JP2017139341A - 光素子、集積型光素子および光素子モジュール - Google Patents

光素子、集積型光素子および光素子モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2017139341A
JP2017139341A JP2016019468A JP2016019468A JP2017139341A JP 2017139341 A JP2017139341 A JP 2017139341A JP 2016019468 A JP2016019468 A JP 2016019468A JP 2016019468 A JP2016019468 A JP 2016019468A JP 2017139341 A JP2017139341 A JP 2017139341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
layer
optical element
core layer
waveguide core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016019468A
Other languages
English (en)
Inventor
和明 清田
Kazuaki Kiyota
和明 清田
竜也 木本
Tatsuya Kimoto
竜也 木本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2016019468A priority Critical patent/JP2017139341A/ja
Publication of JP2017139341A publication Critical patent/JP2017139341A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】DBR構造を備え、当該DBR構造においてより高い反射率を実現できる光素子を提供すること。【解決手段】クラッド層と、前記クラッド層よりも屈折率が高く、所定の方向に光を導波する導波路コア層とを有する導波路型の光素子であって、前記導波路コア層は、前記導波方向において連続的に存在する導波路領域と、前記導波方向において前記導波路領域と接続し、前記導波方向において周期的かつ離散的に存在する分布ブラッグ反射領域とを有し、前記分布ブラッグ反射領域において、前記離散的に存在する導波路コア層の間は前記クラッド層と同じ材料で埋め込まれており、前記分布ブラッグ反射領域において前記離散的に存在する導波路コア層の周期をΛ、前記導波路コア層の離散的な1つあたりの長さをLとすると、L/Λ>0.5が成り立つ。【選択図】図1

Description

本発明は、光素子、およびこれを用いた集積型光素子ならびに光素子モジュールに関するものである。
導波路に周期的な屈折率変調を与えることによって形成される回折格子が、導波路型光素子では多く用いられる。この回折格子を用いることによって所定の反射波長帯域を形成することができるので、この回折格子を活性領域に付与すればDFB(分布帰還)構造、受動領域に付与すればDBR(分布ブラッグ反射)構造を形成することができる。
導波路に周期的な屈折率変調を与える方法として、導波路コア層の近傍に回折格子を配置する構造が従来多用されてきた。それに対して、エッチング等により導波路コア層を周期的な構造にする方法が近年用いられている(特許文献1、非特許文献1)。導波路コア層はクラッド層との屈折率差が大きく、層への光閉じ込め係数も高い。このため、導波路コア層の近傍に回折格子を配置する場合に比べて、導波路コア層自体をエッチングして回折格子を形成した方が、導波路の屈折率変調を著しく大きくすることができる。これによって回折格子の結合係数を非常に大きくできるため、これをDBR構造に用いた場合には、光導波方向における回折格子の長さを短くすることができる。
特許文献1および非特許文献1はいずれも半導体光素子に関するものである。いずれも導波路コア層を周期的にエッチングした構造を有することは共通している。しかし、特許文献1では導波路コア層を離散的にエッチングし、エッチングした部分をクラッド層と同じ材料であるInPで埋め込んでいるのに比べて、非特許文献1ではエッチングおよび埋め込みをする量子井戸活性層の上下を、屈折率の高いGaInAsP層で挟み込んで、GaInAsP層を含む全体をコアとしていることが異なる。
非特許文献1の構造に比べて、特許文献1の構造は作製が容易であるという利点を有する。これは、次の理由による。非特許文献1の構造の作製時には、下部GaInAsP層上の量子井戸活性層をエッチングしたあと、エッチングした部分にi−InPを選択的に埋め込み、その後その上部全体に上部GaInAsP層とInPクラッド層を順次積層している。このため、エッチング部分のみを半導体材料で埋め込む工程と全体に半導体層を積層する工程との2つの結晶成長工程が必要となる。それに対して特許文献1の構造の作製時には、結晶成長工程は、全体をInPで埋め込むとともにInPクラッド層を形成する1回の工程でよい。また、非特許文献1では表面に凹凸のある半導体層付近にGaInAsPを成長する必要がある。一方、InPは2元材料であるために組成の安定性がよく、組成の変化が格子歪につながるGaInAsPよりも凹凸面上での結晶成長が容易であるので、GaInAsP結晶を凹凸面付近に成長しなくてもよい特許文献1の構造はこの点でも作製が容易である。
特許第5795126号公報
IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL.11, NO.5, pp.1162-1168
回折格子の設計パラメータとして、Duty比がある(以下、Dutyと呼ぶ場合がある)。Duty比とは、光導波方向における回折格子の高屈折率部分の長さと低屈折率部分の長さとの割合を示すパラメータである。以降、高屈折率部分の長さLを回折格子周期Λで除した値(L/Λ)をDuty比またはDutyと呼ぶこととする。
非特許文献1では、回折格子周期を240nmとして、高屈折率部分の長さ(wire width)を40nm〜80nmの条件とすることで高反射率のDBR構造が得られるとされている。この条件は、Duty比で表すと、17%〜33%であって、50%よりも小さい値である。非特許文献1のFig.2からわかるように、これよりもDuty比が大きくなる(wire widthが長い)設計領域では、反射率が急激に低下する。これは、高屈折率部分を構成する量子井戸活性層の吸収損失によるものである。
このように、従来、活性層を周期的にエッチングして構成した回折格子構造においては、Duty比を50%よりも十分に小さい値とすることが、高反射率を得るために必要であると考えられていた。
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、特許文献1のDBR構造の場合、非特許文献1の記載にしたがってDuty比を設計しても、高い反射率を得られない場合があることが判明した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コア層が光導波方向に周期的かつ離散的に存在するDBR構造を備え、当該DBR構造においてより高い反射率を実現できる光素子、およびこれを用いた集積型光素子ならびに光素子モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光素子は、クラッド層と、前記クラッド層よりも屈折率が高く、所定の方向に光を導波する導波路コア層とを有する導波路型の光素子であって、前記導波路コア層は、前記導波方向において連続的に存在する導波路領域と、前記導波方向において前記導波路領域と接続し、前記導波方向において周期的かつ離散的に存在する分布ブラッグ反射領域とを有し、前記分布ブラッグ反射領域において、前記離散的に存在する導波路コア層の間は前記クラッド層と同じ材料で埋め込まれており、前記分布ブラッグ反射領域において前記離散的に存在する導波路コア層の周期をΛ、前記導波路コア層の離散的な1つあたりの長さをLとすると、L/Λ>0.5が成り立つことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、0.8>L/Λが成り立つことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、当該光素子の動作波長が、前記ブラッグ反射領域の反射波長帯域の中心波長よりも長いことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、前記導波路コア層が前記導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、前記クラッド層の屈折率をn2とし、ブラッグ波長を2×(n1×L+n2×(Λ−L))と定義したときに、当該光素子の動作波長が、前記ブラッグ波長よりも長いことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、前記導波路コア層が、前記導波路領域と前記ブラッグ反射領域とを前記導波方向に繰り返し交互に配置したサンプルドグレーティング構造を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、前記導波路コア層の前記導波路領域の近傍に回折格子を備え、前記導波路領域は電流注入によって発光する活性層であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子は、前記導波路コア層が前記導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、前記クラッド層の屈折率をn2とし、前記ブラッグ反射領域のブラッグ波長λ1を2×(n1×L+n2×(λ−L))と定義し、前記回折格子の周期をΛ’とし、前記回折格子のブラッグ波長λ2を、2×n1×Λ’と定義したときに、λ1<λ2が成り立つことを特徴とする。
本発明の一態様に係る集積型光素子は、本発明の一態様に係る光素子を複数集積して構成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光素子モジュールは、本発明の一態様に係る光素子または集積型光素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、より高い反射率を有するDBR構造を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る半導体レーザ素子を光導波方向に沿って切断した模式的な断面図である。 図2は、DBRの反射スペクトルの計算結果を示す図である。 図3は、光の電界分布を示す図である。 図4は、Dutyと反射半値幅との関係を計算した結果を示す図である。 図5は、実施形態1に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する図である。 図6は、実施形態1に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する図である。 図7は、実施形態2に係る集積型半導体レーザ素子の模式的な平面図である。 図8は、図7に示す集積型半導体レーザ素子のA−A線断面図である。 図9は、実施形態3に係る半導体レーザモジュールの模式図である。 図10は、実施形態4に係る半導体レーザ素子を光導波方向に沿って切断した模式的な断面図である。 図11は、図10に示す半導体レーザ素子の利得SG部と受動SG部との反射スペクトルを示す図である。 図12は、図10に示す半導体レーザ素子の受動SG部内にさらにバーニア効果を有する構造を形成した場合の利得SG部と受動SG部との反射スペクトルを示す図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る光素子、集積型光素子および光素子モジュールの実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る導波路型の光素子である半導体レーザ素子を光導波方向(紙面左右方向)に沿って切断した模式的な断面図である。図1に示すように、この半導体レーザ素子100は、裏面にn側電極101が形成されたn型半導体層102と、n型半導体層102上に形成された導波路コア層103と、導波路コア層103上に形成されたp型半導体層104と、p型半導体層104上に形成された回折格子層105と、回折格子層105上に形成されたp型半導体層106と、p型半導体層106上に形成されたp側電極107と、を備えている。
n型半導体層102、導波路コア層103、p型半導体層104、回折格子層105、およびp型半導体層106は、半導体積層構造を形成している。この半導体積層構造は、分布帰還型レーザ部110と、分布帰還型レーザ部110に隣接する分布ブラッグ反射部120とを有している。分布帰還型レーザ部110、分布ブラッグ反射部120の各端面111、121には不図示の反射防止膜が形成されている。
半導体積層構造の各構成要素について説明する。n型半導体層102は、n型InPからなる基板上にn型InPからなるクラッド層が形成された構成を有する。
導波路コア層103は、GaInAsPからなり、複数の障壁層と複数の井戸層とからなる多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造のMQW層と、MQW層を上下から挟むように配置された上部および下部分離閉じ込めヘテロ構造(SCH:Separate Confinement Heterostructure)層とからなるMQW−SCH構造を有する。MQW層の厚さはたとえば40nm〜60nm、上部および下部SCH層のそれぞれの厚さはたとえば30nmである。なお、導波路コア層103は、AlGaInAsで構成してもよい。
ここで、分布帰還型レーザ部110では、導波路コア層103は、光導波方向において連続して存在し、連続した長さを有している導波路領域となっている。一方、分布ブラッグ反射部120では、導波路コア層103は、回折格子を形成するように離散的かつ周期的に存在し、分布ブラッグ反射領域となっている。導波路コア層103の間はp型半導体層104と同じ半導体材料(p型InP)で埋められている。図1に示すように導波路領域と分布ブラッグ反射領域は光導波方向において接続している。
p型半導体層104は、p型InPからなるクラッド層で構成される。p型半導体層104の厚さはたとえば100nm〜200nmである。
回折格子層105は、GaInAsP層が所定の周期で離散的に配置して回折格子を形成し、かつGaInAsP層の間はp型InPで埋められた構成を有する。たとえば、回折格子層105の厚さは5nm〜50nmであり、20nm〜50nmがさらに好ましい。回折格子層105は導波路コア層103の近傍で導波路コア層103に沿って配置している。回折格子層105はその光導波方向の所定の位置にλ/4位相シフト部105aが形成されている。
p型半導体層106は、p型InPからなるスペーサ層上にp型GaInAsPからなるコンタクト層が形成された構成を有する。
p側電極107は、分布帰還型レーザ部110におけるp型半導体層106の最上層であるコンタクト層上に形成されている。コンタクト層は、p側電極107との電気抵抗を低減する機能を有する。
なお、半導体レーザ素子100の半導体積層構造は、図1の紙面と垂直方向の断面では、光導波方向に光を導波するための導波路構造としての公知の埋め込みメサ構造を有している。
つぎに、半導体レーザ素子100の動作を説明する。まず、n側電極101とp側電極107との間に電圧を印加して、駆動電流を注入する。p側電極107は、分布帰還型レーザ部110におけるp型半導体層106上に形成されているので、駆動電流は分布帰還型レーザ部110の導波路コア層103に注入される。すると、駆動電流を注入された分布帰還型レーザ部110の導波路コア層103は、活性層として機能し、MQW層を構成するGaInAsPのバンドギャップ波長に応じた、所定の波長帯域を有する光を発する。
ここで、分布帰還型レーザ部110は、導波路コア層103の近傍に導波路コア層103に沿って配置された回折格子層105を有するため、DFBレーザとして機能する。したがって、駆動電流が注入されると回折格子層105の周期に応じた波長でレーザ発振する。
一方、分布ブラッグ反射部120では、導波路コア層103が回折格子を形成するように離散的かつ周期的に存在しているので、DBR領域として機能する。したがって、分布ブラッグ反射部120は、分布帰還型レーザ部110で発振したレーザ光L20をブラッグ反射する。
したがって、半導体レーザ素子100は分布反射型(Distributed Reflector)半導体レーザ素子として機能し、主に分布帰還型レーザ部110側の端面111からのみレーザ光L10を出力する。
この半導体レーザ素子100では、分布ブラッグ反射部120において導波路コア層103自体がDBR構造を構成しているため、導波路コア層103が形成する回折格子の結合係数κを大きくできる。
また、分布ブラッグ反射部120では、導波路コア層103は電流を注入されていないため、吸収媒体として機能するが、導波路コア層103は離散的に存在しているため、連続的な長さを有する場合よりも光吸収が少ない。その結果、出力されるレーザ光L10の光強度の低下が抑制される。
(設計パラメータ)
ここで、半導体レーザ素子100から出力されるレーザ光L10のパワーを高くするためには、分布ブラッグ反射部120の反射率は高いことが望ましい。そのため、本実施形態1に係る半導体レーザ素子100では、分布ブラッグ反射部120におけるDutyを0.5より大きい0.6とし、レーザ光L10の波長が、分布ブラッグ反射部120の反射波長帯域の中心波長である1.543μmよりも長波長側である1.546μmとなるように、分布帰還型レーザ部110の回折格子層105の周期を設定し、分布ブラッグ反射部120の反射率が高くなるようにしている。ここで、分布ブラッグ反射部120におけるDutyを、高屈折率部分である導波路コア層103の長さLを回折格子周期Λで除した値(L/Λ)とする。したがって、L/Λ=0.6>0.5が成り立っている。なお、回折格子周期Λは、離散的に配置された導波路コア層103のうちの1つの長さと、それに隣接する埋め込まれた部分(埋め込み部)の長さとの和として規定される。なお、導波路コア層103とそれに隣接する埋め込み部との境界が、導波路コア層103の厚さ方向に対して傾斜している場合は、導波路コア層103の厚さ方向の中央において、回折格子周期Λを規定する。
以下、具体的に説明する。
従来、分布ブラッグ反射鏡(DBR)の反射率は、分離法やモード結合理論を用いた転送行列法によって計算されていた。しかし、本発明者らは、良好な反射特性のDBRを得るべくその設計パラメータについて鋭意検討したところ、従来の計算方法には以下のような問題点があることを発見した。
すなわち、従来の方法は、光の導波方向のみの1次元的な構造について考慮して計算を行うものであって、それ以外の構造は反映していなかった。そこで、本発明者らは、2次元の解析方法である2次元FDTD(Finite−Difference Time−Domain)法を用いて計算を行うことに想到した。そして、2次元FDTD法および1次元的な方法である分離法を用いてDBRの反射率を計算し、比較を行った。なお、分離法とモード結合理論とはいずれも1次元的な方法であるが、分離法の方が、屈折率差が大きい場合に精度が高い、ブラッグ波長のDuty依存性を考慮できる、高屈折率部と低屈折率部とで損失に差をつけられる、といった利点があり、活性層としても機能する導波路コア層をエッチングして形成したDBRの反射率を計算するのに適している。
図2は、DBRの反射スペクトルの計算結果を示す図である。図2(a)が分離法を用いた場合の結果を示し、図2(b)が2次元FDTD法を用いた場合の結果を示している。なお、これらの計算では、回折格子を構成する導波路コア層には光損失があり、導波路コア層の間を埋め込んでいる半導体材料には光損失が無いものとしている。また、Dutyが1/6、1/3、1/2、2/3、および5/6について計算をおこなった。
図2(a)に示すように、1次元計算では、反射スペクトルは、反射帯域内で、長波長側ほど反射率が低く、またDutyが大きいほど最大反射率が低いという結果が得られた。この計算結果は、反射率のDuty依存性に関して同様の計算を行っている非特許文献1の開示と同じ傾向である。一方で、図2(b)に示すように、2次元計算では、1次元計算の場合とは逆に、反射帯域内では、短波長側ほど反射率が低く、またDutyが小さいほど最大反射率が低いという結果が得られた。つまり、導波路への光閉じ込めまで考慮できて、素子の実構造により近い、2次元計算によれば、従来の1次元計算とは全く逆の結果が得られることがわかった。
上記のように短波長側ほど反射率が低くなる原因について解明するために、本発明者らはさらに検討を行った。まず、実施形態1の構造において、導波路を構成する半導体材料の光損失をゼロとした理想的なモデルを想定した。そして、このモデルについて、Dutyが0.5のDBRの反射波長帯域の中心波長よりも長波長側(高反射率側)の波長である1.546μmの光と、短波長側(低反射率側)の波長である1.540μmの2つの波長の光のそれぞれについて、導波路領域側(分布帰還型レーザ部110側)から光を入射したときの電界分布を計算した。なお、反射波長帯域の中心波長は、たとえば反射スペクトルにおいて最大反射率の1/2の反射率となっている2つの波長の中間の波長とする。
図3は、光の電界分布を示す図である。図3(a)は長波長側の光、図3(b)は短波長側の光に関する計算結果である。なお、図の左右方向の中心付近に分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部との境界があり、境界より左が分布帰還型レーザ部、右が分布ブラッグ反射部である。
図3(a)に示すように、長波長側では分布ブラッグ反射部に光が損失無く入り込んでいるが、図3(b)に示すように、短波長側では、分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部との境界で大きい散乱損失があることが見て取れる。すなわち、長波長側では光の散乱損失が低いために分布ブラッグ反射部の反射率が高くなり、短波長側では光の散乱損失が高いために反射率が低くなる。
この現象は次のように解釈できる。分布ブラッグ反射部の反射帯域内では、光の導波方向の波数はブラッグ波数にほぼ固定される。このため、光の周波数が低い(真空中波長が長い)とモード屈折率が高く、光の周波数が高い(真空中波長が短い)とモード屈折率が低くなる。これは、光の周波数が低いときには分布ブラッグ反射部の高屈折率部分に定在波が分布し、周波数が高いときには分布ブラッグ反射部の低屈折率部分に定在波が分布することと関連している。
モード屈折率が高い場合、分布ブラッグ反射部の導波路コア層の鉛直方向(半導体積層方向)における光閉じ込めの強さは、分布帰還型レーザ部における連続した導波路コア層における光閉じ込めの強さに近いので、分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部とで導波モードの整合性は高くなる。一方、モード屈折率が低い場合、分布ブラッグ反射部の導波路コア層の鉛直方向における光閉じ込めの強さは、モード屈折率が高い場合よりも低くなる。このため、分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部とで導波モードの整合性が低くなって、両者の境界で大きい接続損失が発生すると考えられる。すなわち、分布ブラッグ反射部が高反射率となるためには、分布帰還型レーザ部を所定の導波モードで導波する光の、導波方向と垂直な断面における電界分布形状と、分布ブラッグ反射部を所定の導波モードで導波する光の、導波方向と垂直な断面における電界分布形状とが、一致するまたはより近い形状であることが好ましい。
以上のことから、分布ブラッグ反射部を高反射率とするために、分布ブラッグ反射部で反射させるべき光の波長が、分布ブラッグ反射部の反射帯域の中心波長よりも長波長側になるように分布ブラッグ反射部を設計することが有効である。より具体的な設計指針としては、1次元的な設計を行った分布ブラッグ反射部の反射波長帯域の中心波長となるブラッグ波長よりも長波側に、反射させるべき波長を位置させることが好ましい。以下、分布ブラッグ反射部で反射させるべき光の波長を、分布ブラッグ反射部の動作波長と呼ぶ場合がある。ここで、ブラッグ波長は、分布ブラッグ反射部における回折格子の周期をΛ、高屈折率部(導波路コア層)の長さをL、導波路コア層が光導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、クラッド層の屈折率をn2として、2×(n1×L+n2×(Λ−L))と定義することができる。
同様に、分布ブラッグ反射部におけるDutyを小さくした場合には、分布ブラッグ反射部中の導波路コア部の割合が減少するので、導波路コア層の鉛直方向における光閉じ込めの強さが低くなる。このため、Dutyを小さくした場合には図3(b)に示す場合と同様に光の散乱損失が大きくなって反射率が低下する。
以上の観点から、分布ブラッグ反射部の反射波長帯域の中心波長よりも長波長側を動作波長とする構成、Dutyが大きい構成、またはこの二つの構成を組み合わせた構成を用いれば、分布帰還型レーザ部を導波する光の電界分布形状と、分布ブラッグ反射部を導波する光の電界分布形状とが、一致するまたはより近い形状となるので、分布ブラッグ反射部の反射率を高くすることができる。なお、実施形態1に係る半導体レーザ素子100では、上記二つの構成を組み合わせた構成を備えているので、分布ブラッグ反射部がより好適に高められている。
なお、図4は、実施形態1において長さを300μmとした分布ブラッグ反射部120について、Dutyと反射波長帯域の半値幅(反射半値幅)との関係を計算した結果を示す図である。図4に示すように、Dutyが0.5より大きい場合に、0.8より小さければ(すなわち、0.5<L/Λの場合にL/Λ<0.8が成り立てば、)、反射半値幅を十分に大きくでき、かつ反射率の低下も抑制できるので好ましい。
以上説明した散乱の効果は、光の進行方向のみの1次元的な計算によっては考慮できないことは明らかであり、2次元的な計算によって得られた結果との違いは、散乱の効果によるものである。
なお、非特許文献1の構造では、エッチングおよび埋め込みをする量子井戸活性層の上下を、屈折率の高いGaInAsP層で挟み込んで、GaInAsP層を含む全体をコアとしているために、上記のような散乱の影響は支配的にはならない。したがって、1次元計算を用いたとしても、大きい差は生じない。
一方、特許文献1や本実施形態1のように、導波路コア層を離散的にエッチングし、エッチングした部分をクラッド材料で埋め込んだDBR構造に対しては、上記散乱の影響を勘案して、分布ブラッグ反射部におけるDutyとレーザ光の波長とを設定することが好ましい。
なお、分布帰還型レーザ部110については、回折格子層105は、導波路コア層103をエッチングして形成したものではなく、導波路コア層103の近傍に配置したものである。このため、分布帰還型レーザ部110においては、回折格子層105のDutyを0.5より大きくする必要は無く、0.5程度とすればDutyのばらつきに対して結合係数のばらつきを抑えることができるので好ましい。また、Dutyを0.5よりも小さくすると、p側電極107と導波路コア層103との間の回折格子層105による電気抵抗を低減することができるので好ましい。なお、たとえば製造上の観点から、分布帰還型レーザ部110の回折格子層105のDutyと分布ブラッグ反射部120の導波路コア層103のDutyとを異なるものにすることが難しい場合には、回折格子層105のDutyを分布ブラッグ反射部120の導波路コア層103のDutyと同じ(すなわち0.5より大きく、本実施形態1では0.6)としてもよい。回折格子層105のDutyについては、これらのいずれの観点によって設計してもよいし、これらの総合的な観点で設計を選ぶことも可能である。
また、本実施形態1においては分布ブラッグ反射部120の反射波長帯域の中心波長よりも長波長側を用いるために、分布ブラッグ反射部120と分布帰還型レーザ部110とを以下のように設計している。すなわち、分布帰還型レーザ部110のように導波路コア層103が光導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、クラッド層の屈折率をn2として、分布ブラッグ反射部120のブラッグ波長λ1を2×(n1×L+n2×(Λ−L))と定義し、回折格子層105の周期をΛ’として、回折格子層105のブラッグ波長λ2を2×n1×Λ’と定義したときに、λ1<λ2が成り立つようにした。具体的な数値を例示すると、モード屈折率n1が3.21であり、クラッド層を構成するInPの屈折率n2が3.17であるときに、Λを240nm、Duty(L/Λ)を0.6とした場合、Λ’は(3.21×0.6×240nm+3.17×0.4×240nm)/3.21=238.80nmよりも大きくなるように、239.2nmとした。このようにすると、レーザ光L10の波長は、分布帰還型レーザ部110のブラッグ波長近傍になるから、半導体レーザ素子100の動作波長であるレーザ発振波長は、分布ブラッグ反射部120の反射波長帯域の中心波長よりも長波長側となる。
ここで、レーザ光L10の波長を分布帰還型レーザ部110のブラッグ波長近傍とするために、本実施形態1では回折格子層105にλ/4位相シフト部105aが設けられている。なお、この位相シフトの与え方を変えた場合、それに応じて分布ブラッグ反射部120のブラッグ波長と分布帰還型レーザ部110のブラッグ波長との相対関係を微調整することは、設計事項の範疇である。
本実施形態1によれば、容易な製造方法で非常に高い結合係数を得ることができる構造である、導波路コア層をエッチングしてエッチングした部分をクラッド材料で埋め込んだ構造において、散乱損失が小さく反射率が高いDBR構造の特性を得ることができる。その結果、本実施形態1に係る半導体レーザ素子100のしきい値利得が非常に小さくなる。これによって、レーザ光の狭周波数線幅化や低消費電力化などの利点が生じる。
(製造方法)
図5、6は、本実施形態1に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する図である。図5、6は図1の断面に対応する断面を示している。
はじめに、分布帰還型レーザ部110となる領域と、分布ブラッグ反射部120となる領域とを有する半導体積層構造を形成する工程について説明する。図5(a)に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)結晶成長装置等の結晶成長装置を用い、n型InPからなる基板上にn型InPからなるクラッド層を形成してn型半導体層102を形成し、さらに、n型半導体層102上に順次導波路コア層103、p型半導体層104、回折格子層105、およびp型半導体層106の一部であるp型半導体層106aを形成する。ただし、このとき回折格子層105は回折格子構造が無いGaInAsP層からなるものである。
つぎに、半導体積層構造のうち、分布帰還型レーザ部110となる領域の回折格子層105を所定の周期で離散的な配置となるようにエッチングする工程について説明する。図5(a)に示すように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってp型半導体層106a上にSiNからなるマスクM1を形成し、所定のマスクパターンにパターニングする。
このパターニングでは、分布帰還型レーザ部110となる領域と分布ブラッグ反射部120となる領域の両方の回折格子に対応したパターンを形成する。このとき、分布帰還型レーザ部110となる領域と分布ブラッグ反射部120となる領域とでそれぞれ所望の構造になるようにパターニングを行う。すなわち、上述したように、分布ブラッグ反射部120となる領域は分布帰還型レーザ部110となる領域よりもDutyが大きく、周期も異なるようにパターニングする。また、分布帰還型レーザ部110となる領域はλ/4位相シフト部105aが形成されるようにパターニングする。
つぎに、図5(b)に示すように、マスクM1をマスクとして、たとえばICP(Inductive Coupling Plasma)−RIE(Reactive Ion Etcher)によって、半導体積層構造をp型半導体層106aおよび回折格子層105より深く、p型半導体層104に到る深さの溝Gを形成するようにエッチングする。これによって、回折格子層105の回折格子構造が形成される。
つぎに、半導体積層構造のうち、分布ブラッグ反射部120となる領域の導波路コア層103を所定の周期で離散的な配置となるようにエッチングする工程について説明する。図5(c)に示すように、溝Gを埋め、かつマスクM1を覆うようにマスクM2を形成し、さらに分布帰還型レーザ部110となる領域のマスクM2上にレジスト膜Rを形成する。ここで、マスクM2は、所定のエッチング液に対するエッチングレートがマスクM1のエッチングレートとは差がある材料とする。マスクM2の材料としてはたとえばSiOであり、SOG(Spin On Glass)を利用できる。なお、マスクM2がSiOからなるものであれば、マスクM1はシリコンや金属からなる膜でもよい。
つぎに、図5(d)に示すように、レジスト膜Rをエッチングマスクとして、緩衝フッ酸液(Buffred HF:BHF)によって分布ブラッグ反射部120となる領域のマスクM2を除去し、溝Gを露出させる。このとき、BHFに対するマスクM2のエッチングレートは、BHFに対するマスクM1のエッチングレートよりも大きいため、マスクM2は選択エッチングされ、マスクM1は残存する。
つぎに、図6(a)に示すように、レジスト膜Rを除去する。さらに、図6(b)に示すように、ICP−RIEによって溝Gをさらに導波路コア層103の底面に到る深さまで深くエッチングする。その結果、分布ブラッグ反射部120となる領域においては、導波路コア層103は溝Gによって分離され、周期的に配置された回折格子構造が形成される。一方、分布帰還型レーザ部110となる領域では導波路コア層103は光導波方向において連続した長さを有したままである。すなわち、第2エッチング工程は、分布帰還型レーザ部110となる領域の最表面にマスクM2を形成し、分布帰還型レーザ部110となる領域の導波路コア層103を該第2エッチング工程におけるエッチングから保護して行う工程である。
なお、分布ブラッグ反射部120においては、回折格子層105は必ずしも存在する必要はないが、回折格子層105も分布ブラッグ反射部120における結合係数κに寄与するので、製造工程において特に除去しなくてもよい。
その後、図6(c)に示すように、マスクM1、M2を除去し、図6(d)に示すように、結晶成長装置にて溝Gを、p型半導体層104と同じ半導体材料である半導体材料Sで埋め込む。その後、公知の方法によって埋め込みメサ構造などの導波路構造の形成、p型半導体層106の残部であるスペーサ層・コンタクト層の形成、および、たとえばAuZnからなるp側電極107およびAuGeNi/Au構造のn側電極101の形成を行い、さらに、反射防止膜の形成や素子分離等の必要な処理を行って、本実施形態1に係る半導体レーザ素子100の構造を完成させる。
(実施形態2)
つぎに、実施形態1に係る半導体レーザ素子を用いた実施形態2に係る集積型光素子である集積型半導体レーザ素子について説明する。図7は、実施形態2に係る集積型半導体レーザ素子の模式的な平面図である。図7に示すように、本実施形態2に係る集積型半導体レーザ素子1000は、それぞれがメサ構造を有する、n個の半導体レーザ素子100−1〜100−n(nは1以上の整数)を備える半導体レーザ部100Nと、半導体レーザ素子100−1〜100−nからの出力光がそれぞれ入力されるn個の光導波路200−1〜200−nを備える光導波路部200Nと、n個の入力ポートを有し光導波路200−1〜200−nの出力光を合流させて出力させることができる光合流器300と、光合流器300からの出力光を増幅する半導体光増幅器(SOA)400とを一つの半導体基板上に集積し、埋め込み部1002により埋め込んだ構造を有する。半導体レーザ部100Nにおいて、半導体レーザ素子100−1〜100−n間の埋め込み部1002には、トレンチ溝108−1〜108−m(m=n―1)を設けている。また、集積型半導体レーザ素子1000の両端面には、戻り光によるノイズを防ぐため、反射防止膜1001が形成されている。
n個の半導体レーザ素子100−1〜100−nは、それぞれが実施形態1の半導体レーザ素子100と同一の構成であり、各々が幅1.5μm〜3μmのストライプ状の埋め込み構造を有する端面発光型レーザであり、集積型半導体レーザ素子1000の一端において幅方向にたとえば25μmピッチで形成されている。半導体レーザ素子100−1〜100−nは、各半導体レーザ素子の設計パラメータを適切に設定することにより、出力光が単一モード発振のレーザ光となり、そのレーザ発振波長がたとえば約1530nm〜1570nmの範囲で互いに相違するように構成されている。また、半導体レーザ素子100−1〜100−nの各発振波長は、集積型半導体レーザ素子1000の設定温度を変化させることにより微調整することができる。すなわち、集積型半導体レーザ素子1000は、駆動する半導体レーザ素子の切り替えと温度制御とにより、広い波長可変範囲を実現している。
なお、温度調整による半導体レーザ素子100−1〜100−nのそれぞれのレーザ発振波長の微調整の範囲は、3nm程度以下とすることが好ましい。したがって、約1530nm〜1570nmの波長範囲をカバーするためには、半導体レーザ素子100−1〜100−nの個数は12以上が好ましく、たとえば16である。ただし、nの値は特に限定されない。また、半導体レーザ素子100−1〜100−nの発振波長の範囲は、たとえば約1570nm〜1610nmとしてもよい。
図8は、図7に示す集積型半導体レーザ素子のA−A線断面を示す図である。図8に示すように、半導体レーザ部100Nの半導体層の構造は、実施形態1に係る半導体レーザ素子100と同一であり、半導体レーザ素子100−1〜100−nの他の半導体層の構造も、半導体レーザ素子100と同一である。ただし、上述のとおり、半導体レーザ素子100−1〜100−nは、その発振波長にあわせて、各パラメータが設定されており、たとえば1530nm〜1570nmの中央近傍、すなわち1550nm近傍に利得ピークの波長を有するように設定されている。このパラメータの設定による半導体レーザの利得ピークの波長は、集積型半導体レーザ素子1000の動作温度である20℃〜60℃におけるものである。
光合流器300は、n個の入力ポートと1つの出力ポートとを有するn×1のMMI(Multi−Mode Interferometer)型光カプラである。図8に示すように、光合流器300は、半導体レーザ素子100−1〜100−nと同様の埋め込みメサ構造を有するが、n側電極301、n型半導体層302、導波路コア層303、p型半導体層304は、それぞれ半導体レーザ素子100のn側電極101、n型半導体層102、導波路コア層103、p型半導体層104と同一の構成であってよい。すなわち、n型半導体層302は、n型InPであってよく、導波路コア層303は、GaInAsPであってよく、p型半導体層304は、p型InPであってよい。ただし、導波路コア層303は、MQW−SCH構造ではなく、単一の組成からなる層であって、光が導波するコア層として機能する。なお、導波路コア層303は、導波路コア層103を構成するMQW層と略等しい厚さとされている。また、光合流器300は、メサ幅が半導体レーザ素子100−1〜100−nよりも幅広く形成されている。また、光合流器300には電流を注入しないため、光合流器300の半導体層の上部には、p側電極を形成しない。
なお、光合流器300は、MMI型光カプラに限定されず、たとえばフレネルカプラのような他のn×1光カプラでもよい。
光導波路200−1〜200−nは、半導体レーザ素子100−1〜100−nと光合流器300との間に形成されており、光合流器300と同様の埋め込みメサ構造を有しており、半導体レーザ素子100−1〜100−nと光合流器300のn個の入力ポートとを光学的に接続している。図8に示すように、n側電極201、n型半導体層202、導波路コア層203、p型半導体層204は、それぞれ光合流器300のn側電極301、n型半導体層302、導波路コア層303、p型半導体層304と同一の構成であってよい。
SOA400は、光合流器300の1つの出力ポート300aに接続している。SOA400は、半導体レーザ素子100−1〜100−nと同様の埋め込みメサ構造を有する。ただし、SOA400は半導体レーザ素子100−1〜100−nとは異なり回折格子層105を有しない。n側電極401、n型半導体層402、導波路コア層403、p型半導体層404、p側電極405は、それぞれ半導体レーザ素子100のn側電極101、n型半導体層102、導波路コア層103、p型半導体層104、p側電極107と同一の構成であってよい。なお、導波路コア層403は、導波路コア層103のMQW層と同一の構成であってよく、多重量子井戸構造であり、両側にSCH層を備えていてもよい。また、p型半導体層404は、p型半導体層106と同様に、上部にp型GaInAsPからなるコンタクト層を備えていてもよい。また、SOA400においても、導波路コア層403の幅は、例えば1.4μm〜1.7μmであるが、半導体レーザ素子100−1〜100−nが出力するレーザ光を単一モードで導波できる幅であれば特に限定はされない。
つぎに、この集積型半導体レーザ素子1000の動作を説明する。まず、半導体レーザ素子100−1〜100−nの中から選択した1つの半導体レーザ素子を駆動し、所望の波長の単一モードレーザ光を出力させる。トレンチ溝108−1〜108−mは半導体レーザ素子100−1〜100−n間を電気的に分離するので半導体レーザ素子間の分離抵抗が大きくなり、半導体レーザ素子100−1〜100−nの中の1つを選択して駆動することが容易にできる。
つぎに、複数の光導波路200−1〜200−nのうち、駆動する半導体レーザ素子と光学的に接続している光導波路は、駆動する半導体レーザ素子からのレーザ光を単一モードで導波する。光合流器300は、光導波路を導波したレーザ光を通過させて出力ポート300aから出力する。SOA400は、出力ポート300aから出力したレーザ光を増幅して、出力端400aから集積型半導体レーザ素子1000の外部に出力する。SOA400は、駆動する半導体レーザ素子からのレーザ光の光合流器300による光の損失を補うとともに、出力端400aから所望の強度の光出力を得るために用いられる。なお、光合流器300がn個の入力ポートと1個の出力ポートとを有する場合、駆動する半導体レーザ素子からのレーザ光の強度は、光合流器300によって約1/nに減衰される。
ここで、本実施形態2に係る集積型半導体レーザ素子1000は、半導体レーザ素子として、実施形態1の半導体レーザ素子100と同一の構造の半導体レーザ素子100−1〜100−nを備えている。そのため、半導体レーザ素子100−1〜100−nのそれぞれは、分布ブラッグ反射部の反射率が高く、光出力が高いとともに周波数線幅が狭い。そのため、半導体レーザ素子100−1〜100−nのそれぞれの駆動電流値を下げることができる。これにより、集積型半導体レーザ素子1000の消費電力を低下させることができる。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る光素子モジュールである半導体レーザモジュールの模式図である。この半導体レーザモジュール10000は、図7、8に示す実施形態2に係る集積型半導体レーザ素子1000を備えるものである。
半導体レーザモジュール10000の構成および動作を説明する。集積型半導体レーザ素子1000は、駆動する半導体レーザ素子に対応する波長のレーザ光を出力する。コリメートレンズ10001は、集積型半導体レーザ素子1000から出力されたレーザ光を平行光線とする。光アイソレータ10002は、コリメートレンズ10001からの平行光線を一方向にのみ透過する。ビームスプリッタ10003は、コリメートレンズ10001からの平行光線の大部分を透過し、一部を分岐する。パワーモニタPD(Photo Detector)10004は、ビームスプリッタ10003により分岐した光を検出し、検出した光強度に応じた電流を出力する。一方、集光レンズ10005は、ビームスプリッタ10003を透過した光を集光して光ファイバ10006に結合する。光ファイバ10006は結合した光を導波し、導波した光は信号光などとして用いられる。
光ファイバ10006からの光出力は一定であることが要求される。光出力を一定にするために、集積型半導体レーザ素子1000において、駆動する半導体レーザ素子の駆動電流を一定に制御した状態で、パワーモニタPD10004から出力される電流が一定となるように、SOA400の駆動電流を制御する光出力一定制御を行う。このような制御は、半導体レーザモジュール10000の外部に設けられ、パワーモニタPD10004から出力される電流が入力されるとともに、集積型半導体レーザ素子1000に駆動電流を供給する制御装置によってなされる。
ここで、集積型半導体レーザ素子の半導体レーザ素子において分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部との境界に散乱損失がある場合、散乱した光が迷光となるという問題がある。このような迷光は、パワーモニタPDに到達してパワーモニタPDによる光強度モニタ精度を低下させ、光出力一定制御の精度も低下させるおそれがある。これを防止するためには、集積型半導体レーザ素子または半導体レーザモジュールに迷光対策を施す必要がある。
これに対して、この半導体レーザモジュール10000では、集積型半導体レーザ素子1000を構成する半導体レーザ素子100−1〜100−nのそれぞれは、分布帰還型レーザ部と分布ブラッグ反射部との境界における散乱損失が小さく、迷光が生じにくい。したがって、この半導体レーザモジュール10000では、迷光対策を必要としない、または、簡易な迷光対策を施すだけでよいこととなる。
(実施形態4)
つぎに、実施形態4に係る光素子である半導体レーザ素子について説明する。本実施形態4に係る半導体レーザ素子は、連続する導波路領域とブラッグ反射領域とを光の導波方向に繰り返し交互に配置したSG(サンプルドグレーティング)構造を備えている。SG構造は、波長に対して周期的な反射率(反射コム)を有するものであり、波長可変レーザ素子などに応用されている。
本発明に係る構成は、導波路領域とブラッグ反射領域との界面における散乱損失を低減する効果を有するものであるから、両者を繰り返し配置したSG構造に適用して効果的である。すなわち、本発明に係る構成を用いないSG構造では、光が繰り返し存在する界面を通過する毎に散乱損失を受け、ブラッグ反射領域の反射率が顕著に低下する。一方、本発明に係る構成を適用した場合は、散乱損失が低減される効果によって高い反射率を得ることができるため、導波路コア層を光導波方向に周期的かつ離散的に配置した分布ブラッグ反射構造をSG構造に適用することが実使用上好適となる。
なお、SG構造においては、反射コムの反射率の均一性を高めるために、ブラッグ反射領域を短く(周期数を小さく)することが必要である。このため、所望の反射率を得るためにはブラッグ反射領域の結合係数を大きくすることが設計上必要となる。したがって、導波路コア層を導波方向に周期的かつ離散的に配置した分布ブラッグ反射構造をSG構造に適用できるメリットは大きい。
図10は、実施形態4に係る半導体レーザ素子を光導波方向に沿って切断した模式的な断面図である。図10に示すように、半導体レーザ素子500は、電流注入によって発光する活性層である導波路コア層503Aを有する利得SG部510と、利得SG部510に隣接し、受動導波路コア層である導波路コア層503Bを有する受動SG部520とを備える。利得SG部510、受動SG部520の各端面511、521には不図示の反射防止膜が形成されている。
また、半導体レーザ素子500は、裏面にn側電極501が形成されたn型半導体層502と、利得SG部510でn型半導体層502上に形成された導波路コア層503Aと、受動SG部520でn型半導体層502上に形成された導波路コア層503Bと、導波路コア層503A、503B上に形成されたp型半導体層504と、利得SG部510のp型半導体層504内に形成された回折格子層505Aと、利得SG部510のp型半導体層504上に形成されたp側電極507と、受動SG部520のp型半導体層504上に形成されたSiNからなる保護膜508と、保護膜508上に形成されたTi/Auからなるヒータ509と、を備えている。
n型半導体層502は、n型InPからなる基板上にn型InPからなるクラッド層が形成された構成を有する。
受動SG部520の導波路コア層503Bは、所定の周期で離散的に存在するGaInAsP層の間がp型半導体層504と同じ半導体材料(p型InP)で埋められた分布ブラッグ反射領域である回折格子G1と、光導波路方向において回折格子G1と接続し、連続的に存在するGaInAsP層からなる導波路領域WG1と、からなるセグメント503Baが、光導波方向に複数配列された構造を有する。導波路コア層503Bは6つのセグメント503Baを有する。各セグメント503Baに含まれる回折格子G1の周期数は10、セグメント503Baの長さは180μmである。
利得SG部510の導波路コア層503Aは、GaInAsPからなり、光導波方向において連続的に存在する導波路領域であり、MQW層と、MQW層を挟むように配置されたSCH層と、からなるMQW−SCH構造を有する。MQW層の厚さはたとえば40nm〜60nm、SCH層の厚さはたとえば30nmである。利得SG部510の回折格子層505Aは、導波路コア層503Aの近傍で導波路コア層503Aに沿って配置している。回折格子層505Aは、所定の周期で離散的に配置されたGaInAsP層の間がp型InPで埋められた分布ブラッグ反射領域である回折格子G2と、連続して存在するGaInAsP層からなる導波路領域WG2と、からなるセグメント505Aaが、導波路コア層503Aに沿って複数配列された構造を有する。導波路コア層503Aは6つのセグメント505Aaを有する。各セグメント505Aaに含まれる回折格子G2の周期数は15、セグメント505Aaの長さは160μmである。ただし、セグメント505Aaのうち、受動SG部520に隣接したセグメント(セグメント505Abとする)は他のセグメント505Aaよりも長い。このセグメント505Abは、さらに利得SG部510と受動SG部520との回折格子位相が実質的にλ/4ずれるようにする位相シフト部を含む。
p型半導体層504は、p型InPからなるクラッド層およびスペーサ層上にp型GaInAsPからなるコンタクト層が形成された構成を有する。
p側電極507は、利得SG部510におけるp型半導体層504の最上層であるコンタクト層上に形成されている。コンタクト層は、p側電極507との電気抵抗を低減する機能を有する。
ヒータ509は、受動SG部520を加熱してその屈折率を変化させるために設けられている。
なお、半導体レーザ素子500の半導体積層構造は、図1の紙面と垂直方向の断面では、光導波方向(紙面左右方向)に光を導波するための導波路構造としての公知の埋め込みメサ構造を有している。
この半導体レーザ素子500は、波長可変レーザとして動作する。図11は、半導体レーザ素子500の利得SG部510と受動SG部520との反射スペクトルを示す図である。SG構造は、セグメントの長さに反比例する波長間隔の反射コムを有する。上述したように、利得SG部510と受動SG部520とで、セグメント505Aaとセグメント503Baの長さが異なるので、図11に示すように、反射コムの波長間隔(隣接する反射率のピーク間の間隔)は両者で異なる。したがって、半導体レーザ素子500では、2つの反射コムの間に生じるバーニア効果によって、2つの反射コムで反射ピークが一致した波長のみでレーザ発振させることができる。それとともに、受動SG部520の屈折率を変化させることによって、どの反射ピークを一致させるかを調整することで、波長可変動作が可能となる。なお、図11では、波長1550nmにおいて2つの反射コムの反射ピークが一致している状態を示している。
具体的には、まず、利得SG部510において、n側電極501とp側電極507との間に電圧を印加して、駆動電流を注入する。駆動電流は利得SG部510の導波路コア層503Aに注入される。すると、導波路コア層503Aは活性層として機能し所定の波長帯域を有する光を発する。
一方、受動SG部520において、ヒータ509に電流を供給して加熱する。これにより受動SG部520の導波路コア層503Bが加熱される。その結果、受動SG部520の波長コムが波長軸上で全体的にシフトする。これにより、利得SG部510の波長コムと受動SG部520の波長コムとで反射ピークが一致する波長が調整される。そして、一致した波長において利得SG部510の回折格子層505Aと受動SG部520の導波路コア層503Bとで光共振器が形成され、受動SG部520は利得SG部510で発振したレーザ光L520をブラッグ反射し、半導体レーザ素子500は、主に利得SG部510の端面511からのみレーザ光L510を出力する。
ここで、半導体レーザ素子500では、受動SG部520の導波路コア層503Bにおける回折格子G1のDutyを0.65としている。これにより、実施形態1に係る半導体レーザ素子100の場合と同様に、散乱損失が小さく反射率が高い分布ブラッグ反射構造の特性を得ることができる。また、反射コムのピークの反射率を高くかつ均一にすることができる。その結果、半導体レーザ素子500のしきい値利得が非常に小さくなるとともに、所望の波長可変帯域内でのしきい値利得のばらつきも小さくすることができる。これによって、レーザ光の狭周波数線幅化や低消費電力化などの利点が生じる。なお、回折格子G1のDutyは、0.5より大きく、好ましくは0.8より小さい。
一方、利得SG部510の回折格子層505Aにおける回折格子G2のDutyについては、0.5程度とすれば、結合係数κを大きくすることができ、好ましい。
なお、半導体レーザ素子500において、受動SG部520を、たとえばセグメント長180μmの2つのセグメント、セグメント長184.3μmの2つのセグメント、セグメント長188.6μmの2つのセグメントを順に接続した構造の導波路コア層を有する受動SG部に置き換えてもよい。このような受動SG部は、受動SG部内にさらにバーニア効果を有する構造を形成したものとなる。この場合、受動SG部との反射スペクトルは図12に示すような、所望の波長帯域(図12の場合は波長1550nm周辺の波長帯域)においてピーク反射率が高く、所望の波長帯域から離れた波長帯域(たとえば1535nm以下または1565nm以上の波長帯域)ではピーク反射率が小さいスペクトル形状となる。これにより、波長1550nm周辺の波長帯域を選択的にレーザ発振しやすくなる。
(製造方法)
本実施形態4に係る半導体レーザ素子500の製造方法の一例について説明する。
まず、MOCVD結晶成長装置等の結晶成長装置を用い、n型InPからなる基板上にn型InPからなるクラッド層を形成してn型半導体層502を形成し、さらに、n型半導体層502上に順次、導波路コア層503Aの構造の導波路コア層、p型半導体層、回折格子層505A、およびp型半導体層504の一部を形成し、半導体積層構造を形成する。ただし、このとき回折格子層505Aは回折格子構造が無いGaInAsP層からなるものである。
つぎに、半導体積層構造のうち、利得SG部510となる部分のみを覆うようにSiNxなどの誘電膜でマスクする。このマスクを用いて、その他の部分の半導体積層構造を上から導波路コア層まで除去する。除去した部分に、MOCVD結晶成長装置等の結晶成長装置を用いて、GaInAsPからなる導波路コア層(導波路コア層503Bとなる層)をバットジョイント法によって積層する。この後、誘電体のマスクを除去する。
つぎに、SiNからなるマスクを形成し、所定のマスクパターンにパターニングする。このパターニングでは、利得SG部510となる領域と受動SG部520となる領域の両方の回折格子G1、G2に対応したパターンを形成する。このとき、利得SG部510となる領域と受動SG部520となる領域とでそれぞれ所望の構造になるようにパターニングを行う。すなわち、受動SG部520となる領域は利得SG部510となる領域よりもDutyが大きく、周期も異なるようにパターニングする。
つぎに、たとえばICP−RIEによって、半導体積層構造を、回折格子層505Aより深い溝Gを形成するようにエッチングする。これによって、回折格子層505Aの回折格子構造が形成される。
つぎに、利得SG部510となる領域をさらにマスクで覆い、ICP−RIEによって受動SG部520となる領域の溝を、さらに導波路コア層の底面に到る深さまで深くエッチングする。その結果、受動SG部520となる領域においては、導波路コア層は溝によって分離され、周期的に配置された回折格子構造である回折格子G1を有する導波路コア層503Bが形成される。一方、利得SG部510となる領域および受動SG部520となる領域の導波路領域WG1では導波路コア層は光導波方向にわたって連続した長さを有したままである。
その後、2つのマスクを除去し、結晶成長装置にて、回折格子構造形成のために形成した溝を、p型半導体層と同じ半導体材料で埋め込む。その後、公知の方法によって埋め込みメサ構造などの導波路構造の形成、p型半導体層504の残部であるスペーサ層・コンタクト層の形成、および、たとえばAuZnからなるp側電極507、Ti/Au構造のヒータ509およびAuGeNi/Au構造のn側電極501の形成を行い、さらに、反射防止膜の形成や素子分離等の必要な処理を行って、本実施形態4に係る半導体レーザ素子500の構造を完成させる。
なお、上記実施形態では、光素子が半導体レーザ素子であるが、本発明は半導体レーザ素子に限定されない。たとえば、光素子は、活性層を有さず、入力された光を高い反射率で反射する反射素子として機能するブラッグ反射素子でもよい。このとき、入力されて反射される光の波長が、ブラッグ反射素子の動作波長を意味する。したがって、当該ブラッグ反射素子は、入力されるべき光の波長が、反射波長帯域の中心波長より長くなるように設計される。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
100、100−1〜100−n、500 半導体レーザ素子
100N 半導体レーザ部
101、201、301、401、501 n側電極
102、202、302、402、502 n型半導体層
103、203、303、403、503A、503B 導波路コア層
104、106、106a、204、304、404、504 p型半導体層
105、505A 回折格子層
105a λ/4位相シフト部
107、405、507 p側電極
108−1〜108−m トレンチ溝
110 分布帰還型レーザ部
111、121、511、521 端面
120 分布ブラッグ反射部
200−1〜200−n 光導波路
200N 光導波路部
300 光合流器
300a 出力ポート
400 SOA
400a 出力端
503Ba、505Aa、503Ab セグメント
508 保護膜
509 ヒータ
510 利得SG部
520 受動SG部
1000 集積型半導体レーザ素子
1001 反射防止膜
1002 埋め込み部
10000 半導体レーザモジュール
10001 コリメートレンズ
10002 光アイソレータ
10003 ビームスプリッタ
10004 パワーモニタPD
10005 集光レンズ
10006 光ファイバ
G 溝
G1、G2 回折格子
L10、L20、L510、L520 レーザ光
WG1、WG2 導波路領域

Claims (9)

  1. クラッド層と、前記クラッド層よりも屈折率が高く、所定の方向に光を導波する導波路コア層とを有する導波路型の光素子であって、
    前記導波路コア層は、前記導波方向において連続的に存在する導波路領域と、前記導波方向において前記導波路領域と接続し、前記導波方向において周期的かつ離散的に存在する分布ブラッグ反射領域とを有し、
    前記分布ブラッグ反射領域において、前記離散的に存在する導波路コア層の間は前記クラッド層と同じ材料で埋め込まれており、
    前記分布ブラッグ反射領域において前記離散的に存在する導波路コア層の周期をΛ、前記導波路コア層の離散的な1つあたりの長さをLとすると、
    L/Λ>0.5
    が成り立つことを特徴とする光素子。
  2. 0.8>L/Λ
    が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の光素子。
  3. 当該光素子の動作波長は、前記ブラッグ反射領域の反射波長帯域の中心波長よりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載の光素子。
  4. 前記導波路コア層が前記導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、前記クラッド層の屈折率をn2とし、
    ブラッグ波長を2×(n1×L+n2×(Λ−L))と定義したときに、
    当該光素子の動作波長は、前記ブラッグ波長よりも長いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光素子。
  5. 前記導波路コア層は、前記導波路領域と前記ブラッグ反射領域とを前記導波方向に繰り返し交互に配置したサンプルドグレーティング構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光素子。
  6. 前記導波路コア層の前記導波路領域の近傍に回折格子を備え、
    前記導波路領域は電流注入によって発光する活性層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光素子。
  7. 前記導波路コア層が前記導波方向に連続的に存在するときのモード屈折率をn1、前記クラッド層の屈折率をn2とし、
    前記ブラッグ反射領域のブラッグ波長λ1を2×(n1×L+n2×(λ−L))と定義し、
    前記回折格子の周期をΛ’とし、
    前記回折格子のブラッグ波長λ2を、2×n1×Λ’と定義したときに、
    λ1<λ2
    が成り立つことを特徴とする請求項6に記載の光素子。
  8. 請求項6または7に記載の光素子を複数集積して構成されていることを特徴とする集積型光素子。
  9. 請求項1〜7に記載の光素子、または請求項8に記載の集積型光素子を備えることを特徴とする光素子モジュール。
JP2016019468A 2016-02-04 2016-02-04 光素子、集積型光素子および光素子モジュール Pending JP2017139341A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016019468A JP2017139341A (ja) 2016-02-04 2016-02-04 光素子、集積型光素子および光素子モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016019468A JP2017139341A (ja) 2016-02-04 2016-02-04 光素子、集積型光素子および光素子モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017139341A true JP2017139341A (ja) 2017-08-10

Family

ID=59566057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016019468A Pending JP2017139341A (ja) 2016-02-04 2016-02-04 光素子、集積型光素子および光素子モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017139341A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004070015A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 誘電体導波路ブラッググレーティング型周波数選択フィルタ
JP2004336002A (ja) * 2003-05-02 2004-11-25 Korea Electronics Telecommun 抽出格子ブラッグ反射器に結合された抽出格子分布帰還波長可変半導体レーザ
WO2014126261A1 (ja) * 2013-02-18 2014-08-21 古河電気工業株式会社 半導体レーザ素子、集積型半導体レーザ素子、および、半導体レーザ素子の製造方法
JP2015072980A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 富士通株式会社 光半導体素子、光半導体素子アレイ、光送信モジュール及び光伝送システム
US20150280402A1 (en) * 2013-02-18 2015-10-01 Innolume Gmbh Single-Step-Grown Transversely Coupled Distributed Feedback Laser

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004070015A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 誘電体導波路ブラッググレーティング型周波数選択フィルタ
JP2004336002A (ja) * 2003-05-02 2004-11-25 Korea Electronics Telecommun 抽出格子ブラッグ反射器に結合された抽出格子分布帰還波長可変半導体レーザ
WO2014126261A1 (ja) * 2013-02-18 2014-08-21 古河電気工業株式会社 半導体レーザ素子、集積型半導体レーザ素子、および、半導体レーザ素子の製造方法
US20150280402A1 (en) * 2013-02-18 2015-10-01 Innolume Gmbh Single-Step-Grown Transversely Coupled Distributed Feedback Laser
JP2015072980A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 富士通株式会社 光半導体素子、光半導体素子アレイ、光送信モジュール及び光伝送システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107431331B (zh) 波长可变激光元件以及激光模块
JP5692387B2 (ja) 半導体光素子
US9312663B2 (en) Laser device, light modulation device, and optical semiconductor device
JP4833665B2 (ja) フォトニック結晶半導体デバイスの製造方法
JP5177285B2 (ja) 光素子及びその製造方法
JP4954992B2 (ja) 半導体光反射素子及び該半導体光反射素子を用いる半導体レーザ及び該半導体レーザを用いる光トランスポンダ
JP5795126B2 (ja) 半導体レーザ素子、集積型半導体レーザ素子、および、半導体レーザ素子の製造方法
JP5182362B2 (ja) 光素子及びその製造方法
JP2011204895A (ja) 半導体レーザ装置
JP2011003591A (ja) 波長ロッカー集積型半導体レーザ素子
WO2016152274A1 (ja) 波長可変レーザ素子およびレーザモジュール
JP6510391B2 (ja) 半導体レーザ
JP6588859B2 (ja) 半導体レーザ
JP2010153826A (ja) 波長可変フィルタ及び波長可変レーザモジュール
JP5365510B2 (ja) 半導体集積素子
JP2011049317A (ja) 半導体レーザ装置
JP4926641B2 (ja) 半導体レーザ
De Koninck et al. Design of a hybrid III–V-on-silicon microlaser with resonant cavity mirrors
JP6895903B2 (ja) 半導体レーザ素子、回折格子構造、および回折格子
JP2017139341A (ja) 光素子、集積型光素子および光素子モジュール
JP2003218462A (ja) 分布帰還型半導体レーザ装置
CN113812049A (zh) 一种用于光子集成电路的分布式反馈激光器装置及其改进和制造方法
JP2009087956A (ja) 外部共振器型波長可変レーザとそれに内蔵する半導体光増幅器
JP6782082B2 (ja) 半導体光素子、およびその製造方法
JP4005519B2 (ja) 半導体光装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200421