JP5302800B2 - 便通改善並びに皮膚改善用組成物 - Google Patents

便通改善並びに皮膚改善用組成物 Download PDF

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Description

本発明は殻付きハトムギの粉砕物を原料とするハトムギ酵素分解物、ハトムギ酵素分解物からなる便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善剤及びハトムギ酵素分解物を含有する便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善用組成物に関する。
従来より、ハトムギを原料とし、皮膚の状態を改善したり便通を改善する方法が種々提案されている。例えば、ハトムギ(殻を剥いだものあるいは殻のついたもの)を粗粉砕したものにプロテアーゼとα−アミラーゼを加えて処理したものを粉末化して得られる、皮膚改善効果を有するハトムギエキス(特許文献1)、ハトムギ青葉の乾燥粉末または抽出物からなる、血中脂質量の抑制効果や血糖上昇抑制作用を有する抗酸化剤(特許文献2)、ハトムギ等の穀物に対し少なくとも2種の互いに基質特異性及び反応速度の異なる酵素(アミラーゼ、グルコシダーゼ、プロテアーゼ、及びペプチダーゼから選択される少なくとも2種の酵素)を反応させて得られる、メラニン産生抑制作用、表皮角化細胞増殖作用、あるいは保湿作用を有する穀物酵素分解物(特許文献3)、ハトムギの穀、薄皮、あるいは渋皮を発酵、又は酵素処理(ジアスターゼ剤、タカジアスターゼ剤、α−アミラーゼ剤、β−アミラーゼ剤、グルコアミラーゼ剤、ペクチナーゼ剤、β−グルコシダーゼ剤、セルラーゼ剤、ヘミセルラーゼ剤及びキシラナーゼ剤から選ばれる少なくとも一種)して得られるか、又はそれぞれをハトムギの子実の熱水抽出物、エタノール抽出物、発酵処理物及び酵素処理物のうち少なくとも一つからなる加工物に配合するか、又はそれぞれから抽出したオリゴ糖からなる腫瘍、ヒト乳頭腫ウィルス性疾患、皮膚改善、便秘の予防又は治療剤(特許文献4)、ハトムギに澱粉分解酵素(アミラーゼ)、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)、麹菌(米麹)、多糖類分解微生物の少なくとも一つを加えて反応させるか、この反応中または反応後に、酵母、乳酸菌、脂肪分解酵素の少なくとも一つをさらに加えて反応させて得られる、皮膚疾患改善効果、細胞活性化効果、皮膚改善効果を示すハトムギエキス(特許文献5)、薬用植物にデンプン分解酵素(アミラーゼ)、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)、こおじ菌、多糖類分解微生物のうち少なくとも一つを加え反応させるか、この反応中または反応後に、酵母、乳酸菌、脂肪分解酵素の少なくとも一つをさらに加えて反応させて生薬エキスを抽出する生薬エキス抽出方法およびイボ取り効果、肌活性効果、利尿効果を有する該生薬エキス(特許文献6)、ヨクイニン末の溶液にヨウ素を混和してできた発色液に、酵素〔澱粉分解酵素(アミラーゼ)、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)の混合物のほか、さらに繊維素分解酵素(セルラーゼ)または脂肪分解酵素(リパーゼ)を混合したもの〕を作用させて退色させることを特徴とする皮膚防御、改善性物質の製造法(特許文献7)、ハトムギ粉砕物を水に分散させ、これに耐熱性澱粉液化酵素(バシラス・サブチリス等の細菌アミラーゼ)を加えて撹拌処理する第一工程、糖化酵素(リゾプス系、アスペルギルス系)及び中性プロテアーゼ(アスペルギルス系、ストレプトミセス系、バシラス系プロテアーゼ、パパイン)を加え特定温度で処理後、ろ過、濃縮を行う第二工程とより成るハトムギ成分の抽出法(特許文献8)、などが知られている。
特開2008−48723 特開2006−335701 特開2006−296255 WO2002/072123 特開平7−274914 特開平7−304680 特開昭58−79928 特開昭48−10212
上記のハトムギを原料とし、酵素処理、発酵処理、抽出処理などを施して便通改善あるいは皮膚改善用物を得る従来法では、ハトムギの殻を剥いで得られるヨクイニンを原料として用いるものがほとんどであり(特許文献1、3、4、5、6、7、8)、また殻付きのハトムギ(特許文献1)を用いるものもあるが、ヨクイニンを原料として用いるもの共々、いずれも酵素分解処理後、遠心分離や濾過などにより不溶物または残渣を除去し、得られた上清や濾液を用いるものである。更に、ハトムギの青葉(特許文献2)を用いるものや、ハトムギの殻、薄皮、渋皮のみを用いるものもあるが(特許文献4)、これらは殻付きハトムギの粉砕物を用いるものではないし、ハトムギの青葉を用いるもの(特許文献2)では粉砕物、あるいは粉砕物を溶媒で抽出後、濾過を行い得られた濾液を用いるものである。
そして上記の従来法によるハトムギの酵素処理物では、その便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善効果や皮膚改善効果が満足のいくものでなく、また原料として一般的に用いられているヨクイニンを得るには殻をむく処理が必要であるなどの煩雑さがあった。
本発明者らは便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善効果や皮膚改善効果の優れたハトムギ酵素処理物を得るべく鋭意研究を進めた結果、原料として殻付きハトムギの粉砕物を用い、特定の酵素処理後、遠心分離や濾過などにより不溶物または残渣を除去することなく酵素処理物をそのまま乾燥させて得られたものが上記効果において優れていることを見出した。
本発明者らは更により効果の高い、ハトムギの酵素処理物を得るべく、ハトムギに作用させる酵素について検討を行った。これら酵素はハトムギに含まれる澱粉や蛋白質等を分解して摂取吸収されやすい形にするために用いられるのであるが、従来、糖加水分解酵素やプロテアーゼ、脂質分解酵素などが用いられている。その具体例を挙げると、アミラーゼ、グルコシダーゼ、プロテアーゼ、及びペプチダーゼから選択される少なくとも2種(特許文献3)、ジアスターゼ剤、タカジアスターゼ剤、α−アミラーゼ剤、β−アミラーゼ剤、グルコアミラーゼ剤、ペクチナーゼ剤、β−グルコシダーゼ剤、セルラーゼ剤、ヘミセルラーゼ剤及びキシラナーゼ剤から選ばれる少なくとも一種(特許文献4)、澱粉分解酵素(アミラーゼ)、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)の混合物のほか、さらに繊維素分解酵素(セルラーゼ)または脂肪分解酵素(リパーゼ)を混合したもの(特許文献7)、耐熱性澱粉液化酵素(バシラス・サブチリス等の細菌アミラーゼ)、糖化酵素(リゾプス系、アスペルギルス系)及び中性プロテアーゼ(アスペルギルス系、ストレプトミセス系、バシラス系プロテアーゼ、パパイン)(特許文献8)などである。本発明者らは便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善作用や皮膚改善作用の点でより効果の高い、ハトムギの酵素処理物を得るべく研究を重ねた結果、殻付きハトムギの粉砕物にα−アミラーゼ、プロテアーゼを作用させた後、更にこれまで用いられたことのないトランスグルコシダーゼを作用させて得られるハトムギの酵素分解物が、便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善作用や皮膚改善作用において非常に優れた効果を奏することを見出し、本発明に到達したものである。
本発明は
(1)殻付きハトムギの粉砕物をα−アミラーゼ、プロテアーゼで処理した後、更にトランスグルコシダーゼを作用させ、得られる処理物をそのまま乾燥、粉末化したことを特徴とする、ハトムギ酵素分解物、
(2)1のハトムギ酵素分解物を含有する、便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善剤及び組成物、
(3)健康状態の改善が腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみの改善である(2)記載の便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善剤及び組成物、
(4)皮膚の改善がニキビ、イボ、肌及び爪の状態の改善である(2)記載の便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善剤及び組成物、
に関するものである。
本発明では、殻付きハトムギの粉砕物を用い、酵素分解処理後得られる分解処理物を遠心分離や濾過などにより不溶物または残渣を除去することなく、そのまま乾燥して粉末とすることにより摂取可能な食物繊維量が増え、また酵素分解に当って、α−アミラーゼ、プロテアーゼに加え、従来用いられたことのないトランスグルコシダーゼを更に用いて処理することにより、腸内環境を整えるイソマルトオリゴ糖などの糖が生成し、その結果、便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボ等において優れた改善効果を有し、また優れた皮膚改善効果を有するハトムギ酵素分解物が得られたものである。
本発明の便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善用組成物は、殻付きハトムギの粉砕物、即ちハトムギの殻(総苞)、薄皮(内外頴)、糠(果皮)、胚芽、ヨクイニン(胚乳)などの全てを使用し、上記の特定の酵素分解処理により、従来ハトムギで利用されることの多いヨクイニン粉末の抽出物にはない便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善、及び皮膚改善効果が確認された。その他、ヨクイニンと比べ、皮膚改善効果により、爪の健康や化粧のり・もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、口元のハリ、ソバカス、ニキビなどの改善効果が得られ、胃の調子などの健康状態を改善する効果も確認された。爪の健康や化粧もち、くすみなどの皮膚改善効果や月経前症候群(PMS)、腰痛、胃の調子などの健康状態の改善効果は抽出物を用いる従来技術(特許文献1、3、4、5、7)では認識されていなかった効果である。
また、本発明によりハトムギ全粒を美味しく、また食べやすくすることが可能となった。
更に本発明では殻付きハトムギの粉砕物を使用するので、殻を剥くなどの煩雑な処理が不要であり、その操作上の簡便さという効果をも有するものである。
本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有タブレット(実施例2)、及びヨクイニン末含有タブレット(比較例1)、それぞれを4週間摂取した後の、健康状態の改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有タブレット(実施例2)、及びヨクイニン末含有タブレット(比較例1)、それぞれを4週間摂取した後の、肌の改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有カプセル(実施例3)、ヨクイニン末含有カプセル(比較例3)、及びハトムギ酵素分解抽出物含有カプセル(比較例4)それぞれを4週間摂取した後の、健康状態の改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有カプセル(実施例3)、ヨクイニン末含有カプセル(比較例3)、及びハトムギ酵素分解抽出物含有カプセル(比較例4)それぞれを4週間摂取した後の、肌改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有カプセル(実施例3)、ヨクイニン末含有カプセル(比較例3)、及びハトムギ酵素分解抽出物含有カプセル(比較例4)それぞれを4週間摂取した後の、ニキビ改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有カプセル(実施例3)、ヨクイニン末含有カプセル(比較例3)、及びハトムギ酵素分解抽出物含有カプセル(比較例4)それぞれを4週間摂取した後の、爪改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。 本発明で得られたハトムギ酵素分解物含有タブレット(実施例4)、ヨクイニン末含有タブレット(比較例5)、及びハトムギ酵素分解抽出物含有タブレット(比較例6)それぞれを4週間摂取した後の、便通改善率をアンケート調査から算出した結果を棒グラフにより示したものである。
本発明のハトムギ酵素分解物の製造工程は次の表1に示す通りである。
Figure 0005302800
本発明で用いられる殻付きハトムギは5mm以下に粗粉砕する。
過熱水蒸気による殺菌処理は141℃〜156℃で3秒程度行う。
殺菌処理後、気流式粉砕機にて40メッシュPass、目開き445μm以下に微粉砕する。
該微粉砕物を9〜10倍の割合の水に分散させ、70℃〜80℃程度まで加熱する。ここに水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を添加し、温度75℃以上で3時間程度反応、澱粉をα化させる。
このような処理をした後、α−アミラーゼ、プロテアーゼ、トランスグルコシダーゼを添加して酵素分解を行う。酵素分解は40〜60℃、pH4.0〜8.0程度で行う。
上記の酵素処理は通常、α−アミラーゼ、プロテアーゼ、トランスグルコシダーゼの順に作用させるが、α−アミラーゼ、プロテアーゼは同時に作用させることもできる。
α−アミラーゼは、デンプンのα−1,4−グルコシド結合に作用して加水分解するエンド型の酵素であり、タカアミラーゼ、グリコゲナーゼとも呼ばれる。これらを該微粉砕物に対して、0.2%〜0.4%の割合で添加し、処理温度35〜55℃、pH4.0〜6.0、好ましくは45〜50℃、pH5.0〜5.5程度で、1〜6時間程度反応させる。
プロテアーゼとしては、セリンプロテイナーゼ、システインプロテイナーゼ、金属プロテイナーゼ、アスパルティックプロテイナーゼ、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼなどの混合物が用いられる。
これらを、該微粉砕物に対して、0.1%〜0.3%の割合で添加し、処理温度40〜60℃、pH5.0〜8.0、好ましくは45〜50℃、pH6.0〜7.0程度で、1〜4時間程度反応させる。
トランスグルコシダーゼはα−グルコシダーゼ、マルターゼなどの別名をもち、基質の非還元末端からα−グルコースを加水分解により遊離するエキソ型の酵素であるが、加水分解反応と同時に糖転移反応もしばしば触媒することから、トランスグルコシダーゼとも呼ばれてきた。転移生成物から、トランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ)はα−1,6−グルコシル転移型、α−1,4−グルコシル転移型、およびα−1,2−ならびにα−1,3−グルコシル転移型等に分類でき、α−1,6−グルコシル転移型α−グルコシダーゼがイソマルトオリゴ糖、α−1,2−ならびにα−1,3−グルコシル転移型α−グルコシダーゼがコージビオースあるいはニゲロースなどの製造に用いられている。いずれのα−グルコシダーゼも用いることができるが、本発明ではイソマルトオリゴ糖を生成するα−1,6−グルコシル転移型α−グルコシダーゼを用いるのが特に好ましい。イソマルトオリゴ糖は、イソマルトース、パノース、イソマルトトリオースなどのα−1,6結合を分子内に少なくとも1つ以上有する重合度2〜6分岐オリゴ糖である。
トランスグルコシダーゼを、該微粉砕物に対して、0.1%〜0.3%の割合で添加し、処理温度45〜60℃、pH4.0〜7.0、好ましくは55〜60℃、pH5.0〜6.0の程度で、1〜3時間程度反応させる。
本発明のハトムギ酵素分解物は便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善剤として有効であり、又、皮膚改善効果により、爪の健康や化粧のり・もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、口元のハリ、ソバカス、ニキビなどの改善効果が得られ、胃の調子などの健康状態を改善する効果もあり、ハトムギ酵素分解物を主成分として含有する便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善又、皮膚改善効果による爪の健康や化粧のり・もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、口元のハリ、ソバカス、ニキビなどの改善、胃の調子などの健康状態の改善用組成物或いは食品として利用される。
本発明のハトムギ酵素分解物を主成分として含有する便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善又、皮膚改善効果による爪の健康や化粧のり・もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、口元のハリ、ソバカス、ニキビなどの改善、胃の調子などの健康状態の改善用組成物の形態は特に限定されないが、例えば、散剤、粉末剤、顆粒剤、細粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、ドリンク剤などいずれの形態でもよく、ハトムギ酵素分解物を30から100重量%含有し、その他、通常用いられる賦形剤、これを更に分類すると、錠剤にする際に粉末をまとめるための還元麦芽水飴、無水結晶ぶどう糖、でんぷん、乳糖、ぶどう糖などの結着剤、二酸化珪素、乾燥ビール粉末などの吸湿性改善剤、ステアリン酸カルシウム、食用乳清カルシウム粉などの流動性改善剤、ワックス類などの滑沢剤、着色料、甘味料、香料など医薬製剤製造に通常用いられる生理学的に許容し得る添加剤を適宜、含有することができる。これら添加剤の量は特に制限されないが、5から70重量%程度である。
以下に本発明を製造実施例、製造比較例、モニター試験により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでないことは言うまでもない。
I.本発明ハトムギ酵素分解物と従来のヨクイニン末とにおける便通などの健康状態、肌の状態に対する改善効果の比較
〔実施例1〕(本発明ハトムギ酵素分解物の製造)
殻付きハトムギを粗粉砕した後、過熱水蒸気により殺菌(156℃、3秒間)、微粉砕(40メッシュPass、目開き445μm)した。この粉砕物400kgに3600Lの水を加え、75℃まで加熱した。ここに25%水酸化ナトリウム溶液を18L添加し、温度75℃以上で3時間反応させた。水溶液を50〜52℃に調整し、塩酸でpHを5.45〜5.55に調整後、α−アミラーゼ(スミチームL(登録商標)、新日本化学工業(株))を1.3kg添加、α−アミラーゼ添加から2時間後プロテアーゼ(スミチームLP(登録商標)、新日本化学工業(株))を0.9kg、α−アミラーゼ添加から3時間後糖転移酵素(トランスグルコシダーゼL、天野エンザイム(株))を0.9L添加した。糖転移酵素添加から3時間後、水酸化ナトリウム溶液を加えpHを6.9〜7.1に調整、液温を70℃以上に上昇させ30分間保持し酵素を失活させた。この液体をBrix(糖度)が19〜22になるまで濃縮した。その後、液温を80℃以上に上昇させ、1時間保持後、スプレードライで乾燥させ、ハトムギ酵素分解物を製造した。得られたハトムギ酵素分解物は、僅かに甘味を有する灰褐色、粉状であった。
〔実施例2〕(本発明ハトムギ酵素分解物含有組成物の製造)
実施例1で製造したハトムギ酵素分解物を用い、以下の表2に示す配合で原料を混合し、造粒、打錠を経て実施例1のハトムギ酵素分解物を含有するタブレットを得た。本タブレットは300mg/粒であり4粒(1.2g)を食することでハトムギ酵素分解物を1000mg摂取することができる。本タブレット中の実施例1のハトムギ酵素分解物の配合割合は83.34重量%であった。
(比較例1)(ヨクイニン末組成物の製造)
原料による効果の比較として、ヨクイニン末(山本漢方製薬(株))を用い、以下の表2に示す配合で原料を混合し、造粒、打錠を経てヨクイニン末を含有するタブレットを得た。本タブレットは300mg/粒であり4粒(1.2g)を食することでヨクイニン末を1000mg摂取することができる。本タブレット中のヨクイニン末の配合割合は83.34重量%であった。
Figure 0005302800
上記実施例2及び比較例1で調製したタブレットを以下のモニター試験1に示すように一定人数の男女に一定期間摂取してもらい、摂取前後での便通、腰痛、ムクミ、肌の状態の変化についてモニター試験を行った。
なお、本発明において示されているモニター試験は全て次の方法によっておこなったものである。
〔試験方法〕
モニター試験開始時と終了時に、アンケートを行い各質問項目に対し回答してもらった。
先入観により試験結果に偏りが出ないよう、ダブルブラインドテストで行った。
(1)先入観による結果の差異が出ないよう、被験者は試験品の種類を知らない。
(2)試験者の挙動が被験者に影響を与えないよう、試験者は被験者の服用している試験品の種類を番号で管理。
〔結果解析方法〕
「服用前に状態の悪い人数」に対する「服用前後での状態の悪い人の人数の変化」を百分率で表したもの、即ち、「服用前の状態の悪い人数−服用後の状態の悪い人数」を「服用前に状態の悪い人数」で割って百分率で表したものを改善率として以下のように算出した。
計算式:(服用前の状態の悪い人数−服用後の状態の悪い人数)÷服用前の状態の悪い人数×100
例えば、摂取前に「状態が悪い」と回答した被験者の人数が8名、摂取後に「状態が悪い」という人数が3名であった場合、
改善率は(8−3)÷8×100=62.5%となる。
(モニター試験1)
実施例2及び比較例1で調製したタブレットをそれぞれ男女100名に1日4粒(1.2g)を4週間摂取してもらった。表3にモニター1日あたりの各成分の摂取量を示した。この表から分かるように、ハトムギ酵素分解物およびヨクイニン末の摂取量は1日あたり1000mgに相当する。
Figure 0005302800
摂取前と後に、各種項目に対し、自身の悩み具合を記入してもらった。各種項目について、摂取前に「状態が悪い」と回答した被験者の人数を母集団とし、摂取前の「状態が悪い」という人数から摂取後の「状態が悪い」という人数を引いた差の値から前記のように改善率を算出した結果を図1、2に示した。
図1から分かるように、便通については本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例2のものが40%の改善率であり、便通が改善する効果が確認された。また、その質や時間なども改善する傾向が見られたのに対し、比較例1で調製したヨクイニン末含有のタブレットでは改善率-8%であり、便通が改善する効果は見られず、逆に便通が悪くなる、下痢をするなど、マイナスの効果を示しており、本発明のものが比較例に比し優れていることが分かる。
その他の健康状態に関しては、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例2のものではその改善率が、むくみにおいて23%、胃の調子において21%、生理前の症状において19%、腰痛において10%、肩こりにおいて7%、疲れにおいて5%、集中力で4%、汗のかき具合で0%であった。これに対して比較例1のヨクイニン末ではむくみにおいて14%、胃の調子において1%、生理前の症状において7%、腰痛において−3%、肩こりにおいて7%、疲れにおいて3%、集中力で−1%、汗のかき具合で−18%であった。このように、むくみ、胃の調子、生理前の症状、腰痛、疲れ、集中力の各項目で本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例2のものが比較例1のヨクイニン末含有のものに比して優れた改善結果を示しており、肩こりについては実施例2と比較例1とで同等の効果が得られており、汗のかき具合では実施例2では特に変わらなかったのに対し、比較例1のものではマイナスの効果が示され、総合的に見て本発明のものが比較例に比し優れていることが分かる。
図2から分かるように、肌の改善については、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例2のものではその改善率が、化粧のりで48%、化粧もちで46%、くすみで40%、すべすべ感で35%、しっとり感で33%、口元のハリで24%、イボで24%、ニキビで22%、全体的なハリで21%、赤みで20%、キメ状態で19%、目の下のハリで19%、ソバカスで15%、しみで7%であった。これに対して比較例1のヨクイニン末では化粧のりで16%、化粧もちで18%、くすみで20%、すべすべ感で20%、しっとり感で27%、口元のハリで10%、イボで10%、ニキビで21%、全体的なハリで19%、赤みで17%、キメ状態で14%、目の下のハリで11%、ソバカスで8%、しみで8%であった。このように比較例1のヨクイニン末もある程度の改善率があるものの、本発明のものはどの項目においても優れた改善率を示し、特に化粧のり、化粧もち、くすみ、すべすべ感において比較例に比し大幅に改善効果が上がっていることが分かる。
このように本発明のハトムギ酵素分解物は比較例のヨクイニン末に比べて、便通をはじめとする健康状態の改善率及び肌の改善率の両者において優れていることが分かる。
II.本発明のハトムギ酵素分解物と比較例とにおける成分の違いについて
(比較例2)
本発明のハトムギ酵素分解物製造において、酵素としてα−アミラーゼ、プロテアーゼで処理した後、更にトランスグルコシダーゼを作用させること、および酵素処理後不溶物の除去を行わないことが特徴であることを明らかにするために、ハトムギ酵素分解において酵素としてα−アミラーゼ、プロテアーゼのみで処理し、トランスグルコシダーゼは作用させず、また酵素処理後、不溶物の除去を行った比較のための製品を次のようにして製造した。
殻付きハトムギを粉砕した後、過熱水蒸気により殺菌(156℃3秒間)、微粉砕(40メッシュPass、目開き445μm)した。この粉砕物に9倍量の水を加え、75℃まで加熱した。ここに25%水酸化ナトリウム溶液を添加し、温度75℃以上で3時間反応させた。水溶液を50〜52℃に調整し、塩酸でpHを5.45〜5.55に調整後、α−アミラーゼ(スミチームL(登録商標)、新日本化学工業(株))を添加、α−アミラーゼ添加から2時間後にプロテアーゼ(スミチームLP(登録商標)、新日本化学工業(株))を加えた。α−アミラーゼ添加から6時間後、水酸化ナトリウム溶液を加え、pHを6.9〜7.1に調整、液温を70℃以上に上昇させ30分間保持して酵素を失活させた。その後、不溶物をNo.2のろ紙でろ過、除去し、得られた液体をフリーズドライで乾燥、粉末化したものを得た。この得られたものを、酵素としてトランスグルコシダーゼを働かせず、また酵素処理後不溶物を除去した比較製品として、ハトムギ酵素分解抽出物(比較例2)とした。
次の表4に本発明ハトムギ酵素分解物(実施例1)とヨクイニン末、及びトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物(比較例2)の一般成分を比較して示す。
Figure 0005302800
本発明品(実施例1)はヨクイニン末およびトランスグルコシダーゼを働かせず、不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物(比較例2)に比べ、脂質、灰分、食物繊維が非常に多く含まれていた。
次の表5に本発明ハトムギ酵素分解物(実施例1)、トランスグルコシダーゼは作用させずに不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物(比較例2)、ハトムギ全粒粉、ハトムギ殻およびヨクイニン末について、各々のケイ素含量を比較して示す。
Figure 0005302800
本発明品(実施例1)はヨクイニン末およびトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物(比較例2)に比べ、ケイ素が非常に多く含まれており、これはハトムギ殻を含んでいることによるものであった。
III.本発明ハトムギ酵素分解物と比較例2のハトムギ酵素分解抽出物および従来のヨクイニン末とにおける、健康状態、肌、ニキビ、爪の改善に対する効果の比較
〔実施例3〕
実施例1で製造したハトムギ酵素分解物を用い、ステアリン酸カルシウム、乾燥ビール粉末、食用乳清カルシウム粉を加えて混合し、造粒、充填を経て、実施例1のハトムギ酵素分解物を含有するハードカプセルを得た。このときの配合割合を表6に、1日あたりの摂取量を表7に示す。
(比較例3)
ヨクイニン末(山本漢方製薬(株))を用い、ステアリン酸カルシウム、乾燥ビール粉末、食用乳清カルシウム粉を加えて混合し、造粒、充填を経て、ヨクイニン末を含有するハードカプセルを得た。このときの配合割合を表6に、1日あたりの摂取量を表7に示す。
(比較例4)
比較例2で製造したトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物を用い、ステアリン酸カルシウム、乾燥ビール粉末、食用乳清カルシウム粉を加えて混合し、造粒、充填を経て、比較例2のハトムギ酵素分解抽出物を含有するハードカプセルを得た。このときの配合割合を表6に、1日あたりの摂取量を表7に示す。
(モニター試験2)
実施例3、比較例3、比較例4で調製したカプセルをそれぞれ男女30名に1日5粒、4週間摂取してもらった。この場合のハトムギ酵素分解物、ヨクイニン末、及びトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物の各摂取量は1日あたり1000mgに相当する。
摂取前と後に、健康状態、肌の状態、ニキビの状態(ニキビの数、ニキビの大きさ、ニキビ跡、ニキビ跡の大きさ、ニキビ跡の濃さ、ニキビ跡の表面、ニキビのできやすさ)及び爪の状態(割れやすさ、つや、色、表面の段差・凸凹、表面の縦スジ、爪の伸び、二枚爪、巻き爪、ささくれ)について記入してもらった結果を図3〜6に示す。
Figure 0005302800
Figure 0005302800
図3は健康状態の改善率に関するグラフである。この図から分かるように、むくみ、胃の調子、生理前の症状、腰痛、肩こり、疲れ、集中力、汗のかき具合の各項目で本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例3のものが各58.3%、33.3%、23.1%、26.7%、23.5%、10.5%、53.8%、20.0%の改善率を示したのに対し、従来のヨクイニン末含有の比較例3のものでは、各16.7%、−10.0%、0%、−30.0%、0%、0%、16.7%、−50.0%の改善率%を、また比較例4のハトムギ酵素分解抽出物含有のものでは各0%、−20.0%、14.3%、−7.7%、0%、0%、0%、33.3%の改善率を示しており、総合的に見て、本発明のハトムギ酵素分解物が従来のヨクイニン末(比較例3)、比較例4のハトムギ酵素分解抽出物に比べて明らかに優れている。
図4は肌の改善率に関するグラフである。この図から分かるように、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例3のものでは化粧のりは37.5%、化粧もちは36.4%、くすみは20.0%、すべすべ感では41.7%、しっとり感では50.0%、口元のハリでは7.1%、イボでは20.0%、ニキビでは42.9%、全体的なハリでは27.3%、赤みで16.7%、キメ状態で23.1%、目の下のハリで31.3%、ソバカスで20.0%、しみで16.7%、の各改善効果が確認された。
これに対し、比較例3のヨクイニン末含有のものでは化粧のりは−16.7%、化粧もちは0.0%、くすみは42.9%、すべすべ感では−33.3%、しっとり感では33.3%、口元のハリでは25.0%、イボでは−33.3%、ニキビでは−400%、全体的なハリでは0%、赤みで−50.0%、キメ状態で27.3%、目の下のハリで16.7%、ソバカスで−100%、しみで27.3%と、くすみ、口元のハリ、キメ状態、しみで本発明のものと同等以上の改善率を示し、しっとり感、目の下のハリで本発明には劣るもののある程度の改善率を示すものの、全体的なハリでは改善率が見られず、化粧のり、すべすべ感、イボ、ニキビ、赤み、ソバカスでは悪化した結果が出ている。
また、比較例4のハトムギ酵素分解抽出物のものでは化粧のりは10.0%、化粧もちは7.7%、くすみは37.5%、すべすべ感では14.3%、しっとり感では20.0%、口元のハリでは14.3%、イボでは0%、ニキビでは14.3%、全体的なハリでは33.3%、赤みで20.0%、キメ状態で23.1%、目の下のハリで21.4%、ソバカスで33.3%、しみで14.3%と、口元のハリ、全体的なハリ、赤み、ソバカスで本発明のものと同等以上の改善率を示し、化粧のり、化粧もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、ニキビ、キメ状態、目の下のハリ、しみで本発明には劣るもののある程度の改善率を示すものの、イボでは改善率が見られないという結果が出ている。
上記の結果から、肌の改善については本発明のハトムギ酵素分解物が、比較例のヨクイニン末、ハトムギ酵素分解抽出物に比べて総合的に見て優れた効果を奏していることが分かる。
図5はニキビの改善率に関するグラフである。この図から分かるように、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例3のものではニキビ表面の凹凸は66.7%、ニキビ跡の濃さは50.0%、炎症のある赤ニキビ75.0%、炎症の無い白・黒ニキビでは71.4%、生理前のニキビでは71.4%、ストレスによるニキビでは50%、睡眠不足によるニキビでは87.5%、食事によるニキビでは75%、季節の変わり目によるニキビでは83.3%、背中のニキビで50%、首周りのニキビで50%、ニキビの出来易さで62.5%と各項目で非常に高い改善効果が確認された。
これに対し、比較例3のヨクイニン末含有のものではニキビ表面の凹凸は−50.0%、ニキビ跡の濃さは−50.0%、炎症のある赤ニキビ−150%、炎症の無い白・黒ニキビでは−28.6%、生理前のニキビでは0%、ストレスによるニキビでは−200%、睡眠不足によるニキビでは−28.6%、食事によるニキビでは−100%、季節の変わり目によるニキビでは0%、背中のニキビで0%、首周りのニキビで0%、ニキビの出来易さで−200%と、ほとんど改善効果が無いか、逆に悪化するものが多いという結果が出ている。
また、比較例4のハトムギ酵素分解抽出物のものではニキビ表面の凹凸は20.0%、ニキビ跡の濃さは16.7%、炎症のある赤ニキビ−20.0%、炎症の無い白・黒ニキビでは−100%、生理前のニキビでは−150%、ストレスによるニキビでは−14.3%、睡眠不足によるニキビでは0%、食事によるニキビでは20%、季節の変わり目によるニキビでは−50%、背中のニキビで−100%、首周りのニキビで−100%、ニキビの出来易さで0%と、ニキビ表面の凹凸、ニキビ跡の濃さ、食事によるニキビで本発明のものよりは低いものの多少の改善効果が見られる以外は、ほとんど改善効果が無いか、逆に悪化するものが多いという結果が出ている。
上記の結果から、ニキビの改善については、本発明のハトムギ酵素分解物が、比較例のヨクイニン末、ハトムギ酵素分解抽出物に比べて非常に優れた効果を奏していることが分かる。
図6は爪の改善率に関するグラフであり、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例3のものではその改善率が、割れやすさにおいて57.1%、つやで42.9%、変色で50.0%、表面の段差で50.0%、表面の縦スジで37.5%、爪の伸びでは0%、二枚爪で50.0%、巻き爪で0%、ささくれが28.6%であった。
これに対し、従来のヨクイニン末含有の比較例3では、割れやすさが20.0%、つやで44.4%、変色で33.3%、表面の段差で0%、表面の縦スジで28.6%、爪の伸びでは33.3%、二枚爪で−100.0%、巻き爪で−100.0%、ささくれが0%であり、爪の伸びで本発明の実施例3に比べて優れており、またつやで本発明のものと同等である以外は、本発明のものに比し劣っており、二枚爪及び巻き爪では大巾に悪化しているものであった。
また、比較例4のハトムギ酵素分解抽出物では、割れやすさが14.3%、つやで33.3%、変色で20.0%、表面の段差で12.5%、表面の縦スジで30.0%、爪の伸びでは66.7%、二枚爪で0%、巻き爪で0%、ささくれが28.6%であり、爪の伸びで本発明の実施例3に比べて優れており、またささくれで本発明のものと同等である以外は、本発明のものに比し劣っており、二枚爪及び巻き爪では改善効果が認められなかった。
以上のように、爪の改善率については総合的に見て、本発明のハトムギ酵素分解物が比較例のヨクイニン末やハトムギ酵素分解抽出物に比べてかなりの効果があることが分かる。
IV.本発明ハトムギ酵素分解物と比較例2のハトムギ酵素分解抽出物および従来のヨクイニン末との便通の改善に対する効果の比較
〔実施例4〕(本発明ハトムギ酵素分解物含有組成物の製造)
実施例1で製造したハトムギ酵素分解物を用い、以下の表8に示す配合で原料を混合し、造粒、打錠を経て実施例1のハトムギ酵素分解物を含有するタブレットを得た。本タブレットは約300mg/粒であり4粒(1.2g)を食することでハトムギ酵素分解物を1000mg摂取することができる。本タブレット中の実施例1のハトムギ酵素分解物の配合割合は83.34重量%であった。
(比較例5)(ヨクイニン末組成物)
ヨクイニン末(山本漢方製薬(株))を用い、以下の表8に示す配合で原料を混合し、造粒、打錠を経てヨクイニン末を含有するタブレットを得た。本タブレットは約300mg/粒であり8粒(2.4g)を食することでヨクイニン末を1000mg摂取することができる。本タブレット中のヨクイニン末の配合割合は41.67重量%であった。
(比較例6)
比較例2で製造したトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物を用い、以下の表8に示す配合で原料を混合し、造粒、打錠を経てハトムギ酵素分解抽出物を含有するタブレットを得た。本タブレットは約290mg/粒であり8粒(2.3g)を食することでハトムギ酵素分解抽出物を1000mg摂取することができる。本タブレット中のハトムギ酵素分解抽出物の配合割合は43.75重量%であった。
Figure 0005302800
(モニター試験3)
実施例4、比較例5、比較例6で調製したタブレットをそれぞれ男女30名に1日4粒(1.2g)、8粒(2.4g)、8粒(2.3g)を4週間摂取してもらった。表9にモニター1日あたりの各成分の摂取量を示した。この表から分かるように、この場合のハトムギ酵素分解物、ヨクイニン末、及びトランスグルコシダーゼを働かせず不溶物を除去したハトムギ酵素分解抽出物の各摂取量は1日あたり1000mgに相当する。
Figure 0005302800
摂取前と後に、便通の状態(1日の排便回数、排便時間の規則性、便の形、便の量、便の匂い、腸の動き、全体的な評価)について記入してもらった結果を図7に示す。
便の好ましい状態としては、次の基準で判定した。
形:水状<泥状<硬い固形<バナナ状
量:なし〜少量<バナナ1/2本<バナナ1本<バナナ2本
匂い:かなりある<ややある<あまりない<ない
※好ましくない状態<好ましい状態
腸の動きの確認方法は、各人の体感で回答を得た。
総合評価は、体感として、便通が服用前に比べて良くなったのかどうかの回答を得た。
図7は便通改善率に関するグラフであり、本発明のハトムギ酵素分解物を含有する実施例4のものではその改善率が、1日の排便回数において50.0%、排便時間の規則性で75.0%、便の形で33.3%、便の量で20.0%、便の匂いで23.1%、腸の動きで60.0%、全体的な評価で74.1%であった。
これに対し従来のヨクイニン末含有の比較例5では、1日の排便回数において20.0%、排便時間の規則性で28.6%、便の形で20.6%、便の量で11.8%、便の匂いで−28.6%、腸の動きで33.8%、全体的な評価で−33.3%であり、いずれの項目においても本発明のものに比べ劣っており、便の匂い及び全体的な評価は逆に悪化しているものであった。
また、比較例6のハトムギ酵素分解抽出物では、1日の排便回数において29.4%、排便時間の規則性で7.4%、便の形で0%、便の量で0%、便の匂いで20.6%、腸の動きで25.0%、全体的な評価で−66.7%であり、いずれの項目においても本発明のものに比べ劣っており、便の形、便の量では改善効果が無く、全体的な評価は逆に悪化しているものであった。
以上のように、便通の改善率については総合的に見て、本発明のハトムギ酵素分解物が比較例のヨクイニン末やハトムギ酵素分解抽出物に比べて非常に効果があることが図7から分かる。
本発明の便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善並びに皮膚改善用組成物は、優れた便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボの改善効果の他、皮膚改善効果により爪の健康や化粧のり・もち、くすみ、すべすべ感、しっとり感、口元のハリ、イボ、ソバカス、ニキビなど肌の状態や、胃の調子などの症状を改善する効果があり、爪の健康や化粧もち、くすみ、胃の調子、月経前症候群(PMS)、腰痛の改善効果は従来技術にはない優れたものであり、美味しく、食べやすく、製造に当って殻を剥くなどの煩雑な処理が不要で簡便に得ることができ、便通、腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、イボ等の改善並びに皮膚改善用組成物として極めて有用なものである。

Claims (5)

  1. 殻付きハトムギの粉砕物をα−アミラーゼ、プロテアーゼ、で処理した後、更にトランスグルコシダーゼを作用させ、得られる処理物をそのまま乾燥、粉末化したことを特徴とする、ハトムギ酵素分解物。
  2. 請求項1のハトムギ酵素分解物からなる便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善剤であって、健康状態の改善が腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみの改善である剤
  3. 請求項1のハトムギ酵素分解物を含有する便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善用組成物であって、健康状態の改善が腰痛、月経前症候群(PMS)、むくみの改善である組成物
  4. 皮膚の改善がニキビ、イボ、肌及び爪の状態の改善である請求項2記載の便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善剤。
  5. 皮膚の改善がニキビ、イボ、肌及び爪の状態の改善である請求項3記載の便通及び健康状態の改善並びに皮膚の改善用組成物。
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