JP2014192247A - 熱光学素子およびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータにより温度変化させるヒータ領域の下部にのみ断熱層を設けた熱光学素子およびその作成方法を提供すること。
【解決手段】前後DBR層104a、104b、活性層105や位相調整層106などの半導体レーザの光導波路コア層より下に犠牲層102がある共振器において、予めヒータ領域の下部のみに犠牲層102を設置する構造とし、電流注入を行う活性層105の下部には犠牲層102が無い構造とする。ヒータ下部の犠牲層102の除去後も活性層105下部に熱伝導性の悪い犠牲層102が残ることが無いため、活性層105への電流注入により発熱しても、熱は基板101下部に伝達される。チップは熱伝導性の良いキャリア等を介してペルチェ素子やヒートシンクに搭載されるため、基板101下部に伝達された熱は速やかに放熱される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ通信用光源および光計測用光源として用いられる波長可変レーザに用いる熱光学素子およびその作製方法に関する。
光ファイバ通信における波長多重通信方式では、規格で定められた間隔で異なる複数の周波数(波長)のレーザ光を一つの光ファイバで伝送する。そのための光源として、光ファイバ通信で使用されるどのチャネルでも出力可能な波長可変レーザが使用されている。また、コヒーレント通信ではレーザ光のスペクトル線幅が狭いことが必要である。従って、広帯域かつ狭線幅の波長可変レーザが望まれる。
通信用のレーザでは、単一モードレーザと呼ばれる1つの波長で発振するレーザが用いられており、単一モードを得るためには、例えば導波路に周期的に凹凸を設けた回折格子が用いられている。回折格子が形成された半導体光導波路は、回折格子周期Λと光導波路の等価屈折率nより決まるブラッグ波長λで選択的に反射する分布反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)となる。λとΛ、nの関係式は、
λ=2nΛ (1)
となる。また、分布反射器に利得を持たせて作成したレーザのことを分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザと呼ぶ。
式(1)から、分布反射器の等価屈折率nを変化させることで、ブラッグ波長を変化させることができることがわかる。すなわち選択的に反射する波長を変化させることができ、分布反射器を用いた共振器を構成すれば、等価屈折率の変化により発振波長を変化させることのできる波長可変レーザを構成することが可能となる。
回折格子を利用した波長可変レーザとしては、均一な回折格子のDBRを用いたDBRレーザや、SG(Sampled Grating)−DBRレーザ、SSG(Super Structure Grating)−DBRレーザなどが知られている。SSG−DBRレーザはDBR部が複数の反射ピークを持て、バーニア効果により広い波長可変幅が得られ、通信波長帯域をカバーすることが可能である。
半導体の等価屈折率nを変化させるためには、主に2つの方法が知られている(非特許文献1参照)。1つ目はキャリアによる効果(プラズマ吸収、バンドフィリングなど)を用いる方法で、分布反射器に電流を注入することにより屈折率を変化させる。キャリア効果は比較的短時間に生じるため、高速に波長を切り替える際などに用いられる。
もう1つは温度変化を用いる方法であり、ペルチェ素子により半導体レーザ素子全体の温度を制御したり、小型ヒータを集積して局所的に加熱したりすることにより屈折率を変化させる。キャリア効果に比べると温度変化は遅いという特性があるが、損失の変化が少ないことや、キャリア密度の揺らぎによる屈折率ゆらぎが無いため、スペクトル線幅が狭いレーザを得ることができるなどの利点がある。
局所的にヒータを使用する場合には、効率を高めるために加熱対象以外の領域に放熱されないように断熱溝を設けることが行われる。例えば、石英光導波路素子に対してヒータを設け、導波路横に溝を設けると共に、導波路下部のSiをエッチングして除去する構造とする(非特許文献2参照)。
このように導波路下部を除去するためには、組成の違いを利用して、ウエットエッチングによる選択エッチングを行う。例えばInP基板上の半導体レーザの場合、InPはエッチングされずにGaInAsまたはGaInAsPのみエッチング可能な薬液を用い、GaInAs層またはGaInAsP層のみを選択的に除去することができる。
H. Ishii, F. Kano, Y. Tohmori, Y. Kondo, T. Tamamura and Y. Yoshikuni, "Narrow Spectral Linewidth Under Wavelength Tuning in Thermally Tunable Super-Structure-Grating (SSG) DBR Lasers," IEEE J. Sel. Top. Quantum Electronics, vol. 1, no. 2, pp.401-407, 1995 A. Sugita, K. Jinguji, N. Takato, K. Katoh and M. Kawachi, "Bridge-Suspended Silica-Waveguide Thermo-Optic Phase Shifter and Its Application to Mach-Zehnder Type Optical Switch", The Transactions of The IEICE, vol. E, 73, no. 1, pp. 105-109, 1990
半導体レーザの場合、利得を得るための活性層と波長を選択する領域、例えばDBRの組み合わせで共振器が構成されている。ヒータによる温度変化により屈折率変化を生じさせ波長を変化させる場合、ヒータ投入電力に対する屈折率変化の効率を高めるために、前述のようにコア層よりも下の下部クラッド層の途中に組成の異なる犠牲層を設け選択的に除去する。
図5に、従来の光導波路コア層より下に犠牲層があるDBRレーザの共振器の断面概略図を示す。基板501、犠牲層502、下部クラッド層503、前後DBR層504a、504b、活性層505や位相調整層506などの半導体レーザの光導波路コア層、上部クラッド層507が順に積層されている。基板501、上部クラッド層507の表面には下部電極508、上部電極509が形成され、上部クラッド層507の表面には絶縁膜510、ヒータ511a〜511cが形成されている。このDBRレーザの共振器は、前後DBR層504a、504b、活性層505や位相調整層506などの半導体レーザの光導波路コア層より下に犠牲層502がある。
しかし、半導体レーザでは、活性層505に電流を流すため、活性層下部の犠牲層502は除去できない。そこで、マスクなどを用いてヒータで加熱する波長選択領域の下部の犠牲層502のみ除去し、活性層505下部の犠牲層502は除去せずに残すことになる。
図6(a)に図5で示したDBRレーザの上面図を示し、図6(b)に図6(a)のb−b’の箇所、図6(c)にc−c’の箇所の共振器方向に垂直な方向の断面図を示す。ここで、前後DBR層504a、504b、活性層505や位相調整層506を含むコア層は埋め込みヘテロ構造としている。
ところで、犠牲層502はクラッド層503、507とは異なる組成の層であるため、犠牲層502とクラッド層503、507とでは屈折率、熱伝導率などが異なる。例えば、InP基板501上の半導体レーザでは、クラッド層503、507にはInPを用い、犠牲層502にはGaInAsやGaInAsPを用いることが考えられるが、3元組成や4元組成はInPに比べて屈折率が高く、熱伝導が悪い。
従って、図6(c)に示すように活性層505の下部に犠牲層502が残っている場合には、屈折率が高いために本来のコア層に近い位置に犠牲層502があると犠牲層502に光が漏れてしまうためコア層から離す必要がある。また、熱伝導率が悪いため、活性層505に熱がこもりやすくなり特性劣化を招く。
また、非特許文献2で示されるように、ヒータ部の下部を全部除去した場合と一部残した場合とでは応答に差があり、ヒータ効率も上げたいが応答もそれなりな速さを保ちたい場合には一部を残す必要がある。
しかしながら、選択ウエットエッチングにより下部を除去する方法の場合、一部残す領域を精度よく再現するのが困難である。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ヒータにより温度変化させるヒータ領域の下部にのみ断熱層を設けた熱光学素子およびその作成方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、半導体基板上に光導波路が形成された熱光学素子であって、前記光導波路上に設けられ、前記光導波路の一部領域であるヒータ領域の温度を変化させるヒータと、前記光導波路のコアを挟んで前記ヒータと対向する前記光導波路のクラッド内の位置に設けられ、前記光導波路の長手方向の長さが前記ヒータ領域に含まれる前記光導波路のコアの前記長手方向の長さ以下である、前記光導波路のクラッドよりも熱伝導率が低い断熱層と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱光学素子において、前記断熱層の前記光導波路の長手方向の長さが、前記ヒータ領域長よりも短いことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱光学素子において、前記断熱層が、前記光導波路の長手方向に沿って2以上に分割されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱光学素子において、前記断熱層は、空気層であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、熱光学素子の作製方法であって、半導体基板上に第1のクラッド層を成長する工程と、前記第1のクラッド層上に犠牲層を成長し、所定の領域に犠牲層が残るようにエッチングする、または、前記第1のクラッド層上に選択成長により所定の領域にのみ犠牲層を成長する工程と、前記第1のクラッド層上および前記犠牲層上に第2のクラッド層を成長する工程と、前記第2のクラッド層上にコア層を成長する工程と、
前記コア層上に第3のクラッド層を成長する工程と、前記犠牲層のみを選択的に除去して断熱層を形成する工程と、前記コア層を挟んで前記断熱層と対向する前記第3のクラッド層上の位置にヒータを設ける工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の熱光学素子の作製方法において、前記犠牲層を成長する工程は、前記犠牲層を2以上に分割するようパターニングする工程を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、熱光学素子の作製方法であって、半導体基板上に断熱層を成長し、所定の領域に断熱層が残るようにエッチングする、または、前記半導体基板上に選択成長により所定の領域にのみ断熱層を成長する工程と、前記半導体基板上および前記断熱層上に前記断熱層よりも熱伝導率が高い第1のクラッド層を成長する工程と、前記第1のクラッド層上にコア層を成長する工程と、前記コア層上に第2のクラッド層を成長する工程と、前記コア層を挟んで前記断熱層と対向する前記第2のクラッド層上の位置にヒータを設ける工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の熱光学素子の作製方法において、前記断熱層を成長する工程は、前記断熱層を2以上に分割するようパターニングする工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ヒータによる屈折率変化効率を高めつつ応答速度を考慮に入れた素子設計ができ、活性層の発光特性を劣化させることなく、特性の優れた半導体光素子を作製することができる。
本本発明の実施形態1に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す図である。 (1)〜(5)は、本発明の実施形態1に係る波長可変レーザで用いる共振器の作製工程を示す図である。 本本発明の実施形態2に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す図である。 本本発明の実施形態3に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す図である。 従来の光導波路コア層より下に犠牲層があるDBRレーザの共振器の断面概略図を示す図である。 (a)は図5で示したDBRレーザの上面図を示す図であり、(b)は(a)のb−b’の箇所の共振器方向に垂直な方向の断面図を示す図であり、(c)は(a)のc−c’の箇所の共振器方向に垂直な方向の断面図を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に、本発明の実施形態1に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す。基板101、犠牲層102、下部クラッド層103、前後DBR層104a、104b、活性層105や位相調整層106などの半導体レーザの光導波路コア層、上部クラッド層107が順に積層されている。基板101、上部クラッド層107の表面には下部電極108、上部電極109が形成され、上部クラッド層107の表面には絶縁膜110、ヒータ111a〜111cが形成されている。このDBRレーザの共振器は、前後DBR層104a、104b、活性層105や位相調整層106などの半導体レーザの光導波路コア層より下に犠牲層102がある。
実施形態1では、予めヒータ領域の下部のみに犠牲層102を設置する構造とし、電流注入を行う活性層105の下部には犠牲層102が無い構造とする。最終的には犠牲層102は選択エッチングされるが、ここでは説明のために犠牲層102を除去する前の構造を記載している。これにより、ヒータ下部の犠牲層102の除去後も活性層105下部に熱伝導性の悪い犠牲層102が残ることが無いため、活性層105への電流注入により発熱しても、熱は基板101下部に伝達される。チップは熱伝導性の良いキャリア等を介してペルチェ素子やヒートシンクに搭載されるため、基板101下部に伝達された熱は速やかに放熱される。
実施形態1では、基板101としてInPを用い、犠牲層102は0.3μm厚のGaInAs層、下部および上部クラッド層103、107はInP、前後DBR層104a、104b、位相調整層106は0.3μm厚のGaInAsPバルク層、活性層105は1.55μm帯で発光するGaInAsPの多層量子井戸構造とした。前DBR層104aの長さは300μm、活性層105は400μm、位相調整層106は150μm、後DBR層104bの長さは600μmである。
本発明の重要な点は、ヒータにより温度変化させるヒータ領域の下部の犠牲層のみを除去することにより、ヒータ領域を熱的に独立した領域としてヒータの効率を高めつつ、ヒータ領域以外の電流を注入する領域の下部には本来必要のない犠牲層が残らないようにし、特性の劣化を防ぐことである。
従って、本発明は、InPとGaInAsおよびGaInAsPの組み合わせに限定することなく適用可能である。また、バルク層や多層量子井戸層など、層構造も同様に適用可能であり、活性層105として量子ドットなどを用いていても良い。ただし、犠牲層102のみをウエットエッチングにて除去することが必要であるため、犠牲層102の上下の層のエッチングレートよりも犠牲層102のエッチングレートが10倍程度異なる組成とウエットエッチングの組み合わせがなければならない。上述したInPとGaInAsの組み合わせの場合、硫酸と過酸化水素の混合溶液によりGaInAsの選択エッチングが実現できることが知られている。
また、本実施形態の共振器は、前後DBR104a、104b、活性層105、位相調整106よりなるDBRレーザ構造とした。DBR部は前述のようにSSG−DBRなどとすることにより、バーニア効果を用いて波長可変幅を広くすることが可能である。また、その他の構成であっても良い。例えば、DBRでは無くリング共振器などを用いて波長選択を行うリングレーザなど、屈折率変化により波長選択性を変化させられるフィルタまたは反射器と活性層で共振器を構成してもよい。また、波長可変レーザだけでなく、その他の光スイッチやカプラなど、ヒータによる半導体熱光学素子であれば本発明を適用でき、ヒータ駆動部の下部のみに犠牲層が存在する構造とすればよい。
図2に、本発明の実施形態1に係る波長可変レーザで用いる共振器の作製工程を示す。まず基板101上に犠牲層102を成長する(図2(1))。次に犠牲層102を所望の箇所のみ残して除去する(図2(2))。この工程にはフォトリソなどによるパターンニングとドライエッチングまたはウエットエッチングを用いることができる。次にクラッド層103および活性層105を成長する(図2(3))。その後、活性層105を一部エッチングし前後DBR層104a、104bおよび位相調整層106となるコア層をバットジョイント成長する。前後DBR層104a、104bに回折格子を形成して上部クラッド107を成長し、その後下部電極108、上部電極109の電極形成、絶縁膜110、ヒータ111形成の工程を経て図1の構造を作製できる。
本実施形態はDBR構造であるため、これを元に作製工程を説明している。DBRでは無くリング共振器を用いる場合などは、回折格子を作りこむ必要が無いため、図2(3)の工程で活性層105上のクラッドを成長し、ヒータ領域のコア層のバットジョイントをクラッドを含めて行うなどしても良い。
ここで、本実施形態では結晶成長のために有機金属気層成長法を用いたが、分子ビーム成長法や、その他の成長法を用いても良い。犠牲層102は基板101上全面に成長した後にパターニングする方法を説明したが、基板101上にSiOマスクなどを形成して選択成長を行う方法により所望の場所のみに犠牲層102を形成する方法を用いることも可能である。
また、犠牲層除去後は空気層となるが、BCBやポリイミド、その他の有機材料などを注入し硬化させることにより強度を保つ構造としても良い。ただし、断熱層の目的を得るためには、空気層に注入する材料は、半導体よりも熱伝導率の悪い材料を用いなければならない。
(実施形態2)
図3に、本発明の実施形態2に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す。実施形態2は、犠牲層302以外の構成は実施形態1と同じである。第1の実施形態では、電流注入を行う領域と行わない領域とに分け、電流注入する領域の犠牲層102を除去していたが、実施形態2では、更に細かく領域毎に犠牲層302の有無を設定する。図3に示した実施形態2では、後DBR304b下部と位相調整層306下部とで犠牲層302を分離するようにパターンニングしている。
電流注入もヒータ駆動もしない領域としては、領域の境界部分も存在する。そのような箇所には犠牲層302がある必要が無く、逆に犠牲層302があることによって、犠牲層302をウエットエッチングする際に不必要な場所まで除去してしまうこともありうる。犠牲層302を除去した後は空間になるが、空間が広すぎると空間がつぶれ、犠牲層302の上部層と下部層とが接触してしまうことなども考えられる。
一方で、ヒータ領域の犠牲層302は残ることの無いように除去することが望ましい。そのため、本実施形態のように、細かく領域毎に犠牲層302の有無を設定することによって、除去箇所は過剰なウエットエッチングにより完全に犠牲層302を除去したとしても、不必要な箇所までエッチングされることが減り、プロセスが失敗する可能性を低減できる。
(実施形態3)
図4に、本発明の実施形態3に係る波長可変レーザに用いる共振器の断面概略図を示す。実施形態3は、犠牲層402以外の構成は実施形態1、2と同じであるが、図4のように、実施形態2よりも更に犠牲層402を残す領域を細かく分ける。通常、DBR部は数100μmとされているが、その下部に同じ長さの犠牲層402を形成すると、前述のように広すぎる領域はつぶれる危険性がある。そのため、犠牲層402を所定の間隔毎に一定の間隔を置いて区切ることで、いわば柱を残すことにより強度を維持する。
また、実施形態3の構造は以下に述べる効果もある。課題で述べたように、ヒータ部の下部を完全に除去してしまうと、ヒータの効率は向上するが、逆に放熱が悪くなるため応答速度が遅くなるというトレードオフがある。しかしながら、図4の構造のように予め犠牲層402をパターニングしておくことにより、設計した量の基板401への熱伝達路を設けることができる。
上記の目的であれば、ヒータ領域下部を細かく分割する方法の他に、ヒータ領域の一部のみに犠牲層402を残す方法とすることも可能である。ただし、細かく分割する方法の方が熱伝達路を分布させることが可能のため、ヒータ領域の熱均一性を向上させることが可能である。
また、犠牲層402の除去のために過剰にウエットエッチングを行っても良いため、細かく分割したとしても精度よく所望の構造を作製することができる。これにより、従来は困難であった熱応答と熱効率の両者を設計に取り込むことができ、目的の応用例などによって適切な構造を設計し、作製することができる。
101、301、401、501 基板
102、302、402、502 犠牲層
103、303、403、503 下部クラッド層
104、304、404、504 DBR層
105、305、405、505 活性層
106、306、406、506 位相調整層
107、307、407、507 上部クラッド層
108、308、408、508 下部電極
109、309、409、509 上部電極
110、310、410、510 絶縁膜
111、311、411、511 ヒータ

Claims (8)

  1. 半導体基板上に光導波路が形成された熱光学素子であって、
    前記光導波路上に設けられ、前記光導波路の一部領域であるヒータ領域の温度を変化させるヒータと、
    前記光導波路のコアを挟んで前記ヒータと対向する前記光導波路のクラッド内の位置に設けられ、前記光導波路の長手方向の長さが前記ヒータ領域に含まれる前記光導波路のコアの前記長手方向の長さ以下である、前記光導波路のクラッドよりも熱伝導率が低い断熱層と、
    を備えたことを特徴とする熱光学素子。
  2. 前記断熱層の前記光導波路の長手方向の長さが、前記ヒータ領域長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の熱光学素子。
  3. 前記断熱層が、前記光導波路の長手方向に沿って2以上に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の熱光学素子。
  4. 前記断熱層は、空気層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱光学素子。
  5. 半導体基板上に犠牲層を成長し、所定の領域に犠牲層が残るようにエッチングする、または、前記半導体基板上に選択成長により所定の領域にのみ犠牲層を成長する工程と、
    前記半導体基板上および前記犠牲層上に第1のクラッド層を成長する工程と、
    前記第1のクラッド層上にコア層を成長する工程と、
    前記コア層上に第2のクラッド層を成長する工程と、
    前記犠牲層のみを選択的に除去して断熱層を形成する工程と、
    前記コア層を挟んで前記断熱層と対向する前記第2のクラッド層上の位置にヒータを設ける工程と、
    を備えたことを特徴とする熱光学素子の作製方法。
  6. 前記犠牲層を成長する工程は、前記犠牲層を2以上に分割するようパターニングする工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の熱光学素子の作製方法。
  7. 半導体基板上に断熱層を成長し、所定の領域に断熱層が残るようにエッチングする、または、前記半導体基板上に選択成長により所定の領域にのみ断熱層を成長する工程と、
    前記半導体基板上および前記断熱層上に前記断熱層よりも熱伝導率が高い第1のクラッド層を成長する工程と、
    前記第1のクラッド層上にコア層を成長する工程と、
    前記コア層上に第2のクラッド層を成長する工程と、
    前記コア層を挟んで前記断熱層と対向する前記第2のクラッド層上の位置にヒータを設ける工程と、
    を備えたことを特徴とする熱光学素子の作製方法。
  8. 前記断熱層を成長する工程は、前記断熱層を2以上に分割するようパターニングする工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の熱光学素子の作製方法。
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