面に垂直な方向に電流注入する構成において、第1回折格子321と第2回折格子322aとの境界に隣接して位相シフト部を備えるようにしてもよい。
また、図7Cに示すように、分布帰還活性領域331において、活性層302の幅を、コア層312aより広く形成し、p型半導体層303をコア層312aと同じ幅に形成してもよい。この場合、活性層302には回折格子を形成せず、p型半導体層303の導波方向側面に、第1回折格子321を形成する。また、この場合においても、図示していないが、第1回折格子321に位相シフト部が設けられている。また、基板301の裏面には、n型電極304が形成され、p型半導体層303の上には、p型電極305が形成されている。
以上に説明したように、本発明によれば、位相シフト部を、第1回折格子と第2回折格子との境界に隣接して形成したので、両側にDBRを設けた位相シフトDFBレーザにおける安定した単一モード発振が、作製誤差の影響を受けにくくなる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、導波路構造はリッジ型、ハイメサ型の導波路構造に適用可能である。また、上述では、基板をInPから構成したが、これに限らず、GaAs、GaNなどの半導体から構成してもよい。また、活性層は、InGaAsPに限らず、InGaAlAsやAlGaAs、InGaNなどの半導体から構成してもよいことは言うまでもない。
101…基板、102…下部クラッド層、103…活性層、104a…半導体層、104b…半導体層、105…n型半導体層、106…p型半導体層、107…n型電極、108…p型電極、113a,113b…コア層、121…第1回折格子、121a…位相シフト部、122a,122b…第2回折格子、131…分布帰還活性領域、132a,132b…分布ブラッグ反射鏡領域。

Claims (4)

  1. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層に形成されて位相シフト部を備える第1回折格子と
    を有する分布帰還活性領域と、
    前記活性層を導波方向に挟んで前記活性層に連続して形成されて、前記活性層とは異なる屈折率の2つのコア層と、
    各々の前記コア層に形成された第2回折格子と
    を有して導波方向に前記分布帰還活性領域を挟んで前記分布帰還活性領域に連続して配置された2つの分布ブラッグ反射鏡領域と
    を備え、
    前記位相シフト部は、前記第1回折格子と前記第2回折格子との境界に隣接して形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 請求項1記載の半導体レーザにおいて、
    前記分布帰還活性領域は、
    前記活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、
    前記n型半導体層に接続するn型電極と、
    前記p型半導体層に接続するp型電極と
    を備えることを特徴とする半導体レーザ。
  3. 請求項2記載の半導体レーザにおいて、
    前記p型半導体層および前記n型半導体層は、前記基板の上で前記活性層の導波方向に垂直な方向の側面に接して形成されていることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 請求項2記載の半導体レーザにおいて、
    前記p型半導体層および前記n型半導体層は、前記活性層の上下を挟んで形成されていることを特徴とする半導体レーザ。
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