JP4608334B2 - 半導体光素子の波長調整方法 - Google Patents

半導体光素子の波長調整方法 Download PDF

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本発明は、一般的には、半導体光フィルタおよび半導体レーザなどの半導体光素子に関し、具体的には、フィルタの透過波長やレーザの発振波長などの波長特性を調整可能な半導体光素子およびその波長調整方法に関する。
複数の異なる波長の光信号を1本の光ファイバに結合して伝送する波長多重通信方式がある。この方式では、伝送する光信号の波長の絶対値および安定性が重要なファクタとなり、使われるチャネル間隔によって要求は異なるが、精度の高い半導体光素子が求められている。
このような半導体光素子の作製の過程では、通常、半導体基板上での結晶成長やエッチングのばらつきなどにより、導波路を形成する各層の厚さや導波路幅などが設計値からずれる。こうしたずれは、例えわずかであったとしても、導波路の等価屈折率に変化をきたし、フィルタの透過波長や半導体レーザ(LD)の発振波長が所望の値からずれることになる。したがって、波長の絶対値精度が要求される場合には、数多く作製した素子の中から要求を満たす波長の素子を選別することになる。
従来、このような問題に関連して、作製した半導体光素子の波長のずれを調整する波長トリミング技術が提案されている。例えば、非特許文献1に示すように、大きなエネルギーを持つ光を素子に照射し、その屈折率を変化させる方法がある。
一方で、半導体の屈折率は一般に温度依存性を持つため、半導体光フィルタの透過波長やLDの発振波長も温度依存性を持つ。そのため、通常はペルチェ素子などを用いて、素子の動作温度を一定に保つことで波長の安定化を図ったり、素子の動作温度を調整することで波長を必要に応じて変化させたりしている。
また、ペルチェ素子などの温度制御素子を用いずに、レーザの発振波長の温度依存性をなくす方法がある。その一例が非特許文献2に開示されている。この従来技術では、半導体材料による屈折率の温度依存性とは逆の依存性を有する材料を半導体導波路に集積することが提案されている。これにより、集積した導波路全体の光路長の温度依存性をなくすことができ、例えば、発振波長が温度に依存しないアサーマルLDが実現可能となる。
須藤剣、他、「分布帰還型半導体レーザの波長トリミング技術」、電子情報通信学会論文誌、1996年10月、C−I Vol.J79−C−I、No.10、pp.400−401 K. Tada et al, "Temperature compensated coupled cavity diode lasers," Optical and Quantum Electronics, vol.16, pp.463-469, 1984.
上述したように、半導体光素子では、一般に、素子作製過程でのばらつきにより、動作特性が本来の設計値からのずれを生じ、所望の特性を満たす素子を選別しなければならないことがある。その場合、光照射による波長トリミング方法では、熱的に不安定であるなどの問題があった。また、ペルチェ素子などにより動作温度を調整する方法では、温度制御を行うための回路が必要となる。さらに、温度依存性をなくした半導体光素子では、ペルチェ素子などを用いた動作温度による波長の調整が困難になるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来にない方法で半導体光素子の特性を調整することのできる素子およびその方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項に記載の発明は、有機材料よりなり、半導体材料よりなる第1の光導波路と、前記第1の光導波路と光学的に結合された第2の光導波路とを含む半導体光素子の動作波長を、当該素子を作製した後に調整する波長調整方法であって、前記第2の光導波路の表面を削って、前記半導体素子の動作波長を所望の値に調整することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の波長調整方法において、前記第2の光導波路の表面は、エッチングにより削られることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の波長調整方法において、前記第1の光導波路は、回折格子を備えることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の波長調整方法において、前記回折格子は、結合係数が200cm−1以上であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項から4のいずれかに記載の波長調整方法において、前記第2の光導波の屈折率は、負の温度依存性を有することを特徴とする。
本発明では、半導体導波路の一部を半導体以外の材料により置き換える。導波路の作製後、この置き換えた導波路部分を物理的に加工することによって、その部分の等価屈折率を変化させる。一般に、導波路を伝搬する光は、導波路内である広がりを持っている。そのため、光の広がりのある領域で導波路の形状または材質が変わると、その部分の屈折率が変化し、導波路全体としての等価屈折率が変化する。
具体的には、エッチングなどの加工法により半導体以外の材料よりなる導波路部分の形状のみを選択的に変化させることで、導波路全体の等価屈折率を調整することが可能になる。これにより、フィルタの透過波長やレーザの発振波長など、導波路の物理的な長さと屈折率の積によって決まる光学長に関連する特性を調整可能な半導体光素子を実現することができる。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について具体的に説明する。
(第1の実施例)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子の構造を示す。図1(a)は、第1の実施形態に係る半導体光素子の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の線分I−I’での半導体光素子の断面図であり、図1(c)は、図(a)の線分II−II’での半導体光素子の断面図である。
半導体光素子100は、図1(a)に示すように、半導体材料よりなる導波路WG11およびWG13と、半導体以外の材料よりなる導波路WG12とにより構成されている。導波路WG11およびWG13は、次のように形成される。先ず、半導体基板101の上に、ガイド層102、コア層103、ガイド層104、上部クラッド層105が順次積層される。ガイド層102、104は、コア層よりも屈折率の低い材料を用いる。この場合、ガイド層102および104の屈折率をステップ状に変化させたり、屈折率に傾斜をつけたりしてもよい。あるいは、ガイド層の両方または一方を省略することもできる。次に、積層した基板を所望の導波路幅でエッチングした後、コア層より屈折率の低い材料で埋め込み層106を形成する。
半導体基板101およびクラッド層105には、例えばInPを用いることができる。また、ガイド層102、104およびコア層103には、例えばバンドキャップ波長の異なるGaInAsPを用いることができる。埋め込み層106には、FeなどをドーピングしたInPを用いることができる。しかし、これらの層101〜106は、InPおよびGaInAsPの組み合わせに限定されることなく、GaAs、AlGaAs、AlGaInAs、InGaAs、GaInNAsなど任意の材料を適用してよい。
半導体導波路の各層102〜106は、例えばMBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vapor phase deposition)などのエピタキシャル成長により積層することができる。
導波路WG12は、図1(b)および(c)に示すように、半導体以外の材料よりなるコア110と、このコアよりも屈折率の小さい材料よりなるクラッド111とから構成される。また、導波路WG12を構成する材料としては、例えばポリイミドを用いることができる。導波路WG12には、導波路損失を抑えるためにコアがあった方が好ましいが、導波路WG12の長さが短い場合や、素子の特性に対する導波損失の影響が小さい場合にはコアを省略してもよい。
導波路WG12を形成するには、例えば、作製した半導体導波路を横断する溝をエッチングにより形成し、そこに導波路WG12を作り込むことができる。半導体導波路をエッチングするには、例えば塩素や臭素、ヨウ素等のハロゲンガスを用いたドライエッチングや、CH、Cなどの炭化水素系ガスを用いたドライエッチングを用いることができる。また、この他の方法として、いわゆる選択成長がある。すなわち、導波路WG12を形成する領域にSiOなどでマスクすることにより、導波路WG12を成長させずに導波路WG11およびWG13のみを選択的に成長させる方法である。
導波路WG12を形成する溝を作製した後、半導体基板上にポリイミドなどの半導体以外の材料をスピンコートにより塗布する。そして、ベーキング後にエッチングすることによって導波路構造を作製することができる。また、フッ素化されたポリイミドを用いることにより、光通信で用いられる波長帯の信号光の吸収損失を低減することができる。さらに、ポリイミドなどの有機材料を用いれば、半導体とポリイミドの屈折率の温度依存性が逆であるため、半導体導波路の長さとポリイミド導波路の長さを適切に設計することにより、透過波長が温度に依存しない素子を作製することも可能になる。
次に、作製した導波路WG12を加工して、導波路WG12の屈折率を調整する方法について説明する。図2に、図1(b)および(c)に示した上部クラッド厚dcladを変化させた場合の等価屈折率を示す。コア110の屈折率を1.6、クラッド111の屈折率1.45としており、コアの形状は、厚さ1.0μm、幅1.5μmとしている。図2に示すように、上部クラッドの厚さが1.5μm以上の場合、等価屈折率はほぼ一定の値1.53程度となるが、それより薄い場合は、その厚さに応じて徐々に等価屈折率が小さくなる。また、厚さが0.5μmではおよそ1.505、それ以下では等価屈折率が急激に減少している。このように、上部クラッドの厚さを変化させることにより等価屈折率が変化し、これによって導波路WG12の物理的な長さと屈折率の積によって決まる光学長が変化する。
導波路WG12を加工するには、ポリイミドの場合、酸素ガス(O)を用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)を用いることができる。これは、導波路WG11およびWG13の半導体導波路の構造変化を抑えつつ、導波路WG12を選択的に加工することができる。WG12を形成する材料は、ポリイミドに限定されることなく、半導体導波路の構造に変化を生じさせない加工手段が適用できる材料であればよい。一般的に、有機系材料を用いれば、半導体構造に対する影響が小さい酸素ガスを用いたRIEを用いることができる。
加工手段は、酸素ガスによるRIEに限らず、例えば、有機材料としてベンゾシクロブテン(BCB)を用いた場合には、構造中にSi原子を含むためOのみではエッチングできないが、例えばCF、C、SF、CHFなどを含んだガスによるRIEを用いることができる。ただし、絶縁膜や保護膜などとして通常使われるSiO膜やSiN膜もこれらのガスによりエッチングされるため、これらの膜がエッチングされると不都合な箇所には絶縁膜を保護する金属膜などが必要となる。
本実施形態では、半導体光素子100の両端面は劈開となっており、ファブリペロー(FP)フィルタが形成されている。この端面は反射率を制御するために誘導体などでコーティングしてもよい。
図3は、上記の方法により導波路WG12の等価屈折率を変化させた場合の本実施形態によるFPフィルタの透過波長の変化を示している。図に示すように、導波路WG12の上部クラッド厚を薄くし、等価屈折率が小さくなると、FPフィルタの透過波長が実線で示すスペクトルから破線、一点鎖線のスペクトルのように長波長から短波長に変化する。このように、作製した半導体光素子の一部を物理的に加工することにより、透過波長を所望の波長に合わせることが可能になる。
本実施形態では、半導体導波路の一箇所のみを半導体以外の材料に置き換えているが、必要に応じて、半導体導波路の複数箇所を置き換えてもよい。また、図1に例示した導波路のコア層103は、単純な分離ヘテロ構造(SCH)として形成されているが、多層量子井戸、量子細線や量子ドットなどの低次元量子井戸構造としてもよく、またはバルク構造などとしてもよい。さらに、半導体導波路WG11および13の構造は、埋め込みヘテロ構造(BH)に限らず、リッジ構造やハイメサ構造などの他の導波路構造についても本発明の原理を適用することができる。本実施形態では、導波路WG11およびWG13に電流注入を行わない受動素子として示しているが、電流を注入する能動素子としてもよい。
以上のように、本発明によれば、半導体光素子を作製し、例えばヒートシンクにマウントしたり、キャリアに搭載したりした後であっても、素子の特性を測定した後、その特性を変更する必要がある場合には、素子を酸素プラズマに晒して、半導体以外の材料よりなる導波路の上部クラッドをエッチングすることにより、その特性を変化させることができる。この際、半導体よりなる導波路部や素子の端面など、変化すべきでない部分の材料は酸素プラズマに対して比較的安定であるため、その形状または構造は特性に影響が現れるほど変化しない。これにより、フィルタの透過波長など、波長の精度が要求される用途では、その特性を必要に応じて調整することができ、また、素子の特性のばらつきを素子の作製後に補正することができるようになる。
(第2の実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態に係る半導体光素子の構造を示す。図4(a)は、第2の実施形態に係る半導体光素子の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の線分III−III’での半導体光素子の断面図であり、図4(c)は、図4(a)の線分IV−IV’での半導体光素子の断面図である。
半導体光素子200は、図2(a)に示すように、半導体材料よりなる導波路WG21およびWG23と、半導体以外の材料よりなる導波路WG22とにより構成されている。導波路WG21およびWG23は、第1の実施形態と同様に形成することができる。すなわち、半導体基板201の上に、下部光閉じ込め層202、活性層203、上部光閉じ込め層204、上部クラッド層205が順次積層される。この場合、光閉じ込め層202および204は、屈折率をステップ状に変化させたり、屈折率に傾斜をつけたりしてもよい。あるいは、光閉じ込め層の両方または一方を省略することもできる。次に、積層した基板を所望の導波路幅でエッチングした後、活性層より屈折率の低い材料で埋め込み層206を形成する。さらに、導波路にのみ電流を流すための絶縁膜207を設け、次に上部電極209を形成し、この上部電極と下部電極208との間で電流注入構造を形成する。また、上部光閉じ込め層204と上部クラッド層205の間には、波長選択のための回折格子が形成されている。
半導体基板201およびクラッド層205には、例えばInPを用いることができる。また、光閉じ込め層202、204および活性層203には、例えばバンドギャップ波長の異なるGaInAsPを用いることができる。埋め込み層206には、FeなどをドーピングしたInPを用いることができる。また、埋め込み層は、半絶縁性の半導体を用いたり、極性の異なるp型およびn型の半導体を交互に積層したりすることで、活性層以外の領域に流れる電流をブロックする電流ブロック層とすることができる。これらの層201〜206は、InPおよびGaInAsPの組み合わせに限定することなく、GaAs、AlGaAs、AlGaInAs、InGaAs、GaInNAsなど任意の材料を適用してもよい。
半導体導波路の各層202〜206は、第1の実施形態と同様、例えばMBE、MOCVDなどのエピタキシャル成長により積層することができる。
導波路WG22を構成する材料および方法については、図1に関連して説明した本発明の第1の実施形態と同様である。また、導波路WG22を加工して屈折率を調整する方法についても、第1の実施形態の場合と同様である。したがって、図4(b)および(c)に示した導波路WG22の上部クラッドの厚さdcladを変化させることにより、図2に示すように、等価屈折率が変化する。これによって導波路WG22の物理的な長さと屈折率の積によって決まる光学長が変化する。このように、導波路WG21〜WG23によって形成される共振器の光学長を変化させることにより、レーザの発振波長を変化させることができる。
本実施例では、半導体光素子200の半導体導波路部は回折格子構造となっており、分布帰還型(DFB)レーザが形成されている。DFBレーザの場合、導波路WG22は位相シフト領域として働くため、その等価屈折率が変化すると、いわゆる位相シフト量が変化することと等価となる。これによって、半導体光素子200の発振波長が図5に示すようにストップバンド内で変化することになる。すなわち、導波路WG22の上部クラッド厚を薄くし、透過屈折率が小さくなると、位相シフト量が小さくなり、DFBレーザの発振波長が長波長から短波長に変化する。
等価屈折率の変化量、すなわち位相シフト量が同じであれば、ストップバンド幅が大きいほど波長の変化量が大きくなる。そのため、導波路WG22部のわずかなエッチング量で波長の調整量を大きくすることが可能になる。ストップバンド幅を広げるためには、通常は100cm−1以下としている回折格子の結合係数を大きくすればよい。例えば、結合係数を200cm−1とすると、5nm程度以上のストップバンド幅が得られ、結合係数をおよそ300cm−1とすると、7.5nm程度以上のストップバンドが得られ、400cm−1とすると10nm程度以上のストッパプバンドが得られる。
第1の実施形態では図3に見られるように一定間隔の複数波長の調整であったが、本実施形態では回折格子を形成することにより、単一の波長を選択し、調整することが可能となる。ここでは、波長選択の方法として回折格子を用いる方法を説明したが、素子中に半導体導波路を備え、半導体導波路の光学長が波長選択に係わる素子であれば、本発明の原理を適用することができる。
また、図4に例示した導波路の活性層203は、単純な分離ヘテロ構造(SCH)として形成されているが、多層量子井戸、量子細線や量子ドットなどの低次元量子井戸構造としてもよく、またはバルク構造などを用いてもよい。さらに、半導体導波路WG21および23の構造は、埋め込みヘテロ(BH)構造に限らず、リッジ構造やハイメサ構造などの他の導波路構造についても本発明の原理を適用することができる。本実施形態では、導波路WG21およびWG23に電流を注入する能動素子として示しているが、電流を注入しない受動素子としてもよい。
以上のように、本発明によれば、半導体光素子を作製し、例えばヒートシンクにマウントしたり、キャリアに搭載したりした後であっても、素子の特性を測定した後、その特性を変更する必要がある場合には、素子を酸素プラズマに晒して、半導体以外の材料よりなる導波路の上部クラッドをエッチングすることにより、その特性を変化させることができる。この際、半導体よりなる導波路部や素子の端面など、変化すべきでない部分の材料は酸素プラズマに対して比較的安定であるため、その形状または構造は特性に影響が現れるほど変化しない。これにより、レーザの発振波長など、波長の精度が要求される用途では、その特性を必要に応じて調整することができ、また、素子の特性のばらつきを素子の作製後に補正することができるようになる。
(第3の実施形態)
図6に、本発明の第3の実施形態に係る半導体素子の構造を示す。図6(a)は、第3の実施形態に係る半導体光素子の上面図であり、図6(b)は、図6(a)の線分V−V’での半導体光素子の部分断面図であり、図6(c)は、図6(a)の線分VI−VI’での半導体光素子の部分断面図である。
半導体光素子300は、図6(a)に示すように、半導体基板301の上に半導体材料よりなる導波路WG31と、半導体以外の材料よりなる導波路WG32とによりリング状に構成されている。すなわち、半導体導波路WG31の一部が半導体以外の材料を用いた導波路WG32に置き換えられた構成となっている。導波路WG31は、図6(b)に示すように、半導体基板301の上に、下部クラッド302、コア303、上部クラッド304が順次積層され、エッチングによりハイメサ導波路として作製されている。導波路WG32は、図6(c)に示すように、半導体基板301の上に、下部クラッド311、コア310、上部クラッド312が順次積層され、導波路として作製されている。
導波路WG31およびWG32を構成する材料および方法は、第1および第2の実施形態で説明したものと同様とすることができる。また、導波路構造についても図6に示したハイメサ構造に限らず、第1および第2実施形態で説明した構造とすることができる。それゆえ、半導体導波WG31に電流注入する能動素子であっても、電流注入しない受動素子であってもよい。また、本実施形態では、リング型共振器について例示したが、これに、方向性結合器や分岐導波路などの入出力導波路を接続することもできる。
以上のように、本発明によれば、半導体光素子を作製し、例えばヒートシンクにマウントしたり、キャリアに搭載したりした後であっても、素子の特性を測定した後、その特性を変更する必要がある場合には、素子を酸素プラズマに晒して、半導体以外よりなる導波路の上部クラッドをエッチングすることにより、その特性を変化させることができる。この際、半導体よりなる導波路部や素子の端面など、変化すべきでない部分の材料は酸素プラズマに対して比較的安定であるため、その形状または構造は特性に影響が現れるほど変化しない。これにより、共振器の共振波長など、波長の精度が要求される用途では、その特性を必要に応じて調整することができ、また、素子の特性のばらつきを素子の作製後に補正することができるようになる。
上述した半導体光素子およびその波長調整方法は、光通信、光交換、光情報処理など、光を利用した光伝送処理システムなど、幅広い用途に適用することができる。特に、波長多重通信などの波長精度が要求される用途において、光素子の作製、検査後に波長調整をすることができ、使用可能な素子の収率を改善することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子の構造を示す図であり、図1(a)は、半導体光素子の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の線I−I’での半導体光素子の断面図であり、図1(c)は、図1(a)の線II−II’での半導体光素子の断面図である。 本発明に従って、半導体以外の材料よりなる導波路の上部クラッドの厚さを変化させた場合の等価屈折率の変化を例示する図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子において、半導体以外の材料よりなる導波路の等価屈折率の変化による透過波長の変化を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子の構造を示す図であり、図4(a)は、半導体光素子の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の線III−III’での半導体光素子の断面図であり、図4(c)は、図4(a)の線IV−IV’での半導体光素子の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子において、半導体以外の材料よりなる導波路の等価屈折率の変化による位相変化に基づく発振波長の変化を例示する図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体光素子の構造を示す図であり、図6(a)は、半導体光素子の上面図であり、図6(b)は、図6(a)の線V−V’での半導体光素子の部分断面図であり、図6(c)は、図6(a)の線VI−VI’での半導体光素子の部分断面図である。
符号の説明
100、200、300 半導体光素子
101、201、301 基板
102、202 ガイド層(光閉じ込め層)
103、203、303 コア層(活性層)
104、204 ガイド層(光閉じ込め層)
105、205、304 上部クラッド層
106、206 埋め込み層(電流ブロック層)
207 絶縁膜
208 下部電極
209 上部電極
110、210、310 コア(コア層)
111、211、311、312 クラッド(クラッド層)
WG11、WG13、WG21、WG23、WG31 半導体導波路
WG12、WG22、WG32 半導体以外の材料による導波路

Claims (5)

  1. 半導体材料よりなる第1の光導波路と、有機材料よりなり、前記第1の光導波路と光学的に結合された第2の光導波路とを含む半導体光素子の動作波長を、当該素子を作製した後に調整する波長調整方法であって、
    前記第2の光導波路の表面を削って、前記半導体光素子の動作波長を所望の値に調整することを特徴とする波長調整方法。
  2. 請求項に記載の波長調整方法において、前記第2の光導波路の表面は、エッチングにより削られることを特徴とする波長調整方法。
  3. 請求項またはに記載の波長調整方法において、前記第1の光導波路は、回折格子を備えることを特徴とする波長調整方法。
  4. 請求項に記載の波長調整方法において、前記回折格子は、結合係数が200cm−1以上であることを特徴とする波長調整方法。
  5. 請求項からのいずれかに記載の波長調整方法において、前記第2の光導波路の屈折率は、負の温度依存性を有することを特徴とする波長調整方法。
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