JP5301441B2 - 新規ヒスチジン誘導体 - Google Patents

新規ヒスチジン誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP5301441B2
JP5301441B2 JP2009524475A JP2009524475A JP5301441B2 JP 5301441 B2 JP5301441 B2 JP 5301441B2 JP 2009524475 A JP2009524475 A JP 2009524475A JP 2009524475 A JP2009524475 A JP 2009524475A JP 5301441 B2 JP5301441 B2 JP 5301441B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
histidine
methyl
mmol
alkyl
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009524475A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009014097A1 (ja
Inventor
良隆 中澤
賢二 満田
知広 大久保
哲平 瀬口
宏好 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2009524475A priority Critical patent/JP5301441B2/ja
Publication of JPWO2009014097A1 publication Critical patent/JPWO2009014097A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5301441B2 publication Critical patent/JP5301441B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D233/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings
    • C07D233/54Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D233/64Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms, e.g. histidine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/4172Imidazole-alkanecarboxylic acids, e.g. histidine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、新規ヒスチジン誘導体及びその薬学的に許容される塩及び水和物、並びに該化合物を有効成分として含有する医薬に関する。
ヒスチジン又はメチルヒスチジンにβ−アラニンが結合したアンセリン(N-β-アラニル-1-メチル-L-ヒスチジン)及びカルノシン(β-アラニル-L-ヒスチジン)は、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類などの筋肉中に多く存在するヒスチジン誘導体であるが、これらは種々の薬理作用を有することが報告されている。
例えば、アンセリンは免疫調節作用(特許文献1参照)、抗ストレス作用(特許文献2参照)を有することが、またアンセリン及びカルノシンは血圧上昇抑制効果(特許文献3参照)、鉄吸収促進作用(特許文献4参照)、学習能力の向上作用(特許文献5参照)、亜鉛吸収促進作用(特許文献6参照)及び抗酸化・老化防止・抗ガン作用(特許文献7参照)等を有することが開示されているが、鎮痛作用については報告されていない。
特公平6−41411号公報 特開平9−20660号公報 特許第2939301号公報 特開平7−97323号公報 特開平9−20661号公報 国際公開WO01/091762号公報 特開2003−267992号公報
本発明の目的は、医薬、特に、優れた鎮痛薬として有用な新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、各種の痛みに対して効果を示す化合物について鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)のR5が水素である化合物(以下、「カルボン酸体」と記載する。)であるヒスチジン誘導体が、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物において優れた鎮痛作用を有することを見出した。しかし、これらのカルボン酸体の動物への経口投与時の血中への移行性が悪いことから、されに研究を進めた結果、下記一般式(I)で表される本発明化合物が、カルボン酸体と比較して経口投与時の血中への移行性が優れていることを見出した。なお、本発明化合物は生体内においてエステラーゼの作用によって速やかにそのカルボン酸体に代謝され、血中ではカルボン酸体として検出される。このように、下記一般式(I)で表される新規ヒスチジン誘導体は、カルボン酸体のプロドラッグとして優れた経口投与時の血中移行性を示すものであるため、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛を呈する疾患を治療するための鎮痛薬等の医薬として非常に有用なものである。
本発明ヒスチジン誘導体は急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物に対して優れた鎮痛作用を示す新規化合物であるが、本発明化合物はそのカルボン酸体と比較して経口投与時の血中への移行性が高く、血中では低毒性のカルボン酸体として存在する。従って、本発明化合物は、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛を呈する疾患を治療するための鎮痛薬等の医薬品として非常に有用である。
図1は、本発明化合物12及びそのカルボン酸体AをChungモデルラットに経口投与した場合の抗アロディニア作用を調べた結果の一例である。 図2は、本発明化合物及びそのカルボン酸体をラットに経口投与した場合の血中動態を調べた結果の一例である。
本発明は下記一般式(I)で表されるヒスチジン誘導体並びにその薬学的に許容される塩及び水和物、及び該化合物を有効成分として含有する鎮痛薬等の医薬に関する。
Figure 0005301441
〔式中、R1は水素、炭素数1乃至6のアルキル又は炭素数1乃至4のアルキル若しくはハロゲンで置換されていてもよいベンジルを表し、R2は水素又は炭素数1乃至4のアルキルを表し、R3及びR4は各々同一若しくは異なって水素、炭素数1乃至4のアルキル、又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至6のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ及びシアノのいずれか1種若しくは2種の基で置換されていてもよいフェニルを表し、R5は炭素数1乃至8のアルキル、カルボキシル−炭素数1乃至4のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ−カルボニル−炭素数1乃至4のアルキル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ若しくはハロゲンで置換されていてもよい1又は2のフェニル−炭素数1乃至4のアルキルを表す。〕
前記一般式(I)の置換基において、炭素数1乃至6のアルキルとは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。炭素数1乃至4のアルキルとは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。炭素数1乃至6のアルコキシとは、好ましくはメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表し、炭素数1乃至4のアルコキシとは好ましくはメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ等の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表す。ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を表す。
R5のフェニルアルキルは、アルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されていてもよいが、各置換基はフェニルアルキルのフェニル基部分に置換するものである。
本発明化合物中、好ましい化合物は以下の通りである。
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル [化合物1]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエチルエステル [化合物2]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステル [化合物3]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステル [化合物4]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチル3,3-ジメチルブチルエステル [化合物5]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステル [化合物6]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステル [化合物7]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステル [化合物8]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステル [化合物9]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステル [化合物10]
Nα-アクリロイル-Nπメチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステル [化合物11]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物12]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステル [化合物13]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステル [化合物14]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステル [化合物15]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステル [化合物16]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル [化合物17]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル [化合物18]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンカルボキシルメチルエステル [化合物19]
Nα-3-フェニルアクリロイル-Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物20]
Nα-アクリロイル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物21]
Nα-チグロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物22]
Nα-クロトノイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物23]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル [化合物24]
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステル [化合物25]
塩酸Nα-[3−(2-ヒドロキシフェニル)アクリロイル]-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物26]
以下に本発明化合物の一般製法を示す。上記一般式(I)で表される本発明化合物は、アルキル基又は水素がイミダゾール環のπ-窒素原子上にあるヒスチジン誘導体であり、以下に記載した方法によって製造することができる。又、下記方法以外で製造される化合物もあるが、それらは後述する実施例を参考にして製造することができる。尚、下記には本発明化合物ヒスチジン誘導体のL-体についての製法の例を示すが、立体異性体であるD-体についても同様の経路で合成できる。
<製造方法1>
Figure 0005301441
スキーム1中のLは水酸基又はハロゲンを示すが、ハロゲンとしては、臭素、塩素及びヨウ素が好ましく用いられる。
Lが水酸基の場合、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(II)とアルコール(III)を当量乃至過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、触媒量のN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)存在下、水溶性カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)等の縮合剤と共に、室温下で通常1時間から3日間反応させることによって行われる。溶媒としては、例えば塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
Lがハロゲンの場合、化合物(II)とアルキル化剤(III)を当量乃至過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基存在下、室温で通常1時間から24日間反応させることによって行われる。溶媒としては、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、THF等のエーテル系溶媒、DMF又はDMSOが挙げられる。塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
<製造方法2>
Figure 0005301441
化合物(IV)と4 mol/L塩化水素ジオキサン溶液を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、室温下で通常1時間から4時間反応させることによって行われる。溶媒としては、例えば塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒が挙げられる。
<製造方法3>
Figure 0005301441

化合物(V)と化合物(VI)を当量乃至過剰に用い、X=Clの場合は水中又は塩化メチレン中、過剰の塩基存在下、0 ℃乃至室温で反応させることによって化合物(VII)を得ることができる。X=OHの場合、塩化メチレン中、過剰の塩基存在下、当量乃至過剰のWSC・HClあるいはDCCを用いて、室温で反応させることによって化合物(VII)を得ることができる。塩基としては、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、又はトリエチルアミン、モルホリン等の有機塩基が挙げられる。Yに保護基が結合している場合、適宜これを除去して化合物(VII)を得ることができる。
前記一般式(I)で表される化合物は、その薬学的に許容しうる塩が存在する場合はそれら各種の塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸等との酸との付加塩、又はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属若しくはアルミニウム等の金属との塩、或いはアンモニア、有機アミン等の塩基類との塩を挙げることができる。これらの塩は公知の方法により、遊離の各化合物より製造でき、あるいは相互に変換できる。またシス−トランス異性体、光学異性体、配座異性体等の立体異性体あるいは水和物等の溶媒和物又は金属錯化合物の状態で存在する場合においても、そのいずれの立体異性体、溶媒和物及び錯化合物をも本発明は包含する。
本発明化合物は、適当な医薬用の担体若しくは希釈剤と組み合わせて医薬とすることができ、通常の如何なる方法によっても製剤化可能であり、錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の経口剤として、又は皮下、筋肉内、直腸内、鼻腔内投与用の非経口剤として製剤化できる。処方にあたっては、本発明化合物をその薬学的に許容しうる塩の形で用いてもよく、単独若しくは適宜組み合わせて用いることができ、又、他の医薬活性成分との配合剤としてもよい。
本発明化合物の望ましい投与量は、投与対象、剤形、投与方法、投与期間等によって変わるが、所望の効果を得るには、一般に成人に対して、本発明化合物0.5乃至1000 mgを一日1乃至数回に分けて経口投与することができる。非経口投与(例えば注射剤)の場合、一日投与量は、前記各々の投与量の3乃至10分の1の用量レベルが好ましい。
融点はヤマトMP-21型融点測定器で測定し、補正はしていない。核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)はBruker ARX-500型核磁気共鳴装置で測定し、TMS(δ= 0)を内部標準物質に用いた。旋光度はJASCO DP-140型旋光計で測定した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにはアミノプロピル基結合型クロマトグラフィー用シリカゲルDM1020及び、通常型順相クロマトグラフィー用シリカゲルBW-127ZH(いずれも富士シリシア化学(株))を用いて行った。薄層クロマトグラフィーはSilica gel F254(Merck、No.5715)を使用し、UVランプ及び5%リンモリブデン酸−エタノール発色試薬を用いて検出した。試薬、溶媒類は市販品をそのまま用いた。
実施例1.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル(17.2 g, 61.0 mmol)の塩化メチレン(350 mL)溶液に、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(152 mL, 610 mmol HCl)を室温で滴下した。4時間かき混ぜた後、溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣油状物にジエチルエーテルを加え、表題化合物(15.5 g, 99%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.36-3.38 (m, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 4.41-4.43 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 9.04 (s, 2H), 9.14 (s, 1H).
実施例2.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル [化合物1] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩(2.0 g, 7.8 mmol)の水(25 mL)溶液に、炭酸水素カリウム(3.1 g, 31.2 mmol)を0 ℃で加え、そのまま15分かき混ぜた。次いで、塩化アクリロイル(1.1 mL, 13.7 mmol)を0 ℃で加え、そのまま1時間かき混ぜた。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣に塩化メチレンを加え、不溶物を除去した。濾液を少量のシリカゲル存在下、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去して、表題化合物(1.2 g, 66%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.96 (dd, J = 8.8, 15.5 Hz, 1H), 3.05 (dd, J = 5.4, 15.5 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 4.58-4.63 (m, 1H), 5.63 (dd, J = 2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 2.0, 17.1 Hz, 1H), 6.28 (dd, J = 10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
実施例3.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンエチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエチルエステル(4.0 g, 13.5 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(33.6 mL, 135 mmol HCl)及び塩化メチレン(80 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(3.6 g, 99%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.21 (t, J=7.2 Hz, 3H), 3.34-3.36 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.21 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.39-4.41 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 8.96 (s, 2H), 9.13 (s, 1H).
実施例4.
Nα-アクリロイル-Nπ--メチル-L-ヒスチジンエチルエステル [化合物2] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンエチルエステル2塩酸塩(3.6 g, 13.3 mmol)、炭酸水素カリウム(5.3 g, 53.2 mmol)、塩化アクリロイル(1.9 mL, 23.3 mmol)及び水(60 mL)からNα-アクリロイイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(2.2 g, 67%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.14 (t, J=7.0 Hz, 3H), 2.96 (dd, J = 8.5, 15.4 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 5.9, 15.4 Hz, 1H), 3.54 (s, 3H), 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2H), 4.57-4.60 (m, 1H), 5.63 (dd, J =1.9, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 1.9, 17.1 Hz, 1H), 6.29 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.60 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
実施例5.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)及びネオペンチルアルコール(1.1 g, 12.3 mmol)の塩化メチレン(70 mL)懸濁液に、WSC・HCl(2.3 g, 12.3 mmol)及びDMAP(0.12 g, 1.0 mmol)を0 ℃で加えた。室温で20時間かき混ぜた後、反応混合物を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製して、表題化合物(3.1 g, 83%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.89 (s, 9H), 1.36 (s, 9H), 2.89-2.92 (m, 1H), 2.95-2.98 (m, 1H), 3.54 (s, 3H), 3.74 (s, 2H), 4.20-4.21 (m, 1H), 6.65 (s, 1H), 7.35 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例6.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステル(3.1 g, 9.2 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(23 mL, 91.9 mmol HCl)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(2.5 g, 87%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.90 (s, 9H), 3.37 (dd, J=6.8, 15.8 Hz, 1H), 3.39 (dd, J=7.4, 15.8 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.83-3.89 (m, 2H), 4.47-4.49 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 9.08 (s, 2H), 9.18 (s, 1H).
実施例7.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステル [化合物3] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステル2塩酸塩(2.5 g, 8.0 mmol)、炭酸水素カリウム(3.2 g, 32.2 mmol)、塩化アクリロイル(1.2 mL, 14.1 mmol)及び水(30 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.1 g, 45%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.86 (s, 9H), 2.98 (dd, J=8.9, 15.5Hz, 1H), 3.06 (dd, J=5.6, 15.5 Hz, 1H), 3.54 (s, 3H), 3.70-3.77 (m, 2H), 4.59-4.63 (m, 1H), 5.62 (dd, J=1.4, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J=1.4, 17.0 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.0 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.59 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例8.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)、イソペンチルアルコール(1.1 g, 12.0 mmol)、WSC・HCl(2.3 g, 12.3 mmol)、DMAP(0.12 g, 1.0 mmol)及び塩化メチレン(42 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(3.0 g, 80%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.87 (d, J=5.7 Hz, 6H), 1.36 (s, 9H), 1.41-1.45 (m, 2H), 1.60-1.65 (m, 1H), 2.86-2.89 (m, 1H), 2.94-2.98 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.06 (t, J=6.6 Hz, 2H), 4.15-4.19 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.33 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例9.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステル(2.8 g, 8.2 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(21 mL, 82.0 mmol HCl)及び塩化メチレン(50 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(2.2 g, 83%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.87 (d, J=5.7 Hz, 6H), 1.46-1.50 (m, 2H), 1.58-1.64 (m, 1H), 3.31-3.37 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 4.19 (t, J=6.7 Hz, 2H), 4.39-4.42 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 9.14 (s, 1H).
実施例10.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステル [化合物4] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンイソペンチルエステル2塩酸塩(2.8 g, 8.2 mmol)、炭酸水素カリウム(2.6 g, 25.6 mmol)、塩化アクリロイル(0.9 mL, 11.2 mmol)及び水(30 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.23 g, 12%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.84-0.86 (m, 6H), 1.40-1.44 (m, 2H), 1.56-1.62 (m, 1H), 2.96 (dd, J=8.6, 15.4 Hz, 1H), 3.03 (dd, J=5.9, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.05-4.08 (m, 2H), 4.54-4.59 (m, 1H), 5.63 (dd, J=2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.09 (dd, J=2.0, 17.1 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.59 (d, J=7.7 Hz, 1H).
実施例11.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン3,3-ジメチルブチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)、3,3-ジメチルブチルアルコール(1.3 g, 12.3 mmol)、WSC・HCl(2.3 g, 12.3 mmol)、DMAP(0.12 g, 1.0 mmol)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(2.0 g, 50%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.90 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 1.46 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.87 (dd, J=8.6, 15.2 Hz, 1H), 2.96 (dd, J=5.5, 15.2 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.07 (t, J=7.2 Hz, 2H), 4.14-4.18 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.31 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例12.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン3,3-ジメチルブチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン3,3-ジメチルブチルエステル(2.0 g, 5.7 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(14 mL, 56.6 mmol HCl)及び塩化メチレン(40 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(1.8 g, 95%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.91 (s, 9H), 1.51 (t, J=6.8 Hz, 2H), 3.34-3.37 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.20 (t, J=6.8 Hz, 2H), 4.37-4.79 (m, 1H), 7.60 (s, 1H), 9.00 (s, 2H), 9.15 (s, 1H).
実施例13.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン3,3-ジメチルブチルエステル [化合物5] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン3,3-ジメチルブチルエステル2塩酸塩(1.8 g, 5.4 mmol)、炭酸水素カリウム(2.2 g, 21.4 mmol)、塩化アクリロイル(0.8 mL, 9.4 mmol)及び水(20 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.0 g, 61%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.89 (s, 9H), 1.46 (t, J=7.3 Hz, 2H), 2.95 (dd, J=8.8, 15.4 Hz, 1H), 3.03 (dd, J=5.8, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.07-4.10 (m, 2H), 4.55-4.58 (m, 1H), 5.62 (dd, J=1.9, 10.2 Hz, 1H), 6.09 (dd, J=1.9, 17.1 Hz, 1H), 6.27 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.58 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例14.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(2.0 g, 7.4 mmol)、n-ブチルアルコール(0.8 g, 8.8 mmol)、WSC・HCl(1.6 g, 8.8 mmol)、DMAP(0.08 g, 0.72 mmol)及び塩化メチレン(28 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(2.3 g, 89%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.87 (t, J=7.3 Hz, 3H), 1.28-1.34 (m, 2H), 1.36 (s, 9H), 1.48-1.53 (m, 2H), 2.88 (dd, J=9.5, 15.4 Hz, 1H), 2.96 (dd, J=5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.03 (t, J=6.4 Hz, 2H), 4.16-4.18 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.32 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例15.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステル(2.0 g, 6.1 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(15 mL, 60.5 mmol HCl)及び塩化メチレン(30 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(1.1 g, 60%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.89 (t, J=7.4 Hz, 3H), 1.29-1.33 (m, 2H), 1.54-1.59 (m, 2H), 3.34-3.36 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.97 (s, 2H), 4.17 (t, J=6.5 Hz, 2H), 4.41-4.43 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 8.96 (s, 2H), 9.13 (s, 1H).
実施例16.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステル [化合物6]の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンブチルエステル2塩酸塩(1.1 g, 3.6 mmol)、炭酸水素カリウム(1.4 g, 14.5 mmol)、塩化アクリロイル(0.5 mL, 6.3 mmol)及び水(20 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.63 g, 62%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.86 (t, J=7.4 Hz, 3H), 1.26-1.30 (m, 2H), 1.52-1.49 (m, 2H), 2.97 (dd, J=8.5, 15.4 Hz, 1H), 3.02 (dd, J=5.9, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.02-4.05 (m, 2H), 4.56-4.58 (m, 1H), 5.63 (dd, J=2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J=2.0, 17.1 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.59 (d, J=8.0 Hz, 1H).
実施例17.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)、n-オクチルアルコール(1.9 mL, 12.3 mmol)、WSC・HCl(2.3 g, 12.3 mmol)、DMAP(0.12 g, 1.0 mmol)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(3.3 g, 77%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.86 (t, J=6.6 Hz, 3H), 1.25-1.31 (m, 10H), 1.36 (s, 9H), 1.50-1.51 (m, 2H), 2.88 (dd, J=9.6, 15.4 Hz, 1H), 2.96 (dd, J=5.3, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 4.01 (t, J=6.5 Hz, 2H), 4.14-4.19 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.33 (d, J=7.9Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例18.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステル(3.3 g, 8.5 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(21 mL, 85.4 mmol HCl)及び塩化メチレン(60 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(2.7 g, 89%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.85-0.86 (m, 3H), 1.24-1.26 (m, 10H), 1.56-1.57 (m, 2H), 3.34-3.37 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.14-4.17 (m, 2H), 4.40-4.42 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 9.00 (s, 2H), 9.15 (s, 1H).
実施例19.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステル [化合物7] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンオクチルエステル2塩酸塩(2.6 g, 7.3 mmol)、炭酸水素カリウム(2.9 g, 29.4 mmol)、塩化アクリロイル(1.0 mL, 12.8 mmol)及び水(30 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.4 g, 16%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.80 (t, J=6.5 Hz, 3H), 1.20-1.22 (m, 10H), 1.50-1.52 (m, 2H), 2.98 (dd, J=8.7, 15.5 Hz, 1H), 3.10 (dd, J=5.8, 15.5 Hz, 1H), 3.56 (s, 3H), 4.03 (t, J=6.5 Hz, 2H), 4.64-4.67 (m, 1H), 5.59 (dd, J=1.9, 9.9 Hz, 1H), 6.10-6.23 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 7.45 (s, 1H).
実施例20.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(1.0 g, 3.7 mmol)、ベンジルアルコール(0.4 mL, 4.4 mmol)、WSC・HCl(0.8 g, 4.4 mmol)、DMAP(0.04 g, 0.36 mmol)及び塩化メチレン(14 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(1.3 g, 93%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.35 (s, 9H), 2.93 (dd, J=9.7, 15.3 Hz, 1H), 3.02 (dd, J=5.3, 15.3 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 4.24-4.28 (m, 1H), 5.11 (dd, J=12.7, 18.7 Hz, 2H), 6.66 (s, 1H), 7.31-7.38 (m, 5H), 7.41 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例21.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステル(2.0 g, 5.4 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(14 mL, 54.3 mmol HCl)及び塩化メチレン(30 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(1.8 g, 99%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.38-3.40 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.49-4.51 (m, 1H), 5.25 (s, 2H), 6.45-6.55 (br, 2H), 7.36-7.41 (m, 5H), 7.56 (s, 1H), 9.08 (s, 2H), 9.11 (s, 1H).
実施例22.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステル [化合物8] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンベンジルエステル2塩酸塩(1.8 g, 5.4 mmol)、炭酸水素カリウム(2.2 g, 21.7 mmol)、塩化アクリロイル(0.8 mL, 9.5 mmol)及び水(30 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.8 g, 47%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.99 (dd, J=8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.08 (dd, J=5.7, 15.4 Hz, 1H), 3.51 (s, 3H), 4.65-4.67 (m, 1H), 5.08-5.16 (m, 2H), 5.64 (dd, J=1.9, 10.2 Hz, 1H), 6.11 (dd, J=1.9, 17.1 Hz, 1H), 6.29 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.31-7.38 (m, 5H), 7.49 (s, 1H), 8.66 (d, J=7.7 Hz, 1H).
実施例23.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(4.0 g, 14.9 mmol)、4-メチルベンジルアルコール(2.0 g, 16.5 mmol)、WSC・HCl(3.2 g, 16.5 mmol)、DMAP(0.16 g, 1.4 mmol)及び塩化メチレン(50 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(5.0 g, 89%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33 (s, 9H), 2.28 (s, 3H), 2.89 (dd, J=9.8, 15.2 Hz, 1H), 2.98 (dd, J=5.2, 15.2 Hz, 1H), 3.50 (s, 3H), 4.20-4.24 (m, 1H), 5.02-5.08 (m, 2H), 6.64 (s, 1H), 7.16 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.20 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.36 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H).
実施例24.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステル(4.1 g, 11.0 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(28 mL, 110 mmol HCl)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(3.8 g, 99%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.32 (s, 3H), 3.35-3.37 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.46-4.48 (m, 1H), 5.20 (s, 2H), 7.20 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.29 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 9.02 (s, 2H), 9.10 (s, 1H).
実施例25.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステル [化合物9] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルベンジルエステル2塩酸塩(3.8 g, 11.0 mmol)、炭酸水素カリウム(4.4 g, 44.0 mmol)、塩化アクリロイル(1.6 mL, 19.2 mmol)及び水(35 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.8 g, 23%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.30 (s, 3H), 2.98 (dd, J=8.8, 15.4 Hz, 1H), 3.06 (dd, J=5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.51 (s, 3H), 4.62-4.65 (m, 1H), 5.03-5.10 (m, 2H), 5.63 (d, J=10.1 Hz, 1H), 6.12 (d, J=17.1 Hz, 1H), 6.21 (dd, J=10.1, 17.1 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 7.16-7.21 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 8.67 (d, J=7.7 Hz, 1H).
実施例26.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)、4-クロロベンジルアルコール(1.7 g, 11.9 mmol)、WSC・HCl(2.3 g, 11.9 mmol)、DMAP(0.12 g, 1.0 mmol)及び塩化メチレン(42 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(3.7 g, 84%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.34 (s, 9H), 2.92 (dd, J=9.7, 15.3 Hz, 1H), 3.00 (dd, J=5.4, 15.3 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 4.23-4.27 (m, 1H), 5.07-5.14 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 7.35 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.40-7.43 (m, 2H), 7.48 (s, 1H).
実施例27.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステル(5.8 g, 14.8 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(37 mL, 148 mmol HCl)及び塩化メチレン(90 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(5.4 g, 99%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.37-3.39 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 4.49-4.51 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 7.44-7.48 (m, 4H), 7.58 (s, 1H), 9.06 (s, 2H), 9.11 (s, 1H).
実施例28.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステル [化合物10] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロベンジルエステル2塩酸塩(5.0 g, 13.6 mmol)、炭酸水素カリウム(5.4 g, 54.4 mmol)、塩化アクリロイル(1.9 mL, 23.9 mmol)及び水(70 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.0 g, 21%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.99 (dd, J=8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.07 (dd, J=5.8, 15.4 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 4.63-4.65 (m, 1H), 5.07-5.15 (m, 2H), 5.64 (dd, J=1.7, 10.2 Hz, 1H), 6.11 (dd, J=1.7, 17.1 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.34 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.43 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 8.66 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例29.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(3.0 g, 11.1 mmol)、4-t-ブチルベンジルアルコール(2.1 mL, 12.3 mmol)、WSC・HCl(2.3 g, 12.3 mmol)、DMAP(0.12 g, 1.0 mmol)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(4.3 g, 94%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.88-2.93 (m, 1H), 2.98-3.01 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 4.22-4.23 (m, 1H), 5.03-5.10 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 7.25 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.48 (s, 1H).
実施例30.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステル(4.3 g, 10.4 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(26 mL, 104 mmol HCl)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(3.1 g, 77%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.28 (s, 9H), 3.37-3.39 (m, 2H), 4.47-4.49 (m, 1H), 5.21 (s, 2H), 7.33 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.57 (s, 1H), 9.06 (s, 2H), 9.12 (s, 1H).
実施例31.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステル [化合物11] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルベンジルエステル2塩酸塩(3.1 g, 8.0 mmol)、炭酸水素カリウム(3.2 g, 32.0 mmol)、塩化アクリロイル(1.1 mL, 13.9 mmol)及び水(40 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.4 g, 15%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.27 (s, 9H), 2.98-3.00 (m, 1H), 3.05-3.08 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 4.63-4.65 (m, 1H), 5.02-5.11 (m, 2H), 5.64 (dd, J=1.8, 10.2 Hz, 1H), 6.11 (dd, J=1.8, 17.2 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.2 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.24 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.38 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 8.63 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例32.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(10.0 g, 37.1 mmol)及びフェネチルアルコール(5.0 g, 40.8 mmol)の塩化メチレン(150 mL)懸濁液に、WSC・HCl(7.8 g, 40.8 mmol)及びDMAP(0.40 g, 3.3 mmol)を0 ℃で加えた。室温で20時間かき混ぜた後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)で精製して、表題化合物(10.9 g, 78%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.35 (s, 9H), 2.83-2.88 (m, 4H), 3.49 (s, 3H), 4.15-4.18 (m, 1H), 4.21-4.27 (m, 2H), 6.61 (s, 1H), 7.21-7.34 (m, 6H), 7.48 (s, 1H).
実施例33.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル(5.0 g, 13.4 mmol)の塩化メチレン(100 mL)溶液に、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(34 mL, 塩化水素134 mmol 相当)を室温で滴下した。4時間かき混ぜた後、溶媒を減圧下で溜去して、表題化合物(4.7 g, 99%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.92 (t, J=6.9 Hz, 2H), 3.27-3.29 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.37-4.42 (m, 3H), 7.22-7.33 (m, 5H), 7.47 (s, 1H), 8.95 (br, 3H), 9.09 (s, 1H).
実施例34.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物12] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(2.5 g, 7.2 mmol)、炭酸水素カリウム(2.9 g, 28.9 mmol)、塩化アクリロイル(1.0 mL, 12.6 mmol)及び水(30 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.0 g, 43%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.84-2.95 (m, 4H), 3.49 (s, 3H), 4.23-4.27 (m, 2H), 4.55-4.57 (m, 1H), 5.64 (dd, J=2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.01 (dd, J=2.0, 17.1 Hz, 1H), 6.27 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.20-7.30 (m, 5H), 7.48 (s, 1H), 8.58 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例35.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(4.0 g, 14.9 mmol)、4-メトキシフェネチルアルコール(2.5 g, 16.4 mmol)、WSC・HCl(3.1 g, 16.4 mmol)、DMAP(0.16 g, 1.3 mmol)及び塩化メチレン(90 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(5.4 g, 90%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.35 (s, 9H), 2.77-2.80 (m, 2H), 2.81-2.91 (m, 2H), 3.51 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 4.15-4.22 (m, 3H), 6.62 (s, 1H), 6.85 (d, J=8.5 Hz, 2H) 7.16 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.33 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H).
実施例36.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステル(5.2 g, 12.9 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(32 mL, 129 mmol HCl)及び塩化メチレン(100 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(4.8 g, 99%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.84-2.87 (m, 2H), 3.29-3.31 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 4.30-4.40 (m, 3H), 6.87 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.19 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 9.12 (s, 1H).
実施例37.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステル [化合物13] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メトキシフェネチルエステル2塩酸塩(4.6 g, 12.2 mmol)、炭酸水素カリウム(4.9 g, 48.8 mmol)、塩化アクリロイル(1.7 mL, 21.4 mmol)及び水(50 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.0 g, 23%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.76-2.78 (m, 2H), 2.89-2.95 (m, 2H), 3.49 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 4.17-4.20 (m, 2H), 4.54-4.55 (m, 1H), 5.61-5.64 (m, 1H), 6.07-6.11 (m, 1H), 6.24-6.29 (m, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.83 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.13 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.48 (s, 1H), 8.57 (d, J= 7.9 Hz, 1H).
実施例38.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(4.0 g, 14.9 mmol)、4-メチルフェネチルアルコール(2.3 mL, 16.4 mmol)、WSC・HCl(3.1 g, 16.4 mmol)、DMAP(0.16 g, 1.3 mmol)及び塩化メチレン(90 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(4.3 g, 75%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.35 (s, 9H), 2.26 (s, 3H), 2.78-2.87 (m, 4H), 3.50 (s, 3H), 4.16-4.23 (m, 3H), 6.61 (s, 1H), 7.09-7.13 (m, 4H), 7.32 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).
実施例39.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステル(4.3 g, 11.1 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(28 mL, 111 mmol HCl)及び塩化メチレン(70 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(3.9 g, 98%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.27 (s, 3H), 2.87 (t, J=6.8 Hz, 2H), 3.27-3.32 (m, 2H), 3.81 (s, 1H), 4.32-4.40 (m, 3H), 7.12-7.16 (m, 4H), 7.48 (s, 1H), 9.03 (s, 2H), 9.14 (s, 1H).
実施例40.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステル [化合物14] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-メチルフェネチルエステル2塩酸塩(3.9 g, 10.8 mmol)、炭酸水素カリウム(4.3 g, 43.2 mmol)、塩化アクリロイル(1.5 mL, 18.9 mmol)及び水(50 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.3 g, 8%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.26 (s, 3H), 2.80 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.89 (dd, J=8.8, 15.5, 1H), 2.97 (dd, J=5.6, 15.5 Hz, 1H), 3.50 (s, 3H), 4.20-4.23 (m, 2H), 4.53-4.56 (m, 1H), 5.64 (dd, J=1.7, 10.2, 1H), 6.10 (dd, J=1.7, 17.1 Hz, 1H), 6.27 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.08-7.12 (m, 4H), 7.49 (s, 1H), 8.58 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例41.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(4.0 g, 14.9 mmol)、4-クロロフェネチルアルコール(2.6 g, 16.4 mmol)、WSC・HCl(3.1 g, 16.4 mmol)、DMAP(0.16 g, 1.3 mmol)及び塩化メチレン(90 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(6.0 g, 99%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.34 (s, 9H), 2.79-2.89 (m, 4H), 3.50 (s, 3H), 4.10-4.26 (m, 3H), 6.61 (s, 1H), 7.28 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.32 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.34 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.48 (s, 1H).
実施例42.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステル(5.8 g, 14.2 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(36 mL, 142 mmol HCl)及び塩化メチレン(100 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(5.0 g, 93%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.91-2.94 (m, 2H), 3.28-3.30 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.35-4.40 (m, 3H), 7.32 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.37 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 9.10 (s, 1H).
実施例43.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステル [化合物15] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-クロロフェネチルエステル2塩酸塩(4.8 g, 12.6 mmol)、炭酸水素カリウム(5.0 g, 50.4 mmol)、塩化アクリロイル(1.8 mL, 22.1 mmol)及び水(50 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.4 g, 9%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.83-2.98 (m, 4H), 3.50 (s, 3H), 4.23-4.26 (m, 2H), 4.53-4.57 (m, 1H), 5.63-5.65 (m, 1H), 6.08-6.12 (m, 1H), 6.24-6.29 (m, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.26 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.33 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 8.58 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例44.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(6.0 g, 22.3 mmol)、4-t-ブチルフェネチルアルコール(4.5 mL, 24.5 mmol)、WSC・HCl(4.7 g, 24.5 mmol)、DMAP(0.25 g, 2.0 mmol)及び塩化メチレン(120 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンネオペンチルエステルと同様にして表題化合物(9.5 g, 99%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.25 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 2.79-2.87 (m, 4H), 3.50 (s, 3H), 4.17-4.25 (m, 3H), 6.61 (s, 1H), 7.17 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.30-7.34 (m, 3H), 7.48 (s, 1H).
実施例45.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステル(9.5 g, 22.1 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(55 mL, 221 mmol HCl)及び塩化メチレン(140 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(7.3 g, 82%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.26 (s, 9H), 2.88 (d, J=7.1 Hz, 2H), 3.29-3.33 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.33-4.40 (m, 3H), 7.20 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.33 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 9.13 (s, 1H).
実施例46.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステル [化合物16] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン4-t-ブチルフェネチルエステル2塩酸塩(7.3 g, 18.1 mmol)、炭酸水素カリウム(7.3 g, 72.6 mmol)、塩化アクリロイル(2.6 mL, 31.8 mmol)及び水(80 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.6 g, 9%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.25 (s, 9H), 2.81 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.90-2.96 (m, 2H), 4.20-4.24 (m, 2H), 4.55-4.57 (m, 1H), 5.64 (dd, J=2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J=2.0, 17.0 Hz, 1H), 6.28 (dd, J=10.2, 17.0 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.15 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.30 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.49 (s, 1H), 8.59 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例47.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステルの製造。
炭酸カリウム(2.1 g, 14.9 mmol)のDMF(20 mL)懸濁液に、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(2.0 g, 7.4 mmol)のDMF(20 mL)溶液を0 ℃で滴下して室温で0.5時間かき混ぜた。炭酸1-クロロエチルシクロヘキシル(1.8 g, 8.9 mmol)を0 ℃で滴下して室温で20時間かき混ぜた。反応混合物を氷水中に注ぎ込み酢酸エチルで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製して、表題化合物(1.7 g, 53%)を油状物として得た。
MS (EI) m/z: 440 (M+). 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32-1.44 (m, 15H), 1.62-1.64 (m, 2H), 1.81-1.83 (m, 2H), 2.89-2.94 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.52-3.53 (m, 3H), 4.21-4.23 (m, 1H), 4.54-4.56 (m, 1H), 6.62-6.66 (m, 2H), 7.39-7.41 (m, 1H), 7.48-7.49 (m, 1H).
実施例48.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル(1.7 g, 4.0 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(10 mL, 40.0 mmol HCl)及び塩化メチレン(25 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(1.1 g, 67%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.22-1.50 (m, 6H), 1.63-1.65 (m, 2H), 1.83-1.85 (m, 2H), 3.32-3.39 (m, 5H), 3.84-3.86 (m, 3H), 4.48-4.52 (m, 1H), 4.55-4.60 (m, 1H), 6.71-6.74 (m, 1H), 7.56-7.59 (m, 1H), 9.01-9.12 (m, 3H).
実施例49.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル [化合物17]の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステル2塩酸塩(1.1 g, 2.6 mmol)、炭酸水素カリウム(1.1 g, 10.6 mmol)、塩化アクリロイル(0.37 mL, 4.6 mmol)及び水(20 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(0.3 g, 29%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.31-1.45 (m, 6H), 1.63-1.65 (m, 2H), 1.81-1.83 (m, 2H), 2.94-3.03 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.52-3.54 (m, 3H), 4.55-4.61 (m, 2H), 5.62-5.65 (m, 1H), 6.08-6.12 (m, 1H), 6.24-6.27 (m, 1H), 6.61-6.66 (m, 2H), 7.49-7.50 (m, 1H), 8.63-8.66 (m, 1H).
実施例50.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(4.0 g, 14.9 mmol)、クロロ酢酸エチル(1.9 mL, 17.8 mmol)、炭酸カリウム(4.3 g, 31.3 mmol)及びDMF(50mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルエステルと同様にして表題化合物(4.8 g, 91%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.21 (t, J=6.9 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 2.88-2.93 (m, 1H), 3.03-3.06 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 4.14 (q, J=6.9 Hz, 2H), 4.30-4.32 (m, 1H), 4.68-4.76 (m, 2H), 6.69 (s, 1H), 7.41 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H).
実施例51.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル(4.8 g, 13.6 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(34 mL, 136 mmol HCl)及び塩化メチレン(80 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(3.0 g, 67%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.23 (t, J=7.0 Hz, 3H), 3.39-3.40 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 4.18 (q, J=7.0 Hz, 2H), 4.58-4.60 (m, 1H), 4.84-4.92 (m, 2H), 7.62 (s, 1H), 9.07 (s, 2H), 9.14 (s, 1H).
実施例52.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル [化合物18] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル2塩酸塩(2.9 g, 8.8 mmol)、炭酸水素カリウム(3.5 g, 35.4 mmol)、塩化アクリロイル(1.2 mL, 15.5 mmol)及び水(40 mL)からNα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして表題化合物(1.0 g, 36%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.19 (t, J=7.2 Hz, 3H), 2.97 (dd, J=9.5, 15.6 Hz, 1H), 3.13 (dd, J=4.9 Hz, 15.6 Hz, 1H), 3.54 (s, 3H), 4.14 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.72-4.75 (m, 3H), 5.64 (dd, J=2.1, 10.0 Hz, 1H), 6.10 (dd, J=2.1, 17.1 Hz, 1H), 6.27 (dd, J=10.0, 17.1 Hz, 1H), 6.68 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 8.67 (d, J=8.1 Hz, 1H).
実施例53.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンカルボキシルメチルエステル [化合物19] の製造。
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンエトキシカルボニルメチルエステル(0.7 g, 2.3 mmol)のエタノール(25 mL)溶液に、1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.4 mL, 3.4 mmol)を室温で滴下して、そのまま1時間かき混ぜた。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣に水を加え、ポリスチレン結合型p-トルエンスルホン酸ビーズを用いて中性にした後、ビーズを濾去した。濾液を凍結乾燥して、表題化合物(0.3 g, 64%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.89 (dd, J=8.1, 15.6 Hz, 1H), 3.06 (dd, J=4.7, 15.6 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.78 (s, 2H), 4.41-4.42 (m, 1H), 5.56 (d, J=10.2 Hz, 1H), 6.05 (d, J=17.0 Hz, 1H), 6.34 (dd, J=10.2, 17.0 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.17 (d, J=7.9 Hz, 1H).
実施例54.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-エチル-L-ヒスチジン(9.8 g, 34.6 mmol)及びフェネチルアルコール(4.6 g, 38.1 mmol)の塩化メチレン(200 mL)懸濁液に、WSC・HCl(7.3 g, 38.1 mmol)及びDMAP(0.38 g, 3.1 mmol)を0 ℃で加えた。室温で20時間かき混ぜた後、反応混合物を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製して、表題化合物(12.8 g, 99%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.26 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 2.82-2.87 (m, 4H), 3.85 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.23-4.27 (m, 3H), 6.60 (s, 1H), 7.22-7.35 (m, 6H), 7.55 (s, 1H).
実施例55.
Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル(12.8 g, 34.3 mmol)の塩化メチレン(200 mL)溶液に、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(86 mL, 塩化水素343 mmol 相当)を室温で滴下した。4時間かき混ぜた後、溶媒を減圧下で溜去して、表題化合物(11.1 g, 90%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.39 (t, J=7.3 Hz, 3H), 2.91 (t, J=6.8 Hz, 2H), 3.28-3.32 (m, 2H), 4.17 (q, J=7.3 Hz, 2H), 4.37-4.39 (m, 3H), 7.23-7.31 (m, 5H), 7.51 (s, 1H), 8.90-9.00 (br, 2H), 9.17 (s, 1H).
実施例56.
Nα-3-フェニルアクリロイル-Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物20] の製造。
Nπ-エチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(7.8 g, 21.6 mmol)の塩化メチレン(100 mL)溶液に、トリエチルアミン(12.0 mL, 86.4 mmol)を0 ℃で滴下して15分かき混ぜた。さらに塩化シンナモイル(4.3 g, 26.0 mmol)の塩化メチレン(30 mL)溶液を0 ℃で滴下して、室温で24時間かき混ぜた。反応溶液を水洗した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1)で精製して、表題化合物(5.1 g, 56%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.28 (t, J=7.3 Hz, 3H), 2.87 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.93-2.97 (m, 2H), 3.87 (q, J=7.3 Hz, 2H), 4.27-4.29 (m, 2H), 4.61-4.63 (m, 1H), 6.63 (s, 1H), 6.69 (d, J=15.8 Hz, 1H), 7.19-7.27 (m, 5H), 7.38-7.47 (m, 4H), 7.57-5.58 (m, 3H), 8.61 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例57.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジン(8.0 g, 23.0 mmol)及びフェネチルアルコール(3.1 g, 25.0 mmol)の塩化メチレン(150 mL)懸濁液に、WSC・HCl(4.8 g, 25.0 mmol)及びDMAP(0.30 g, 2.1 mmol)を0 ℃で加えた。室温で20時間かき混ぜた後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)で精製して、表題化合物(8.5 g, 99%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.36 (s, 9H), 2.73-2.84 (m, 4H), 4.08-4.11 (m, 2H), 4.18-4.25 (m, 1H), 5.15 (s, 2H), 6.70 (s, 1H), 6.72-7.35 (m, 10H), 7.66 (s, 1H).
実施例58.
Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステル(8.0 g, 17.8 mmol)の塩化メチレン(200 mL)溶液に、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(45 mL, 塩化水素178 mmol 相当)を室温で滴下した。4時間かき混ぜた後、溶媒を減圧下で溜去して、表題化合物(7.6 g, 99%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.88 (t, J= 6.7 Hz, 2H), 3.10-3.26 (m, 2H), 4.22 (t, J=6.7 Hz, 1H), 4.31-4.37 (m, 2H), 5.56 (s, 2H), 7.20-7.42 (m, 10H), 7.57 (s, 1H), 9.01 (br, NH), 9.31 (s, 1H).
実施例59.
Nα-アクリロイル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物21] の製造。
Nπ-ベンジル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(7.0 g, 16.6 mmol)の塩化メチレン(200 mL)溶液に、トリエチルアミン(9.3 mL, 66.4 mmol)を0 ℃で滴下して15分かき混ぜた。さらに塩化アクリロイル(2.4 ml, 29.1 mmol)を0 ℃で滴下して、室温で24時間かき混ぜた。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製して、表題化合物(1.3 g, 19%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.76-2.86 (m, 4H), 4.20-4.25 (m, 2H), 4.44-4.46 (m, 1H), 5.14 and 5.17 (ABq, J=16.1 Hz, 2H), 5.63 (dd, J=2.0, 10.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J=2.0, 17.1 Hz, 1H), 6.26 (dd, J=10.2, 17.1 Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 7.06-7.36 (m, 10H), 7.67 (s, 1H), 8.56 (d, J=7.8 Hz, 1H).
実施例60.
Nα-チグロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物22] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(4.6 g, 13.4 mmol)の水溶液に氷冷下、炭酸水素カリウム(5.4 g, 53.6 mmol)を加え、次いで塩化チグロイル(2.6 ml, 23.5 mmol)を滴下して、そのまま45分かき混ぜた。反応後、酢酸エチルで抽出した後、有機層を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=18:1)で精製して、表題化合物(2.2 g, 46%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.69-1.73 (m, 6H), 2.85 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.95 (d, J=7.4 Hz, 2H), 3.50 (s, 3H), 4.21-4.27 (m, 2H), 4.46 (dt, J=7.7, 7.4 Hz, 1H), 6.29-6.31 (m, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.20-7.30 (m, 5H), 7.47 (s, 1H), 8.09 (d, J= 7.7 Hz, 1H).
実施例61.
Nα-クロトノイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物23] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(9.3 g, 26.8 mmol)の塩化メチレン(120 ml)溶液に、氷冷下トリエチルアミン(18.7 ml, 134 mmol)を加え、さらにクロトン酸(2.8 g, 32.2 mmol)を加えた。次いで、DCC(6.6 g, 32.2 mmol)の塩化メチレン(24 ml)溶液を滴下した。室温で24時間かき混ぜた後、溶媒を半分、減圧溜去しアセトンを加え一晩冷凍庫に静置した。トリエチルアミン塩酸塩とDCウレアを濾去し、濾液の溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製して、表題化合物(1.3 g, 14%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.78-1.80 (m,3H), 2.84-2.96 (m, 4H), 3.49 (s, 3H), 4.22-4.27 (m, 2H), 4.51-4.56 (m, 1H), 5.94-5.97 (m, 1H), 6.58 (s, 1H), 6.60-6.67 (m, 1H), 7.20-7.30 (m, 5H), 7.47 (s, 1H), 8.34 (d, J=7.9 Hz, 1H).
実施例62.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステルの製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(18.3 g, 68.1 mmol)及びベンズヒドロール(15.1 g, 81.7 mmol)の塩化メチレン(300 mL)懸濁液に、WSC・HCl(15.7 g, 81.7 mmol)及びDMAP(0.75 g, 6.1 mmol)を0 ℃で加えた。室温で24時間かき混ぜた後、反応混合物を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1)で精製して、表題化合物(26.3 g, 89%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.36 (s, 9H), 2.91-2.96 (m, 1H), 3.03-3.07 (m, 1H), 3.50 (s, 3H), 4.33-4.35 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 7.26-7.51 (m, 12H).
実施例63.
Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル(26.7 g, 60.4 mmol)の塩化メチレン(400 mL)溶液に、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(151 mL, 603 mmol HCl)を室温で滴下した。2時間かき混ぜた後、析出した結晶をろ取して表題化合物(19.0 g, 77%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.31-3.43 (s, 2H), 3.77 (s, 3H), 4.62-4.64 (m, 1H), 6.91 (s, 1H), 7.30-7.56 (m, 11H), 9.02-9.04 (br, 4H).
実施例64.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル [化合物24] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル2塩酸塩(2.0 g, 4.9 mmol)の塩化メチレン(40 mL)溶液に、トリエチルアミン(2.7 mL, 19.6 mmol)を0 ℃で加え、そのまま15分かき混ぜた。次いで、塩化アクリロイル(0.48 mL, 5.9 mmol)を0 ℃で加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製して、表題化合物(0.32 g, 17%)を非晶質固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.97-3.01 (m, 1H), 3.10-3.14 (m, 1H), 3.50 (s, 3H), 4.74-4.78 (m, 1H), 5.65 (dd, J=1.7, 10.3 Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 17.1 Hz, 1H), 6.29 (dd, J=10.3, 17.1 Hz, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 7.27-7.46 (m, 11H), 8.68 (d, J=8.0 Hz, 1H).
実施例65.
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステルの製造
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン(7.0 g, 26.0 mmol)、2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール(4.4 mL, 28.6 mmol)、WSC・HCl(5.5 g, 28.6 mmol)、DMAP(0.3 g, 2.3 mmol)及び塩化メチレン(150 mL)から、Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステルと同様にして表題化合物(3.9 g, 37%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33-1.36 (m, 15H), 2.82-2.84 (m, 1H), 2.87-2.88 (m, 1H), 2.95 (d, J=13.3 Hz, 1H), 3.02 (d, J=13.3 Hz, 1H), 3.51 (s, 3H), 4.05-4.10 (m, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.20-7.30 (m, 6H), 7.47 (s, 1H).
実施例66.
Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステル2塩酸塩の製造。
Nα-tert-ブトキシカルボニル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステル(3.9 g, 9.7 mmol)、4 mol/L 塩化水素ジオキサン溶液(24 mL, 97.4 mmol HCl)及び塩化メチレン(80 mL)から、Nπ-メチル-L-ヒスチジンジフェニルメチルエステル2塩酸塩と同様にして表題化合物(2.7 g, 75%)を結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.42 (s, 6H), 3.04 (s, 2H), 3.20-3.25 (m, 1H), 3.30-3.34 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.26-4.28 (m, 1H), 7.22-7.34 (m, 5H), 7.47 (s, 1H), 8.80-9.00 (br, 2H), 9.11 (s, 1H).
実施例67.
Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステル [化合物25] の製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジン-1,1-ジメチル-2-フェネチルエステル2塩酸塩(2.7 g, 7.2 mmol)の水(40 mL)溶液に、炭酸水素カリウム(2.9 g, 28.8 mmol)を0 ℃で加え、そのまま15分かき混ぜた。次いで、塩化アクリロイル(1.0 mL, 12.6 mmol)を0 ℃で加え、そのまま1時間かき混ぜた。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣に塩化メチレンを加え、不溶物を除去した。濾液を少量のシリカゲル存在下、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去して、表題化合物(0.5 g, 20%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 2.86-2.99 (m, 4H), 3.52 (s, 3H), 4.48-4.53 (m, 1H), 5.63 (dd, J=1.8, 10.2 Hz, 1H), 6.11 (dd, J 1.8, 17.0 Hz, 1H), 6.32 (dd, J=10.2, 17.0 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.18-7.28 (m, 5H), 7.48 (s, 1H), 8.55 (d, J=7.9 Hz, 1H).
実施例68.
2-メトキシメトキシベンズアルデヒドの製造。
tert-ブトキシカリウム(30.0 g, 0.27 mol)のDMF(200 mL)溶液に、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(30.0 g, 0.25 mol)のDMF(100 mL)溶液を0 ℃で滴下した後、室温で1時間かき混ぜた。DMF(200 mL)を加えた後、クロロメチルメチルエーテル(21 mL, 0.27 mol)のDMF(100 mL)溶液を0 ℃で滴下した後、室温で20時間かき混ぜた。反応混合物を氷水中に注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して表題化合物(32.6 g, 80%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) 臀och: 3.47 (s, 3H), 5.39 (s, 2H), 7.14-7.17 (m, 1H), 7.32 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.64-7.67 (m, 1H), 7.74-7.76 (m, 1H), 10.44 (s, 1H).
実施例69.
2-メトキシメトキシケイ皮酸の製造。
2-メトキシメトキシベンズアルデヒド(15.0 g, 90.3 mmol)のピリジン(80 mL)溶液に、マロン酸(18.8 g, 181 mmol)及びピペリジン(1.0 mL, 9.0 mmol)を加え、6時間加熱還流した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣に水を加え、希塩酸で酸性にした。析出した結晶をろ取した後、水洗して表題化合物(16.5 g, 88%)を得た。
Mp. 133-134 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6) 臀och: 3.41 (s, 3H), 5.32 (s, 2H), 6.54 (d, J=16.2 Hz, 1H), 7.03-7.06 (m, 1H), 7.18 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.37-7.40 (m, 1H), 7.72 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.89 (d, J=16.2 Hz, 1H), 12.38 (s, 1H).
実施例70.
Nα-[3−(2-メトキシメトキシフェニル)アクリロイル]-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステルの製造。
Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル2塩酸塩(5.0 g, 14.4 mmol)の塩化メチレン(150 mL)懸濁液に、2-メトキシメトキシケイ皮酸(3.6 g, 17.3 mmol)、トリエチルアミン(4.4 mL, 31.7 mmol)及びWSC・HCl(3.3 g, 17.3 mmol)を0 ℃で加え、室温で6時間かき混ぜた。反応混合物を水洗した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製して表題化合物(6.2 g, 92%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) 臀och: 2.86-2.89 (m, 2H), 2.96-3.00 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 4.26-4.30 (m, 2H), 4.64-4.66 (m, 1H), 5.30 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.75 (d, J=16.0 Hz, 1H), 7.05-7.07 (m, 1H), 7.17-7.35 (m, 7H), 7.51 (s, 1H), 7.56-7.58 (m, 1H), 7.77 (d, J=16.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=7.9 Hz, 1H).
実施例71.
塩酸Nα-[3−(2-ヒドロキシフェニル)アクリロイル]-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル [化合物26]の製造。
Nα-[3−(2-メトキシメトキシフェニル)アクリロイル]-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステル(6.2 g, 13.3 mmol)の塩化メチレン(100 mL)溶液に、4 mol/L塩化水素−ジオキサン(10 mL, HCl 40 mmol相当)を室温で滴下した後、そのまま22時間かき混ぜた。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣にジエチルエーテルを加え、析出した結晶をろ取して表題化合物(5.3 g, 94%)を得た。
Mp. 64-65コC. 1H-NMR (DMSO-d6) 臀och: 2.90 (t, J=6.7 Hz, 1H), 3.08 (dd, J=6.5, 15.8 Hz, 1H), 3.17 (d, J=5.1, 15.8 Hz, 1H), 3.78 (s, 1H), 4.31 (t, J=6.7 Hz, 2H), 4.72-4.76 (m, 1H), 6.73 (d, J=15.9 Hz, 1H), 6.81-6.84 (m, 1H), 6.97 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.18-7.21 (m, 2H), 7.26-7.27 (m, 4H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.65 (d, J=15.9 Hz, 1H), 8.78 (d, J=7.9 Hz, 1H), 9.05 (s, 1H), 10.26 (s, 1H).
実施例72.鎮痛効力試験(1)
鎮痛効力試験には、SARTストレス負荷マウスという慢性的な痛覚過敏状態を呈する病態モデル動物を用いた。SART(Specific Alternation of Rhythm in Temperature)ストレス、即ち反復寒冷ストレスの負荷は、喜多らの方法に(日薬理誌、71巻、195-210頁、1975年)に準じて行った。飼育用恒温槽を用い、ddY系雄性マウスの飼育環境温度を午前10時から午後5時までは1時間毎に4℃と24℃に交互に変更し、次いで午後5時から翌朝の午前10時の間は4℃に維持し、水及び飼料は自由に摂取させ5日間飼育して反復寒冷ストレスを負荷した後、実験に供した。被験物質の投与前及び投与30分後にRandall-Selitto変法(尾圧法:日薬理誌、72巻、573-584頁、1976年)により痛覚閾値を測定した。即ち、圧力子をマウス尾部用に改変したRandall-Selitto式鎮痛効果測定装置を用い、マウス尾根部より先端側へ1.5cmの部位に圧刺激を16g/秒の速度で加え、逃避或いは啼鳴反応を示す加圧重量(g)を測定し、痛覚閾値とした。正常対照群では125〜135g前後の痛覚閾値であるが、SARTストレスを負荷したSART対照群では80〜85g前後の加圧重量(痛覚閾値)で疼痛反応を示し、SARTストレス負荷マウスは痛覚過敏となっていた。被験物質投与群の痛覚閾値をSART対照群の痛覚閾値で除した値(鎮痛係数)を算出して、被験物質の鎮痛効果を確認した。即ち、被験物質に全く効果の無い場合は値が1.0となり、効果が強くなるにつれて、1.1、1.2、1.3と鎮痛係数の値は増加してゆく。両群間の有意差は痛覚閾値を統計処理して求め、鎮痛係数は痛覚閾値の平均値で算出した。
実験動物として4週齢のddY雄性系マウス(1群10匹)を用い、本発明化合物のカルボン酸体を被験物質として、マウス1匹あたり25ngの投与量で側脳室内に投与し、その鎮痛効力を測定した。上記試験結果の一例(鎮痛係数の平均値)を表1に示す。本発明化合物のカルボン酸体(カルボン酸体Aは本発明化合物1乃至19が、カルボン酸体Bは本発明化合物23が、カルボン酸体Cは本発明化合物20がそれぞれ生体内で代謝されて生じるカルボン酸体である。)は慢性的な痛覚過敏を示す病態モデル動物であるSARTストレス負荷マウスを用いた鎮痛効力試験を行った結果、優れた鎮痛効果を示した。尚、痛覚閾値の有意差検定にはDunnettの多重比較検定を用いたが、表中の被験物質における結果はいずれの場合も、SARTストレス負荷マウス対照群と比較してP<0.05で有意差が認められた。
Figure 0005301441
さらに、カルボン酸体Aをマウスに腹腔内投与(100μg/kg)した時、SART対照群の痛覚閾値79.0gに対して、被験物質投与群では97.8g(鎮痛係数1.24)と有意な痛覚過敏改善作用が認められた。また、マウスでの経口投与の場合には、経口投与30分後をピークとして3及び10mg/kgで有意な鎮痛作用を示し、作用ピーク時の改善率から求めたED50値は2.7mg/kgであった。これに対して、アンセリン、カルノシンを被験物質として上記の側脳室内投与による鎮痛試験を行ったが、有意な鎮痛作用は認められなかった。
実施例73.鎮痛効力試験(2)
神経因性疼痛モデルであるChungモデルラットを用いて、鎮痛効力試験を行った。実験動物として9週齢のWistar系雄性ラットを用い、KimとChungの方法(Pain、50巻、355-363頁、1992年)に準じてモデルラットを作製した。すなわち、ペントバルビタール(40 mg/kg, 腹腔内投与)麻酔下に、ラットL5脊髄神経を露出してL5後根神経節末梢側を5-0絹糸で強く結紮した。底が金網になっている透明アクリルケージに動物を入れ、von Freyフィラメント(North Coast Medical Inc.製)を用い、Chaplan等(J. Neurosci. Method、53巻、55-63頁、1994年)及びLee等(J. Neurophysiol.、81巻、2226-2233頁、1999年)の方法に従い、up-down法により50%反応閾値を算出し、アロディニアの測定を実施した。50%反応閾値は脊髄神経損傷前に2回測定し、閾値が基準外の動物は脊髄神経損傷手術から除外した。脊髄神経損傷14、17、28日後に50%反応閾値を測定し、安定した閾値低下を示すと同時に28日後において1 g以上4 g未満の閾値を示すものを試験に用いた。これらの実験動物は、神経損傷28日後の50%反応閾値を指標に1群7匹として各群の平均値がほぼ均一になるように群構成した。
本発明化合物のカルボン酸体を被験物質として単回腹腔内投与し、また、神経損傷対照群には0.5%CMC‐Na/生理食塩液を同様に投与して、被験物質投与30分後にアロディニアの測定を行い、50%反応閾値を算出した。尚、有意差の検定は、神経損傷前後の比較には対応のあるt検定、神経損傷対照群と被験物質投与群との多群間比較にはDunnettの多重検定比較を用い、いずれの場合もP<0.05で有意差有りとした。
上記鎮痛効力試験を実施した結果、L5脊髄神経損傷前の正常時における50%反応閾値は平均値で15.00g(n=42)であったが、神経損傷後28日後には2.46g(n=42、群編成前)と低下し、脊髄神経損傷前後で明らかな機械刺激性アロディニアを呈することが確認された。これを踏まえて、被験物質としてカルボン酸体Aを単回腹腔内(100μg/kg)投与し、Chungモデルラットを用いた鎮痛効力試験を行った結果、神経損傷対照群については、50%反応閾値は平均値で溶媒投与前は2.48g(n=7、群編成後)、溶媒投与30分後は2.70gを示し、投与前後で大きな変化は見られなかった。これに対し、被験物質投与群の50%反応閾値は9.60gを示した。また同様に、化合物21が生体内で代謝されて生じるカルボン酸体D(Nα-アクリロイル-Nπ-ベンジル-L-ヒスチジン)を被験物質として単回腹腔内(400μg/kg)投与した場合、神経損傷対照群については、50%反応閾値は平均値で溶媒投与前は2.61g、溶媒投与30分後は2.81gであったのに対し、被験物質投与群の50%反応閾値は7.32gを示した。
カルボン酸体A及びDのいずれの被験物質投与群においても、神経損傷対照群と比較して有意な閾値の上昇が見られ、本発明化合物のカルボン酸体の強い抗アロディニア作用、即ち、神経因性疼痛に対する優れた鎮痛作用が認められた。また、カルボン酸体Aを経口投与した場合には、Chungモデルラットの機械刺激性アロディニアに対し、経口投与30分後をピークとして10 mg/kgで有意な抗アロディニア作用を示し、作用ピーク時の改善率から求めたED50値は2.4 mg/kgであった。
実施例74.鎮痛効力試験(3)
上記鎮痛効力試験(2)と同様に、被験物質として本発明化合物12(3 mg/kg、10 mg/kg)及び本発明化合物のカルボン酸体A(10mg/kg)をChungモデルラットに単回経口投与し、被験物質投与群及び神経損傷対照群各々について、投与0、15、30、60、120分後におけるアロディニアの測定を行い、50%反応閾値を算出した。
上記試験結果の一例を図1に示す。本発明化合物12及び本発明化合物のカルボン酸体Aは、神経損傷対照群と比較して投与後15、30、60分の時点で有意な抗アロディニア作用を示した。また、本発明化合物12は3 mg/kg経口投与でそのカルボン酸体Aの10mg/kg投与と同程度の抗アロディニア作用を示し、同じ10 mg/kgの投与量では明らかに本発明化合物12の方が強い抗アロディニア作用を示した。この結果は、下記ラット血中動態試験の結果で示される通り、本発明化合物12がそのカルボン酸体Aよりも経口投与時の血中移行性が優れていることと相関するものである。
実施例75.鎮痛効力試験(4)
本発明化合物又はそのカルボン酸体をマウスに経口投与して、酢酸ライジング法により鎮痛効力試験を行った。実験動物として4週齢の雄性ddY系マウスを予備飼育した後、1群10匹を用いた。本発明化合物又はそのカルボン酸体10mg/kgを被験物質として単回経口投与し、また、対照群には蒸留水(注射用水)を同様に投与して、被験物質投与25分後に0.7%酢酸/生理食塩液を10mL/kgで腹腔内投与し、その5分後から10分間のライジング回数を計測し、各個体毎の抑制率を次式により算出した。
抑制率(%)=(対照群の平均ライジング回数−各個体のライジング回数)÷対照群の平均ライジング回数×100
上記試験結果の一例を表2に示す。本発明化合物26及び本発明化合物のカルボン酸体(カルボン酸体Dは本発明化合物21が、カルボン酸体Eは本発明化合物22がそれぞれ生体内で代謝されて生じるカルボン酸体)は酢酸ライジング法による鎮痛効力試験を行った結果、優れた鎮痛効果を示した。
Figure 0005301441
上記酢酸ライジング法の他、ラットのホルマリン疼痛試験の第二相における疼痛反応に対しても、カルボン酸体Aは100 mg/kgの経口投与で有意な鎮痛作用を示した。また、モノヨード酢酸をラットの関節内に投与して誘発させた変形性関節症モデルにおける痛覚過敏に対しても、カルボン酸体Aの1mg/kgの経口投与で有意な鎮痛効果が認められた。
実施例76.ラット血中動態試験
本発明化合物及びそのカルボン酸体Aを各々DMSOに溶解した後、水で希釈し、2mg/mLに調製した試料溶液(1%DMSO溶液)を、絶食した7週齢Wistar系SPF雄性ラットにゾンデを用いて単回経口投与(10mg/5mL/kg)した。投与後0.25、0.5、1、2、4、8時間の時点で尾静脈からヘパリン添加毛細管を用いて約150μLを採血した後、該毛細管を遠心分離して血漿を採取した。血漿試料は、除蛋白後、上清を希釈して各測定試料液を調製した。各測定試料液におけるカルボン酸体Aの濃度を定量し(本発明化合物の未変化体については血中で検出されないことを確認)、本発明化合物及びそのカルボン酸体AのCmax(最高血漿中濃度)及びAUC(血中濃度曲線下面積、0‐8時間)を算出した。
上記試験結果の一例を表3及び図2に示す。尚、表3のCmax及びAUCの値は各化合物間の吸収特性を比較できるよう、実測値をカルボン酸体Aと等モル投与の場合に換算して示した。本発明化合物はカルボン酸体Aと比較して、Cmax及びAUC共に高い値を示し、経口投与時のラット血中への移行性が非常に優れていることが確認された。
Figure 0005301441
実施例77.サル血中動態試験
塩酸溶液に溶解又は懸濁した本発明化合物及びそのカルボン酸体Aを水で希釈し、6mg/mLに調製した試料溶液を、3〜4才齢の雄性カニクイザルにディスポーザブルカテーテル及び注射筒を用いて単回経口投与(30mg/5mL/kg)した。投与前、投与後0.25、0.5、1、2、4、8、24時間の時点で、大腿静脈からヘパリンナトリウム加注射器を用いて採血し、遠心分離して血漿を得た。尚、採血は各被験物質について、6日間の休薬期間をおいて1回ずつ計3回実施した。採取した血漿試料中のカルボン酸体Aの濃度をLC-MSにより定量し、本発明化合物及びそのカルボン酸体AのCmax(最高血漿中濃度)及びAUC(血中濃度曲線下面積、0‐∞時間)を算出した。
上記試験結果の一例を表4示す。尚、表4のCmax及びAUCの値は各化合物間の吸収特性を比較できるよう、実測値をカルボン酸体Aと等モル投与の場合に換算して示した。本発明化合物はカルボン酸体Aと比較して、Cmax及びAUC共に高い値を示し、上記のラットの場合と同様に経口投与時のサル血中への移行性が非常に優れていることが確認された。
Figure 0005301441
実施例78.マウス単回投与毒性試験
本発明化合物のカルボン酸体について、マウスを用いた腹腔内投与による単回投与毒性試験を行った。4週齢の雄性ddY系マウスは、各群の平均体重がほぼ均一になるように1群5匹として群編成し、カルボン酸体Aを被験物質として、250 mg/kg、500 mg/kg及び1000 mg/kgの用量で腹腔内投与した。
この毒性試験において、いずれの投与量においても、投与直後から14日後までの観察期間を通して何ら異常所見は見られず、死亡例も認められなかった。更に14日間の観察期間終了後、剖検による全身の器官及び組織について肉眼的観察を行ったが、対照群(生理食塩液投与群)と同様の観察所見が得られ、なんら異常所見は認められなかった。また、体重の推移も対照群と比較して有意な差は認められなかった。これらの結果により、本発明化合物のカルボン酸体はマウス腹腔内投与によって毒性的に何ら影響せず、低毒性の化合物であることが確認された。従って、生体内においてエステラーゼの作用によって速やかにカルボン酸体に代謝され、血中では低毒性のカルボン酸体として存在する本発明化合物についても、低毒性の化合物であることが示された。
上記の各種鎮痛効果試験に示されるように、本発明ヒスチジン誘導体のカルボン酸体は急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物に対して優れた鎮痛作用を示す。本発明化合物は生体内においてエステラーゼの作用によって速やかにカルボン酸体に代謝され、血中ではカルボン酸体として存在するため、カルボン酸体と同様の薬理作用を有することが示され、実際に本発明化合物が対応するカルボン酸体以上の薬理活性(抗アロディニア作用)を示すことも確認された(図1)。このように、本発明化合物は非常に優れた経口投与時の血中移行性を有するため、種々の急性又は慢性疼痛疾患や、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などの通常の鎮痛薬が効き難い反射性交感神経性ジストロフィー、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー等の神経因性疼痛疾患を治療するための医薬品として非常に有用である。

Claims (20)

  1. 下記一般式で表されるヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
    Figure 0005301441
    〔式中、R1は炭素数1乃至6のアルキル又は炭素数1乃至4のアルキル若しくはハロゲンで置換されていてもよいベンジルを表し、R2は水素又は炭素数1乃至4のアルキルを表し、R3及びR4は各々同一若しくは異なって水素、炭素数1乃至4のアルキル、又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至6のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ及びシアノのいずれか1種若しくは2種の基で置換されていてもよいフェニルを表し、R5は炭素数2乃至8のアルキル、カルボキシル−炭素数1乃至4のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ−カルボニル−炭素数1乃至4のアルキル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ若しくはハロゲンで置換されていてもよい1又は2のフェニル−炭素数1乃至4のアルキルを表す。〕
  2. R5が炭素数2乃至8のアルキルである請求項1記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  3. R5が炭素数4乃至8のアルキルである請求項1記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  4. R5が炭素数5乃至8のアルキルである請求項1記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  5. R5が炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ又はハロゲンで置換されていてもよい1又は2のフェニル−炭素数1乃至4のアルキルである請求項1記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  6. R5がフェニルエチルである請求項5記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  7. R5が炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ又はハロゲンで置換されているフェニルメチルである請求項5記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  8. R5が炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ又はハロゲンで置換されているフェニルエチルである請求項5記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  9. R5がジフェニルメチルである請求項5記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  10. R1が炭素数1乃至6のアルキルである請求項1乃至9のいずれか一項記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  11. R3が水素である請求項10記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  12. R4が水素である請求項11記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  13. R4が炭素数1乃至4のアルキルである請求項11記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  14. R4がフェニルである請求項11記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  15. R2が水素である請求項12乃至14のいずれか一項記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  16. R2が炭素数1乃至4のアルキルである請求項12乃至14のいずれか一項記載のヒスチジン誘導体その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  17. Nα-アクリロイル-Nπ-メチル-L-ヒスチジンフェネチルエステルその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物。
  18. 下記一般式で表されるヒスチジン誘導体又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を有効成分として含有する医薬。
    Figure 0005301441
    〔式中、R1は炭素数1乃至6のアルキル又は炭素数1乃至4のアルキル若しくはハロゲンで置換されていてもよいベンジルを表し、R2は水素又は炭素数1乃至4のアルキルを表し、R3及びR4は各々同一若しくは異なって水素、炭素数1乃至4のアルキル、又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至6のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ及びシアノのいずれか1種若しくは2種の基で置換されていてもよいフェニルを表し、R5は炭素数2乃至8のアルキル、カルボキシル−炭素数1乃至4のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ−カルボニル−炭素数1乃至4のアルキル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル又は炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ若しくはハロゲンで置換されていてもよい1又は2のフェニル−炭素数1乃至4のアルキルを表す。但し、R 1 がメチルで、R 2 、R 3 及びR 4 の全てが水素で、R 5 がフェニルエチルである化合物を除く。
  19. R5が炭素数1乃至6のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルエチルである請求項18記載の医薬。
  20. 鎮痛薬である請求項18又は19記載の医薬。
JP2009524475A 2007-07-23 2008-07-18 新規ヒスチジン誘導体 Active JP5301441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009524475A JP5301441B2 (ja) 2007-07-23 2008-07-18 新規ヒスチジン誘導体

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007190928 2007-07-23
JP2007190928 2007-07-23
JP2007328301 2007-12-20
JP2007328301 2007-12-20
PCT/JP2008/063046 WO2009014097A1 (ja) 2007-07-23 2008-07-18 新規ヒスチジン誘導体
JP2009524475A JP5301441B2 (ja) 2007-07-23 2008-07-18 新規ヒスチジン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009014097A1 JPWO2009014097A1 (ja) 2010-10-07
JP5301441B2 true JP5301441B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=40281348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009524475A Active JP5301441B2 (ja) 2007-07-23 2008-07-18 新規ヒスチジン誘導体

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8324261B2 (ja)
EP (1) EP2202227B1 (ja)
JP (1) JP5301441B2 (ja)
KR (1) KR101438012B1 (ja)
CN (1) CN101743227B (ja)
AU (1) AU2008278333B2 (ja)
CA (1) CA2692824A1 (ja)
TW (1) TWI424843B (ja)
WO (1) WO2009014097A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010189379A (ja) * 2009-01-20 2010-09-02 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd ヒスチジン誘導体を含有する医薬

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IN2014DN06132A (ja) 2012-01-13 2015-08-14 Gen Hospital Corp

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006232685A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Toagosei Co Ltd メイラード反応阻害剤
JP5128959B2 (ja) * 2006-01-24 2013-01-23 日本臓器製薬株式会社 新規ヒスチジン誘導体

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59216597A (ja) 1983-05-23 1984-12-06 Microbial Chem Res Found 新生理活性物質ヒスタジン
JPH0641411B2 (ja) 1988-03-28 1994-06-01 学校法人日本大学 免疫調節剤
JP2939301B2 (ja) 1990-05-07 1999-08-25 日本新薬株式会社 経口摂取組成物
JPH0797323A (ja) 1993-05-07 1995-04-11 Suntory Ltd 鉄吸収促進剤
JPH0920661A (ja) 1995-07-04 1997-01-21 Suntory Ltd 学習能力向上組成物
JPH0920660A (ja) 1995-07-04 1997-01-21 Suntory Ltd 抗ストレス組成物
JPH10298197A (ja) 1997-04-25 1998-11-10 Asahi Glass Co Ltd 置換ベンズアミド誘導体
EP1285660A4 (en) 2000-05-31 2003-07-09 Hamari Chemicals Ltd ZINC SUPPLEMENTARY COMPOSITIONS FOR ORAL ADMINISTRATION
JP2003267992A (ja) 2002-03-18 2003-09-25 Makoto Fujii 抗酸化剤、老化防止剤および/または抗ガン剤
TWI280136B (en) * 2003-05-30 2007-05-01 Lytone Enterprise Inc Composition containing dipeptide of histidine and alanine for reducing uric acid

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006232685A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Toagosei Co Ltd メイラード反応阻害剤
JP5128959B2 (ja) * 2006-01-24 2013-01-23 日本臓器製薬株式会社 新規ヒスチジン誘導体

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013004380; Eur J Med Chem 28(12), 1993, pp.949-954 *
JPN6013004383; Macromol. Biosci. 2(3), 2002, pp.135-144 *
JPN6013004385; Polymers for Advanced Technologies 11(8-12), 2000, pp.377-387 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010189379A (ja) * 2009-01-20 2010-09-02 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd ヒスチジン誘導体を含有する医薬

Also Published As

Publication number Publication date
AU2008278333A1 (en) 2009-01-29
TWI424843B (zh) 2014-02-01
KR101438012B1 (ko) 2014-09-04
CN101743227A (zh) 2010-06-16
TW200913994A (en) 2009-04-01
AU2008278333B2 (en) 2013-10-31
CN101743227B (zh) 2013-09-25
JPWO2009014097A1 (ja) 2010-10-07
US20100152459A1 (en) 2010-06-17
WO2009014097A1 (ja) 2009-01-29
CA2692824A1 (en) 2009-01-29
EP2202227B1 (en) 2013-11-20
EP2202227A1 (en) 2010-06-30
EP2202227A4 (en) 2011-03-23
KR20100036270A (ko) 2010-04-07
US8324261B2 (en) 2012-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5128959B2 (ja) 新規ヒスチジン誘導体
RU2089550C1 (ru) Производное 1,4-бензотиазепина
KR101118807B1 (ko) O-치환 히드록시아릴 유도체
CS228119B2 (en) Production of n2-arylsulphonyl-l-argininamides
JPH1160551A (ja) スルホニルアミノカルボン酸
HU229371B1 (en) Aryl substituted pyrazoles, triazoles and tetrazoles, and the use thereof
FR2540118A1 (fr) Nouvelles amidines
JP2022513392A (ja) 活性分子送達のための胆汁酸及びそれらの誘導体の抱合体
CA2696429A1 (en) Pyrrole compounds having sphingosine-1-phosphate receptor agonist or antagonist biological activity
KR20010024220A (ko) 신규한 npy 길항제
JPH08325263A (ja) 新規2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸誘導体
SU1241986A3 (ru) Способ получени производных бензамида,их гидрохлоридов или оптических изомеров
JP5301441B2 (ja) 新規ヒスチジン誘導体
EP2345635B1 (en) Amino acid derivative
US4134991A (en) Derivatives of 2-(3-phenyl-2-aminopropionyloxy)-acetic acid
KR20110025970A (ko) 트롬빈 억제제로서 사용하기 위한 신규 복소환 카복스아미드
JP5597400B2 (ja) ヒスチジン誘導体を含有する医薬
US4031216A (en) 3-(3,4-Dialkoxy-benzyl)-3-methyl-piperazines
EP0053017A1 (en) Amide derivatives
JPH05271208A (ja) 1,4‐ベンゾチアゼピン誘導体
JP5121018B2 (ja) 新規ヒスチジン誘導体
US3996360A (en) Piperazine compounds
KR19990087485A (ko) 엔도텔린 전환 효소 억제제로서 레트로아미드 결합을 가진 황유도체
JPS6134424B2 (ja)
US4628057A (en) Tetrahydro-β-carboline derivatives and treatment of liver diseases

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20130201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5301441

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250