JP2012033975A - 半導体レーザの作製方法 - Google Patents

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伸浩 布谷
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Abstract

【課題】動作モード制御性に優れる半導体レーザの作製方法を提供する。
【解決手段】光の伝播方向において活性層領域Aと制御層領域Bとが交互に接続する半導体レーザの作製方法において、活性層領域Aの上側SCH層13又は制御層領域Bの上側SCH層17のうちいずれか一方の上層に半導体犠牲層18を形成し、活性層領域A及び制御層領域Bの表面に回折格子を形成し、活性層領域A及び制御層領域Bの上層に半導体犠牲層18と同一材料の半導体層20を形成する際、半導体犠牲層18の厚さを厚くして、活性層領域Aの回折格子の深さ又は制御層領域Bの回折格子の深さのうちいずれか一方を浅く形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体レーザの作製方法に関する。
近年、通信情報量の増大に対して、光波長(周波数)多重通信システムの研究が行われているが、送信用光源及び同期検波用可同調光源として広範囲な波長調整機能が要求されており、また、光計測の分野からも広域波長帯をカバーする波長可変光源の実現が望まれている。
これまでに、種々の可変波長光源が研究されてきたが、それらを大別すると、1つの発振モードで連続的に波長が変わるものと、モード跳びを伴って不連続に波長が変わるものとに分けることができる。実際のシステムヘの応用を考えた場合、制御性の面から、連続的に波長が変わるものの方が好ましい。また、波長変化を制御するために、温度を変化させて屈折率を制御するものと、電流注入による屈折率変化を用いるものの二つが主に使われているが、波長変化速度を考えると、電流注入による屈折率変化を用いた方が速い波長切り替えが可能である。
電流注入による屈折率変化を用いて連続的に発振波長を変化させることができる半導体レーザとしては、分布反射型レーザ(DBRレーザ)や二重導波路レーザ(TTGレーザ)等が研究されており、連続波長可変幅としてDBRレーザでは4.4nm、TTGレーザでは7nmという値が報告されている。そして、近年、DBRレーザのモード跳びを抑えるために、活性導波路層領域を短くした、いわゆる短共振器DBRレーザも研究されている。
モード跳びをともなった不連続な波長可変幅としては、DBRレーザで10nmという値が得られている。また、不連続ではあるが広い波長可変幅が得られる半導体レーザとして、Y分岐レーザ、超周期構造回折格子レーザ等が試作され、50〜100nmの波長可変幅が得られている。
しかしながら、上記従来技術においては次のような問題があった。TTGレーザでは、光の増幅作用を行う活性導波路層に電流注入してレーザ発振動作を生じさせ、この活性導波路層のすぐ近くに形成される波長制御用非活性導波路層に独立に電流注入することにより、発振波長を変化させる。ここで、回折格子の周期をΛ、導波路の等価屈折率をnとすれば、ブラッグ波長λbは、
Figure 2012033975
と表される。TTGレーザはこのブラッグ波長近傍の1つの共振縦モードで発振動作する。
非活性導波路層に電流注入を行うと、導波路の等価屈折率が変化し、式(1)より、ブラッグ波長もそれに比例して変化する。ここで、ブラッグ波長の変化の割合Δλb/λbは、
Figure 2012033975
となり、等価屈折率の変化の割合Δn/nと等しくなる。
また、電流注入による等価屈折率の変化に伴い、共振縦モード波長も変化する。TTGレーザの場合、共振器全体の等価屈折率が一様に変化するので、共振縦モード波長の変化の割合Δλr/λrは等価屈折率の変化の割合Δn/nに等しくなる。すなわち、
Figure 2012033975
となる。
式(2),式(3)より、TTGレーザでは、ブラッグ波長の変化と共振縦モードの変化が等しくなるので、最初に発振したモードが保たれたまま連続的に発振波長が変化するという大きな特徴を有する。
しかしながら、単一横モード発振動作をさせるためには二重導波路の幅は1〜2μmにする必要があり、更に、活性層と波長制御層との間に形成されるn型スペーサ層の厚さを1μm以下まで薄くする必要があるため、通常の半導体レーザで用いられている埋め込み構造にすることができず、それぞれの導波路層に効率良く電流を注入するための構造にすることが、製作上非常に困難であるという問題があった。また、通常の半導体レーザ構造と異なるため、半導体光増幅器等との集積化が困難であり、多機能な集積デバイスを構成できないという問題があった。
それに対して、DBRレーザでは、光の増幅作用を行う活性導波路層と非活性導波路層とが直列に接続されている構造なので、通常の半導体レーザと同様に電流狭窄を行うための埋め込みストライプ構造を用いることができ、更に、各々の導波路層に独立に電流注入を行うことは、各々の導波路層の上方に形成される電極を分離することにより容易に実現することができる。
非活性導波路層への電流注入により、等価屈折率を変えてブラッグ波長を変化させる機構はTTGレーザと同様であるが、等価屈折率の変化する領域が共振器の一部に限られているために、ブラッグ波長の変化量と共振縦モード波長の変化量とは一致しない。共振縦モード波長の変化の割合Δλr/λrは、全共振器長さLtに対する分布反射器の実効長Leの割合分だけ等価屈折率の変化の割合Δn/nよりも少なくなり、
Figure 2012033975
となる。
したがって、式(2),式(4)より、DBRレーザでは波長制御電流を注入するにつれてブラッグ波長と共振縦モード波長とが相対的に離れていくため、モード跳びを生じてしまうという欠点を持っていた。モード跳びを生じさせないためには、回折格子が形成されていない位相調整領域を設けて、そこへの電流注入により共振縦モードの変化量とブラッグ波長の変化量とを一致させる必要がある。
しかし、この方法では2電極への波長制御電流を制御するための外部回路が必要になり、装置構造及び制御が複雑になるという問題があった。モード跳びを生じさせないもう一つの方法として、共振器長を短くして縦モード間隔を広げる短共振器DBRレーザが考えられるが、活性層を短くする必要があるため、大きな出力を得るのが困難であるという問題があった。
TTGレーザ及びDBRレーザにおける連続波長可変幅は、波長制御層の屈折率変化量に制限され、その値は4〜7nm程度に留まっている。波長可変幅を更に広くするには、モード跳びを許容し、波長フィルタの波長変化量が屈折率変化量よりも大きくなるような手段を用いる必要がある。
Y分岐レーザや、超周期構造回折格子レーザは、いずれも屈折率変化量よりもフィルタ波長変化量が大きくなる手段を用いている。これらの半導体レーザでは、フィルタ波長を大きく変化させ、なおかつ十分な波長選択性を得るために、2つの電極に流す電流を制御する必要があり、更に共振縦モード波長を制御するための電極も必要となる。その結果、発振波長を調整するのに3つの電極への注入電流を制御しなければならず、制御が非常に複雑になってしまうという問題があった。
これらの課題を解決するべく、1電極への注入電流制御により連続的に4〜7nm程度発振波長を変化させることができ、なおかつ活性導波路層及び非活性導波路層への電流注入も効率良く行える半導体レーザを得ることと、モード跳びを伴うものの、2つの電極への注入電流制御により、50〜100nm程度の範囲にわたって発振波長を変化させることができる半導体レーザが開発されている。下記非特許文献1及び下記特許文献1には、分布活性DFBレーザ(TDA−DFB−LD)の構造が開示されている。この従来の分布活性DFBレーザの構造によれば、活性層体積も十分確保できるため、高出力化を図ることが可能である。
図13は、従来の分布活性DFBレーザの基本構造を示した図である。なお、図13は、光の導波方向に沿った断面図を示している。
図13に示すように、活性導波路層領域Laの活性導波路層130と非活性導波路層領域Ltの非活性導波路層(波長制御層)131が交互に周期的に縦続接続された構造となっている。活性導波路層130及び非活性導波路層131の上には上部クラッド層132が形成されており、上部クラッド層132の上には上部電流Iaを注入する電極133と電流Itを注入する上部電極134が形成されている。
また、活性導波路層130及び非活性導波路層131の下には下部クラッド層135が形成されており、下部クラッド層135の下には接地された下部電極136が形成されている。活性導波路層130への電流Ia注入により発光するとともに利得が生じるが、それぞれの導波路には凹凸、すなわち回折格子が形成されており、回折格子周期に応じた波長のみ選択的に反射されレーザ発振が起こる。
一方、非活性導波路層131への電流It注入によりキャリア密度に応じてプラズマ効果により屈折率が変化するため、非活性導波路層131の回折格子の光学的な周期は変化する。非活性導波路層131の等価屈折率が変化し、1周期の長さに対する波長制御層領域の長さの割合分だけ共振縦モード波長が短波長側にシフトする。繰り返し構造の1周期の長さをLt、波長制御領域長をLpとすれば、共振縦モード波長の変化の割合は、
Figure 2012033975
となる。
また、一方、複数の反射ピークの各波長も、電流注入による等価屈折率の変化の結果、短波長側にシフトする。反射ピーク波長は繰り返し構造1周期内の平均等価屈折率変化に比例するので、反射ピーク波長の変化の割合Δλs/λsは、
Figure 2012033975
となる。
式(5),式(6)より、反射ピーク波長と共振縦モード波長とは同じ量だけシフトする。したがって、この分布活性DFBレーザでは、最初に発振したモードを保ったまま連続的に波長が変化する。
図14は、回折格子を一部のみに形成した従来の分布活性DFBレーザの構造を示した図、図15は、周期を変えて2つ縦続接続した従来の分布活性DFBレーザの構造を示した図である。なお、図14及び図15は、光の導波方向に沿った断面図を示しており、符号については図13で用いたものと同じものを用いるものとする。
図14では回折格子を活性導波路層130の一部にのみ形成しているが、図13の基本構造と同じように連続的に波長が変化する(下記特許文献1参照)。
また、図14に示す従来の分布活性DFBレーザの構造を図15に示すように、L1とL2とで周期を変えて2つ縦続接続した構造が開示されている。このため、電流It1を注入するための上部電極137と、電流It2を注入するための上部電極138とを備えている(下記特許文献1参照)。
また、図15の構造は、活性導波路層130と非活性導波路層131の繰り返し周期の異なる図14の構造の縦続接続であるが、活性導波路層130と非活性導波路層131の繰り返し周期の異なる図13の構造を縦続接続した構造も提案されている。
特許3237733号公報
Hiroyuki Ishii、Yasuhiro Kondo、Fumiyoshi Kano、Yuzo Yoshikuni、"A Tunable Distributed Amplification DFB Laser Diode(TDA−DFB−LD)"、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、1998年1月、VOL.10、NO.1、p.30−32
しかしながら、上述の分布活性DFBレーザにおいては、図13に示す基本構造では、電流注入による波長変化量が増加するにしたがい、活性導波路130と非活性導波路131との周期変調が生じるために副モードが増大し、単一モード特性が劣化するという現象が生じる。
図16は、図13に示す従来の分布活性DFBレーザの反射特性を示した図である。ここで、図16(a)は、活性導波路層130と非活性導波路層131が同じ屈折率を有した状態の反射特性を示した図であり、図16(b)は、非活性導波路層131に電流を注入して活性導波路層130と非活性導波路層131の屈折率に差が生じた状態の反射特性を示した図であり、図16(c)は、図16(b)よりも更に屈折率差が大きくなった状態の反射特性を示した図である。そして、図16より、非活性導波路層131への電流注入により主ピークは短波長側にシフトしていくが、それに応じて副モードが増大していくことが分かる。
また、図14に示すように、初めから回折格子を限定して周期的(サンプル周期)に製作することにより、最初から図16(c)のような副モードが生じた状態を作り出している。その上で、図15に示すように、活性導波路層130と非活性導波路層131との繰返し周期の異なる2つの領域を縦続接続した構造とすることにより二つの領域の副モード間隔を変え、副モードの増大を防ぐとともに、2つの領域の非活性導波路層131への電流注入量を変化させることで、共振させる反射ピークを変えて、広範囲での波長可変を可能としている。
しかしながら、この方法を用いた場合、回折格子を製作する領域を限定しているため複雑になり、パターンを製作するために一括で回折格子の露光が行える二束干渉露光等の方法ではなく、電子ビーム(EB)描画を用いる必要があるという問題がある。
また、回折格子が均等でないため露光量に分布が生じるので、描画領域の端の部分の露光量を調整するのが難しいという問題や、エッチングを均等に行うことが難しいという問題がある。
さらに、図14に示すように、活性導波路層130と非活性導波路層131との繰り返し周期の異なる2つの領域を縦続接続した構造の場合には、回折格子のサンプル周期も、活性導波路層130と非活性導波路層131との繰り返し周期に応じて異なるものとする必要があるため、パターンが非常に複雑となるという問題がある。
また、回折格子は、導波路の上部にあっても下部にあっても素子の動作原理は変わらない。導波路の上部に形成する場合と、下部に形成する場合があるが、どちらにしてもサンプル回折格子を作製するには、パターンが非常に複雑となるという問題がある。
ところで、式(6)から明らかなように、波長変化量を大きくするためには、共振器長に対する非活性導波路の割合を大きくすればよい。ここで、回折格子の結合係数をκ、回折格子長をLとすると回折格子の反射率Rは、
Figure 2012033975
となる。
このため、例えば図13に示す従来の分布活性DFBレーザの基本構造において、活性導波路と非活性導波路が同じ回折格子を備えているとすると、活性導波路と非活性導波路の割合を1:2とした場合、非活性導波路における反射の割合が高くなる。これは、非活性導波路に電流を注入すると屈折率が下がり、非活性導波路の回折格子の反射帯域は短波長側に移動するためであり、反射スペクトルは非活性導波路への電流注入により図16に示すように変化する。
このため、短波長側の副モードの反射強度は、長波長側の副モードの反射強度よりも大きくなる。すなわち、主モードの反射強度と短波長側の副モードの反射強度の反射強度比が小さくなるため、従来の分布活性DFBレーザの基本構造において単に共振器長に対する非活性導波路の割合を大きくするだけでは、半導体レーザの単一モード性が悪くなり、さらに、副モード抑圧比(SMSR)が劣化するという問題がある。
以上のことから、本発明は、動作モード制御性に優れる半導体レーザの作製方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る半導体レーザの作製方法は、
光の伝播方向において活性層領域と該活性層領域以外の領域である制御層領域とが交互に接続する半導体レーザの作製方法において、
半導体基板上に下側SCH層、活性層及び上側SCH層の順に積層された積層構造の表面にマスクを形成し、当該マスクの下層を前記活性層領域とする工程と、
前記積層構造の前記マスクが形成されていない部分の下側SCH層、活性層及び上側SCH層を除去する工程と、
除去した部分に下側SCH層、制御層及び上側SCH層を順に再成長して前記制御層領域を形成する工程と、
前記活性層領域の前記上側SCH層又は前記制御層領域の前記上側SCH層のうちいずれか一方の上層に半導体犠牲層を形成する工程と、
前記活性層領域及び前記制御層領域の表面に回折格子を形成する工程と、
前記活性層領域及び前記制御層領域の上層に前記半導体犠牲層と同一材料の半導体層を形成する工程と
を備え、
前記活性層領域の長さをLa、前記制御層領域の長さをLtとし、前記活性層領域の回折格子の結合係数をκa、前記制御層領域の回折格子の結合係数をκtとするとき、
a<Ltの場合、
Figure 2012033975
かつ、
Figure 2012033975
を満たし、
a>Ltの場合、
Figure 2012033975
かつ、
Figure 2012033975
を満たすように、前記半導体犠牲層の厚さを厚くして、前記活性層領域の回折格子の深さ又は前記制御層領域の回折格子の深さのうちいずれか一方を浅く形成する
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る半導体レーザの作製方法は、
第1の発明に記載の半導体レーザの作製方法において、
前記半導体犠牲層の厚さを前記回折格子の深さより厚くして、前記活性層領域又は前記制御層領域のいずれか一方にのみ前記回折格子を残す
ことを特徴とする。
本発明によれば、動作モード制御性に優れる半導体レーザの作製方法を実現することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第1の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第2の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第3の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第4の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 本発明の第5の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。 図15に示す半導体レーザの活性層領域の部分の導波路に垂直な断面を示した図である。 活性層領域と制御層領域に同じ結合係数を有する回折格子を形成した場合の半導体レーザの反射特性を示した図である。 本発明の第3の実施形態に係る活性層領域と制御層領域に異なる結合係数を有する回折格子を形成した場合の半導体レーザの反射特性を示した図である。 一般的な導波路上部への回折格子の形成方法を示した図である。 一般的な導波路下部への回折格子の形成方法を示した図である。 従来の分布活性DFBレーザの基本構造を示した図である。 回折格子を一部のみに形成した従来の分布活性DFBレーザの構造を示した図である。 周期を変えて2つ縦続接続した従来の分布活性DFBレーザの構造を示した図である。 図13に示す従来の分布活性DFBレーザの反射特性を示した図である。
以下、本発明に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法の実施形態、参考形態について、図を用いて説明する。
以下に、一般的な導波路上部への回折格子の形成方法について説明する。
図11は、一般的な導波路上部への回折格子の形成方法を示した図である。なお、図11は、光の導波方向に沿った断面図を示している。
図11に示すように、半導体レーザを作製するための元基板構造として、InP基板110上に活性層112の上下を上側SCH層113及び下側SCH層111で挟んだ構造(分離閉じ込めヘテロ構造層)を考える。ここで、活性層112は、InPとは異なる材料、例えばGaInAsP等の層を考える。下側SCH層111及び上側SCH層113は、活性層112よりもバンドギャップ波長の短いGaInAsP層を用いている。
すなわち、活性層112、上側SCH層113及び下側SCH層111がInPに比べて屈折率が高いため、光導波路層となっている。また、活性層112にて利得を得るために、活性層112よりも屈折率が低い上側SCH層13、下側SCH層111、InP基板110及びInP上部クラッド層115により光を活性層112に閉じ込める構造となっている。
はじめに、図11(a)に示すように、InP基板110上にレジストパターン114を塗布し、二束干渉露光やEB露光等により露光し、現像を行うことで、InP基板110を加工するための回折格子のマスクを作製する。半導体レーザの発振波長が、光通信でよく用いられている1.55μm程度の場合、回折格子の周期は240nm程度となる。
次に、図11(b)に示すように、レジストパターン114をマスクとしてウエットエッチング又はドライエッチングもしくはその両方を用いてInP基板110をエッチングする。
次に、図11(c)に示すように、レジストパターン114を除去した後、InP上部クラッド層115により回折格子を埋め込み再成長する。これにより、InP上部クラッド層115下部に凹凸のあるGaInAsPの上部SCH層113が形成される。GaInAsPの上部SCH層113は、InP上部クラッド層115よりも屈折率が高いため、導波路方向に沿って屈折率が周期的に変化する。
以上が一般的な導波路上部への回折格子の形成方法である。
以下に、一般的な導波路下部への回折格子の形成方法について説明する。
図12は、一般的な導波路下部への回折格子の形成方法を示した図である。なお、図12は、光の導波方向に沿った断面図を示している。
図12(a)に示すように、InP基板120上にレジストパターン121を塗布し、二束干渉露光やEB露光等により露光し、現像を行うことで、InP基板120を加工するための回折格子のマスクを作製する。半導体レーザの発振波長が、光通信でよく用いられている1.55μm程度の場合、回折格子の周期は240nm程度となる。
次に、図12(b)に示すように、レジストパターン121をマスクとしてウエットエッチング又はドライエッチングもしくはその両方を用いてInP基板120をエッチングする。
次に、図12(c)に示すように、レジストパターン121を除去した後、下側SCH層122により回折格子を埋め込み再成長する。これにより、InP基板120上に凹凸のあるGaInAsPの下側SCH層112が形成される。GaInAsPの下側SCH層112は、InP基板120よりも屈折率が高いため、導波路方向に沿って屈折率が周期的に変化する。
次に、GaInAsPの活性層123、GaInAsPの上側SCH層124、InPのクラッド層125を順次成長する。これにより、導波路は、InP基板120上に活性層123の上下を上側SCH層124及び下側SCH層122で挟んだ構造(分離閉じ込めヘテロ構造層)となる。ここで、活性層123は、InPとは異なる材料、例えばGaInAsP等の層としている。
下側SCH層122及び上側SCH層124には、活性層123よりもバンドギャップ波長の短いGaInAsPを用いている。すなわち、活性層123、下側SCH層122及び上側SCH層124がInPに比べて屈折率が高いため、光導波路層となっている。また、活性層123にて利得を得るために、活性層123よりも屈折率が低い下側SCH層122及び上側SCH層124、InP基板120及びInPクラッド層125により、光を活性層123に閉じ込める構造となっている。
以上が一般的な導波路下部への回折格子の形成方法である。
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
分布活性DFBレーザにおいて、特性向上のためには、図15に示すように、部分的かつ周期的に回折格子を形成した構造が必要である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
図1に示すように、InP基板10上に活性層12の上下を上側SCH層13及び下側SCH層11で挟んだ構造(この構造をレーザ元基板とする)を考える。ここで、活性層12は、InPとは異なる材料、例えばGaInAsP等の層を考える。下側SCH層12及び上側SCH層13は、活性層12よりもバンドギャップ波長の短いGaInAsP層を用いている。
はじめに、図1(a)に示すように、活性層12と後述する制御層16の繰り返し構造を作製するために、レーザ元基板における上側SCH層13上にエッチングマスク14を作製する。エッチングマスク14には、SiO2やSiN等を用いればよい。ここで、活性層12と制御層16の繰り返し周期は66μmとし、活性層12と制御層16の比率は1:1とし、両者とも33μmとした。
次に、図1(b)に示すように、エッチングマスク14を用いてドライエッチング又はウエットエッチングもしくはその両方により活性層12、上側SCH層13及び下側SCH層11をエッチングする。
次に、図1(c)示すように、選択成長により、活性層12、上側SCH層13及び下側SCH層11を除去した制御層領域Bに制御層16を成長する。選択成長には、有機金属気相成長法(MOCVD)や分子線ビームエピタキシ(MBE)等の通常用いられる結晶成長法を用いることができる。
制御層領域Bには、活性層12よりもバンドギャップ波長が短いGaInAsPよりなる制御層16(コア層)と、さらにバンドギャップ波長が短いGaInAsP層よりなる上側SCH層17及び下側SCH層15よりなる。このとき、上側SCH層17の更に上部にInPの半導体犠牲層18を成長する。このInPの半導体犠牲層18の厚さは、回折格子のエッチング深さよりも厚くなるようにする。本実施形態では、回折格子の深さを40nmとするため、InPの半導体犠牲層18の厚さを80nmとした。
次に、図1(d)に示すように、上側SCH層13及び半導体犠牲層18上に回折格子形成のためのレジストパターン19を形成する。露光は二束干渉露光でもEB露光でもよい。
次に、図1(e)に示すように、レジストパターン19をマスクとして、ウエットエッチング又はドライエッチング等により上側SCH層13及び半導体犠牲層18をエッチングする。このとき、凹凸は、活性層領域Aは、上側SCH層13に形成される。しかし、制御層領域Bは、上側SCH層17の上に、さらにInPの半導体犠牲層18があるため、InPの半導体犠牲層18に凹凸が形成される。
最後に、図1(f)に示すように、レジストパターン19を除去し、上側SCH層13及び半導体犠牲層18に形成された凹凸をInPの上部クラッド層20で埋め込み再成長する。この埋め込み再成長も、結晶成長は、有機金属気相成長法(MOCVD)や分子線ビームエピタキシ(MBE)等の通常用いられる結晶成長法を用いることができる。
本実施形態に係る半導体レーザの作製方法により、活性層領域Aの上側SCH層13の上部は凹凸に加工されInPの上部クラッド層20で埋め込まれているために、屈折率にも分布が生じ、回折格子として機能する。これに対し、制御層領域Bでは、凹凸を作製した層がInPの半導体犠牲層18であるために、InPの上部クラッド層20で埋め込みを行うと凹凸が無くなり、屈折率の分布は生じないため、回折格子として機能しない。したがって、活性層領域Aのみに回折格子があるサンプル周期66μmのサンプル回折格子となる。
分布活性DFBレーザでは、活性層12と制御層16を周期的に交互に配置するが、回折格子のサンプル周期も活性層12と制御層16の繰り返し周期と同じである必要がある。この方法であれば、自動的に活性層12と制御層16の繰り返し周期と、回折格子のサンプル周期は同一となる。
このため、図15に示すような位相シフトを挟んだ左右で活性導波路層130と非活性導波路層131(制御層)の繰り返し周期が異なる分布活性DFBレーザであっても、回折格子の描画は全面に行えばよく、自動的に回折格子のサンプル周期は、活性導波路層130と131(制御層)の繰り返し周期と同じになるため、左右のサンプル周期も自動で活性導波路層130と131(制御層)の繰り返し周期と一致するように変えることが可能となる。
活性層12及び制御層16は、バルク構造又は量子井戸構造もしくはその多層構造でも良く、更に量子細線や量子ドット等の低次元量子井戸構造等でもよい。また、活性層12及び制御層16に用いる半導体材料は、InPとGaInAsPの組合せに限定されるものではなく、GaAs、AlAs、AlGaAs、GaInNAs等や、その他の半導体でもよい。上部SCH層13はあっても無くてもよく、上部SCH層13が無い場合には、活性層12に直接回折格子を形成してもよい。
導波路構造は、活性層12又は制御層16を導波路コアとして、活性層12又は制御層16のコア層より屈折率が低い上側SCH層13,17、上側SCH層11,15、InP基板10及びInPの上部クラッド層20により光をコア層に閉じ込める構造となっているが、上側SCH層13,17及び上側SCH層11,15が無い場合には、InP基板10及びInPの上部クラッド層20のみにより光をコア層に閉じ込める構造となる。
本発明に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法において重要なのは、回折格子を残さない領域には、予め再成長する材料と同じ材料の層を半導体犠牲層18として設けておくことである。したがって、埋め込み再成長を行う材料がInP以外の材料である場合には、制御層16の上部に予め設ける層はInP以外の材料とすればよい。
活性層12と制御層16の繰り返し周期や比率は、66μm、1:1に限定する必要はなく、必要なレーザの特性に応じて自由に設計可能である。本実施形態に係る半導体レーザの作製方法の場合、分布活性DFBレーザの活性層12と制御層16の比率が、自動的に回折格子の有無の比率になる。したがって、活性層12と制御層16の比率に応じて、回折格子の結合係数などの設計を行えばよい。
本実施形態では、活性層領域Aに回折格子を形成する方法を説明したが、制御層領域Bに回折格子を形成したい場合には、レーザ元基板における活性層領域Aの上側SCH層13の上部にInPの半導体犠牲層を設けておけばよい。また、本実施形態では、活性層12を先に形成し、制御層16を後から選択成長しているが、逆に制御層16を最初に成長し、後から活性層12を選択成長してもよい。
また、本実施形態では、活性層12と制御層16の繰り返し周期が66μmの場合のみを記述したが、図15に示す構造のように活性導波路層130と非活性導波路層131(制御層)の繰り返し周期が異なる2つのレーザを直列に接続した構造にも適用可能であり、その場合であってもサンプル回折格子のサンプル周期を活性導波路層130と131(制御層)の繰返し周期に自動的に一致させることができる。また、さらに3つ以上の活性導波路層130と131(制御層)の繰り返し周期が異なるレーザを直列に接続する場合も同様である。
また、本発明に係る半導体レーザの構造は、半導体レーザの導波構造によらず適用可能である。例えば、埋め込みヘテロ構造や、リッジ構造、メサ(ハイメサ)構造などの構造であるが、いずれも回折格子形成後に作製する構造であるため、どのような構造にも適用可能である。
このうち、埋め込みヘテロ構造について説明する。
図8は、図15に示す半導体レーザの活性層領域の部分の導波路に垂直な断面を示した図である。
図8(a)は、下部電極800上にn型のInPで下部クラッド層801を形成し、下部クラッド層801の上に活性層802を形成して、活性層902の両側をエッチングし、p型のInP層803とn型のInP層804を交互に成長することで電流ブロック層とする一般的な埋め込みヘテロ構造である。
また、活性層802及びn型のInP804上にp型のInPで上部クラッド層805を形成する。上部クラッド層805上にはコンタクト層806と絶縁層807が形成される。コンタクト層806上には活性層電極808が形成され、絶縁層807上には波長制御電極809が形成される。
一方、図8(b)は、下部電極810上にn型のInPで下部クラッド層811を形成し、下部クラッド層811の上に活性層812を形成して、活性層812の両側をエッチングした後、Ruをドーピングした半絶縁体のInP(RuドープInP層)813で再成長した埋め込みヘテロ構造である。なお、制御層領域についても制御層の両側をエッチングした後、RuドープInP層(半絶縁性半導体層)で埋め込んでいる。
また、活性層812上にはp型のInP814を形成する。活性層812及びRuドープInP層813上にはコンタクト層815が形成され、コンタクト層815上には活性層電極816が形成される。更に、RuドープInP層813上には絶縁膜817が形成され、絶縁膜817上には波長制御電極818が形成される。
このように、半絶縁体の材料で電流ブロックをすることにより、p型n型の積層構造の場合よりも素子容量を低減できるため、波長可変レーザの場合に高速な波長切り替えが可能となる。また、半絶縁体は、Feをドーピングしてもよいが、Feドーピングの場合には、p型ドーパントのZnとの相互拡散により素子が劣化する問題が生じる可能性があるため、Ruが望ましい。
上述のように、本発明に係る半導体レーザの作製方法を用いることにより、回折格子作製のためのレジストパターンは、通常用いられている回折格子の作製と同様に、素子全面に亘って形成すればよく、サンプル回折格子のパターンを描画する必要がない。
また、プロセス工程上は、選択成長時に制御層領域の最上層にInPを成長しておくだけでよく、分布活性DFBレーザのその他の工程を変更、追加する必要がない。その上、回折格子のサンプル周期を容易に自動的に分布活性DFBレーザの活性層と制御層の繰り返し周期に一致させることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
図2(a)に示すように、半導体レーザの構造及び各層の構成材料は第1の実施形態で説明したものと同様であるが、本実施形態では、選択成長する制御層領域BのInPの半導体犠牲層18の厚さのみを変更した。すなわち、第1の実施形態では、選択成長で成長する制御層領域Bの最上層のInPの半導体犠牲層18の厚さを80nmとし、回折格子のエッチング深さを40nmとしたのに対し、本実施形態では、InPの半導体犠牲層18の厚さを30nmとした。
次に、図2(b)に示すように、回折格子のエッチングを制御層領域Bの最上層のInPの半導体犠牲層18の厚さよりも深い50nmとした。
最後に、図2(c)に示すように、回折格子をInPの上部クラッド層20で埋め込むことにより、活性層領域Aの回折格子の深さと制御層領域Bの回折格子の深さの異なる回折格子を同時に作製することができる。
活性層領域Aと制御層領域Bの回折格子の深さが異なると、回折格子の結合係数が異なり、単位長さ辺りの反射率も変化する。また、InPの半導体犠牲層18の厚さと回折格子のエッチング深さは自由に設計することができる。これにより、本実施形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、周期的に結合係数を変えた回折格子を容易に作製することが可能となるため、分布活性DFBレーザの設計の自由度を向上させることができる。
レーザ共振器の反射率は活性層領域Aの反射率と制御層領域Bの反射率の重ね合わせで決定される。また、反射率は回折格子の結合係数と回折格子の長さの積により決定され、この値が大きいほど反射率は高くなる。一方、反射帯域は式(1)によって決まるブラッグ波長を中心とした帯域となり、屈折率が変化すると反射帯域は変化する。制御層16は、電流注入によるキャリアの蓄積によってキャリアプラズマ効果などにより屈折率が変化する。
したがって、第1の実施形態の場合には、制御層16の屈折率変化により発振波長が変化した場合に、反射率は活性層12の回折格子と回折格子間の位相によって決定されるが、本実施形態の場合には、反射率は活性層12の回折格子の反射帯域と制御層16の回折格子の反射帯域の位相も含めた重ね合わせに影響される。
すなわち、波長変化に伴って、活性層12の反射帯域と制御層16の反射帯域の重なりが変化し、反射率が変化する。本実施形態の方法を用いて制御層16の結合係数を適切に制御すれば、波長変化時の反射率の変化を設計することが可能となる。
〔第1の参考形態〕
次に、本発明の第1の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
図3は、本発明の第1の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
図3(a)に示すように、半導体レーザの構造及び各層の材料等は第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるが、本参考形態では、活性層領域Aの上部と制御層領域Bの上部の両方に100nmのInPの半導体犠牲層18,21を設けている。制御層16の選択成長が終わった後で、さらに半導体犠牲層21をエッチングするためのマスク22をSiO2等で形成する。本参考形態では、回折格子を形成したい場所である活性層領域Aの中央部の11μm以外の場所をマスク22で覆った。
次に、図3(b)に示すように、InPの半導体犠牲層21のみをウエットエッチング等によりエッチングする。ここで、上側SCH層13などを構成しているGaInAsP等はエッチングせずにInPの半導体犠牲層21のみを選択的にエッチングする。例えば、塩酸系のウエットエッチャントを用いれば容易にInPの半導体犠牲層21のみをエッチングすることができる。そして、マスク22を除去し、導波路全面に回折格子を形成するためのレジストパターン23を形成する。
次に、図3(c)に示すように、ウエットエッチングにより半導体犠牲層18,21及び上側SCH層13に深さ70nmの凹凸を形成する。
最後に、図3(d)に示すように、レジストパターン23を除去し、InPの上部クラッド層20により埋め込み再成長を行う。これにより、所望の場所にのみ回折格子を容易に形成することができる。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法は、第1の実施形態及び第2の実施形態の作製手順より工程が増えてしまうが、これにより、サンプル回折格子の回折格子の長さを容易に変更することができるため、さらに設計の自由度が向上する。本参考形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、EB露光などで複雑なパターンを形成する必要は無く、InPの半導体犠牲層21を除去するためのマスクパターンであれば数μmのサイズであるから、通常のフォトリソグラフィーなどで簡単に形成できる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態は、活性層12と制御層16の周期構造を利用して回折格子をサンプリングしているが、本参考形態では、回折格子を作製する場所は、InPの半導体犠牲層21を除去する領域により決定することができるので、原理的には、分布活性DFBレーザ以外へも応用することが可能である。
〔第2の参考形態〕
次に、本発明の第2の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
第1の参考形態に係る半導体レーザの作製方法を応用すれば、分布活性DFBレーザに限らず、広く一般的な光素子に対して、サンプル回折格子の作製を容易に行うことができる。本参考形態に係る半導体レーザは、分布活性DFBレーザのような活性層領域と制御層領域の繰り返しが無い通常の光デバイスである。
図4は、本発明の第2の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
図4(a)に示すように、レーザ元基板における上側SCH層13の上部に130nmの厚さのInPの半導体犠牲層21を設けておき、回折格子を形成する領域以外の部分にマスク22をする。本参考形態では、回折格子を形成する領域を8μmとして、それ以外の部分をSiO2のマスク22で覆った。
次に、図4(b)に示すように、InPの半導体犠牲層21のみをウエットエッチング等によりエッチングする。ここで、上側SCH層13等を構成しているGaInAsP等はエッチングせずにInPの半導体犠牲層21のみを選択的にエッチングする。例えば、塩酸系のウエットエッチャントを用いれば容易にInPの半導体犠牲層21のみをエッチングすることができる。そして、マスク22を除去し、導波路全面に回折格子を形成するためのレジストパターン23を形成する。
次に、図4(c)に示すように、ウエットエッチングにより半導体犠牲層21及び上側SCH層13に深さ100nmの凹凸を形成する。
最後に、図4(d)に示すように、レジストパターン23を除去し、InPの上部クラッド20により埋め込み再成長を行う。これにより、所望の場所のみに回折格子を容易に形成することができる。本参考形態では、活性層12を持つ導波路構造を示したが、利得を持たない導波路の場合でも同様に適用することが可能である。
〔第3の参考形態〕
次に、本発明の第3の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法では、予めInP基板上に作製した凹凸を、選択成長による導波路の突合せ結合を作製する際にエッチングすることによりサンプル回折格子を作製する。
図5は、本発明の第3の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
はじめに、図5(a)に示すように、InP基板50に凹凸を形成し、下側SCH層51、活性層52、上側SCH層53を再成長し、活性層領域Aとする場所にエッチングマスク54を形成する。なお、エッチングマスク54には、SiO2やSiN等を用いることができる。
次に、図5(b)に示すように、制御層領域Bを形成する箇所をエッチングする。
次に、図5(c)に示すように、制御層領域Bのエッチング底面に出現したInP基板50の凹凸をエッチングする。最初にInP基板50の凹凸を形成した時のように回折格子パターンのマスクが無いので、一般的に凹凸が平坦化されるようにエッチングされる。更に、エッチングすれば、完全に平坦化させることも可能である。
最後に、図5(d)に示すように、制御層領域Bの下側SCH層55、制御層56、上側SCH層57を選択成長し、エッチングマスク54を除去した後、InPの上部クラッド層58を成長する。
本参考形態では、制御層領域Bを形成する際、ドライエッチングにより上側SCH層53、活性層52、下側SCH層51の途中までをエッチングし、硫酸と過酸化水素及び水の混合溶液等によるウエットエッチャントを用いて活性層52、上側SCH層53及び下側SCH層51を構成するGaInAsPのみを選択的にエッチングしてInP基板50を露出させた後、塩酸とリン酸の混合溶液によるエッチャントを用いてInP基板50の凹凸をエッチングしたが、その他のエッチャントを用いてもよい。
その場合、例えば、図5(b),図5(c)のように選択エッチャントを用いてInP基板50の凹凸を露出させてから凹凸のエッチングを行わなくともよい。なお、GaInAsPとInPの両方をエッチングするメタノールにブロムを混合したBrメタノールなどを用いれば、GaInAsPをエッチングしつつ、InPもエッチングすることができ、図5(b)の状態を経由することなく、図5(c)の状態にすることができる。
このように、本参考形態においては、活性層領域Aの表面にエッチング耐性を有する層(エッチングマスク54)を積層した上でエッチングを施し、エッチングマスク54を積層しなかった制御層領域Bの回折格子の深さを浅く(凹凸を平坦化)した。この場合、活性層領域Aの回折格子の深さが深くなるので、活性層領域Aの結合係数と制御層領域Bの結合係数は異なるものとなる。
なお、本参考形態では、活性層領域Aの表面にエッチングマスク54を積層したが、制御層領域Bの表面にエッチングマスクを積層することにより、制御層領域Bの回折格子の深さを深くして活性層領域Aの結合係数と制御層領域Bの結合係数を異なるものとすることもできる。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、選択成長による導波路の突合せ結合を行う際に露出する回折格子を物理的にエッチングすることにより同様の効果を得ることができる。これにより、活性層52と制御層56の繰り返し周期に一致した周期で、サンプル回折格子や活性層領域Aと制御層領域Bで結合係数の異なる回折格子を容易に形成することができる。
〔第4の参考形態〕
次に、本発明の第4の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法では、予め形成したInP基板上の凹凸にSiO2等のエッチングマスクを周期的に形成し、マスク以外の場所をエッチングすることによって、サンプル回折格子を作製する。
図6は、本発明の第4の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
はじめに、図6(a)に示すように、InP基板50上に凹凸を形成する。
次に、図6(b)に示すように、回折格子を残す場所のみにSiO2やSiN等のマスク60を形成する。これは、CVD法やスパッタ法等で基板上にSiO2(又はSiN等)膜を堆積させた後に、レジストを塗布し、フォトリソグラフィーや投影露光法等によりレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとしてSiO2をエッチングすることで形成することができる。
次に、図6(c)に示すように、マスク60以外の場所の回折格子の凹凸が滑らかになるようにウエットエッチングする。
次に、図6(d)に示すように下側SCH層51、活性層52及び上側SCH層53を成長する。これによりサンプル回折格子が形成できる。さらに、分布活性DFBレーザを作製する場合には、活性層52と制御層56を周期的に交互に配置する必要があるので、周期的にエッチングマスク54を形成する。
次に、図6(e)に示すように下側SCH層51、活性層52及び上側SCH層53をエッチングする。
最後に、図6(f)に示すように、下側SCH層55、制御層56及び上側SCH層57を再成長し、InPの上部クラッド層58を成長する。
本参考形態では、回折格子を残す領域を活性層領域Aと制御層領域Bの長さによらずに独立に設定できるため、設計の自由度が向上する。回折格子自体の凹凸の周期は波長1.55μm帯では240nm程度であり、直接サンプル回折格子を形成しようとすると、EB露光などの分解能の高い露光方法を用いる必要があるが、本参考形態に係る半導体レーザの作製方法を用いれば、全体に回折格子を形成した後に、サンプル周期でマスクを形成している。サンプル周期は通常数μmから数十μm以上であるので、フォトリソグラフィー等の簡便な方法で形成することができる。
このように、本参考形態においては、活性層領域Aの一部にエッチング耐性を有する層(エッチングマスク54)を積層した上でエッチングを施し、エッチングマスク54を積層しなかった領域の回折格子の深さを浅く(凹凸を平坦化)した。その後、活性層領域Aに下側SCH層51、活性層52及び上側SCH層53を積層し、制御層領域Bに下側SCH層55、制御層56及び上側SCH層57をそれぞれ積層した。この場合、活性層領域Aの一部の回折格子の深さが深くなるため、活性層領域A全体の結合係数と制御層領域Bの結合係数は異なるものとなる。
なお、本参考形態では、活性層領域Aの一部にエッチングマスク54を積層したが、制御層領域Bの一部にエッチングマスクを積層することにより、制御層領域Bの一部の回折格子の深さを深くして活性層領域Aの結合係数と制御層領域B全体の結合係数を異なるものとすることもできる。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、分布活性DFBレーザのように活性層52と制御層56の繰り返し構造を持った半導体レーザだけでなく、その他の半導体レーザや光素子に適用することが可能である。例えば、図6(d)の後に、活性層52と制御層56の繰り返し構造を作製しないで、InPの上部クラッド層58を成長し、レーザ構造を作製して電極等を形成すれば、活性層52と制御層56の繰り返し構造の無い半導体レーザを作製することができる。
更には、図6(c)で、回折格子の凹凸をエッチングする際に、エッチング量をコントロールすることで、結合係数を変化させることができる。すなわち、凹凸を完全に平坦化すれば、サンプル回折格子になるが、一方、凹凸を完全に平坦化せずに、少し凹凸を残すようにエッチングすれば、当初の回折格子より結合係数の小さい回折格子を形成することができる。
〔第5の参考形態〕
次に、本発明の第5の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法では、不純物ドーピング濃度の異なるInPの半導体犠牲層を用いて、回折格子部の屈折率差に変化をもたせる。
半導体でダイオード構造を作製する場合は、p型又はn型等の電導型を形成するために不純物をドーピングする。本参考形態に係る半導体レーザの作製方法では、基板側をSiをドーピングしたn型のInPとして、活性層を挟み上部をZnをドーピングしたp型のInPとしている。また、一般的にドーピングする不純物の濃度によって半導体の屈折率は異なる。
図7は、本発明の第5の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法を示した図である。
はじめに、図7(a)に示すように、n‐InP基板70上に凹凸を形成する。
次に、図7(b)に示すように、n‐InPよりなる半導体犠牲層80、GaInAsPよりなる下側SCH層71、活性層72、上側SCH層73を成長する。ここで、凹凸を形成したn‐InP基板70側のInPのドーピング濃度は2×1018cm-3とし、後から成長するn‐InPのドーピング濃度は1×1018cm-3とした。
次に、図7(c)に示すように、分布活性構造を作製するために、SiO2又はSiN等を用いて周期的にエッチングマスク74を形成し、n‐InP基板70、n‐InPの半導体犠牲層80、下側SCH層71、活性層72及び上側SCH層73をエッチングする。
次に、図7(d)に示すように、選択成長により、n‐InP基板70、n‐InPの半導体犠牲層80、下側SCH層71、活性層72及び上側SCH層73をエッチングした部分に、積極的にドーピングを行わないi‐InPよりなる半導体犠牲層81、GaInAsPよりなる下側SCH層75、制御層76(コア層)及び上側SCH層77を成長する。
最後に、図7(e)に示すように、エッチングマスク74を除去した後、活性層領域Aと制御層領域Bの両方に共通するp‐InPよりなる上部クラッド層78を再成長する。上記方法により、活性層領域Aの凹凸はドーピング濃度差の小さいn‐InPの半導体犠牲層80で埋め込まれている。
これに対し、制御層領域Bの凹凸はドーピング濃度差の大きいi‐InPの半導体犠牲層81で埋め込まれるため、深さや周期などの同一な凹凸を埋め込んでいても屈折率差が異なり、回折格子の結合係数に違いが生じる。すなわち、活性層72と制御層76の繰り返し周期と同一の繰り返し周期で結合係数を変化させた回折格子の形成が可能であり、これにより、波長変化時における反射率の変化も設計することが可能となる。
本参考形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、凹凸を埋め込むために、n‐InPの半導体犠牲層80とi‐InPの半導体犠牲層81を用い、さらに、凹凸を形成するn‐InP基板70のドーピング濃度を全て異ならせることにより、周期的に回折格子の結合係数を変調した回折格子としているが、n‐InP基板70側のInPのドーピング濃度と、活性層領域A又は制御層領域BのInPのドーピング濃度と同一とした場合には、サンプル回折格子を形成することもできる。
また、本参考形態に係る半導体レーザの作製方法によれば、選択成長する制御層領域Bの半導体犠牲層81を積極的にドーピングしないi‐InP層としたが、5×1017cm-3の濃度のドーピングを施したn‐InP等としても、活性層領域Aのn‐InPとは不純物濃度が異なるので本発明を実現することができる。
なお、ドーピングする元素は、SiやZnに限らず、Snなどの他の元素でも良い。本参考形態に係る半導体レーザの作製方法の特徴は、ドーピング濃度の異なるInP層を用いて回折格子の結合係数を周期的に変調することであるから、ドーピング濃度は本参考形態で示したドーピング濃度に限らず、最初に凹凸を形成する基板側InPのドーピング濃度と、後から成長する活性層領域AのInP層のドーピング濃度、又は、選択成長するInP層のドーピング濃度を異ならせればよい。
また、本参考形態ではn型のInP基板を用いているが、p型のInP基板を用いた場合には、n型とp型を入れ替えて考えればよい。
また、ここで用いる半導体材料は、他の実施形態、他の参考形態と同様に、InPとGaInAsPの組合せに限ることなく、ドーピング濃度の違いにより屈折率を異ならせることのできる他の半導体を用いることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法について説明する。
第2の実施形態,第3〜第5の参考形態で活性層領域と制御層領域とで異なる結合係数の回折格子を形成できる方法について説明した。本実施形態では、活性層領域と制御層領域の結合係数を異ならせた半導体レーザについて説明する。
図9は、活性層領域と制御層領域に同じ結合係数を有する回折格子を形成した場合の半導体レーザの反射特性を示した図である。ここでは、半導体レーザ構造を図13に示す構造として、活性層領域と制御層領域の比率を1:2とした。具体的には活性領域長20μmに対して、制御層領域長40μmである。
この場合、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、活性層領域と制御層領域に同じ結合係数を有する回折格子を形成すると、領域長が長い制御層領域の反射率が強くなる。このため、制御層への電流注入によって制御層の屈折率が低下し、制御層の反射帯域が短波側に動くと、図9に示すように、短波長側の副モードの強度が強くなる。なお、図9に係る半導体レーザは、結合係数を活性層領域と制御層領域共に30cm-1としており、活性層領域と制御層領域の屈折率差は0.025としている。
これに対し、本実施形態では、短波長側の副モードと長波長側の副モードの反射率差があまり生じないように、活性層領域と制御層領域の回折格子の結合係数を異ならせた。回折格子の反射率は、上述のように、式(7)で表される。活性層領域の結合係数をκa、制御層領域の結合係数をκt、活性層領域の長さLa、制御層領域の長さLtとすると、一領域辺りの活性層領域の反射率Raと制御層領域の反射率Rtは、
Figure 2012033975
と表される。
なお、これは反射帯域のピーク(ブラッグ波長)の反射率であるが、実際には、得られる反射スペクトルは、制御層領域と活性層領域の反射帯域全体での重ねあわせとなる。また、回折格子長が短いほど反射帯域は広くなるため、長さが短い領域の方がより遠くの波長に影響を及ぼす。したがって、本実施形態の場合、活性層領域の回折格子の方がより広い波長範囲に影響を及ぼすことになるため、単純に、
Figure 2012033975
とすると、活性層領域の回折格子の影響が強く出てしまい、電流注入による波長変化時には、逆に長波長側の副モードの強度が強くなってしまう。
以上のことから、La<Ltの場合の回折格子の結合係数は、
Figure 2012033975
かつ、
Figure 2012033975
の範囲内で決定すればよいことになる。
また、本実施形態とは逆に、La>Ltとした場合の回折格子の結合係数は、
Figure 2012033975
かつ、
Figure 2012033975
の範囲内で決定すればよいことになる。
本実施形態では、上記条件を満たす値として、活性層領域の長さを20μm、結合係数を35cm-1、制御層領域の長さを40μm、結合係数を28cm-1としており、活性層領域と制御層領域の屈折率差は0.025としている。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る活性層領域と制御層領域に異なる結合係数を有する回折格子を形成した場合の半導体レーザの反射特性を示した図である。
図10に示す反射特性は、図9に示す反射特性に比べて、主モードの短波長側の副モードの反射率と主モードの長波長側の副モードの反射率の比が改善されていることがわかる。また、図10に示す反射特性と図9に示す反射特性の主モードのピーク反射率は同程度であるが、図10に示す反射特性は図9に示す反射特性に比べ、副モードのピーク反射率が抑えられている。このため、本実施形態に係る半導体レーザは、主モードと副モードの反射率比を大きくとることができるため、SMSRを向上させることができる。
なお、本実施形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法は、図13に示す基本構造の半導体レーザのみならず、活性層領域と制御層領域の繰り返し周期を変えた2つ以上の図13に示す基本構造の半導体レーザを従属接続した構造等においても適用することが可能である。すなわち、半導体レーザが複数個縦続接続され、そのうち少なくとも一つの半導体レーザの繰返し周期が、その他の半導体レーザの繰り返し周期と異なるようにしてもよい。
以上、本発明の第3〜第5の参考形態に係る半導体レーザ及び半導体レーザの作製方法においては、基板上に回折格子を形成したが、基板上にバッファ層を積層した後、バッファ層の表面に回折格子を形成しても良い。この場合、非活性領域の形成時に積層される半導体犠牲層がバッファ層と同一の材料であればよい。なお、バッファ層はその上に積層されるSCH層よりも屈折率が低いことが望まれ、基板と格子整合することが望まれる。例えば、InP基板の場合、InP、InGaAsP、InAl(Ga)As等であり、GaAs基板の場合、GaAs、GaAlAs等である。
本発明は、例えば、光ファイバ通信用光源及び光計測用光源として用いられる波長可変半導体レーザ、特に、光通信における光波長(周波数)多重システム用光源及び広帯域波長帯をカバーする光計測用光源となる半導体レーザの作製方法に利用することが可能である。
10 InP基板
11 下側SCH層
12 活性層
13 上側SCH層
14 エッチングマスク
15 下側SCH層
16 制御層
17 上側SCH層
18 半導体犠牲層
19 レジストパターン
20 上部クラッド層
21 半導体犠牲層
22 マスク
23 レジストパターン
50 InP基板
51 下側SCH層
52 活性層
53 上側SCH層
54 エッチングマスク
55 下側SCH層
56 制御層
57 上側SCH層
58 上部クラッド層
60 マスク
70 n‐InP基板
71 下側SCH層
72 活性層
73 上側SCH層
74 エッチングマスク
75 下側SCH層
76 制御層
77 上側SCH層
78 上部クラッド層
80 n‐InPの半導体犠牲層
81 i‐InPの半導体犠牲層

Claims (2)

  1. 光の伝播方向において活性層領域と該活性層領域以外の領域である制御層領域とが交互に接続する半導体レーザの作製方法において、
    半導体基板上に下側SCH層、活性層及び上側SCH層の順に積層された積層構造の表面にマスクを形成し、当該マスクの下層を前記活性層領域とする工程と、
    前記積層構造の前記マスクが形成されていない部分の下側SCH層、活性層及び上側SCH層を除去する工程と、
    除去した部分に下側SCH層、制御層及び上側SCH層を順に再成長して前記制御層領域を形成する工程と、
    前記活性層領域の前記上側SCH層又は前記制御層領域の前記上側SCH層のうちいずれか一方の上層に半導体犠牲層を形成する工程と、
    前記活性層領域及び前記制御層領域の表面に回折格子を形成する工程と、
    前記活性層領域及び前記制御層領域の上層に前記半導体犠牲層と同一材料の半導体層を形成する工程と
    を備え、
    前記活性層領域の長さをLa、前記制御層領域の長さをLtとし、前記活性層領域の回折格子の結合係数をκa、前記制御層領域の回折格子の結合係数をκtとするとき、
    a<Ltの場合、
    Figure 2012033975
    かつ、
    Figure 2012033975
    を満たし、
    a>Ltの場合、
    Figure 2012033975
    かつ、
    Figure 2012033975
    を満たすように、前記半導体犠牲層の厚さを厚くして、前記活性層領域の回折格子の深さ又は前記制御層領域の回折格子の深さのうちいずれか一方を浅く形成する
    ことを特徴とする半導体レーザの作製方法。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザの作製方法において、
    前記半導体犠牲層の厚さを前記回折格子の深さより厚くして、前記活性層領域又は前記制御層領域のいずれか一方にのみ前記回折格子を残す
    ことを特徴とする半導体レーザの作製方法。
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