JP5301736B2 - 成膜装置及び成膜材料供給方法 - Google Patents

成膜装置及び成膜材料供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させ、搬送ガスにより該蒸気を被処理基板へ供給することによって成膜を行う成膜装置、及び成膜材料供給方法に関する。
有機EL(Electro Luminescence)成膜装置は、ガラス基板を収容する処理室と、有機成膜材料を高温、例えば250℃等の蒸発開始温度以上に加熱することによって、該有機成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部を備える。蒸気発生部で発生させた有機成膜材料の蒸気は、搬送路を通じて、搬送ガスと共に処理室へ搬送される。処理室には、搬送路を通じて搬送された有機成膜材料の蒸気を、処理室に収容されたガラス基板に向けて吹き出す吹き出し機構が設けられている。また、搬送路の途中には、該搬送路を開閉する開閉弁が備えられている。開閉弁を開閉させることによって、ガラス基板への蒸気の供給による成膜の開始及び終了の制御を行っている。
特開2008−38225号公報
ところで、有機成膜材料の成膜量、成膜レートを制御するためには、有機成膜材料の精密な温度制御が必要となる。具体的には、±0.1℃の精度で有機成膜材料の温度を制御することが求められている。しかしながら、蒸気発生部内の有機成膜材料が蒸発温度に達すると有機成膜材料の蒸気濃度が徐々に上昇し、それに伴い蒸気発生部内部の圧力上昇により、温度上昇するため、有機成膜材料の緻密な温度制御が困難となる。このような圧力上昇、温度上昇を抑制し、精密な温度制御、つまり膜厚制御を可能にするためには、有機EL成膜装置の適正な操作が必要であるが、その具体的方法は開示されていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、成膜材料を加熱する際、蒸気発生部の温度や蒸気量等に応じて、開閉弁の開閉動作を制御することによって、蒸気発生部内部の圧力上昇、温度上昇を抑えつつ効率的に成膜材料を加熱することができ、しかも精密な温度制御を行うことができる成膜装置及び成膜材料供給方法を提供するものである。
本発明に係る成膜装置は、被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部と、該蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための搬送路と、前記蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための排気路と、前記搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する第1開閉弁と、前記排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する第2開閉弁とを備えた成膜装置であって、前記蒸気発生部の温度を検出する温度検出手段と、前記蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出する蒸気量検出手段と、成膜材料を加熱する場合、該温度検出手段にて検出された温度の高低に応じて、前記第2開閉弁の開閉動作を制御し、成膜材料を前記処理室へ搬送する場合、前記蒸気量検出手段で検出された蒸気量に応じて、前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記蒸気発生部は、成膜材料を所定温度より高い温度に加熱するようにしてあり、前記制御手段は、前記温度検出手段にて検出された温度が前記所定温度未満である場合、前記第1及び第2開閉弁を閉状態に制御する手段と、前記蒸気発生部を昇温させる場合、前記温度検出手段にて検出された温度が前記所定温度以上であるとき、前記第2開閉弁を開状態に制御する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記所定温度は、成膜材料の蒸発温度以下の温度であることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記成膜材料は有機成膜材料であり、前記所定温度は250℃以下であることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度が、前記第1開閉弁の温度以上であり、前記第1開閉弁の温度が、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路の温度以上になるように、前記搬送路及び第1開閉弁を加熱する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路、前記第1開閉弁、及び前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路をそれぞれ加熱する上流側加熱手段、弁加熱手段、及び下流側加熱手段と、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路、前記第1開閉弁、及び前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度をそれぞれ検出する上流側温度検出手段、弁温度検出手段、及び下流側温度検出手段と、前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度が、前記第1開閉弁の温度以上であり、前記第1開閉弁の温度が、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路の温度以上になるように、前記上流側加熱手段、弁加熱手段及び下流側加熱手段の動作を制御する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る成膜装置は、前記搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気を、前記処理室に収容された被処理基板へ向けて吹き出す吹き出し機構を備え、該吹き出し機構は、前記搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気を滞留させる滞留室と、該滞留室に滞留した蒸気を吹き出す開口と、該開口を開閉可能に閉鎖するシャッタとを備えることを特徴とする。
本発明に係る成膜材料供給方法は、被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部と、該蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための搬送路と、前記蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための排気路と、前記搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する第1開閉弁と、前記排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する第2開閉弁とを備えた成膜装置を用いて成膜材料の加熱を行う成膜材料供給方法であって、前記蒸気発生部の温度を検出し、検出された温度が所定温度未満である場合、前記第1及び第2開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第1開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、前記蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、検出された蒸気量に応じて、前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御することを特徴とすることを特徴とする。
本発明に係る成膜材料供給方法は、被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる複数の蒸気発生部と、該複数の蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための複数の搬送路と、前記複数の蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための複数の排気路と、各搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する複数の第1開閉弁と、各排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する複数の第2開閉弁とを備えた成膜装置を用いて成膜材料の加熱を行う成膜材料供給方法であって、第1の前記蒸気発生部の温度を検出し、検出された温度が所定温度未満である場合、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第1の蒸気発生部に係る前記第2開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、前記第1の蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、検出された蒸気量に応じて、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御し、第2の前記蒸気発生部の温度を検出し、検出された温度が所定温度未満である場合、前記第2の蒸気発生部に係る前記第1開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第2の蒸気発生部に係る前記第2開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、前記第2の蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、検出された蒸気量に応じて、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1開閉弁を閉状態にすると共に、前記第2の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御することを特徴とする。
本発明にあっては、温度検出部は、蒸気発生部の温度を検出し、制御手段は、蒸気発生部の温度に応じて第2開閉弁の開閉動作を制御する。第2開閉弁が開状態にある場合、蒸気発生部で発生した成膜材料の蒸気を蒸気発生部外へ排出することができるため、蒸気発生部内部の圧力上昇及び温度上昇が抑えられ、蒸気量が安定した状態で成膜を開始することができる。第2開閉弁が閉状態にある場合、成膜材料は蒸気発生部で効率的に加熱される。
本発明にあっては、成膜材料は蒸気発生部で所定温度を越える温度まで加熱される。蒸気発生部の温度が所定温度未満である場合、第1及び第2開閉弁は閉状態に保たれる。蒸気発生部が所定温度未満である場合、成膜材料の蒸発による蒸気発生部内の圧力上昇及び温度上昇は、比較的問題にならないため、第1及び第2開閉弁が閉状態にあっても精密な温度制御が可能である。また、第1及び第2開閉弁を閉じることによって成膜材料を効率的に加熱することが可能である。
蒸気発生部の温度が所定温度以上である場合、第2開閉弁は開状態になる。第2開閉弁が開状態にある場合、所望の蒸気量に安定するまで、蒸気発生部で発生した成膜材料の蒸気を排出することができるため、蒸気発生部内部の圧力上昇及び温度上昇が抑えられる。
本発明にあっては、所定温度は成膜材料の蒸発温度以下である。従って、所定温度に応じて第2開閉弁を開閉することによって、成膜材料の蒸発による蒸気発生部内部の圧力上昇及び温度上昇が効果的に抑えられる。
本発明にあっては、成膜材料は有機成膜材料であり、所定温度は250℃以下である。250℃は、有機成膜材料の蒸発温度の下限値である。従って、所定温度に応じて第2開閉弁を開閉することによって、有機成膜材料の蒸発による蒸気発生部内部の圧力上昇及び温度上昇が効果的に抑えられる。
本発明にあっては、搬送路の下流側温度は、第1開閉弁の温度以上であり、第1開閉弁の温度は、搬送路の上流側温度以上である。従って、搬送路及び第1開閉弁に成膜材料が凝縮することを防止することが可能である。
本発明にあっては、第1開閉弁の上流側における搬送路、第1開閉弁、及び第1開閉弁の下流側における搬送路の温度は、上流側温度検出手段、弁温度検出手段、及び下流側温度検出手段によって検出される。そして、第1開閉弁の下流側における搬送路の温度が、第1開閉弁の温度以上であり、第1開閉弁の温度が、第1開閉弁の上流側における搬送路の温度以上になるように、上流側加熱手段、弁加熱手段及び下流側加熱手段の動作が制御される。従って、搬送路及び第1開閉弁に成膜材料が凝縮することをより確実に防止することが可能である。
本発明にあっては、搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気は、吹き出し機構に供給され、被処理基板へ吹き出される。吹き出し機構は、搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気を滞留させる滞留室を備えており、滞留室の開口は、シャッタによって開閉が可能である。従って、成膜材料を加熱する際に開閉弁が開状態になっても、開口をシャッタによって閉塞することによって、成膜処理前に成膜材料の蒸気が処理室内に吹き出されることは無い。
本発明にあっては、成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部を速やかに切り替えることができ、成膜処理を中断すること無く、成膜材料を交換することが可能である。
本発明によれば、蒸気発生部内部の圧力上昇、温度上昇を抑えつつ効率的に成膜材料を加熱することができ、しかも精密な温度制御を行うことができる。また、緻密な温度制御によって、被処理基板に対する成膜材料の蒸着による精密な膜厚の制御を行うことができる。
本実施の形態1に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。 有機成膜材料の加熱及び搬送に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。 有機成膜材料の加熱及び搬送に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。 搬送路及び調整弁装置等の温度制御に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。 本実施の形態2に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。 本実施の形態3に係る6層連続型の成膜装置の概略斜視図である。 本実施の形態3に係る成膜ユニットの断面図である。 本実施の形態3に係る蒸気発生部の断面図である。 本実施の形態3に係る成膜装置により形成された有機EL素子の模式図である。 本実施の形態3に係る蒸気発生部及び搬送路の断面図である。 本実施の形態3に係る調整弁装置の断面図である。 本実施の形態3に係る調整弁装置を用いてリーク量を検出した結果を示した図表である。 本実施の形態4に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。本発明の実施の形態1に係る成膜装置は、ガラス基板Gを収容し、ガラス基板(被処理基板)Gに対して成膜処理を行うための処理室5と、成膜装置の各構成部の動作を制御する制御部8とを備える。処理室5は、ガラス基板Gの搬送方向を長手方向とする中空略直方体形状をなし、アルミニウム、ステンレス等で構成されている。処理室5の長手方向一端側の面(図1中左端面)には、ガラス基板Gを処理室5内に搬入するための図示しない搬入口が形成され、長手方向他端側の面(図1中右端面)には、ガラス基板Gを処理室5外へ搬出するための図示しない搬出口が形成されている。また、収容室の適宜箇所には、排気孔が形成されており、排気孔には、処理室5の外部に配された真空ポンプが排気管を介して接続されている。真空ポンプが駆動することにより、処理室5の内部は所定の圧力、例えば10-4Pa〜10-2Paに減圧される。なお、真空ポンプの動作は制御部8によって制御される。また、大気開放するためにパージガス(例えば、窒素ガス)を供給するパージガス供給管(図示しない)が処理室5に接続されていてもよい。
処理室5内部の底部には、ガラス基板Gを搬入口から搬出口へ搬送する搬送装置が設置されている。搬送装置は、処理室5の底部に長手方向に沿って設けられた案内レールと、該案内レールに案内されて搬送方向、即ち前記長手方向へ移動可能に設けられた移動部材と、移動部材の上端部に設けられており、ガラス基板Gを底部に対して略平行になるように支持する支持台とを備える。支持台の内部には、ガラス基板Gを保持する静電チャック、ガラス基板Gの温度を一定に保つためのヒータ、冷媒管等が設けられている。なお、支持台は、リニアモータによって移動するように構成されている。なお、リニアモータの動作は制御部8によって制御される。
また、処理室5の上部、搬送方向略中央部には、ガラス基板Gに対して真空蒸着法にて成膜を行う吹き出し機構4が設けられている。吹き出し機構4は、後述の搬送路21を通じて搬送された有機成膜材料(成膜材料)の蒸気を、処理室5に収容されたガラス基板Gへ向けて吹き出す機構部である。吹き出し機構4には、処理室5の外部に配された蒸気発生部1が搬送路21を介して接続されており、蒸気発生部1から搬送路21を通じて搬送された有機成膜材料の蒸気を一時的に滞留させる滞留室41を備える。滞留室41は、例えば、中空略直方体であり、滞留室41の下面には、滞留室41に滞留した有機成膜材料の蒸気を吹き出す開口42が設けられている。また、吹き出し機構4は、開口42を開閉可能に閉鎖するシャッタ43を備えている。シャッタ43は、開口42が開放される開放位置と、開口42が閉鎖される閉鎖位置との間を往復移動できるように構成されており、図示しないシャッタ駆動部によって駆動される。シャッタ駆動部の動作は、制御部8によって制御される。
蒸気発生部1は、例えばステンレス製の容器と、容器の内部に配された加熱機構とを備える。加熱機構は、有機EL素子を構成する各層の有機成膜材料を収容可能な容器形状部分を有し、電源から供給された電力によって生じた電流により有機成膜材料を加熱するように構成されている。有機成膜材料は、例えばアルミニウム錯体(Alq3 )等の金属錯体、ポリビニルカルバゾール等の低分子色素含有ポリマー、π共役ポリマーである。有機成膜材料の加熱は、例えば容器に埋設した電気抵抗体によって加熱するように構成されている。こうして、加熱機構内に収納した有機成膜材料を加熱して、有機成膜材料の蒸気を発生させる。また、容器には、ガラス基板Gに対して不活性ガス、例えばArなどの希ガス等からなる搬送ガスを供給する搬送ガス供給管91が接続されており、搬送ガス供給管91から容器に供給された搬送ガスと共に、有機成膜材料の蒸気を蒸気発生部1から搬送路21を介して吹き出し機構4へ供給するように構成されている。搬送ガス供給管91の途中には、搬送ガスの供給量を調整するための搬送ガス供給用の調整弁92が設けられており、例えば、搬送路21の内圧が300Pa以下になるように制御部8によって制御される。
搬送路21は、蒸気発生部1と、吹き出し機構との間を接続しており、蒸気発生部1で発生させた有機成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に処理室5へ搬送する。搬送路21は、例えばステンレス製であり、流路径は、例えば、44.5mm2 以上である。
また、成膜装置は、搬送路21の途中に設けられる搬送路21を開閉する調整弁装置(第1開閉弁)31を備える。調整弁装置31は、例えば電磁弁であり、調整弁装置31の開閉動作は、制御部8によって制御されるように構成されている。調整弁装置31としては、例えば、特開2010−216577号公報(特願2009−064546号)に記載の高温耐熱バルブを用いることができる。該高温耐熱バルブは、高温におけるリーク特性に優れており、高温ガスの通流制御に好適である。
更に、成膜装置は、調整弁装置31の上流側における搬送路部分21aの温度を検出する第1上流側温度検出部(上流側温度検出手段)61aと、調整弁装置31の温度を検出する第1弁温度検出部(弁温度検出手段)62aと、調整弁装置31の下流側における搬送路部分21bの温度を検出する第1下流側温度検出部(下流側温度検出手段)63aと、蒸気発生部1の温度、即ち有機成膜材料の温度を検出する材料温度検出部(温度検出手段)64とを備える。第1上流側温度検出部61a、第1弁温度検出部62a、第1下流側温度検出部63a及び材料温度検出部64は、例えば、測温抵抗体、熱電対、サーミスタ等を用いて構成されており、検出した各部の温度を示す信号をそれぞれ制御部8へ出力する。なお、第1上流側温度検出部61a、第1弁温度検出部62a及び第1下流側温度検出部63aは、各部の温度を検出することができれば、その検出方式は特に限定されず、例えば、赤外線温度センサのような非接触式温度センサ、温度センサIC等を用いても良い。
更にまた、成膜装置は、調整弁装置31の上流側における搬送路部分21aを加熱する第1上流側加熱部(上流側加熱手段)71aと、調整弁装置31を加熱する第1弁加熱部(弁加熱手段)72aと、調整弁装置31の下流側における搬送路部分21bを加熱する第1下流側加熱部(下流側加熱手段)73aとを備える。第1上流側加熱部71a、第1弁加熱部72a及び第1下流側加熱部73aは、例えば、電熱線、ヒータ等の発熱抵抗素子を用いて構成されており、第1上流側加熱部71a、第1弁加熱部72a及び第1下流側加熱部73aは、図示しない電源を介して制御部8に接続されており、各加熱部の動作は制御部8によって制御されるように構成されている。なお、第1上流側加熱部71a、第1弁加熱部72a及び第1下流側加熱部73aは、各部を加熱することができれば、その方式は特に限定されず、誘導加熱方式、燃焼式などであっても良い。
更にまた、搬送路21の上流側の搬送路部分21aには、有機成膜材料の蒸気量を検出する第1蒸気量検出部(蒸気量検出手段)23が設けられている。下流側の搬送路部分21b、つまり吹き出し機構4と、調整弁装置31との間にも、第2蒸気量検出部24を設けると良い。第1及び第2蒸気量検出部23,24は、水晶振動子(QCM:Quarts Crystal Microbalance)等の膜厚計、キャパシタンスマノメーター圧力計、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrophotometer)等の蒸気量をモニターできる手段である
。第1蒸気量検出部(蒸気量検出手段)23は、蒸気発生部における蒸気量を検出し、調整弁装置31の開閉を制御するために用いられる。また、第2蒸気量検出部(蒸気量検出手段)24は、成膜量や成膜レートを成膜時に測定するために用いられる。第2蒸気量検出部(蒸気量検出手段)24を成膜時の蒸気量を検出したり、さらに、フィードバック制御するように構成してもよい。
搬送路21の上流側における搬送路部分21aには、途中で分岐するように排気路22が接続されている。成膜装置は、排気路22を開閉する排気弁装置(第2開閉弁)32を備える。排気弁装置32は、調整弁装置31と同様の構成であり、排気弁装置32の開閉動作は、制御部8によって制御されるように構成されている。排気弁装置32として、高温耐熱バルブを用いることができる。
また、成膜装置は、搬送路21と同様、排気弁装置32の上流側における排気路部分22aの温度を検出する第2上流側温度検出部61bと、排気弁装置32の温度を検出する第2弁温度検出部62bと、排気弁装置32の下流側における排気路部分22bの温度を検出する第2下流側温度検出部63bとを備える。第2上流側温度検出部61b、第2弁温度検出部62b、第2下流側温度検出部63b及び材料温度検出部64は、例えば、測温抵抗体、熱電対、サーミスタ等を用いて構成されており、検出した各部の温度を示す信号をそれぞれ制御部8へ出力する。
更に、成膜装置は、排気弁装置32の上流側における排気路部分22aを加熱する第2上流側加熱部71bと、排気弁装置32を加熱する第2弁加熱部72bと、排気弁装置32の下流側における排気路部分22bを加熱する第2下流側加熱部73bとを備える。各加熱部の詳細は、搬送路に設けられた各加熱部と同様である。
制御部8は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータであり、CPUには、制御部8の動作に必要なコンピュータプログラム、成膜処理プロセスに必要な各種情報を記憶した記憶部、成膜装置の各構成部の動作を制御するための信号を入出力する入出力部等がバスを介して接続されている。前記各種情報は、例えば、有機成膜材料を加熱する際に行う調整弁装置31の開閉動作を制御するために必要な所定温度を含む。所定温度は、有機成膜材料の蒸発温度以下に設定された温度である。より具体的には、所定温度は、例えば、蒸発開始温度以下の250℃以下の温度である。また、前記各種情報は、例えば、有機成膜材料の加熱目標温度を含む。加熱目標温度は、所定温度より高い温度であり、所望の蒸発量が得られるような温度である。
制御部8は、有機成膜材料を加熱する場合、材料温度検出部64にて検出された温度の高低に応じて、排気弁装置32の開閉動作を制御する。具体的には、制御部8は、材料温度検出部64にて検出された温度が前記所定温度未満である場合、調整弁装置31及び排気弁装置32を閉状態に制御し、材料温度検出部64にて検出された温度が前記所定温度となった場合、排気弁装置32を開状態に制御する。そして、制御部8は、有機成膜材料の蒸気量が安定したときに、排気弁装置32を閉鎖し、調整弁装置31を開放する。
制御部8は、調整弁装置31の下流側における搬送路部分21bの温度が、調整弁装置31の温度以上であり、調整弁装置31の温度が、調整弁装置31の上流側における搬送路部分21aの温度以上になるように、搬送路21及び調整弁装置31を加熱する。具体的には、調整弁装置31の下流側における搬送路21の温度が、調整弁装置31の温度以上であり、調整弁装置31の温度が、調整弁装置31の上流側における搬送路21の温度以上になるように、第1上流側加熱部71a、第1弁加熱部72a及び第1下流側加熱部73aの動作を制御する。このように制御しないと、蒸気発生部1において発生した有機成膜材料の蒸気が搬送路21の途中で凝縮してしまうためである。
こうした事情は排気路22でも同様であり、制御部8は、排気弁装置32の下流側における排気路部分22bの温度が、排気弁装置32の温度以上であり、排気弁装置32の温度が、排気弁装置32の上流側における搬送路部分22aの温度以上になるように、排気路22及び排気弁装置32を加熱する。
図2及び図3は、有機成膜材料の加熱及び搬送に係る制御部8の処理手順を示したフローチャートである。
制御部8は、調整弁装置31、排気弁装置32及びシャッタ43を閉鎖し(ステップS11)、有機成膜材料を加熱する(ステップS12)。具体的には、制御部8は、調整弁装置31及びシャッタ駆動部に制御信号を与え、調整弁装置31、排気弁装置32及びシャッタ43を閉鎖する。また、制御部8は、蒸気発生部1に制御信号を与えることによって、加熱機構を動作させ、有機成膜材料の加熱を開始する。次いで、制御部8は、材料温度検出部64にて蒸気発生部1の温度を検出し、蒸気発生部1の温度が所定温度に接近しているか否か、即ち蒸気発生部1の温度が、所定温度よりも更に一定量低い温度に到達したか否かを判定する(ステップS13)。該一定量は、後述のステップS14の処理によって、蒸気発生部1の温度が所定温度に到達する前に、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32の温度が蒸気発生部1と同等か、それ以上の温度に到達するように設定される。
ステップS13の処理で、蒸気発生部1の温度がまだ所定温度に接近していないと判定した場合(ステップS13:NO)、制御部8は、ステップS13の処理を再度実行する。つまり、制御部8は、蒸気発生部1の温度が所定温度に接近するまで待機する。蒸気発生部1の温度が所定温度に接近したと判定した場合(ステップS13:YES)、制御部8は、後述のサブルーチンを呼び出し、搬送路21及び排気路22等の温度制御を行う(ステップS14)。ステップS14においては、蒸気発生部1が所定温度に達する前に、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32がそれぞれの設定温度に加熱されるように、温度制御を行う。なお、上述の温度関係は、蒸気発生部1の温度が所定温度に達する前に達成されていればよく、蒸気発生部1の昇温とともに温度を上昇させる必要はない。温度制御の詳細は後述する。そして、制御部8は、材料温度検出部64にて蒸気発生部1の温度を検出し、蒸気発生部1の温度が所定温度以上であるか否かを判定する(ステップS15)。
蒸気発生部1の温度が所定温度未満であると判定した場合(ステップS15:NO)、制御部8は、処理をステップS14へ戻す。蒸気発生部1の温度が所定温度以上であると判定した場合(ステップS15:YES)、制御部8は、排気弁装置32を開放する(ステップS16)。
次いで、制御部8は、搬送ガス供給用の調整弁92を開状態にして、搬送ガスを蒸気発生部1に供給する(ステップS17)。なお、搬送ガスの供給タイミングは一例であり、排気弁装置32を開放した直後に搬送ガスを供給しても良いし、搬送ガスを供給しなくてもよい。ただし、目標加熱温度に近い温度に達した際には、成膜時と同程度流量の搬送ガスが供給されるのが好ましい。そして、制御部8は、蒸気発生部1の温度が、目標加熱温度に一致するように、蒸気発生部1の温度をPID制御する(ステップS18)。次いで、制御部8は、ステップS14と同様、後述のサブルーチンを呼び出し、搬送路21及び排気路22等の温度制御を行う(ステップS19)。次いでまた、制御部8は、第1蒸気量検出部23を用いて、有機成膜材料の蒸気量を検出し、蒸気量が所定量に一致するよう制御する(ステップS20)。そして、制御部8は、第1蒸気量検出部23を用いて、有機成膜材料の蒸気量を検出し、第1蒸気量検出部23にて検出された蒸気量が所定量で、安定したか否かを判定する(ステップS21)。安定したかどうかを判断するために、第1蒸気量検出部(蒸気量検出手段)23により所定時間間隔で蒸気量を検出し、それぞれの蒸気量の値が一定範囲内にあるかどうかを判断してもよいし、継続的にモニターを続け、所定時間ある一定範囲内の値を示す場合に安定したと判定しても良い。その結果、蒸気量が安定していないと判定した場合(ステップS21:NO)、制御部8は、処理をステップS18へ戻す。蒸気量が安定したと判定した場合(ステップS21:YES)、制御部8は、排気弁装置32を閉鎖し(ステップS22)、調整弁装置31を開放する(ステップS23)。
次いで制御部8は、ステップS18〜20と同様、蒸気発生部1の温度が、目標加熱温度に一致するように、蒸気発生部1の温度をPID制御し(ステップS24)、更に後述のサブルーチンを呼び出し、搬送路21及び排気路22等の温度制御を行い(ステップS25)、有機成膜材料の蒸気量を制御する(ステップS26)。ただし、ステップS26における蒸気量の制御は、第2蒸気量検出部24によってモニターして得られた蒸気量に基づいて行うのが望ましい。基板G側に近い部分で検出された有機成膜材料の蒸気量に基づいた方が、基板Gに供給される有機成膜材料の蒸気量をより正確に制御することができるためである。以上の制御により、基板Gへ有機成膜材料が供給され成膜処理が開始される。成膜処理の間は、蒸気発生部1は加熱目標温度となるように、周知のPID制御等により制御される。他方、第1蒸気量検出部23又は第2蒸気量検出部24によってモニターして得られた蒸気量が、所定量であるかどうかを判定する。所定量よりも少ない場合は、Arガス等の搬送ガスの流量を増大させ、吹き出し機構4へ供給される有機成膜材料の蒸気量を増大させる。所定量より大きく外れて蒸気量が少ない場合には、蒸気発生部1を加熱して有機材料の蒸気量を増やすこともできる。また、搬送ガスの流量と蒸気発生部1の加熱温度の双方を変化させても良いし、基板Gの温度を制御したり、基板Gの移動速度を変化させることによって、基板Gに供給される有機成膜材料の蒸気量を実質的に制御することもできる。実際の蒸気量と所定量とのずれの大きさを閾値と比較して、その値よりもずれの大きさが小さいときは、搬送ガスの流量により、蒸気量を制御する。ずれの大きさが大きいときは、加熱温度を変化させる、つまり、加熱目標温度をより高い温度に変更することにより流量制御を行なうのが望ましい。
次いで、制御部8は、成膜処理を終了するか否かを判定する(ステップS27)。成膜処理を終了しないと判定した場合(ステップS27:NO)、制御部8は、処理をステップS24へ戻す。成膜処理を終了すると判定した場合(ステップS27:YES)、制御部8は、シャッタ43及び調整弁装置31を閉鎖し(ステップS28)、排気弁装置32を開放させる(ステップS29)。そして、制御部8は、有機成膜材料の加熱を停止させる(ステップS30)。次いで、制御部8は、搬送路21及び排気路22の温度を下げる過程においても、後述のサブルーチンを呼び出し、搬送路21及び排気路22の温度制御を行う(ステップS31)。ステップS31においては、蒸気発生部1が、少なくとも所定温度未満になるまで、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32が所定温度に加熱されるように、温度制御を行ってよい。蒸気発生部1が所定温度未満になれば、上述の温度制御は必ずしも必要ない。そして、制御部8は、蒸気発生部1の温度が所定温度未満になったか否かを判定する(ステップS32)。つまり、有機成膜材料の蒸気の発生が停止したか否か、又は蒸気量が十分に小さくなったかを判定する。蒸気発生部1の温度が所定温度以上であると判定した場合(ステップS32:NO)、制御部8は、処理をステップS31へ戻し、搬送路21及び排気路22の温度制御を引き続き行う。蒸気発生部1の温度が所定温度未満であると判定した場合(ステップS32:YES)、制御部8は、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32の加熱制御を停止させ(ステップS33)、搬送ガスの供給を停止させ、排気弁装置32を閉鎖する(ステップS34)。
次いで、制御部8は、成膜処理を再開するか否かを判定する(ステップS35)。成膜処理を再開しないと判定した場合(ステップS35:NO)、制御部8は、再びステップS35の判定処理を実行する。成膜処理を再開すると判定した場合(ステップS35:YES)、制御部8は、処理をステップS12へ戻す。
上述の終了制御、即ちステップS28〜ステップS34の処理においては、有機成膜材料の蒸気量が十分少なくなるまで(所定温度以下となるまで)、蒸気発生部1と排気路22の下流側の温度とが等しいか、排気路22の下流側の温度が高くなるように制御される。具体的には、排気弁装置32の下流側における排気路部分22bの温度が、排気弁装置32の温度以上であり、排気弁装置32の温度が、排気弁装置32の上流側における搬送路部分22aの温度以上であるように制御される。このような関係を保って温度を降下させないと、排気路22途中で有機成膜材料が凝縮してしまうためである。このとき、少なくとも蒸気発生部1からの蒸気量が十分少なくなる温度(所定温度)まで前述の温度関係を保てばよく、それ以下の温度においては、これに限られない。
同様に、本実施の形態では、少なくとも、搬送路21の上流側の温度が、蒸気発生部1の温度以上になるように制御する。
次に、搬送路21及び排気路22の温度制御について説明する。有機成膜材料を供給する際、蒸気発生部1を加熱して、蒸気発生部1が所定温度に達する前に、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32は所定温度に加熱されている必要がある。その後、蒸気発生部1の温度よりも高い温度を維持しながら搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32を昇温する。これは、蒸気発生部1が所定温度に達する前に、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32が所定温度に加熱されていればよく、蒸気発生部1の昇温とともに温度を上昇させる必要はない。所定温度以上の温度領域(成膜処理開始前、成膜処理中又は成膜停止時を含む)においては少なくとも、搬送路21、排気路22、調整弁装置31、及び排気弁装置32の温度は蒸気発生部1と同等か、それ以上の温度に保たれていれば良いのである。
図4は、搬送路21及び調整弁装置31等の温度制御に係る制御部8の処理手順を示したフローチャートである。具体的には、制御部8は、ステップS14,19,25,31の処理でサブルーチンが呼び出された場合、材料温度検出部64において、蒸気発生部1の温度を検出する(ステップ51)。そして、制御部8は、第1及び第2上流側温度検出部61a、61bにおいて、搬送路21及び排気路22の上流側温度を検出する(ステップS52)。次いで、制御部8は、第1及び第2弁温度検出部62a,62bにおいて、調整弁装置31及び排気弁装置32の温度を検出し(ステップS53)、第1及び第2下流側温度検出部63a,63bにおいて、搬送路21及び排気路22の下流側温度を検出する(ステップS54)。
制御部8は、蒸気発生部1の温度(所定温度以下の温度)が搬送路21及び排気路22の上流側温度よりも高温であるか否かを判定する(ステップS55)。蒸気発生部1の温度が搬送路21の上流側温度及び排気路22の上流側温度よりも高温であると判定した場合(ステップS55:YES)、制御部8は、第1及び第2上流側加熱部71a,71bにて、搬送路21及び排気路22の一方又は双方の上流側を加熱する(ステップS56)。即ち、蒸気発生部1の温度が搬送路21の上流側温度よりも高温であると判定した場合、搬送路21の上流側を加熱し、蒸気発生部1の温度が排気路22の上流側温度よりも高温であると判定した場合、排気路22の上流側を加熱する。蒸気発生部1の温度が搬送路21及び排気路22の上流側温度以下であると判定した場合(ステップS55:NO)、制御部8は、上記発生部1、搬送路21及び排気路22の温度関係を維持する(ステップS57)。ステップS55〜57の処理によって、搬送路21及び排気路22の上流側温度が蒸気発生部1の温度以上になり、この状態が維持される。
ステップS56又はステップS57の処理を終えた制御部8は、搬送路21及び排気路22の上流側温度が、それぞれ調整弁装置31及び排気弁装置32の温度よりも高温であるか否かを判定する(ステップS58)。即ち、搬送路21の上流側温度が、調整弁装置31の温度よりも高温であるか否かを判定し、排気路22の上流側温度が、排気弁装置32の温度よりも高温であるか否かを判定する。搬送路21及び排気路22のいずれかが上流側温度が調整弁装置31及び排気弁装置32の温度よりも高温であると判定した場合(ステップS58:YES)、制御部8は、第1弁加熱部72aにて調整弁装置31及び排気弁装置32の一方又は双方を加熱する(ステップS59)。即ち、搬送路21の上流側温度が、調整弁装置31の温度よりも高温である場合、調整弁装置31を加熱し、排気路22の上流側温度が、排気弁装置32の温度よりも高温である場合、排気弁装置32を加熱する。搬送路21及び排気路22の上流側温度が調整弁装置31及び排気弁装置32の温度以下であると判定した場合(ステップS58:NO)、制御部8は、調整弁装置31、排気弁装置32、搬送路21及び排気路22の温度関係を維持する(ステップS60)。ステップS58〜60の処理によって、調整弁装置31及び排気弁装置32の温度が搬送路21及び排気路22の上流側温度以上になり、この状態が維持される。
ステップS59又はステップS60の処理を終えた制御部8は、調整弁装置31及び排気弁装置32の温度が、それぞれ搬送路21及び排気路22の下流側温度より高温であるか否かを判定する(ステップS61)。即ち、調整弁装置31の温度が搬送路21の下流側温度よりも高温であるか否か、排気弁装置32の温度が排気路22の下流側温度より高温であるか否かを判定する。調整弁装置31及び排気弁装置32のいずれかが、搬送路21及び排気路22の下流側温度より高温であると判定した場合(ステップS61:YES)、第1及び第2下流側加熱部73a,73bにて、搬送路21及び排気路22の一方又は双方の下流側を加熱し(ステップS62)、下流側温度が調整弁装置の温度以上となったとき、処理を終える。即ち、調整弁装置31の温度が搬送路21の下流側温度よりも高温である場合、搬送路21の下流側を加熱し、排気弁装置32の温度が排気路22の下流側温度よりも高温である場合、排気路22の下流側を加熱する。調整弁装置31及び排気弁装置32が、搬送路21及び排気路22の下流側温度以下あると判定した場合(ステップS61:NO)、制御部8は、調整弁装置31、排気弁装置32、搬送路21及び排気路22の温度関係を維持し(ステップS63)、処理を終える。ステップS61〜63の処理によって搬送路21及び排気路22の下流側温度が調整弁装置31及び排気弁装置32の温度以上になり、この状態が維持される。
上述の処理によって、成膜を開始するときや成膜途中においては、各検出部それぞれ検出した温度を基にPID制御等を行なって、蒸気発生部1を目標加熱温度に保ち、搬送路21及び排気路22の温度を所定の関係を保つように制御する。また、さらに精密に制御するには、蒸気量検出部によって検知された値をもとに蒸気量が所定値となるようフィードバック制御を行なってもよい。
成膜を終了するときも、成膜を開始するときや成膜途中の場合と逆の制御を行なう。
つまり、まず、シャッタ43および調整弁装置31を閉じ、排気弁装置32を開状態にする。そして、蒸気発生部1、上流側の搬送路部分21a及び排気路部分22b並びに下流側の搬送路部分21b及び排気路部分22bの温度を低下させる。このとき、少なくとも所定温度までは、上流側の搬送路部分21b及び排気路部分22bの温度が蒸気発生部1の温度と同一又はそれよりも高く、上流側の搬送路部分21b及び排気路部分22bの温度が下流側の搬送路部分21b及び排気路部分22bの温度と同一又は低いという関係を保ちつつ温度を降下させる。このように温度降下を制御することにより搬送路21及び排気路22途中での有機成膜材料の凝縮・堆積を防止することができ、次回の成膜処理時に凝縮した有機材料が剥がれ落ちたりすることによる基板の汚染防止が可能となる。
このように構成された実施の形態1に係る成膜装置及び成膜材料供給方法にあっては、有機成膜材料が蒸発を開始する直前まで、つまり蒸気発生部1の温度が所定温度に達するまでは、調整弁装置31及び排気弁装置32を閉鎖して有機成膜材料を加熱し、有機成膜材料の蒸発が活発になり始めたとき、排気弁装置32を開放し、有機成膜材料の蒸気量が一定となって安定したとき、排気弁装置32を閉じ、調整弁装置31を開放する。従って、蒸気発生部1内部の圧力上昇、温度上昇を抑えつつ効率的に成膜材料を加熱することができ、しかも精密な温度制御を行うことができる。また、緻密な温度制御によって、被処理基板に対する成膜材料の蒸着による精密な膜厚の制御を行うことができる。
また、所定温度として、有機成膜材料の蒸発温度の下限値である、例えば、250℃に設定しているため、有機成膜材料の蒸発による蒸気発生部内部の圧力上昇及び温度上昇が効果的に抑えられる。
更に、本発明にあっては、搬送路21の下流側温度は、調整弁装置31の温度以上であり、調整弁装置31の温度は、搬送路21の上流側温度以上である。従って、搬送路21及び調整弁装置31に有機成膜材料が凝縮することを防止することが可能である。
更にまた、第1上流側温度検出部61a、第1弁温度検出部62a、及び第1下流側温度検出部63aによって、搬送路21及び調整弁装置31の各部の温度が検出され、各部の温度は、第1上流側加熱部71a、第1弁加熱部72a及び第1下流側加熱部73aによって加熱される。従って、搬送路21及び調整弁装置31に有機成膜材料が凝縮することをより確実に防止することが可能である。排気路22についても同様の効果を奏する。
更にまた、有機成膜材料を加熱する際に調整弁装置31が開状態になっても、開口42はシャッタ43によって閉塞されるため、成膜処理前に有機成膜材料の蒸気が処理室5内に吹き出されることを防止することができる。排気路22についても同様の効果を奏する。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る成膜装置は、成膜終了時に吹き出し機構内に滞留する有機成膜材料の蒸気を迅速に排気することができるように構成されており、排気路及び排気弁装置を搬送路の上流側及び下流側の双方に設けた点が異なるため、以下では主に上記相異点を説明する。
図5は、本実施の形態2に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。第1の実施形態においては、第1の排気路22及び排気弁装置32を搬送路21の調整弁装置31よりも上流側部分21に設けたが、実施の形態2に係る成膜装置は、更に、調整弁装置31の下流側であって、吹き出し機構4の上流側に第2の排気路25及び排気弁装置33を有する。排気弁装置33として、他の弁装置と同様に高温耐熱バルブを用いることができる。また、処理室5には、処理室5を大気開放させるためのパージガス、例えば窒素ガスを供給するパージガス供給管51が接続されており、図示しないパージガス供給源から処理室5へパージガスが供給されるように構成されている。パージガス供給管51には該パージガス供給管51を開閉させるパージガス用開閉弁52が設けられている。
制御部8は、成膜終了時に調整弁装置31を閉鎖し、第1及び第2の排気弁装置32,33を開放する。
このように構成することにより、成膜終了時など、吹き出し機構内に滞留する有機成膜材料の蒸気を迅速に排気することができる。
(実施の形態2の変形例)
変形例に係る調整弁装置31は、特開2010−216577号公報(特願2009−064546号)に記載の高温耐熱バルブであり、成膜停止時の制御内容のみが上述の実施の形態とは異なる。変形例2に係る制御部8は、成膜停止時において、調整弁装置31の下流側、即ち搬送路部分21bの温度制御を行わないように構成されている。つまり、制御部8は、成膜停止時においては、搬送路部分21bの温度制御に関して、実施の形態1におけるステップS61〜S63の処理を実行しないように構成されている。言い換えると、調整弁装置31と、搬送路21の上流側の搬送路部分21aと、蒸気発生部1との温度関係のみを所定の関係に制御すれば良い。これは、高温領域においても調整弁装置31はリークが無く、調整弁装置31が閉状態であれば、下流側の搬送路部分21bに蒸気が流れることが無いからである。
次に、成膜停止時における各弁の開閉制御手順について説明する。まず、制御部8は、成膜を終了して大気開放動作に入る際、成膜終了後すぐに調整弁装置31を閉状態にする。そして略同時に、排気弁装置33を開状態とし、吹き出し機構4内に残留する蒸気を吸引・排気する。その後、パージガス用開閉弁52を開状態にすることにより、処理室5外部から大気開放用のパージガスを処理室5内に導入する。
変形例に係る成膜装置によれば、成膜終了時に処理室5をより短時間で大気開放することができる。基板Gが大型化すると、処理室5の容積も増大する。例えば、73cm×92cmの基板Gを処理する成膜装置ともなると、処理室5の容積は1万リットルを超える。定期的なメンテナンスを行うときなど、処理室5を大気開放する必要があるが、容積が大きいため、大気開放には数時間程度のかなりの時間を要する。ところが、調整弁装置31として、前記高温耐熱バルブを用いると、高温(約500度程度まで)でのリーク特性が良好であるため、高温の状態でもシール性良く閉状態にすることができる。すなわち、成膜温度近傍の高温の状態から大気開放操作を開始することができ、ダウンタイムを減少させることができる。上述の実施の形態とは異なり、調整弁装置31により、調整弁装置31の下流側の搬送路部分21bと、上流側の搬送路部分21aとを完全に分離し、それぞれ温度制御することができるようになる。このような構成によれば、大気開放にかかる時間を短縮することができ、ダウンタイムを大幅に減少させることも可能となる。即ち大気開放に要する時間を短縮することができる。
以上、高温耐熱バルブを調整弁装置31として本成膜装置に用いた場合の成膜停止時の制御・効果について詳細に記載したが、昇温時においても成膜を開始するその時までに搬送路21と調整弁装置31が所定の温度関係になっていればよい。即ち、蒸気が生成される所定温度を超えていても実施の形態1で示したような所定の搬送路21と調整弁装置31が温度関係になっている必要はなく、成膜開始時に調整弁装置31の下流側における搬送路部分21bの温度が、調整弁装置31の温度以上であり、調整弁装置31の温度が、調整弁装置31の上流側における搬送路部分21aの温度以上になっていればよい。つまり調整弁装置31の下流側の搬送路21bを独立して温度制御することが可能である。前述のように高温耐熱バルブは高温におけるリーク特性が優れているため、上流側搬送路21aと下流側搬送路21bとを独立して温度制御することが可能となる。
(実施の形態3)
図6は、本実施の形態3に係る6層連続型の成膜装置の概略斜視図、図7は、本実施の形態3に係る成膜ユニットの断面図、図8は、本実施の形態3に係る蒸気発生部の断面図である。以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態3にかかる成膜装置について詳細に説明する。なお、実施の形態3に係る6層連続型の成膜装置は、実施の形態1に係る成膜装置の各構成部、特に本実施の形態に好適な調整弁装置300の構成を具体化したものであり、制御部の処理内容は実施の形態1と同様である。従って,以下では、主に各構成部の物理的構成について説明を行う。また、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.調整弁装置を利用する成膜装置の全体構成
2.成膜装置に係る成膜ユニットの内部構成
3.成膜ユニットに係る調整弁装置の内部構成
4.弁体及び弁座面の構造、形状、表面処理
5.リーク状態の検証
[成膜装置]
まず、本発明の実施形態2に係る成膜装置について、その概略構成を示した図6を参照しながら説明する。
成膜装置は、矩形状の処理室500を有している。処理室500の内部は、図示しない排気装置により排気され、所望の真空状態に維持されている。処理室500の内部には、成膜ユニット10が6つ並んで配置されている。隣接する成膜ユニット10の間には、隔壁板510がそれぞれ設けられている。成膜ユニット10は、矩形状の3個の蒸気発生部100、連結管200、蒸気発生部100と対になって配置される3つの調整弁装置300及び吹き出し機構400を有している。
蒸気発生部100は、SUS等の金属から形成されている。石英等は有機成膜材料と反応しにくいため、蒸気発生部100は、石英等でコーティングされた金属から形成されていてもよい。なお、蒸気発生部100は、材料を気化する蒸着源の一例であり、ユニット型の蒸着源である必要はなく、一般的なるつぼであってもよい。
蒸気発生部100の内部には、異なる種類の有機成膜材料が納められている。材料加熱部130は、蒸気発生部100を所望の温度,即ち加熱目標温度に加熱し、有機成膜材料を気化させる。なお、気化とは、液体が気体に変わる現象だけでなく、固体が液体の状態を経ずに直接気体に変わる現象(即ち、昇華)も含んでいる。
有機成膜材料の蒸気(気化された有機分子)は、連結管200を通って、吹き出し機構400まで運ばれ、吹き出し機構400の上部に設けられたスリット状の開口420から吹き出される。吹き出された有機成膜材料の蒸気は、基板Gに付着され、これにより基板Gが成膜される。隔壁板510は、隣接する開口420から吹き出された有機成膜材料の蒸気が混在しながら成膜されることを防止する。なお、本実施形態では、図6に示したように、処理室500の天井位置にてスライド移動するフェースダウンの基板Gを成膜したが、基板Gはフェースアップに配置されていてもよい。
[成膜ユニット]
つぎに、図6のV−V断面を示した図7及び図8を参照しながら、成膜ユニット10の内部構造について説明する。なお、図6に示した他の5つの成膜ユニット10は、図6のV−V断面の成膜ユニット10と同一構造であるためその説明を省略する。
蒸気発生部100は、材料投入器110と外部ケース120とを有している。材料投入器110は、有機成膜材料を収納する材料容器110aと搬送ガスの導入流路110bとを有する。外部ケース120は、ボトル状に形成され、中空の内部に材料投入器110が着脱可能に装着されるようになっている。材料投入器110が外部ケース120に装着されると、蒸気発生部100の内部空間が画定される。蒸気発生部100の内部空間は、連結管200の内部に形成された搬送路200aと連通する。搬送路200aは、調整弁装置300の開閉機構により開閉される。調整弁装置300は、処理室500の外部に設けられたエアー供給源600から供給される加圧エアーにより搬送路200aを開閉する。調整弁装置300の内部構造については後述する。
材料投入器110の端部は、図示しないガス供給源に接続され、ガス供給源から供給されるアルゴンガスを流路110bに導入する。アルゴンガスは、材料容器110aに収納された有機成膜材料が蒸発して生成された蒸気を搬送する搬送ガスとして機能する。なお、搬送ガスは、アルゴンガスに限られず、ヘリウムガスやクリプトンガスなどの不活性ガスであればよい。
また、蒸気発生部100の外部ケース120には、ヒータ等の材料加熱部130が埋設されている。また、蒸気発生部100内部の適宜箇所には、蒸気発生部100の温度を検出する材料温度検出部64が配されている。材料温度検出部64は、検出した温度を示す信号を制御部へ出力する。
吹き出し機構400の上部に設けられたスリット状の開口420から吹き出される。吹き出し機構400には、蒸気発生部100が連結管200の搬送路200aを介して接続されており、蒸気発生部1から搬送路200aを通じて搬送された有機成膜材料の蒸気を一時的に滞留させる滞留室410を備える。滞留室410は、例えば、中空略直方体であり、滞留室410の上面には、滞留室410に滞留した有機性膜材料の蒸気を吹き出す開口420が設けられている。また、吹き出し機構400は、開口420を開閉可能に閉鎖するシャッタ430を備えている。シャッタ430は、開口420が開放される開放位置と、開口42が閉鎖される閉鎖位置との間を往復移動できるように構成されており、シャッタ駆動部及び制御部によって動作する点は、実施の形態1と同様である。
有機成膜材料の蒸気は、蒸気発生部100から連結管200の搬送路200aを通って吹き出し機構400に搬送され、滞留室410に一時滞留した後、スリット状の開口420を通って基板G上に付着する。
[有機膜構造]
図9は、本実施の形態3に係る成膜装置により形成された有機EL素子の模式図である。本実施形態にかかる成膜装置では、図6に示したように、基板Gは1〜6番目の吹き出し機構400の上方をある速度で進行する。進行中、図9に示したように、基板GのITO上に順に、第1層のホール注入層、第2層のホール輸送層、第3層の青発光層、第4層の緑発光層、第5層の赤発光層、第6層の電子輸送層が成膜される。このようにして、本実施形態にかかる成膜装置では、第1層〜第6層の有機層が連続成膜される。このうち、第3層〜第5層の青発光層、緑発光層、赤発光層は、ホールと電子の再結合により発光する発光層である。また、有機層上のメタル層(電子注入層及び陰極)は、スパッタリングにより成膜される。
これにより、有機層を陽極(アノード)および陰極(カソード)にてサンドイッチした構造の有機EL素子がガラス基板G上に形成される。有機EL素子の陽極および陰極に電圧を印加すると、陽極からはホール(正孔)が有機層に注入され、陰極からは電子が有機層に注入される。注入されたホールおよび電子は有機層にて再結合し、このとき発光が生じる。
[搬送路の経路]
図10は、本実施の形態3に係る蒸気発生部100及び搬送路の断面図である。つぎに、図7のVIII −VIII 断面を示した図10を参照しながら、搬送路200aの経路について簡単に説明する。前述したように、連結管200は、調整弁装置300を経由して有機成膜材料の蒸気を吹き出し機構400側へ搬送する。具体的には、調整弁装置300の弁体は成膜中には開くため、各蒸気発生部100にて気化された有機成膜材料の蒸気は、搬送ガスにより搬送されながら、搬送路の往路200a1から復路200a2に通され、吹き出し機構400まで搬送される。一方、調整弁装置300の弁体は成膜しないときには閉じられているため、搬送路の往路200a1と復路200a2とは閉塞され、有機成膜材料の蒸気の搬送は停止させる。
また、連結管200には、搬送路の往路200a1及び復路200a2をそれぞれ加熱する第1上流側加熱部71a及び第1下流側加熱部73aが埋設されている。また、連結管200には、搬送路の往路200a1及び復路200a2の温度をそれぞれ検出する第1上流側温度検出部61a及び第1下流側温度検出部63aが設けられている。第1上流側温度検出部61a及び第1下流側温度検出部63aは、検出した温度を示す信号をそれぞれ制御部へ出力する。
[調整弁装置]
当該調整弁装置を用いて本成膜装置を構成すれば、有機成膜材料の蒸発温度より高い高温度領域においても有機成膜材料蒸気の供給制御を正確に行なうことができる。
図11は、本実施の形態3に係る調整弁装置300の断面図である。次に、調整弁装置300の断面を示した図11を参照しながら、調整弁装置300の内部構成及び動作について詳述する。調整弁装置300は、円筒状の弁箱305を有している。弁箱305は、前方部材305a、中央のボンネット305b、後方部材305cの3つに分かれている。弁箱305は中空になっていて、その略中央に弁体310が内蔵されている。
前方部材305a及びボンネット305bには、調整弁装置300を加熱するための第1弁加熱部72a、例えばヒータが埋設されている。また、前方部材305aには、調整弁装置300の温度を検出する第1弁温度検出部62aが埋設されている。第1弁温度検出部62aは、検出した温度を示す信号を制御部へ出力する。
弁体310は、弁体頭部310aと弁体身部310bとに分離されている。弁体頭部310aと弁体身部310bとは、弁軸310cにより連結されている。具体的には、弁軸310cは棒状部材であって、弁体身部310bの長手方向の中央を貫通し、弁体頭部310aの中央に設けられた凹部310a1に嵌入されている。弁体身部310bの突出部310b1は、弁箱305のボンネット305bに設けられた環状の凹部305a1に挿入されている。弁箱305の前方部材305aには、搬送路200aの往路200a1及び復路200a2が形成されている。
凹部305a1には、突出部310b1が挿入された状態にて、弁体身部310bがその長手方向に摺動可能な空間が設けられていて、その空間には耐熱性の緩衝部材315が介在している。緩衝部材315の一例としては、金属製ガスケットが挙げられる。緩衝部材315は、搬送路側の真空と弁軸310c側の大気を遮断するとともに弁体身部310bの摺動による突出部310b1とボンネット305bとの機械的干渉を緩和するようになっている。
(弁体身部及び弁体頭部の分離構造)
弁体頭部310aの凹部310a1にも、弁軸310cが挿入された状態で遊び310a2が設けられている。本実施形態に係る弁体310では、弁体身部310bと弁体頭部310aとが分離されているので、弁体身部310bと弁軸310cとのクリアランス(隙間)を制御することにより、開閉動作時の弁体310の中心位置のずれを補正する。これに加えて、弁体頭部310aの凹部310a1に遊び310a2を設けたことにより、弁体頭部310aの軸の微少なずれを調整することができる。これにより、弁体頭部310aを弁座面200a3に偏りなく当接することにより、弁体頭部310aと弁座面200a3との密着性を高くして、リークを防ぐことができる。この結果、本実施形態に係る分離型の弁体310によれば、調整弁装置300が高温状態にて使用されたり、低温状態にて使用されたりして金属が熱膨張することによる影響が生じたとしても、弁体310の分離構造により上述したようにその影響を吸収できるため、一体型の弁体に比べて開閉時の弁体部分のリークを効果的に防ぐことができる。
弁箱305の後方部材305cには、弁体駆動部320が設けられている。弁体駆動部320は、弁箱305に内蔵された動力伝達部材320a、第1のベローズ320b及び第2のベローズ320cを有している。動力伝達部材320aは、略T字状であって、弁軸310cの端部にねじ止めされている。
第1のベローズ320bは、一端が動力伝達部材320aに溶接され、他端が後方部材305cに溶接されている。これにより、弁箱305の後部側(動力伝達部材320aに対して弁体310と反対側の位置)に、動力伝達部材320aと第1のベローズ320bと後方部材305cとにより隔絶された第1の空間Usが形成される。
第2のベローズ320cは、一端が動力伝達部材320aに溶接され、他端が後方部材305cに溶接されている。これにより、弁箱305の前部側(動力伝達部材320aに対して弁体側の位置)に、動力伝達部材320aと第1のベローズ320bと第2のベローズ320cと後方部材305cとにより隔絶された第2の空間Lsが形成される。
第1の配管320dは、第1のベローズ320bにより隔離された第1の空間Usと連通する。第1の配管320dは、エアー供給源600の供給管Ar1に連結されている。第1の配管320dは、エアー供給源600から出力された加圧エアーを第1の空間Usに供給する。
第2の配管320eは、第1のベローズ320bと第2のベローズ320cとにより隔絶された第2の空間Lsと連通する。第2の配管320eは、エアー供給源600の供給管Ar2に連結されている。第2の配管320eは、エアー供給源600から出力された加圧エアーを第2の空間Lsに供給する。
かかる構成によれば、第1の配管320dから第1の空間Usに供給された加圧エアーと第2の配管320eから第2の空間Lsに供給された加圧エアーとの比率に応じて、動力伝達部材320aから弁軸310cを介して弁体頭部310aに動力が伝達される。これにより、弁体頭部310aがその長手方向に進行又は後退することによって弁箱305に形成された搬送路の往路200a1及び復路200a2を開閉する。開閉方向は、第1の空間Usに供給された加圧エアーと第2の空間Lsに供給された加圧エアーとの比率により定まる。
たとえば、第2の空間Lsに供給された加圧エアーに対する第1の空間Usに供給された加圧エアーの比率が高くなった場合、動力伝達部材320aは、弁体310を押圧する方向にスライドし、弁体頭部310aが弁軸310cを介して前方方向に押され、これにより、弁体頭部310aが搬送路の往路200a1を閉塞し、弁体310が閉まる。
一方、第2の空間Lsに供給された加圧エアーに対する第1の空間Usに供給された加圧エアーの比率が低くなった場合、動力伝達部材320aは、弁体310を引っ張る方向にスライドし、弁軸310cを介して弁体頭部310aが後方方向に引っ張られ、これにより、弁体頭部310aが搬送路の往路200a1から離隔し、弁体310が開く。
第3のベローズ325は、一端が弁体頭部310aに溶接され、他端が弁体身部310bに溶接されている。これにより、弁軸側の大気空間と搬送路側の真空空間とが遮断される。また、弁体身部310bと弁体頭部310aとの間を第3のベローズ325により支えることによって、弁体身部310bと弁軸310cとの間のクリアランスを管理することができる。これにより、弁体開閉動作時に弁体身部310bと弁軸310cとが接触して摩擦が生じないように制御されている。なお、ボンネット305bには、ボンネット305bと弁体駆動部320との間の密閉空間内をパージするパージポート330が設けられている。
弁箱305の前方部材305aとボンネット305bとの接面、及びボンネット305bと後方部材305cとの接面には密閉性を確保するためにシール用の金属製ガスケット335が介設されている。これにより、調整弁装置300を真空環境下での使用に適した構造とすることができる。
[弁体及び弁座面の表面処理]
本実施形態にかかる調整弁装置300では、上述したように弁体310を分離構造にしたことに加えて、500℃程度の高温環境においても操作性及びシール性を安定して維持できるように、弁体及び弁座の材質、形状及び表面加工の最適化を図っている。
(弁体及び弁座の材質及び表面処理)
具体的には、発明者らは、弁座面200a3及び弁体310の材質として、耐熱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を採用した。加えて、発明者らは、弁体310の表面を、ビッカース硬さが500HV以上になるように、ステライト(登録商標)仕上げ又はF2コート(登録商標)により加工した。ステライトは、ステンレス鋼にコバルト合金系の溶接盛りを施したものであり、F2コートは、ニッケルにリンを混入させた材料にてステンレス鋼をコーティングする処理である。たとえば、ステンレス鋼をステライト盛りすると、弁体頭部310aのビッカース硬さは500HV以上になり、F2コートすると、弁体頭部310aのビッカース硬さは700HV程度になる。よって、硬度の高さからステライト盛りよりF2コートの方が好ましい。
弁座側(弁座面200a3)は、たとえば、ステンレス鋼をバニシング加工する。バニシング加工では、金属表面をローラで押しつぶし塑性変形させることにより、表層を硬化させるとともに表面が鏡面に仕上げられる。本実施形態では、発明者らは、弁座面200a3のビッカース硬さを概ね200以上400HV以下になるように表面加工する。
以上のように、発明者らは、弁体頭部310aのF2コート、ビッカース硬さを500HV以上とし、弁座面200a3のビッカース硬さをシートバニシング加工により概ね200以上400HV以下とすることにより、弁体頭部310aと弁座面200a3との間に硬度差を設け、かつ弁体頭部310a及び弁座面200a3に異なる表面硬化処理を施した。これにより、弁体310のスムーズな開閉動作を実現し、カジリや焼き付きを防止した。
一方、弁座面200a3が硬すぎると弁座面200a3を形成する材質の結晶構造が崩れて、耐食性が落ち、弁座を構成する材質が剥離して搬送路中に飛来し、搬送路中の成膜材料に混入してコンタミネーションの原因になるため、弁座面200a3のビッカース硬さは、400HV以下(好ましくは、概ね200以上400HV以下)とした。
(弁体及び弁座の形状)
弁体頭部310aの弁座面200a3と当接する部分はテーパ形状であり、弁体頭部310aの先端面に垂直な線分に対するテーパ開度θは40°〜80°である。テーパ開度θを40°〜80°に限定したのは、シート性向上のためである。これにより、弁体310をさらにスムーズに開閉し、カジリや焼き付きを防止する。
なお、弁体頭部310aの弁座面200a3との当接部分は円弧状であってもよい。その場合、所望の曲率半径をもたせることが好ましい。これにより、弁体310をさらにスムーズに開閉し、カジリや焼き付きを防止する。
さらに、弁体310の組み立て仕上げ時には、弁座と弁体との同軸度、調芯(摺り合わせ)を行うことにより、弁体310と弁座面200a3との中心軸のずれをなくして最適な仕上げ状態にする。このようにして、特殊な表面硬化処理を行い、カジリ、焼き付きを防止したことにより、金属同士の弁体及び弁座を用いて、操作性、シール性及び耐熱性を安定して維持できる調整弁装置300を構築することができた。
[リーク状態の検証]
図12は、本実施の形態3に係る調整弁装置300を用いてリーク量を検出した結果を示した図表である。
発明者は、上記構成の調整弁装置300を用いて弁体310のリーク状態について検証した。実験は、弁箱305を500℃の高温にした状態と、弁箱305を室温にした状態との両方について行われた。弁体頭部310aの当接部分のテーパ開度θは60℃とした。弁体頭部310aは、SUS316のステンレス鋼にF2コートの表面処理が施され、弁座面200a3は、SUS316のステンレス鋼にバニシング加工が施されている。弁体頭部310aのビッカース硬さは700HV、弁座(弁座面200a3)のシートバニシング加工によりビッカース硬さは400HVであった。
弁箱305内(ボディ)の温度が500℃の場合、図12に示したように、操作圧力(MPa)、即ち、第1の配管320dから供給された加圧エアーが動力伝達部材320aを押圧する際の圧力を可変させたとき、検査したすべての操作圧力(0.20〜0.60:MPs)においてリーク量は10-11 (Pa×m3 /sec)以下のオーダーであった。特に、操作圧力が0.25〜0.55(MPa)の場合、リーク量の検出結果は、最小検出感度以下であった。これは、ほとんどリークが生じていないのでリーク量を検出不可能であったことを示している。
一方、弁箱内の温度が室温の場合、操作圧力(0.50〜0.60:MPs)においてリーク量は、10-9(Pa×m3 /sec)以下のオーダーであった。以上から、弁箱内の温度が室温の場合であっても操作圧力が0.50〜0.60(MPa)の場合、リーク量は、10-9(Pa×m3 /sec)以下のオーダーを達成することができ、500℃程度の高温状態では、更にリーク量を減少させることができることがわかった。従来の調整弁装置300では、リーク量が10-3〜10-4(Pa×m3 /sec)程度であったことと比較すると、本実施形態にかかる調整弁装置300では、弁体310及び弁座の材質、形状及び表面加工の最適化を図ったことにより、ほとんどリークが生じていない状態で弁体310の開閉動作を繰り返すことができることが立証された。
特に、有機成膜の場合、搬送路200aを通過する有機蒸着材料は、高温、減圧の環境下で使用される。有機蒸着材料が高温下で使用される理由について説明する。図7に示したように蒸気発生部100にて蒸発した有機成膜材料は、搬送ガスArにより搬送路200aを通過して基板Gまで搬送される。搬送中、付着係数を考慮して、成膜材料が搬送路200aの内壁に付着することを回避するために、搬送路200aを300℃以上の高温状態にする必要がある。また、有機蒸着材料が減圧下で使用される理由は、搬送路200aの内部を減圧状態にすることにより、コンタミネーションがほとんど存在しない状態で有機成膜材料の蒸気を基板Gまで搬送したいからである。
以上から、本実施形態2にかかる成膜装置の調整弁装置300が、有機膜の成膜装置に使用される場合、弁体310の近傍は、高温、減圧状態にある。しかしながら、上述したように、以上に説明した弁体310の開閉機構では、リークがほとんど生じないため、搬送路側が真空環境下にあっても、弁軸側の大気が搬送路側に流入しない。この結果、搬送路200aを通過する有機成膜材料の劣化を防ぎ、良好な有機成膜を実現することができる。
特に、本実施形態2に係る成膜装置の調整弁装置300は、500℃程度の高温状態でも非常に高い密閉性を保つことができる。また、弁体側及び弁座側をともに金属により形成し、かつ弁体の分離構造を採用したことにより、高い精度でリークを防止できる弁機構を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、本発明に係る調整弁装置は、有機EL装置に設けられた搬送路の開閉に使用されるだけでなく、半導体製造装置やFPD装置等の弁の開閉機構が必要な製造装置に使用することができる。特に、本発明にかかる調整弁装置は、500℃程度の高温状態でも使用することができ、10-1〜102 Pa程度の真空状態でも使用することができる。
なお、本発明に係る有機EL装置の成膜材料には、パウダー状(固体)の有機成膜材料を用いることができる。成膜材料に主に液体の有機金属を用い、気化させた成膜材料を加熱された被処理体上で分解させることにより、被処理体上に薄膜を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)に用いることもできる。
(実施の形態4)
図13は、本実施の形態4に係る成膜装置の構成を概念的に示した説明図である。実施の形態4に係る成膜装置は、基本的には実施の形態1と同様の構成であり、複数の成膜材料供給系を備える点が異なる。具体的には、実施の形態4に係る成膜装置は、ガラス基板Gを収容する処理室5と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013と、第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に処理室5へ搬送するための第1乃至第3搬送路1021、1022、1023と、第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための第1乃至第3排気路1031、1032、1033と、第1乃至第3搬送路1021、1022、1023の途中に設けられており、第1乃至第3搬送路1021、1022、1023を開閉する第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043と、第1乃至第3排気路1031、1032、1033の途中に設けられており、第1乃至第3排気路1031、1032、1033を開閉する第1乃至第3排気弁装置1051、1052、1053と、第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013のいずれかから供給された成膜材料の蒸気をガラス基板Gに対して真空蒸着法にて成膜を行う吹き出し機構4とを備える。第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043、第1乃至第3排気弁装置1051、1052、1053の構成は、実施の形態3で説明した弁装置と同様である。
また、第1乃至第3搬送路1021、1022、1023には、実施の形態1と同様、第1上流側加熱部、第1弁加熱部、第1下流側加熱部、第1上流側温度検出部、第1弁温度検出部、第1下流側温度検出部が設けられ、各部の動作は制御部によって制御されている。同様に、第1乃至第3排気路1031、1032、1033には、第2上流側加熱部、第2弁加熱部、第2下流側加熱部、第2上流側温度検出部、第2弁温度検出部、第2下流側温度検出部が設けられ、各部の動作は制御部によって制御されている。
更に、第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013と、第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043との間にそれぞれ第1蒸気量検出部が設けられ、吹き出し機構4と、第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043との間にも、第2蒸気量検出部が設けられている。各蒸気量検出部の検出結果は制御部に入力される。
更にまた、第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013には、ガラス基板Gに対して不活性ガス、例えばArなどの希ガス等からなる搬送ガスを供給する第1乃至第3搬送ガス供給管1061、1062、1063が接続され、第1乃至第3搬送ガス供給管1061、1062、1063の途中には、第1乃至第3調整弁1071、1072,1073が設けられている。
このように構成された成膜装置を用いた成膜材料供給方法、特に、成膜材料の交換に伴う第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013の切り換え動作について説明する。一例として、第1蒸気発生部1011が動作している状態において、第1蒸気発生部1011の成膜材料を交換すべく、成膜材料の蒸気を供給する装置を、第1蒸気発生部1011から第2蒸気発生部1012に切り換える処理を説明する。他の第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013の切り換え方法も同様にして行うことができる。第1蒸気発生部1011を動作させるためには、第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043、第1乃至第3排気弁装置1051、1052、1053、及びシャッタを閉鎖し、実施の形態1のステップS12〜ステップS26と同様の処理を第1蒸気発生部1011について実行すれば良い。具体的には、制御部は、第1蒸気発生部1011の温度を検出し、検出された温度が所定温度未満である場合、少なくとも第1調整弁装置1041を閉状態にして成膜材料を加熱し、検出された温度が前記所定温度以上である場合、第1排気弁装置1051を開状態にして成膜材料を加熱し、第1の蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、検出された蒸気量が安定した場合、第1排気弁装置1051を閉鎖し、第1調整弁装置1041を開放する。以後、制御部は、第1蒸気発生部1011の温度をPID制御して、一定の成膜材料の蒸気を処理室5へ供給する。
ここで、第1蒸気発生部1011から第2蒸気発生部1012への切り換え指示が制御部に与えられた場合、制御部は、ステップS12〜ステップS21と同様の処理を第2蒸気発生部1012について実行する。具体的には、制御部は、第2蒸気発生部1012の温度を検出し、検出された温度が所定温度未満である場合、少なくとも第2調整弁装置1042を閉状態にして成膜材料を加熱し、検出された温度が前記所定温度以上である場合、第2排気弁装置1052を開状態にして成膜材料を加熱し、第2蒸気発生部1012から搬送される成膜材料の蒸気量を検出する。そして、第2蒸気発生部1012から供給される成膜材料の蒸気量が安定したと判定した場合、制御部は、第2排気弁装置1052を閉鎖し、第2調整弁装置1042を開放する。また、制御部は、第1調整弁装置1041を閉鎖し、第1排気弁装置1051を開放する。第2排気弁装置1052を閉鎖し第2調整弁装置1042を開放するタイミングと、第1調整弁装置1041を閉鎖し第1排気弁装置1051を開放するタイミングの先後は適宜設定できる。また、それぞれ第1調整弁装置1041を閉鎖するタイミングと第1排気弁装置1051を開放するタイミングの先行は任意に設定できるし、第2排気弁装置1052を閉鎖するタイミングと第2調整弁装置1042を開放するタイミングの先後も任意に設定してよい。
以下、第1蒸気発生部1011側について、ステップS30〜ステップS34と同様の処理を実行し、第1蒸気発生部1011側の加熱制御を停止させ、第1排気弁装置1051を閉鎖する。
実施の形態4に係る成膜装置及び成膜材料供給方法によれば、成膜材料の蒸気を発生させる第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013を速やかに切り替えることができ、成膜処理を中断すること無く、成膜材料を交換することが可能である。
また、第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043、第1乃至第3排気弁装置1051、1052、1053として、実施の形態3で説明した構成を採用しているため、高温加熱下においても第1乃至第3蒸気発生部1011、1012、1013の動作を切り換える際、第1乃至第3調整弁装置1041、1042、1043からの蒸気漏れが無く、一定量の成膜材料の蒸気を処理室5へ供給することが可能である。
なお、上述の実施の形態4では、蒸気発生部が3つの例を説明したが、蒸気発生部の数は特に3つに限定されない。
1 蒸気発生部
4 吹き出し機構
5 処理室
8 制御部(制御手段)
21 搬送路
22 排気路
23 第1蒸気量検出部
24 第2蒸気量検出部
31 調整弁装置
32 排気弁装置
41 滞留室
42 開口
43 シャッタ
61a 第1上流側温度検出部(上流側温度検出手段)
62a 第1弁温度検出部(弁温度検出手段)
63a 第1下流側温度検出部(下流側温度検出手段)
61b 第2上流側温度検出部
62b 第2弁温度検出部
63b 第2下流側温度検出部
64 材料温度検出部(温度検出手段)
71a 第1上流側加熱部(上流側加熱手段)
72a 第1弁加熱部(弁加熱手段)
73a 第1下流側加熱部(下流側加熱手段)
71b 第2上流側加熱部
72b 第2弁加熱部
73b 第2下流側加熱部
91 搬送ガス供給管
92 搬送ガス供給用調整弁
G ガラス基板(被処理基板)

Claims (9)

  1. 被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部と、該蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための搬送路と、前記蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための排気路と、前記搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する第1開閉弁と、前記排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する第2開閉弁とを備えた成膜装置であって、
    前記蒸気発生部の温度を検出する温度検出手段と、
    前記蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出する蒸気量検出手段と、
    成膜材料を加熱する場合、該温度検出手段にて検出された温度の高低に応じて、前記第2開閉弁の開閉動作を制御し、成膜材料を前記処理室へ搬送する場合、前記蒸気量検出手段で検出された蒸気量に応じて、前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御する制御手段と
    を備える成膜装置。
  2. 前記蒸気発生部は、
    成膜材料を所定温度より高い温度に加熱するようにしてあり、
    前記制御手段は、
    前記温度検出手段にて検出された温度が前記所定温度未満である場合、前記第1及び第2開閉弁を閉状態に制御する手段と、
    前記蒸気発生部を昇温させる場合、前記温度検出手段にて検出された温度が前記所定温度以上であるとき、前記第2開閉弁を開状態に制御する手段と
    を備える請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記所定温度は、成膜材料の蒸発温度以下である請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記成膜材料は有機成膜材料であり、前記所定温度は250℃以下である請求項2に記載の成膜装置。
  5. 前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度が、前記第1開閉弁の温度以上であり、前記第1開閉弁の温度が、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路の温度以上になるように、前記搬送路及び第1開閉弁を加熱する手段を備える
    請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の成膜装置。
  6. 前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路、前記第1開閉弁、及び前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路をそれぞれ加熱する上流側加熱手段、弁加熱手段、及び下流側加熱手段と、
    前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路、前記第1開閉弁、及び前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度をそれぞれ検出する上流側温度検出手段、弁温度検出手段、及び下流側温度検出手段と、
    前記第1開閉弁の下流側における前記搬送路の温度が、前記第1開閉弁の温度以上であり、前記第1開閉弁の温度が、前記第1開閉弁の上流側における前記搬送路の温度以上になるように、前記上流側加熱手段、弁加熱手段及び下流側加熱手段の動作を制御する手段と
    を備える請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の成膜装置。
  7. 前記搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気を、前記処理室に収容された被処理基板へ向けて吹き出す吹き出し機構を備え、
    該吹き出し機構は、
    前記搬送路を通じて搬送された成膜材料の蒸気を滞留させる滞留室と、
    該滞留室に滞留した蒸気を吹き出す開口と、
    該開口を開閉可能に閉鎖するシャッタと
    を備える請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の成膜装置。
  8. 被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる蒸気発生部と、該蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための搬送路と、前記蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための排気路と、前記搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する第1開閉弁と、前記排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する第2開閉弁とを備えた成膜装置を用いて成膜材料の加熱を行う成膜材料供給方法であって、
    前記蒸気発生部の温度を検出し、
    検出された温度が所定温度未満である場合、前記第1及び第2開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、
    検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第2開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、
    前記蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、
    検出された蒸気量に応じて、前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御する
    ことを特徴とする成膜材料供給方法。
  9. 被処理基板を収容する処理室と、成膜材料を加熱することによって、該成膜材料の蒸気を発生させる複数の蒸気発生部と、該複数の蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を搬送ガスと共に前記処理室へ搬送するための複数の搬送路と、前記複数の蒸気発生部で発生させた成膜材料の蒸気を排気するための複数の排気路と、各搬送路の途中に設けられており、前記搬送路を開閉する複数の第1開閉弁と、各排気路の途中に設けられており、前記排気路を開閉する複数の第2開閉弁とを備えた成膜装置を用いて成膜材料の加熱を行う成膜材料供給方法であって、
    第1の前記蒸気発生部の温度を検出し、
    検出された温度が所定温度未満である場合、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、
    検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第1の蒸気発生部に係る前記第2開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、
    前記第1の蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、
    検出された蒸気量に応じて、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御し、
    第2の前記蒸気発生部の温度を検出し、
    検出された温度が所定温度未満である場合、前記第2の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁を閉状態にして成膜材料を加熱し、
    検出された温度が前記所定温度以上である場合、前記第2の蒸気発生部に係る前記第2開閉弁を開状態にして成膜材料を加熱し、
    前記第2の蒸気発生部から搬送される成膜材料の蒸気量を検出し、
    検出された蒸気量に応じて、前記第1の蒸気発生部に係る前記第1開閉弁を閉状態にすると共に、前記第2の蒸気発生部に係る前記第1及び第2開閉弁の開閉動作を制御する
    ことを特徴とする成膜材料供給方法。
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