JP5297661B2 - 気相成長装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気相成長装置に関する。
CVD法や塩化物を用いたクロライドVPE法などの気相成長法は、結晶膜の形成には欠かせない技術である。有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)は、気相結晶成長方法の一つで、主に半導体結晶成長に用いられている。
MOCVDは、材料ガスや水素、窒素、アルゴンなどのキャリアガス流量を制御するガス計量ユニット、ヒータで成長基板の温度を制御し該成長基板上に材料ガスを反応成長させるリアクターユニット、真空ポンプ、圧力制御器でリアクター圧力を制御する排気ユニットで構成される。MOCVDは、ガス計量ユニットで所望の流量に調整された有機金属を中心とした原料ガスを所望の圧力、温度に制御されたチャンバ内で熱分解、反応させ、成長基板上に所望の半導体結晶を得る装置である。例えば、III−V族半導体の場合、一般的にはIII族原料に有機金属を用い、V族原料に特殊材料ガスを用いる。加熱されたチャンバ内に導入された原料が熱分解することで、適切な反応基が成長基板に供給され半導体結晶成長が行える。
図11は、従来の気相成長装置200の構成の一例を示す概略図である。
気相成長装置200は、ガス制御装置1、グローブボックス2、サセプター3、チャンバ5、ガス供給部6、ステージ7、排気ポート8、トラップ機構9、排気ポンプ10及び除害設備11を含んで構成される。
ガス制御装置1から、ガス供給部6を介して供給されたプロセスガスがチャンバ5内で熱分解し、チャンバ5内の回転軸3sで支持されるサセプター3に設置された成長基板4に所望の材料膜を形成する。その後、プロセスガスは排気ガスとして排気ポート8を通じて排気ポンプ10によりチャンバ5内から排出される。排気ガス中には大量に反応副生成物や未反応物が含まれるため、排気ポンプ10の上流にこれらを専用に捕獲するためのトラップ機構9を配置する。また、排気ガス中には砒素などの有害な物質が含まれることが多いので、最下流に専用の除害設備11が設置される。
従来の気相成長装置200では、排気ガス中に大量の反応副生成物等が含まれ、これらが排気系配管や排気ポンプ10に堆積し、排気圧力の不安定原因となる。成膜中に排気圧力が変動すると、所望の結晶膜を作成することが困難となる。
そこで、上述したように、従来の気相成長装置200では、排気ポンプ10の上流側に専用のトラップ機構9を設置する(例えば、特許文献1参照)。さらに、反応ガスに燐系材料が含まれる場合の発火事故を低減するための工夫を施したものが知られている(特許文献2参照)。しかし、トラップ機構は、いずれ閉塞し、排気圧力制御に支障が出るため、定期メンテナンスが必要である。気相成長装置の排気系配管のメンテナンスは、多大な労力が必要なだけでなく、燐や砒素を使用した場合、メンテナンス作業者が危険にさらされることがある。また、気相成長装置のメンテナンス頻度が高いと、製造工数の増大と装置停止による製造コストの上昇原因となる。
これに対して、トラップ機構内部に回転フィンを設置し、堆積するダストを機械的に除去することでメンテナンス性を向上させる技術が提案されている(特許文献3参照)。しかし、このようにトラップ機構のメンテナンス性を向上させようとすると、トラップ機構そのものの構造が複雑になってしまう。また、トラップ機構内のダストの堆積が解決されたとしても、トラップ機構に至るまでの排気系配管内の堆積による制御圧力の不安定化を解消することはできない。
排気系配管内の堆積を低減するものとしては、チャンバ内寸法を最適化し、チャンバ内部の側壁に冷却フィンを設置することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、結晶成長に影響するガスの流れを妨げないように冷却フィンを設置するには高度な技術を必要とするとともに、成長時に成長圧力や総流量を変えるような場合には、排気系配管へのダストの堆積量が変動することが考えられる。また、近年、結晶成長時にチャンバ内の室内寸法を変化させることが行われている(特許文献5参照)。
特開昭63−289922号公報 特開平08−083773号公報 特開平06−302525号公報 特開2002−367913号公報 特開2005−523385号公報
本発明の目的は、排気系配管内への反応物の堆積を抑制することのできる気相成長装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、気相成長装置は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、前記チャンバ内において回転軸で支持され、成長基板を設置するためのサセプターと、前記サセプター上の成長基板に対して原料ガスを供給するガス供給手段と、前記サセプターと前記チャンバ内で対向するステージと、前記ステージに設置され、前記ステージよりも大きい径サイズを有する構造体と、前記チャンバ内のガスの流れ方向から見て前記構造体の下流に設けられ、前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気手段とを有する。
また、本発明の他の観点によれば、気相成長装置は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、前記チャンバ内に原料ガスを供給するガス供給部と、前記チャンバ内において、成長基板を設置するための面が略水平に設置され、かつ、回転軸で支持され、かつ、前記ガス供給部に対向して設置されたサセプターと、前記チャンバ内において前記サセプターを支持するステージと、前記ステージに設置され、前記ステージよりも大きい径サイズを有し、外縁部から略垂直下方向へ伸びる延伸部を有する構造体と、前記構造体方向から流れてくる排気ガスを排出するために前記チャンバ内の前記構造体の下方に設けられた排気ポートとを有する。
また、本発明のさらに他の観点によれば、気相成長装置は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、前記チャンバ内に原料ガスを供給するガス供給部と、前記チャンバ内において、成長基板を設置するための面が略水平に設置され、かつ、回転軸で支持され、かつ、前記ガス供給部を中心としてその周囲に設置されたサセプターと、前記チャンバ内において前記サセプターと対向するステージと、前記ステージに設置され、前記ステージよりも大きい径サイズを有し、外縁部から略垂直下方向へ伸びる延伸部を有する構造体と、前記構造体方向から流れてくる排気ガスを排出するために前記チャンバ内の前記構造体の下方に設けられた排気ポートとを有する。
本発明によれば、排気系配管内への反応物の堆積を抑制することができる。
図1は、本発明の実施例による気相成長装置100の構成を表す概略図である。図2は、本発明の実施例による気相成長装置100のチャンバ5内を上から見た平面図である。
気相成長装置100は、ガス制御装置1、グローブボックス2、サセプター3、チャンバ5、ガス供給部6、ステージ7、排気ポート8、排気ポンプ10、除害設備11、構造体12を含んで構成される。
ガス制御装置1は、所望の流量に調整された原料ガス及びキャリアガスを、ガス供給部6を介してチャンバ5内に供給する。ガス供給部6は、サセプター3の略中央から原料ガスを供給し、かつ、サセプター3の成長基板4を設置する面に対して略平行方向へ原料ガスを流す。チャンバ5は、化学的に不活性なガス(主に窒素を用いる)で充填されるクローブボックス2内部に設置される。
チャンバ5内部は、所望の圧力、温度に制御可能であり、回転軸3sに支持されるサセプター3、サセプター3に対向して配置されるステージ7、排気ガスを下部方向(排気用配管13)に排出するために設けられる複数の排気ポート8及び構造体12が設置されている。サセプター3は、所望の材料膜を形成するための成長基板4を設置するための面を有し、チャンバ5内にガス供給部6を中心としてその周囲に、成長基板4を設置するための面が略水平になるように設置される。
なお、サセプター3は、回転軸を介してステージ7に支持されるように設置してもよい。サセプター3がステージ7に支持される場合は、ガス供給部6は、サセプター3に対向する側から原料ガスを供給し、かつ、サセプター3の成長基板4を設置する面に対して略垂直方向へ原料ガスを吹き付ける。
ガス制御装置1から、ガス供給部6を介して供給されたプロセスガスがチャンバ5内で熱分解し、チャンバ5内の回転軸3sで支持されるサセプター3に設置された成長基板4に所望の材料膜を形成する。その後、プロセスガスは排気ガスとして排気ポート8を通じて排気ポンプ10によりチャンバ5内から排出され、排気用配管13を通って、除害設備11に送られる。除害設備11は、排気ガス中の砒素などの有害な物質を除去する。
本発明の実施例によれば、燐や砒素を含む反応副生成物の多くが排気ポート8に侵入せずにチャンバ5内に堆積する。そこで、チャンバ5全体を化学的に不活性なガス(主に窒素を用いる)で充填されるグローブボックス2で囲う。このようにすることで、燐や砒素含有反応副生成物をグローブボックス2内で安全且つ簡単に処理できる。堆積物の処理方法としては、真空掃除機で直接堆積物を除去してもよいし、着脱可能な専用のダストボックスをチャンバ5内に設置するようにしてもよい。
本実施例では、排気ポート8は、チャンバ5内のガスの流れ方向から見て構造体12の下流に設けられ、図2に示すように等間隔で4つが配置されている。なお、排気ポート径は、35mmとする。排気ポート8の径は、特殊な構造とする必要は無く、例えば、NW25やNW40などの市販品を用いることができる。また、排気ポート8の数の反応副生成物の堆積効果への影響はほとんどないと考えられる。排気ポート8の数が増えれば、当然、排気ポート8への反応副生成物の侵入量は増えてくるが、本実施例のように、排気ポート8の数を4本程度とした場合は、チャンバ5の表面積に比べて、排気ポート8の面積が十分小さいのでほぼ無視することができる。また、排気ポート8の数を極端に増やすことも、工業的な見地から無意味であると考えられる。
本実施例による気相成長装置100と、図11を参照して説明した従来の気相成長装置200との違いは、本実施例では、ステージ7上に該ステージ7よりも大きな径サイズの構造体12を有することである。なお、構造体12の外縁部12pから排気ガスの流れ方向(図では、下方向)に構造体延伸部12eを最適化された長さで設けるようにしてもよい。すなわち、構造体延伸部12eは、サセプター3の成長基板4を設置する面に対して略垂直方向に伸び、該方向を延長した方向に排気ポート8が設けられる。また、本実施例による気相成長装置100では、燐や砒素を含む反応副生成物の多くが排気ポート8に侵入せずにチャンバ5内に堆積するので、トラップ機構9が省略されている。
構造体12の材質は、耐熱性、加工性、メンテナンス性などを考慮して、石英を用いている。なお、石英以外の材質、例えば、ステンレスやカーボンなどで構造体12を作成してもよい。また、本実施例では、構造体12は、ステージ7よりも径サイズが大きいものを使用し、該ステージ7上にステージ7全体を覆うように設置しているが、ステージ7の外縁部に当該外縁部からガス流路方向に突出するようにねじ式や挿入式で着脱可能に取り付けるように設置してもよい。また、ステージ7と一体に形成するようにしてもよい。つまり、構造体12は、図に示したものに限らず、ガス流路を一部塞ぐかたちでガス流方向に直交する方向に突出する部分を含む形状であればよい。さらに、該突出する部分の先端からガス流方向に延伸する部分を含む形状としてもよい。
本発明者は、本発明の実施例による気相成長装置100の構造体12の径サイズ及び構造体延伸部12eの長さの変化、原料ガスの流量及び成長圧力の変化による排気ポート8への反応副生成物の量の変化をシミュレーションした。なお、シミュレーション条件は、以下のとおりである。
原料ガスは、トリメチルガリウム及びアルシンとし、熱分解した原料ガスが反応し、壁面に吸着及び搬送されることとした。以下、特に記載のない場合は、キャリアガスは、水素とし、チャンバ5内部に供給されるガスの総流量は30SLMとし、チャンバ5内圧力は10kPaでシミュレーションを行った。なお、本発明者は他の原料ガス、例えば、ホスフィンや他の有機金属類を用いてもシミュレーション結果に影響が無いことを確認している。チャンバ5内部の温度は760℃としたが、チャンバ5の内部温度を変えてもシミュレーション結果には影響しないと考えられる。
また、反応副生成物が排気ポート8に到達する程度を定量化するため、反応副生成物の減少率を以下の式(1)で定義する。多くの材料から発生する反応副生成物を一つ一つ定義することは困難であるため、簡易的な手段として、チャンバ5内に供給された原料ガスの分布を調査し、一定の比率で反応すると仮定している。
{(ガス供給部6の噴出し口の原料ガス平均濃度−排気ポート8の原料ガス平均濃度)/ガス供給部6の噴出し口の原料ガス平均濃度}×100…(1)
原料ガスの平均濃度が高ければ反応副生成物も多く形成され、平均濃度が低ければ反応生成物の生成も少ないと考えられるため、上述の式(1)の減少率が大きいことは排気ポート8に入り込む反応副生成物の量が少なくなることを意味する。
図3は、本発明の実施例による構造体12の外縁部12p周辺の部分拡大図である。
チャンバ内壁部5Wと構造体延伸部12eとの距離をS[mm]、構造体外縁部12pから構造体延伸部12eの先端までの長さ(構造体12がガス流方向へ伸びる長さ)をL[mm]、チャンバ5内壁縦寸法をM[mm]とした。ここでステージ7の外縁部(末端)とチャンバ内壁5wとの距離Sを50mmで固定し、排気ポート径は35mmであり、4ポート等間隔で設置していると仮定した。また、サセプター3とステージ7との距離は10mmとした。
なお、本発明の実施例による構造体12を含まない従来型の気相成長装置200において上記条件でシミュレーションを行ったところ、M=135mm、S=50mmとした場合、上記式(1)による減少率は10%程度になることがわかった。
図4は、本実施例の気相成長装置100における第1のシミュレーション結果を示すグラフである。ここではM=135mmに固定し、Sを10〜50mmに変化させたときのL/Sに対する減少率の変化を示す。
このシミュレーションにより、Lが存在すること、すなわち構造体延伸部12eが存在することにより、式(1)による減少率が増加することがわかる。すなわち、構造体延伸部12eが存在することにより、排気ポート8への反応副生成物の輸送量が減少することがわかった。また、L/Sが0.2以上であるとより効果的であることがわかった。
図5は、本実施例の気相成長装置100における第2のシミュレーション結果を示すグラフである。ここでは、M=135mmに固定し、Lを0〜60mmに変化させたときのS/Sに対する減少率の変化を示す。
このシミュレーションにより、S/Sが小さくなるに従い、排気ポート8への反応副生成物の輸送量が減少することがわかった。また、S/Sが0.8を超えると減少率の低下傾向が顕著であることがわかった。
図6は、本実施例の気相成長装置100における第3のシミュレーション結果を示すグラフである。ここでは、S=30mmに固定し、L=0、10、30、60mmの各条件で、Mを変化させたときの反応副生成物の減少率の変化を示す。
このシミュレーションにより、Mが長いほうがやや減少率が増加する傾向が確認できたが、Mの変化に対しては減少率の変動は小さいことがわかった。従って、本発明の実施例による構造体12により反応性生物の堆積の減少は、チャンバ内壁寸法に大きな影響を受けないことがわかった。
図7は、本実施例の気相成長装置100における第4のシミュレーション結果を示すグラフである。ここでは、L=60mm、M=135mmに固定し、S=10、20、30mmの各条件で、チャンバ内圧力を変化させたときの反応副生成物の減少率の変化を示す。
このシミュレーションにより、チャンバ内圧力が5kPa以下では、急激に減少率が低下するが、チャンバ内圧力が5kPa程度以上から常圧(〜100kPa)の範囲では、減少率の変化は穏やかであることがわかった。気相成長、特にMOCVD成長では、減圧領域(およそ数kPa程度)から常圧付近までのさまざまな範囲で材料が作成され、成長中に圧力を変える場合もある。したがって、本発明の実施例による構造体12を設置したことによる効果は、MOCVD成長中のさまざまな成長圧力の変動に影響されないことがわかった。同様に、気相成長では、ガス流量変化もしばしば行われるが、L=60mm、M=135mm、S=30mmの条件で、ガス流量を100L/min以上流しても減少率は80%程度で維持することがわかった。
以上のシミュレーション結果から、従来構造を有する気相成長装置200(図11)と本発明の実施例による気相成長装置100(図1)を実際に作成し、本発明の実施例による効果を検証した。検証法として、本発明の実施例による気相成長装置100に対しても、チャンバ5と排気ポンプ10との間(従来の気相成長装置200と同様の位置)にトラップ機構9を設け、該トラップ機構9の前段と後段の差圧を測定することで排気系への反応副生成物の到達具合を調査した。
トラップ機構9は、内部に吸着フィルターを備え、トラップ機構9全体を冷却する構造となっている。この検証では、従来の気相成長装置200及び本発明の実施例による気相成長装置100で同一構造、性能のトラップ機構9を使用した。この検証において、トラップ機構9の前段と後段の差圧が大きくなることは、トラップ機構9が閉塞していることを示す。
なお、チャンバ5の容積は約700Lとした。また、ガス制御装置1は、有機金属を供給するラインとアルシンなどの水素化物を供給するラインとの2ラインから構成され、チャンバ5に導入されている。ただし、ガスの供給ラインの数や導入方法の違いが本発明の実施例の効果に影響することはないと考えられる。
また、この検証は、アルシン、ホスフィン及びトリメチルガリウムなどの有機金属材料を用い、成長温度600〜950℃、総流量10〜50SLM、成長圧力10〜100kPaの条件下で実施した。キャリアガスは、水素を用いたが、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを用いても本発明の実施例の効果に影響はないと考えられる。
また、この検証では、III−V族系の発光デバイス成長や単層成長の繰り返しを行った。発光デバイスの一例としては、GaAs基板上へGaAsバッファー層0.5μm、SiドープAl0.7(Ga0.5In0.50.3P層1μm、アンドープAl0.2(Ga0.5In0.50.8P層0.2μm、ZnドープAl0.7(Ga0.5In0.50.3P層1μm及びZnドープGaP層30μmを順次積層してなるものがある。また、単層成長の一例としては、SiドープAl0.7(Ga0.5In0.50.3P層1μmがある。なお、成長層の構成が多少異なっていても本発明の実施例の効果には影響しない。また、従来例と本発明の実施例による気相成長装置では、成長内容には多少の誤差は存在するが装置にかかる負担としての差は誤差レベルである。
図8は、図11に示す従来の気相成長装置200を用いて検証した差圧変化を示すグラフである。この検証では、S=50mm、M=150mmとした。なお、図の縦軸は規格化差圧を示す。ここで規格化差圧とは、成長時の差圧を、メンテナンス後などのトラップ機構9取り付け直後の差圧で規格化したものである。
図に示すように、従来構造の気相成長装置200を用いた場合は、規格化差圧は上昇傾向を示し、およそ200〜400時間の稼動でトラップ機構9の閉塞を示す閾値に達することがわかった。この場合、閉塞直前にトラップ機構9及び排気系配管13の洗浄・取り付け等のメンテナンスが必要であった。なお、メンテナンスが必要となるまでの成長回数は100回程度であった。また、図中の曲線の不連続は、メンテナンスを行ったことに由来する。
図9は、図1に示す本発明の実施例による気相成長装置100を用いて検証した差圧変化を示すグラフである。この検証では、S=50mm、M=150mm、L=70mm、S=40mmとした。なお、図の縦軸は規格化差圧を示す。構造体12の材質は石英を用いた。
図に示すように、本発明の実施例による気相成長装置100を用いた場合は、規格化差圧は、1000時間以上稼動しても変化しないことが確認できた。この時点で検証に使用した排気系配管13を取り外して検査したところ、多少の汚れが確認できたが、従来装置におけるような閉塞原因となる堆積物は確認できなかった。なお、成長回数は300回以上である。
以上の検証により、本発明の実施例による気相成長装置100では、構造体12を設けることにより、反応副生成物が排気ポート8に侵入することを大幅に抑制できることが確認できた。したがって、従来構造の気相成長装置200に比べて、排気系配管13のメンテナンス頻度を劇的に減らすことができる。また、専用のトラップ機構9を必要としないことがわかった。
図10は、本発明の実施例による気相成長装置100及び従来構造の気相成長装置200により作成した発光ダイオードの20mAでの寿命を比較実験した結果を示すグラフである。
この比較実験では、GaAs基板上へn型GaAsバッファー層0.5μm、n型Al0.7(Ga0.5In0.50.3Pクラッド層1μm、アンドープAl0.2(Ga0.5In0.50.8P活性層0.2μm、p型Al0.7(Ga0.5In0.50.3Pクラッド層1μmを順次積層し、最後に電流拡散層としてp型GaP層30μmを形成した発光ダイオードを作成して、その20mAでの寿命を比較した。
本発明の実施例による気相成長装置100により作成した発光ダイオードの相対光度変化は、従来構造の気相成長装置200により作成した発光ダイオードと比べてもなんら変化が無いことが確認された。本発明の実施例では、反応副生成物が排気ポート8に侵入することを抑制するために、構造体12を設けており、構造部を冷却するなどの結晶成長に影響する要因を含まない。本発明の実施例では、結晶成長部の温度分布やガス流の乱れを引き起こすことが無いので、結晶成長そのものにはなんら影響を及ぼさないことが確認できた。以上の実験結果により、本発明の実施例によれば、結晶成長に影響することなく排気圧力損失の発生しない気相成長装置が提供できる。
以上、本発明の実施例によれば、構造体12を設けることにより、反応副生成物が排気ポート8に侵入することを大幅に抑制できるので、専用のトラップ機構9を必要としない。
また、本発明の実施例によれば、構造体12を設けることにより、排気系配管13内への反応副生成物の堆積が激減するため、長期にわたり圧力変動が生じない。また、排気系配管13のメンテナンス頻度が大幅に減少するので、製造工程の簡素化ができる。
また、本発明の実施例によれば、チャンバ5内部の冷却やガス流に影響する構造をとることが無いため、高度な技術は必要とせず、また製品性能を劣化させること無く、排気系配管内への反応物の堆積を抑制することのできる気相成長装置を提供することができる。
なお、上述の実施例では、MOCVDを中心に説明したが、本発明は、CVDやVPEなどの気相反応を利用した結晶成長装置全般に適用可能である。また、気相成長が可能な材料系であれば、どのような材料種を用いてもよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の実施例による気相成長装置100の構成を表す概略図である。 本発明の実施例による気相成長装置100のチャンバ5内を上から見た平面図である。 本発明の実施例による構造体12の外縁部12p周辺の部分拡大図である。 本実施例の気相成長装置100における第1のシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施例の気相成長装置100における第2のシミュレーション結果を示すグラフである。 図6は、本実施例の気相成長装置100における第3のシミュレーション結果を示すグラフである。 図7は、本実施例の気相成長装置100における第4のシミュレーション結果を示すグラフである。 図8は、図11に示す従来の気相成長装置200を用いて検証した差圧変化を示すグラフである。 図9は、図1に示す本発明の実施例による気相成長装置100を用いて検証した差圧変化を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例による気相成長装置100及び従来構造の気相成長装置200により作成した発光ダイオードの20mAでの寿命を比較実験した結果を示すグラフである。 従来の気相成長装置200の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1…ガス制御装置、2…グローブボックス、3…サセプター、4…成長基板、5…チャンバ、6…ガス供給部、7…ステージ、8…排気ポート、9…トラップ機構、10…排気ポンプ、11…除害設備、12…構造体、13…排気系配管、100…気相成長装置

Claims (8)

  1. 内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、
    前記チャンバ内において回転軸で支持され、成長基板を設置するためのサセプターと、
    前記サセプター上の成長基板に対して原料ガスを供給するガス供給手段と、
    前記サセプターと前記チャンバ内で対向するステージと、
    前記ステージに設置され、前記ステージよりも大きい径サイズを有する構造体と、
    前記チャンバ内のガスの流れ方向から見て前記構造体の下流に設けられ、前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気手段と
    を有する気相成長装置。
  2. 前記構造体は、さらにその外縁部から前記排気ガスの流れ方向に沿って伸びる延伸部を有する請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記延伸部の長さLと、前記ステージの外縁部から前記チャンバの内壁までの距離Sとの比L/Sが0.2以上である請求項2記載の気相成長装置。
  4. 前記ステージの外縁部から前記チャンバの内壁までの距離Sと前記構造体の外縁部から前記チャンバの内壁までの距離Sとの比S/Sが0.8以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  5. 前記チャンバ内の圧力が、5〜100kPaである請求項1〜4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  6. 前記ガス供給手段は、前記サセプターの略中央から原料ガスを供給し、かつ、前記サセプターの成長基板を設置する面に対して略平行方向へ原料ガスを流す請求項1〜5のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  7. 前記延伸部は、前記サセプターの成長基板を設置する面に対して略垂直方向に伸び、該方向を延長した方向に前記排気手段が設けられる請求項3記載の気相成長装置。
  8. 内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、
    前記チャンバ内に原料ガスを供給するガス供給部と、
    前記チャンバ内において、成長基板を設置するための面が略水平に設置され、かつ、回転軸で支持され、かつ、前記ガス供給部を中心としてその周囲に設置されたサセプターと、
    前記チャンバ内において前記サセプターと対向するステージと、
    前記ステージに設置され、前記ステージよりも大きい径サイズを有し、外縁部から略垂直下方向へ伸びる延伸部を有する構造体と、
    前記構造体方向から流れてくる排気ガスを排出するために前記チャンバ内の前記構造体の下方に設けられた排気ポートと
    を有する気相成長装置。
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