JP5870693B2 - 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法に関するものである。
通信サービスの多様化、多機能化に伴い、光ファイバ通信における伝送容量が増加しており、これにより、大容量伝送に適した送信機又は中継器に用いる半導体光源に対し高い要求がある。具体的には、次世代の光通信用の半導体光源には、25〜100Gbpsといった高速動作と同時に、小型化、低消費電力化等が求められている。半導体レーザのうち、活性層への電流注入を制御することにより直接変調する直接変調型レーザは、外部変調器が不要なため小型化、低消費電力の観点で有利である。よって、このような直接変調型半導体レーザにおいて、25Gbps以上の高速動作が検討されている。
直接変調型半導体レーザにおいて、高速動作を実現するためには、素子容量を抑制し、電気的な応答速度を向上させるとともに、共振器内における光子寿命及び利得に依存する緩和振動周波数を高くして、光強度変化の応答速度を高くする必要がある。このため、半導体レーザにおける共振器長を短くしつつ、発光閾値利得を抑制する必要がある。このような直接変調型半導体レーザとしては、分布帰還型半導体レーザ(Distributed Feedback Laser:DFB Laser)に分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector:DBR)構造を集積したDRレーザ(Distributed Reflector Laser)がある。
図1に基づきDRレーザについて説明する。DRレーザは、DFB領域901とDBR領域902とを有しており、DFB領域901及びDBR領域902においては、ともにInP等の半導体基板910の表面に、回折格子911が形成されている。尚、DFB領域901における回折格子911の中央部分には、位相シフト領域912が形成されている。また、半導体基板910には不純物がドープされており導電性を有している。
DFB領域901においては、半導体基板910の表面に形成された回折格子911の上に下部クラッド層921、活性層922、上部クラッド層923、コンタクト層924、上部電極941が積層して形成されている。DBR領域902においては、DFB領域901と同様の下部クラッド層921が形成されており、下部クラッド層921の上には光ガイド層932が形成されており、光ガイド層932の上にはDFB領域901と同様の上部クラッド層923が形成されている。尚、DFB領域901における活性層922と、DBR領域902における光ガイド層932とは、隣接しており、略同じ高さとなるように形成されている。よって、活性層922において発光した光を光ガイド層932に入射させることができる構造となっている。また、半導体基板910において、回折格子911が形成されている面とは反対側の裏面には、下部電極942が形成されており、更に、DRレーザにおいて光が出射される面と、その反対側の面には反射防止膜951及び952が形成されている。
このようなDRレーザは、DFB領域901において、上部電極941及び下部電極942を介し活性層922に電流を注入して光を発光させ、発光した光を光ガイド層932が形成されているDBR領域902において、反射させる構造のものである。図1(a)には、光が出射される側とは反対側に、DBR領域902を設けた構造のものを示す。また、図1(b)には、DFB領域901の両側に2つのDBR領域、即ち、第1のDBR領域902aと第2のDBR領域902bを設けた構造のものを示す。図1(b)に示す構造のものでは、第1のDBR領域902aには光ガイド層932aが形成されており、第2のDBR領域902bには光ガイド層932bが形成されている。尚、光ガイド層932a及び光ガイド層932bは、活性層922と隣接しており、活性層922と略同じ高さとなるように形成されている。
このようなDRレーザは、容易に製造することができ、また、高い歩留りで共振器長の短いレーザを作製することができることを特徴としている。例えば、一般的なDFBレーザ等の端面発光型の半導体レーザにおいては、結晶面で劈開することにより形成されるが、このような劈開により全体の素子の長さが150μm程度となる短いものを作製することは困難である。これに対し、DRレーザでは、回折格子911における光結合係数を調整することにより、DBR領域902等における反射率を高くすることができるため、共振器となる領域の長さを活性層922が形成されているDFB領域901の長さと略同じにすることができる。従って、加工により全体の素子の長さを短く形成することなく、共振器長を短くすることができる。具体的には、素子全体の長さを約300μmとなるように形成した場合においても、共振器長を10μm〜100μmと極めて短くすることができる。
また、一般的なDFBレーザの場合では、回折格子の端面における位相のばらつきが、単一モードにおける歩留りの低下を招くことが知られている。ところで、回折格子における格子間隔Λは、数1に示される式で表わすことができる。尚、mは回折の次数、λは真空中における光の波長、nは導波路となる領域の有効屈折率である。
Figure 0005870693
高速変調用の短共振器レーザの場合において、短い素子の長さで十分な回折効率を得るためには、1次の回折(即ち、m=1)が用いられる。ここで、一般的な光通信用となるInP基板に形成されている波長が1.55μm帯のレーザを考えると、nは約3.2となるため、Λの値は、約240nmとなる。通常、劈開における位置精度は一般的に数μm程度であることから、劈開により形成された素子の端面が回折格子の山の部分となるか谷の部分となるかを制御することは極めて困難である。このような端面位相のばらつきは、DFBレーザにおける発光スペクトルに影響を与え、発振モードが所望の場合と異なる場合や、注入される電流量の変化によってモード飛びが発生したりする原因となる。この端面位相のばらつきによる影響を抑制するために、端面に反射防止膜を成膜する方法があるが、一般的なDFBレーザにおいて、端面に反射防止膜を成膜すると、特に、素子の長さが短い場合では、共振器としてのフィードバックが不十分となり発振が困難となる。これに対し、DRレーザでは、素子自体に反射鏡を有する構造のものであるため、端面に反射防止膜を形成しても十分なフィードバックを得ることができ、端面位相のばらつきの影響を排除することができる。
特開平5−48214号公報 特開2002−353559号公報
H. Soda et al., IEEE Journalof Quantum Electronics, vol. 23, pp.804-814(1987) G. Morthier et al., IEEEPhotonics Technology Letters, vol. 2, pp.388-390(1990)
次世代の光通信用光源においては、40Gbpsといった高速変調動作が求められており、このような高速変調に対応するためには、共振器長を100μm程度にまで短くする必要がある。ところで、DRレーザにおいて、共振器長の短い、即ち、活性層922の長さが短いものを発振させるためには、回折格子911における結合係数を大きくする必要がある。しかしながら、結合係数の大きなDFBレーザでは、光の導波方向に大きな光強度の分布を有しており、これに伴い、電流注入により生成されるキャリア密度分布が不均一になりやすい。また、発振閾値利得と発振波長の制御性等の観点から有利とされるDFBレーザとして、回折格子の中央付近に波長の半周期に対応する位相ずれを生じさせる位相シフト部を形成したλ/4シフトレーザ構造のものがある。この構造の半導体レーザにおいては、非特許文献1に開示されているように、回折格子の結合係数と素子の長さの積が1.25を超えた場合に、位相シフト部付近に光強度が集中することが知られている。
具体的には、図1(b)に示す構造のDRレーザにおいて、図2(a)に示すように上部電極941から下部電極942に電流を流した場合、図2(b)に示すように、位相シフト部912の近傍において、光強度が最も高くなり、キャリア密度が低くなる。このように、キャリア密度が低くなり、空間的にキャリア密度が不均一となると、あたかも空間的に穴が空いたような状態、即ち、キャリアが周囲に比べて少なくなる状態が生じる。この状態を一般的には、空間的ホールバーニングと呼ぶ。空間的ホールバーニングが生じると、屈折率も光の導波方向に対して変化し、これに伴い光強度分布も影響を受け、再びキャリア密度に影響を与えるというようなフィードバックがかかる。このため、このような半導体レーザにおいて、電流注入値を変動させて変調させると、発振が不安定になりやすい。
これを抑制する方法としては、非特許文献2に開示されているように、光の導波方向に対し結合係数が不均一となるような回折格子を形成する方法がある。具体的には、共振器の中央部分となるDFB領域に対して第1のDBR領域902a及び第2のDBR領域902bにおける結合係数を高くする。これにより、図2(c)に示すように、DFB領域901における光強度の分布を平坦化させることができ、キャリア密度の分布も平坦化させることができる。
しかしながら、光の導波方向に対し結合係数が不均一となるような回折格子を形成することは従来技術では容易ではなく、実際に、図2(c)に示すような光の強度分布等を得ることは困難である。例えば、光の導波方向に対し結合係数が不均一となるような回折格子としては、深さを変化させた構造の回折格子が考えられる。しかしながら、深さを変化させた構造の回折格子を作製するには複雑な工程を要し、制御性も低いために製造歩留まりの確保も難しいため、高価なものとなり実用的ではない。
よって、容易に製造することができ、信頼性が高く、高周波変調可能な半導体レーザ装置が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、基板の上に形成された回折格子と、前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、前記光ガイド層の上に形成された第2の領域の上部クラッド層と、を有し、前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、前記第1の領域の上部クラッド層よりも、前記第2の領域の上部クラッド層の厚さが薄く形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に形成された回折格子と、前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、を有し、前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、前記第2の領域には、上部クラッド層が形成されていない、または、一部において第2の領域の上部クラッド層が形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に、回折格子を形成する工程と、前記回折格子の上に、下部クラッド層を形成する工程と、第1の領域において、前記下部クラッド層の上に活性層を形成する工程と、前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に光ガイド層を形成する工程と、前記活性層の上に、第1の領域の上部クラッド層を形成する工程と、を有し、前記光ガイド層の上に、第2の領域の上部クラッド層を形成する工程を有し、前記第2の領域の上部クラッド層は、前記第1の領域の上部クラッド層よりも厚さが薄く形成されていることを特徴とする。
開示の半導体レーザ装置によれば、容易に製造することができ、信頼性が高く、高周波変調可能な半導体レーザ装置を得ることができる。
一般的なDRレーザの構造図 一般的なDRレーザの説明図 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の構造図 上部クラッド層の厚さと光閉じ込め係数、結合係数との相関図 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(8) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(9) 図13に示す工程における上面図 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(10) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(11) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(12) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(13) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(14) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(15) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(16) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(17) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(18) 第1の実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法の工程図(19) 図24に示す工程における上面図 第1の実施の形態における他の半導体レーザ装置の構造図 第2の実施の形態における半導体レーザ装置の構造図 第2の実施の形態における半導体レーザ装置の説明図 第2の実施の形態における他の半導体レーザ装置の構造図 第3の実施の形態における半導体レーザ装置の構造図(1) 第3の実施の形態における半導体レーザ装置の構造図(2) 第3の実施の形態における半導体レーザ装置の構造図(3)
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(半導体レーザ装置)
第1の実施の形態における半導体レーザ装置について説明する。図3に示されるように、本実施の形態における半導体レーザ装置は、DRレーザであって、DFB領域101とDBR領域102とが形成されている。本実施の形態では、InP等の半導体基板110が用いられており、InP等の半導体基板110の表面には回折格子111が形成されている。尚、この回折格子111は、DFB領域101、DBR領域102に形成されており、DFB領域101における回折格子111の中央部分には、位相シフト領域112が形成されている。また、半導体基板110には不純物がドープされており導電性を有している。
DFB領域101においては、半導体基板110の表面に形成された回折格子111の上に下部クラッド層121、活性層122、上部DFBクラッド層123、コンタクト層124、上部電極141が積層されて形成されている。DBR領域102においては、DFB領域101と同様の下部クラッド層121が形成されており、下部クラッド層121の上には光ガイド層132が形成されており、光ガイド層132の上には、上部DBRクラッド層133が形成されている。尚、本実施の形態では、DFB領域101を第1の領域と、DBR領域102を第2の領域と、上部DFBクラッド層123を第1の領域の上部クラッド層と、上部DBRクラッド層133を第2の領域の上部クラッド層と記載する場合がある。
本実施の形態では、DFB領域101における活性層122と、DBR領域102における光ガイド層132とは、隣接しており、略同じ高さとなるように形成されている。従って、DFB領域101における活性層122において発光した光は、DBR領域102における光ガイド層132に入射させることができる。更に、半導体基板110において、回折格子111が形成されている面とは反対側の裏面には、下部電極142が形成されており、DRレーザにおいて光が出射される端面及び、その端面とは反対側の端面には反射防止膜151及び152が形成されている。
本実施の形態では、DFB領域101における活性層122において発光した光を光ガイド層132が形成されているDBR領域102において反射させる構造のものである。尚、DFB領域101では、上部電極141及び下部電極142を介し活性層122に電流を注入することにより光を発光させることができ、光ガイド層132は、この発光した光が透過する材料により形成されている。
本実施の形態における半導体レーザ装置においては、DFB領域101に形成される上部DFBクラッド層123よりも、DBR領域102に形成される上部DBRクラッド層133の厚さが薄く形成されている。尚、本実施の形態では、上部DFBクラッド層123と、上部DBRクラッド層133とは同一の材料により形成されている場合について説明するが、異なる材料により形成してもよい。
このように、上部DFBクラッド層123よりも上部DBRクラッド層133の厚さを薄く形成することにより、活性層122において発光した光は、光ガイド層132において、活性層122よりも回折格子111に近い側を伝播する。伝播する光が回折格子111に近づくことにより、回折格子111が設けられている側への光の染み出しが大きくなり、伝播する光に対し回折格子111が与える影響は強くなるため、結合係数を変化させることができる。このように、本実施の形態における半導体レーザ装置では、上部DFBクラッド層123における厚さと上部DBRクラッド層133における厚さとを変えることにより、DFB領域101と、DBR領域102とにおいて、結合係数を変化させている。
次に、上部クラッド層の厚さと回折格子への光閉じ込め係数との関係、及び、上部クラッド層の厚さと回折格子の結合係数との関係について説明する。計算に用いた構造は、InP基板上に、InGaAsPとInPとにより回折格子が形成されており、更に、InPにより形成される下部クラッド層、AlGaInAsにより形成される光導波路層、InPにより形成される上部クラッド層が積層されたものである。図4(a)は、上部クラッド層の厚さと回折格子への光閉じ込め係数との関係、図4(b)は、上部クラッド層の厚さと回折格子の結合係数との関係を計算により求めた結果を示す。
尚、計算においては、回折格子の深さを100nmとし、下部クラッド層の(回折格子上面からの)厚さを60nmとし、光導波路層の厚さを200nmとしている。また、上部クラッド層は厚さ1600nmの膜を成膜した後、エッチングにより除去することにより所定の厚さとしている。また、導波路構造は、幅が1.5μmで回折格子の下部まで達する深さのメサストライプを形成した後、メサストライプの両側をInP高抵抗層により埋め込んだ埋め込み導波路構造(BH構造)であり、また、導波光の波長λは1550nmとしている。
図4に示されるように、上部クラッド層の厚さを薄くすることにより、回折格子への光閉じ込め係数は増加し、回折格子の結合係数は増加する。回折格子への光閉じ込め係数及び回折格子の結合係数は、上部クラッド層の厚さが、1.0μm前後よりも薄くなることにより次第に増加し、特に、0.5μm前後よりも薄くなると顕著に増加する。光導波路層における屈折率nを考慮すると光導波路層における光の波長は、λ/nは約0.5μmであり、1.0μmは、λ/nの2倍に相当する。
本実施の形態における半導体レーザ装置は、上部DFBクラッド層123よりも上部DBRクラッド層133の厚さを薄く形成することにより、DFB領域101よりもDBR領域102における回折格子の結合係数を高くした構造のものである。更に、図4に示される結果に基づくならば、上部DBRクラッド層133の厚さは、2λ/n以下であることが好ましく、また、λ/n以下であることがより一層好ましい。
このように、本実施の形態における半導体レーザ装置では、DFB領域101よりもDBR領域102における結合係数を高くすることができ、DRレーザにおける導波路内光分布を均一化させることができる。よって、半導体レーザにおける電流注入量の変化に対する発振の不安定化を抑制することができ、安定的で信頼性の高い半導体レーザ装置を容易に得ることができる。従って、高速動作に適した短共振器長レーザを容易に得ることができる。
尚、DFB領域101においては、電流注入を行なうため上部電極141を形成するため、上部DFBクラッド層123の上に、上部電極141とオーミックコンタクトさせるための不純物濃度の高いコンタクト層124を形成する必要がある。このように形成されたコンタクト層124は、不純物濃度が高いため光を吸収しやすい。従って、コンタクト層124を光が伝播する活性層122からできるだけ遠ざけることにより、光の吸収を抑制するために、上部DFBクラッド層123は、導波光がコンタクト層まで染み出さない程度厚く、すなわち少なくともλ/nよりも厚く形成することが好ましい。しかしながら、DBR領域102においては、上部電極141を形成する必要はないため、コンタクト層124は形成しなくともよい。従って、上部DBRクラッド層133は、薄く形成しても半導体レーザ装置の特性に影響を与えることはない。
また、本実施の形態における半導体レーザ装置では、DBR領域102における結合係数を高くすることにより、DBR領域102における実効的な光反射点をDFB領域101との境界部分に近づけることができる。従って、DFB領域101の長さ、即ち、活性層122における長さを変化させることなく、共振器長を短くすることができるため、より一層容易に高速動作特性を向上させることができる。
尚、DFB領域101における活性層構造とDBR領域102における光ガイド層構造とは、ブラッグ波長が略等しくなるように形成されていることが好ましい。ここで、ブラッグ波長とは、回折格子において最も強く反射する波長であり、回折格子の周期をΛ、導波路の有効屈折率をnとした場合、ブラッグ波長λ=2n×Λとなり、ブラッグ波長λは導波路の有効屈折率nに依存して変化する。また、一般的に、DFB領域101における活性層122は、光を吸収する材料が用いられている。これに対し、DBR領域102aにおける光ガイド層132は、活性層122において発光した波長の光に対して透明または、光吸収の少ない材料を用いることが好ましい。よって、活性層122を形成している材料のバンドギャップよりも、光ガイド層132を形成している材料のバンドギャップの方が広い方が好ましい。
このように、光ガイド層132と活性層122とは、材料が異なり屈折率も異なっている。このため、光ガイド層132の厚さと活性層122の厚さが異なるように形成し、構造分散を与えて有効屈折率を揃える手法がとられる場合がある。本実施の形態では、更に、上部DFBクラッド層123と上部DBRクラッド層133との厚さを変えている構造のものであるため、有効屈折率を揃える上で設計の自由度及び用いられる材料の選択の幅を広げることも可能となる。
(半導体レーザ装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法について、図5〜図25に基づき説明する。
最初に、図5に示すように、n形InP基板等の半導体基板110の表面に回折格子111を形成するためのレジストパターン171を形成する。具体的には、半導体基板110の表面にフォトレジストを塗布し、EB(Electron Beam)露光装置による露光、現像によりレジストパターン171を形成する。尚、図5(a)は光の導波方向における断面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図である。
次に、図6に示すように、レジストパターン171をマスクとして、RIE等のドライエッチングを行なうことにより周期的な開口部111aを設けて回折格子111を形成する。尚、開口部111aの周期や深さは、出射する光の波長やその他の特性を考慮して所定の値となるように形成されている。尚、図6(a)は光の導波方向における断面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図である。
次に、図7に示すように、レジストパターン171を有機溶剤等により除去した後、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法により、n型InGaAsP層を100nm成膜することにより回折格子111を平坦化し、続けて、下部クラッド層121、活性層122、クラッド層123aを形成する。
下部クラッド層121は、n型InP層を60nm成膜することにより形成されている。活性層122は、i型多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)活性層であり、厚さが10nmのInGaAsP障壁層と、厚さが5nmのInGaAsP量子井戸層とを交互に積層形成することにより形成されている。本実施の形態においては、活性層122は、11層のInGaAsP障壁層と10層のInGaAsP量子井戸層とにより形成されており、形成される活性層122の厚さは160nmである。また、InGaAsP量子井戸層はバンド間遷移波長が1550nmとなるような組成で形成されており、InGaAsP障壁層はバンド間遷移波長が1100nmとなるような組成で形成されている。クラッド層123aはp型InP層を100nm成膜することにより形成されている。尚、図7(a)は光の導波方向における断面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図である。
次に、図8に示すように、クラッド層123a上において、DFB領域101が形成される領域にSiOマスク172を形成する。具体的には、クラッド層123aの上に、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)により、SiO膜を成膜し、成膜されたSiO膜の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光現像を行なうことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、フッ酸等を含むエッチング液を用いてウエットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiO膜を除去する。この後、有機溶剤等によりレジストパターンを除去する。これにより、DFB領域101が形成される領域にSiOマスク172を形成することができる。尚、図8(a)は光の導波方向における断面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図であり、図8(c)は、図8(a)における一点鎖線8C−8Dにおいて切断した断面図である。
次に、図9に示すように、SiOマスク172が形成されていない領域、即ち、DBR領域102が形成される領域におけるクラッド層123a及び活性層122をウエットエッチングを行なうことにより除去し、下部クラッド層121の表面を露出させる。尚、図9(a)は光の導波方向における断面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図であり、図9(c)は、図9(a)における一点鎖線9C−9Dにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示すように、SiOマスク172が形成されている状態で、MOVPEにより、光ガイド層132となるi型InGaAsP層を160nm、クラッド層133aとなるp型InPを100nm積層形成する。これにより、DBR領域102が形成される領域には、光ガイド層132及びクラッド層133aが形成される。ここで、SiOマスク172が形成されている領域、即ち、DFB領域101が形成される領域では、SiOマスク172が形成されているため、エピタキシャル成長による結晶成長により半導体層が形成されることはない。よって、何も成膜されない。尚、図10(a)は光の導波方向における断面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図であり、図10(c)は、図10(a)における一点鎖線10C−10Dにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示すように、SiOマスク172をBHF(Bufferedフッ酸)等により除去した後、MOVPEにより、クラッド層123a及び133aの上に、p型InP層を1.4μmを形成し、更に、この上にコンタクト層124を形成する。尚、コンタクト層124は、厚さが300nmのInGaAsにより形成されている層である。これにより、DFB領域101が形成される領域においては、クラッド層123aと成膜された1.4μmのp型InP層により、上部DFBクラッド層123が形成される。また、DBR領域102が形成される領域においては、クラッド層133aと成膜された1.4μmのp型InP層により、クラッド層133bが形成される。尚、図11(a)は光の導波方向における断面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図であり、図11(c)は、図11(a)における一点鎖線11C−11Dにおいて切断した断面図である。
次に、図12に示すように、コンタクト層124の表面に、ストライプ状のSiOマスク173を形成する。具体的には、コンタクト層124の上に、CVDにより、SiO膜を成膜し、成膜されたSiO膜の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光現像を行なうことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、フッ酸等を含むエッチング液を用いてウエットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiO膜を除去する。この後、有機溶剤等によりレジストパターンを除去する。これにより、コンタクト層124の表面において、ストライプ状のSiOマスク173を形成することができる。尚、図12(a)は光の導波方向における断面図であり、図12(b)は、図12(a)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図であり、図12(c)は、図12(a)における一点鎖線12C−12Dにおいて切断した断面図である。
次に、図13及び図14に示すように、ストライプ状のSiOマスク173が形成されていない領域における半導体層をRIE等のドライエッチングで加工し、ストライプ状のメサを形成する。具体的には、ストライプ状のSiOマスク173が形成されていない領域におけるコンタクト層124、上部DFBクラッド層123、活性層122、クラッド層133b、光ガイド層132、下部クラッド層121、回折格子111を除去する。エッチングにより除去される深さは約2.5μmであり、これにより半導体基板110の一部は除去される。このようにして、幅が1.5μmの半導体層のストライプ状のメサを形成することができる。尚、図13(a)は光の導波方向における断面図であり、図13(b)は、図13(a)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図であり、図13(c)は、図13(a)における一点鎖線13C−13Dにおいて切断した断面図である。また、図14は、この状態における上面図である。
次に、図15に示すように、MOCVDにより、エッチングにより除去された領域に半絶縁性InP層160を形成する。これにより、形成されたメサの両脇に半絶縁性InP層160を形成することができ、SI−BH(Semi-Insulating Buried Heterostructure)構造にすることができる。尚、図15(a)は光の導波方向における断面図であり、図15(b)は、図15(a)における一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図であり、図15(c)は、図15(a)における一点鎖線15C−15Dにおいて切断した断面図である。
次に、図16に示すように、ストライプ状のSiOマスク173を除去した後、DFB領域101が形成される領域に、レジストパターン174を形成する。具体的には、フッ酸等を含む溶液によりストライプ状のSiOマスク173を除去した後、コンタクト層124の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光現像を行なうことにより、DFB領域101が形成される領域にレジストパターン174を形成する。尚、図16(a)は光の導波方向における断面図であり、図16(b)は、図16(a)における一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図であり、図16(c)は、図16(a)における一点鎖線16C−16Dにおいて切断した断面図である。
次に、図17に示すように、レジストパターン174の形成されていない領域のコンタクト層124及びクラッド層133bの一部を除去する。具体的には、レジストパターン174の形成されていない領域のコンタクト層124をウエットエッチングにより除去し、更に、ドライエッチングにより、クラッド層133bを1.2μm除去する。このように、DBR領域102において、クラッド層133bを1.2μm除去することにより、残存するクラッド層133bにより、上部DBRクラッド層133が形成される。尚、図17(a)は光の導波方向における断面図であり、図17(b)は、図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図であり、図17(c)は、図17(a)における一点鎖線17C−17Dにおいて切断した断面図である。
次に、図18に示すように、有機溶剤等によりレジストパターン174を除去した後、上部DFBクラッド層123及び上部DBRクラッド層133の上に、CVDにより誘電体膜であるSiO膜175を500nm成膜する。尚、図18(a)は光の導波方向における断面図であり、図18(b)は、図18(a)における一点鎖線18A−18Bにおいて切断した断面図であり、図18(c)は、図18(a)における一点鎖線18C−18Dにおいて切断した断面図である。
次に、図19に示すように、SiO膜175の上に上部電極141が形成される領域に開口部を有するレジストパターン176を形成し、レジストパターン176が形成されていない領域のSiO膜175を除去する。具体的には、SiO膜175の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、上部電極141が形成される領域に開口部を有するレジストパターン176を形成する。この後、フッ酸等を含むエッチング液を用いたウエットエッチングにより、レジストパターン176が形成されていない領域のSiO膜175を除去し、コンタクト層124を露出させる。尚、図19(a)は光の導波方向における断面図であり、図19(b)は、図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図であり、図19(c)は、図19(a)における一点鎖線19C−19Dにおいて切断した断面図である。
次に、図20に示すように、Au/Zn/Auからなる積層金属膜を成膜した後、リフトオフを行なうことにより、コンタクト層124が形成されている領域、即ち、DFB領域101が形成される領域のメサの上に積層金属層161を形成する。具体的には、レジストパターン176が形成されている状態で、真空蒸着によりAu/Zn/Auからなる積層金属膜を成膜する。この後、有機溶剤に浸漬等させることにより、レジストパターン176の上に形成されている積層金属膜をレジストパターン176とともにリフトオフにより除去する。これにより、DFB領域101が形成される領域のコンタクト層124の上に積層金属層161を形成することができる。尚、図20(a)は光の導波方向における断面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図であり、図20(c)は、図20(a)における一点鎖線20C−20Dにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示すように、積層金属層161及びSiO膜175の上に、スパッタリングにより、厚さ200nmのTiW(チタン−タングステン)膜162を成膜する。尚、図21(a)は光の導波方向における断面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図であり、図21(c)は、図21(a)における一点鎖線21C−21Dにおいて切断した断面図である。
次に、図22に示すように、TiW膜162の上に上部電極141が形成される領域に開口部を有するレジストパターン177を形成し、金メッキを行なうことにより、Au層163を形成する。具体的には、TiW膜162の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、上部電極141が形成される領域に開口部を有するレジストパターン177を形成する。この後、金メッキを行なうことにより、TiW膜162が露出しているレジストパターン177の開口部に金を堆積させAu層163を形成する。Au層163の厚さは1μmであって、Au層163におけるメサ状の部分の幅は約5μmである。尚、図22(a)は光の導波方向における断面図であり、図22(b)は、図22(a)における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図であり、図22(c)は、図22(a)における一点鎖線22C−22Dにおいて切断した断面図である。
次に、図23に示すように、レジストパターン177を除去した後、再度、レジストパターン178を形成し、レジストパターン178の形成されていない領域のTiW膜162を除去する。具体的には、レジストパターン177を有機溶剤等により除去した後、TiW膜162及びAr層163の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことにより、上部電極141が形成される領域にレジストパターン178を形成する。この後、レジストパターン178が形成されていない領域のTiW膜162をRIE等のドライエッチングにより除去する。これにより、DFB領域101では、コンタクト層124の上に、Au/Zn/Auからなる積層金属層161、TiW膜162、Au層163が順次積層された上部電極141を形成することができる。尚、図23(a)は光の導波方向における断面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図であり、図23(c)は、図23(a)における一点鎖線23C−23Dにおいて切断した断面図である。
次に、図24及び図25に示すように、レジストパターン178を除去した後、半導体基板110の裏面、即ち、上部電極141が形成されている面とは反対側の面に下部電極142を形成する。具体的には、有機溶剤等によりレジストパターン178を除去した後、半導体基板110の厚さが約100μmとなるまで半導体基板110の裏面を研磨する。この後、半導体基板110の裏面に、AuGe/Auからなる積層金属膜164を真空蒸着により成膜し、更に、金メッキを行なうことにより、積層金属膜164の上に、Au層165を堆積させる。これにより、半導体基板110の裏面に、積層金属膜164とAu層165からなる下部電極142を形成する。この後、劈開することにより素子ごとに分離し、劈開した面に、反射防止膜を形成する。尚、図24(a)は光の導波方向における断面図であり、図24(b)は、図24(a)における一点鎖線24A−24Bにおいて切断した断面図であり、図24(c)は、図24(a)における一点鎖線24C−24Dにおいて切断した断面図である。また、図25は上面図である。
このように形成された本実施の形態における半導体レーザ装置は、DFB領域101における長さが約100μm、DBR領域102における長さが約150μmであり、全体の長さが約250μmである。全体の長さが250μm程度であれば、容易に劈開のより作製することができる。従って、本実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法では、複雑な工程を用いることなく、通常の工程を組み合わせることにより容易に作製することができる。
(変形例)
次に、本実施の形態における半導体レーザ装置の変形例について説明する。上記において説明した本実施の形態における半導体装置は、DFB領域101における上部DFBクラッド層123の厚さよりも、DBR領域102における上部DBRクラッド層133の厚さが全体的に薄く形成されているものである。しかしながら、本実施の形態における半導体レーザ装置においては、上部DBRクラッド層133の厚さは、DBR領域102の一部において薄く形成されているものであってもよい。
具体的には、図26(a)に示されるように、DBR領域102の一部において、薄いクラッド層133cを形成し、それ以外の領域において、上部DFBクラッド層123と略同じ膜厚の厚いクラッド層133dを形成した構造のものであってもよい。尚、このような構造の半導体レーザ装置は、上述した製造方法において、上部DBRクラッド層133をエッチングにより形成する際のレジストパターン等の形状を図26(a)に示される構造のものに適合した形状とすることにより、容易に作製することができる。
また、図26(b)に示すように、DBR領域102において、上部DFBクラッド層123と上部DBRクラッド層133との境界部分は、膜厚が徐々に変化する形状の傾斜領域133eを有しているものであってもよい。即ち、傾斜領域133eと薄いクラッド層133cとにより上部DBRクラッド層133を形成したものであってもよい。このように上部クラッド層における膜厚が徐々に変化する傾斜領域133eは、上部DBRクラッド層133を形成する際に、ウエットエッチングを用いることにより、容易に形成することができる。尚、図26等においては、反射防止膜が省略されている場合がある。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における半導体レーザ装置について説明する。図27に示されるように、本実施の形態における半導体レーザ装置は、DRレーザであって、DFB領域201とDRB領域201の光の導波方向の両側に第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203が形成されている。即ち、DRB領域201と、DRB領域201の光の導波方向の一方の側に形成された第1のDBR領域202と、DRB領域201の光の導波方向の他方の側に形成された第2のDBR領域203とを有している。本実施の形態では、InP等の半導体基板210が用いられており、InP等の半導体基板210の表面には回折格子211が形成されている。尚、この回折格子211は、DFB領域201、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203に形成されており、DFB領域201における中央部分には、位相シフト領域212が形成されている。また、半導体基板210には不純物がドープされており導電性を有している。
DFB領域201においては、半導体基板210の表面に形成された回折格子211の上には、下部クラッド層221、活性層222、上部DFBクラッド層223、コンタクト層224、上部電極241が積層されて形成されている。第1のDBR領域202においては、DFB領域201と同様の下部クラッド層221が形成されており、下部クラッド層221の上には光ガイド層232aが形成されており、光ガイド層232aの上には上部DBRクラッド層233aが形成されている。第2のDBR領域203においては、DFB領域201と同様の下部クラッド層221が形成されており、下部クラッド層221の上には光ガイド層232bが形成されており、光ガイド層232bの上には上部DBRクラッド層233bが形成されている。尚、本実施の形態では、DFB領域201を第1の領域と、第1のDBR領域202を第2の領域と、第2のDBR領域203を第3の領域と記載する場合がある。また、第1のDBR領域202における光ガイド層232aを第2の領域の光ガイド層と、第2のDBR領域203における光ガイド層232bを第3の領域の光ガイド層と記載する場合がある。また、上部DFBクラッド層223を第1の領域の上部クラッド層と、上部DBRクラッド層233aを第2の領域の上部クラッド層と、上部DBRクラッド層233bを第3の領域の上部クラッド層と記載する場合がある。
本実施の形態では、DFB領域201における活性層222と、第1のDBR領域202における光ガイド層232a及び第2のDBR領域203における光ガイド層232bとは、略同じ高さとなるように形成されている。また、活性層222の一方の側と光ガイド層232aとは隣接しており、活性層222の他方の側と光ガイド層232bとは隣接している。よって、DFB領域201における活性層222において発光した光は、第1のDBR領域202における光ガイド層232a及び第2のDBR領域203における光ガイド層232bに入射させることができる。更に、半導体基板210において、回折格子211が形成されている面とは反対側の裏面には、下部電極242が形成されており、DRレーザにおいて光が出射される端面及び、その端面と反対側の端面には反射防止膜251及び252が形成されている。
本実施の形態では、DFB領域201における活性層222において発光した光を光ガイド層232aが形成されている第2のDBR領域102a及び光ガイド層232bが形成されている第2のDBR領域203において反射させる構造のものである。尚、DFB領域201では、上部電極241及び下部電極242を介し活性層222に電流を注入することにより光を発光させることができ、光ガイド層232a及び光ガイド層232bは、この発光した光が透過する材料により形成されている。
本実施の形態においては、DFB領域201に形成される上部DFBクラッド層223よりも、第1のDBR領域202に形成される上部DBRクラッド層233a及び第2のDBR領域203に形成される上部DBRクラッド層233bの厚さが薄く形成されている。尚、本実施の形態では、上部DFBクラッド層223と、上部DBRクラッド層233a及び233bとは同一の材料により形成されている場合について説明するが、異なる材料により形成してもよい。
このように、上部DFBクラッド層223よりも上部DBRクラッド層233a及び233bの厚さを薄く形成することにより、発光した光は光ガイド層232a及び光ガイド層232bにおいて、活性層222よりも回折格子211に近い側を伝播する。このように伝播する光が回折格子211に近づくことにより、回折格子211が設けられている側への光の染み出しが大きくなり、伝播する光に対し回折格子211が与える影響は強くなるため、結合係数を変化させることができる。このように、上部DFBクラッド層223における厚さと上部DBRクラッド層233a及び233bにおける厚さを変えることにより、DFB領域201と、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203とにおいて、結合係数を変化させている。
本実施の形態は、上部DFBクラッド層223よりも上部DBRクラッド層233a及び233bを薄くすることにより、DFB領域201よりも第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203における回折格子の結合係数を高くした構造のものである。更に、図4に示される結果に基づくならば、上部DBRクラッド層233a及び233bの厚さは、2λ/n以下であることが好ましく、また、λ/n以下であることがより一層好ましい。
このように、本実施の形態における半導体レーザ装置では、DFB領域201よりも第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203における結合係数を高くすることができ、DRレーザにおける導波路内光分布を均一化させることができる。よって、半導体レーザにおける電流注入量の変化に対する発振の不安定化を抑制することができ、安定的で信頼性の高い半導体レーザ装置を容易に得ることができる。従って、高速動作に適した短共振器長レーザを容易に得ることができる。
尚、DFB領域201においては、電流注入を行なうための上部電極241を形成するため、上部DFBクラッド層223の上に、上部電極241とオーミックコンタクトさせるための不純物濃度の高いコンタクト層224を形成する必要がある。このように形成されたコンタクト層224は、不純物濃度が高いため光を吸収しやすい。従って、コンタクト層224を光が伝播する活性層222からできるだけ遠ざけることにより、光の吸収を抑制するために、上部DFBクラッド層223は、導波光がコンタクト層まで染み出さない程度厚く、すなわち少なくともλ/nよりも厚く形成することが好ましい。しかしながら、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203においては、上部電極241を形成する必要はないため、コンタクト層224は形成しなくともよい。従って、上部DBRクラッド層233a及び233bは、薄く形成しても半導体レーザ装置の特性に影響を与えることはない。
また、本実施の形態においては、第2のDBR領域203における結合係数を高くすることにより、第2のDBR領域203における実効的な光反射点をDFB領域201との境界部分に近づけることができる。よって、DFB領域201の長さ、即ち、活性層222における長さを変化させることなく、共振器長を短くすることができるため、より一層容易に高速動作特性を向上させることができる。
尚、DFB領域201における活性層構造と第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203における光ガイド層構造とは、ブラッグ波長が略等しくなるように形成されていることが好ましい。ここで、ブラッグ波長とは、回折格子において最も強く反射する波長であり、回折格子の周期をΛ、導波路の有効屈折率をnとした場合、ブラッグ波長λ=2n×Λとなり、ブラッグ波長λは導波路の有効屈折率nに依存して変化する。また、一般的に、DFB領域201における活性層222は、光を吸収する材料が用いられている。これに対し、第1のDBR領域202における光ガイド層232a及び第2のDBR領域203における光ガイド層232bは、活性層222において発光した波長の光に対して透明または、光吸収の少ない材料を用いることが好ましい。従って、活性層222を形成している材料のバンドギャップよりも、光ガイド層232a及び光ガイド層232bを形成している材料のバンドギャップの方が広い方が好ましい。
このように、光ガイド層232a及び光ガイド層232bと活性層222とは、材料が異なり屈折率も異なっている。このため、光ガイド層232a及び光ガイド層232bの厚さと活性層222の厚さが異なるように形成し、構造分散を与えて有効屈折率を揃える手法がとられる場合がある。本実施の形態では、更に、上部DFBクラッド層223と上部DBRクラッド層233a及び233bとの厚さを変えている構造のものであるため、有効屈折率を揃える上で設計の自由度及び用いられる材料の選択の幅を広げることも可能となる。
尚、本実施の形態における半導体レーザ装置の製造方法は、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203を形成する場合を除き、第1の実施の形態と同様の方法により製造することができる。具体的には、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203、DFB領域201を形成するためのレジストパターン等を本実施の形態に適合する所望の形状で形成することにより、第1の実施の形態における製造方法と同様により製造することができる。
図28は、第1の実施の形態と同様の工程により、本実施の形態における半導体レーザ装置を製造したものを示す。本実施の形態における半導体レーザ装置では、DFB領域201では、コンタクト層224の上に、Au/Zn/Auからなる積層金属層261、TiW膜262、Au層263が順次積層された上部電極241が形成されている。また、上部電極241が形成されている領域を除く、DFB領域201、第1のDBR領域202、第2のDBR領域203を除く領域においては、誘電体膜であるSiO膜275が形成されている。また、半導体基板210の裏面には、AuGe/Auからなる積層金属膜264、Au層265が積層された下部電極242が形成されている。尚、図28(a)は光の導波方向における断面図であり、図28(b)は上面図である。
(変形例)
次に、本実施の形態における半導体レーザ装置の変形例について説明する。上記においては、上部DFBクラッド層223よりも、上部DBRクラッド層233a及び上部DBRクラッド層233bの厚さが全体的に薄く形成されているものについて説明した。しかしながら、本実施の形態における半導体レーザ装置は、上部DBRクラッド層233a及び233bの厚さは、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203の一部において薄く形成されているものであってもよい。具体的には、図29(a)に示すように、第2のDBR領域203の一部に薄いクラッド層233cを形成し、それ以外の領域に上部DFBクラッド層223と略同じ膜厚の厚いクラッド層233dを形成した構造のものであってもよい。尚、第1のDBR領域202において形成される上部DBRクラッド層233aの厚さは、上部DFBクラッド層223より薄く形成されているものであってもよく、また、上部DFBクラッド層223と略同じ厚さにより形成されているものであってもよい。このような半導体レーザ装置は、上部DBRクラッド層233bをエッチングにより形成する際に形成されるレジストパターンの形状を図29(a)に示される構造のものに適合した形状とすることにより、容易に作製することができる。
また、図29(b)に示すように、上部DFBクラッド層223と上部DBRクラッド層233a及び233bとの境界部分は、膜厚が徐々に変化する形状の傾斜領域233e及び233fが形成されているものであってもよい。具体的には、第1のDBR領域202では、傾斜領域233fと薄いクラッド層233gとにより上部DBRクラッド層233aを形成し、第2のDBR領域203では、傾斜領域233eと薄いクラッド層233cとにより上部DBRクラッド層233bを形成する。このように上部クラッド層における膜厚が徐々に変化する傾斜領域233e及び233fを形成する方法としては、上部DBRクラッド層233a及び233bを形成する際にウエットエッチングを用いることにより、容易に形成することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、DBR領域において上部DBRクラッド層を形成しない構造の半導体レーザ装置である。図30は、第1の実施の形態における半導体レーザ装置において、上部DBRクラッド層が形成されていない構造のものである。
図30(a)は、DBR領域102において、上部DBRクラッド層が形成されていない構造のもの、即ち、光ガイド層132の上に、上部DBRクラッド層が形成されることなく、SiO膜175が形成されている構造のものである。SiOは屈折率が低く、また、DBR領域において上部DBRクラッド層が形成されていないため、より一層回折格子の結合係数を高くすることができる。尚、このような構造の半導体レーザ装置を製造するには、第1の実施の形態における図17に示す工程において、DBR領域102におけるクラッド層133bを完全に除去することにより形成することが可能である。
また、図30(b)に示すように、DBR領域102においては、光ガイド層132の上の一部には、上部DBRクラッド層333が形成されていない構造のものであってもよい。即ち、DBR領域102において、上部DBRクラッド層333が形成されている領域と上部DBRクラッド層333が形成されていない領域とを有するものであってもよい。尚、この場合、形成される上部DBRクラッド層333の厚さは、上部DFBクラッド層123より薄く形成されているものであってもよく、また、上部DFBクラッド層123と略同じ厚さにより形成されているものであってもよい。
また、図31及び図32は、第2の実施の形態における半導体レーザ装置において、上部DBRクラッド層を形成しない構造のものである。
図31(a)は、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203において、上部DBRクラッド層が形成されていない構造のもの、即ち、光ガイド層232a及び光ガイド層232bの上に、SiO膜275が形成されている構造のものである。SiOは屈折率が低く、また、DBR領域において上部DBRクラッド層が形成されていないため、より一層回折格子の結合係数を高くすることができる。
また、図31(b)に示すように、第1のDBR領域202においては、上部DBRクラッド層233aが形成されており、第2のDBR領域203においては、上部DBRクラッド層が形成されていない構造のものであってもよい。尚、第1のDBR領域202において形成される上部DBRクラッド層233aの厚さは、上部DFBクラッド層223より薄く形成されているものであってもよく、また、上部DFBクラッド層223と略同じ厚さにより形成されているものであってもよい。図31(b)においては、上部DBRクラッド層233aの厚さが、上部DFBクラッド層223よりも薄く形成されているものを示す。
また、図32(a)に示すように、第2のDBR領域203において、光ガイド層232bの上の一部には、上部DBRクラッド層343bが形成されていない構造のものであってもよい。即ち、第2のDBR領域203において、上部DBRクラッド層343bが形成されている領域と上部DBRクラッド層343bが形成されていない領域とを有するものであってもよい。尚、第1のDBR領域202において形成される上部DBRクラッド層343aの厚さは、上部DFBクラッド層223より薄く形成されているものであってもよく、また、上部DFBクラッド層223と略同じ厚さにより形成されているものであってもよい。
また、図32(b)に示すように、DFB領域201と第1のDBR領域202との境界部分及び、DFB領域201と第2のDBR領域203との境界部分は、上部DFBクラッド層において傾斜領域353a及び353bが形成されているものであってもよい。具体的には、傾斜領域353a及び353bにおいて、上部DFBクラッド層の膜厚が徐々に変化するものである。図32(b)に示す構造のものは、第1のDBR領域202及び第2のDBR領域203において、傾斜領域353a及び353bを除き上部DBRクラッド層が形成されていない構造のものである。このように上部DFBクラッド層233における膜厚が徐々に変化する傾斜領域353a及び353bを形成する方法としては、ウエットエッチングを用いることにより、容易に形成することができる。
尚、上記以外の内容については、第1又は第2の実施の形態と同様である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に形成された回折格子と、
前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、
第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、
前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、
前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、
前記光ガイド層の上に形成された第2の領域の上部クラッド層と、
を有し、
前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、
前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
前記第1の領域の上部クラッド層よりも、前記第2の領域の上部クラッド層の厚さが薄く形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
(付記2)
前記第2の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記光ガイド層を含む第2の領域の伝播光に対する有効屈折率をnとした場合、2λ/n以下であることを特徴とする付記1に記載の半導体レーザ装置。
(付記3)
前記第2の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記光ガイド層を含む第2の領域の伝播光に対する有効屈折率をnとした場合、λ/n以下であることを特徴とする付記1に記載の半導体レーザ装置。
(付記4)
基板の上に形成された回折格子と、
前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、
第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、
前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、
前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、
を有し、
前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、
前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
前記第2の領域には、上部クラッド層が形成されていない、または、一部において第2の領域の上部クラッド層が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
(付記5)
前記第2の領域の上部クラッド層及び前記第2の領域の上部クラッド層が形成されていない部分の光ガイド層の上には誘電体膜が形成されていることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記6)
前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
前記第3の領域には、前記下部クラッド層の上に形成された第3の領域の光ガイド層と、
前記第3の領域の光ガイド層の上に形成された第3の領域の上部クラッド層と、
を有し、
前記第3の領域の光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
前記第1の領域の上部クラッド層よりも、前記第3の領域の上部クラッド層の厚さが薄く形成されていることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記7)
前記第3の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記第3の領域の光ガイド層を含む領域の伝播光に対する有効屈折率をnとした場合、2λ/n以下であることを特徴とする付記6に記載の半導体レーザ装置。
(付記8)
前記第3の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記第3の領域の光ガイド層を含む領域の伝播光に対する有効屈折率をnとした場合、λ/n以下であることを特徴とする付記6に記載の半導体レーザ装置。
(付記9)
前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
前記第3の領域には、前記下部クラッド層の上に形成された第3の領域の光ガイド層を有し、
前記第3の領域の光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
前記第3の領域には、上部クラッド層が形成されていない、または、一部において第3の領域の上部クラッド層が形成されていることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記10)
前記第3の領域の上部クラッド層及び前記第3の領域の上部クラッド層が形成されていない部分の第3の領域の光ガイド層の上には、誘電体膜が形成されていることを特徴とする付記6から9のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記11)
前記光ガイド層は、InGaAsPにより形成されていることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記12)
前記上部クラッド層は、InPにより形成されていることを特徴とする付記1から11のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記13)
前記基板は導電性を有する基板であって、
前記第1の領域の上部クラッド層の上に形成された上部電極と、
前記基板の裏面に形成された下部電極と、
を有し、前記上部電極と前記下部電極との間に電流を流すことにより、前記活性層に電流を注入するものであることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
(付記14)
基板の上に、回折格子を形成する工程と、
前記回折格子の上に、下部クラッド層を形成する工程と、
第1の領域において、前記下部クラッド層の上に活性層を形成する工程と、
前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に光ガイド層を形成する工程と、
前記活性層の上に、第1の領域の上部クラッド層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
(付記15)
前記光ガイド層の上に、第2の領域の上部クラッド層を形成する工程を有し、
前記第2の領域の上部クラッド層は、前記第1の領域の上部クラッド層よりも厚さが薄く形成されていることを特徴とする付記14に記載の半導体レーザの製造方法。
(付記16)
前記第2の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記光ガイド層の有効屈折率をnとした場合、2λn以下であることを特徴とする付記15に記載の半導体レーザの製造方法。
(付記17)
第1の領域の上部クラッド層を形成する工程及び第2の領域の上部クラッド層を形成する工程は、
前記活性層及び前記光ガイド層の上に、前記第1の領域の上部クラッド層と同じ膜厚のクラッド層を形成する工程と、
前記第2の領域において、前記上部クラッド層をエッチングにより除去することにより、前記第1の領域の上部クラッド層よりも厚さの薄い前記第2の領域の上部クラッド層を形成する工程と、
を有することを特徴とする付記15または16に記載の半導体レーザの製造方法。
(付記18)
前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
前記光ガイド層を形成する工程において、前記第2の領域には前記第2の領域の光ガイド層を形成し、前記第3の領域には前記第3の領域の光ガイド層を形成することを特徴とする付記14から17のいずれかに記載の半導体レーザの製造方法。
(付記19)
前記第2の領域には、第2の領域の上部クラッド層を形成し、前記第3の領域には、第3の領域の上部クラッド層を形成するものであって、
前記第3の領域の上部クラッド層は、前記第2の領域の上部クラッド層を形成する際に同時に形成されるものであることを特徴とする付記18に記載の半導体レーザの製造方法。
(付記20)
前記第3の領域の上部クラッド層の厚さは、前記レーザ光の波長をλとし、前記第3の領域の光ガイド層の有効屈折率をnとした場合、2λn以下であることを特徴とする付記19に記載の半導体レーザの製造方法。
101 DFB領域(第1の領域)
102 DBR領域(第2の領域)
110 半導体基板
111 回折格子
121 下部クラッド層
122 活性層
123 上部DFBクラッド層(第1の領域の上部クラッド層)
124 コンタクト層
132 光ガイド層
133 上部DBRクラッド層(第2の領域の上部クラッド層)
141 上部電極
142 下部電極
151 反射防止膜
152 反射防止膜
160 半絶縁性InP層
175 SiO

Claims (7)

  1. 基板の上に形成された回折格子と、
    前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、
    第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、
    前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、
    前記光ガイド層の上に形成された第2の領域の上部クラッド層と、
    を有し、
    前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、
    前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
    前記第1の領域の上部クラッド層よりも、前記第2の領域の上部クラッド層の厚さが薄く形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 基板の上に形成された回折格子と、
    前記回折格子の上に形成された下部クラッド層と、
    第1の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された第1の領域の上部クラッド層と、
    前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に形成された光ガイド層と、
    を有し、
    前記活性層に電流を流すことによりレーザ光が出射されるものであって、
    前記光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
    前記第2の領域には、上部クラッド層が形成されていない、または、一部において第2の領域の上部クラッド層が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
    前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
    前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
    前記第3の領域には、前記下部クラッド層の上に形成された第3の領域の光ガイド層と、
    前記第3の領域の光ガイド層の上に形成された第3の領域の上部クラッド層と、
    を有し、
    前記第3の領域の光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
    前記第1の領域の上部クラッド層よりも、前記第3の領域の上部クラッド層の厚さが薄く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
    前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
    前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
    前記第3の領域には、前記下部クラッド層の上に形成された第3の領域の光ガイド層を有し、
    前記第3の領域の光ガイド層は前記レーザ光を透過する材料により形成されており、
    前記第3の領域には、上部クラッド層が形成されていない、または、一部において第3の領域の上部クラッド層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 基板の上に、回折格子を形成する工程と、
    前記回折格子の上に、下部クラッド層を形成する工程と、
    第1の領域において、前記下部クラッド層の上に活性層を形成する工程と、
    前記第1の領域に隣接する第2の領域において、前記下部クラッド層の上に光ガイド層を形成する工程と、
    前記活性層の上に、第1の領域の上部クラッド層を形成する工程と、
    を有し、
    前記光ガイド層の上に、第2の領域の上部クラッド層を形成する工程を有し、
    前記第2の領域の上部クラッド層は、前記第1の領域の上部クラッド層よりも厚さが薄く形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 第1の領域の上部クラッド層を形成する工程及び第2の領域の上部クラッド層を形成する工程は、
    前記活性層及び前記光ガイド層の上に、前記第1の領域の上部クラッド層と同じ膜厚のクラッド層を形成する工程と、
    前記第2の領域において、前記上部クラッド層をエッチングにより除去することにより、前記第1の領域の上部クラッド層よりも厚さの薄い前記第2の領域の上部クラッド層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  7. 前記光ガイド層は第2の領域の光ガイド層であって、
    前記第1の領域に接する第3の領域を有し、
    前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域と接する側とは反対側において前記第1の領域と接するものであって、
    前記光ガイド層を形成する工程において、前記第2の領域には前記第2の領域の光ガイド層を形成し、前記第3の領域には前記第3の領域の光ガイド層を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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