JP2006274316A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カバープレートの過剰昇温を防止して、パーティクルの発生を低減する。
【解決手段】 基板処理装置は、基板201を処理する反応室200と、反応室200内で基板201を支持するサセプタ(支持具)202と、サセプタ202下方に設けられ基板201を加熱するヒータ204と、少なくとも基板201の外周部を覆うように基板201上方に設けられたリング状のカバープレート203とを有する。このカバープレート203の基板201外周部と対向する部分には、反射板203aを内挿する。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板処理装置は、基板201を処理する反応室200と、反応室200内で基板201を支持するサセプタ(支持具)202と、サセプタ202下方に設けられ基板201を加熱するヒータ204と、少なくとも基板201の外周部を覆うように基板201上方に設けられたリング状のカバープレート203とを有する。このカバープレート203の基板201外周部と対向する部分には、反射板203aを内挿する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、リング状のカバープレートを用いて基板を処理する基板処理装置に関する。
現在、LSIの高集積化に伴い、半導体プロセスの薄膜化が進められている。それによりMOCVD(Metal Organic CVD)をはじめ薄膜化に有効な手法が積極的に研究・開発されている。
MOCVDにおいては、薄腹中の不純物除去や膜の組成を所望の品質に調整するために、反応ガスと、プラズマ・ラジカル等の膜質改善物質との交互供給が行われてきており、これはサイクル手法を適用したMOCVD、すなわちサイクリックMOCVDと呼ばれている。また、ALD(Atomic Layer Deposition)法による薄膜成長は、原子層堆積として知られ、レイヤー毎にセルフリミットがかかるように反応ガスとその余剰反応ガス及び気体反応物を一掃する保護ガスとの交互供給によって行われる。
上記のような成膜を行う基板処理装置は、基板を処理する反応室と、反応室内で基板を支持するサセプタと、サセプタ下方に設けられ基板を加熱する昇降可能なヒータとを備える。反応室は、反応容器の上部開口を蓋部で覆うことにより構成される。MOCVDの場合、特に蓋部にはシャワーヘッドが設けられ、シャワーヘッドから反応ガスを基板上に供給して薄膜を形成するようになっている。
上述した基板処理装置では、特に電極用の成膜に用いられる金属薄膜などにおいては、基板端部及び裏面への成膜が他のプロセス工程への汚染の原因として問題になってきている。そこで、従来、基板の端部及び裏面への成膜を防止するために、基板外周部を覆うように基板上方にリング状のカバープレートを設けることが行われている。
上述した基板処理装置では、特に電極用の成膜に用いられる金属薄膜などにおいては、基板端部及び裏面への成膜が他のプロセス工程への汚染の原因として問題になってきている。そこで、従来、基板の端部及び裏面への成膜を防止するために、基板外周部を覆うように基板上方にリング状のカバープレートを設けることが行われている。
従来、基板端部直上にリング状のカバープレートを設置して、基板の端部表面を約5〜20mm程度を覆うことで、基板端部へのガスの回りこみを抑制している。その際、接ガス頻度の高い基板上方に載置されたカバープレート内周部は、基板からの輻射熱を受け、シャワーヘッドや蓋部に比べ、温度が過剰に上昇してしまう。これは、シャワーヘッド、蓋部などが一般的にアルミニウムで構成されており、輻射率が約0.05〜0.2程度と低いのに対して、カバープレートには純度の高い石英が用いられており、石英の輻射率が一般に0.9よりも高いためである。
そのため、カバープレート内周部が高温となり、カバープレートにおいても成膜が進行し、膜の付着が避けられなくなる。しかも、基板端部の直上にカバープレートを設置しているため、ヒータの昇降を繰り返すと、カバープレートに付着していた膜が剥がれ落ち、パーティクルが発生するという問題があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、カバープレートの過剰昇温を防止して、パーティクルの発生を低減することが可能な基板処理装置を提供することにある。
第1の発明は、基板を処理する反応室と、前記反応室内で基板を支持する支持具と、前記支持具下方に設けられ基板を加熱するヒータと、少なくとも基板外周部を覆うように基板上方に設けられたリング状のカバープレートとを有し、前記カバープレートの基板外周部と対向する部分に反射板を内挿したことを特徴とする基板処理装置である。
カバープレートの基板外周部と対向する部分に反射板を内挿したので、カバープレートの過剰昇温を防止でき、パーティクルの発生を低減できる。特に、カバープレートに反射板を内挿したので、反射板材料による汚染を確実に回避できる。
カバープレートの基板外周部と対向する部分に反射板を内挿したので、カバープレートの過剰昇温を防止でき、パーティクルの発生を低減できる。特に、カバープレートに反射板を内挿したので、反射板材料による汚染を確実に回避できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記反射板は、カバープレートを上下2枚に分割し、分割プレートの基板外周部と対向する部分であって、分割プレートの対向面に溝部を設け、この溝部に反射板を入れ、溝部以外の箇所を電着法で接合することにより、前記カバープレートに反射板を内挿したことを特徴とする基板処理装置である。
電着法による2枚の分割プレートの接合により、カバープレートに内挿した反射板が完全に反応室内と遮断されるため、反応室内にガスが導入されても直接反射板に触れることがなく、反射板を構成する材料による汚染をより確実に回避できる。
電着法による2枚の分割プレートの接合により、カバープレートに内挿した反射板が完全に反応室内と遮断されるため、反応室内にガスが導入されても直接反射板に触れることがなく、反射板を構成する材料による汚染をより確実に回避できる。
本発明によれば、カバープレートの過剰昇温を防止できるので、パーティクルの発生を低減できる。
図2に本発明を適用した実施の形態の枚葉式CVD装置の概略縦断面図を示す。枚葉式CVD装置は、主に反応室200とヒータ204とから構成される。
反応室200は、上部開口を蓋部215で覆われた反応容器230の内部に構成される。反応容器230の一側に基板搬送口226が設けられ、他側に排気口236が設けられる。排気口236を設けた反応容器230の他側は、内部に排気室211を構成する排気フランジ231と連結される。これにより反応室200は、排気口236を介して排気室211と連通するようになっている。排気室211には下流側に反応室200内を減圧するための真空ポンプ234が設けられている。反応室200内の圧力はこの排気室211から真空ポンプ234までの間に設けられた圧力制御手段233によって調整が可能である。
基板搬送口226を設けた反応容器230の一側は、接合フランジ212を介して基板搬送手段235を備えた搬送室238と連通されている。基板搬送口226にはゲートバルブ214が設けられ、基板の搬入出時には開放され、成膜時には遮断されるようになっている。この基板搬送口226は、通常の成膜過程において、短時間ではガス置換が困難な領域、すなわち淀みの領域となってしまうため、接合フランジ212の下部には搬送口パージ配管213が設置されており、成膜中は常時搬送口パージ配管213から基板搬出口226にArガスなどの不活性ガスを供給するようになっている。
反応容器230の上部開口は蓋部215で気密に覆われている。蓋部215は、反応室200内での保守・点検等の作業を行えることが可能なように、蓋部215を回動または昇降により開閉できるように構成されている。蓋部215には、原料ガス導入配管218aと膜質改善物質導入配管218bとが気密接合されている。原料ガス導入配管218aと膜質改善物質導入配管218bとの気密接合方法としては、配管端面を蓋部215に接合し、その接合されたシール面にOリング(フッ素ゴム等)、メタル(SUS等)などのシール材を使用し、反応室200内を真空気密にしている。
原料ガス導入配管218aと膜質改善物質導入配管218bとが気密接合された蓋部215には、分散板217及びシャワーヘッド216が設けられ、原料ガス導入配管218a、膜質改善物質導入配管218bから導入された処理ガスは、分散板217、シャワーヘッド216を通過し、基板201に供給されるようになっている。
基板201は、支持具としてのサセプタ202上に載置されている。このサセプタ202の外周部には、後述するカバープレート203との組合わせにより環状の排気バッファ流路203cが形成されている。また、リング状のカバープレート203は、反応容器230の内壁に形成された段差部237上に載置され、少なくとも基板201の外周部を覆うように基板201上方に設けられている。基板201はサセプタ202の下部に設けられているヒータ204から加熱され、サセプタ202を介して加熱される。
基板201を設置するサセプタ202の材質としては、石英、窒化アルミニウム、SiCなどが挙げられる。また、基板201の上方に設けられるカバープレート203には純度の高い石英を用いる。これにより、基板201の設置面及び基板201の上方の接ガス面としては、サセプタ202及びカバープレート203のみとなり、汚染の原因となり難い部材のみを載置したので、基板201の汚染を有効に低減できる。
ヒータ204は円板状をしており、円板裏面の中央に鉛直に取り付けられた支持軸により水平に支持されている。ヒータ204は、タングステン、モリブデン、SiCなどの抵抗発熱体を内挿した非金属(窒化アルミニウム、石英)にて形成されており、1〜3個程度の部品(配線類は除く)から構成されている。
本装置では、基板201上に均一に薄膜を堆積するために、基板201上での反応速度を同等にしてやる必要があり、そのためには基板201を均一に加熱することができるヒータ204が必要である。本実施の形態の温度均一性の適用範囲としては、基板温度450℃において、<±2.5℃である。そのため円板状のヒータ204の内周部と外周部とにヒータ内の発熱体の制御を独立化してゾーン別に制御するか、または内周部の発熱体のモニタ温度に対する外周部の発熱体の温度を従属制御することにより、ヒータ204の均熱化を図っている。ヒータ204のゾーン分割数としては1〜3程度である。ヒータ204には、電極端子227及び温度モニタ用端子(サーモカップル等)228が連結されている。ヒータ204は、これらの端子227及び228を通じてヒータ制御手段208によって制御されるようになっている。
ヒータ204を水平に支持する支持軸は、反応容器230の底壁中央に設けた貫通孔に挿通されて、反応容器230の外部に設けられたヒータ台205に載置されている。ヒータ台205は昇降手段(図示せず)に連結され、基板201を昇降移動することを可能にしている。基板201は、反応室200に対して基板搬送口226を経由して基板201が搬入出される際に、基板201が位置する搬入搬出位置と、反応室200内で基板201を処理する基板処理位置(図2に示す位置)との間で移動するようになっている。
反応容器230の底部に、リフトピン台209を介してリフトピン210が立設されている。ヒータ204が昇降手段によって降下すると、リフトピン210の頂部はヒータ204及びサセプタ202に設けたピン孔よりサセプタ202の上に突き出し、このリフトピン210の頂部の位置が、基板201が搬入出される搬入搬出位置となる。基板201は、反応室200に開口した基板搬送口226を介して搬送手段235により反応室200内に搬入され、サセプタ202の上に突き出たリフトピン210の頂部上に搭載される。
ヒータ204が昇降手段により上昇すると、リフトピン210のサセプタ202に対する高さが下がり、リフトピン210の頂部がサセプタ202の上面よりも下側に位置することになり、基板201がサセプタ202上に載置されるようになる。このヒータ204の上昇した位置が基板201が処理される基板処理位置となる。
そして、反応容器230の底壁に設けた貫通孔を外気と遮断するため、反応容器230の底壁とヒータ台205のフランジ部205aとの間に、ヒータ台205を包囲して気密性を保持する伸縮可能なベローズ206が取り付けられ、反応室200内の気密性を保持するようになっている。
ヒータ台205には、反応室200内において、淀みの領域となるヒータ204より下部の領域(反応室下部)200bを短時間にてガス置換するために、ヒータ下部パージ配管207が設置されている。ヒータ下部パージ配管207は、搬送口パージ配管213と同様に、成膜時は通常、常時ヒータ台205とベローズ206との隙間から、反応室下部200bにArガスなどの不活性ガスを供給するようになっている。
反応容器230、蓋部215、原料ガス導入配管218a、膜質改善物質導入配管218bにはそれぞれ加熱手段である反応容器加熱ヒータ223、蓋部加熱ヒータ221、原料ガス配管加熱ヒータ219a、膜質改善物質配管加熱ヒータ219bが設置されている。また、安全保護及び保温効果のため、反応容器加熱ヒータ223、蓋部加熱ヒータ221、原料ガス配管加熱ヒータ219a、膜質改善物質配管加熱ヒータ219bのそれぞれに、断熱材である反応容器保護カバー224、蓋部保護カバー222、原料ガス配管保護カバー220a、膜質改善物質配管保護カバー220bが設置されている。その他のベローズ206を含む接ガス部にも各部位の熱容量に応じた加熱ヒータ(図示せず)及び保護カバー(図示せず)が取り付けられている。
次に上述したカバープレートの実施の形態を具体的に説明する。
図1は実施の形態のカバープレートの構成図を示し、(a)はサセプタ等を含むカバープレートの断面図、(b)はカバープレートの平面図である。
図1は実施の形態のカバープレートの構成図を示し、(a)はサセプタ等を含むカバープレートの断面図、(b)はカバープレートの平面図である。
円板状のヒータ204の上に、ヒータ204よりも径の大きな円形のサセプタ202が載置され、サセプタ202の外周部がヒータ204よりもはみ出している。このサセプタ202は、環状の排気バッファ流路203cを形成するために、ヒータ204の外周部に、上面が開放されたチャンネル状の溝225を有する。このチャネル状の溝225は、ヒータ204からはみ出したサセプタ202の外周部を折り曲げて形成される。また、チャネル状の溝225の排気口236側の側面に排出口229が開口されている。
外周部が段差部237上に載置されたリング状のカバープレート203は、基板201の上方に設けられる。このカバープレート203は、基板201の端部及び裏面への成膜を抑制するために、少なくとも基板201の外周部の上方近傍までを覆うようになっている。また、カバープレート203は、排気バッファ流路203cを形成するためにサセプタ202の溝225を覆うようになっている。
また、カバープレート203は、排気バッファ流路203cと対向する位置に、鉛直方向に貫通した複数の排気孔203eを有する。これにより、基板201に供給された処理ガスが、カバープレート203の上面に沿って径方向外方に流れ、複数の排気孔203eを通って、サセプタ202に形成された排気バッファ流路203cに速やかに排気されるようになっている。
また、カバープレート203は、カバープレート203の基板201の外周部と対向する温度上昇の懸念される内周部に、幅射率を低減する反射板203aが内挿された構造をしており、基板201及びヒータ204からの輻射熱の影響によりカバープレート203が過剰昇温することを抑制できるようになっている。反射板203aとしては、反射効果のあるシート状の金属材料、例えばSUS、モリブデン、ハステロイ等を挙げることができる。
反射板203aの内挿の方法としては、例えば電着法を用いる。あらかじめ、カバープレート203を上下2枚に加工して分割プレートを形成する。この分割プレートの基板外周部と対向する部分であって、反射板203aを内挿する分割プレートの接合面位置に、加工を施して溝部を形成する。この溝部に反射板203aを入れ、溝部以外の箇所を電着法により接合する。
このように本実施の形態の枚葉式CVD装置は、基板201の外周部と対向する部分に反射板203aが内挿されたカバープレート203を備えている。
次に上述した枚葉式CVD装置を用いて半導体装置を製造する工程の一工程として基板を処理する方法を説明する。ここでは、シリコン基板にルテニウム(Ru)膜の成膜を行うサイクル手法を適用したMOCVDプロセスを例にとって説明する。
図2において、サセプタ202を搬入搬出位置に下降させた状態で、ゲートバルブ214を開放する。搬送室238内の搬送手段235により、1枚のシリコン基板201を基板搬送口226を介して、反応室200内に搬入して、リフトピン210上に移載して保持する。ゲートバルブ214を閉じた後、昇降手段により、サセプタ202を所定の基板処理位置まで上昇させる。このとき、基板201は自動的にリフトピン210から、サセプタ202上に載置される。図2はこの状態を示している。なお、サセプタ202が基板処理位置まで上昇することにより、サセプタ202及びカバープレート203の上面と、蓋部215の内壁面との間に反応室上部200aが形成され、サセプタ202及びカバープレート203の下面と反応容器230の内壁面との間に反応室下部200bが形成される。
ヒータ制御手段208によりヒータ204を制御してサセプタ202を加熱して、シリコン基板201を一定時間加熱する。成膜前に、搬送口パージ配管213、及びヒータ下部パージ配管207からパージガス(例えばArガス)を導入して、基板搬送口226、及び底壁貫通孔から反応室下部200bを通って排気室211へ向う一方向の流れを形成し、基板搬送口226、反応室下部200bへの成膜時におけるガスの侵入を防ぐようにする。反応室200内の圧力は、圧力制御手段233により制御する。シリコン基板201が所定の温度に加熱され、圧力が安定した後、成膜を開始する。成膜は次の4つの工程から成り、4つの工程を1サイクルとして、所望の厚さの膜が堆積するまで複数回サイクルが繰り返される。
なお、各工程における基板温度、反応室内圧力はそれぞれ、ヒータ制御手段208、圧力制御手段233で制御される。
工程1では、金属含有原料として液体から気化させたRu(EtCp)2ガスを、原料ガス導入配管218aから分散板217を介してシャワーヘッド216を通過させ、反応室上部200a内にシャワー状に導入する。導入されたRu(EtCp)2ガスは熱分解され、基板201上にルテニウム膜を形成する。余剰ガスはカバープレート203の上面に設けた複数の排気孔203eから環状の排気バッファ流路203c内を流れ、サセプタ排出口229より排気され、排気室211から反応室200外に排気される。
工程2では、Arガスを原料ガス導入配管218aから分散板217を介してシャワーヘッド216を通過させ、反応室上部200a内にシャワー状に供給する。原料ガス導入配管218aや反応室200内に残留しているRu(EtCp)2ガスは、Arガスによりパージされ、カバープレート203の上面に設けた排気孔203eから排気バッファ流路203c内を流れ、サセプタ排出口229より排気され、排気室211から反応室200外に排気される。
工程3では、ラジカル酸素(活性化酸素)を膜質改善物質導入配管218bから分散板217を介してシャワーヘッド216を通過させ、反応室上部200a内にシャワー状に供給する。活性化酸素はシリコン基板201上に供給されて、基板201上に成膜されているルテニウム膜の膜改質処理を行う。余剰ガスはカバープレート203の上面に設けた排気孔203eから排気バッファ流路203c内を流れ、サセプタ排出口229より排気され、排気室211から反応室200外に排気される。
工程4では、Arガスを膜質改善物質導入配管218bから分散板217を介してシャワーヘッド216を通過させ、反応室上部200a内にシャワー状に供給する。膜質改善物質導入配管218bや反応室200内に残留している酸素は、Arによりパージされ、カバープレート203の上面に設けた排気孔203eから排気バッファ流路203c内を流れ、サセプタ排出口229より排気され、排気室211から反応室200外に排気される。
上述した4つの工程を1サイクルとして、所望の厚さのルテニウム膜が堆積するまで複数回サイクルを繰り返す。工程1〜4に要する時間は、スループット向上のために、各工程で数秒、好ましくは1秒以下がよい。成膜終了後、サセプタ202は昇降手段により搬入搬出位置まで降下し、シリコン基板201は搬送手段235により、ゲートバルブ214を通って搬送室238に搬出される。
処理条件の範囲として、基板温度:200〜500℃、反応室内圧力:10〜1000Pa、反応室内に供給するガスの総流量:0.1〜2s1m、膜厚:1〜50nmを挙げることができる。
ところで、サイクリックMOCVDで成膜を行う場合、1サイクル当たり成膜は0.3〜1.0Åとなり、特に1枚ずつ基板に成膜するような枚葉式ではスループットが問題となる。特に基板201の大口径化により反応室200容積が増大し、供給ガスの反応室下部200bへの回りこみや、ポーラス状などの脱気が困難である部材への反応室200内のガスの吸着が行われ、高速なガス置換が困難になってきている。
この点で、本実施の形態では、反応室200内に容積の小さい排気バッファ流路203cを擬似的に形成し、この排気バッファ流路203cにガスを流して排気させるようにしたので、基板201の処理に使用するガスを速やかに排出し、かつ基板搬送口226やサセプタ202下部領域となる反応室下部200bに拡散するのを抑制しているので、高速なガス置換を行うことができる。
この高速なガス置換をさらに有効なものとするためには、上述した各工程において、基板201上に供給されたガスが、基板201とカバープレート203との隙間203bから排気バッファ流路203cに進入したり、また、排気バッファ流路203c内に流入したガスが反応室下部200bへ流出したりしないようにする必要がある。このために、本実施の形態では、(基板とカバープレート間の隙間203bの流路コンダクタンス)<<(複数の排気孔203e合計の流路コンダクタンス)となるように、昇降手段(図示せず)を用いて基板201の高さ方向の調整を行っている。この場合、基板201とカバープレート203間の隙間203bは5.0mm以下に設定している。
同様にサセプタ202の折り返し端部とカバープレート203間の隙間203dにおいても、(サセプタとカバープレートの折返し端部間の隙間203dの流路コンダクタンス)<<(排気バッフア流路203cのコンダクタンス)となるように、サセプタ202の折返し端部の高さを設定している。
このように隙間203b、203dを設定することにより、基板201に供給後、排気される処理ガスが反応室200全体に拡散することをできるだけ抑制し、また、反応室200内において、接ガス面としてはサセプタ202及びカバープレート203のみとなるようにしたので、より高速なガス置換を行うことができる。
ここに高速ガス置換を行うことができる根拠を列挙すると次の通りである。
(1)接ガス容積が小さい
排気バッファ流路203cの容積は、反応室下部200bの容積(排気バッファ流路203cを作成しない場合)に比べ、1/10以下程度にすることが可能である。基板201を処理する上で、同じ圧力で同じ流量の処理ガスを供給する場合、単純比較では、初期濃度を1/1000以下と規定とすると、それまでの置換時間が1/10になることが分かる。実際には排気バッファ流路203cにより排気コンダクタンスが縮小し1/10までは短縮できないが、反応室下部200bの容積をガス置換するよりは十分に早い時間でガス置換を行うことが可能である。
(1)接ガス容積が小さい
排気バッファ流路203cの容積は、反応室下部200bの容積(排気バッファ流路203cを作成しない場合)に比べ、1/10以下程度にすることが可能である。基板201を処理する上で、同じ圧力で同じ流量の処理ガスを供給する場合、単純比較では、初期濃度を1/1000以下と規定とすると、それまでの置換時間が1/10になることが分かる。実際には排気バッファ流路203cにより排気コンダクタンスが縮小し1/10までは短縮できないが、反応室下部200bの容積をガス置換するよりは十分に早い時間でガス置換を行うことが可能である。
(2)接ガス部の材質の限定が可能
排気経路において接ガス部の主となる排気バッファ流路203cを形成しているサセプタ202、カバープレート203として、ガス吸着の少ない材質を採用することで、置換時間を短縮することができる。本実施の形態のサセプタ202には、上述したように石英を使用し、カバープレート203には石英、窒化アルミニウム、SiCなどを使用し、アルマイト、アルミナなどの多孔質材(ポーラス)材を使用していないため、材質の面からも置換時間を短縮することが可能である。
排気経路において接ガス部の主となる排気バッファ流路203cを形成しているサセプタ202、カバープレート203として、ガス吸着の少ない材質を採用することで、置換時間を短縮することができる。本実施の形態のサセプタ202には、上述したように石英を使用し、カバープレート203には石英、窒化アルミニウム、SiCなどを使用し、アルマイト、アルミナなどの多孔質材(ポーラス)材を使用していないため、材質の面からも置換時間を短縮することが可能である。
(3)淀み領域が無い
基板搬送口226、反応室下部200bの領域などに直接的にガスが放出されず、また基板搬送口226、反応室下部200bの領域などを、常にArガスでパージしているため、反応室200内の残留ガスを抑制することが可能である。
基板搬送口226、反応室下部200bの領域などに直接的にガスが放出されず、また基板搬送口226、反応室下部200bの領域などを、常にArガスでパージしているため、反応室200内の残留ガスを抑制することが可能である。
以上述べたように、本実施の形態によれば、カバープレート203の内周部に反射板203aを内挿したので、基板201及びヒータ204からの輻射熱の影響により、カバープレート203の内周部が高温になるのを確実に抑制することができる。このため、基板201の上方のカバープレート203において、自己分解又は反応により成膜されるのを有効に阻止でき、カバープレート203に付着していた膜が剥がれ落ちてパーティクルが発生するのを防止できる。特に、反射板203aを構成するシート状の金属材の表面を研磨し鏡面状態に近づけることで、カバープレート203の幅射率をより低下させることができる。これによりカバープレート203の内周部での成膜をより有効に阻止でき、パーティクルが発生するのをより有効に防止できる。
また、カバープレートの過剰昇温を防止できるので、温度に敏感な原料の使用も可能になり、多原料化が想定される高誘電体膜形成装置をはじめ、多種多様な原料を使用する次世代薄膜を形成する基板処理装置に適用することも可能である。
また、カバープレートへの成膜に起因して経時的にカバープレートの輻射率が変化することを回避できるので、基板201の温度均一化を図ることができ、その結果、基板201を安定にかつ連続的に処理することが可能になる。
また、反射板203aを電着法によりカバープレートに内挿することにより、反射板203aを反応室200内と完全に遮断できるため、膜質改善物質導入配管218bからラジカル種(O、Nなど)が導入されても、ラジカル種が反射板203aを構成する金属材に直接触れることがなく、金属汚染の問題も回避できる。
また、カバープレート203に反射板203aを内挿するだけで、カバープレート203への成膜を回避でき、パーティクルの発生を低減できるので、メンテナンス時期の延長が図れ、保守・管理が容易になる。
なお、本実施の形態の成膜法では、金属含有原料と酸素又は窒素を含有するガスを交互に供給するサイクリックMOCVDについて説明したが、ALDや、従来から使用されているMOCVD(金属含有原料と酸素又は窒素を含有するガスを同時に供給する成膜や金属含有原料の熱分解による成膜によるMOCVD)においても利用できることはいうまでもない。
201 基板
200 反応室
202 サセプタ(支持具)
204 ヒータ
203 カバープレート
203a 反射板
200 反応室
202 サセプタ(支持具)
204 ヒータ
203 カバープレート
203a 反射板
Claims (1)
- 基板を処理する反応室と、
前記反応室内で基板を支持する支持具と、
前記支持具下方に設けられ基板を加熱するヒータと、
少なくとも基板外周部を覆うように基板上方に設けられたリング状のカバープレートとを有し、
前記カバープレートの基板外周部と対向する部分に反射板を内挿したことを特徴とする基板処理装置。
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- 2005-03-28 JP JP2005092605A patent/JP2006274316A/ja active Pending
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