JPH0936496A - 半導体光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体光素子及びその製造方法

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JPH0936496A
JPH0936496A JP20765195A JP20765195A JPH0936496A JP H0936496 A JPH0936496 A JP H0936496A JP 20765195 A JP20765195 A JP 20765195A JP 20765195 A JP20765195 A JP 20765195A JP H0936496 A JPH0936496 A JP H0936496A
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semiconductor
diffraction grating
optical
layer
optical waveguide
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JP20765195A
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Koji Kudo
耕治 工藤
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶成長のみを用いて、均一深さの回折格子に
λ/4シフトの導入や光導波方向への光結合係数の変調
構造の形成を可能とすることによって、その作製プロセ
スを大幅に簡単化するとともに高機能光素子を得る。 【解決手段】第1、第2の半導体層に挟まれた回折格子
を有する半導体光素子において、回折格子を挟む半導体
層を、ストライプ状誘電体薄膜を成長阻止マスクとする
選択成長を用いて形成し、光導波方向でストライプ幅を
適当に変化させることによって、半導体層の組成波長
(屈折率)を制御し、回折格子へλ/4シフトの導入を
可能とし、また光結合係数の変調をも可能とする。この
選択成長を用いて形成された回折格子を有する半導体光
素子は、分布反射器の光結合係数を任意に制御すること
ができ、光素子の機能を最大限に取り出すことのできる
分布反射器構造を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光素子及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回折格子による分布反射器(distribute
d reflector)を有する半導体レーザや波長フィルタ等
の半導体光素子において、半導体レーザの単一軸モード
制御、高出力特性、歩留りの向上等、また波長フィルタ
の波長制御特性の向上等を考えると、λ/4シフト回折
格子の導入はもちろん、分布反射器の光結合係数を光導
波方向に最適に変化させること、更には異なる光結合係
数を有する領域を任意の位置に作製できる製造方法が要
求される。
【0003】分布反射器やλ/4シフト回折格子の従来
の作製方法には以下のようなものがある。
【0004】まず、回折格子を用いた分布反射器の作製
について説明する。
【0005】図7は、互いに異なる光結合係数を有する
2つの領域からなる半導体光素子の軸方向の断面構造を
模式的に示した図である。
【0006】従来の光集積素子において、光導波方向に
異なる光結合係数を有する複数の領域を形成するには、
大きく分けて2つの方法があった。
【0007】第1の作製方法は、図7(A)を参照し
て、半導体基板1の上に回折格子5を形成し、第1の領
域(「領域1」ともいう)の回折格子を埋め込む光導波
層2を成長し、次に、光導波層2の一部を選択的にエッ
チングで除去した後、第2の領域(「領域2」ともい
う)の回折格子を埋め込む光導波層3を再成長する。更
に、光導波層2及び3の上に光導波層4(利得発生層等
を含む)、クラッド層11を成長して光集積素子を作製
するものである。
【0008】上記第1の作製方法においては、第1、第
2の領域における光導波層2、3の結晶組成を適宜選択
することにより、異なる光結合係数を有する複数の領域
を作製することができる。
【0009】しかし、上記第1の作製方法には例えば以
下のような各種問題があった。
【0010】(1)光導波層2の結晶成長→エッチング→
光導波層3の再成長→光導波層4、クラッド層11の再
成長と、製造プロセスが複雑である。
【0011】(2)領域2の回折格子は昇温工程を2度経
ることから、昇温時に回折格子の形状が劣化する。
【0012】(3)光導波層2と光導波層3の境界で異常
成長が生じること等の問題があった。
【0013】第2の作製方法は、図7(B)を参照し
て、半導体基板1の上に領域1の分布反射器を構成する
回折格子5を形成し、更に選択エッチングを用いて、回
折格子5と深さの異なる回折格子6を形成し、領域2の
分布反射器を構成する。その後、光導波層2、4、クラ
ッド層11を成長して半導体光素子を作製するものであ
る。
【0014】上記第2の作製方法を用いても、回折格子
5、6の回折格子深さを変えることにより、任意の光結
合係数を有する複数の領域を作製することができる。
【0015】しかし、上記第2の作製方法は例えば以下
のような各種問題があった。
【0016】(1)回折格子を形成する際、複数回のエッ
チングを行わなければならず、製造プロセスが複雑であ
る。
【0017】(2)回折格子5と回折格子6のエッチング
深さの相対比を制御することが難しい。
【0018】(3)光導波層2を成長する際、回折格子の
深さが深い回折格子上に成長される結晶の品質が劣化す
る。
【0019】次に、λ/4シフト回折格子について説明
する。
【0020】λ/4シフト回折格子とは、回折格子中で
回折格子の位相がπシフトする領域を有する回折格子の
ことをいう。
【0021】図8は、λ/4シフト回折格子を有する分
布帰還型(DFB;distributed feedback)レーザの軸
方向の断面構造を模式的に示す図である。このλ/4シ
フト回折格子をレーザ共振器内に導入する方法は、従来
種々提案されているが、大きく分けて次の2つの方法が
ある。
【0022】その一つは、図8(A)を参照して、半導
体基板1上に回折格子を形成する際、選択露光を用いて
一部回折格子が存在しない領域を形成し、その後、光導
波層2、4、クラッド層11を成長してDFBレーザを
得る方法である。
【0023】この従来の方法によれば、回折格子の無い
領域の長さを制御することにより、光の位相シフト量を
制御することができ、共振器内にλ/4シフトを導入す
ることができる。
【0024】しかし、この従来の方法は、回折格子が存
在しない領域を用いて位相シフトを生じさせているた
め、種々の影響によりレーザのしきい値電流が変動した
時、位相シフト領域の屈折率が変動し、その結果位相シ
フト量が変動するという問題を有する。これは、DFB
レーザの単一モード特性、高出力特性等のレーザ特性の
劣化を招くため、本質的に、重大な問題を内包した方法
である。
【0025】二つめの方法は、図8(B)を参照して、
半導体基板1上に回折格子を形成する際、異なるレジス
トの二重塗布露光等を用いて、周期がπずれた回折格子
を形成し、その後、光導波層2、4、クラッド層11を
成長してλ/4シフトDFBレーザを得る方法である。
【0026】この従来の方法によれば、完全なλ/4の
位相シフトを作製することができる。
【0027】しかし、この従来の方法では、複雑な露光
技術を必要とするため、プロセスの歩留りが悪いという
問題であった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の分
布反射器及びλ/4シフト回折格子の作製方法は、その
工程が複雑であり、更に3つ以上の任意の光結合係数を
有する分布反射器、または連続的に光結合係数が変化す
る分布反射器を同一基板上に作製することは困難であっ
た。
【0029】従って、本発明は、上記問題点を解消し、
結晶成長のみを用いて、均一深さの回折格子にλ/4シ
フトの導入や光導波方向への光結合係数の変調構造の形
成を可能とすることにより、その作製プロセスを大幅に
簡単化するとともに高機能光素子を得ることを可能とす
る半導体光素子及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の半導体光素子は、第1、第2の半導体層に
挟まれた回折格子を有し、回折格子を挟む、前記第1、
第2の半導体層のうち、少なくとも一つの前記半導体層
は光導波方向に連続的に形成され、屈折率が光導波方向
に連続または不連続に変化し、それに伴い光結合係数が
連続または不連続に変化した回折格子分布反射器を有す
ることを特徴とする。
【0031】また、本発明の半導体光素子の製造方法
は、半導体基板上に回折格子を形成する工程と、該回折
格子に接する光導波層を形成する工程を含む半導体光素
子の製造方法において、前記光導波層を形成する工程
は、前記半導体基板上にストライプ方向に幅の変化した
対向する一対の誘電体薄膜の間に光導波層を選択的に結
晶成長することを特徴とする。
【0032】
【作用】以下、本発明の半導体光素子及びその製造方法
の原理について説明する。
【0033】図1は、第1及び第2の半導体層に挟まれ
た均一な深さの回折格子の軸方向の断面構造を模式的に
示した図である。
【0034】図1(A)を参照して、回折格子5の光結
合係数、即ち光の反射率は、第1、第2の半導体層7、
8の屈折率の差によって決まる。
【0035】今、第1の半導体層7の屈折率がn1、第
2の半導体層8の屈折率がn2の時、屈折率の差Δn=
n1−n2で定まる光結合係数κ1が得られる(κ1=
β×Δn、但しβは回折格子の寸法形状等で規定される
係数である)。
【0036】光結合係数κは屈折率の差Δnに比例する
ため、図1(B)に示すように、屈折率n1の第1の半
導体層7に対して第2の半導体層8の屈折率を光導波方
向にn2〜n5と変化させることで、光導波方向で異な
る光結合係数κ1〜κ4を有する領域を作製することが
できる。
【0037】そして、半導体層の媒質の屈折率は、結晶
組成によって決まる。
【0038】すなわち、図1(B)において、第1の半
導体層7の結晶組成波長を一定にし、光導波方向に第2
の半導体層8の結晶組成波長を変化させることで、光導
波方向で光結合係数κを変化させることができる。
【0039】一方、図1(C)に示すように、屈折率n
1の第1の半導体層7に対して第2の半導体層8の屈折
率を光導波方向にn0、n2(n0<n1<n2)と変
化させることにより、屈折率n0と屈折率n2の半導体
層の境界位置にλ/4シフトを作製することができる。
【0040】これは、回折格子の境界位置では、屈折率
n1−n0>0の正の位相が、屈折率n1−n2<0の
負の位相に反転するため、回折格子にπの位相シフトが
生じるためである。
【0041】このような光導波方向に屈折率が変化した
光導波路構造は、以下に説明する選択成長を用いて一括
形成することができる。以下、その原理を説明する。
【0042】まず、図2に示すように、半導体基板1上
に全面に組成波長1.1μm(屈折率3.28)の半導
体層7を有機金属気相成長法(MOVPE)等で成長
し、その後、第1の半導体層7上に干渉露光法等を用い
て回折格子5を形成する。
【0043】次に、半導体層7の表面に<011>方向
に対向するストライプ状の誘電体マスク9を形成する。
ここで、マスク9の開口部は1.5μm幅であり、開口
部を挟んで対称なマスクの幅はストライプ方向で変化す
るように形成している。
【0044】このような誘電体マスク9を有する半導体
基板1上にInGaAsP等の四元混晶半導体をMOV
PEを用いて選択成長すると、マスク幅に応じて層厚及
び結晶組成、すなわち屈折率の異なった四元半導体層8
が自動的に形成され、光結合係数の異なる分布反射器を
形成することができる(この時、図4において、開口部
以外の回折格子5が露出している領域にも半導体層が成
長されるが、ここでは説明の便宜上不図示とする)。
【0045】例えば、図2に示すように、誘電体マスク
9の幅を3段階に変化させた場合、屈折率n2,n3,
n4の半導体層8を得ることができる。
【0046】さらに、こうして成長された半導体層8
は、異なる屈折率領域が光導波方向になめらかに連続的
に接続されているため、各領域間で高い光結合効率が得
られ、高性能な半導体分布反射器の作製が可能である。
【0047】図3は、GaInAsP四元混晶を選択成
長させた場合の、誘電体マスク9の幅に対する結晶組成
波長変動の実験結果を示す図である。
【0048】この実験では、成長圧力760torr、
成長温度640℃で、マスク幅30μm付近において格
子整合する原料流量構成で実験を行っている。
【0049】その結果、誘電体マスク幅2μm〜30μ
mの範囲で、結晶組成波長変化1.1μm〜1.4μm
を得た。これは、屈折率変化に換算すると、波長1.5
5μmの光に対して、それぞれ屈折率変化3.28〜
3.44に相当し、光結合係数κは、約0cm-1〜30
0cm-1まで変化させることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図4〜
図6を参照して製造工程順に説明する。
【0051】
【実施形態1】 <分布反射型(DR)レーザ> 図4(A)は、本発明の第1の実施形態に係る分布反射
型(DR:distributed reflector)レーザの構成を示
す図である。
【0052】図4(A)を参照して、まずn−InP基
板1上の全面に、組成波長1.3μm、層厚50nmの
n−InGaAsPの4元結晶の第1の半導体層7をM
OVPEを用いて成長する。
【0053】次に、第1の半導体層7上に、干渉露光法
を用いて深さ40nmの回折格子5を形成する。
【0054】この回折格子5が形成された基板上へ、基
板上方からみた平面図である図4(B)に示すように,
<011>方向に領域a、bを設け、SiO2成長阻止
マスク9を領域aにおいて幅が30μm、領域bにおい
て幅が4μmとなるように、1.5μm開口部(成長領
域)を挟んで対向するように形成する。
【0055】次に、図4(A)を参照して、このSiO
2成長阻止マスク9が形成された基板上に、第2のn−
InGaAsP半導体層8、n−InPスペーサ層1
0、InGaAsP/InGaAsP多重量子井戸(M
QW)層12、InGaAsP光閉じ込め層13、及び
p−InP層14を選択成長する。
【0056】この時、開口部に成長されるInGaAs
Pの4元結晶である第2の半導体層8及び光閉じ込め層
13の組成は、領域aと領域bで異なり、領域aでは組
成波長1.25μm、層厚0.2μm、領域bでは組成
波長1.1μm、層厚0.08μmとなる。
【0057】その結果、領域aの回折格子(第1の半導
体層7の組成波長1.3μm、第2の半導体層8の組成
波長1.25μmの領域)では光結合係数30cm-1
得られ、領域bの回折格子(半導体層7の組成波長1.
3μm、半導体層8の組成波長1.1μmの領域)では
光結合係数100cm-1が得られた。
【0058】更に、多重量子井戸層12は、領域aで
は、InGaAsP量子井戸(組成波長1.6μm、層
厚7nm)とInGaAsPバリア層(組成波長1.2
5μm、層厚10nm)とからなり、利得ピーク波長を
1.55μmに設定できた。
【0059】領域bの多重量子井戸層12は、InGa
AsP量子井戸(組成波長1.25μm、層厚3nm)
とInGaAsPバリア層(組成波長1.1μm、層厚
5nm)とからなり、利得ピーク波長を1.2μmに設
定することができた。
【0060】このようにして、各半導体層を形成した
後、成長阻止マスク9のマスク開口幅を全領域(a,
b)で6μmになるように再度形成し、このマスクを用
いて、p−InP埋め込み層11(層厚1.5μm)を
MOVPEで選択成長する。
【0061】その後、SiO2膜15を形成し、上部電
極16、下部電極17を通常のスパッタ法等により形成
して半導体光素子を得ることができた。
【0062】光結合係数30cm-1の領域aを活性領域
に、光結合係数100cm-1の領域bを受動領域とする
ことで、極めて容易に、光の片端面出射が可能で高効率
動作する高性能な、波長1.55μm帯の分布反射型
(DR)レーザを実現することができた。
【0063】活性領域長500μm、受動領域長400
μmの素子を作製したところ、両端面劈開の状態で25
℃において、発振しきい値電流15mA、片側光出力2
5mW、片側微分量子効率90%という良好な特性を得
ることができた。
【0064】
【実施形態2】 <チャープドグレーティングDFBレ
ーザ> 図5(A)は、本発明の第2の実施形態に係るチャープ
ドグレーティングDFBレーザの構成を示す図である。
【0065】図5(A)を参照して、まず、n−InP
基板1上に、全面に干渉露光法を用いて深さ30nmの
回折格子5を形成する。この回折格子5が形成された基
板上へ、図5(B)に示すように、<011>方向に、
SiO2成長阻止マスク9を、マスク幅が中心で4μ
m、両端で30μmとなるようになだらかに変化させ
て、1.5μm開口部(成長領域)を挟んで対向するよ
うに形成する。
【0066】次に、このSiO2成長阻止マスク9が形
成された基板上にn−InGaAsP半導体層8、n−
InPスペーサ層10を選択成長する。この時、開口部
に成長されるInGaAsP4元結晶である半導体層8
の組成は、中心部から両端部へと連続的に変化し、中心
では組成波長1.1μm、層厚0.08μmとされ、両
端では組成波長1.3μm、層厚0.2μmとなる。
【0067】その結果、回折格子の光結合係数は、中心
部で10cm-1が得られ、両端部へ向かって連続的に増
加し、両端部では40cm-1が得られた。
【0068】次に、成長阻止マスク9のマスク幅を全領
域で4μmになるように再度形成し、このマスクを用い
てInGaAsP/InGaAsP多重量子井戸層1
2、組成波長1.25μmのInGaAsP光閉じ込め
層13、及びp−InP層14をMOVPEで選択成長
する。
【0069】この時、多重量子井戸層12は、InGa
AsP量子井戸(組成波長1.6μm、層厚7nm)と
InGaAsPバリア層(組成波長1.25μm、層厚
10nm)からなり、利得ピーク波長を1.55μmに
設定できた。
【0070】このようにして、各半導体層を形成した
後、成長阻止マスク9のマスク開口幅を全領域で6μm
になるように再度形成し、このマスクを用いて、p−I
nP埋め込み層11(層厚1.5μm)をMOVPEで
選択成長する。
【0071】その後、SiO2膜15を形成し、上部電
極16、下部電極17を通常のスパッタ法等により形成
してチャープド分布反射器を有するDFBレーザを得る
ことができた。
【0072】こうして作製した素子長600μmのDF
Bレーザは、共振器中央で光結合係数が小さく、両端部
で大きいため、高出力時に問題となる軸方向空間ホール
バーニングの影響を低減することができ、従来、両端面
劈開の状態で室温25℃で光出力10mW程度で軸モー
ドホッピング及び光出力の飽和が生じていたものが、光
出力30mWまで単一軸モードで出力飽和のない特性を
達成することができた。
【0073】
【実施形態3】 <λ/4シフトDFBレーザ> 図6(A)は、本発明の第3の実施形態に係るλ/4シ
フトDFBレーザの構成を示す図である。
【0074】図6(A)を参照して、まず、n−InP
基板1上の全面に、組成波長1.2μm、層厚50nm
のn−InGaAsP4元結晶の第1の半導体層7をM
OVPEを用いて成長する。
【0075】次に、この半導体層7上に、干渉露光法を
用いて深さ30nmの回折格子5を形成する。この回折
格子5が形成された基板上へ、図6(B)に示すよう
に、<011>方向に領域a,bを設け、SiO2成長
阻止マスク9を領域aで幅が20μm、領域bで幅が1
0μmとなるように、1.5μm開口部(成長領域)を
挟んで対向するように形成する。
【0076】次に、このSiO2成長阻止マスク9が形
成された基板上に第2のn−InGaAsP半導体層
8、n−InPスペーサ層10を選択成長する。
【0077】この時、開口部に成長されるInGaAs
P4元結晶である半導体層8の組成は、領域aと領域b
で異なり、領域aでは組成波長1.25μm、層厚0.
2μm、領域bでは組成波長1.15μm、層厚0.1
5μmとされる。
【0078】その結果、領域a及びbの回折格子の光結
合係数はともに25cm-1が得られるが、領域aの回折
格子に対して、領域bの回折格子の位相は両領域の境界
でπずれることになる。すなわち、両領域の境界位置に
λ/4シフトが形成される。
【0079】次に、成長阻止マスク9のマスク幅を全領
域で4μmになるように再度形成し、このマスクを用い
てInGaAsP/InGaAsP多重量子井戸層1
2、組成波長1.2μmのInGaAsP光閉じ込め層
13、及びp−InP層14をMOVPEで選択成長す
る。
【0080】この時、多重量子井戸層12は、InGa
AsP量子井戸(組成波長1.6μm、層厚7nm)と
InGaAsPバリア層(組成波長1.25μm、層厚
10nm)からなり、利得ピーク波長を1.55μmに
設定できた。
【0081】このようにして、各半導体層を形成した
後、成長阻止マスク9のマスク開口幅を全領域で6μm
になるように再度形成し、このマスクを用いて、p−I
nP埋め込み層11(層厚1.5μm)をMOVPEで
選択成長する。
【0082】その後、SiO2膜15を形成し、上部電
極16、下部電極17を通常のスパッタ法等により形成
してλ/4シフトDFBレーザを得ることができた。
【0083】本発明は、光導波方向に屈折率を変調させ
るだけでなく、利得及び損失を変調させる場合にも適用
でき、例えば、利得(損失)結合型DFBレーザ等へも
適用可能である。
【0084】また、本発明は、InGaAsP/InP
系以外の材料を用いた選択成長においても有効である。
【0085】さらに、上記した発明の実施の形態におい
ては、SiO2マスクの開口幅を1.5μmとして光導
波路を選択成長で形成する方法について説明したが、選
択成長のSiO2マスクの開口幅をもっと広くした選択
成長法に対しても有効である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体光素子の製造方法は、均一な周期、深さの回折格子を
用いて、λ/4シフトや、光結合係数を光導波方向に変
調することが可能とされ、λ/4シフトDFBレーザ、
DRレーザ、DBR(分布ブラッグ反射型)レーザ、S
SG−DBRレーザ等を作製する上で非常に有望であ
る。
【0087】また、従来、このような回折格子分布反射
器を有する光素子構造を作製する場合には、結晶成長と
エッチングプロセスを組み合わせた複雑な作製プロセス
を必要としたが、本発明の作製方法によれば、製造工程
(プロセス)を大幅に簡単化することができるという利
点を有する。
【0088】更に、本発明に係る光素子によれば、光結
合係数が変調されている場合にも分布反射器を構成して
いる半導体層が連続した層で接続されているため、各領
域間の光結合効率をほぼ100%とすることができると
いう利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理・作用を説明するための図であ
る。
【図2】本発明の原理・作用を説明するための図であ
る。
【図3】本発明の原理・作用を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態の構成を説明するため
の図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の構成を説明するため
の図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成を説明するため
の図である。
【図7】従来例を説明するための図である。
【図8】従来例(λ/4シフトDFBレーザ)を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 n−InP半導体基板 2 光導波層 3 光導波層 4 光導波層 5 回折格子 6 深い回折格子 7 n−InGaAsP第1半導体層 8 n−InGaAsP第2半導体層 9 SiO2成長阻止マスク 10 n−InPスペーサ層 11 p−InP埋め込み層 12 InGaAsP/InGaAsP多重量子井戸層 13 InGaAsP光閉じ込め層 14 p−InP層 15 SiO2薄膜 16 上部電極 17 下部電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1、第2の半導体層に挟まれた回折格子
    を有する半導体光素子であって、 前記回折格子を挟む前記第1、第2の半導体層のうちの
    少なくとも一の半導体層が、光導波方向に連続的に形成
    され、屈折率が前記光導波方向に連続的にまたは断続的
    に変化し、これに伴い光結合係数が連続的または断続的
    に変化してなる回折格子分布反射器を備えたことを特徴
    とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】前記第1の半導体層の屈折率がn1とさ
    れ、前記第2の半導体層が光導波方向に互いに異なる屈
    折率n0、n2(但し、n0<n1<n2)を有してな
    る回折格子分布反射器を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の半導体光素子。
  3. 【請求項3】複数の光機能領域からなり、少なくとも一
    つの光機能領域が第1の光結合係数(κ1)の回折格子
    分布反射器を有し、他の少なくとも一つの光機能領域が
    第2の光結合係数κ2(但しκ1≠κ2)を有してなる
    回折格子分布反射器を備えたことを特徴とする請求項1
    または2記載の半導体光素子。
  4. 【請求項4】回折格子が第1、第2の半導体層に挟まれ
    てなり、前記第1、第2の半導体層の少なくとも一の半
    導体層がストライプ状誘電体膜を成長阻止マスクとする
    選択成長により形成され、前記マスクが光導波方向に開
    口部を有すると共にマスク幅が可変され、光導波方向に
    前記半導体層の組成波長(屈折率)が可変され、これに
    より光結合係数を変調してなる回折格子分布反射器を有
    することを特徴とする半導体光素子。
  5. 【請求項5】半導体基板上に全面に回折格子を形成する
    工程と、 該回折格子に接する光導波層を形成する工程を含む半導
    体光素子の製造方法において、 前記光導波層を形成する工程が、前記半導体基板上にス
    トライプ方向に幅が可変された互いに対向する誘電体薄
    膜の間に光導波層を選択的に結晶成長することを特徴と
    する半導体光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記光導波層を選択的に結晶成長する際に
    反応管圧力を連続的あるいは断続的に可変させることを
    特徴とする請求項5記載の半導体光素子の製造方法。
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