以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100の模式的な上視図である。半導体レーザ装置100は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106、及び、光フィルタ領域108を備える。活性領域106は光フィルタ領域108に光学的に結合される。活性領域106の、光フィルタ領域108とは反対側に、位相調整領域104及び光反射領域102が、光学的に結合される。光反射領域102及び光フィルタ領域108において、活性領域106で発生した光が反射されて、半導体レーザ装置100はレーザ発振する。発振したレーザ光の位相は、位相調整領域104で調整される。位相調整領域104は、省略されてもよい。光フィルタ領域108は、複数のマイクロヒータ110を有する。第1の実施例では、マイクロヒータ110の数が8の例を示したが、これに限られない。
図2は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100の、図1のA−A'における模式的な断面図である。光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106、及び、光フィルタ領域108は、共通の基板112上に形成される。基板112上に下部クラッド層114が形成される。基板112の裏面に裏面電極148が形成される。下部クラッド層114及び裏面電極148は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106、及び、光フィルタ領域108に共通して形成される。
光反射領域102は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、反射電極142、及び、裏面電極148を備える。光反射領域102における導波路116は、位相調整領域104における導波路116に結合される。導波路116は、下部クラッド層114及び上部クラッド層118より屈折率が高いIII−V族化合物半導体で形成され、レーザ光の光路となる。
光反射領域102において上部クラッド層118は、III−V族化合物半導体で形成された回折格子120を有する。光反射領域102において上部クラッド層118が有する回折格子120は、例えば、複数で、かつ、相互に回折波長が異なる。すなわち、光反射領域102は、例えば、いわゆるサンプルドグレーティングミラーである(ここで、回折波長とは反射強度が、他の波長の光より、高い光の波長をいう。)。これにより、光反射領域102において、回折格子120に対応する複数の波長の光は、他の波長の光より反射強度が高い。反射電極142及び裏面電極148から注入されるキャリアによって、光反射領域102において反射強度が高い光の波長が調整される。
光フィルタ領域108は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、マイクロヒータ110、及び、裏面電極148を備える。光フィルタ領域108における導波路116は、活性領域106における導波路116に結合される。導波路116は、下部クラッド層114及び上部クラッド層118より屈折率が高いIII−V族化合物半導体で形成され、レーザ光の光路となる。
光フィルタ領域108において上部クラッド層118は、III−V族化合物半導体で形成されたチャープ回折格子130を有する。複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、チャープ回折格子130において、回折波長はチャープ回折格子130の領域ごとに異なる。例えば、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、チャープ回折格子130において反射される光の波長が、活性領域106側から、活性領域106の反対側に向かって、連続的に短くなる。一例として、チャープ回折格子130の回折の周期が、活性領域106側において、活性領域106の反対側より広く、光路の方向に活性領域106の反対側に向かって連続的に小さくなる。光フィルタ領域108において、チャープ回折格子130のそれぞれの領域に対応する波長の光が反射される。
光フィルタ領域108において上部クラッド層118上に複数のマイクロヒータ110が形成される。複数のマイクロヒータ110は、チャープ回折格子130に沿って、光路と平行に形成される。これにより、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、複数のマイクロヒータ110に対応する位置のチャープ回折格子130の回折波長が互いに異なる。複数のマイクロヒータ110のそれぞれによって、マイクロヒータ110の下方の領域において、チャープ回折格子130が加熱される。マイクロヒータ110によって加熱された領域では、屈折率が高くなることによってチャープ回折格子130の回折の周期が大きくなる。これにより、チャープ回折格子130によって加熱された領域の回折波長が、加熱されていないときより長くなる。したがって、マイクロヒータ110によりチャープ回折格子130が加熱されることによって、光フィルタ領域108において反射強度が高い光の波長が、調節される。
活性領域106は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、活性電極146、及び、裏面電極148を備える。活性領域106において導波路116は、例えば、上部クラッド層118及び112より屈折率が高いIII−V族半導体で形成された多重量子井戸構造を有する。活性領域106における導波路116は、光フィルタ領域108における導波路116、及び、位相調整領域104における導波路116に、光学的に結合される。
活性領域106における上部クラッド層118上に、活性電極146が形成される。活性領域106における導波路116に、活性電極146及び裏面電極148からキャリアが注入され、かつ、光反射領域102及び光フィルタ領域108で光が反射されて、半導体レーザ装置100がレーザ発振する。
レーザ発振する光は、光反射領域102及び光フィルタ領域108の双方において、反射強度が大きい波長の光である。光フィルタ領域108及び光反射領域102において、反射強度が大きい光の波長は、それぞれ、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。したがって、半導体レーザ装置100でレーザ発振する光の波長は、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。
バーニア効果により、半導体レーザ装置100は広帯域波長変調ができる。チャープ回折格子130にキャリアが注入されないので、光フィルタ領域108における、キャリアのレーザ光吸収による光損失が抑えられ、かつ、キャリアによる半導体の劣化が抑えられる。
位相調整領域104は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、位相調整電極144、及び、裏面電極148を備える。位相調整領域104における導波路116は、下部クラッド層114及び上部クラッド層118より屈折率が高いIII−V族化合物半導体で形成される。また、位相調整領域104における導波路116は、光反射領域102における導波路116、及び、活性領域106における導波路116に、光学的に結合される。
位相調整領域104における上部クラッド層118上に、位相調整電極144が形成される。位相調整電極144及び裏面電極148から注入されるキャリアによって、位相調整領域104においてレーザ光の位相が調整される。
図3は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100の光フィルタ領域108における模式的な断面図である。図3は、図1及び図2のB−B'における断面に相当する。光フィルタ領域108は、B−B'断面において、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、裏面電極148は、絶縁層150、及び、マイクロヒータ110−1を備える。上部クラッド層118はチャープ回折格子130を有する。
光フィルタ領域108は、下部クラッド層114の一部、導波路116、及び、上部クラッド層118が、ハイメサ構造を有する。すなわち、導波路116及び上部クラッド層118は、光路となる領域以外の領域で除去されている。また、下部クラッド層114は、導波路116及び上部クラッド層118が除去された領域で、厚さ方向に一部が除去されて、他の領域より膜厚が薄い。光フィルタ領域108がハイメサ構造を有するので、マイクロヒータ110の熱が、効率よくチャープ回折格子130に伝達される。
導波路116及び上部クラッド層118は、絶縁層150で覆われる。絶縁層150は、上部クラッド層118の上面及び側面、導波路116の側面、並びに、下部クラッド層114のハイメサの領域における側面及び上面を覆って形成される。
マイクロヒータ110−1は、上部クラッド層118の上方で絶縁層150上に形成される。マイクロヒータ110−1は、例えば、Ti層152、Pt層154、及び、Au層156が積層されて形成される。Pt層154上に形成されたAu層156は、一部が除去されて2以上の相互に接続されていない領域に、分割される(図2の部分拡大図D参照)。分割されたAu層156同士の間では、電気抵抗が大きく、電流を流すことによって加熱される。マイクロヒータ110−1以外のマイクロヒータ110、即ちマイクロヒータ110−2〜マイクロヒータ110−8は、マイクロヒータ110−1と同じ構成を有してよい。
図4は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100の非動作時の状態を模式的に説明する図である。すなわち、図4に示した状態で、マイクロヒータ110がいずれもオフである。図4の中央に、チャープ回折格子130の回折波長を、光軸に平行な方向に沿って、模式的に示した。横軸は、チャープ回折格子130の位置に対応し、右側が活性領域106側である。縦軸は、チャープ回折格子130の回折波長を示す。図4の上方には、図4中央のグラフの横軸に対応するマイクロヒータ110を模式的に示す。図4の中央のグラフに模式的に示されるように、チャープ回折格子130の回折の周期に対応して、活性領域106側で、活性領域106の反対側よりチャープ回折格子130の回折波長は長くなる。すなわち、光フィルタ領域108において、活性領域106側で長い波長の光が反射され、反対側で短い波長の光が反射される。
図4の下方に、光の波長と反射強度との関係を示した。横軸は波長であり、縦軸は反射強度を示す。図4の下方のグラフに模式的に示されるように、マイクロヒータ110がいずれもオフであるときに、チャープ回折格子130に対応する波長の範囲で、光フィルタ領域108で反射される光の強度は一定である。
図5は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100の動作時の状態を模式的に説明する図であり、マイクロヒータ110−4がオン状態で加熱されて、他のマイクロヒータ110がオフの状態を示す。図5の中央のグラフ、上方のマイクロヒータ110、及び、下方のグラフは、図4と同じものを表す。
図5に示した状態で、マイクロヒータ110−4がオン状態で加熱されるので、チャープ回折格子130はマイクロヒータ110−4の下方の領域において、加熱されて回折波長が長くなる。一例として、チャープ回折格子130のマイクロヒータ110−4の下方の領域における反射光の波長と、チャープ回折格子130のマイクロヒータ110−5の下方の領域における反射光の波長とが、等しくなる。
上述したように、図4の状態では、マイクロヒータ110が加熱されないので、光フィルタ領域108における反射強度は、いずれの波長範囲でも一定となる。これに対し、図5の状態では、チャープ回折格子130のマイクロヒータ110−4で加熱された領域の回折波長が、マイクロヒータ110−5に対応する領域の回折波長と略等しくなるので、当該領域の回折波長の範囲では、反射強度が強くなる。すなわち、当該波長範囲の光の反射は、チャープ回折格子130の、マイクロヒータ110−4で加熱された領域と、マイクロヒータ110で加熱されないマイクロヒータ110−5に対応する領域との、双方で起こる。したがって光フィルタ領域108は、オフ状態のマイクロヒータ110−4の下方の領域のチャープ回折格子130に対応する波長より長い波長(λ1)に、反射強度のピークを有する。λ1を、光反射領域102における反射強度のピークのいずれかと一致させて、半導体レーザ装置100がレーザ発信し、波長λ1のレーザ光を発する。
上記の例では、加熱されるマイクロヒータ110は一つであるが、動作方法は上記の例に限られない。2以上のマイクロヒータ110が同時に加熱されて、反射強度のピークが変更されてもよい。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置200の模式的な上視図である。図6において図1〜図5と同一の符号を付した要素は、図1〜図5において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。半導体レーザ装置200は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106及び光フィルタ領域108を備える。光フィルタ領域108は、複数のマイクロヒータ110及び複数の回折格子電極210の双方を備える。複数のマイクロヒータ110及び複数の回折格子電極210は、チャープ回折格子130に沿って、光路と平行に、交互に形成される。すなわち、例えば、回折格子電極210−2の前後に、マイクロヒータ110−1及びマイクロヒータ110−3がそれぞれ形成される。
複数の回折格子電極210のそれぞれによって、回折格子電極210の下方の領域において、チャープ回折格子130にキャリアが注入される。キャリアが注入された領域では、プラズマ効果によって半導体の屈折率が下がる。これにより、チャープ回折格子130のキャリアが注入された領域の回折波長が、キャリアが注入されていないときより短くなる。したがって、回折格子電極210及び裏面電極148からキャリアが注入されることによって、光フィルタ領域108において反射強度が高い光の波長が、調節される。
図6のA−A'断面は、マイクロヒータ110−2、マイクロヒータ110−4、マイクロヒータ110−6及びマイクロヒータ110−8を備えず、代わりに回折格子電極210−2、回折格子電極210−4、回折格子電極210−6及び回折格子電極210−8を備える点以外は、図2と同様である。また、図6のB−B'断面は、図3と同様である。
活性領域106において発した光が光反射領域102及び光フィルタ領域108で反射されて、半導体レーザ装置100はレーザ発振する。レーザ発振する光は、光反射領域102及び光フィルタ領域108の双方において、反射強度が大きい波長の光である。光フィルタ領域108及び光反射領域102において、回折波長は、それぞれ、マイクロヒータ110、回折格子電極210、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。したがって、半導体レーザ装置100でレーザ発振する光の波長は、マイクロヒータ110、回折格子電極210、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。
バーニア効果により、半導体レーザ装置100は広帯域波長変調ができる。チャープ回折格子130に注入されるキャリアが抑えられるので、チャープ回折格子130における、キャリアのレーザ光吸収による光損失が抑えられ、かつ、キャリアによる半導体の劣化が抑えられる。
図7は、第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の光フィルタ領域108における模式的な断面図であり、図6のC−C'断面に相当する。図7において、図3と同一の符号を付した要素は、図3において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。光フィルタ領域108は、C−C'断面において、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、裏面電極148、絶縁層150、導電層212、及び、回折格子電極210−2を備える。上部クラッド層118はチャープ回折格子130を有する。
上部クラッド層118上に、導電層212が形成される。導電層212は、上部クラッド層118よりキャリアの濃度が高い半導体で形成され、回折格子電極210との接続抵抗を低くする。
光フィルタ領域108は、下部クラッド層114の一部、導波路116、上部クラッド層118、及び、導電層212が、ハイメサ構造を有する。すなわち、導波路116、上部クラッド層118及び導電層212は、光路となる領域以外の領域で除去されている。また、下部クラッド層114は、導波路116及び上部クラッド層118が除去された領域で、厚さ方向に一部が除去されて、他の領域より膜厚が薄い。光フィルタ領域108がハイメサ構造を有するので、キャリアがチャープ回折格子130に効率よく注入される。
導電層212上に絶縁層150が形成される。導電層212上の少なくとも一部で絶縁層150が除去される。絶縁層150は、上部クラッド層118の側面、導波路116の側面、並びに、下部クラッド層114のハイメサの領域における側面及び上面を覆って形成される。
回折格子電極210−2は、絶縁層150が除去された領域で、導電層212上に形成される。回折格子電極210−2は、導電層212上の絶縁層150が除去された領域を超えて、ハイメサの一方側に連続して、絶縁層150上に形成される。すなわち、回折格子電極210−2は、導電層212、上部クラッド層118、導波路116、及び、下部クラッド層114のハイメサの一方の側面側で、絶縁層150上に形成される。また、導電層212、上部クラッド層118、導波路116、及び、下部クラッド層114の一部が除去された領域であって、ハイメサを挟んだ二つの領域のうちの一方では、下部クラッド層114の上方で絶縁層150上に、ハイメサの側部から連続して回折格子電極210−2が形成される。回折格子電極210−2以外の回折格子電極210、即ち回折格子電極210−4、回折格子電極210−6、及び、回折格子電極210−8は、回折格子電極210−2と同じ構成を有してよい。
図8は、第2の実施形態に係る半導体レーザ装置200の動作時の状態を模式的に説明する図である。図8の中央のグラフ、及び、下方のグラフは、図4及び図5と同じものを表す。図8の上方には、図8中央のグラフの横軸に対応するマイクロヒータ110、及び、回折格子電極210を模式的に示す。
図8に示した状態で、マイクロヒータ110−3がオン状態で加熱される。これにより、チャープ回折格子130はマイクロヒータ110−3の下方の領域において、加熱されて回折波長が長くなる。したがって、図8の状態では、チャープ回折格子130のマイクロヒータ110−3に対応する領域での回折波長の範囲で、反射強度が小さくなる。
図8に示した状態で、回折格子電極210−4がオン状態で回折格子電極210−4及び裏面電極148からキャリアが注入される。これにより、チャープ回折格子130はマイクロヒータ110−4の下方の領域において、屈折率が低下して、回折波長が短くなる。したがって、図8の状態では、チャープ回折格子130の回折格子電極210−4に対応する領域での回折波長の範囲で、反射強度が小さくなる。
マイクロヒータ110−3及び回折格子電極210−4がオンの状態において、光フィルタ領域108は、オフ状態のマイクロヒータ110−3の下方の領域のチャープ回折格子130に対応する回折波長より長く、オフ状態でキャリアが注入されていない回折格子電極210−4の下方の領域のチャープ回折格子130における回折波長より短い波長(λ2)に、反射強度のピークを有する。λ2を、光反射領域102における反射強度のピークのいずれかと一致させて、半導体レーザ装置100がレーザ発信し、波長λ2のレーザ光を発する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300の模式的な上視図である。図9において、図8と同一の符号を付した要素は、図8において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。半導体レーザ装置300は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106及び光フィルタ領域108を備える。光フィルタ領域108は、複数のマイクロヒータ110及び複数の回折格子電極210の双方を備える。複数のマイクロヒータ110及び複数の回折格子電極210は、チャープ回折格子130に沿って、光路と平行に、並列に形成される。すなわち、チャープ回折格子130の同一の領域に対応して、マイクロヒータ110及び回折格子電極210の双方が形成される。複数のマイクロヒータ110及び複数の回折格子電極210によって、チャープ回折格子130の対応する領域の回折波長が、調節される。
活性領域106において発した光が光反射領域102及び光フィルタ領域108で反射されて、半導体レーザ装置100はレーザ発振する。レーザ発振する光は、光反射領域102及び光フィルタ領域108の双方において、反射強度が大きい波長の光である。光フィルタ領域108及び光反射領域102において、反射強度が大きい光の波長は、それぞれ、マイクロヒータ110、回折格子電極210、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。したがって、半導体レーザ装置100でレーザ発振する光の波長は、マイクロヒータ110、回折格子電極210、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。
バーニア効果により、半導体レーザ装置100は広帯域波長変調ができる。チャープ回折格子130に注入されるキャリアが抑えられるので、チャープ回折格子130における、キャリアのレーザ光吸収による光損失が抑えられ、かつ、キャリアによる半導体の劣化が抑えられる。
図10は、第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300の光フィルタ領域108における模式的な断面図であり、図9のB−B'断面に相当する。図10において、図3及び図7と同一の符号を付した要素は、図3及び図7において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。光フィルタ領域108は、B−B'断面において、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、裏面電極148、絶縁層150、マイクロヒータ110−1、導電層212、及び、回折格子電極210−1を備える。上部クラッド層118はチャープ回折格子130を有する。
上部クラッド層118上に導電層212が形成される。マイクロヒータ110−1は、導電層212の上方であって、回折格子電極210−1が形成されていない領域で、絶縁層150上に形成される。マイクロヒータ110−1は、例えば、Ti層152、Pt層154、及び、Au層156が積層されて形成される。マイクロヒータ110−1以外のマイクロヒータ110、即ちマイクロヒータ110−2〜マイクロヒータ110−8は、マイクロヒータ110−1と同じ構成を有してよい。
導電層212上であって、マイクロヒータ110−1が形成されていない領域で、絶縁層150の一部が除去される。回折格子電極210−1は、絶縁層150が除去された領域で、導電層212上に形成される。回折格子電極210は、導電層212上の絶縁層150が除去された領域を超えて、マイクロヒータ110−1が形成された側と反対方向に、ハイメサの一方側に連続して、絶縁層150上に形成される。回折格子電極210−1以外の回折格子電極210、即ち回折格子電極210−2〜回折格子電極210−8は、回折格子電極210−1と同じ構成を有してよい。
図11は、第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300の動作時の状態を模式的に説明する図である。図11の中央のグラフ、及び、下方のグラフは、図4及び図5と同じものを表す。図11の上方には、図11中央のグラフの横軸に対応するマイクロヒータ110−4、及び、回折格子電極210−6を模式的に示す。他のマイクロヒータ110及び回折格子電極210は省略した。
図11に示した状態で、マイクロヒータ110−4がオン状態で加熱される。これにより、チャープ回折格子130はマイクロヒータ110−4の下方の領域において、加熱されて回折波長が長くなる。したがって、図11の状態では、チャープ回折格子130のマイクロヒータ110−4に対応する領域の回折波長の範囲で、反射強度が小さくなる。
図11に示した状態で、回折格子電極210−6がオン状態で回折格子電極210−6及び裏面電極148からキャリアが注入される。これにより、チャープ回折格子130はマイクロヒータ110−6の下方の領域において、屈折率が低下して、回折波長が短くなる。したがって、図11の状態では、チャープ回折格子130の回折格子電極210−6に対応する領域の回折波長の範囲で、反射強度が小さくなる。
マイクロヒータ110−4及び回折格子電極210−6がオンの状態で、光フィルタ領域108は、オフ状態のマイクロヒータ110−4の下方の領域のチャープ回折格子130の回折波長より長く、オフ状態でキャリアが注入されていない回折格子電極210−6の下方の領域のチャープ回折格子130の回折波長より短い波長(λ3)に、反射強度のピークを有する。λ3を、光反射領域102における反射強度のピークのいずれかと一致させて、半導体レーザ装置100がレーザ発信し、波長λ3のレーザ光を発する。
図12は、第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300の光フィルタ領域108の、別の形態の模式的な断面図であり、図9のB−B'断面に相当する。図12において、図7及び図10と同一の符号を付した要素は、図7及び図10において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。光フィルタ領域108は、B−B'断面において、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、導電層212、回折格子電極210−1、絶縁層350、マイクロヒータ110−1、裏面電極148、及び、絶縁層150を備える。上部クラッド層118はチャープ回折格子130を有する。図10に示した光フィルタ領域108は、図7に示した光フィルタ領域108において、上部クラッド層118の上方で、回折格子電極210上に絶縁層350及びマイクロヒータ110を備える点で異なる。
上部クラッド層118上に、導電層212が形成される。導電層212上に絶縁層150が形成される。導電層212上の少なくとも一部で絶縁層150が除去される。絶縁層150は、上部クラッド層118の側面、導波路116の側面、並びに、下部クラッド層114のハイメサの領域における側面及び上面を覆って形成される。回折格子電極210−1は、絶縁層150が除去された領域で、導電層212上に形成される。回折格子電極210−1は、導電層212上の絶縁層150が除去された領域を超えて、ハイメサの一方側に連続して、絶縁層150上に形成される。回折格子電極210−1以外の回折格子電極210、即ち回折格子電極210−2〜回折格子電極210−8は、回折格子電極210−1と同じ構成を有してよい。
上部クラッド層118の上方で、回折格子電極210−1上の少なくとも一部に絶縁層350が形成される。絶縁層350上に、マイクロヒータ110−1が形成される。絶縁層350により、マイクロヒータ110と、回折格子電極210−1とが、電気的に分離される。マイクロヒータ110−1は、例えば、Ti層152、Pt層154、及び、Au層156が積層されて形成される。マイクロヒータ110−1以外のマイクロヒータ110、即ちマイクロヒータ110−2〜マイクロヒータ110−8は、マイクロヒータ110−1と同じ構成を有してよい。マイクロヒータ110が回折格子電極210上に形成されるので、マイクロヒータ110の熱が、導電率の高い回折格子電極210を通して、効率よくチャープ回折格子130に伝達される。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ装置400の模式的な断面図である。図13において、図2と同一の符号を付した要素は、図2において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。半導体レーザ装置400は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106、及び、光フィルタ領域108を備える。光反射領域102は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、反射電極142、及び、裏面電極148を備える。光反射領域102において上部クラッド層118は、回折格子120を備える。活性領域106は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、活性電極146、及び、裏面電極148を備える。位相調整領域104は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、位相調整電極144、及び、裏面電極148を備える。
光フィルタ領域108は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、マイクロヒータ110、及び、裏面電極148を備える。光フィルタ領域108において上部クラッド層118は、III−V族化合物半導体で形成された、複数の回折格子430を有する。
マイクロヒータ110がオフのときに、複数の回折格子430は、互いに回折波長が異なる。例えば、複数の回折格子430のそれぞれにおいて、回折格子の格子周期が互いに異なる一定の値である。これにより、光フィルタ領域108において、反射される光の波長は、複数の回折格子430のそれぞれに対応して、複数のピークを有する。また、複数の回折格子430のそれぞれの回折波長は、例えば、活性領域106側から、活性領域106と反対側に向かって、それぞれの回折格子430ごとに短くなる。
光フィルタ領域108において、上部クラッド層118上に複数のマイクロヒータ110が形成される。複数のマイクロヒータ110のそれぞれは、複数の回折格子430のそれぞれに対応して形成される。例えば、複数のマイクロヒータ110のそれぞれは、複数の回折格子430の上方に形成される。これにより、複数のマイクロヒータ110のそれぞれに対応する位置の回折格子430は、互いに回折波長が異なる。マイクロヒータ110がオン状態になって加熱されると、加熱されたマイクロヒータ110に対応する回折格子430は屈折率が高くなることによって回折の周期が大きくなる。これにより、マイクロヒータ110が加熱された領域に対応する回折格子430の回折波長が、加熱されていないときより長くなる。したがって、マイクロヒータ110により1以上の回折格子430が加熱されることによって、光フィルタ領域108において反射強度が高い光の波長が、調節される。
活性領域106において発した光が光反射領域102及び光フィルタ領域108で反射されて、半導体レーザ装置400はレーザ発振する。レーザ発振する光は、光反射領域102及び光フィルタ領域108の双方において、反射強度が大きい波長の光である。光フィルタ領域108及び光反射領域102において、反射強度が大きい光の波長は、それぞれ、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。したがって、半導体レーザ装置400でレーザ発振する光の波長は、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。
バーニア効果により、半導体レーザ装置400は広帯域波長変調ができる。回折格子430にキャリアが注入されないので、回折格子430における、キャリアのレーザ光吸収による光損失が抑えられ、かつ、キャリアによる半導体の劣化が抑えられる。
図14は、第4の実施形態に係る半導体レーザ装置400の非動作時の状態を模式的に説明する図である。すなわち、図14に示した状態で、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフである。図14の中央に、回折格子430の回折波長を、光軸に平行な方向に沿って、模式的に示した。横軸は、回折格子430の位置に対応し、右側が活性領域106側である。縦軸は、回折格子430の回折波長を示す。図14の上方には、図14中央のグラフの横軸に対応するマイクロヒータ110を模式的に示す。図14の中央のグラフに模式的に示されるように、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、回折格子430に対応して、活性領域106側において、活性領域106の反対側より回折格子430の回折波長は長くなる。すなわち、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、光フィルタ領域108において、活性領域106側で長い波長の光が反射され、反対側で短い波長の光が反射される。
図14の下方に、光の波長と反射強度の関係を示した。横軸は波長であり、縦軸は反射強度を示す。図14の下方のグラフに模式的に示されるように、マイクロヒータ110がいずれもオフであるときに、回折格子430に対応する波長の範囲において、光フィルタ領域108で反射される光の強度は一定である。
図15は、第4の実施形態に係る半導体レーザ装置400の動作時の状態を模式的に説明する図であり、マイクロヒータ110−4がオン状態で加熱され、他のマイクロヒータ110がオフの状態を示す。図15の中央のグラフ、上方のマイクロヒータ110、及び、下方のグラフは、図14と同じものを表す。
図15に示した状態で、マイクロヒータ110−4がオン状態で加熱されるので、回折格子430はマイクロヒータ110−4の下方の領域において、加熱されて回折波長が長くなる。一例として、オン状態のマイクロヒータ110−4の下方の回折格子430の回折波長と、オフ状態のマイクロヒータ110−5の下方の回折格子430の回折波長とが、等しくなる。
したがって、加熱されないマイクロヒータ110−4に対応する回折格子430の回折波長の範囲で、光フィルタ領域108における反射強度が小さくなる。そして、マイクロヒータ110−4で加熱された回折格子430の回折波長の範囲では、反射強度が強くなる。これは、当該波長範囲の光の反射は、マイクロヒータ110−4で加熱された回折格子430と、加熱されないマイクロヒータ110−5に対応する回折格子430との、双方で起こることによる。したがって、マイクロヒータ110−4がオン状態で、光フィルタ領域108は、オフ状態のマイクロヒータ110−4の下方の回折格子430の回折波長より長い波長(λ4)に、マイクロヒータ110−4がオフ状態より高い反射強度のピークを有する。λ4を、光反射領域102における反射強度のピークのいずれかと一致させて、半導体レーザ装置400がレーザ発信し、波長λ4のレーザ光を発する。
上記の例では、加熱されるマイクロヒータ110は一つであるが、動作方法は上記の例に限られない。2以上のマイクロヒータ110が同時に加熱されて、反射強度のピークが変更されてもよい。
図16は、本発明の第5の実施形態に係る半導体レーザ装置500の模式的な断面図である。図16において、図2と同一の符号を付した要素は、図2において説明した要素と同一の機能及び構成を有してよい。半導体レーザ装置500は、光反射領域102、位相調整領域104、活性領域106、及び、光フィルタ領域108を備える。光反射領域102は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、反射電極142、及び、裏面電極148を備える。光反射領域102において上部クラッド層118は、回折格子120を備える。活性領域106は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、活性電極146、及び、裏面電極148を備える。位相調整領域104は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、位相調整電極144、及び、裏面電極148を備える。
光フィルタ領域108は、基板112、下部クラッド層114、導波路116、上部クラッド層118、マイクロヒータ110、及び、裏面電極148を備える。光フィルタ領域108において上部クラッド層118は、III−V族化合物半導体で形成された回折格子530を有する。
回折格子530は、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、いずれの領域においても、回折波長が一定である。例えば、回折格子530のいずれの領域においても、回折格子の格子周期が均一の値である。これにより、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、光フィルタ領域108において反射される光の波長は、単一のピークを有する。
光フィルタ領域108において、回折格子530に対応して、複数のマイクロヒータ110が形成される。例えば、光フィルタ領域108において、回折格子530の上方であって、上部クラッド層118上に複数のマイクロヒータ110が形成される。複数のマイクロヒータ110のそれぞれの長さは、互いに異なる。マイクロヒータ110の長さとは、マイクロヒータ110の光路に平行な方向の大きさをいう。
マイクロヒータ110がオン状態になって加熱されると、加熱されたマイクロヒータ110に対応する回折格子530の領域では屈折率が高くなることによって回折の周期が大きくなる。これにより、マイクロヒータ110によって加熱された領域で反射される光の波長が、加熱されていないときより長くなる。
複数のマイクロヒータ110のそれぞれの長さが互いに異なるので、マイクロヒータ110がオン状態で、複数のマイクロヒータ110のそれぞれによって加熱される回折格子530の領域は、それぞれ、互いに温度が異なり、反射される光の波長が互いに異なる。したがって、マイクロヒータ110により回折格子530が加熱されることによって、光フィルタ領域108において反射強度が高い光の波長が、調節される。
複数のマイクロヒータ110のそれぞれの長さは、一例として、活性領域106側から、活性領域106の反対側に向かって短くなる。これにより、マイクロヒータ110がオンの状態で、光フィルタ領域108において反射される光の波長は、活性領域106側で長く、活性領域106側から、活性領域106の反対側に向かって、光フィルタ領域108において反射される光の波長が短くなる。
活性領域106において発した光が光反射領域102及び光フィルタ領域108で反射されて、半導体レーザ装置500はレーザ発振する。レーザ発振する光は、光反射領域102及び光フィルタ領域108の双方において、反射強度が大きい波長の光である。光フィルタ領域108及び光反射領域102において、反射強度が大きい光の波長は、それぞれ、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。したがって、半導体レーザ装置500でレーザ発振する光の波長は、マイクロヒータ110、並びに、反射電極142及び裏面電極148によって調節される。
バーニア効果により、半導体レーザ装置500は広帯域波長変調ができる。回折格子530の領域にキャリアが注入されないので、回折格子530における、キャリアのレーザ光吸収による光損失が抑えられ、かつ、キャリアによる半導体の劣化が抑えられる。
図17は、第5の実施形態に係る半導体レーザ装置500の非動作時の状態を模式的に説明する図である。すなわち、図17に示した状態で、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフである。図17の中央に、回折格子530のブラッグ波長を、光軸に平行な方向に沿って、模式的に示した。横軸は、回折格子530の位置に対応し、右側が活性領域106側である。縦軸は、回折格子530の回折波長を示す。図17の上方には、図17中央のグラフの横軸に対応するマイクロヒータ110を模式的に示す。図17の中央のグラフに模式的に示されるように、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、回折格子530に対応する領域で回折波長は一定である。すなわち、複数のマイクロヒータ110がいずれもオフの状態で、光フィルタ領域108において、反射される光の波長は一定である。
図17の下方に、光の波長と反射強度の関係を示した。横軸は波長であり、縦軸は反射強度を示す。図17の下方のグラフに模式的に示されるように、マイクロヒータ110がいずれもオフであるときに、回折格子530に対応する波長の光が、光フィルタ領域108で反射される。
図18は、第5の実施形態に係る半導体レーザ装置500の動作時の状態を模式的に説明する図であり、マイクロヒータ110−5がオン状態で加熱状態され、他のマイクロヒータ110がオフの状態を示す。図15の中央のグラフ、上方のマイクロヒータ110、及び、下方のグラフは、図17と同じものを表す。
図18に示した状態で、マイクロヒータ110−5がオン状態で加熱されるので、回折格子530はマイクロヒータ110−5の下方の領域において、加熱されて回折波長が長くなる。したがって、マイクロヒータ110−5がオン状態で、回折格子530の、加熱されていないマイクロヒータ110に対応する領域の回折波長では、光フィルタ領域108における反射強度が、マイクロヒータ110−5がオフの状態より小さくなる。マイクロヒータ110−5がオン状態において、光フィルタ領域108は、オフ状態のマイクロヒータ110の下方の領域の回折格子530の回折波長より長い波長(λ5)に、反射強度のピークを有する。λ5を、光反射領域102における反射強度のピークのいずれかと一致させて、半導体レーザ装置500がレーザ発信し、波長λ5のレーザ光を発する。
上記の例では、加熱されるマイクロヒータ110は一つであるが、動作方法は上記の例に限られない。2以上のマイクロヒータ110が同時に加熱されて、反射強度のピークが変更されてもよい。
以上、光反射領域102がサンプルドグレーティングミラーである例を説明した。しかし、光反射領域102には複数の波長または所定の波長範囲に、反射強度のピークを有するものが利用でき、光反射領域102はサンプルドグレーティングミラーに限られない。例えば、第1実施形態〜第5の実施形態における光フィルタ領域108を、光反射領域102に用いることもできる。これにより、光反射領域102における反射強度のピークを容易に調整することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、マイクロヒータ110の全部又は一部は、始めから加熱されており、反射強度のピークを変化させるときに、マイクロヒータ110の全部または一部の発熱量を増減させてもよい。これにより、波長変化が高速になる。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。