JP3859109B2 - 黒色再現性に優れたブラックインク組成物を用いた記録方法 - Google Patents

黒色再現性に優れたブラックインク組成物を用いた記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、第一のブラックインク組成物と、第二のブラックインク組成物とを組み合わせて記録媒体に印刷を行う記録方法、特にインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
背景技術
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速で印刷可能であるという特徴を有する。
【0003】
インクジェット記録に使用されるインク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。インクジェット記録用インク組成物に用いられる着色剤としては、色剤の彩度の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性などの理由から水溶性染料が数多く使用されている。しかし、一方で染料は本質的に水溶性であることから、耐水性等の諸特性に劣ることがある。
【0004】
顔料は、染料に比べて耐水性に優れており、近年、耐水性を改善する目的でインクジェット記録用インク組成物の着色剤として利用が検討されている。ブラックインク組成物にあっては、着色剤としてカーボンブラックが用いられるのが一般的である。
【0005】
【発明の概要】
本発明者らが、ごく薄い濃度のカーボンブラックを含むブラックインク組成物による印刷物を注意深く観察したところ、わずかに黄色みがかった黒色が観察された。純粋なブラックは、無彩色(a*=0、b*=0)であるが、それからずれることが観察された。
【0006】
本発明者は、上記したごくわずかな彩色を改善することで印刷物の印字品質を予想以上に改善することができること、さらに、彩色の改善にあたり、染料ではなく、有機顔料の添加によることが望ましいとの知見を得た。
【0007】
さらに本発明者らの得た知見によれば、上記の有機顔料と組み合わせたカーボンブラックを含むブラックインク組成物と、より黒色濃度の高いブラックインク組成物とを組み合わせて印字することにより良好な黒色画像が実現できるとの知見を得た。本発明は、これら知見に基づくものである。
【0008】
従って、本発明は、黒色再現性に優れた、第一のブラックインク組成物と第二のブラックインク組成物とを用いた記録方法の提供をその目的としている。
【0009】
本発明による記録方法は、第一のブラックインク組成物と、第二のブラックインク組成物とを組み合わせて記録媒体に印刷を行なう記録方法であって、
第二のブラックインク組成物がカーボンブラックと、マゼンタ有機顔料と、シアン有機顔料とを少なくとも含んでなるインク組成物であり、かつ、
第一のブラックンク組成物が第二のブラックインク組成物よりも黒色濃度の高いものである記録方法である。
【0010】
【発明の具体的説明】
【0011】
記録方法
本発明による記録方法は、第一のブラックインク組成物と、第二のブラックインク組成物とを組み合わせて印刷を行う記録方法によって、良好な黒色画像を実現することができる。インク組成物を用いた記録方法とは、例えば、インクジェット記録方法、ペン等による筆記具による記録方法、その他各種の印刷方法が挙げられる。特に本発明による記録方法は、インクジェット記録方法を好ましくは用いる。
【0012】
本発明の好ましい態様によれば、第二のブラックインク組成物により低濃度ブラック部分を印刷し、第一のブラックインク組成物を用いて高濃度ブラック部分を印刷する。より好ましくは、第一のブラックインク組成物を60%duty未満で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を低濃度ブラック部分として、第二のブラックインク組成物により印刷を行い、一方、第一のブラックインク組成物を100%duty以下60%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を高濃度ブラック部分として、第一のブラックインク組成物により印刷を行う。
【0013】
また、本発明の別の好ましい態様によれば、第二のブラックインク組成物により低濃度ブラック部分を印刷し、第一のブラックインク組成物を用いて高濃度ブラック部分を印刷し、そしてさらに中濃度ブラック部分を、第二のブラックインク組成物と、第一のブラックインク組成物とをともに用いて印刷する。より好ましくは、第一のブラックインク組成物を50%duty未満で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を低濃度ブラック部分として、第二のブラックインク組成物により印刷を行い、第一のブラックインク組成物を100%duty以下70%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を高濃度ブラック部分として、第一のブラックインク組成物により印刷を行い、そしてさらに第一のブラックインク組成物を70%duty以下50%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を中濃度ブラック部分として、第二のブラックインク組成物と、第一のブラックインク組成物とをともに用いて印刷する。
【0014】
本明細書において使用される単位「duty」は、下記の式(I)で定義され、算出される値Dの単位を示すものである。
Figure 0003859109
【0015】
第一のブラックインク組成物
本明細書においては、第一のブラックインク組成物は第二のブラックインク組成物よりも黒色濃度の高いものを意味するものである。また、黒色濃度が高いとは、明度が黒により近いことを意味する。第一のブラックインク組成物が、下記に説明する第二のブラックインク組成物と同様にカーボンブラックを着色剤として含む場合には、黒色濃度は着色剤の濃度が高いこととほぼ同義である。
【0016】
従って、本発明の好ましい態様によれば、第一のブラックインク組成物の着色剤がカーボンブラックである場合、その添加量は1.5〜5.0重量%程度が好ましくは2.0〜4.5重量%程度である。
【0017】
上記態様において、第一のブラックインク組成物の組成は、マゼンタ有機顔料およびシアン有機顔料を含まない以外は、第二のブラックインク組成物と同様であってよい。また、着色剤としては、第二のブラックインク組成物よりも黒色濃度が高い限り、カーボンブラック以外の染料または顔料のいずれであってもよい。
【0018】
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0019】
顔料としては、無機顔料または有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
第二のブラックインク組成物
本発明による第二のブラックインク組成物は、カーボンブラックと、マゼンタ有機顔料と、シアン有機顔料とを少なくとも含んでなる。
【0020】
カーボンブラックとしては、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを利用することができる。
【0021】
本発明においてマゼンタ有機顔料およびシアン有機顔料は、利用するカーボンブラックが有するわずかな彩色を打ち消すために添加される。上記したように、ごくわずかな彩色ではあるが、これを実質的に無くすことで印刷画像品質の大きな改善が得られる。さらに、このわずかな彩色は、カーボンブラックの濃度が低い場合に顕著に観察される。しかし、本発明によればカーボンブラック濃度の低いインク組成物にあっても良好な黒色、さらには良好な印刷画像が形成できる。
【0022】
本発明において用いられるマゼンタ有機顔料およびシアン有機顔料は、上記彩色を実質的に無くすことが出来るものであれば特に限定されないが、本発明の好ましい態様によれば、マゼンタ有機顔料としてC.I.ピグメントレッド122を、またシアン有機顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いることが好ましい。これら二つの有機顔料の利用、とりわけ同時の利用が、最も好ましい。
【0023】
カーボンブラック、マゼンタ有機顔料、およびシアン有機顔料の添加量は適宜決定されてよい。本発明の好ましい態様によれば、カーボンブラックの添加量は0.5〜5.0重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量%程度である。さらに、マゼンタ有機顔料の添加量は、0.01〜1.5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1重量%程度であり、シアン有機顔料の添加量は、0.01〜1.5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1重量%程度である。さらに、本発明の好ましい態様によれば、カーボンブラックと、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントブルー15:3とを、1:0.01〜0.5:0.01〜0.5の重量比で含んでなるのが好ましい。
【0024】
本発明において、カーボンブラック、マゼンタ有機顔料、およびシアン有機顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。顔料微粒子は、その平均粒径が200nm以下であるのが好ましく、より好ましくは150nm以下である。
【0025】
また、本発明の好ましい態様によれば、顔料は、顔料を分散剤で溶媒中に分散させて得られた顔料分散液としてインク組成物に添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調製するのに用いられている公知の分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を利用することができる。
【0026】
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サボニンなどのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0027】
さらに高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン酸;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニルクロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびこれらの塩が挙げられる。これらのなかで、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および、疎水性基と親水性基とを合わせ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体は、重量平均分子量が3,000〜30,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜15,000である。
【0028】
また、分散剤として好ましい界面活性剤の例としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン界面活性剤;脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウムなどの陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0029】
これらの分散剤の添加量は、インク組成物中の顔料の総量1に対して0.1〜1重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1重量%の範囲である。
【0030】
本発明によるインク組成物は、水と、水溶性有機溶媒との混合物を基本溶媒として形成されるのが好ましい。
【0031】
本発明において添加される水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インク組成物の乾燥時間を短くする効果がある。
【0032】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、ノズルにおける目詰まりを防止するため、さらに高沸点有機溶媒を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0033】
低沸点有機溶剤の添加量はインク組成物の0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。また、高沸点有機溶媒の添加量は、インク組成物の0.5〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。
【0034】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、界面活性剤を含むことができる。好ましい界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以上を混合して用いることができる。また、アセチレングリコール(オレフィンY、ならびにサーフィノール82、104、440、465、485、およびTG(いずれもAir Products and Chemicals Inc. 製))を用いることも可能である。
【0035】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は糖を含有してもよい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0036】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0037】
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0038】
その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
【0039】
インクセット
本発明の別の態様によれば、前記第一のブラックインク組成物と第二のブラックインク組成物とを少なくとも含んでなるインクセットが提供される。このインクセットは、上記した本発明の記録方法に用いることができる。
【0040】
【実施例】
インクの調製
下記の組成のインク組成物を、次のように調製した。まず、顔料と分散剤樹脂とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散した。その後、ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で20分間攪拌した。5μmのメンフランフィルターでろ過し、下記のブラックインクセット1〜3の組成物を調整した。
なお、以下で%は重量%を表す。
【0041】
ブラックインクセット1
高濃度ブラックインク組成物1
カーボンブラック 3.0%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 1.5%(固形分)
スクロール 0.7%
グリセリン 13%
ジエチレングリコール 5%
サーフィノール465 1%
純水 残量
【0042】
低濃度ブラックインク組成物1
カーボンブラック 1.1%
C.I.ピグメントブルー15:3 0.2%
C.I.ピグメントレッド122 0.5%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 0.5%(固形分)
グリセリン 15%
エチレングリコール 5%
トリエタノールアミン 0.7%
サーフィノール465 1%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 8%
純水 残量
【0043】
ブラックインクセット2
高濃度ブラックインク組成物2
カーボンブラック 3.5%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 1.5%(固形分)
グリセリン 10%
エチレングリコール 5%
トリエタノールアミン 0.8%
サーフィノール465 1%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3%
純水 残量
【0044】
低濃度ブラックインク組成物2
カーボンブラック 1.2%
C.I.ピグメントブルー15:3 0.3%
C.I.ピグメントレッド122 0.4%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 0.5%(固形分)
グリセリン 15%
エチレングリコール 7%
トリエタノールアミン 0.7%
サーフィノール465 0.8%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5%
純水 残量
【0045】
ブラックインクセット3
高濃度ブラックインク組成物3
カーボンブラック 4.0%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 1.5%(固形分)
グリセリン 11%
2−ピロリドン 2%
トリエタノールアミン 0.5%
サーフィノール465 0.9%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8%
純水 残量
【0046】
低濃度ブラックインク組成物3
カーボンブラック 1.5%
C.I.ピグメントブルー15:3 0.6%
C.I.ピグメントレッド122 0.3%
分散剤(スチレン‐アクリル酸共重合体) 0.8%(固形分)
グリセリン 18%
ジエチレングリコール 7%
トリエタノールアミン 0.7%
サーフィノール465 1%
純水 残量
【0047】
印字評価試験1
インクジェットプリンタMJ−750C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、上で調製したインク組成物により、インクジェット専用記録媒体(セイコーエプソン株式会社製、専用光沢フィルム)にグレースケールパターンを印刷した。その際、高濃度ブラックインク組成物を100%以上70%duty超過で印刷したとき、70%duty以下50%duty超過で印刷したとき、そして50%duty以下で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を、それぞれ高濃度ブランクインク組成物単独で、高濃度ブランクインク組成物と低濃度ブラックインク組成物とをともに、そして低濃度ブラックインク組成物単独で印刷を行った。1ドット当たりの吐出インク重量は0.040μgとし、解像度は360dpi×360dpiとした。
【0048】
得られたグレースケールパターンにおけるドットの視認性を目視により下記の基準で評価した。
評価A:いかなるduty部においてもドットの視認は不可能である。
評価B:低duty部(50%duty以下)において、わずかにドットが確認できる。
評価C:0〜50duty部において、ドットが確認できる。
【0049】
印字評価試験2
印字評価試験1で得られたグレースケールパターンの30%dutyに相当する部分について評価した。得られた画像の色相をMacbeth CE−7000分光光度計(Macbeth製)を用いて、CIEで規定されている色差表示法のL***表色系の座標を求め、下記の式で定義される彩度C* の値を基準に画 像を評価した。
*=((a*)2+(b*)2)1/2
基準
評価A:C*<3
評価B:C*<7
評価NG:C*≧7
【0050】
以上の結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 0003859109

Claims (6)

  1. 第一のブラックインク組成物と、第二のブラックインク組成物とを組み合わせて記録媒体に印刷を行うインクジェット記録方法であって、
    第一のブラックインク組成物が着色剤としてカーボンブラックを含んでなるインク組成物であり、
    第二のブラックインク組成物が0.5〜5重量%のカーボンブラックと、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントブルー15:3とを少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記カーボンブラックと、前記C.I.ピグメントレッド122と、前記C.I.ピグメントブルー15:3とを、1:0.01〜0.5:0.01〜0.5の重量比で含んでなり、かつ、
    第一のブラックインク組成物が第二のブラックインク組成物よりも黒色濃度の高いものである、記録方法。
  2. 前記第二のブラックインク組成物により低濃度ブラック部分を印刷し、前記第一のブラックインク組成物を用いて高濃度ブラック部分を印刷する、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記第一のブラックインク組成物を60%duty未満で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を低濃度ブラック部分として、前記第二のブラックインク組成物により印刷を行い、
    前記第一のブラックインク組成物を100%duty以下60%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を高濃度ブラック部分として、前記第一のブラックインク組成物により印刷を行う、請求項2に記載の記録方法。
  4. 中濃度ブラック部分を、前記第二のブラックインク組成物と、前記第一のブラックインク組成物とをともに用いて印刷する、請求項3に記載の記録方法。
  5. 前記第一のブラックインク組成物を50%duty未満で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を低濃度ブラック部分として、前記第二のブラックインク組成物により印刷を行い、
    前記第一のブラックインク組成物を100%duty以下70%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を高濃度ブラック部分として、前記第一のブラックインク組成物により印刷を行い、
    前記第一のブラックインク組成物を70%duty以下50%duty超過で印刷したときのブラック濃度に対応する部分を中濃度ブラック部分として、前記第二のブラックインク組成物と、前記第一のブラックインク組成物とをともに用いて印刷する、請求項4に記載の記録方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録方法に用いられるインクセットであって、
    インクセットが第一のブラックインク組成物と、第二のブラックインク組成物とを少なくとも含んでなり
    第一のブラックインク組成物が着色剤としてカーボンブラックを含んでなるインク組成物であり、
    第二のブラックインク組成物が0.5〜5重量%のカーボンブラックと、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントブルー15:3とを少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記カーボンブラックと、前記C.I.ピグメントレッド122と、前記C.I.ピグメントブルー15:3とを、1:0.01〜0.5:0.01〜0.5の重量比で含んでなり、かつ、
    第一のブラックインク組成物が第二のブラックインク組成物よりも黒色濃度の高いものである、インクセット。
JP13149399A 1999-05-12 1999-05-12 黒色再現性に優れたブラックインク組成物を用いた記録方法 Expired - Fee Related JP3859109B2 (ja)

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