JP5303094B2 - インクジェット印刷用の顔料型インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット印刷時にニュートラルカラーを生成するために用いられるブラック及びグレーの顔料系インクに関する。
ハロゲン化銀による写真品質をインクジェット印刷において真に達成するには、複数の濃度のブラックインクを使用する必要がある。ブラックインクにおいては、粒子及びドットの可視性を減ずるために顔料の含有量を低減させることが必要であり、一方、高い光学濃度及び高い色域体積を得るために顔料の含有量を高めることが必要である。
写真印刷においては、通常、カーボンブラックがブラックインクの主要成分である。カーボンブラックに関する1つの基本的な限界は「褐色化」であり、これは、グレーインクにおける場合のように、それが低濃度で使用される際に褐色を帯びた薄い色調となることである。これは、写真等級のカーボンブラックについて特に当てはまる。
ブラックあるいはグレーのインクジェットインクにカーボンブラックを使用する場合に起きる前記問題を処理する1つの方法は、カラーマップ全体に複合ブラックを多量に用いることであった。複合ブラックは、ニュートラルグレー色を作るために、シアン、マゼンタ及びイエローインクの混合物を使用する用法である。複合ブラックは、既知の一連の問題を抱えている。しばしば、液滴重量の変化、ペン配向及びドット配置のエラーに起因して、影及び細線部において色のかぶり/変化が見られる。液滴重量及びインクにおける製造上の変動は、非ニュートラル白黒トーン及びカラーバランス問題に帰着する。これによってまた、密なループカラー補正及び/又は極度に厳しい製造許容度が要求されてきたのである。
インクジェットにおけるブラック及びグレーインクに関する前記問題を処理する別法は、4つの色調のグレーインクを使用することであった。これは、顧客に様々な陰影のブラック(例えば、暖色ニュートラル、冷色ニュートラル、セレニウム、カーボンセピア)をもたらすものである。しかし、これらのインクは、光沢紙への定着性が乏しく且つ光沢をもたらさないため、光沢のある写真印刷には適当でなかった。同様のシステムが、染料系インクを用いて構築されているが、これらは、広範な媒体に印刷する際、耐久性がなく且つカラー問題を抱えている。
本発明は、写真品質のインクジェット印刷に使用することができる、ニュートラルブラックインク及びグレーインクを提供する。
一実施形態では、本発明は、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクを提供する。当該インクは、
インクビヒクル、カーボンブラック(Ki)、シアン顔料(Ci)、及びバイオレット顔料又はマゼンタ顔料のどちらか(V/Mi)を含んで成り、
aKiスペクトル+bCiスペクトル+cV/Miスペクトル=ニュートラルi吸光スペクトルであり、ここで、a、b及びcは、ニュートラルiのKi、Ci及びV/Miの重量パーセントであり且つa+b+c=100%であり、
Ki、Ci、V/Mi、及びニュートラルiの全吸光スペクトルが350nm〜750nmの波長で表れ、
水平軸に波長を、垂直軸に吸光度を示すグラフにおいて、ニュートラルiスペクトルが水平な線に近似する、ニュートラルブラックインクである。
本発明によれば、写真品質のインクジェット印刷に使用することができる、顔料系のニュートラルブラックインク及びグレーインクを提供することができる。
本発明は、グレーインクジェットインク、特に、2つのグレーインク及び1つのブラックインクからなるセットに関連している。各構成インクは、単独であるいは2つもしくは3つのインクの組合せで使用する際に、又は在来のシアン、マゼンタ及びイエロー(CMY)と組合せて使用する際に、広範な媒体及び照明方式においてニュートラルである。非限定例として、これらのインクは、3インクグレースケール(白黒)印刷システム、6−インク印刷システム、8−インク印刷システム及び12−インク印刷システムに使用することができる。それらは、カーボンブラックの優れたニュートラル性(neutrality)と褐色化低減又はブラック顔料のメタメリズム(metamerism)低減を実現するものである。褐色化は、比較的長波長の光線に対する吸収能の低下に起因して、褐色を帯びた薄い色調がカーボンブラックに現れることである。メタメリズムは、ブラック及びグレー顔料によって生じる不均一なスペクトル反射である。本願発明はまた、特に影部における画像品質、開ループニュートラル性(open loop neutrality)、粒状性、及び光沢均一性を著しく改善する。これらのニュートラルインクによって、カラーインクジェット装置による白黒印刷に関して1つの解法がもたらされる。
真のAgX写真品質を達成するには、複数の濃度のブラックインクを使用すべきである。粒子及びドットの可視性を減ずるために少ない顔料含有量(グレーインク)が必要であり、一方、高い光学濃度、従って高い色域体積を得るためには高い顔料含有量が必要である。
カーボンブラックは、当該用途におけるブラック及びグレーインクとして都合良く用いられてきた。カーボンブラックに関する1つの基本的な限界は、グレーインクにおける場合のように、それを低濃度で使用すると褐色を帯びた薄い色調をもたらすことである。これは、写真等級のカーボンブラックに関して特に当てはまる。
本発明では、写真用ブラックインク及びグレーインクを作るのに、顔料ブレンド対処法を用いる。シアン及びマゼンタ顔料を、定義された吸光度比もしくは一定の重量パーセント範囲にてカーボンブラック中にブレンドすることで、用紙上の陰影において完全にニュートラルな写真用ブラックインク、グレーインク、及びライトグレーインクを得ることができるであろう。加えて、得られるブラック又はグレーインクのスペクトル応答は、元の、連続的に希釈した(straight diluted)グレーインク又はブラックインクよりも著しくフラットであり、メタメリズムを著しく減じる。
本発明は、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクに関する。当該インクは、インクビヒクル、カーボンブラック(Ki)、シアン顔料(Ci)及びバイオレット顔料(Vi)(又はマゼンタ顔料(Mi))を含んで成る。Ki、Ci、Vi(又はMi)の吸光度、及びニュートラルiのスペクトルは、波長350nm〜750nmで測定する。ニュートラルiの吸光スペクトルは、水平軸に波長を、垂直軸に吸光度をプロットするグラフにおいて、水平な線に近似する。ニュートラルインクを作るべく一緒にブレンドされる顔料間の関係は、aKiスペクトル+bCiスペクトル+cVi(又はcMi)スペクトル=ニュートラルiスペクトルであり、ここで、a、b、及びcは、ニュートラルiにおけるKi、Ci及びVi(又はMi)の重量パーセントであり、a+b+c=100%である。
実施例2において説明するように、K(カーボンブラック)、C(シアン顔料 PB15:4)及びM(マゼンタ顔料 PR122)を測定し、図3に示すように比較した。その後、K、C及びMをブレンドした。そのブレンド物の吸収スペクトルを図4に示す。図からわかるように、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料、又はカーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料のいずれかをブレンドする際、ニュートラルで、フラットな吸収スペクトルを有するニュートラルブレンドブラックインクジェットインクを得ることができる。
本発明はさらに、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料を含んで成る、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクにも関連しており、この場合、カーボンブラック:シアン顔料:マゼンタ顔料の吸光度比は0.18:0.08:0.05であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nmのピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明はまた、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成る、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクにも関連しており、この場合、カーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比は0.18:0.05:0.08であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明の他の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルミディアムグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルミディアムグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料を含んで成る。当該ニュートラルミディアムグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:マゼンタ顔料の吸光度比は0.04:0.02:0.01であり、当該値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明の他の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルミディアムグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルミディアムグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成る。当該ニュートラルミディアムグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比は0.04:0.01:0.02であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルダークグレーインク及びニュートラルライトグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルダークグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料を含んで成り、この場合、ニュートラルグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:マゼンタ顔料の吸光度比は0.06:0.03:0.02であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。また、ニュートラルライトグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料を含んで成り、ニュートラルライトグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:マゼンタ顔料の吸光度比は0.02:0.01:0.01であり、各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルダークグレーインク及びニュートラルライトグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルダークグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成り、この場合、ニュートラルグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比は0.06:0.02:0.03であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。また、ニュートラルライトグレーインクは、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成り、ニュートラルライトグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比は0.02:0.01:0.01であり、ここで、この各値は、1/5K希釈、波長400−700nm間のピーク最大値にて測定されており、各比の値は+/−25%の範囲にある。
本発明の好ましい実施形態では、カーボンブラックは、FW18、FW2、FW1、FW200(全てデグッサ社で製造);Monarch 1100、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 1000、Monarch 880、Monarch 1300、Monarch 1400、Regal 400R、Regal 330R、Regal 660R(全てカボット社で製造);Reven 5750、Reven 250、Reven 5000、Reven 3500、Reven 1255、Reven 700(全てコロンビアカーボン社で製造)から成る群から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、シアン顔料は、銅フタロシアニン顔料である。
本発明のさらに好ましい実施形態では、シアン顔料は、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB60、PB1、PB2、PB3、PB16、PB22、PB15:34から成る群から選択される。最も好ましい実施形態では、シアン顔料は、PB15:3又はPB15:4である。
本発明の他の好ましい実施形態では、バイオレット顔料は、キナクリドン顔料である。
本発明の他の好ましい実施形態では、マゼンタ顔料は、PR122、PR192、PR202、PR206、PR207、PR209、PR43、PR194、PR112、PR123、PR168、PR184、PR5、PR7、PR12、PR48、PR57、PR57:1から成る群から選択される。最も好ましい実施形態では、マゼンタ顔料は、PR122である。
本発明の他の好ましい実施形態では、バイオレット顔料は、キナクリドン又はジオキサジンをベースとする構造を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、バイオレット顔料は、PV19、PV42、PV23、PV3、PV23、PV32、PV36、及びPV38から成る群から選択される。最も好ましい実施形態では、バイオレット顔料は、PV23である。
本発明はまた、インクビヒクル、1.500〜2.500重量パーセントのカーボンブラック、0.638〜1.063重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.780〜1.300重量パーセントのPR122マゼンタ顔料を含んで成る、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクにも関連する。
本発明はまた、インクビヒクル、1.568〜2.613重量パーセントのカーボンブラック、0.317〜0.529重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.438〜0.731重量パーセントのPV23バイオレット顔料を含んで成る、インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクにも関連する。
本発明の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルミディアムグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルミディアムグレーインクは、インクビヒクル、0.375〜0.625重量パーセントのカーボンブラック、0.152〜0.253重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.203〜0.339重量パーセントのPR122マゼンタ顔料を含んで成る。
本発明の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルミディアムグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルミディアムグレーインクは、インクビヒクル、0.314〜0.523重量パーセントのカーボンブラック、0.068〜0.113重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.101〜0.169重量パーセントのPV23バイオレット顔料を含んで成る。
本発明の他の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルダークグレーインク及びニュートラルライトグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルダークグレーインクは、インクビヒクル、0.495〜0.825重量パーセントのカーボンブラック、0.210〜0.351重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.257〜0.429重量パーセントのPR122マゼンタ顔料を含んで成り、そしてニュートラルライトグレーインクは、インクビヒクル、0.165〜0.275重量パーセントのカーボンブラック、0.070〜0.117重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.086〜0.143重量パーセントのPR122マゼンタ顔料を含んで成る。
本発明の他の好ましい実施形態では、ニュートラルブラックインクは、ニュートラルダークグレーインク及びニュートラルライトグレーインクと一緒に印刷され、当該ニュートラルダークグレーインクは、インクビヒクル、0.517〜0.862重量パーセントのカーボンブラック、0.105〜0.174重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.145〜0.241重量パーセントのPV23バイオレット顔料を含んで成り、そしてニュートラルライトグレーインクは、インクビヒクル、0.172〜0.287重量パーセントのカーボンブラック、0.035〜0.058重量パーセントのPB15:4シアン顔料、0.048〜0.80重量パーセントのPV23バイオレット顔料を含んで成る。
顔料系インクを使用する際、以下の3種の異なるブラックをしばしば用いる−写真印刷用の少なくとも2つ(フォトブラック及びグレー)と普通紙用の1つ(マットブラック)。フォトブラックは、光沢表面を備える写真用紙上で最も効率的にインクジェット印刷されるブラックインクである。フォトブラックインクは、マットブラックより小さいサイズのカーボンブラック顔料を含んでおり、従って、光沢紙上に印刷される際に有効である。マットブラックインクは、マット表面を備える普通紙又は写真用紙上で最も効率的にインクジェット印刷されるブラックインクである。マットブラックインクは、マット表面を備える普通紙又は写真用紙上での印刷において、その効率を高めるところの比較的大きなサイズのカーボンブラック顔料を含んでいる。
非限定例として、本発明のニュートラルインクは、3−インク、6−インク、8−インク、又は12−インクのインクセットに用いることができる。
3−インクのインクセットの一例は以下の通りである。
写真印刷用 − ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー及びニュートラルライトグレー
普通紙用 − ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー及びマットブラック
6−インクのインクセットの一例は以下の通りである。
写真印刷用−ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー、ニュートラルライトグレー、シアン、マゼンタ(又はバイオレット)、及びイエロー
普通紙用−ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー、マットブラック、シアン、マゼンタ(又はバイオレット)、及びイエロー
8−インクのインクセットの一例は以下の通りである。
写真印刷用−ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー、ニュートラルライトグレー、シアン、ライトシアン、マゼンタ(又はバイオレット)、ライトマゼンタ(又はライトバイオレット)及びイエロー
普通紙用−ニュートラルブラック、ニュートラルダークグレー、マットブラック、シアン、ライトシアン、マゼンタ(又はバイオレット)、ライトマゼンタ(又はライトバイオレット)及びイエロー
12−インクのインクセットの一例は以下の通りである。
写真印刷用−ニュートラルブラック、ニュートラルライトグレー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ(又はライトバイオレット)、イエロー、赤色、緑色、青色、バイオレット及びオレンジ
普通紙用−ニュートラルブラック、マットブラック、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ(又はライトバイオレット)、イエロー、赤色、緑色、青色、バイオレット及びオレンジ
普通紙用のその他の例−ニュートラルブラック、マットブラック、ニュートラルグレー、ニュートラルライトグレー、シアン、マゼンタ、ライトマゼンタ(又はライトバイオレット)、イエロー、オレンジ、バイオレット、グリーン、及び光沢最適化剤
染料をブレンドすることはインクジェット産業においては通常の手段であるとはいえ、顔料をブレンドすることは希であり且つ粒子コロイド安定性によって困難であるが、本発明においては光沢表面上でとりわけ高光沢性と耐久性をもたらすところの顔料を用いて達成している。本発明の顔料は共にブレンドされ、そして既知のポリマー及び特定の分散システムを用いて水溶液中に分散させることができる。そのような分散システムの1方式の例は、限定はしないが、顔料及び/又はカーボンブラックの表面に1種あるいは複数種のポリマーを付着させるか、又はそれらと会合させるものである。当該システムは、以下の特許又は特許出願に記載されている − 米国特許第6,506,240号、6,648,953号、及び米国特許出願第2001/0035110号(全てセイコーエプソン社に帰属)、米国特許第6,494,943号及び米国特許出願第2003/0205171号及び2002/0005146(全てカボット社に帰属)、米国特許第6,555,614号(大日本インク化学社に帰属)。前述の分散システムの別方式の非限定的な例には、顔料及び/又はカーボンブラックを1種あるいは複数種のポリマーでカプセル封止するものがある。当該システムは、以下の特許又は特許出願に記載されている − 米国特許第6,074,467号、5,741,591号、5,556,583号、4,740,546号、及び4,170,582号(全て大日本インク化学社に帰属)、及び米国特許出願第2003/0195274(セイコーエプソン社に帰属)。
本発明に使用される分散システムの好ましい実施形態では、顔料及び/又はカーボンブラックの表面に会合させる1つあるいは複数のポリマーは、アクリレートである。
完全なニュートラル性、褐色化の低減、並びに最小のメタメリズムを適度に実現可能であることに加えて、本発明のブレンドブラックインク及びグレーインクは、素晴らしい白黒印刷に対する1つの解法をもたらす。本発明はまた、閉ループカラー校正でプリンターの費用節減を実現するものである。さらに、ブレンドされたインクは、特に影部の画像品質、粒状性、及び光沢均一性を著しく改善する。KCMY複合物の代わりにブレンドインクを使用することで、紙上の全インクフラックスも低減される。
ニュートラルミディアムグレーインクを、カーボンブラック(0.5wt%)、シアン顔料(0.202wt%PB15:4)、及びマゼンタ顔料(0.271wt%PR122)をビヒクルと共にブレンドすることによって構成した。ニュートラルミディアムグレーインクブレンドの色、即ちカラーマップ上で213と示すドット、を試験し、その結果を図2に示すカラーマップ上にプロットした。
比較例として、図1は、カラーマップ上の2つの在来グレーインク、即ち113及び115、の褐色化を示す。2つのグレーインク、即ち113及び115は、純カーボンブラックから作製した。113はEpson2200Grayであり、115は1wt%のBP1100である。このグラフから、単位面積当りのインク体積が増加すると、色が変化することが分かる。
図2は、上述のようにして作製したニュートラルミディアムグレーインクのニュートラル性を示す。あるいは本発明のブレンド物は、カラーマップの固有要求を満足すべく任意のL値を達成するよう作製することもできる。本発明のブレンド物における広い混合比範囲は、マップの“a”及び“b”面において横方向に、またL軸に沿っても広がることができる。
K(カーボンブラック)(313と表示)、C(シアン顔料 PB15:4)(315と表示)及びM(マゼンタ顔料 PR122)(317と表示)の個々の吸収スペクトルを測定し、図3に示すように比較した。次いで、K、C及びMをブレンドして、ニュートラルブラックインクを得た。K、C及びMをブレンドする際、その目標は、できるだけフラットな吸収スペクトルにすることであった。当該ブレンドに関する吸収スペクトル413を図4に示す。当該ブレンドの吸収スペクトルは、図4記載のほぼ水平の線のような、吸光チャート上のフラットラインに近似することが見てとれる。これは、350nm〜750nmにおいて、K、C、及びMの個別の吸光度を足し合わせることで、水平な吸光ラインに近似する吸光特性を有するニュートラルブレンドブラックインク(図3に示すような)を得ることができる際に達成される。水平ラインに近似する吸光特性を有するニュートラルブレンドを得るために足し合わされるよう要求されるK、C及びMの量は、式a+b+c=100%によって決定することができ、ここで、a、b、及びcは、それぞれ、K、C及びMの重量パーセント量である。バイオレット顔料がマゼンタ顔料と置換される際も、同様の条件下でニュートラルブレンドブラックインクを得ることができる。
図5に示すように、グラフは、K(カーボンブラック)(点513)、C(シアン顔料 PB15:4)(点519)及びM(マゼンタ顔料 PR122)(点521)のブレンドの標的面積−対−個々の未ブレンドのK、C及びMのポイントの位置(K=513、C=519、M=521)を示すべく、aの色空間でプロットしたものである。未ブレンドのK、C及びMの点から三角形(その周界を515と標識)を定義し、その内部がニュートラルブレンドのK、C及びM点に対する標的(517と表示された標的の中央)であった。
K、C(PB15:4)及びM(PR122)のブレンド物を、実施例5で検討するA色空間の判定基準に基づいて、そのニュートラル性に関して測定した。各ブレンドを、重量パーセントによる組成と吸光度比による組成の両方に関して同定した。2色を組み合わせた印刷(ニュートラルブラック(フォトブラック)とニュートラル中間グレー)、並びに3色を組み合わせた印刷(ニュートラルブラック(フォトブラック)、ニュートラルダークグレー、及びニュートラルライトグレー)に関して、最もニュートラルなブレンド物を両方で得た。当該ブレンド物における各顔料の量の上限及び下限もまた、各ブレンド物のニュートラル性の測定中心の+/−25%をとることで計算した。各値は、1/5K 希釈、波長400−700にて測定した。その測定から得られたデータを、それぞれ、2色及び3色の組合せ印刷に関するデータを示している、下の表1及び表2に示す。A色空間に関しては、a=0、b=2である。可能な最低のLが望まれたので、Lを5未満にとった。カーボンブラックの使用量は、可能であれば最大とした。
Figure 0005303094
Figure 0005303094
図6は、2つのインクのインクジェット印刷サンプルに関する、反射率対光波長をプロットしたものである。当該インクの一方は、希釈したカーボンブラックをベースとしたブラックインク(615と表示)であり、他方は、本用途の好ましい実施形態、即ちカーボンブラックをマゼンタ(PR122)及びシアン(PB15:4)顔料とブレンドし且つ本発明に従ってポリマーで分散したニュートラルダークグレーインク(613と表示)であった。図6に示す値によれば、ニュートラルダークグレーインクに対する0.64というΔE値に比較して、希釈ブラックインクに関しては1.58というΔE値が得られた。ΔEは、一対の着色サンプル間における知覚される色差を定量的に表示するように考えられたものである。ΔEは、CIEDE2000色差方程式(参照することで本明細書に取り入れることとする、CIE Technical Report ISBN 3 901 906 08 8,CIE 142−2001において説明されている)を用いて計算した。メタメリズムは、あるライト条件下では互いに一致するが、別のライト条件下では互いに一致しないところの色差であるという事実に基づけば、ΔEによりメタメリズムを測定することができる。詳細には、D50(5000°Kの昼光を表す)及び次にF11(広輝度昼光蛍光源を表す)の測色用の光を想定して、スペクトルデータをLの測定値に変換し、そして前述のCIEDE2000方程式を用いて2値間のΔEを計算した。メタメリズムの測定値として、グレー及びブラックに対する1というΔE値は、概略、人間の肉眼にとってかろうじて僅かに認識できる色差を意味する。それ故、図6記載の上記データから、本発明のグレーインクが、在来のブラックインクよりも、認識し得るほど低いメタメリズムを示すことが立証された。
実施例5記載のL色空間の判定基準に基づいて、K、C(PB15:4)及びV(PV23)からなるブレンド物のニュートラル性について測定した。各ブレンドを重量パーセントによる組成と吸光度比による組成の両方に関して同定した。2色を組み合わせた印刷(ニュートラルブラック(フォトブラック)とニュートラルミディアムグレー)、並びに3色を組み合わせた印刷(ニュートラルブラック(フォトブラック)、ニュートラルダークグレー、及びニュートラルライトグレー)に関して、最もニュートラルなブレンド物を両方で得た。当該ブレンド物における各顔料の量の上限及び下限もまた、各ブレンド物のニュートラル性の測定中心の+/−25%をとることで計算した。各値は、1/5K希釈時に、波長400−700nm間のピーク最大値で測定した。その測定から得られたデータを、それぞれ、2色及び3色の組合せ印刷に関するデータを示している、下の表3及び表4に示す。L色空間に関しては、a=0、そしてb=2である。可能な最低のLが望まれたので.Lを5未満にとった。カーボンブラックの使用量は、可能であれば最大とした。
Figure 0005303094
Figure 0005303094
図7は、2つのインクのインクジェット印刷サンプルに関する、反射率対光波長をプロットしたものである。当該インクの一方は、希釈したカーボンブラックをベースとしたブラックインク(717と表示)であり、他方は、本用途の好ましい実施形態、即ちカーボンブラックをバイオレット顔料(PV23)及びシアン顔料(PB15:4)とブレンドし且つ本発明に従ってポリマーを用いて分散させたニュートラルダークグレーインク(715と表示)であった。この混合物は、D50(5000°Kの昼光を表す)のライト条件下で、a=0.1、b=0.7である。図7に示す値に基づけば、この顔料の組合せに関する最適な混合比は、37.2部のカーボンブラック、2.7部のシアン及び1部のバイオレットであることが確認された。詳細には、D50を想定して、スペクトルデータをL測定値に変換した。それ故、図8記載の上記データから、本発明のグレーインクが、在来のブラックインクよりも、認識し得るほど低いメタメリズムを示すことが立証された。
カーボンブラック、バイオレット及びシアンを種々の割合でブレンドしたニュートラルミディアムグレーに関して試験し、その結果をカラーマップ上に、ドット813(ニュートラル性ターゲット)、815(純ブラック)、818(バイオレット漸増)、819(シアン漸増)、及び821(シアン及びバイオレット最大量)としてプロットした。そのマップを図8に示す。
図8は、カラーマップ上のドットとして、カーボンブラック、シアン及びバイオレットを種々にブレンドしたニュートラルミディアムグレーインクの位置を示す。カーボンブラックのみの場合、ドット(815)は、a軸のやや右にある頂点近くに集中する。カーボンブラックにシアンを加えると、ドット(819)は、マップ上を、NEからSWへと斜めにシフトする傾向があった。カーボンブラックにバイオレットを加えると、ドット(817)は、NWからSEへと斜めにシフトする傾向があった。最適なブレンドに到達すると、マップ上のドット(813)の位置は、0.0、即ちニュートラル性ターゲット、に接近する。最大量のシアン及びバイオレットを加えると、ドット(821)は、マップの底辺へとシフトした。
純カーボンブラックから作製された2つのグレーインクの褐色化を示すa色空間のグラフ 本発明のブレンドされたニュートラルグレーインクのニュートラル性を示すa色空間のグラフ 未ブレンドのカーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料のスペクトル反射率曲線 ブレンドされたブラック顔料のスペクトル反射率曲線であって、本発明の一実施形態の中間トーンのグレーカラー領域に関して所望のフラットなスペクトル応答を示すグラフ K(カーボンブラック)、C(シアン顔料)及びM(マゼンタ顔料)のブレンド物のターゲット点対個々の未ブレンドのK、C及びMの点の位置を示すa色空間のグラフ 2つのインク(ニュートラルグレー及び希釈ブラック)のインクジェット印刷サンプルに関する、反射率対光波長をプロットしたグラフ ブレンドしたニュートラルグレーインクのニュートラル性を示すa色空間のグラフ 2つのインク(カーボンブラック、シアン及びバイオレットの混合物を含むインクと、カーボンブラックのみを含むインク)に関する、反射率対光波長をプロットしたグラフ

Claims (27)

  1. インクジェット印刷用のニュートラルブラックインクであって、
    インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成り、ブラックインク用の前記カーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.182:0.047:0.083であり、ここで、この各値は、1/5000(1/5K)希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料が、前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を水溶液中に分散させ得る1つ又は複数のポリマーと結合している、ニュートラルブラックインク。
  2. 前記1つ又は複数のポリマーが、アクリレートを含む、請求項1に記載のニュートラルブラックインク。
  3. 前記ニュートラルブラックインクがニュートラルミディアムグレーインクと一緒に印刷され、前記ニュートラルミディアムグレーインクが、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びマゼンタ顔料を含んで成り、前記ニュートラルミディアムグレーインク用の前記カーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.036:0.010:0.019であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項1に記載のニュートラルブラックインク。
  4. 前記ニュートラルブラックインクがニュートラルダークグレーインク及びニュートラルライトグレーインクと一緒に印刷され、
    前記ニュートラルダークグレーインクが、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成り、前記ニュートラルダークグレーインク用の前記カーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.060:0.015:0.027であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記ニュートラルライトグレーインクが、インクビヒクル、カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を含んで成り、前記ニュートラルライトグレーインク用の前記カーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.020:0.005:0.009であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項1に記載のニュートラルブラックインク。
  5. 前記ニュートラルブラックインクにおいて、前記カーボンブラックが1.568〜2.613wt%であり、
    前記シアン顔料が0.317〜0.529wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記バイオレット顔料が0.438〜0.731wt%であり且つバイオレット顔料を含む、請求項1に記載のニュートラルブラックインク。
  6. 前記ニュートラルミディアムグレーインク中の前記カーボンブラックが0.314〜0.523wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルミディアムグレーインク中の前記シアン顔料が0.068〜0.113wt%であり且つPB15:4を含み、
    前記ニュートラルミディアムグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.101〜0.169wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項3に記載のニュートラルブラックインク。
  7. 前記ニュートラルダークグレーインク中の前記カーボンブラックが0.517〜0.862wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記シアン顔料が0.105〜0.174wt%であり且つPB15:4を含み、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.145〜0.241wt%であり且つバイオレット顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記カーボンブラックが0.172〜0.287wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記シアン顔料が0.035〜0.058wt%であり且つシアン顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.048〜0.080wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項4に記載のニュートラルブラックインク。
  8. インクジェット印刷用のインクセットであって、
    ニュートラルブラックインクと、
    ニュートラルミディアムグレーインク、ニュートラルダークグレーインク、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、バイオレットインク及びオレンジインクから成る群から選択される少なくとも1つのインクと、
    からなるインクセットを含み、
    前記ニュートラルブラックインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.1820.0470.083であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料が、前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を水溶液中に分散させ得る1つ又は複数のポリマーと結合している、インクジェット印刷用インクセット。
  9. 前記インクセットがニュートラルミディアムグレーインクを含み、前記ニュートラルミディアムグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0360.0100.019であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項8に記載のインクセット。
  10. 前記インクセットが前記ニュートラルダークグレーインク及び前記ニュートラルライトグレーインクを含み、
    前記ニュートラルダークグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0600.0150.027であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記ニュートラルライトグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0200.0050.009であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項8に記載のインクセット。
  11. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルダークグレーインク、及びニュートラルライトグレーインクを含んで成る3−インクインクセットである、請求項8に記載のインクセット。
  12. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルライトグレーインクと併用するためのニュートラルグレーインク、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを含んで成る6−インクインクセットである、請求項8に記載のインクセット。
  13. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルライトグレーインクと併用するためのニュートラルグレーインク、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク及びライトマゼンタインクを含んで成る8−インクインクセットである、請求項8に記載のインクセット。
  14. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルミディアムグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、バイオレットインク及びオレンジインクを含んで成る12−インクインクセットである、請求項8に記載のインクセット。
  15. 前記ニュートラルブラックインクにおいて、前記カーボンブラックが1.568〜2.613wt%であり、
    前記シアン顔料が0.317〜0.529wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記バイオレット顔料が0.438〜0.731wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項8に記載のインクセット。
  16. 前記ニュートラルミディアムグレーインク中の前記カーボンブラックが0.314〜0.523wt%のカーボンブラックであり、
    前記シアン顔料が0.068〜0.113wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記バイオレット顔料が0.101〜0.169wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項9に記載のインクセット。
  17. 前記ニュートラルダークグレーインク中の前記カーボンブラックが0.517〜0.862wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記シアン顔料が0.105〜0.174wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.145〜0.241wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記カーボンブラックが0.172〜0.287wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記シアン顔料が0.035〜0.058wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.048〜0.080wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項10に記載のインクセット。
  18. インクジェット印刷時に褐色化及びメタメリズムの低減したグレー、ブラック及びニュートラル領域を印刷する方法であって、
    ニュートラルブラックインクと、
    ニュートラルミディアムグレーインク、ニュートラルダークグレーインク、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、バイオレットインク及びオレンジインクから成る群から選択される少なくとも1つのインクと、 から成るインクセットを用いて媒体上に印刷するステップを包含し、
    前記ニュートラルブラックインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.1820.0470.083であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料が、前記カーボンブラック、シアン顔料及びバイオレット顔料を水溶液中に分散させ得る1つ又は複数のポリマーと結合している、方法。
  19. 前記インクセットが前記ニュートラルミディアムグレーインクを含み、前記ニュートラルミディアムグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0360.0100.019であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項18に記載の方法。
  20. 前記インクセットが前記ニュートラルダークグレーインク及び前記ニュートラルライトグレーインクを含み、前記ニュートラルダークグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0600.0150.027であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にあり、
    且つ前記ニュートラルライトグレーインク用のカーボンブラック:シアン顔料:バイオレット顔料の吸光度比が0.0200.0050.009であり、ここで、この各値は、1/5K希釈時に、シアン及びバイオレットに関しては波長400nm−700nm間のピーク最大値によって、カーボンブラックに関しては500nmにて測定されており、各比の値が+/−25%の範囲にある、請求項18に記載の方法。
  21. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルダークグレーインク、及びニュートラルライトグレーインクを含んで成る3−インクインクセットである、請求項18に記載の方法。
  22. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルダークグレーインク、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを含んで成る6−インクインクセットである、請求項18に記載の方法。
  23. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラルダークグレーインクと、ニュートラルライトグレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク及びライトマゼンタインクを含んで成る8−インクインクセットである、請求項18に記載の方法。
  24. 前記インクセットが、ニュートラルブラックインク、ニュートラル中間グレーインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、バイオレットインク、及びオレンジインクを含んで成る12−インクインクセットである、請求項18に記載の方法。
  25. 前記ニュートラルブラックインク中の前記カーボンブラックが1.568〜2.613wt%であり、
    前記ニュートラルブラックインク中の前記シアン顔料が0.317〜0.529wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記ニュートラルブラックインク中の前記バイオレット顔料が0.438〜0.731wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項18に記載の方法。
  26. 前記ニュートラルミディアムグレーインクにおいて、前記カーボンブラックが0.314〜0.523wt%のカーボンブラックであり、
    前記シアン顔料が0.068〜0.113wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記バイオレット顔料が0.101〜0.169wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項19に記載の方法。
  27. 前記ニュートラルダークグレーインク中の前記カーボンブラックが0.517〜0.862wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記シアン顔料が0.105〜0.174wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記ニュートラルダークグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.145〜0.241wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記カーボンブラックが0.172〜0.287wt%のカーボンブラックであり、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記シアン顔料が0.035〜0.058wt%であり且つPB15:4シアン顔料を含み、
    前記ニュートラルライトグレーインク中の前記バイオレット顔料が0.048〜0.080wt%であり且つPV23バイオレット顔料を含む、請求項20に記載の方法。
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