JP2008098234A - 面発光レーザ素子 - Google Patents

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Kenichiro Yashiki
健一郎 屋敷
Masayoshi Tsuji
正芳 辻
Takayoshi Anami
隆由 阿南
Takafumi Suzuki
尚文 鈴木
Masaru Hatakeyama
大 畠山
Masayoshi Fukatsu
公良 深津
Takeshi Akagawa
武志 赤川
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Abstract

【課題】高次横モード発振を抑制できる面発光レーザ素子を提供する。
【解決手段】本発明の面発光レーザ素子は、第1多層反射膜102および第2多層反射膜109と、第1多層反射膜上109に形成される活性層104と、スペーサ層103,105,108と、活性層104と第2多層反射膜109の間に形成され、スペーサ層108に光学膜厚差分の凹凸を生じさせて凸部分の電流注入領域113と凹部分の電流ブロック領域114とを形成する高濃度p型層106および高濃度n型層107とから構成される。第1多層反射膜102および第2多層反射膜109は、高屈折率層と該高屈折率層の下層の低屈折率層との対を1ペアとした複数のペアから構成され、第2多層反射膜109の最下にある低屈折率層109aが一部除去されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光インターコネクションに適用される面発光レーザ素子に関する。
近年、インターネットの普及に伴い、コンピュータ内、コンピュータ間で処理が必要となる情報量は増加傾向にある。電気による信号の伝送限界を超えるデバイスとして、コンピュータ内で高密度実装が可能な面発光レーザ素子が注目されている。
光インターコネクションでは、ファイバーとの結合を行う上で、低コストである、レンズを用いない直接結合が求められている。レンズなしでファイバーと高い結合効率で結合するには放射角が小さいことが望ましい。このような面発光レーザ素子を歩留まりよく作製することが重要である。放射角の小さな面発光レーザ素子を実現するには、横モードは、基本モードのみとするかあるいは高次モードを含んでいても次数を小さくすることが望ましい。
また、複数の高次モードを含む場合、光伝送時、特に、高速変調時に、伝送距離に比例して、伝送品質が著しく劣化する。このため、高次モードを抑制することが望ましい。
面発光レーザ素子の中でも、トンネル接合を用いたものは、低抵抗化できるので、高速動作化・消費電力低減に優れる。また、低抵抗化により発熱も抑制できるので、寿命の長い面発光レーザ素子を実現できる。トンネル接合を用いた面発光レーザ素子の例として、非特許文献1の1223頁、講演番号22p−ZN−3の図1には、埋め込みトンネル接合構造の面発光レーザ素子が開示されている。
図7に示すように、非特許文献1に開示された面発光レーザ素子は、n型導電性の半導体基板701上に、第1多層反射膜702、第1のn型スペーサ層703、活性層704、p型スペーサ層705、トンネル接合を形成する高濃度p型層706、トンネル接合を形成する高濃度n型層707、埋め込み層である第2のn型スペーサ層708、第2多層反射膜709、+電極710、および、−電極711が形成された構成になっている。
図7に示した面発光レーザ素子は、図8(a)〜(d)に示すように製造している。
初めに、図8(a)に示すように、基板701上に、第1多層反射膜702からトンネル接合を形成する高濃度n型層707までを成長し、フォトグラフィー技術を用いてエッチングによりトンネル接合を加工する。
次に、図8(b)に示すように、第2のn型スペーサ層708を埋め込み成長する。
次に、図8(c)に示すように、基板701側のコンタクト電極を表面側から取り出すために、第1のn型スペーサ層703までをエッチングし、メサを形成する。
その後、図8(d)に示すように、SiO2/Siからなる第2多層反射膜709を形成した後、コンタクト部の誘電体をエッチング除去し、+電極710および−電極711を形成し、電極アロイを経て面発光レーザ素子が完成する。これにより、閾値電流1mA、波長1090nmで発振し、素子抵抗50Ωの低抵抗な面発光レーザ素子が得られる。
また、トンネル接合を用いた面発光レーザ素子の他の例として、非特許文献2の図2には、酸化狭窄構造とトンネル接合構造を組み合わせた面発光レーザ素子が開示されている。
上述のように、面発光レーザ素子を電流狭窄構造とするために、非特許文献1ではトンネル接合のエッチング加工を用い、非特許文献2では酸化狭窄プロセスを用いている。
図7の非特許文献1のようにトンネル接合のエッチング加工を用いた場合には、トンネル接合の加工形状を反映して、第2のn型スペーサ層708と第2多層反射膜709との界面712に凹凸が生じる。この面発光レーザ素子の共振器長は、第1多層反射膜702と第1のn型スペーサ層703の界面と、第2多層反射膜709と第2のn型スペーサ層708の界面との、界面間の距離で規定される。
非特許文献3に示される関係式(24)によれば、発光する電流注入領域である凸部共振器の共鳴波長および実効屈折率をそれぞれλo、neffとし、電流ブロック領域である凹部共振器の共鳴波長および実効屈折率をそれぞれλ1、n1とし、Δλ=λo−λ1、Δneff=neff−n1とすると、次の数式1の関係が存在する。
Figure 2008098234
例えば、説明の簡単のために凹凸段差(光学膜厚差)を1/4λ厚以下に限定すると、凹部では凸部に比べて共振器長が短くなる。その結果、λo>λ1となるため、neff>n1となる。その結果、電流注入領域の実効屈折率はその周辺の電流ブロック領域の実効屈折率よりも高くなるため、屈折率導波構造となる。
このため、光閉じ込めの程度は、凹凸段差の大きさを反映する。
高速動作を実現するには共振器長は短いことが望ましく、埋め込み層である第2のn型スペーサ層708は薄いことが望まれる。トンネル接合を加工するために必要なエッチング段差の典型値は300Å以上であり、埋め込み成長後でも、トンネル接合の加工段差は保持される。屈折率差に換算すると、Δneff/neff=2〜3%と非常に大きい。その結果、面発光レーザ素子はマルチモード発振しやすく、放射角は40度以上となり、導波路に直接結合する場合に結合効率が悪くなる。
一方、非特許文献2のように酸化狭窄プロセスを用いる場合も、電流注入領域と酸化層のある電流ブロック領域では、酸化層が低屈折率であるため、電流ブロック領域の共振器長が電流注入領域の共振器長に比べて短くなり、共鳴波長は電流ブロック領域で短くなるため、屈折率導波構造となる。酸化狭窄構造の場合、酸化層の厚みを制御することで屈折率差を調整可能であるが、電流狭窄形状の制御は再現性に乏しく、量産には不向きである。
また、酸化狭窄構造で生じた屈折率差が大きい場合の、横モード発振の抑制手段が特許文献1に報告されている。この特許文献1では、発振波長の1/4光学膜厚の位相調整領域を、上部半導体多層膜反射鏡と活性領域の間に備えている。1/4光学膜厚の位相調整領域とその周辺部では共鳴波長の差が大きい。このため、位相調整領域周辺部で決まる発振波長において、位相調整領域周辺部では反射率が小さくなり、周辺部で発振しやすいモードを抑制できる。
特許文献1の方法の場合、酸化狭窄径と位相調整領域の径がほぼ同じ場合には、位相調整層と酸化狭窄層の効果により、電流ブロック領域と電流注入領域の光学膜厚差が1/4λ厚を超え、共鳴波長は電流ブロック領域に比べて電流注入領域で短くなり、導波モードは反導波構造となり、光閉じ込めは弱くなり、閾値電流が上昇する。
また、酸化狭窄径よりも位相調整領域の径が小さい場合には、位相調整領域周辺でレーザ発振に寄与しない発光再結合が増加し、閾値電流が上昇する。
また、酸化狭窄径よりも位相調整領域の径が大きい場合には、酸化狭窄で決まる実効屈折率差でマルチモード発振するため、本発明の目的である高次横モードの発振抑制ができなくなる。
また、非特許文献4の図1には、アンチレゾナンス リフレクティング オプティカル ウェーブガイド(antiresonant reflecting optical waveguides;ARROWs)構造を用いた面発光レーザ素子が開示されている。非特許文献4では、発光部周辺に実効屈折率の高い反導波構造を帯状に形成し、帯の幅を最適化することで、横方向への光の放射を抑制し、高出力動作を実現している。
しかしながら、別の見方をすると、実効屈折率の高い領域が帯状に存在することになるため、電流ブロック特性が十分でない場合には、逆に、この実効屈折率の高い帯状構造に光が閉じ込められ、レーザ発振が生じうる。
特開2003−332684号公報(第5頁) 屋敷、他5名、22p−ZN−3「1.1μm帯埋め込みトンネル接合構造面発光レーザ」、第53回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集、2006年春、p.1223 ジェイ・ジェイ・ウィラー(J.J.Wierer)、他3名、「ラテラル エレクトロン カレント オペレーション オブ バーティカル キャヴィティ サーフィス エミティング レーザーズ ウイズ ベリイド トンネル コンタクト ホール ソースズ(Lateral electron current operation of vertical cavity surface emitting lasers with buried tunnel contact hole sources)」、アプライドフィジックスレター(Applied Physics Letter)、1997年、pp.3468−3469 ジー・ロナルド・ハドリー(G.Ronald.Hadley)、他5名、「コンプリヘンシブ ニューメリカル モデリング オブ バーティカル キャヴィティ サーフィス エミティング レーザーズ(Comprehensive numerical modeling of vertical cavity surface emitting lasers)」、アイトリプルイー ジャーナル オブ クオンタム エレクトロニクス(IEEE Journal of Quantum Electronics)、1996年、pp.607−616 ディー・ゾウ(D.Zhou)、他1名、「シンプリファイド アンチレゾナント リフレクティング オプティカル ウェイブガイド タイプ バーティカル キャヴィティ サーフィス エミティング レーザーズ(Simplified−antiresonant reflecting optical waveguide−type vertical cavity surface emitting lasers)」、アプライド フィジックス レター(Applied Physics Letters)、2000年、pp.1659−1661
上述したように従来の面発光レーザにおいては、電流注入領域と電流ブロック領域の実効屈折率差が大きいために高次横モードでレーザ発振しやすいという課題がある。
そこで、本発明の目的は、高次横モードのレーザ発振を抑制することができる面発光レーザ素子を提供することにある。
特に、本発明の目的は、トンネル接合をエッチング加工して作製されるような面発光レーザ素子であって、高次横モードのレーザ発振を抑制することができる面発光レーザ素子を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の面発光レーザ素子は、
第1および第2多層反射膜と、前記第1多層反射膜上に形成される活性層と、前記活性層と前記第2多層反射膜の間に埋め込まれる埋め込み層と、前記活性層と前記第2多層反射膜の間に形成され、前記埋め込み層に光学膜厚差分の凹凸を生じさせて凸部分の電流注入領域と凹部分の電流ブロック領域とを形成する電流狭窄構造と、から構成される面発光レーザ素子であって、
前記第1多層反射膜および前記第2多層反射膜は、高屈折率層と低屈折率層との対を1ペアとした複数のペアから構成され、
前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が一部除去されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2多層反射膜の最下層の低屈折率層が一部除去された領域では、共振器は、第2多層反射膜の下から2番目の高屈折率層と第1多層反射膜の最上層の高屈折率層の間で構成される。
ここで、低屈折率層が除去された領域では、第2多層反射膜のペア数は1ペア少なくなるため、反射率が低くなり、その他の領域との反射率差が大きくなり、それにより、横モードのレーザ発振を抑制することができる。
また、電流狭窄構造に起因して生じる光学膜厚差を、第2多層反射膜を構成する高屈折率層の厚さに調整すると、電流注入領域と電流ブロック領域の共鳴波長を一致させることができる。そのため、光学膜厚差を増減させることで、屈折率導波構造から反導波構造まで制御することができる。
したがって、わずかに屈折率導波構造とすることで、基本横モードのみのレーザ発振が得られる。その結果、高速変調で光通信を行っても伝送品質の劣化が少なく、マルチモードファイバーを用いても20Gbpsで300mを超える距離の伝送が可能となる。また、基本横モードのみのレーザ発振とならなくても、次数の高い高次横モードのレーザ発振が抑制されることで、放射角が小さくなり、ファイバーとの直接結合効率が改善され、伝送時のリンクロスを低コストで改善できる。
また、本発明の面発光レーザ素子は、前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流ブロック領域上で除去されていることを特徴とする。
この構成によれば、電流注入領域の周辺の電流ブロック領域の第2多層反射膜のペア数は1ペア少なくなるため、電流ブロック領域の反射率が低くなり、電流注入領域と電流ブロック領域との反射率差は大きくなる。また、一般に反射率は材料の屈折率差が大きいほど大きくなるので、この作用は第2多層反射膜を構成する材料の屈折率差が大きいほど顕著になる。
したがって、光閉じ込め改善のために屈折率差を大きくしても、電流注入領域と電流ブロック領域との反射率差を大きな状態で維持できるため、電流注入領域周辺の高次モードの発振が安定して抑制される。
また、本発明の面発光レーザ素子は、前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流狭窄構造に沿って帯状に一部除去されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザ素子は、
前記第1多層反射膜および前記第2多層反射膜は1/4λ厚であり、
前記光学膜厚差は1/4λ厚以下であり、
前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流狭窄構造に沿って帯状に一部除去されていることを特徴とする。
この構成によれば前記低屈折率層が前記電流狭窄構造に沿って一部除去された領域ではその他の領域に比べ、屈折率が高くなるが、帯状領域に囲まれた電流注入領域に比べて第2多層反射膜のペア数は1ペア少なくなるため、帯状領域の反射率は小さくなる。
したがって、ARROWs構造で電流ブロック特性が十分でなく帯状領域に電流が漏れ電流として注入される場合においても光閉じ込めが抑制され、高出力動作かつ安定した基本モードがえられる。
以上説明したように本発明によれば、埋め込み層と第2多層反射膜との界面に生じる光学膜厚差を制御するために、第2多層反射膜の最下層の低屈折率層を一部除去した構成としたため、低屈折率層が除去された領域では、その他の領域との反射率差が大きくなり、それにより、高次横モードのレーザ発振を抑制することができるという効果を奏する。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の面発光レーザ素子の断面図である。
図1に示すように、本実施形態の面発光レーザ素子は、n型導電性の半導体基板101上に、第1多層反射膜102、第1のn型スペーサ層103、活性層104、p型スペーサ層105、トンネル接合を形成する電流狭窄構造である高濃度p型層106、トンネル接合を形成する電流狭窄構造である高濃度n型層107、埋め込み層である第2のn型スペーサ層108、第2多層反射膜109、+電極110、および、−電極111が形成された構成になっている。
トンネル接合のある領域が電流注入領域113、トンネル接合のない領域が電流ブロック領域114となり、発光は電流注入領域113の活性層104で生じる。
第1多層反射膜102および第2多層反射膜109は、1/4λ厚の高屈折領域と1/4λ厚の低屈折領域との対を1ペアとした複数のペアから構成される。
第2のn型スペーサ層108と第2多層反射膜109との界面112には、光学膜厚差分の凹凸が形成されている。なお、図1では、屈折率導波構造を作製するために、界面112の凹凸を1/4λ厚よりもやや長くしているが、反導波構造を作製する場合は凹凸を1/4λ厚よりもやや短くすれば良い(詳細は後述)。この凹凸の凹部分の電流ブロック領域114においては、第2多層反射膜109の最下層の低屈折率層109aが除去されている。凹部分の光軸方向の共振器の上部反射面は第2多層反射膜109の下から3番目の低屈折率層109bと下から2番目の高屈折率層109cの界面115で形成されるため、凹部分の共鳴波長は第2多層反射膜109の下から2番目の1/4λ厚の高屈折率層109cにより補正される。
次に、図1に示した面発光レーザ素子の製造方法について、図2(a)〜(d)を参照して説明する。
初めに、図2(a)に示すように、n型導電性の半導体基板101上に、第1多層反射膜102からトンネル接合を形成する高濃度n型層107までの半導体層をメタルオーガニックベイパーフェイズエピタクシー(metalorganic vapor phase epitaxy;MOVPE)により成長し、フォトリソグラフィーによるレジストパターニング後、エッチングによりトンネル接合を加工する。
次に、図2(b)に示すように、第2のn型スペーサ層108を埋め込み成長する。
次に、図2(c)に示すように、半導体表面に第2多層反射膜109の一部である低屈折率層109aを1層形成し、フォトリソグラフィー技術を用いて、電流注入領域113であるトンネル接合上部を残してエッチング除去する。なお、第2多層反射膜109の低屈折率層109aを形成する前には、予め段差測定を行い、低屈折率層109aをエッチング除去後、必要に応じて段差を微調整するため、追加の半導体エッチングを行う。
その後、図2(d)に示すように、残りの第2多層反射膜109を高屈折率層109cから順次全面に形成し、第2多層反射膜109をドライエッチングすることで第2のn型スペーサ層108を露出させ、+電極110および−電極111を形成し、電極アロイを行い、面発光レーザ素子が完成する。
第2多層反射膜109は、半導体や誘電体から構成される。
第2多層反射膜109の製膜には、スパッタ(RFスパッタや反応性スパッタ)、電子ビーム蒸着、ケミカルヴェイアパーデポジション、イオンビームアシスト堆積法、MOVPEやモレキュラービームエピタクシー(molecular beam epitaxy;MBE)などの方法を用いても良い。
第2多層反射膜109の材料として、例えば、高屈折率層109cの材料としては、Si、Sb23、ZnSe、CdS、ZnS、TiO2など、低屈折率層109aの材料としては、SiO2、SiNx、MgO、CaF2、MgF2、Al23などが考えられ、発振波長に対し透明な材料が選択される。
第1多層反射膜102が半導体で構成される場合には、電流を注入しやすくし、素子抵抗を低減するために、バンドギャップの大きな低屈折率層とバンドギャップの小さな高屈折率層との間に、バンド不連続を緩和するための中間バンドギャップを有する障壁緩和層を導入しても良い。
低屈折率層109aは高屈折率層109cに比べて低屈折率であれば、他の低屈折率層109bと異なる材料であっても良い。低屈折率層109aにはウェットエッチングの容易なSiO2、SiNxを用いることが望ましい。
第2多層反射膜109を構成する材料のエッチング加工が困難な場合には、リフトオフプロセスを用いても良い。リフトオフプロセスを用いる場合には、製膜には電子ビーム蒸着、イオンビームアシスト堆積法、MBEなどが用いられる。
図3は、電流注入領域113、および低屈折率層109aをエッチング除去後の電流ブロック領域114における第2多層反射膜109の反射率スペクトルを重ね合わせたものである。実線が電流注入領域113、破線が電流ブロック領域114の反射率スペクトルである。丸印がそれぞれの共鳴波長に対応する。電流注入領域113と電流ブロック領域114との反射率差が大きくなるため、電流注入領域113周辺の横モードのレーザ発振は抑制される。
高次横モードの発振を制限するには、電流注入領域113の面積を小さくするか、屈折率差を小さくすれば良い。しかし、電流注入領域113の面積を小さくすると、素子抵抗が増大する。また、屈折率差を小さくとりすぎると、光閉じ込めが弱くなり閾値電流が増加する。本発明では、電流注入領域113周辺での横モードのレーザ発振が抑制されることから、比較的高めの屈折率差においても、単一の横モード発振が得られる。
例えば、反射率の面内分布がない面発光レーザ素子において、高注入時の熱レンズ効果で高次横モードが発生しうる条件、電流注入径6μm、かつ屈折率差0.75%程度(電流注入領域113の実効屈折率neff=3.137)であっても、高注入電流レベルまで基本モードのみでレーザ発振する。
通電して遠視野像を確認したところ、基本横モードのみのレーザ発振が得られた。また、閾値電流が小さく、高注入においても安定した単一横モードが得られた。その結果、高速変調で長距離の光通信を行っても伝送品質の劣化が少なく、マルチモードファイバーを用いても20Gbpsで300mを超える距離の伝送が可能となった。また、次数の高い高次横モードのレーザ発振が抑制されることで、放射角が小さくなり、ファイバーとの直接結合効率が改善された。
ここでは屈折率導波構造を作製したが、トンネル接合のエッチング深さを浅くとることで、第2のn型スペーサ層108と第2多層反射膜との界面112の凹凸を1/4λ厚よりもやや短い光学膜厚差としても良い。この場合、反導波構造となり、閾値電流は増加するが単一横モードが保持される。
ここでは第2多層反射膜109の一部である低屈折率層109aを電流注入領域113であるトンネル接合上部を残してエッチング除去したが、上述の作製方法においてエッチングで残す領域を、電流注入領域113であるトンネル接合の面積よりも小さい面積としても良い。この場合、特許文献1のように閾値電流は増加するが、高反射率の得られる径が小さくなるため、単一横モードが保持される。特許文献1との違いは低屈折率層109aに隣接する層が高屈折率層で109cであることである。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態の面発光レーザ素子の断面図である。
図4に示すように、本実施形態の面発光レーザ素子は、n型導電性の半導体基板401上に、第1多層反射膜402、n型スペーサ層403、活性層404、p型スペーサ層405、トンネル接合を形成する電流狭窄構造である高濃度p型層406、トンネル接合を形成する電流狭窄構造である高濃度n型層407、埋め込み層である第2のn型スペーサ層408、第2多層反射膜409、+電極410、および、−電極411が形成された構成となっている。
トンネル接合のある領域が電流注入領域413、トンネル接合のない領域が電流ブロック領域414となり、発光は電流注入領域413の活性層で生じる。
第1多層反射膜402および第2多層反射膜409は、1/4λ厚の高屈折領域とその下層の1/4λ厚の低屈折領域との対を1ペアとした複数のペアから構成される。
第2のn型スペーサ層408と第2多層反射膜409との界面412には、光学膜厚差分の凹凸が形成されている。この凹凸の凹部分の電流ブロック領域414においては、第2多層反射膜409の最下層の低屈折率層409aが電流注入領域413に沿って帯状に除去されている。凹部分の光軸方向の共振器の上部反射面は第2多層反射膜409の下から3番目の低屈折率層409bと下から2番目の高屈折率層409cの界面415で形成される。非特許文献3に従って各領域の実効屈折率は導かれる。図中に示すように各領域の屈折率をn1、n2、n3とすると、当該帯状領域の実効屈折率n2が電流注入領域413の実効屈折率n1よりも大きく、当該帯状領域の外側の実効屈折率n3はn2よりも小さくなっており、帯状領域の幅wは次の数式2を満たす。
Figure 2008098234
ここでN=0,1,2,…,λは発振波長、dは帯状領域の内側の径である。
これにより、ARROWs構造が形成される。
また、反導波構造でありながら、ロスが少なく、高出力動作を実現できる。
次に、図4に示した面発光レーザ素子の製造方法について、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
初めに、図5(a)に示すように、n型導電性の半導体基板401上に、第1多層反射膜402からトンネル接合を形成する高濃度n型層407までの半導体層をMOVPE成長し、フォトリソグラフィーによるレジストパターニング後、エッチングによりトンネル接合を加工する。この時、エッチング深さは1/4λ厚よりも短い光学膜厚差とする。例えば、1/8λ厚とする。
次に、図5(b)に示すように、第2のn型スペーサ層408を埋め込み成長する。
次に、図5(c)に示すように、半導体表面に第2多層反射膜409の低屈折率層409aを形成し、フォトリソグラフィー技術を用いて、低屈折率層409aを電流注入領域413に沿って電流ブロック領域上414を帯状にエッチング除去後、必要に応じて段差を微調整するため追加の半導体エッチングを行う。この時、例えば、表面段差を1/8λ厚の光学膜厚差に調整する。
ここでは最終的な凹凸412の光学膜厚差を1/8λ厚の光学膜厚差になるように調整したが、この光学膜厚差は0λ厚よりも大きく、1/4λ厚よりも小さければ良い。
その後に、図5(d)に示すように、残りの第2多層反射膜409を高屈折率層409cから順次全面に形成し、第2多層反射膜409をドライエッチングすることで第2のn型スペーサ層408を露出させ、+電極410および−電極411を形成し、電極アロイを行い、面発光レーザ素子が完成する。
第2多層反射膜409は、半導体や誘電体から構成される。
第2多層反射膜409の製膜にはスパッタ(RFスパッタや反応性スパッタ)、電子ビーム蒸着、ケミカルヴェイアパーデポジション、イオンビームアシスト堆積法、MOVPEやMBEなどの方法を用いても良い。
第2多層反射膜409の材料として、例えば、高屈折率材料としては、Si、Sb23、ZnSe、CdS、ZnS、TiO2など、低屈折率材料としては、SiO2、SiNx、MgO、CaF2、MgF2、Al23などが考えられる。
低屈折率層409aは高屈折率層409cに比べて低屈折率であれば、他の低屈折率層409bと異なる材料であっても良い。低屈折率層409aにはウェットエッチングの容易なSiO2、SiNxを用いることが望ましい。
第2多層反射膜409を構成する材料のエッチング加工が困難な場合にはリフトオフプロセスを用いても良い。リフトオフプロセスを用いる場合には、製膜には電子ビーム蒸着、イオンビームアシスト堆積法、MBEなどが用いられる。
図6は、電流注入領域413、および低屈折率層409aをエッチング除去後の電流ブロック領域414上の帯状領域における第2多層反射膜409の反射率スペクトルを重ね合わせたものである。実線が電流注入領域413、破線が電流ブロック領域414上の帯状領域の反射率スペクトルである。丸印がそれぞれの共鳴波長に対応する。電流注入領域413と電流ブロック領域414上の帯状領域との反射率差が大きくなるため、電流注入領域413周辺の帯状領域のレーザ発振は抑制される。
通電して遠視野像を確認したところ、基本横モードのみのレーザ発振が得られた。安定した単一横モードが得られ、通常の反導波構造に比べて、高出力動作が得られた。その結果、高速変調で光通信を行っても伝送品質の劣化が少なく、マルチモードファイバーを用いても20Gbpsで300mを超える距離の伝送が可能となった。また、次数の高い高次横モードのレーザ発振が抑制されることで、放射角が小さくなり、ファイバーとの直接結合効率が改善された。
ここでは第2多層反射膜409の低屈折率層409aを、電流注入領域413に沿って電流ブロック領域414上を帯状にエッチング除去したが、当該低屈折率層409aを電流注入領域413に沿って電流注入領域413上を帯状にエッチング除去してもよい。
また、低屈折率層409aを電流注入領域413に沿って電流ブロック領域414上および電流注入領域413上を跨いで帯状にエッチング除去してもよい。
ここではトンネル接合を用いた面発光レーザ素子を例に挙げたが、酸化狭窄構造を用いた面発光レーザ素子に適用しても良い。
第1の実施形態および第2の実施形態の活性層104,404としては、InGaAs系量子井戸、AlGaAs系量子井戸、InGaAlP系量子井戸、GalnNAs(Sb〕系量子井戸、GalnNAs系量子井戸、GaAs(Sb)系量子井戸、(Ga)lnAs量子ドットなどの種々の半導体材料を用いることかできる。さらに、本実施形態は、波長780nm帯、850nm帯、980nm帯、1100nm帯、1200nm帯、1300nm帯1480nm帯、1550nm帯、1650nm帯のなどの面発光レーザ素子に適用することかできる。
また、第1多層反射膜402としては、GaAs基板上のAIGaAs系半導体多層摸反射鏡の他に、lnP基板上のAIGaAs(Sb)系半導体多層膜反射鏡やAlGalnAsP系半導体多層膜反射鏡も、本発明に適用することかできる。また、基板401についても、GaAs基板、lnP基板、GalnAs3元基板などを用いることかできる。
また、基板401上に第1多層反射膜402を形成せず、第1のn型スペーサ層403よりも上部の構造を先に形成して、基板401をエッチング除去し、この後に基板401のあった場所に第1多層反射膜402として誘電体DBRを形成することも可能である。
ここではn型導電性基板を用いたが、半絶縁性基板やp型導電性基板を用いても良い。半絶縁性基板やp型導電性基板を用いた場合には非特許文献1のように表面からプラスおよびマイナスの両電極をとりだせば良い。
次に、具体的な実施例を用いて、本発明の実施形態の製造方法を説明する。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施形態の具体的な実施例である。
まず、図1を参照して、実施例1の面発光レーザ素子の構造を説明する。
図1に示すように、実施例1の面発光レーザ素子は、発振波長λを1.07μmとして、n型導電性のGaAs半導体基板101上に、1/4λ厚の光学膜厚のSiドープAlAs低屈折率層(n=8e+17cm-3)および1/4λ厚の光学膜厚のSiドープGaAs高屈折率層(n=8e+17cm-3)からなる40.5ペアの第1多層反射膜102、SiドープGaAs(n=8e+17cm-3)からなる第1のn型スペーサ層103、In0.3Ga0.7As/GaAs量子井戸から構成される活性層104、CドープGaAs(p=8e+17cm-3)からなるp型スペーサ層105、トンネル接合を形成するCドープGaAs(p=1e+20cm-3)からなる高濃度p型層106、トンネル接合を形成するSiドープGaAs(n=2e+19cm-3)高濃度n型層107、SiドープGaAs(n=8e+17cm-3)からなる第2のn型スペーサ層108、1/4λ厚の光学膜厚のSiO2低屈折率層(厚み1812Å)および1/4λ厚の光学膜厚のSi高屈折率層(厚み715Å)からなる3ペアの第2多層反射膜109、Au/Ge/Niからなる+電極110、および、Au/Ge/Niからなる−電極111が形成された構成となっている。第1のn型スペーサ層103の底面からトンネル接合を介して第2のn型スペーサ層108の上面までの長さは2λ厚の光学膜厚であり、活性層104は定在波の腹位置に配置され、トンネル接合は定在波の節に配置した。
トンネル接合を構成する高濃度p型層106、高濃度n型層107のそれぞれの厚みは150Åである。
トンネル接合のある領域が電流注入領域113、トンネル接合のない領域が電流ブロック領域114となり、発光は電流注入領域113の活性層104で生じる。
第2のn型スペーサ層108と第2多層反射膜109との界面112の凹凸は821Åであり、第1多層反射膜102および第2多層反射膜109の間の共振器長として換算すると、1/4λ厚よりもやや長い光学膜厚差に相当する。当該凹凸の凹部分において、第2多層反射膜109の最下層にある低屈折率層109aの一部が除去された構造となっている。凹部分の光軸方向の共振器の上部反射面は第2多層反射膜109の下から3番目の低屈折率層109bと下から2番目の高屈折率層109cの界面115で形成されるため、共鳴波長は第2多層反射膜109の下から2番目の1/4λ厚の光学膜厚を有する高屈折率層109cにより補正される。
次に、図2(a)〜(d)を参照して、実施例1の面発光レーザ素子の製造方法を説明する。
初めに、図2(a)に示すように、n型導電性の半導体基板上に第1多層反射膜102からトンネル接合を形成する高濃度n型層107までの半導体層をMOVPE成長し、フォトリソグラフィーによるレジストパターニング後、エッチングによりトンネル接合を加工した。
次に、図2(b)に示すように、第2のn型スペーサ層108で埋め込み成長を行う。トンネル接合加工時のエッチング深さは1/4λ厚に相当する約769Åである。
次に、図2(c)に示すように、半導体表面に第2多層反射膜109の一部である低屈折率層109aのSiO2(厚み1812Å)を1層形成し、フォトリソグラフィー技術を用いて、電流注入領域であるトンネル接合上部を残してエッチング除去する。
第2多層反射膜109の低屈折率層109aを形成する前にあらかじめ段差測定を行ったところ、759Åであった。低屈折率層109aをエッチング除去後、段差を微調整するため追加で半導体を62Åエッチングした。
その後、図2(d)に示すように、残りの第2多層反射膜109を高屈折率層109cのSiから順次全面に形成し、第2多層反射膜109をドライエッチングすることで第2のn型スペーサ層108を露出させ、Au/Ge/Niからなる+電極110および−電極111を形成し、375℃、10秒で電極アロイを行い、面発光レーザ素子が完成する。
図3は、電流注入領域113、および、低屈折率層109aをエッチング除去後の電流ブロック領域114における第2多層反射膜109の反射率スペクトルを重ね合わせたものである。実線が電流注入領域113、破線が電流ブロック領域114の反射率スペクトルである。丸印がそれぞれの共鳴波長に対応する。共鳴波長から見積もられる屈折率差は0.4%である。電流注入領域113と電流ブロック領域114との反射率差が大きくなるため、電流注入領域113周辺の横モードのレーザ発振は抑制される。
通電して遠視野像を確認したところ、基本横モードのみのレーザ発振が得られた。電流値閾値は小さく、高注入においても安定した単一横モードが得られた。その結果、高速変調で長距離の光通信を行っても伝送品質の劣化が少なく、マルチモードファイバーを用いても20Gbpsで300mを超える距離の伝送が可能となった。また、次数の高い高次横モードのレーザ発振が抑制されることで、放射角が小さくなり、ファイバーとの直接結合効率が改善された。
(実施例2)
実施例2は、第2の実施形態の具体的な実施例である。
まず、図4を参照して、実施例2の面発光レーザ素子の構造を説明する。
図4に示すように、実施例2の面発光レーザ素子は、n型導電性のGaAs半導体基板401上に、1/4λ厚の光学膜厚のSiドープAl0.9Ga0.1As低屈折率層(n=8e+17cm-3)および1/4λ厚の光学膜厚のSiドープGaAs高屈折率層(n=8e+17cm-3)からなる40.5ペアの第1多層反射膜402、SiドープGaAs(n=8e+17cm-3)からなる第1のn型スペーサ層403、In0.3Ga0.7As/GaAs量子井戸から構成される活性層404、CドープGaAs(p=8e+17cm-3)からなるp型スペーサ層405、トンネル接合を形成するCドープGaAs(p=1e+20cm-3)からなる高濃度p型層406、トンネル接合を形成するSiドープGaAs(n=2e+19cm-3)高濃度n型層407、SiドープGaAs(n=8e+17cm-3)からなる第2のn型スペーサ層408、1/4λ厚の光学膜厚のSiO2低屈折率層(厚み1812Å)および1/4λ厚の光学膜厚のSi高屈折率層(厚み715Å)からなる3ペアの第2多層反射膜409、Au/Ge/Niからなる+電極410、および、Au/Ge/Niからなる−電極411が形成された構成となっている。第1のn型スペーサ層403の底面からトンネル接合を介して第2のn型スペーサ層408の上面までの長さは1.5λ厚の光学膜厚であり、活性層404は定在波の腹位置に配置され、トンネル接合は定在波の節に配置した。
トンネル接合のある領域が電流注入領域413、トンネル接合のない領域が電流ブロック領域414となり、発光は電流注入領域413の活性層404で生じる。
第2のn型スペーサ層408と第2多層反射膜409との界面412の凹凸は、385Åであり、第1多層反射膜402および第2多層反射膜409の間の共振器長として換算すると、1/8λ厚の光学膜厚差に相当する。当該凹凸の凹部分において第2多層反射膜409の最下にある低屈折率層409aが電流注入領域413に沿って帯状に除去される。非特許文献3に従って各領域の実効屈折率は導かれ、電流ブロック領域414の帯状領域の実効屈折率n2は、3.239となり、電流注入領域413の実効屈折率n1の3.137よりも大きく、当該帯状領域の外側の実効屈折率n3は3.031である。帯状領域の幅wは上記の数式2を満たし、1.6μmとした。なお、数式2において、d=6μm、N=2とした。
これにより、ARROWs構造が形成される。
また、反導波構造でありながら、ロスが少なく、高出力動作を実現できる。
次に、図5(a)〜(d)を参照して、実施例2の面発光レーザ素子の製造方法を説明する。
初めに、図5(a)に示すように、n型導電性の半導体基板401上に、第1多層反射膜402からトンネル接合を形成する高濃度n型層407までの半導体層をMOVPE成長する。そして、フォトリソグラフィーによるレジストパターニング後、エッチングによりトンネル接合を加工する。この時、エッチング深さは385Åとする。
次に、図5(b)に示すように、第2のn型スペーサ層408を埋め込み成長し、電流狭窄構造を形成する。
次に、図5(c)に示すように、半導体表面に第2多層反射膜409の低屈折率層409aのSiO2層を形成し、低屈折率層409aを、フォトリソグラフィー技術を用いて電流注入領域413に沿って電流ブロック領域414上を帯状にエッチング除去する。
このとき、必要に応じて段差を微調整するため追加の半導体エッチングを行い、表面段差を1/8λ厚の光学膜厚差385Åに調整する。
続いて、残りの第2多層反射膜409を高屈折率層409cのSi層から順次全面に形成する。
その後、図5(d)に示すように、第2多層反射膜409をドライエッチングすることで第1のn型スペーサ層403および第2のn型スペーサ層408を露出させ、+電極410および−電極411を形成し、375℃、10秒で電極アロイを行い、面発光レーザ素子が完成する。
図6は、電流注入領域413、および、電流ブロック領域414上の帯状領域における第2多層反射膜409の反射率スペクトルを重ね合わせたものである。実線が電流注入領域413、破線が電流ブロック領域414上の帯状領域の反射率スペクトルである。丸印がそれぞれの共鳴波長に対応する。電流注入領域413と電流ブロック領域414上の帯状領域との反射率差が大きくなるため、電流注入領域413周辺の帯状領域のレーザ発振は抑制される。
通電して遠視野像を確認したところ、基本横モードのみのレーザ発振が得られた。安定した単一横モードが得られ、通常の反導波構造に比べて、高出力動作が得られた。その結果、高速変調で光通信を行っても伝送品質の劣化が少なく、マルチモードファイバーを用いても20Gbpsで300mを超える距離の伝送が可能となった。また、次数の高い高次横モードのレーザ発振が抑制されることで、放射角が小さくなり、ファイバーとの直接結合効率が改善された。
本発明の面発光レーザ素子は、低コストな面発光レーザ素子が要求される機器に適用でき、例えば、超高速計算機などに適用できる。
本発明の第1の実施形態の面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第1の実施形態の面発光レーザ素子の製造方法を説明するための工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の電流注入領域および低屈折率層をエッチング除去した電流ブロック領域における第2多層反射膜の反射率の違いを説明する図である。 本発明の第2の実施形態の面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第2の実施形態の面発光レーザ素子の製造方法を説明するための工程断面図である。 本発明の第2の実施形態の電流注入領域および低屈折率層をエッチング除去した電流ブロック領域における第2多層反射膜の反射率の違いを説明する図である。 従来の面発光レーザ素子の断面図である。 従来の面発光レーザ素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
符号の説明
101 基板
102 第1多層反射膜
103 n型スペーサ層
104 活性層
105 p型スペーサ層
106 高濃度p型層
107 高濃度n型層
108 第2のn型スペーサ層
109 第2多層反射膜
110 +電極
111 −電極
112 第2のn型スペーサ層と第2多層反射膜の界面
113 電流注入領域
114 電流ブロック領域
115 第2多層反射膜の下から2番目の低屈折率層と下から3番目の高屈折率層の界面
401 基板
402 第1多層反射膜
403 n型スペーサ層
404 活性層
405 p型スペーサ層
406 高濃度p型層
407 高濃度n型層
408 第2のn型スペーサ層
409 第2多層反射膜
410 +電極
411 −電極
412 第2のn型スペーサ層と第2多層反射膜の界面
413 電流注入領域
414 電流ブロック領域
415 第2多層反射膜の下から2番目の低屈折率層と下から3番目の高屈折率層の界面

Claims (5)

  1. 1/4λ厚の高屈折率層と1/4λ厚の低屈折率層との対を1ペアとした複数のペアから構成される第1多層反射膜と第2多層反射膜とを備え、前記第1多層反射膜上に形成された活性層と、その活性層と前記第2多層反射膜の間に形成された光学膜厚差を生じかつ電流注入領域と電流ブロック領域を形成する電流狭窄構造、およびスペーサ層から構成され、前記第2多層反射膜の最下にある低屈折率層の一部が前記活性層と前記第2多層反射膜の間に形成された光学膜厚差を制御するために一部除去されていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記電流狭窄構造が、前記活性層と前記第2多層反射膜の間に埋め込まれる埋め込み層と、前記活性層との間に形成され、前記埋め込み層に光学膜厚差分の凹凸を生じさせて凸部分の電流注入領域と凹部分の電流ブロック領域とから構成され、
    前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が一部除去されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記光学膜厚差を補正するように、前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流ブロック領域上で除去されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流狭窄構造に沿って帯状に一部除去されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザ素子。
  5. 前記第1多層反射膜および前記第2多層反射膜は1/4λ厚であり、
    前記光学膜厚差は1/4λ厚以下であり、
    前記第2多層反射膜の最下にある前記低屈折率層が前記電流狭窄構造に沿って帯状に一部除去されていることを特徴とする請求項4に記載の面発光レーザ素子。
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